JP4000853B2 - 分子膜パターンの形成方法、分子膜パターン、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

分子膜パターンの形成方法、分子膜パターン、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板表面あるいは下地層に形成される分子膜、分子膜パターン及びその形成方法に関するものである。さらに、これら分子膜、分子膜パターン及びその形成方法を応用した半導体装置及び電気光学装置とそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置や電気光学装置の製造工程において、重要な工程の一つである薄膜のパターンニングには、フォトリソグラフィ法が用いられている。フォトリソグラフィ法は、サブミクロンオーダーの高精細のパターンニングを可能とする。一般に、フォトリソグラフィ法を用いたパターニングは次のような工程を経て行われる。まず、パターンニングを行う薄膜を基板全面に形成する。さらに、レジスト膜の形成、露光、現像、リンスなどを経てレジストパターンを形成する。その後に、レジストパターンを耐エッチングマスクとして下地の薄膜のエッチングを行ない不要な部分を除去して所望のパターンを得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにフォトリソグラフィ法によるパターニングを行うには多くの工程を必要とする。これに対して、最近、レジスト膜に比べて薄い分子膜を用いてパターニングを行うことにより工程数を低減することも試みられていたが、より光分解性に優れた分子膜が望まれていた。
【0004】
そこで、本発明の第1の目的は光分解性に優れた分子膜により、効率良く分子膜パターンを形成することである。第2の目的は上記の分子膜、分子膜パターン及びその形成方法を利用して半導体装置及び電気光学装置を得ることであり、そして、第4の目的はそれら半導体装置及び電気光学装置の製造方法を適用することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の分子膜パターンの形成方法は、芳香族炭化水素部を含み、光分解性を示す有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の良い芳香族炭化水素部を有する有機ケイ素化合物により形成されているので、前記分子膜に対して所定のパターン形状で光照射を行うことにより容易に所望の分子膜パターンを形成することができる。本明細書をとおして、分子膜とは、100nm以下の膜厚を有する膜を指している。理想的には、5nm以下の膜厚であることが望ましい。ただし、高分子鎖を有する材料からなる分子膜の膜厚は100nm以上となることもある。
【0006】
本発明の第2の分子膜パターンの形成方法は、下記式(1)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の良い芳香族炭化水素部を有する有機ケイ素化合物により形成されているので、前記分子膜に対して所定のパターン形状で光照射を行うことにより容易に所望の分子膜パターンを形成することができる。式(1)中のアリール基(Ar)としては、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、またはフェナントリル基が挙げられる。なお、芳香族炭化水素上の置換基である(CR2m−Zを介してポリマー主鎖に接続されていても良い。
【0007】
【化11】
Figure 0004000853
【0008】
(但し、式中のn、m、p、Ar、X、Y、及びRはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
m:0以上の整数
p:0以上の整数
Ar:アリール基
R:水素またはフッ素
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基、アリール基または水素原子
Z:アルキル基、ペルフルオロアルキル基、シリル基、シアノ基、アミノ基またはチオール基)
本発明の第3の分子膜パターンの形成方法は、下記式(2)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の高いベンゼンπ電子系を有している有機ケイ素化合物により構成されているので、光照射により容易に所望の分子膜パターンを形成することができる。
【0009】
【化12】
Figure 0004000853
【0010】
(但し、式中のn、p、R1、R、R、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
p:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基
R:ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基、アリール基、またはアリール基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基)
本発明の第4の分子膜パターンの形成方法は、下記式(3)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の高いナフタレンπ電子系を有している有機ケイ素化合物により構成されているので、光照射により容易に所望の分子膜パターンを得ることができる。
【0011】
【化13】
Figure 0004000853
【0012】
(但し、式中のn、p、R1、R、R、X及びYはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
p:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基)
本発明の第5の分子膜パターンの形成方法は、下記式(4)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対して光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の高いナフタレンπ電子系を有している有機ケイ素化合物により構成されているので、光照射により容易に所望の分子膜パターンを形成することができる。
【0013】
【化14】
Figure 0004000853
【0014】
(但し、式中のn、p、R1、R、R、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
p:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基)
本発明の第6の分子膜パターンの形成方法は、下記式(5)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の高いビフェニルπ電子系を有している有機ケイ素化合物により構成されているので、光照射により容易に所望の分子膜パターンを形成することができる。
