JP4001922B6 - インク及びコーティング用の変性炭素製品 - Google Patents

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Description

発明の背景
発明の属する分野
本発明は、変性炭素製品を含むインク及びコーティング用の変性炭素製品に関する。
関連技術の説明
現在、主流を成している黒色顔料は、乾燥した粉末状、フラッシュペースト又は液体濃縮形で着色剤として使用することができるファーネスブラックのようなカーボンブラックである。概して、着色剤の形態は、色相、耐久性、かさ高さ、不透明度、光沢、流動学的性質、最終用途及びプリント品質に影響を及ぼす。
現在使用されているインクには多くの種類がある。これらの種類には、印刷用インク、紫外線硬化性インク、ボールペンインク、及びスタンプパッド若しくはマーキングインクが含まれる。概して、インクは、凸板印刷法、平板印刷法、フレキソ印刷法、グラビア、シルクスクリーン、ステンシル、複写、及び静電気により適用することができる。従って、新聞、出版物、広告、折り畳みカートン、書籍、段ボール箱、ペーパーバッグ、包装紙、ラベル、金属容器、プラスチック容器、プラスチックフィルム、箔、積層体、食品インサート(food insert)、トイレットペーパー、織物等のような最終用途においてインクを見出すことができる。McGraw-Hill社のEncyclopedia of Science and Technology、第7巻第159〜164頁には、入手可能なインク及びそれらの用途に関する詳細が掲載されている。この記載の全てを引用により本明細書に含めることにする。
コーティングは顔料を含む場合があり、多くの種類の表面の装飾処理、保護処理及び機能処理のために使用される。これらの表面には、コイル、金属、アプライアンス、家具、ハードボード、製材及び合板、船舶、補修材料、自動車、缶、並びに板紙が含まれる。海底パイプライン上のコーティングのような幾つかのコーティングは保護を目的とするものである。自動車用外装コーティングのような他のコーティングは装飾と保護の両目的を果たすものである。さらに他のコーティングは、船舶デッキ又は自動車シートの摩擦調節を提供する。あるコーティングは船底のファウリングを調節し、またあるコーティングは缶内の食品及び飲料を保護する。なかでもシリコンチップ、印刷回路板、信号伝送用の導波ファイバー上のコーティング、並びにビデオテープ及びコンピューターディスク上の磁気コーティングは、いわゆるハイテク用途のものである。
水性インク及びコーティング用の水性ビヒクルの種類には、バインダーが水に可溶なもの、バインダーがコロイド状に分散するもの、及びバインダーが乳化してラテックスを形成するものが含まれる。バインダーと揮発性液体の組み合わせは、バインダー微粒子が非溶剤中に溶解又は分散した溶液又は分散液であるビヒクルと呼ばれている。顔料はコーティングビヒクル中に分散し、最終皮膜においてバインダー全体にわたって分布することができる不溶性の固体微粒子である。顔料分散剤として界面活性剤を使用することができる。水性コーティングの成分及び製造法は、Concised Encyclopedia of Polymers, Science and Engineeringの第160〜171頁(1990)にさらに詳しく記載されている。この記載を引用により本明細書に含まれていることにする。
非水性インク及びコーティングは、水性ビヒクルが適切でない多くの用途において使用される。例えば、金属、ガラス又はプラスチックのような疎水性の無極性支持体上にプリントされるインクは速乾性でなくてはならない。そのような溶剤型インクは、ボール箱並びに種々の金属又はプラスチック容器及び部材の工業的ラベリングのために広範に使用されている。具体例には新聞用インク組成物及びウェブオフセット光沢熱硬化性インク組成物が含まれる。
インク及びコーティングは、特定の状況で耐水性のものであるべきことも必要とされる。そのような場合において、耐水性樹脂をインク非水性溶剤に溶解させ、乾燥させることによってコーティング組成物に望ましい耐水性を付与することができる。そのような非水性コーティングの主たる用途は金属及びプラスチック自動車部材に対するものである。
発明の要約
本発明は、少なくとも1個の有機基が結合している炭素を含む変性炭素製品に関する。この有機基は、a)少なくとも1個の芳香族基又はC1〜C12アルキル基、及びb)少なくとも1個のイオン性基、少なくとも1個のイオン化可能な基、又はイオン性基とイオン化可能な基の混合物、を含む。前記芳香族基又はC1〜C12アルキル基は炭素に直接結合しており、この有機基は、約0.10〜約2.7マイクロモル/m2のレベルで存在するか、又は変性炭素製品が本明細書において定義する意味で水に容易に分散可能でないような量で存在する。
本発明は、上記変性炭素製品を含む水性又は非水性のコーティング又はインク組成物にも関する。
本発明は、さらに、変性炭素製品及び非水性溶剤を含む非水性コーティング又はインク組成物にも関する。変性炭素製品は、a)少なくとも1個の芳香族基又はC1〜C12アルキル基、及びb)少なくとも1個のイオン性基、少なくとも1個のイオン化可能な基、又はイオン性基とイオン化可能な基の混合物、を含む少なくとも1個の有機基が結合している炭素を含む。芳香族基又はC1〜C12アルキル基は炭素に直接結合しており、存在することができる有機基の量に関する制限はない。
本明細書で使用する場合に、炭素は結晶質又はアモルファス型のものであることができる。この例には、限定するわけではないが、グラファイト、カーボンブラック、炭素繊維、ガラス質炭素、活性炭、又は活性炭素が含まれる。微粉砕された形態の前記のものが好ましく、また異なる炭素同士の混合物を使用することもできる。
好ましい態様の説明
本発明の変性炭素製品は、少なくとも1個の有機基が結合している炭素を含む。この有機基は、a)少なくとも1個の芳香族基又はC1〜C12アルキル基、及びb)少なくとも1個のイオン性基、少なくとも1個のイオン化可能な基、又はイオン性基とイオン化可能な基の混合物、を含む。前記有機基の芳香族基又はC1〜C12アルキル基は炭素に直接結合している。さらに、この有機基は、約0.10〜約2.7マイクロモル/m2のレベルで存在するか、又は変性炭素製品が本明細書において定義する意味で水に容易に分散可能でないような量で存在する。
炭素は結晶質又はアモルファス型のものであることができる。この例には、限定するわけではないが、グラファイト、カーボンブラック、ガラス質炭素、活性チャコール、炭素繊維、活性カーボン、及びこれらの混合物が含まれる。微粉砕された形態の前記のものが好ましく、また異なる炭素同士の混合物を使用することもできる。
変性炭素製品は、炭素とジアゾニウム塩とを液体反応媒体中で反応させて少なくとも1個の有機基を炭素表面に結合させることにより好ましくは調製することができる。ジアゾニウム塩は、炭素に結合させるべき有機基を含み得る。ジアゾニウム塩は1個以上のジアゾニウム基を有する有機化合物である。好ましい反応媒体には、水、水を含む任意の媒体、アルコールを含む任意の媒体が含まれる。水が最も好ましい媒体である。炭素がカーボンブラックである変性炭素製品の例及びそれらを調製するための種々の好ましい方法が、”Reaction of Carbon Black with Diazonium Salts, Resultant Carbon BLack Products and Their Uses”と題された1995年12月15日に出願された米国特許出願第08/356,660号及びその一部係属出願である1995年12月14日に出願された米国特許出願第08/572,525号明細書に記載されている。これら特許明細書の記載を引用により本明細書に含まれていることにする。炭素がカーボンブラックではない変性炭素製品の例及びそれらを調製するための種々の好ましい方法が、”Reaction of Carbon Materials With Diazonium Salts and Resultant Carbon Products”と題された米国特許第5,554,739号明細書、国際公開番号WO96/18696及びWO96/18688明細書に記載されている。これら全ての記載を引用により本明細書に含まれていることにする。
上記変性炭素製品の好ましい調製方法において、ジアゾニウム塩は、炭素との反応が可能である程度に十分に安定なものである必要がある。従って、他の方法では不安定であり分解するであろうと考えられるあるジアゾニウム塩を用いて反応を実施することができる。幾つかの分解過程が炭素とジアゾニウム塩の反応と競合し、炭素に結合した有機基の総数を減少させうる。さらに、多くのジアゾニウム塩が分解しやすい高温で反応を実施することができる。高温では、反応媒体中へのジアゾニウム塩の溶解度が都合良く増加し、当該プロセス中の取扱適性が改善される。しかしながら、高温では、他の分解過程によるジアゾニウム塩の若干の減少をもたらす。ジアゾニウム塩を現場(in situ)調製することができる。本発明の変性炭素製品は副生成物又は結合しなかった塩を含まない。
