JP3997519B2 - すべり軸受のスラスト荷重検出装置 - Google Patents

すべり軸受のスラスト荷重検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車輌用の小型過給機のすべり軸受に作用するスラスト荷重の実動荷重と動的挙動を測定するすべり軸受のスラスト荷重検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
過給機はエンジンから放出される排気ガスのエネルギーを利用し、高圧力の空気をエンジンに供給することで出力の向上と高効率化を図る高速回転機械である。
過給機は過酷な極限状態(高温、高圧、高速回転)で使用する商品・製品としての性能・信頼性を確保するためにあらゆる技術が導入され、設計・開発が進められている。
過給機のスラスト軸受の設計において、性能的にも、品質的にも、その信頼性、及び健全性を確保するには、スラスト軸受に作用する推力の実働荷重について、その大きさと動的挙動を稼働中の過給機のもとで実測し、正確なデータを収録しこれを解析することにより設計にフィードバックし、設計計算の精度を高めることが必要である。
例えば、流体潤滑の「すべり軸受」形式からなるスラスト軸受を設計の対象とした場合、的確な設計計画を進めるには、スラスト荷重の性状を正確に把握することが優先課題となる。またスラスト軸受に作用する軸推力(スラスト荷重)の大きさと性質を事前に予知することは、スラスト軸受の形式・形状を決定する上で極めて重要な要因となる。
【0003】
スラスト荷重の大きさと性質を正確に実測することにより得られる効果は以下の通りである。
1.実働荷重の大きさの把握
過給機の運転条件に最も適したすべり軸受を設計するため、設計計画の段階において、同一形状の過給機にスラスト荷重検出器を装着し、これを供試体として試験運転を行い、定常状態、或いは、過負荷運転状態の下で、スラスト軸受に作用する実荷重を計測し、実測データを収録することによりすべり軸受の設計計画に反映することができる。
(1)スラストの実荷重・実測データから得られる効果
最大荷重値とその作用時間、或いは、定常状態における荷重値と持続期間などの実測値が明確となることにより、スラスト軸受の寿命計算に反映され寿命評価の精度が高まる。
起動時におけるすべり軸受のスラスト荷重が過大である場合は、起動時に油膜の形成が遅れ、軸受面が損傷を受けることがある。従って損傷を防止する対策を講じるためにも、より正確な実測データの収録が必要となる。
(2)荷重による潤滑膜の破断
荷重が増加すると、油膜が薄くなって二面の凸部同士の接触の機会が増し、境界潤滑膜が破断しやすくなる。この潤滑膜の破断に対する荷重の影響は、次ぎの二種に分けて考えることができる。
荷重による効果は、潤滑膜を力学的に降伏させて、剥離させること。さらに摩擦面の掘り起こしや、いわゆる金属の摩耗の過程において、潤滑膜と固体表面の一部を共に摩擦剥離させる。
荷重増加による摩擦熱の増大により、潤滑膜を熱的に降伏・剥離させる。
すなわち、荷重による潤滑膜の破断はこれらのいずれかの形で行われる。
【0004】
2.実働荷重の性質・挙動
スラスト軸受に作用するスラスト荷重に関しては、実働荷重の性質・挙動を正確に把握することは当該部位の設計を進めるうえで極めて重要なことである。
荷重の性質については、静的なもの、動的なもの、衝撃的なもの、あるいは、周期性を有するものなど様々であるが、実働荷重の性状を把握しておくことは、流体潤滑のスラスト軸受を構成する「すべり面」の形状・形式を決定するうえにおいて、不可欠な課題となる。
(1) 定常的な荷重状態
スラスト軸受に一定の値のスラスト荷重が連続して作用している状態を示し、スラスト荷重の大きさに応じて、すべり軸受において流体潤滑を形成する条件が整えば、寿命は無限と考えてよい。
(2) 周期的な荷重状態
過給機を構成するタービンとコンプレッサにおいて交互に負荷変動が生じると、回転軸方向に周期的な変動荷重状態が生じることがある。
周期的に変化する荷重に対しては、すべり軸受では油膜の破断をきたすおそれがあるため、変動荷重の大きさ、性状を予め把握しておくことにより、スラスト軸受の形状(テーパードランド形、ヘリングボーン溝形、スパイラル溝形、及び、動圧ポケット形)のうちから最適なものを選定し対応することができる。
(3) 起動時の過渡的な荷重状態
スラスト荷重が極めて高い場合は、流体潤滑から境界潤滑に移行し、金属面同士の接触が生じるおそれがあるため、メタルタッチ発生の防止対策をこうじるためにも、スラスト荷重値を正確に実測する必要がある。
【0005】
