JP4002588B1 - アスファルト合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アスファルト廃材から得られた粒径範囲の異なる複数の成分からなる単粒度砕石をドライヤーに供給して加熱し、加熱された各成分を添加剤及びアスファルトと共に混合装置に供給して混合するアスファルト合材の製造方法であって、ドライヤーとして、一端部から他端部に向けて低くなるように傾斜された回転ドラムと、該回転ドラム内にて一端部から他端部に向けて火炎を放射する加熱バーナと、火炎の周囲を覆う内筒を備えたドライヤーを使用し、ドライヤーでの加熱工程において、複数の成分からなる単粒度砕石の全てを回転ドラムの一端部側から内部に供給して他端部側から取り出す。
【選択図】図1
Description
図7は、アスファルト廃材を原料としてアスファルト合材を製造する従来の方法を示すフローシートである。
一方、ホッパー(C)〜(H)には、新しい骨材が収容される。具体的には、ホッパー(C)にはスクリーニングス、ホッパー(D)には細砂、ホッパー(E)には粗砂、ホッパー(F)には2.5〜5mmの成分、ホッパー(G)には5〜13mmの成分、ホッパー(H)には13〜20mmの成分が夫々収容される。尚、ホッパー(I)は予備のものである。
ホッパー(C)〜(H)に収容された新しい骨材は、直接加熱式ドライヤー(K)に供給されて加熱され、ホットスクリーン(M)により分級された後、ホットビンを備えた計量装置(N)へと供給される。
一方、ホッパー(J)に収容された再生骨材は、間接加熱式ドライヤー(L)に供給されて加熱された後、再生材サージビン(図示略)を介して計量装置(N)へと供給される。
計量装置(N)にて計量された骨材(新骨材及び再生骨材)は、石粉、添加剤、アスファルトと共にミキサー(R)へと供給されて混合される。尚、図中の(O)は石粉タンク、(P)は添加剤タンク、(Q)はアスファルトタンクである。
ミキサー(R)による混合によって得られた混合物は、再生アスファルト合材として、サイロ(S)に積み込まれて再利用に供されることとなる。
しかしながら、間接加熱式ドライヤーは、直接加熱式ドライヤーに比べて加熱能力が低いため、後工程の混合工程に最適な温度まで骨材の温度を上げることが難しく、特に使用に伴ってドラムの内部に油分(アスファルト)が付着すると、温度を上げることがより困難となっていた。
この方法は、前工程において、アスファルト廃材を破砕した後、破砕物に被膜したピッチ分を研磨装置等により除去し、これをふるい分けして粒径範囲の異なる複数の成分を得た後、図8に示す後工程へと送られる。
後工程では、夫々別のホッパー(A)(B)(C)(D)(E)に収容された粒径範囲の異なる複数の成分(図示例では、0〜2.5mm、2.5〜5mm、5〜13mm、13〜20mmの4成分)のうち、油分(ピッチ分)が多く含まれている0〜2.5mmの成分については間接加熱式ドライヤー(H1)にて間接加熱し、油分が少ない残りの成分については直接加熱式ドライヤー(H2)にて直接加熱し、これら加熱された両成分を添加剤タンク(I)から供給される添加剤及びアスファルトタンク(J)から供給されるアスファルトと共にミキサー(K)に供給して混合することにより、再生アスファルト合材を得る。
また、近く大規模に開始される排水性舗装の張り替えに伴って排出される膨大な量の排水性舗装廃材を効率良く有効利用することが可能となる。
図1は本発明に係るアスファルト合材の製造方法を示すフローシートである。
先ず、フローシートに記載された本発明に係る製造方法を実施するための製造装置について説明する。
ホッパー(4)(5)は上述の如く予備のものであり、必要に応じて適宜使用される。例えば、ホッパー(4)に13〜20mmの成分(再生骨材又は新骨材)を収容することにより、粗粒度アスファルトを製造することが可能となる。また、ホッパー(1)は使用せずに、ホッパー(2)に再生骨材の2.5〜5mmの成分、ホッパー(3)に再生骨材の5〜13mmの成分、ホッパー(4)に13〜20mmの成分(再生骨材又は新骨材)、ホッパー(5)に20〜30mmの成分(再生骨材又は新骨材)を収容することにより、大粒径アスファルトを製造することが可能となる。更に、ホッパー(1)にスクリーニングス(新骨材)、ホッパー(2)に再生骨材の2.5〜5mmの成分、ホッパー(3)に再生骨材の5〜13mmの成分、ホッパー(4)に細砂(新骨材)、ホッパー(5)に粗砂(新骨材)を収容することにより、密粒度アスファルトを製造することが可能となる。
但し、本発明において、各ホッパーに収容される単粒度砕石の粒径は、最終製品となるアスファルト合材(アスファルト舗装用のものと排水性舗装用のものの両方を含む)の配合設計に合わせて適宜変更することができる。
ベルトスケール付コンベアは、ベルトコンベア(6a)で搬送される被搬送物の重量を、ベルトスケール(6b)によって連続的にリアルタイムで測定することができる公知の装置であって、例えば、コンベアに取り付けられる荷重検出装置(ロードセル等)及び速度検出装置と、これら装置の測定データに基づいて搬送重量を算出する制御装置とから構成されている。