上記の好ましいとされる調製方法においては、ジアゾニウム塩が攪拌が容易な希薄水性スラリーとして存在する場合、またはカーボンブラックのペレットを形成するのに適量の水の存在下で、カーボンブラックをジアゾニウム塩と反応させることができる。望まれる場合には、従来のペレット化技術を利用してカーボンブラックのペレットを形成してもよい。他の炭素も同様に、ジアゾニウム塩と反応させることができる。さらに、カーボンブラックではない炭素を利用している改質炭素製品を、例えば、非水系のインクおよびコーティングに使用する場合は、上記の好ましいとされる方法におけるジアゾニウム塩との反応の前に、その炭素を好ましくは微粒子サイズにまで粉砕して、それらのインクおよびコーティングにおける改質炭素製品の好ましくない沈殿を防ぐべきである。さらに、カーボンブラックではない炭素を利用している改質炭素製品をインクジェット用インクに使用する場合は、上記の好ましいとされる方法におけるジアゾニウム塩との反応の前に、その炭素を好ましくは微粒子サイズにまで粉砕して、そのインクにおける好ましくない沈殿を防ぐべきである。インクジェット用インクにおいて、その炭素上に少量の有機基しか用いられない場合は、それらの粒子を安定化する追加手段が必要なこともある。このような手段の1つとして、高分子分散剤を使用することができる。
本発明の1つの態様の目的として、コーティング調合物およびインク系のような用途における改質炭素製品として後に使用するのに、上記炭素に結合されている有機基の量が重要である。特に、それらのレベルは低レベルであるべきである。換言すれば、有機基のレベルは、使用される炭素の約0.10〜約2.7マイクロモル/m2、好ましくはその炭素のCTABまたはt−面積に対して約0.4〜約2.5マイクロモル/m2あってもよい。上記改質炭素製品を形成する炭素に結合されている低レベルの有機基の特性を表すもう1つの方法は、その改質炭素製品の残量を測定することであろう。詳しくは、まず水性溶液、例えば水に、その改質炭素を添加し、次にその改質炭素を含有しているこの水性溶液を325メッシュの篩に通し、次にその濾液が無色になるまで水で洗うことによって、これらの残量値を測定する。その水のpHを調整して、その炭素上のイオン化を高めてもよい。その篩を通らない改質炭素を計量する。その篩を通らない量の重量百分率が上記の残量値である。本発明のためには、約5wt%を超える残量値を有する改質炭素は「水に容易に分散することができる」とはみなされないであろう。
上記炭素に結合されている有機基の量が多いほど上記性質が良好であると一般に信じられていた。しかしながら、特定の状況においては、炭素に低レベルの有機基を結合させると、より良好な性質となる。これらのより良好な性質は、例えば、非水性用途、例えば、非水性グロスインキ系および非水性コーティング調合物を包含する非水性インク系において本発明の改質炭素製品を使用する際に認められている。これらの系および調合物に本発明の改質炭素製品を使用する場合、改良されたジェット性(jetness)、青い底色(blue undertone)、および光沢が達成され、特定の状況においては、ラレー粘度、スプレドメーター(spreadometer)値、および垂直ガラス板流れ特性によって測定される、そのインクのレオロジーが改質される。インク調合物によっては、未処理の炭素製品よりも流動性が相当高められた。
先述のように、上記有機基は芳香族基またはC1〜C12アルキル基を含んでいる。その芳香族基は、1個またはそれ以上の環を含有している不飽和環状炭化水素を包含しているけれども、これらに限定されるものではない。芳香族基は、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニルなど)、およびヘテロアリール基(イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、チエニル、チアゾリル、フリル、トリアジニル、インドリルなど)を包含している。そのC1〜C12アルキル基は枝分かれしていても、または枝分かれしていなくてもよく、好ましくはエチルである。
イオン化可能な基は、使用媒体においてイオン性の基を形成することができるものである。そのイオン性の基はアニオン基またはカチオン基であってもよく、そのイオン化可能な基がアニオンまたはカチオンを形成してもよい。
アニオンを形成するイオン化可能な官能基は、例えば、酸性基または酸性基の塩を包含している。ゆえに、上記有機基は有機酸から誘導された基を包含していてもよい。好ましくは、その有機基がアニオンを形成するイオン化可能な基を含有している場合には、その有機基は、a)芳香族基またはC1〜C12アルキル基、並びにb)少なくとも1種の、11未満のpKaを有する酸性基、または少なくとも1種の、11未満のpKaを有する酸性基の塩、または少なくとも1種の、11未満のpKaを有する酸性基と、少なくとも1種の、11未満のpKaを有する酸性基の塩との混合物、を有する。その酸性基のpKaは、その酸性置換基だけではなく、その有機基全体としてのpKaを指す。より好ましくは、そのpKaは10未満であり、もっとも好ましくは9未満である。上記芳香族基は、例えば、アルキル基でさらに置換されていても、または置換されていなくてもよい。より好ましくは、その有機基はフェニルもしくはナフチル基であり、その酸性基はスルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、またはカルボン酸基である。例は、−COOH,−SO3Hおよび−PO3H2,−SO2NHCOR、並びにそれらの塩、例えば−COONa,−COOK,−COO-NR4 +,−SO3Na,−HPO3Na,−SO3 -NR4 +、およびPO3Na2を包含しており、ここでRは飽和または不飽和のアルキルまたはフェニル基である。特に好ましいとされるイオン化可能な置換基は−COOHおよび−SO3H並びにそれらのナトリウム塩およびカリウム塩である。
従って、少なくとも1種の酸性官能基を含有しているアリールジアゾニウム塩で上記炭素を処理するのが好ましいとされる。アリールジアゾニウム塩の例は、スルファニル酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、7−アミノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、アミノフェニルホウ素酸、アミノフェニルホスホン酸、およびメタニル酸から誘導されるものを包含しているけれども、これらに限定されるものではない。
上記有機基は、置換されているかまたは置換されていないスルホフェニル基またはそれらの塩、置換されているかまたは置換されていない(ポリスルホ)フェニル基またはそれらの塩、置換されているかまたは置換されていないスルホナフチル基またはそれらの塩、置換されているかまたは置換されていない(ポリスルホ)ナフチル基またはそれらの塩であってもよい。スルホフェニル基の1つの例はヒドロキシスルホフェニル基またはその塩である。
アニオンを形成するイオン化可能な官能基を有する特定の有機基は、p−スルホフェニルおよび4−ヒドロキシ−3−スルホフェニルである。
アミンとは、カチオン基を形成し、アニオンを形成するイオン化可能な基について上記において考察されたものと同じ有機基に結合することができるイオン化可能な官能基の例を表す。例えば、アミンは酸性媒体中でプロトン化されてアンモニウム基を形成することができる。好ましくは、アミン置換基を有する有機基は5未満のpKaを有する。第四級アンモニウム基(−NR3 +)および第四級ホスホニウム基(−PR3 +)もまたカチオン基の例を表し、アニオンを形成するイオン化可能な基について上記において考察されたものと同じ有機基に結合することができる。好ましくは、その有機基は、芳香族基、例えばフェニルまたはナフチル基、および第四級アンモニウムもしくは第四級ホスホニウム基を含有している。四級化環状アミン、および四級化芳香族アミンもまた、上記有機基として使用することができる。従って、N−置換ピリジニウム化合物、例えばN−メチル−ピリジルを、この試薬に使用することができる。有機基の例は、3-C5H4N(C2H5+X-,C6H4NC5H5 +X-,C6H4COCH2N(CH33 +X-,C6H4COCH2(NC5H5+X-,3-C5H4N(CH3+X-,C6H4N(CH33 +X-、およびC6H4CH2N(CH33 +X-を包含しており、ここでXはハロゲン化物または鉱酸もしくは有機酸から誘導されるアニオンであるけれども、これらに限定されるものではない。