以上に述べたように、スラスト荷重の大きさと性質を正確に実測することにより設計・計画に反映し、その結果得られる効果は絶大なものがある。かかる成果を得るためには、本発明を有効に活用することにより、スラスト荷重実測データを収録することが不可欠となる。
【0006】
転がり軸受を対象とした、「軸受のスラスト荷重を測定する方法」が既に登録されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)。
【0007】
【特許文献1】
特許第1652609号明細書
【特許文献2】
特許第1652658号明細書
【特許文献3】
特許第1652679号明細書
【特許文献4】
特許第1652680号明細書
【特許文献5】
特許第1658907号明細書
【特許文献6】
特許第1652681号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの特許は、「転がり軸受」の外輪(静止部)に荷重検出部を当接させ、軸受に作用する軸力を検出するものが多数を占め、大型の軸受を有する回転体のスラスト荷重測定を対象にしたものである。
【0009】
すべり軸受を対象とした従来技術は、極めて大容量のスラスト荷重に対応する、例えば、ティルテングパッド軸受の扇形パッドを支持するピボットを荷重検出器に置き換え、扇形パッドに作用するスラスト荷重を検出するもので、大型のスラスト軸受に対しては適用可能であるが、この方式を小型のスラスト軸受に適用することは困難である。
【0010】
図6は、車輌用の小型過給機の構成を示す模式図である。この図に示すように、車輌用過給機のスラスト軸受として、流体潤滑の「すべり軸受」が寿命及びメンテナンスの観点から多用されている。
このような小型過給機のすべり軸受は、回転軸と共に回転するリング状のスラストカラーaと、これと接触して回転軸に作用するスラスト荷重を支持する中空円板状のスラストメタルbとから通常構成される。これらのスラストカラーaとスラストメタルbは、通常厚さが数ミリにすぎない。そのため、スラスト軸受のパッド側(静止・固定側)に小型の荷重検出器(ロードセル)を装着し、回転軸の軸方向推力を検出することは、大型の過給機には適用可能でも、小型の過給機には装着にスペース的限界が生じる。
言い換えれば、大型の過給機の軸受部には、荷重検出器を装着するスペースの確保が可能な場合もあるが、小型化するにつれ余裕のスペースがなくなり、荷重検出器の装着が困難になる。
【0011】
すなわち、「すべり軸受」を対象にした従来技術は、極めて大容量のスラスト荷重に対応する、例えば、ティルテングパッド軸受の扇形パッドを支持するピボットを荷重検出器に置き換え、扇形パッドに作用するスラスト荷重を検出するもので、大型のスラスト軸受に対しては適用可能であるが、この方式を小型のスラスト軸受に適用することは困難である。
また、すべり軸受形式の小型のスラスト軸受を対象にした、スラスト荷重検出技術の実施例は極めて乏しく、技術的に安定し定型化された方式が見当たらない。
「転がり軸受」の場合、静止部の外輪の両端面に対し小型の荷重検出器を当接し、軸受に加わる軸力を差動的に検出する方式を主体としてきた。
しかし、小型の過給機においては、高速回転に伴い軸受の小型化が進み、必然的に荷重検出器の小型化が要求されるが、「転がり軸受」を対象にしたスラスト荷重検出技術の転用だけでは、小型化に限界が生じた。
従って、従来の「転がり軸受」を対象にした荷重検出手段から、小型過給機に適用可能な「すべり軸受」を対象とした荷重検出手段に転換を図る必要に迫まれていた。
すなわち、過給機の小型化が進むにつれ、「スラスト軸受」周りのスペースが狭まり、「荷重検出器」設置の余地が無くなりつつあり、従って、必然的に「荷重検出器」にはさらなる扁平化が要求されている。
【0012】
本発明は、かかる要望を満たすために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、荷重受感部の小型化を図り、より小型の過給機を対象に、すべり軸受に作用する回転軸のスラスト荷重を動的にかつ正確に実測することができるすべり軸受のスラスト荷重検出装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、回転軸(1)に取り付けられこれと共に回転するリング状のスラストカラー(2)と、該スラストカラーと接触して回転軸に作用する、回転軸の軸方向である正方向のスラスト荷重Fを支持する中空円板状のスラストメタル(4)と、該スラストメタルをケーシング(11)に連結する複数の連結ボルト(8)と、該連結ボルトとスラストメタルの間に挟持されその間に作用する前記正方向のスラスト荷重により微小変形する起歪部(10)と、該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)とを備え