これにより、各ホッパー(1)(2)(3)(4)(5)から取り出される各粒径範囲の骨材は、単位時間当たりの供給量が常に予め設定された目標値となるように制御されながら、搬送装置(7)へと供給されることとなる。
図2はドライヤー(8)の構造を示す概略図であって、(a)は正面断面図、(b)はA−A線断面図である。尚、図中の矢印は、骨材の流れ方向を示している。
ドライヤー(8)は、一端部(入口側)から他端部(出口側)に向けて次第に低位置となるように傾斜して配置された回転ドラム(80)と、該回転ドラム(80)内において一端部から他端部に向けて火炎を放射する加熱バーナ(81)と、該加熱バーナ(81)の火炎の周囲を覆うように装着された内筒(82)とを備えている。
そのため、再生骨材の表面に付着している油分(アスファルト)の燃焼や劣化、更にドラム内周面へのアスファルトの付着を防止しつつ、骨材の温度を混合工程に最適な温度まで上げることが可能となる。
掻上げ羽根(83)は、回転ドラム(80)の長さ方向に延びる円筒状部材からなり、ドラム内周面から浮かせた状態で取り付けられている。
より具体的には、円筒状部材は金属製のパイプからなり、各パイプは両端部のみにおいて、プレート(84)を介してドラム(80)の内周面に対して固定されている。これによって、パイプは、プレート(84)の高さ分だけ(約50〜100mm程度)ドラム内周面から浮いた状態となっている。
これによって、回転ドラム(80)の一端部側から供給された骨材は、最も付着し易い温度域(約60〜100℃)においては掻き混ぜられることなく静かに加熱され、付着し易い温度域以上に加熱されて傾斜に沿って流動した後で掻き混ぜられるようになり、掻上げ羽根(83)へのアスファルトの付着をより効果的に防止できる。
これらのドライヤー(8)は、内筒(82)の先端部を斜めに切り欠いて先端開口部(82a)の面積を大きくしたものである。
このような先端開口部を設けることによって、先端開口部から火炎の放射熱を骨材に加えることが可能となり、加熱効率を高めることができる。
図3は先端開口部(82a)を下面側に形成したもの、図4は先端開口部(82a)を側面側に形成したものである。
これらのように、先端開口部(82a)を下面側又は側面側に形成すると、内筒(82)内への骨材の堆積を防止できるため好ましい。
この場合、内筒(82)の長さは、内筒(82)の先端から火炎が突出する長さであって、且つ少なくとも骨材がドラム内に入る位置においては火炎の周囲を覆う長さとされる。具体的には、回転ドラム(80)の一端部からドラム長さの約1/6〜1/10程度まで至る長さとすることが好ましい。
このように内筒(82)の長さを短くすると、内筒(82)の先端から火炎が突出することによって、火炎から骨材への放射熱量が格段に多くなり、骨材の加熱効率を大幅に向上させることができ、骨材の温度を混合工程に最適な温度までより確実に且つ短時間で上げることが可能となる。また、骨材がドラム内に入る位置においては火炎の周囲を覆っていることにより、骨材表面に付着した油分の燃焼や劣化、ドラム内周面への油分の付着を防止することができる。
このうち、脱臭炉(12)は、再生骨材の表面に付着したアスファルトの加熱により発生する臭い成分を燃焼させて脱臭するものである。
また、混合装置(9)の下方にはトローリーバケット(16)が配置されており、このトローリーバケット(16)により、生成されたアスファルト合材を貯蔵用のサイロ(17)へと搬送する。
先ず、アスファルト廃材から得られた粒径範囲の異なる複数の成分(図示例では、0〜2.5mm、2.5〜5mm、5〜13mmの3成分)からなる再生骨材が、夫々別のホッパー(1)(2)(3)に収容される。また、予備のホッパー(4)(5)には、必要に応じて再生骨材又は新骨材の異なる粒径成分(13〜20mm、20〜30mmの成分)を収容して使用することができる。
尚、ホッパーに収容される再生骨材を得るための前工程については後述する。
このように、粒径範囲の異なる複数の成分からなる単粒度砕石を夫々収容する複数のホッパーから供給される各成分の量を、ベルトスケール付コンベアを利用して精密に制御することにより、ドライヤー加熱後に粒度調整のために用いられていたスクリーンを不要とすることができ、スクリーンの目詰まりによる製造効率の低下を防ぐことができる。
また、搬送装置(7)は、予備のホッパー(4)(5)に収容された単粒度砕石(再生骨材又は新骨材)がある場合には、これらの骨材も一緒にドライヤー(8)へと供給する。
回転ドラム(80)内部に供給された骨材は、上述した如く、火炎に直接触れることなく、熱風と輻射熱と放射熱で加熱されることにより、再生骨材の表面に付着している油分(アスファルト)の燃焼や劣化、更にドラム内周面へのアスファルトの付着が生じることなく、混合工程に最適な温度(約160〜180℃程度)まで加熱される。