【0015】
【化15】
Figure 0004000853
【0016】
(但し、式中のn、p、R1、R、R、R、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
p:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基
R:ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基)
本発明の第7の分子膜パターンの形成方法は、下記式(6)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の高いピリジンπ電子系を有している有機ケイ素化合物により構成されているので、光照射により容易に所望の分子膜パターンを得ることができる。また、ピリジン環の窒素と金属元素などの種々の陽性元素との高い親和性により、これらの元素との錯体を形成しやすいという性質も有しているので、適当な化学的処理を施すことにより、さらなる機能を分子膜パターンに付加することができる。
【0017】
【化16】
Figure 0004000853
【0018】
(但し、式中のn、p、R1、R、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
P:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
R:ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基、アリール基、またはアリール基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基)
本発明の第8の分子膜パターンの形成方法は、下記式(7)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の高いチオフェン、ピロール、またはフランなどの共役電子系複素環を含む有機ケイ素化合物により構成されているので、光照射により容易の所望の分子膜パターンを形成することができる。また、上記の有機ケイ素化合物はその複素環上にイオウ、窒素及び酸素など官能性を有するヘテロ元素を有しているので、適当な化学的処理を施すことにより、さらなる機能を分子膜パターン付加することができる。
【0019】
【化17】
Figure 0004000853
【0020】
(但し、式中のn、p、R1、R、X、Y、及びQはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
p:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
R:ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基、アリール基、またはアリール基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基
Q:水素またはアルキル基を有する窒素(N)、酸素原子(O)、または硫黄原子(S))
本発明の第9の分子膜パターンの形成方法は、下記式(8)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、ベンゼン環上に撥液性に優れたフルオロアルキル基を有している有機ケイ素化合物により構成されているので、この分子膜は高い光反応性と撥液性とを有している。したがって、この分子膜に対して光照射を行うことにより、撥液性の異なる分子膜パターンを形成することができる。なお、優れた撥液性を得るにはフルオロアルキル基の炭素鎖の原子数が3以上であることが好ましい。
【0021】
【化18】
Figure 0004000853
【0022】
(但し、式中のn、m、r、p、R1、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
m:0以上の整数
r:正の整数
p:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基)
本発明の第10の分子膜パターンの形成方法は、下記式(9)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の高いビフェニルπ電子系に加えて、撥液性に優れたフルオロアルキル基を有する有機ケイ素化合物により構成されているので、この分子膜に対する光照射により、撥液性の異なる分子膜パターンを形成することができる。なお、優れた撥液性を得るにはフルオロアルキル基の炭素鎖の原子数が3以上であることが好ましい。
【0023】
【化19】
Figure 0004000853
【0024】
(但し、式中のn、m、r、p、R1、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
m:0以上の整数
r:正の整数
p:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基)
本発明の第11の分子膜パターンの形成方法は、下記式(10)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、光吸収効率の高いビフェニルπ電子系に加えて、撥液性に優れたフルオロアルキル基を有する有機ケイ素化合物により構成されているので、この分子膜に対する光照射により、容易に撥液性の異なる分子膜パターンを形成することができる。なお、優れた撥液性を得るにはフルオロアルキル基の炭素鎖の原子数が3以上であることが好ましい。
【0025】
【化20】
Figure 0004000853
【0026】
(但し、式中のn、m、r、p、R1、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
m:0以上の整数
r:正の整数
p:0以上の整数
R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
Y:アルキル基またはアリール基)
本発明の第12の分子膜パターンの形成方法は、上記の本発明の第3〜6、9〜11の分子膜パターンの形成方法のいずれかにおいて、前記有機ケイ素化合物のR1がペルフルオロアルキル基であること、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、有機ケイ素基に対してオルト位にペルフルオロアルキル基を有する有機ケイ素化合物により構成されている。このような有機ケイ素化合物ではそのケイ素原子とケイ素原子との親和性が高い元素であるフッ素原子が空間的に隣接しているので、フッ素原子のケイ素原子に対する攻撃が容易に起こり、光反応性あるいは光分解性が向上する。したがって、短時間の光照射で分子膜パターンを得ることができる。
【0027】