上記有機基上に存在していてもよい、さらなる任意の官能基は、R,OR,COR,COOR,OCOR、ハロゲン、CN,NR2,SO2NR(COR),SO2NR2,NR(COR),CONR2,NO2,SO3M,SO3NR4、およびN=NR′を包含しているけれども、これらに限定されるものではない。Rは独立に水素、C1〜C20の置換されているかまたは置換されていないアルキル(枝分かれしているかまたは枝分かれしていないもの)、C3〜C20の置換されているかまたは置換されていないアルケニル、(C2〜C4アルケンオキシ)xR″、または置換されているかまたは置換されていないアリールである。R′は独立に水素、C1〜C20の置換されているかまたは置換されていないアルキル(枝分かれしているかまたは枝分かれしていないもの)、または置換されているかまたは置換されていないアリールである。R″は水素、C1〜C20の置換されているかまたは置換されていないアルキル、C3〜C20の置換されているかまたは置換されていないアルケニル、C1〜C20の置換されているかまたは置換されていないアルカノイル、または置換されているかまたは置換されていないアロイルである。MはH,Li,Na,Cs、またはKである。上記整数xは1〜40、好ましくは2〜25の範囲に及ぶ。
有機基の他の例は、式AyAr-の芳香族基であり、これは、式AyArNH2の第1アミンに対応する。この式中、変数は以下の意味をもつ:Arは、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ビフェニル、ピリジニル、及びトリアジニルから成る群から選ばれた芳香族基であり;Aは、上記官能基から独立して選ばれた芳香族基上の置換基であり、又はAは、上記官能基の中の1以上により置換された又は非置換の、直鎖、分枝、又は環状炭化水素基(好ましくは、1〜20の炭素を含む)であり;そしてyは、Arがフェニルであるとき1〜5の、Arがナフチルであるとき1〜7の、Arがアントラセニル、フェナントレニル、又はビフェニルであるとき1〜9の、又はArがピリジニルであるとき1〜4の、又はArがトリアジニルであるとき1〜2の、整数である。Aが(C2−C4アルキレンオキシ)2R″基であるとき、それは、好ましくは、ポリエトキシレート基、ポリプロポキシレート基、又はこの2つのランダム又はブロック混合物である。
修飾されたカーボン生成物の他の例は、カーボンと、a)芳香族基又はC1−C12アルキル基、及びb)式SO2NR2又はSO2NR(COR)の中の少なくとも1の基をもつ、付着有機基を含む。Rは、独立して、水素、C1−C20置換又は非置換アルキル、C3−C20置換又は非置換アルケニル、(C2−C4アルキレンオキシ)2R′又は置換又は非置換アリールであり;R′は、水素、C1−C20置換又は非置換アルキル、C3−C20置換又は非置換アルケニル、C1−C20置換又は非置換アルカノイル又は置換又は非置換アロイルであり;そしてXは、1〜40である。芳香族基は、p-C6H4SO2NH2,p-C6H4SO2NHC6H13,p-C6H4SO2NHCOCH3,p-C6H4SO2NHCOC5H11及びp-C6H4SO2NHCOC6H5を含む。
先に述べたように、上記の修飾されたカーボン生成物は、非水性インク配合物において有用である。従って、本発明は、好適な溶媒、並びにa)置換又は非置換芳香族基又はC1−C12アルキル基及びb)少なくとも1のイオン基、少なくとも1のイオン性基又はイオン基とイオン性基の混合物、を含む有機基を付着された修飾カーボン生成物を含有する、改良インク組成物を提供する。他の知られたインク添加物も、本インク組成物中に取り込まれることができる。炭素と修飾カーボン生成物の混合物を含有するインク配合物を使用することも本発明の範囲内にある。
一般に、インクは、着色料又は顔料並びに粘度及び乾燥を調節するための溶媒を含む。インクは、場合により、さらに、印刷の間に担体として働く媒体又はニス及び/又は印刷性、乾燥その他を改良するための添加物を含む。インクの特性、調製及び使用についての一般的討議については、The Printing Manual, 5th Ed., R.H.Leach, et al, Eds.(Chapman & Hall, 1993)を参照のこと。
本発明に係る修飾されたカーボン生成物は、事前分散物又は固体として、標準的な技術を使用してインク組成物に取り込まれることができる。本発明の修飾カーボン生成物の使用は、その配合物の粘度を減じることにより、かなりの利点を提供し、そしてコストを削減することができる。このことは、配合物中のカーボン生成物のより高いローディングをも許容する。同様に、粉砕時間も減少される
。本発明の修飾カーボン生成物は、改良されたジェットネス(jetness)、青の色調、及び光沢を提供することができる。
上記修飾カーボン生成物は、非水性コーティング組成物、例えば、ペイント又は上塗り(finishes)中で使用されることもできる。従って、本発明の1の態様は、好適な溶媒と本発明の修飾カーボン生成物を含有するコーティング組成物である。他の慣用のコーティング添加物、例えばバインダーも、非水性コーティング組成物中に取り込まれることができる。
非水性コーティング配合物は、最終用途の条件及び要求に依存して広く変化する。一般に、コーティング系は30重量%までのカーボンを含有する。この樹脂含量はほぼ100%まで広く変化する。例は、アクリル、アルキド、ウレタン、エポキシ、セルロース、その他を含む。溶媒含有量は、0と80%の間で変化することができる。例は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール、ポリアルコール、ケトン、エステルその他を含む。2つの他の一般的クラスの添加物は、増量剤(fillers)と改質剤(modifiers)である。増量剤の例は、他の着色顔料(例えば、TiO2、フタロ・ブルーその他)、粘土、タルク、シリカ、及びカーボネートである。増量剤は、最終用途の要求に依存して60%まで添加されることができる。改質剤の例は、流れ及びならし(leveling)助剤であり、そして殺菌剤は一般に5%未満において添加される。本発明の修飾カーボン生成物は、事前分散物又は固体として標準的な技術を使用して非水性コーティング組成物中に取り込まれることができる。
本発明の修飾カーボン生成物を含有する組成物の取り込みのための非水性媒体の例は、非限定的に、メラミン−アクリル樹脂、メラミン−アルキド樹脂、ウレタン−硬化アルキド樹脂、ウレタン硬化アクリル樹脂その他を含む。本発明の修飾カーボン生成物は、水性エマルジョン・ペイント中で使用されることもできる。これらのタイプのペイント中には、上記顔料を含有する非水性部分が存在し、この非水性部分は、その後、上記水性ペイント中に分散される。従って、本発明の修飾カーボン生成物は、非水性部分の一部として使用されることができ、それは、その後、上記水性エマルジョン・ペイント中に分散される。
本発明の修飾カーボン生成物は、水性インク及びコーティング配合物中でも有用である。水性とは、水と、他の水混和性又は水分散性物質、例えばアルコールの混合物を含む。従って、本発明は、水と、本発明の修飾カーボン生成物を含む水性インク組成物を提供する。他の知られた水性インク添加物は、上記水性インク配合物中に取り込まれることができる。先に述べたように、インクは、上記のさまざまな成分から成ることができる。例えば、米国特許第2,833,736号;第3,607,813号;第4,104,833号;第4,308,061号;第4,770,706号;及び第5,026,755号(これらの全てを引用により本明細書中に取り込む)中にも、さまざまな水性インク組成物が開示されている。
事前分散物又は固体としての、本発明の修飾カーボン生成物は、標準的な技術を使用して水性インク配合物中に取り込まれることができる。
フレキソ印刷インクは、一群の水性インク組成物である。フレキソ印刷インクは、一般に、着色料(colorant)、バインダー、及び溶媒を含む。本発明の修飾カーボン生成物は、フレキソ印刷インク着色料として有用であることができる。本発明の修飾カーボン生成物は、水性新聞インク(news inks)中で使用されることができる。例えば、水性新聞インク組成物は、水、本発明の修飾カーボン生成物、樹脂、及び慣用の添加物、例えば、消泡剤添加物又は界面活性剤を含むことができる。
本発明の修飾されたカーボン生成物は、水性コーティング組成物、例えば、ペイント又は上塗り中で使用されることもできる。従って、本発明の1の態様は、水、樹脂、及び本発明に係る修飾カーボン生成物を含む改良水性コーティングである。他の知られた水性コーティング添加物が、上記水性コーティング組成物中に取り込まれることができる。例えば、McGraw-Hill Encyclopedia of Science & Technology, 5th Ed.(McGraw-Hill, 1982(引用により本明細書に取り込む)を参照のこと。また、米国特許第5,051,464号、第5,319,044号、第5,204,404号、第5,051,464号、第4,692,481号、第5,356,973号、第5,314,945号、第5,266,406号、及び第5,266,316号(これらの全てを引用により本明細書中に取り込む)をも参照のこと。本発明の水性組成物は、追加の他の着色性顔料(例えば、TiO2、フタロ・ブルーその他)、粘土、タルク、シリカ、及びカーボネートを含むこともできる。事前分散物又は固体としての本発明の修飾カーボン生成物は、標準的な技術を使用して水性コーティング組成物中に取り込まれることができる。
