JP4003085B2 - 車椅子用保持具 - Google Patents

Description

本発明は、車椅子に取り付けて買い物篭などの荷物を保持する車椅子用保持具に関する。

従来、車椅子の使用者は、荷物を所持して車椅子で移動する場合、手で車椅子の車輪を操作しなければならず、荷物を手で持つことができないので、膝の上に荷物を置かなければならないという問題を有していた。このような問題を解決するものとして、例えば、特許文献１に開示されている車椅子用保持具が知られている。

この車椅子用保持具１２１は、図６に示すように、座席１１３と、座席１１３を支持する本体１１５と、座席１１３の両側にそれぞれ配置された一対の肘掛部材１１２、１１２とを備えた車椅子１１１に取り付けられる器具であって、一対の肘掛部材１１２、１１２の間に水平に架設される保持部材１２３と、一対の肘掛部材１１２、１１２のそれぞれにおいて保持部材１２３を支持する第１支持部材１２９および第２支持部材１３５とを備えており、車椅子１１１の使用者が荷物を保持部材１２３に載置できるように構成されている。
特開２００３−３３４０２号公報

しかし、従来の車椅子用保持具１２１では、車椅子１１１の使用者が座席１１３に着座した際に、保持部材１２３が使用者の胸元に位置するので、使用者と保持部材１２３との距離が短く、荷物を載せ降ろしする際に窮屈であるという問題があった。また、この問題を解消するために、保持部材１２３を車椅子１１１の前方側へ配置すると、第１支持部材１２９および第２支持部材１３５により保持部材１２３を支えきれず、保持部材１２３が車椅子１１１の前方側に転倒するおそれがあった。

本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、荷物を容易に載せ降ろしすることができ、かつ、確実に保持することができる車椅子用保持具の提供を目的とする。

本発明の前記目的は、座席と、該座席を支持する本体フレームと、前記座席の両側にそれぞれ配置された一対の肘掛部材とを備えた車椅子に取り付ける車椅子用保持具であって、屈曲させた棒状体からなり、前記車椅子に取り付けられる支持フレームと、前記支持フレームに連結されて荷物を保持する保持部材とを備え、前記支持フレームは、一端側を構成する水平部を一方の前記肘掛部材の先端部に取り付ける第１取付部材と、他端側を構成する支持部を前記本体フレームに取り付ける第２取付部材とを備え、前記支持部は、前記水平部が前記車椅子の前方側へ水平に延びるように前記水平部を支持しており、前記保持部材は、前記水平部に連結される連結部と、他方の前記肘掛部材の先端部に当接する当接部とを備え、前記連結部は、前記保持部材が前記水平部を中心に回動可能となるように前記水平部に連結されている車椅子用保持具により達成される。

本発明の車椅子用保持具によれば、荷物を容易に載せ降ろしすることができ、かつ、確実に保持することができる。

以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る車椅子用保持具を車椅子に取り付けた状態の斜視図であり、図２は、その側面図である。

図１および図２に示すように、この車椅子用保持具１０は、車椅子４に取り付けられるものであって、車椅子４に取り付けられる支持フレーム５５と、支持フレーム５５に連結される保持部材５とを備えている。

車椅子４は、使用者が座るための座席１１と、座席１１を支持する本体フレーム２０と、座席１１の両側にそれぞれ配置された一対の肘掛部材１５、１５とを備えている。座席１１は、使用者の着座部分である座面１３と、背もたれ部分である背面１２とを備えている。

本体フレーム２０は、座面１３の下方に水平状に配置されたベースパイプ２３と、ベースパイプ２３の後部に立設されて背面１２を支持するバックパイプ２１と、バックパイプ２１の中央部から車椅子４の前方側へ延設されて座面１３を支持するシートパイプ２４と、シートパイプ２４の前端部から縦方向へ延設されてシートパイプ２４とベースパイプ２３とを連結するフロントパイプ２５と、シートパイプ２４の前端部から斜め下方へ延設されたレッグパイプ２２とをそれぞれ一対備えている。また、本体フレーム２０は、シートパイプ２４およびベースパイプ２３がＸ字状に配置された２本のクロスバー２６に連結されることにより、車椅子４の幅方向に折りたたみ可能に構成されている。

バックパイプ２１には車輪３１が取り付けられ、フロントパイプ２５にはキャスター３２が取り付けられている。また、レッグパイプ２２には、使用者の下肢部を支持する帯状のレッグサポート２８が設けられており、下端部には、使用者が足を乗せるためのフットプレート２７が取り付けられている。

肘掛部材１５、１５は、断面が円形のパイプから構成されており、バックパイプ２１から車椅子４の前方側へ水平に延設され、上部には肘掛パッド１６、１６を備えている。

支持フレーム５５は、パイプなどの棒状体を屈曲させたものであり、一端側を構成する水平部５２を一方の肘掛部材１５の先端部に取り付ける第１取付部材１と、他端側を構成する支持部５３を本体フレーム２０に取り付ける第２取付部材２とを備えている。水平部５２は、第１取付部材１により取り付けられた部分から車椅子４の前方側へ水平に延びており、支持部５３は、この水平部５２を水平状態で支持するように下方へ連続している。

第１取付部材１は、図３に示すように、筒状のパイプ部材３６と、断面がコの字状の肘掛挟持部材３５と、パイプ部材３６および肘掛挟持部材３５を連結する板状の連結板３７とを備えている。パイプ部材３６には、支持フレーム５５の水平部５２が挿入され、固定されている。肘掛挟持部材３５は、可撓性を有しており、断面が円形の肘掛部材１５を両側から挟持可能に構成されている。第１取付部材１は、肘掛挟持部材３５が肘掛部材１５を挟持することにより、肘掛部材１５の先端部に固定される。肘掛挟持部材３５と肘掛部材１５とは、図示しないボルトにより連結されていてもよい。