本発明の第13の分子膜パターンの形成方法は、上記の本発明の第3〜6、9〜11の分子膜パターンの形成方法のいずれかにおいて、前記有機ケイ素化合物のR1がトリフルオロメチル基であること、を特徴とする。係る方法によれば前記分子膜は、有機ケイ素基に対してオルト位にペルフルオロアルキル基を有する有機ケイ素化合物により構成されている。このような有機ケイ素化合物ではケイ素原子と、ケイ素原子との親和性が高い元素であるフッ素原子が空間的に隣接しているので、光反応の際にフッ素原子のアシストにより光反応性あるいは光分解性が向上する。したがって、短時間の光照射で分子膜パターンを形成することができる。なお、この分子膜を構成する有機ケイ素化合物としては、下記式(11)や式(12)で示される化合物が挙げられる。
【0028】
【化21】
Figure 0004000853
【0029】
(但し、n及びqはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
q:1以上の整数)
【0030】
【化22】
Figure 0004000853
【0031】
(但し、n及びpはそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
p:1以上の整数)
本発明の第14の分子膜パターンの形成方法は上記の分子膜パターンの形成方法において、前記分子膜の膜厚が3 nm以下であること、を特徴とする。係る分子膜は、基板あるいは下地層の表面を改質するのに十分な膜厚を有しており、分子膜パターンを形成した際、表面機能または表面特性の明瞭なコントラストが得られることになる。
【0032】
本発明の分子膜パターンは、上記のいずれかの分子膜パターン形成方法により得られる。係る分子膜パターンは上述のように、撥液性など種々の機能を有する分子膜をパターニングすることにより得られる分子膜パターンであるので、この分子膜パターンでは機能の異なる表面が露出することになる。
【0033】
本発明の半導体装置の製造方法は、上記の分子膜パターンの形成方法により得ること、を特徴とする。係る半導体装置の製造方法において、上記の分子膜パターンの形成方法は、例えばフォトリソグラフィ法を用いる工程に代えて用いることができるので、工程数を低減することが可能となる。係る半導体装置の製造方法は、例えば、トランジスタなどのようにパターン形成を含む工程により製造される半導体装置に対して有効である。例えば、シリコンベースのトランジスタや薄膜トランジスタの他、半導体層が有機材料からなる有機薄膜トランジスタが挙げられる。
【0034】
本発明の第1の半導体装置は、上記の半導体装置の製造方法によって製造されること、を特徴とする。係る半導体装置の特徴の一つは、膜厚の小さい分子膜を用いて製造されているので、半導体装置の薄型化・小型化という市場の要請に対応することが可能であるという点である。
【0035】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記の分子膜パターンの形成方法により分子膜パターンを得る工程を含むこと、を特徴とする。係る電気光学装置の製造方法において、上記の分子膜パターンの形成方法は、例えばフォトリソグラフィ法を用いる工程に代えて用いることができるので、工程数を低減することが可能となる。したがって、係る電気光学装置の製造方法は、製造時間または製造コストを低減できるという利点を有している。
【0036】
本発明の第1の電気光学装置は、上記の電気光学装置の製造方法によって製造されること、を特徴とする。
【0037】
本発明の第2の半導体装置は、上記の半導体装置において、有機材料からなる領域を含むこと、を特徴とする。有機材料が用いられている半導体装置の例としてはいわゆる有機薄膜トランジスタが挙げられるが、その製造工程では高度な装置を必要としないスピンコート法やインクジェット法などの液相プロセスを用いることもできるので、製造コストなどの点で有利である。
【0038】
本発明の第2の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、有機エレクトロルミネッセンス素子を有すること、を特徴とする。
【0039】
本発明の電子装置の製造方法は、上記の分子膜パターンの形成方法を用いて行う工程を含むことを特徴とする。電子装置としては例えば、ダイオードなどが挙げられる。
【0040】
本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を、表示部として備えている。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
(1)分子膜及び分子膜パターンの形成工程の概略
分子膜及び分子膜パターンの形成工程の概略を図1〜5を参照しながら説明する。
【0042】
まず、図1に示すように、基板11表面に芳香族炭化水素を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜14を形成する。分子膜14は、原料の有機ケイ素化合物と基板とを同一の密閉容器中に入れて放置するか、原料の有機ケイ素化合物の溶液に基板の浸した後、溶剤を除去することにより得られる。
【0043】
次いで、図2に示すように、分子膜14のパターンニングを行う。本発明における分子膜のパターンニング方法としては、例えば光照射法が用いられる。光照射法では、図3に示すように、薄膜のパターンを形成するための開口が形成されているフォトマスク19を通して光を分子膜14に対して照射することにより行われる。分子膜14の光が照射された領域にある分子膜が分解し、あるいは除去されて、フォトマスク19に対応した分子膜パターンが形成される。
【0044】
さらに、図4に示したように分子膜14の一部が除去された領域にのみ、分子膜14を構成する有機ケイ素化合物の官能基のものとは異なる性質または機能を有する官能基を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜の領域15を形成することもできる。このようにすれば、基板表面に分子膜14とは異なる表面物性を有する領域を形成される。分子膜15を構成する有機ケイ素化合物の官能基を適宜選択すれば、図5に示すように分子膜15に対応する部分にのみ、例えば無電解めっき膜17を形成することもできる。
(2)実施例1
以下に具体的に分子膜及び分子膜パターンの形成工程の例について説明する。
【0045】
前処理として、石英ガラス基板上に172nmの波長の紫外光を10分間照射し、クリーンニングを行った。用いた紫外光強度は、基板面上で約8mW/cmであった。次いで
撥液性に優れた下記式(8)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物の一つであるヘプタデカフルオロオクチルベンジルトリエトキシシランと石英ガラス基板とを、同一の密閉容器に入れて96時間室温で放置することにより第1の分子膜を形成した。そして、さらに、線状パターンが施されたフォトマスクを通して、エキシマランプの308nmの波長の紫外光(石英ガラス基板上での光強度:約5mW/cm)をおよそ15分間照射して、マスクしていない部分の分子膜のみを選択的に光分解させることにより、第1の分子膜パターンの形成が形成された。