インク又はコーティングは、さまざまな用途のために使用されることができる。好ましくは、本発明の水性インク及びコーティング中、本修飾カーボン生成物は、20重量%以下のインク又はコーティング量で存在する。非修飾カーボンと本発明の修飾カーボン生成物の混合物を含有する水性又は非水性インク又はコーティング配合物を使用することも本発明の範囲内である。一般的な添加物、例えば先に討議したものも、上記水性インク又はコーティングの特性をさらに改良するために上記分散物に添加されることができる。
また、本発明の改質カーボン製品はインクジェットインクに利用してよく、この場合そのインク製剤は溶媒、水性又は水性エマルションを基礎としうる。
最後に、本発明はその他の非水性インク及びコーティング製剤に関する。このような製剤において、適当な溶媒が本発明の改質カーボン製品に共に存在する。このような製剤に関し、当該改質カーボン製品は少なくとも1個の有機基が付加されている炭素を含んで成り、ここで当該有機基はa)少なくとも1個の芳香族基又はC1−C12アルキル基及びb)少なくとも1個のイオン性基、少なくとも1個の電離性基、又はイオン性基と電離性基との混合物を含んで成る。当該芳香基は当該炭素に直接付加されており、そして当該炭素上に存在する有機基の量についての制約はない。非水性インク及びコーティング製剤に関して上述した様々な更なる成分、並びに様々な成分の量がここでも同等に適用されるが、但し炭素上の有機基の量について上限値又は下限値がないことを除く。有機基に関する上記の説明及びそれらの例もここに同等に適用される。
以下の実施例は請求の範囲の発明の具体例であり、限定ではない。
BET窒素表面積はASTM D-4820を利用して得た。CTAB面積はASTM D-2414を利用して得た。当該インク及びコーティングフィルムの光学特性は下記の装置で決定した:L* a * b *値は、Hunter Lab Scan 6000により、10度D65 CIELABカラースペース装置にて決定した;光学密度はMacBeth RD918デンシトメーターで測定した;光沢はBYK Gardnerモデル4527グロスメーターで測定した。
窒素及び外表面積(t−面積)はASTM D-3037に記載のサンプル調製及び測定手順に従って測定した。この測定に関し、窒素吸着等温線は0.55の相対圧力にまで及んだ。この相対圧力とは圧力(P)を飽和圧力(Po;窒素が凝縮する圧力)で除したものである。吸着層の厚みは次の関係を利用して計算した:
t=0.88(P/Po)2+6.45(P/Po)+2.98
次いで吸着した窒素の容積(v)をt1に対してプロットし、そして3.9〜6.2オングストロームでt値に関するデーター点を通る直線がフィットされた。かくしてt−面積はこの線分の傾きより、以下の通りに得られた:
t−面積、m2/g=15.47×傾き
当該カーボンブラック製品の硫黄含量は各サンプルのソックレー洗浄後の燃焼分析により決定した。付加された硫黄のmmolは未処理カーボンブラックのアッセイからの相違により決定した。
実施例1
現場作製したジアゾニウム塩によるカーボンブラック製品の調製
スルファニル酸(3.0g)を900mlの脱イオン水に加え、そしてこの混合物を70〜90℃に加熱した。この溶液に350m2/gのCTAB表面積、366m2/gのt−面積及び120ml/100gのDBPAをもつカーボンブラック(100g)を加えた。この混合物をカーボンブラック全てが濡れるのに十分に攪拌した。1.0mlの脱イオン水中の1.2gの亜硝酸ナトリウム溶液をこのカーボンブラックスラリーに加えた。数分でガスが発生した。この混合物の加熱を続け、次いでこの混合物を攪拌し続けながら周囲温度まで冷却した。製品はこの溶液の70〜100℃でのオーブンの中でのエバポレーションにより単離した。この製品は付加されたp-C6H4SO3Na基を有する。
他方、この製品はブフナーろう斗でのスラリーの濾過及び脱イオン水による固体の洗浄により単離できうる。
実施例2
様々な量の付加基を有するカーボンブラック製品の調製
実施例1の手順を、350m2/gのCTAB表面積、366m2/gのt−面積及び120ml/100gのDBPAを有するカーボンブラックに、下記の表に挙げる試薬の量を利用して繰り返した。
Figure 0004001922
実施例3
ピンペレタイザーを利用するカーボンブラック製品の調製
直径8インチのピンペレタイザーに350m2/gのCTAB表面積、366m2/gのt−面積及び120mg/100gのDBPAを有する300gのカーボンブラックと、15gのスルファニル酸とを添加した。このペレダイザーを150rpmで1分作動させた。脱イオン水(280ml)及び亜硝酸ナトリウム(5.98g)の溶液を加え、そしてこのペレタイザーを250rpmで2分作動させた。このペレタイザーを停止させ、そしてシャフト及びピンをこすりがけし、次いでこのペレタイザーを650rpmで更に3分作動させた。4−スルホベンゼンジアゾニウムヒドロキシド内部塩が現場製造され、そしてそれはこのカーボンブラックと反応した。この製品をペレタイザーから出し、そしてオーブンの中で70〜100℃で乾燥させた。この製品は付加されたp-C6H4-SO3Na基を有する。硫黄含量についてのソックレー抽出サンプルの分析は、この製品が0.15m当量/gの付加されたスルホン酸基又は0.43マイクロモル/m2の付加されたスルホン酸基を有することを示唆した。
実施例4
4−アミノサリチル酸のジアゾニウム塩の溶液を下記の通りに調製した。550mlの脱イオン水に57.4gの4−アミノサリチル酸を加えた。この混合物を氷浴槽の中で冷やし、そして93.75mlの濃塩酸を加えた。この冷却混合物に50mlの脱イオン水中の25.9gの亜硝酸ナトリウム溶液を加えた。この混合物は暗色となり、そして多少のガスが発生した。この溶液は0.038gの4−アミノサリチル酸のジアゾニウム/g溶液を含むことが計算された。
氷浴槽の中で冷却した1.8lの脱イオン水中の350m2/gのCTAB表面積及び120ml/100gのDBPAを有するカーボンブラック(200g)のよく攪拌したスラリーに233.2gの4−アミノサリチル酸ジアゾニウム溶液を加えた。ガスが発生した。更なるガスの発生が観察されなくなるまで攪拌を続けた。このスラリーを真空濾過し、そして脱イオン水で洗った。そのウェットケーキをオーブンの中で75℃で乾燥させた。この製品は付加されたp-C6H3-(2-OH)-COOH基を有する。
実施例5
氷浴槽の中で冷却した1.8lの脱イオン水中の350m2/gのCTAB表面積及び120ml/100gのDBPAを有するカーボンブラック(200g)のよく攪拌したスラリーに実施例4で調製した1168gの4−アミノサリチル酸ジアゾニウム溶液を加えた。ガスが発生した。更なるガスの発生が観察されなくなるまで攪拌を続けた。このスラリーを真空濾過し、そして脱イオン水で洗った。そのウェットケーキをオーブンの中で75℃で乾燥させた。この製品は付加されたp-C6H3-(2-OH)-COOH基を有する。
実施例6
カーボンブラック製品の調製
4−アミノ安息香酸のジアゾニウム塩の溶液を下記の通りに調製した。950mlの脱イオン水に89.1gの4−アミノ安息香酸を加えた。この混合物を氷浴槽の中で冷やし、そして162.5mlの濃塩酸を加えた。アセトン(50ml)を加え、4−アミノ安息香酸を完全に溶解させた。この冷却混合物に100mlの脱イオン水中の44.9gの亜硝酸ナトリウム溶液を加えた。この混合物は暗色となり、そして多少のガスが放出された。この溶液は0.061gの4−アミノ安息香酸のジアゾニウム/g溶液を含むことが計算された。
氷浴槽の中で冷却した1.8lの脱イオン水中の350m2/gのCTAB表面積及び120ml/100gのDBPAを有するカーボンブラック(200g)のよく攪拌したスラリーに131gの4−アミノ安息香酸ジアゾニウム溶液を加えた。ガスが発生した。更なるガスの発生が観察されなくなるまで攪拌を続けた。このスラリーを真空濾過し、そして脱イオン水で洗った。そのウェットケーキをオーブンの中で75℃で乾燥させた。この製品は付加されたp-C6H4-COOH基を有する。この製品は90%の325メッシュ残渣を有していた。
実施例7
様々な量の付加された基を有するカーボンブラック製品の調製
実施例6において調製したジアゾニウム溶液を利用し、350m2/gのCTAB表面積及び120ml/100gのDBPAを有するカーボンブラックを様々な量のフェニルカルホキシレート基で官能化した。利用した量は以下の表に示す。利用した手順は実施例6に類似する。
Figure 0004001922
実施例8
ピンペレタイザー内でのカーボンブラック製品の調製