第２取付部材２は、図４に示すように、ベース挟持部材３９およびレッグ挟持部材３８を備えており、ベース挟持部材３９およびレッグ挟持部材３８はヒンジ部４０により回転可能に連結されている。ベース挟持部材３９の側面には支持フレーム５５の支持部５３が固定されている。ベース挟持部材３９およびレッグ挟持部材３８は、それぞれ、断面がコの字状で可撓性を有しており、断面が円形のベースパイプ２３およびレッグパイプ２２を両側から挟持可能に構成されている。パイプを挟持する際は、ベース挟持部材３９およびレッグ挟持部材３８をボルト４５によりそれぞれ側方から締め付けてもよい。

保持部材５は、図５に示すように、四角形の枠体４３を備えており、枠体４３内に配置された買い物篭などの荷物を枠体４３の各辺により支持できるように構成されている。また、保持部材５は、支持フレーム５５の水平部５２に連結される筒状の連結パイプ４１と、車椅子４の幅方向に水平に延びる当接部４２とを備えている。連結パイプ４１は、保持部材５が水平部５２を中心に回動可能となるように水平部５２に挿通されている。また、当接部４２は、保持部材５が一対の肘掛部材１５、１５の間に水平に架設されるように、第１取付部材１が取り付けられていない肘掛部材１５の先端部に当接する。当接部４２には、袋状のポケットやボタンを押すことで音が鳴るブザーなどを取り付けてもよい。

以上の構成を備える車椅子用保持具１０によれば、水平部５２を有する支持フレーム５５が、第１取付部材１および第２取付部材２により一方の肘掛部材１５および本体フレーム２０に取り付けられ、水平部５２が水平状態で支持されており、かつ、保持部材５が水平部５２に連結されるとともに他方の肘掛部材１５に当接する当接部４２を備えているので、保持部材５を水平状態で安定的に支持することができ、荷物を保持部材５により確実に保持することができる。

また、水平部５２が車椅子４の前方側へ水平に延びており、保持部材５が水平部５２に連結されているので、保持部材５を車椅子４の前方側で安定的に支持することができる。したがって、保持部材５を車椅子４の前方側に配置することができ、保持部材５と車椅子４の使用者との距離にゆとりを取ることができるので、使用者にとって窮屈ではなく、買い物篭などの荷物を容易に載せ降ろしすることができる。

また、保持部材５を使用しない場合は、保持部材５を、水平部５２を中心に回動することにより座席１１の一方側において起立状態で支持することができる。これにより、肘掛部材１５、１５間に保持部材５が架設されなくなるので、車椅子４の使用者は容易に車椅子４に乗り降りすることができる。

また、水平部５２に挿通された連結パイプ４１を水平部５２に沿って前後にスライドさせることにより、保持部材５と車椅子４の使用者との距離を調整することができる。これにより、使用者の体型に合った位置に保持部材５を配置することができる。

また、当接部４２が車椅子４の幅方向に水平に延びているので、車椅子４の種類により肘掛部材１５、１５間の距離が変わっても、当接部４２が肘掛部材１５に確実に当接し、荷物を確実に保持することができる。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は、上記実施形態に限定されるものではない。

例えば、本実施形態では、第２取付部材２は、ベースパイプ２３およびレッグパイプ２２に取り付けられていたが、支持部５３を本体フレーム２０に取り付けることができるのであれば、その取り付け位置は特に限定されない。

また、本実施形態では、保持部材５は、四角形の枠体であったが、荷物を保持することができるものであればその構成は特に限定されず、平板状のプレートや、テーブル、バスケットなどであってもよい。

本発明の一実施形態に係る車椅子用保持具を車椅子に取り付けた状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る車椅子用保持具を車椅子に取り付けた状態の側面図である。 図１に示す第１取付部材の詳細図である。 図１に示す第２取付部材の詳細図である。 図１に示す保持部材の詳細図である。 従来の車椅子用保持具を車椅子に取り付けた状態の正面図である。

符号の説明

１ 第１取付部材
２ 第２取付部材
４ 車椅子
５ 保持部材
１０ 車椅子用保持具
１１ 座席
１５ 肘掛部材
２０ 本体フレーム
３１ 車輪
４１ 連結パイプ
４２ 当接部
５２ 水平部
５５ 支持フレーム

Claims (2)

1. 座席と、該座席を支持する本体フレームと、前記座席の両側にそれぞれ配置された一対の肘掛部材とを備えた車椅子に取り付ける車椅子用保持具であって、
   屈曲させた棒状体からなり、前記車椅子に取り付けられる支持フレームと、
   前記支持フレームに連結されて荷物を保持する保持部材とを備え、
   前記支持フレームは、一端側を構成する水平部を一方の前記肘掛部材の先端部に取り付ける第１取付部材と、他端側を構成する支持部を前記本体フレームに取り付ける第２取付部材とを備え、
   前記支持部は、前記水平部が前記車椅子の前方側へ水平に延びるように前記水平部を支持しており、
   前記保持部材は、前記水平部に連結される連結部と、他方の前記肘掛部材の先端部に当接する当接部とを備え、
   前記連結部は、前記保持部材が前記水平部を中心に回動可能となるように前記水平部に連結されている車椅子用保持具。
2. 前記支持部は、前記水平部の前端部を支持しており、
   前記連結部は、前記保持部材が前記水平部に沿ってスライド可能となるように前記水平部に連結されている請求項１に記載の車椅子用保持具。

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