【0046】
なお、光照射による分子膜の分解速度を分子膜の光照射された領域の接触角を観察することにより、ヘプタデカフルオロオクチルベンジルトリエトキシシランを原料とする第1の分子膜はヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシランを原料とする分子膜に比べて3倍以上の速度で光分解が起こることが確認された。このことから、ベンゼンなどの芳香族を含む有機ケイ素化合物を原料とする分子膜は光分解性を向上させることが示された。
【0047】
次に、第1の分子膜パターンが形成された基板を、純水、エタノールの順で洗浄した後に、エタノールに、1vol%のアミノベンジルトリエトキシシランを加えた混合液中に5分間浸した。さらに、エタノール、純水の順で基板の洗浄を行ったところ、第1の分子膜が除去された領域に、アミノベンジルトリエトキシシランを原料とする第2の分子膜パターンが形成された。
【0048】
次に、この第1の分子膜パターンと第2の分子膜パターンとが形成された基板を、室温でpHが5.8になるように調製された塩化パラジウムを含む水溶液(塩化水素4% 、パラジウム塩化合物0.2%、を含む30mLの水溶液をさらに1Lの水に溶かして希釈したもの)に約2分浸した後、流水中で3分間洗浄を行った。次に、無電解ニッケルめっき液(ニッケル塩化合物、次亜リン酸をニッケル塩化合物:30g/L、次亜リン酸ナトリウム:10g/Lの組成で含むもの)を、70℃、pH4.6の条件で保持し、この基板を約1分間浸した。その後、基板を液から取り出した後、流水中で洗浄を行ない、乾燥を行った。乾燥後、光学顕微鏡により観察を行ったところ、基板上の第2の分子膜パターンの領域に対応したニッケルのパターンが形成されたことが確認された。
【0049】
本発明において、石英ガラス以外にも、分子膜を形成する基板としては、Siウエハー、ガラス、プラスチックフィルム、金属基板など各種のものを用いることができ、また、基板表面に金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されていても良い。
【0050】
分子膜のパターンに形成に用いる光照射の光源としては、上述のエキシマランプの他、例えば水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、エキシマレーザー、Nd:YAGレーザー、及びその高調波なども用いることができる。
【0051】
上述の実施例のように、撥液性の分子膜パターンを形成する場合は、撥液性を有するヘプタデカフルオロオクチルベンジルトリエトキシシランのような長鎖のフルオロアルキル基を有する有機ケイ素化合物を原料として利用することが好ましいが、通常の長鎖のアルキル基を有するものであってもよい。ケイ素上の置換基はヘプタデカフルオロオクチルベンジルトリエトキシシランのようにエトキシ基には限定されるものではなく、メトキシ基などのアルコキシ基やクロロ、臭素、またはよう素などのハロゲン基、あるいはアミノ基などでもよい。特に分子膜を形成する基板あるいは下地層の表面が水酸基などのカルコゲン元素を有する置換基で被われている場合は 、 上記の置換基をケイ素上に有する有機ケイ素化合物は分子膜を調製する際に、基板あるいは下地層と安定した結合を形成するので、好ましい場合がある。
【0052】
上述の実施例では、無電解ニッケルめっき膜を選択的に調製するために、第2の分子膜の原料としてニッケルとの親和力の高いアミノ基を有する有機ケイ素化合物を用いているが、これ以外にも、例えば、チオール基、水酸基、ビニル基、ヒドロシリル基またはシアノ基を有する有機ケイ素化合物などを原料とする分子膜を用いても、金や銅など種々の金属薄膜を調製することができる。もちろん、上述の実施例のように撥液性分子膜パターンの形成を必ずしも最初に行う必要はなく、目的に応じて調製する分子膜を適宜選択できる。分子膜のパターンの形成に光照射を用いる場合は、芳香族を有している上記の式(1)〜(12)に示された化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を用いることが好ましく、さらに、光照射に用いる光の波長に応じて有機ケイ素化合物の芳香族を選択することにより、より効率良く分子膜パターンを形成することができる。
【0053】
300nm程度の波長の光を分子膜パターンの形成に用いる場合は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、及びビフェニルなどの芳香族を有する有機ケイ素化合物が分子膜の原料として好ましく、300nm以上の波長の光を用いる場合は、例えば、アントラセン、フェナントレン、ターフェニルなどの芳香族を有する有機ケイ素化合物が分子膜の原料として好ましい。
【0054】
光分解の効率は有機ケイ素化合物の有する芳香族のみに依存するものではなく、例えば、芳香族上に置換基などにも影響される場合がある。例えば、上記式(11)や(12)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物のように有機ケイ素基を有するアルキル基のオルト位にトリフルオロメチル基を有する有機ケイ素化合物では、ケイ素原子との親和性の高いフッ素原子が空間的に隣接するために、ケイ素−炭素結合の結合開裂の際の活性化エネルギーが低下し、光分解反応が効率良く生起する。トリフルオロメチル基以外にもヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基などのケイ素原子との親和性の高い原子を有する置換基によっても光分解が促進される場合がある。
(3)分子膜の原料となる有機ケイ素化合物の合成
次に分子膜の原料となる有機ケイ素化合物の合成法について述べる。上記の式(1)〜(12)の化学構造を有する有機ケイ素化合物の代表的な合成法として以下の(i)及び(ii)2つの方法が挙げられる。
(i)下記の一般式(13)に示したような、対応する臭素や塩素、またはヨウ素などのハロゲンを有する化合物から得られるグリニャール試薬やリチウム試薬とハロゲンやアルコキシを有する有機ケイ素化合物との反応
【0055】
【化23】
Figure 0004000853
【0056】
(但し、n、p、及びAr'はそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
p:0以上の整数
Ar':芳香族炭化水素またはその誘導体)
(ii)下記の一般式(14)に示したような対応する炭素−炭素多重結合を有する化合物と少なくとも一つの水素をケイ素上に有する有機ケイ素化合物とを塩化白金酸などの触媒存在下で加熱攪拌することによるハイドロサイレーション反応
【0057】
【化24】
Figure 0004000853
【0058】
(但し、n、p、及びAr'はそれぞれ以下のものを示す。
n:0以上の整数
p:0以上の整数
Ar':芳香族炭化水素またはその誘導体)
なお、ここでは(i)の方法を用いた合成例について述べる。