この工程は実施例3に類似しており、350m2/gのCTAB表面積及び120ml/100gのDBPAを有するカーボンブラック300gと4−アミノ安息香酸24gとを用いた。ペレタイザーは500rpmで1分作動させた。脱イオン水(300ml)及び亜硝酸ナトリウム(12.1g)の溶液を加え、そしてペレタイザーを1,100rpmで2−3分作動させた。この製品をペレタイザーから出し、そしてオーブンの中で70-100℃で乾燥させた。この製品は付加されたp-C6H4-COONa基を有した。
実施例9
カーボンブラック製品の調製
これは実施例6の製品と似た製品の製造のための別の方法を提供する。実施例8の製品(150g)を500mlの脱イオン水の中でスラリー化した。このスラリーに21.9mlの濃塩酸を加えた。30分攪拌後、このスラリーを濾過し、そして脱イオン水で洗い、そしてそのウェットケーキを75℃で乾燥させた。この製品は付加されたp-C6H4-COOH基を有していた。
実施例10
カーボンブラック製品の調製
これは実施例1に類似するが、560m2/gの窒素表面積、90ml/100gのDBPA及び9.5%の揮発物含量を有する酸化型カーボンブラックを利用した。各処理レベルのための利用した試薬の量を以下の表に示す。カーボンブラックは脱イオン水の中での10%のスラリーとした。
Figure 0004001922
実施例11
カーボンブラック製品の調製
実施例3の手順を用い、カーボンブラックは93m2/gのt−面積及び55mL/100gのDBPAを有した。用いた試薬の量を以下の表に示す。
Figure 0004001922
これらの製品は、付着したp-C6H4-SO3Na基を有する。各々のサンプルをソックレー抽出(エタノール)し、硫黄成分について分析した。結果を、対応する1m2当りの付着の量と共に表に示す。
この過程から作られたペレットを8インチジェットミル(Sturtevant, Boston, MA)ですりつぶしてペレットを“ふわふわした(fluffy)”型の製品に変えた。この過程は、Perrv's Chemical Engineers' Handbook”6th Ed., R.H.Perry及びD.Green, Eds., pp8-46に記載される。これらのすりつぶした材料は実施例8で用いた。
実施例12
カーボンブラック製品の調製
この手順は、連続稼動条件下でのカーボンブラック製品の調製を記載する。350m2/gのCTAB表面領域及び120mL/100gのDBPAを有するカーボンブラックの1時間当り100部を、スルファニル酸の1時間当り25部及び水溶液としての硝酸ナトリウムの1時間当り10部と共に、連続稼動性ピンミキサーにかけた。生じた材料を乾燥させて付着したp-C6H4SO3Na基を有するカーボンブラック製品を供した。ソックレー抽出した(エタノール)サンプルの硫黄成分についての分析は、その製品が、0.95m等量/gの付着したスルホネート基、又は2.7マイクロモル/m2の付着したスルホネート基を有することを示した。
実施例13
コーティング組成物におけるカーボンブラック製品の使用
この例は、熱硬化性アクリル酸組成物におけるカーボンブラック製品の使用を詳述する。標準は、いずれの付加的な処理もしていない350m2/gのCTAB表面領域及び120mL/100gのDBPAを有するカーボンブラックであった。ここで評価した材料は実施例1,2a,2b、及び12で調製したものであった。
コーティング組成物を以下の通り調製した。各々2分の1ガロンスチールボールミルに、2.1kg 1/4″スチールボール、3.3kg 1/2″スチールボール、282gのグラインドマスターバッチ(64部のACRYLOID AT400樹脂、30部のn−ブタノール、6部のメチル−n−アミルケトン)、及び30gのカーボンブラックを詰めた。そのミルジャーを、示される時間について、82rpmのジャーローリングミル稼動で44rpmまで回した(Paul 0.Abbe model 96806又は等価物)。最初に249gのAT-400樹脂で各々のミルを希釈し、そしてジャーミルで1時間、回転させることにより仕上がったコーティング製剤を調製した。33部のAT-400樹脂、35.3部のCYMEL 303メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、7.2部のメチル−n−アミルケトン、8.5部の2−エトキシエチルアセテート(Cellosolveアセテート−Union Carbide)、1.8部のCYCAT 4040(トルエンスルホン酸及びイソプロパノールの酸触媒)、0.3部のFLUORAP FC431添加物、14部のn−ブタノールの混合物304gを加え、1時間、回転させることにより2回目の希釈を行った。
ACRYLOIDはRohm and Haas(Philadelphia, PA)から利用できる樹脂についての登録商標であり;CYMEL及びCYCATはCytec Industries(West Patterson, NJ)から利用できる製品についての登録商標であり;そしてFLUORADは、3M(St.Paul, MN)から利用できる添加物についての登録商標である。
30分空気乾燥し、次に30分、250℃に焼いた密閉したLenetaチャートで3milフィルムで光学特性を決定した。L*,a*及びb*値を測定するのにHunter Color Meterを用いた。MacBeth RD918濃度計で光学密度を測定した。BYK Gardner model 4527グロスメーターで光沢を測定した。Brookfield KU-1粘度計でKrebs Unitsで粘度を測定した。
熱硬化性アクリル酸製剤を、27時間、ボールミル内ですりつぶすことにより、一般的に開示される方法に従って調製した。ドローダウン、3mil厚を調製し、それらの光学特性を評価した。その結果を以下の表に要約する。
Figure 0004001922
処理レベルの増加に伴う製剤粘度の低下がある。全ての光学特性はより低いレベルでピークがあり;3重量%スルファニル酸ジアゾニウム塩で処理した実施例1のカーボンブラック製品は、全ての他の材料より大きい光学密度であり、より黒く、より青く、より光沢がある。これらのサンプルは処理のために補正された重量、即ち各々の製剤において同じカーボンブラックの重量である。
実施例14
熱硬化性アクリル酸製剤に用いる種々のレベルのサリチル酸で官能化したカーボンブラック製品
実施例4及び5で調製したカーボンブラック製品を、18及び42時間、すりつぶした後に実施例13の一般的方法に従って熱硬化性アクリル酸製剤において評価した。その結果を以下の表に要約する。この例において、各々の製剤において等しい重量のカーボンブラック製品を用いた。標準は、いずれの付加的処理もしていない350m2/gのCTAB表面領域及び120mL/100gのDBPAを有するカーボンブラックであった。
Figure 0004001922
各々の粉砕時間において、より低い処理の材料である実施例4は、未処理の標準又はより高い処理をした材料(実施例5)のいずれよりも大きな光学密度、黒さ(L*)、より深みのあるブルートーン、及びより大きな光沢を示す。
実施例15
熱硬化性アクリル酸製剤に用いる種々のレベルの4−アミノ安息香酸で処理したカーボンブラック製品
実施例6,7a、及び7bに従って調製したカーボンブラック製品を、実施例13に記載されるように、熱硬化性アクリル酸製剤において評価した。27時間の粉砕の後に調製したコーティングの光学特性を以下の表に示す。各々の製剤は30gのカーボンブラック製品を含んでいた。標準は、いずれの付加的処理もない350m2/gのCTAB表面領域及び120mL/100gのDBPAを有するカーボンブラックであった。
Figure 0004001922
この付着した安息香酸基を伴う例において、8重量%の4−アミノ安息香酸ジアゾニウム塩で処理した実施例7aは、標準の、未処理のカーボンブラックに優る改良された光学特性を供するのに十分である。より高い処理レベルはコーティング特性を大きく改善しなかった。
実施例16
種々の量のスルファニル酸ジアゾニウム塩で更に官能化した表面処理したカーボンブラック製品の性能
実施例10a−e(各々3,5,10,15,25重量%のスルファニル酸ジアゾニウム)で調製したカーボンブラック製品を、実施例13に記載されるように、熱硬化性アクリル酸製剤において評価した。27時間の粉砕後に調製したコーティングの光学特性を以下の表に示す。各々の製剤は等量のカーボンブラック製品を含んでいた。標準は、560m2/gの窒素表面領域、90mL/100gのDBPA、及び9.5%の揮発成分を有する表面処理したカーボンブラックであった。
Figure 0004001922
付着したスルホネート基を有する酸化されたカーボンブラック製品は、未処理の標準より大きな光学密度、黒さ及び青いアンダートーンを有する。実施例10b(5重量%処理)は、他の材料より黒くかつ青かった。
実施例17
ウレタン硬化されたアクリル組成物に用いられる種々のレベルのスルファニル酸で処理されたカーボンブラック製品