また、掻上げ羽根(83)が円筒状部材であって、ドラム内周面から浮かせた状態で取り付けられているため、掻上げ羽根やドラム内周面へのアスファルトの付着を大幅に抑制することができる。
得られたアスファルト合材は、トローリーバケット(16)によりサイロ(17)へと供給されて貯蔵される。
図6は、前工程を示すフローシートである。
先ず、原料としてアスファルト塊を使用する場合について説明する。
1次破砕設備(20)としては、ロールクラッシャーが好適に利用される。
ロールクラッシャーを使用する場合、ローラーの回転数を調節することによって、定量供給機構を兼ね備えることができる。
2次破砕設備(22)は、原料の表面に付着した油分(アスファルト)を除去するためのものであり、整粒機、衝撃破砕機、研磨機、摩砕機等が用いられる。
整粒機としては、(株)アーステクニカ製のペブラス(商品名)、(株)中山鉄工所製のジャイロパクタ(商品名)、ラサ工業(株)製のニューディック(商品名)等が好適に使用される。
衝撃破砕機としては、(株)アーステクニカ製のインペラブレーカーやスーパーサンダー(いずれも商品名)等が好適に使用される。
研磨機としては、(株)アーステクニカ製のドラムリクレーマー(商品名)等が好適に使用される。
摩砕機としては、丸栄商事(株)製のダブルビートル(商品名)や、(有)大東土木製のスーパーガオス(商品名)等が好適に使用される。
ふるい分け設備(24)はふるい目の異なる4種類のスクリーンを水平方向(又は傾斜方向)及び上下方向に組み合わせた三段スクリーンからなり、2次破砕設備(22)から供給されてきた原料を、0〜2.5mm、2.5〜5mm、5〜13mm、13〜20mm、20mm以上の5種類の粒径成分(再生骨材)に分別する。
分別された5種類の粒径成分(再生骨材)のうち、0〜2.5mm、2.5〜5mm、5〜13mmの3成分は、図1に示したホッパー(1)(2)(3)に夫々収容される。
尚、2次破砕設備(22)を構成するスクリーンの網目は、最終製品となるアスファルト合材の配合設計に合わせて適宜変更することができる。
原料となる切削材は、傾斜角のついた格子を備えた傾斜型格子付ホッパー(25)へと投入される。
傾斜型格子付ホッパー(25)に供給された原料は、一定粒径以上のものはホッパーの外に転げ落ちるため、一定粒径以下(例えば40mm以下)のもののみがホッパー(25)内に収容される。
定量供給装置(26)としては、レシプロフィーダー、ベルトフィーダー、バイブロフィーダー等が好適に使用される。
ふるい分け設備(24)は、2次破砕設備(22)から供給されてきた原料を、0〜2.5mm、2.5〜5mm、5〜13mm、13〜20mm、20mm以上の5種類の粒径成分(再生骨材)に分別する。
分別された5種類の粒径成分(再生骨材)のうち、5〜13mmの成分は、図1に示したホッパー(4)に収容される。また、必要に応じて、13〜20mmの成分がホッパー(5)に収容される。
このようにして得られた再生骨材は、油分が付着した表面が削り取られることにより、付着した油分量が少なくなっているため、後工程(図1)の加熱工程において油分が燃焼して粒径が大幅に減少することが防止され、適正な粒度分布を得るための配合設計が容易となる。
2 ホッパー
3 ホッパー
4 ホッパー
5 ホッパー
8 ドライヤー
80 回転ドラム
81 加熱バーナ
82 内筒
83 掻上げ羽根
9 混合装置
Claims (3)
- 排水性舗装廃材から得られた粒径範囲の異なる複数の成分からなる単粒度砕石のみをドライヤーに供給して加熱し、これら加熱された各成分を添加剤及びアスファルトと共に混合装置に供給して混合することによりアスファルト合材を製造する方法であって、
前記ドライヤーに供給される単粒度砕石は、表面に被膜した油分が除去されたものであって、
前記ドライヤーとして、一端部から他端部に向けて次第に低位置となるように傾斜して配置された回転ドラムと、該回転ドラム内において一端部から他端部に向けて火炎を放射する加熱バーナと、該加熱バーナの火炎の周囲を覆うように装着された内筒を備えたドライヤーのみを使用し、
前記ドライヤーでの加熱工程において、前記複数の成分からなる単粒度砕石の全てを、該ドライヤーの回転ドラムの一端部側から該ドラム内に供給して他端部側から取り出すことを特徴とするアスファルト合材の製造方法。 - 前記回転ドラムの内周面には、複数の掻上げ羽根が周方向に所定間隔で突設されており、該掻上げ羽根は、ドラム長さ方向に延びる円筒状部材からなるとともに、該円筒状部材はドラム内周面から浮かせた状態で取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のアスファルト合材の製造方法。
- 前記内筒の長さは、該内筒の先端から火炎が突出する長さであって、且つ少なくとも前記単粒度砕石が前記ドラム内に入る位置においては火炎の周囲を覆う長さとされていることを特徴とする請求項1又は2記載のアスファルト合材の製造方法。
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