(4)p−(CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2 CH2−C6H4−CH2-Si(OEt)3)(化合物A)の合成
フラスコにマグネシウムリボンを入れ、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスを流しながら、スターラー兼用のホットプレートで攪拌しながら適度に加熱して、マグネシウムリボン(0.06モル)を活性化する。この操作を1時間程度行ったら、フラスコを室温まで冷まし、エーテルを5ml程度加える。さらに、スポイトなどで極少量のジブロモエタンを加えて、マグネシウムリボンの活性面を露出させる。次に0.05モルのp−(CF3CF2CF2CF2CF2CF2CH2CH2−C6H4−CH2−Br)及び0.07モルのテトラエトキシシランを含むエーテル溶液20mlをフラスコに備え付けた滴下ロートに入れ、よく攪拌しながら徐々にマグネシウムリボンとエーテルの混合物に滴下する。この時、反応溶液の温度が40℃程度以上にならないように氷浴などを用いて適度に反応温度を調整する。滴下後、室温で15時間程度、混合物を攪拌した後、溶媒であるエーテルを溜去し、ヘキサンを少量を加えて、沈殿する塩をハイフロスーパーセルを用いて濾過する。なお、この時、ろ液の濁りがなくなるまで、濾過を繰り返すことが好ましい。次に、ろ液の溶媒をロータリーエバポレーターで溜去し、残ったオイル状の物質をクーゲルロアを用いた減圧蒸留を行うことにより、粗収率がおよそ40%で化合物Aが得られた。
(5)p−(HMeSi−CH2−C6H4−CH2−Si(OEt)3(化合物B)の合成
フラスコにマグネシウムリボンを入れ、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスを流しながら、スターラー兼用のホットプレートで攪拌しながら適度に加熱して、マグネシウムリボン(0.06モル)を活性化した。この操作を1時間程度行ったら、フラスコを室温まで冷却し、エーテル5ml及び0.05モルのジメチルクロロシラン(化学式:HMe2SiCl)を加える。次に0.05モルのジメチルクロロシラン(HMe2SiCl)を加えた。次にp−(Br−CH2−C6H4−CH2−Br)のエーテル溶液20 mlをフラスコに備え付けた滴下ロートに入れ、よく攪拌しながら、ジメチルクロロシランとマグネシウムリボンとエーテルとの混合物に滴下した。この時、反応が過激にならないように氷浴などを用いて適度に反応が進行するようにするように反応温度を調整した。滴下後、室温で15時間程度、混合物を攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を徐々に加えて、生成したマグネシウム塩を加水分解した。適当量のエーテル及び水を加えて、分液操作により得られたエーテル層に硫酸ナトリウムを加えて、エーテル層を乾燥させた。次に、溶媒であるエーテルなど揮発性不純物をロータリーエバポレーターで溜去し、残ったオイル状の物質をクーゲルロアを用いた減圧蒸留を行うことにより、粗収率80 %で、p−(HMeSi−CH2−C6H4−CH2−Br)を得た。
【0059】
以下の合成経路は化合物Aとほぼ同様である。すなわち、フラスコにマグネシウムリボンを入れ、アルゴンまたは窒素などの不活性ガスを流しながら、スターラー兼用のホットプレートで攪拌しながら適度に加熱して、マグネシウムリボン(0.03モル)を活性化すした。この操作を1時間程度行ったら、フラスコを室温まで冷まし、エーテルを5ml程度加えた。次に0.03モルのp−(HMeSi−CH2−C6H4−CH2−Br)及び0.05モルのテトラエトキシシランを含むエーテル溶液20mlをフラスコに備え付けた滴下ロートに入れ、よく攪拌しながら徐々にマグネシウムリボンとエーテルの混合物に滴下した。この時、反応が過激にならないように氷浴などを用いて適度に反応が進行するように反応温度を調整した。滴下後、室温で15時間程度、混合物を攪拌した後、溶媒であるエーテルを溜去し、ヘキサンを少量を加えて、沈殿する塩をハイフロスーパーセルを用いて濾過した。なお、この時、ろ液の濁りがなくなるまで、濾過を繰り返すことが好ましい。次に、ろ液の溶媒をロータリーエバポレーターで溜去し、残ったオイル状の物質をクーゲルロアを用いた減圧蒸留を行うことにより、p−(HMeSi−CH2−C6H4−CH2−Br)を基準にして30%程度の粗収率で化合物Bを得た。
【0060】
上述のようにグリニア試薬を用いる合成方法は特に芳香族上にフルオロアルキル基やアルキル基化合物、有機ケイ素基、アルコキシ基などを有する有機ケイ素化合物に特に有効である。もちろん、若干収率は低下するものの、同様な方法で、化合物Aのオルト位にトリフルオロメチル基を有する式11や式12で示されたような化合物も得られた。一方、芳香族上にヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、シアノ基などグリニア試薬との反応性が高い置換基を有する有機ケイ素化合物を合成する場合は、対応するオレフィンとヒドロシランとのいわゆるハイドロサイレーション(上記の方法(ii))が有効である。
(6)有機薄膜トランジスタにより駆動されるエレクトロルミネッセンス装置の製造
これまで、述べてきた分子膜及び分子膜パターンを利用して、さらに種々の半導体装置及び電気光学装置を製造することができる。以下に述べる例では、半導体装置として能動層が有機材料により形成されているいわゆる有機薄膜トランジスタ、そして電気光学装置としては、その有機薄膜トランジスタにより駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置について、その製造工程に沿って説明する。図6〜図16は、有機薄膜トランジスタ及びその有機薄膜トランジスタにより駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の製造工程を示す図である。なお、各図の2つの図のうち、右側の図は平面図であり、左側の図はその平面図のAA線における断面図である。
【0061】
まず、基板20上に透明導電膜21を形成する。基板20としては、例えば、ガラス、石英、プラスティック(合成樹脂)の透明な材料を用いる。また、透明導電膜21としては、ITO(indium tin oxide)が望ましい。ただし、ITO膜に限定されるものではなく、透明で導電性が高ければ、他の材料でも良い。なお、本実施例ではITO付きガラスを用いた。
次に、後述する陰極パターン24(図9)と透明導電膜21とのリーク電流を防ぐために、透明導電膜21上に絶縁膜22を形成する。本実施例ではSiO2を用いている。原料としては、キシレンにポリシラザンを溶解した液体原料を用い、発光エリアとなる円筒形の孔以外の領域にのみインクジェット(I/J)法を用いて形成する。ポリシラザン溶液をI/J法で塗布した後、250℃、10分間加熱して、所望の形状で、膜厚が150nmのSi0膜を選択的に形成する。なお、絶縁性が確保されれば材料はこれに限らず、ポリイミド樹脂等の高分子有機材料も使用できる。