この実施例はアクリルエナメル組成物におけるカーボンブラック製品の使用を説明する。実施例3及び12からのカーボンブラック製品を以下の組成物に用いた。カーボンブラック製品をペイントシェーカー上の小さなスチールミル(高さ2−1/16インチ×直径2−3/32インチ)内で粉砕させた。各ミルには200gの3/16インチのクロムスチールボール、2.19gのカーボンブラック、及び19.9gの、DMR-499アクリル混合エナメル(PPG Finishers, Strongsville, OH)及びキシレンの80/20混合物からなる粉砕ビヒクルを入れた。サンプルをHegmanゲージについて評価した。23.3gのDMR-499、17.3gのキシレン及び1.4gのDXR-80ウレタン硬化剤(PPG Finishers, Strongsville, OH)をミルに入れ、15分間振盪することによって最終組成物を製造した。シールされたLenetaチャートにこの最終組成物を3ミル引いた。このフィルムを30分間風乾し、次いで140°Fにおいて30分間焼成した。実施例13と同様にして光学特性を調べた。
スタンダードは350m2/mのCTAB表面積及び120mL/100gのDBPAを有し、他の処理を行わないカーボンブラックであった。光学特性及びHegman grindを以下の表に示す。Hegman値は5つの「サンド」粒子密集されたHegmanゲージで測定した。
Figure 0004001922
この組成物において、スタンダード製品の湿潤は、光沢及びHegmanゲージの読み値がとても低いことから明らかなように不完全であった。実施例12のカーボンはカーボンに対する処理量(2.66g)について重量補填した。実施例3の製品(5wt%スルファニル酸ジアゾニウム塩処理)は、スタンダード及びさらに処理した材料と比較して優れた光学密度、噴射性(jetness)及び青色性(bruetone)を示した。
実施例18
グロスインク組成物におけるカーボンブラック製品の評価
実施例11a−11dのカーボンブラック製品を、3ロールミルで製造した標準ヒートセットグロスインク組成物において評価した。11b−11dの特性を標準サンプル(実施例11a)と比較した。
カーボンブラックサンプルは、15gのカーボンブラックを35gの粉砕マスターバッチと手で混合することにより、3ロールミルにおける粉砕用に製造した。サンプルは、11a:15.0g,11b:15.2g,11c:15.3g,11d:15.8gと、処理量に応じて重量補填した。マスターバッチは9部のLV-3427XL(ヒートセット粉砕ビヒクル、Lawter International, Northbrook, IL)、1部までのMAGIESOL 47オイルからなっている。この混合物50gを70°FにおいてKent 3ロールミルで粉砕した。サンプルを等量の粉砕マスターバッチと混合し、グラインドを評価するためNIPRIグラインドメーターG−2に適用した。スタンダードはこのミルを4回通過させた。グラインドゲージ読み値が20ミクロン以上であったら、さらに通過させた。この粉砕した材料を等重量のマスターバッチ(3部のLV3427XL、12部のLV6025(ヒートセットゲルビヒクル、Lawter International)、5部のMAGIESOL47オイル)と混合し、3ロールミルに1回通過させて最終インクを製造した。
MAGIESOLはMagie Brothers, Franklin Park, ILより入手可能なオイルの登録商標である。
得られたインクの粘度測定値及び粉砕データを以下の表に示す。粉砕データの値はG−2粉砕ゲージで測定したミクロンであり、ゲージにおいて5スクラッチ/10スクラッチ/5欠陥の粒子が検出されるレベルを示している。スチールバーLaray粘度は、TMI95-15-00Laray粘度計(Testing Machines, Inc.)を用いて25℃でASTM法D4040-91によって測定し、垂直ガラスプレートフローは、サンプルをプレートに乗せる前に0,30、及び60分放置した後の垂直ガラスプレートを落下する0.5ccのインクサンプルの距離により測定し、そしてスプレッドメーター特性は、日本工業規格に記載のように、リソグラフ及びレタープレスインク用の試験方法(JIS K5701-4.1.2)によりToyoseikiスプレッドメーターを用いて測定した。
Figure 0004001922
これらのデータは、いかに処理がインクの流動性を改質するかを示している。これらのケースにおいて、処理レベルを高めるとLaray粘度はわずかに低下するが、流動性(垂直ガラスプレートフロー)はわずかに高まる。この流動性は1時間放置後も高いままであり、これはインク組成物が時間経過と一致して流動することを意味している。これはオフセットインクにおいて特に価値がある。
スプレッドメーターのスロープも流動性を示しているが、これは異なる剪断条件におけるものである(高い値は流動性が高いことに相当する)。スプレッドメーターの中断はサンプルのプラスチック粘度を示している。
カーボンブラック製品11b−11d及び標準カーボンブラック(11a)より製造したインクの光学特性を、RNA-42印刷性試験機(Research North America Inc.)を用いて行ったプリントから測定し、以下の表に示す。1.0及び2.0ミクロンのフィルム厚についての値は、広範囲のフィルム厚について行ったプリントからのデータの回帰より計算した。
サンプル11a−dより製造した1ミクロンフィルムの光学特性
Figure 0004001922
サンプル11a−dより製造した2ミクロンフィルムの光学特性
Figure 0004001922
これらのデータは処理レベルを高めると光学特性をいくらか低下させることを示している。実施例11bは、光学特性の損失を最小にして改良された流動性(オフセットインク用途用)及びとても良好な分散性を備えている。
実施例19
カーボンブラック製品の製造
実施例3の方法を用い、カーボンブラックは93m2/gのt面積及び55mL/100gのDBPAを有していた。用いた試剤の量を以下の表に示す。
Figure 0004001922
これらの製品は結合したp-C6H4-CO2Na基を有している。
この方法より製造したペレットを乾燥し、次いで8インチのジェットミル(Sturvant, Boston, MA)を用いて粉砕し、このペレットを綿毛状の製品にした。この方法はPerry's Chemical Engineers' Handbook、6版、R.H.Perry and D.Green Eds.,8〜46頁に記載されている。この粉砕した材料を実施例20において用いた。
実施例20
グロスインク組成物中のカーボンブラック製品の評価
実施例19a−19dのカーボンブラック製品を、実施例18に記載の3ロールミルで製造した標準ヒートセットグロスインク組成物で評価した。すべての試験は実施例18と同様に行った。カーボンブラック製品19aは対照である。サンプルは、19a:15.0g,19b:15.2g,19c:15.3g,19d:15.8gと、処理量に応じて重量補填した。
得られたインクの粘度測定値及び粉砕データを以下の表に示す。「ハンドブラック」は、カーボンブラックが最初のミル通過の間に樹脂に均一に混合しなかったことを示している。
Figure 0004001922
このデータは、いかにこの処理がインク組成物の流動性を改質しているかを示している。これらのケースにおいて、処理レベルを高めると、流動性(垂直ガラスプレートフロー)は大きく向上した。1時間のセット時間の後流動性は高いままであり、これはこのインク組成物が時間経過と一致していることを示している。これはオフセットインクにおいて特に価値がある。さらに、実施例19cのカーボンブラックは対照である19aよりも速くインクに分散した。
異なる剪断条件下であるが、スプレッドメーターの傾きも流動性の指標である(数値が高いほど大きな流動性を示す)。スプレッドメーターの遮断状態(intercepter)は試料の塑性粘度の指標である。
対照カーボンブラック19aおよびカーボンブラック製品19b〜19dから製造したインクの光学的性質を実施例18に記載の通りに測定した。1.0ミクロンおよび2.0ミクロンのフィルムの厚さについての値を、ある範囲のフィルムの厚さに渡って作製したプリントからのデータの線形回帰から算出した。
試料19a〜dから製造した1μmフィルムの光学的性質
Figure 0004001922
試料19a〜dから製造した2μmフィルムの光学的性質
Figure 0004001922
上記データは、処理レベルを増加させると光学的性質が幾分減少したことを示す。実施例19cは、改善された流動学(オフセットインク塗布の場合)、非常に良好な分散性、および対照のものに匹敵する光学的性質を有した。
実施例21
カーボンブラック製品の製造