前記ケーシング(11)と前記起歪部(10)との間に前記スラストメタル(4)が位置し、
前記起歪部(10)は、前記正方向と逆の方向にスラストメタル(4)と接触する第1の部分と、第1の部分から回転軸の半径方向に隔てて設けられ前記正方向に連結ボルトと接触する第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に設けられスラストメタル(4)および連結ボルトのいずれにも接触しない第3の部分と、を有し、第1の部分に作用する前記正方向のスラスト荷重を第2の部分からケーシング(11)に伝達し、第3の部分にせん断歪みを発生させ、
前記ひずみゲージ(9)は、第3の部分に貼付される、ことを特徴とするすべり軸受のスラスト荷重検出装置が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、回転軸(1)に取り付けられこれと共に回転するリング状のスラストカラー(2)と、該スラストカラーと接触して回転軸に作用する、回転軸の軸方向である正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを支持する中空円板状のスラストメタル(4)と、該スラストメタルをケーシング(11)に連結する複数の連結ボルト(8)と、該連結ボルトとスラストメタルの間に挟持されその間に作用する前記正逆方向のスラスト荷重により微小変形する起歪部(10)と、該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)とを備え、
前記ケーシング(11)と前記起歪部(10)との間に前記スラストメタル(4)が位置し、
前記起歪部(10)は、前記スラストメタル(4)に前記正逆方向に固定された第1の部分と、第1の部分から回転軸の半径方向に隔てて設けられ前記正逆方向に連結ボルトに固定された第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に設けられスラストメタル(4)および連結ボルトのいずれにも接触しない第3の部分と、を有し、第1の部分に作用する前記正逆方向のスラスト荷重を第2の部分からケーシング(11)に伝達し、第3の部分にせん断歪みを発生させ、
前記ひずみゲージ(9)は、第3の部分に貼付される、ことを特徴とするすべり軸受のスラスト荷重検出装置が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、回転軸(1)に取り付けられこれと共に回転するリング状のスラストカラー(2)と、該スラストカラーと接触して回転軸に作用する正方向のスラスト荷重Fを支持する中空円板状のスラストメタル(4)と、該スラストメタルをケーシング(11)に連結する複数の連結ボルト(8)と、該連結ボルトとスラストメタルの間に挟持されその間に作用する前記正方向のスラスト荷重により微小変形する起歪部(10)と、該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)とを備え、
前記起歪部(10)は、その中央部がスラストメタル(4)との間に介在するリングスペーサ(6)と連結ボルト(8)の間に挟持されて位置決めされ、その両端部がスラストメタル(4)と接触し、両端に作用する正方向のスラスト荷重を中央部からケーシング(11)に伝達し、その間にせん断歪みを発生させる、ことを特徴とするすべり軸受のスラスト荷重検出装置が提供される。
【0016】
上記構成により、回転軸(1)に発生する正方向のスラスト荷重Fをスラストカラー(2)を介して、静止側のスラストメタル(4)に伝達し、さらにスラストメタル(4)から起歪部(10)と連結ボルト(8)を介してケーシング(11)に正方向のスラスト荷重Fを伝達することができる。また、起歪部(10)は正方向のスラスト荷重により微小変形し、この歪み量を該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)で検出できるので、正方向のスラスト荷重Fを、上記一連の荷重伝達経路を経て伝達しながら、起歪部(10)に貼付したひずみゲージ(9)により歪み量を電気信号に変換し、すべり軸受に作用する回転軸のスラスト荷重を動的にかつ正確に実測することができる。
また、起歪部(10)をスラストメタル(4)で両端支持し、正方向のスラスト荷重を連結ボルト(8)により中央部から負荷するので、両端と中央部との間に均一なせん断歪みを発生させることができ、変形を微小に抑えかつ計測出力を大きくできる。
【0017】