次に、発光層23は正孔を注入するための正孔注入層と、発光するエレクトロルミネッセンス層との2層から形成しても良い。いずれの材料もI/J法で形成される。スピンコート、蒸着等を使用して形成しても良い。
次に、透明導電膜21上の絶縁膜22により区画された領域に発光層23を形成する。本実施例では、絶縁膜22の平面形状を円形にすることにより、円筒状の穴を設け、この穴に発光層23をI/J法により選択的に形成する。具体的には、ポリフルオレン系高分子をキシレン溶媒に溶解した溶液を調製し、I/J法により該溶液を塗布し、溶媒を乾燥・除去することにより発光層23を得る。なお、発光層23の膜厚は約80nmとした。この他、発光層には、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)等の有機エレクトロルミネッセンス材料を用いることができる。
次に、絶縁膜22及び発光層23上に陰極層パターン24を金属材料を用いて形成する。金属材料としては、例えば、金、銀、銅を用いる。係る陰極層パターン24はI/J法により形成するか、または例えば、蒸着法により形成することができる。本実施例では、金錯体をエタノール溶液に溶解した溶液を用いた。具体的には、金錯体として、(CH33−P−Au−CH3で示される材料を用い、その濃度は約2重量%と、この溶液をI/J法により塗布した後に80℃で加熱し、膜厚が50nmの良好な伝導特性を示す金膜パターンを得た。
次に、陰極層パターン24上に層間絶縁膜30を形成する。層間絶縁膜30には、例えば、高分子材料であるポリビニルアルコール(PVA)、ポリイミドを用いることができる。他に SiO2 等の無機材料を使用しても良い。層間絶縁膜30の材料として高分子材料を用いる場合は、例えば、スピンコート及びI/J法で成膜できる。本実施例では、PVA水溶液をスピンコート法により塗布し、膜厚1.5μmのPVA膜を形成した。
【0062】
次に、層間配線を行うために層間絶縁膜30にビアホール31を形成する(図11)。ビアホールを形成するための詳細なプロセスは、基本的に図1〜3の説明で述べた工程を経て行われる。すなわち、高分子材料であるポリビニルアルコール(PVA)、ポリイミドなどの高分子材料からなる層間絶縁膜30上に芳香族炭化水素部を有する有機ケイ素化合物(例えば、撥液性に優れているヘプタデカフルオロオクチルベンジルトリエトキシシラン)を原料とする分子膜を形成し、分子膜のビアホールの形成領域に対応する領域のみに光照射を行うと、その領域のみの光分解反応が生起し、撥液性を失う。この撥液性を失った領域を、層間絶縁膜を溶解する溶媒により処理することにより、ビアホールが形成される。
【0063】
ビアホール31の形成が完了した後、ビアホール31中へ液体金材料のトルエン溶液をI/J法で塗布することにより層間配線32を形成する(図12)。 次に、ソース40及びドレイン41を形成する(図13)。 この場合、図13に示されているように、ソース40及びドレイン41は櫛形形状と有しており、ソース40とドレイン41とは互いに一定距離を隔てて噛み合わさったような状態で形成されている。また、ドレイン41は陰極層に接続するように形成する。
【0064】
ソース40及びドレイン41の材料には、例えば、金属または導電性高分子材料を使用することができる。ソース40及びドレイン41は、上記材料をI/J法により選択的に成膜し、パターンニングとして得ることができる。本実施例では液体金材料のトルエン溶液をI/J法により塗布した。これにより得られた金膜の膜厚は、約50nmである。
【0065】
さらに、ソース40及びドレイン41上に有機半導体層42を形成する(図14)。この有機半導体層42は、有機材料のスピンコート、蒸着、I/J法等で形成できる。
本実施例では、アントラセンをキシレン溶媒に溶解した液体原料をスピンコートして、アントラセンからなる有機半導体膜を形成した。その膜厚は、200nmである。有機半導体膜を構成する材料としては、テトラセン、ペンタセンなどの縮環系芳香族はもちろんのこと、ヘキサチエニレンなどオリゴチオフェン、ポリアセチレン等の共役系オリゴマーやポリマーなどを使用できる。
【0066】
次に、有機半導体層42上にゲート絶縁膜43を形成する。このゲート絶縁膜43には、層間絶縁膜30と同様な材料を用いることができる。本実施形態ではPVA膜を用い、スピンコート法により1μmの膜厚で形成した。 さらに、図15に示されているように、ソース40及びドレイン41の屈曲した形状部分を覆うようにゲートライン44を形成する。このゲートライン44は、ソース40及びドレイン41と同様に、液体金材料のトルエン溶液を用いて塗布法により形成する。この液体金材料の溶媒には、トルエンを用いた。得られた金膜の膜厚は約50nmである。
【0067】
次に、ゲート絶縁膜43及びゲートライン44上に層間絶縁膜50を形成し、その後先述したようにビアホール31を形成する(図16)。ただし、今回は、PVA膜の一部を純水で溶解・除去した後に、キシレンで有機半導体層の一部を溶解・除去して、ソースラインとソース40との間が電気的に接続可能になるようにする。ビアホールを形成するための詳細なプロセスは、図1〜3の説明で述べた方法と同様である。 分子膜の原料として芳香族炭化水素部を有する有機ケイ素化合物を用いることにより、短時間の光照射でビアホールが形成される。ここでは、ヘプタデカフルオロオクチルベンジルトリエトキシシランを用いた。
【0068】
最後に、層間絶縁膜50上のビアホール31に対応する位置にソースライン55を形成する(図17)。ソースライン55はソース40に接続するように層間配線32も併せて形成する。材料は、ソース40及びドレイン41と同様に液体金材料のトルエン溶液を用いてI/J法により形成する。得られた金膜の膜厚は約50nmである。以上で基本的なプロセスは終了である。なお、ソースライン55の上に保護膜等を形成しても良い。
【0069】
この実施例では有機エレクトロルミネッセンス素子の作製を有機薄膜トランジスタの作製に先立って行っているが、有機薄膜トランジスタの作製を先に行っても良い。この場合もビアホールの形成に芳香族炭化水素部を有する有機ケイ素化合物の分子膜を用いることができる。
【0070】
上述の実施例では、有機薄膜トランジスタを本発明に係る分子膜パターンの形成方法を用いて、製造しているが、本発明に係る分子膜パターンの形成方法は、一般に用いられているトランジスタ、すなわち、シリコンベースのトランジスタや絶縁基板上に作製される薄膜トランジスタ(TFT)などの製造にも有効であることは言うまでもない。
【0071】
いずれにせよ、従来、半導体装置、電子装置、または電気光学装置などの製造において、フォトリソグラフィーを用いられてきた工程を、本発明に係る分子膜パターンの形成方法、半導体装置の製造方法、電気光学装置の製造方法を用いて行うことは基本的に可能である。
【0072】
つぎに、上記の電気光学装置を適用した電子機器のいくつかの事例について説明する。図5は前述の電気光学装置を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、この表示ユニット1106が前述の電気光学装置100を備えている。