連続作業条件下で異なる量の付着基を有するカーボンブラック製品を製造した。342m2/gのt面積と106ml/100gのDBPAを有するカーボンブラックを、100部/時間の速度で連続作業ピンミキサーに装填した。各例において使用するスルファニル酸、亜硝酸ナトリウムおよび水の量を下記の表に示す。得られた材料を乾燥して、p-C6H4SO3Na基が付着されているカーボンブラック製品を提供した。付着基の量は、各製品のソックスレー抽出試料を硫黄含量について分析することにより決定した。結果を下表に示す。
Figure 0004001922
実施例22
ウレタン硬化アクリル塗料において使用する、種々の量のスルファニル酸で処理したカーボンブラック製品
この実施例は実施例17と同様に実施した。実施例21a〜eのカーボンブラック製品を配合物の形で使用した。各実施例の混練時間は60分であった。
Figure 0004001922
この配合物では、実施例21dの製品について改善された光学濃度、噴射性および光沢が観察された。付着された有機基のレベルがそれより高いかまたは低いカーボンブラック製品は、塗料の色彩性質に関しても性能が良くなかった。
実施例23
カーボンブラック製品の製造
この実施例は連続作業条件下でのカーボンブラック製品の製造を記載する。361m2/gのCTAB表面積と117ml/100gのDBPAを有するカーボンブラック100部/時間を、スルファニル酸9部/時間および亜硝酸ナトリウム3.8部/時間と共に水溶液として連続作業ピンミキサーに装填した。得られた材料を乾燥して、p-C6H4SO3Na基が付着されているペレット状カーボンブラック製品を提供した。ソックスレー抽出器中90%エタノールで一晩抽出した試料の分析は、該製品が0.35ミリモル/gの付着スルホン酸基または0.97マイクロモル/m2の付着スルホン酸基を有することを示した。この製品の試料を3ポンド(1b)/時間(≒1.361kg/時間)で4インチジェットミルを使って粉砕し、ふわふわした材料を与えた。
実施例24
塗料におけるカーボンブラックの使用
この実施例は、別の顔料を含む熱硬化性アクリル塗料におけるカーボンブラック製品の使用に関する。標準カーボンブラックは、560m2/gの窒素表面積、100ml/100gのDBPAおよび9.5%の揮発分を有する表面処理済カーボンブラックであった。ここで評価する材料は実施例23に従って調製した。
塗料は次の通り製造した。
塗料A:1クオート(1/4ガロン)容器に15.1gのカーボンブラック、238.4gのACRYLOID AT400樹脂、23.6gの酢酸ブチル、23.6gのエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび11.8gのキシレンを装填し、そして羽根車式ミキサーを使って6000rpmで混合した。900gの#550スチールショットを加え、そして7.5のHegmanグラインドが得られるまで混合物をショットミル上で練磨することにより練り顔料を調製した。1ガロン缶中で564.4gのACRYLOID AT400樹脂、260gのCYMEL 325メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、27gの酢酸ブチル、27gのエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、および13.5gのキシレンを4時間ローリングすることにより、定着基剤(letdown vehicle)を調製した。前記練り顔料(200部)前記定着基剤(255部)の混合物を羽根車式ミキサー中で3000rpmで15分間混合した。
塗料B:半ガロンのセラミックボールミルに、2kgの20mmセラミック材料、204gのACRYLOID AT400樹脂、356gのDuPont R900 TiO2、16gの酢酸ブチル、16gのエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび8gのキシレンを装填した。Hegmanグラインド値が7.5になるまで82rpmで4時間に渡り、ミルジャーをジャーローリングミル上で回転した。追加の241gのACRYLOID AT400樹脂、88.9gのCYMEL 325メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、18.3gの酢酸ブチル、18.3gのエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび9.2gのキシレンを添加し、そして混合物をボールミル上で更に4時間ローリングした。
塗料C:塗料Aと塗料Bのブレンドをペイントシェーカー中で更に30分間混合した。
塗料Cの試料を6ミルのBirdアプリケーターを使ってガラス板上に塗布し、室温で5〜10分間フラッシュし、オーブン中で100℃で25分間硬化させた。L*,a*,b*値を測定した。下表から明らかなように、実施例23のペレット状およびふわふわのカーボンブラック製品は、対照カーボンブラックより大きな着色力を示した。塗料Aの製造時に全てのカーボン試料を40分間練磨した時、ペレット状材料には同様な結果が観察されたが、ふわふわした材料については観察されなかった。
Figure 0004001922
実施例25
カーボンブラック製品の製造
この実施例は連続作業条件下でのカーボンブラック製品の製造を記載する。361m2/gのCTAB表面積と117ml/100gのDBPAを有するカーボンブラック100部/時間を、スルファニル酸および亜硝酸ナトリウムと共に水溶液として連続作業ピンミキサーに装填した。得られた材料の一部を乾燥して、p-C6H4SO3Na基が付着されているカーボンブラック製品を提供した。ソックスレー抽出器中で一晩メタノール抽出した試料の硫黄分析から、p-C6H4SO3Na基の濃度を決定した。
Figure 0004001922
実施例26
塗料におけるカーボンブラックの使用
この実施例は、水性熱硬化性アクリル塗料における実施例25のカーボンブラック製品の使用を例証する。塗料は次の通り製造した。
塗料A:低剪断ミキサーを使って水(57.8g)、0.1gのPatco 845脱泡剤および3.4gのジメチルエタノールアミンを5分間混合した。次いでCargill 17-8241アクリル樹脂(34.4g)と4.3gのSURFYNOL CT136界面活性剤を添加し、この配合物を低剪断ミキサーを使って更に10分間混合した。Patco 845脱泡剤はAmerican Ingredients Co., Kansas City, MOから入手可能である。Cargill 17-7241アクリル樹脂はCargill, Inc., Minneapolis, MNから入手可能である。SURFYNOL CT136はAir Products and Chemicals, Inc., Allentown, PAの登録商標である。
塗料B:低剪断ミキサーを使って水(68.5g)、23.0gのCargill 17-7241アクリル樹脂、2.7gのジメチルエタノールアミン、5.4gのCargill 23-2347メラミン樹脂および0.3gのBYK-306界面活性剤を10分間混合した。Cargill 23-2347メラミン樹脂はCargill, Inc., Minneapolis, MNから入手可能である。BYK-306はBYK-Chemic USA, Wallingfordにより製造・販売されている界面活性剤の登録商標である。
塗料C:カーボンブラック製品を水に添加しそして低剪断力下で約15分間攪拌することにより、実施例25のカーボンブラック製品の10重量%分散液を調製した。塗料A(3.2g)を2.5gのカーボンブラック製品分散液に加え、磁気攪拌棒を使って15分間混合した。塗料B(19.3g)を添加し、得られた材料を磁気攪拌棒を使って更に15分間攪拌した。塗料を使用前に一晩放置しておいた。
3ミルのBirdアプリケーターを使ってレネッタ紙(lenetta paper)の上に塗布し、163℃で15分間乾燥させた。下表は、減少した処理レベルを有するカーボンブラック製品を使用した時に、改善された噴射性を有する塗料が得られることを示す。
Figure 0004001922
本発明の他の実施態様は、本明細書中に開示される発明の具体的説明および実施例を考慮すれば当業者に明らかであろう。明細書および実施例は単に例示として見なされるものであり、本発明の真の範囲および精神は次の請求の範囲により表される。

Claims (43)

  1. a)少なくとも1個の芳香族基およびb)少なくとも1個のイオン性基、少なくとも1個のイオン化可能な基、または、イオン性基およびイオン化可能な基の混合物を含む、少なくとも1種の有機基を結合している炭素を含み、変性された炭素製品であり、前記有機基の前記少なくとも1個の芳香族基は前記炭素に直接結合しており、そして前記有機基は、変性された炭素製品を製造するために使用される炭素のCTABまたはt−面積をベースとして、0.10〜2.7マイクロモル/m2炭素の含有量で含まれ、または、変性された炭素製品が5wt%より大きな残量値(residue value)を有するような量で含まれる、炭素製品。
  2. 前記有機基の含有量は、炭素のCTABまたはt−面積をベースとして、0.4〜2.5マイクロモル/m2炭素である、請求項1記載の組成物。