【0073】
図6は前述の電気光学装置100をその表示部に適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、前述の電気光学装置100を備えている。
【0074】
図7は前述の電気光学装置100を、そのファインダに適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には外部機器との接続についても簡易的に示している。ここで通常のカメラは、被写体の光像によりフィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号を生成する。ディジタルスチルカメラ1300におけるケース1302の背面には、前述の電気光学装置100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、電気光学装置100は被写体を表示するファインダとして機能する。また、ケース1302の観察側(図においては裏面側)には、光学レンズやCCDなどを含んだ受光ユニット1304が設けられている。
【0075】
撮影者が電気光学装置100に表示された被写体像を確認しシャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ1300にあっては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図に示されるように、前者のビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、また、後者のデ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1430が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
【0076】
なお、本発明の電気光学装置100が適用される電子機器としては、図5のパーソナルコンピュータや、図6の携帯電話、図7のディジタルスチルカメラの他にも、テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した電気光学装置100が適用可能なのは言うまでもない。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、簡便で高速な分子膜のパターンニング技術が可能となり、半導体装置や電気光学装置の製造工程の工程数や製造コストを低減することできる
【図面の簡単な説明】
【図1】基板上に分子膜が形成されている状態を示す断面図である。
【図2】分子膜がパターンニングされた状態を示す断面図である。
【図3】分子膜のパターンニングの工程を示す断面図である。
【図4】第1の分子膜が除去された領域に第2の分子膜が形成されている状態を示す断面図である。
【図5】第2の分子膜に覆われている領域に無電解めっき膜が形成されている状態を示す断面図である。
【図6】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第1の工程を示す図である。
【図7】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第2の工程を示す図である。
【図8】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第3の工程を示す図である。
【図9】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第4の工程を示す図である。
【図10】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第5の工程を示す図である。
【図11】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第6の工程を示す図である。
【図12】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第7の工程を示す図である。
【図13】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第8の工程を示す図である。
【図14】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第9の工程を示す図である。
【図15】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第10の工程を示す図である。
【図16】有機薄膜トランジスタに駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第11の工程を示す図である。
【図17】有機薄膜トランジスタを駆動される有機エレクトロルミネッセンス装置の第12の工程を示す図である。
【図18】本発明に係る電気光学装置が実装されたモバイル型のパーソナルコンピュータに適用した場合の一例を示す図である。
【図19】本発明に係る電気光学装置が実装された携帯電話機の一例を示す図である。
【図20】本発明に係る電気光学装置がファインダ部分に適用されたディジタルスチルカメラの一例を示す図である。
【符号の説明】
11 基板
11a 親液部
11b 撥液部
14 分子膜
15 第2の分子膜
17 無電解めっき膜
19 フォトマスク
20 基板
21 透明電極
22 絶縁膜
23 発光層
24 陰極パターン
30 層間絶縁膜
31 ビアホール
32 層間配線
40 ソース
41 ドレイン
42 半導体層
43 ゲート絶縁膜
44 ゲートライン
50 層間絶縁膜
55 ソースライン

Claims (15)

  1. 下記式(1)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、m、p、Ar、X、Y、及びRはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    m:0以上の整数
    p:0以上の整数
    Ar:アリール基
    R:水素またはフッ素
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y:アルキル基、アリール基または水素原子
    Z:アルキル基、ペルフルオロアルキル基、シリル基、シアノ基、アミノ基またはチオール基
  2. 下記式(2)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、p、R1、R、R、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    p:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基
    R:ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基、アリール基、またはアリール基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y:アルキル基またはアリール基)
  3. 下記式(3)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、p、R1、R、R、X及びYはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    p:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y:アルキル基またはアリール基)
  4. 下記式(4)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、p、R1、R、R、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    p:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y: アルキル基またはアリール基)
  5. 下記式(5)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、p、R1、R、R、R、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。
    n:0以上の整数
    p:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基
    R:ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、有機ケイ素基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y:アルキル基またはアリール基)
  6. 下記式(6)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、p、R1、R、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    P:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    R:ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基、アリール基、またはアリール基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y:アルキル基またはアリール基)
  7. 下記式(7)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、p、R1、R、X、Y、及びQはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    p:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    R:ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基、有機ケイ素基、または有機ケイ素基を有するアルキル基、アリール基、またはアリール基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y: アルキル基またはアリール基
    Q: 水素またはアルキル基を有する窒素(N)、酸素原子(O)、または硫黄原子(S))
  8. 下記式(8)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、m、r、p、R1、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    m:0以上の整数
    r:正の整数
    p:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y:アルキル基またはアリール基)
  9. 下記式(9)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、m、r、p、R1、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    m:0以上の整数
    r:正の整数
    p:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y:アルキル基またはアリール基)
  10. 下記式(10)で示される化学構造を有する有機ケイ素化合物を原料とする分子膜を形成する工程と、該分子膜に対する光照射を行う工程と、を含むこと、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
    Figure 0004000853
    (但し、式中のn、m、r、p、R1、X、及びYはそれぞれ以下のものを示す。n:0以上の整数
    m:0以上の整数
    r:正の整数
    p:0以上の整数
    R:水素、ハロゲン、ペルフルオロアルキル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、チオール基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、アルキルアミノ基を有するアルキル基
    X:クロル基などのハロゲン基、アミノ基またはアルコキシ基
    Y:アルキル基またはアリール基)
  11. 請求項2、3、4、5、8、9、及び10のいずれかに記載の分子膜パターンの形成方法において、
    前記有機ケイ素化合物のR1がペルフルオロアルキル基であること、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
  12. 請求項2、3、4、5、8、9、及び10のいずれかに記載の分子膜パターンの形成方法において、
    前記有機ケイ素化合物のR1がトリフルオロメチル基であること、
    を特徴とする分子膜のパターンの形成方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の分子膜パターンの形成方法において、
    前記分子膜の膜厚が3 nm以下であること、
    を特徴とする分子膜パターンの形成方法。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の分子膜パターンの形成方法により得られる分子膜パターン。
  15. 請求項1乃至13のいずれかに記載の分子膜パターンの形成方法により分子膜パターンを得る工程を含むこと、
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
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