  3. 前記イオン性基またはイオン化可能な基はカルボン酸またはその塩である、請求項1記載の組成物。
  4. 前記イオン性基またはイオン化可能な基はスルホン酸またはその塩である、請求項1記載の組成物。
  5. 前記有機基はスルホフェニル基またはその塩である、請求項1記載の組成物。
  6. 前記有機基はp−スルホフェニル基またはその塩である、請求項1記載の組成物。
  7. 前記有機基はp-C6H4SO3Naである、請求項1記載の組成物。
  8. 前記有機基はカルボキシフェニル基またはその塩である、請求項1記載の組成物。
  9. 前記有機基はp−カルボキシフェニル基またはその塩である、請求項1記載の組成物。
  10. 前記有機基はp-C6H4CO2H基である、請求項1記載の組成物。
  11. 前記イオン性基またはイオン可能な基は第四級アンモニウム塩である、請求項1記載の組成物。
  12. 前記有機基は3-C5H4N(C2H5)+X-,C6H4NC5H5 +X-,C6H4COCH2N(CH3)3 +X-,C6H4COCH2(NC5H5)+X-,3-C5H4N(CH3)+X-,C6H4N(CH3)3 +X-またはC6H4CH2N(CH3)3 +X-(式中、X-はハロゲン化物または無機酸または有機酸から誘導されたアニオンである)である、請求項1記載の組成物。
  13. 前記有機基はC6H4NC5H5 +X-であるかまたはC6H4N(CH3)3 +X-である、請求項12記載の組成物。
  14. 前記有機基はカルボキシヒドロキシフェニル基またはその塩である、請求項1記載の組成物。
  15. 前記有機基は4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニル基である、請求項1記載の組成物。
  16. 前記炭素はカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、ガラス質カーボン、微細分割された炭素、活性チャコール、活性カーボン、またはそれらの混合物である、請求項1記載の組成物。
  17. 前記炭素はカーボンブラックである、請求項16記載の組成物。
  18. 前記芳香族基の芳香環はアリール基である、請求項1記載の組成物。
  19. 前記芳香族基の芳香環はヘテロアリール基である、請求項1記載の組成物。
  20. 前記有機基はR,OR,COR,COOR,OCOR、ハロゲン、CN,NR2,SO2NR(COR),SO2NR2,NR(COR),CONR2,NO2,SO3M,SO3NR4およびN=NR′(式中、Rは、独立に、水素、C1〜C20置換もしくは未置換アルキル、C3〜C20置換もしくは未置換アルケニル、(C2〜C4アルキレンオキシ)xR″、または置換もしくは未置換アリールであり、R′は、独立に、水素、C1〜C20置換もしくは未置換アルキル、または置換もしくは未置換アリールであり、R″は水素、C1〜C20置換もしくは未置換アルキル、C3〜C20置換もしくは未置換アルケニル、C1〜C20置換もしくは未置換アルカノイル、または置換もしくは未置換アロイルであり、MはH,Li,Na,CsまたはKであり、そしてxは1〜40の整数である)から選ばれた1種以上の基を有する、請求項1記載の組成物。
  21. 前記変性された炭素製品は、前記炭素にさらに結合した式AyAr-の芳香族基を有し、
    式中、Arはフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ビフェニル、ピリジニルおよびトリアジニルからなる群より選ばれた芳香族基であり、
    Aは、水素、R,OR,COR,COOR,OCOR、ハロゲン、CN,NR2,SO2NR2,SO2NR(COR),NR(COR),CONR2,NO2,SO3M,SO3NR4およびN=NR′からなる群より選ばれた官能基であるか、または、Aは、未置換であるかもしくは1個以上の前記官能基により置換された、直鎖、枝分かれまたは環式の炭化水素基であり、
    Rは、独立に、水素、C1〜C20置換もしくは未置換アルキル、C3〜C20置換もしくは未置換アルケニル、(C2〜C4アルキレンオキシ)xR″、または置換もしくは未置換アリールであり、
    R′は、水素、C1〜C20置換もしくは未置換アルキルまたは置換もしくは未置換アリールであり、
    R″は、水素、C1〜C20置換もしくは未置換アルキル、C3〜C20置換もしくは未置換アルケニル、C1〜C20置換もしくは未置換アルカノイル、または、置換もしくは未置換アロイルであり、
    xは1〜40であり、
    MはH,Li,Na,CsまたはKであり、そして、
    yは、Arがフェニルであるときには1〜5の整数であり、Arがナフチルであるときには1〜7の整数であり、Arがアントラセニル、フェナントレニルまたはビフェニルであるときには1〜9の整数であり、Arがピリジニルであるときには1〜4の整数であり、または、Arがトリアジニルであるときには1〜2の整数である、請求項1記載の組成物。
  22. 非水性溶剤および請求項1記載の変性された炭素製品を含む、非水性コーティング組成物。
  23. 非水性ビヒクルおよび請求項1記載の変性された炭素製品を含む、非水性インク組成物。
  24. 水および請求項1記載の変性された炭素製品を含む、水性コーティング組成物。
  25. 水および請求項1記載の変性された炭素製品を含む、水性インク組成物。
  26. 変性された炭素製品および非水性溶剤もしくは非水性ビヒクルを含む、非水性のインクもしくはコーティング組成物であって、
    前記変性された炭素製品は少なくとも1種の有機基が結合している炭素を含み、前記有機基はa)少なくとも1個の芳香族基およびb)少なくとも1個のイオン性基、少なくとも1個のイオン化可能な基、または、イオン性基もしくはイオン化可能な基の混合物を含み、前記有機基の前記少なくとも1個の芳香族基は前記炭素に直接結合している、非水性インクもしくはコーティング組成物。
  27. ガラスプレートフローにより測定して、インクの流れを増加させる方法であって、前記インクに請求項1記載の変性された炭素製品を混入させることを含む、方法。
  28. 水もしくは非水性溶剤、請求項1記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  29. 水もしくは非水性溶剤、請求項2記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  30. 水もしくは非水性溶剤、請求項3記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  31. 水もしくは非水性溶剤、請求項4記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  32. 水もしくは非水性溶剤、請求項5記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  33. 水もしくは非水性溶剤、請求項6記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  34. 水もしくは非水性溶剤、請求項7記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  35. 水もしくは非水性溶剤、請求項8記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  36. 水もしくは非水性溶剤、請求項10記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  37. 水もしくは非水性溶剤、請求項11記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  38. 水もしくは非水性溶剤、請求項12記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  39. 水もしくは非水性溶剤、請求項17記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  40. 水もしくは非水性溶剤、請求項20記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  41. 水もしくは非水性溶剤、請求項21記載の変性された炭素製品、および、カーボンブラック以外の着色顔料を含むコーティング組成物。
  42. 炭素以外の着色顔料をさらに含む、請求項26記載のコーティング組成物。
  43. 水もしくは非水性溶剤、請求項1記載の変性された炭素製品およびクレー、タルク、シリカまたはカーボネートを含む、コーティング組成物。
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