また、本発明によれば、回転軸(1)に取り付けられこれと共に回転するリング状のスラストカラー(2)と、該スラストカラーと接触して回転軸に作用する正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを支持する中空円板状のスラストメタル(4)と、該スラストメタルをケーシング(11)に連結する複数の連結ボルト(8)と、該連結ボルトとスラストメタルの間に挟持されその間に作用する正逆方向のスラスト荷重により微小変形する起歪部(10)と、該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)とを備え、
前記起歪部(10)は、その中央部がスラストメタル(4)との間に介在するリングスペーサ(6)と連結ボルト(8)の間に挟持されて位置決めされ、その両端部が固定ボルト(5)によりスラストメタル(4)に固定され、両端部に作用する正逆方向のスラスト荷重を中央部からケーシング(11)に伝達し、その間にせん断歪みを発生させる、ことを特徴とするすべり軸受のスラスト荷重検出装置が提供される。
【0018】
上記構成により、回転軸(1)に発生する正逆方向のスラスト荷重Faをスラストカラー(2)を介して、静止側のスラストメタル(4)に伝達し、さらにスラストメタル(4)から起歪部(10)と連結ボルト(8)を介してケーシング(11)に正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを伝達することができる。
また、起歪部(10)は正逆方向のスラスト荷重により微小変形し、この歪み量を該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)で検出できるので、正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを、上記一連の荷重伝達経路を経て伝達しながら、起歪部(10)に貼付したひずみゲージ(9)により歪み量を電気信号に変換し、すべり軸受に作用する回転軸のスラスト荷重を動的にかつ正確に実測することができる。
また、起歪部(10)をスラストメタル(4)と固定ボルト(5)で両端を挟持して支持し、正逆方向のスラスト荷重を連結ボルト(8)により中央部から負荷するので、両端と中央部との間に均一なせん断歪みを発生させることができ、変形を微小に抑えかつ計測出力を大きくできる。
【0021】
前記起歪部(10)は、その中央部と両端部の間に矩形開口(10a)を有し、これにより中央部と両端部を結ぶ4本の平板部(10b)が形成されており、前記ひずみゲージ(9)は、4本の平板部(10b)にそれぞれ貼付されたせん断歪み用のひずみゲージである。
【0022】
この構成により、4本の平板部(10b)にせん断歪みが一定の領域を形成することができ、これをせん断歪み用のひずみゲージで計測して大きな計測出力を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して使用する。
【0024】
図1は、本発明のスラスト荷重検出装置の第1実施形態図である。この図において、(A)は軸端からすべり軸受を見た正面図、(B)はそのA-A断面図である。
この例は、回転軸1に作用する正方向のスラスト荷重Fを計測するスラスト荷重検出装置を示している。図6と同様に回転軸1の軸端にコンプレッサ翼車、反対側にタービン翼車が取付けられる場合、正方向のスラスト荷重Fはタービン翼車からコンプレッサ翼車に向かうスラスト荷重である。
【0025】
図2は、図1の部分拡大図である。この図において(A)は、図1(B)の上半分の拡大図、(B)は起歪部10の拡大図である。また、図2(B)において、(a)は側面図、(b)はb-b矢視図、(c)はc-c断面図である。
【0026】
図1および図2において、本発明のスラスト荷重検出装置は、リング状のスラストカラー2、中空円板状のスラストメタル4、複数の連結ボルト8、矩形平板状の起歪部10およびひずみゲージ9を備える。
【0027】
リング状のスラストカラー2は、この例では正方向のスラスト荷重を受けるための正スラストカラー2aと、逆方向のスラスト荷重を受けるための逆スラストカラー2bからなる。正スラストカラー2aと逆スラストカラー2bは、回転軸1の端部(この例では段付き部)に好ましくは締り嵌めで取り付けられ、これと共に一体的に回転する。また、正方向のスラスト荷重と逆方向のスラスト荷重を同一のスラストメタル4に伝達するために、正スラストカラー2aと逆スラストカラー2bの2つの伝達面の間にスラストメタル4をわずかな間隔をもって挟持するようになっている。
【0028】
中空円板状のスラストメタル4は、図1(A)に示すようにこの例では3本の連結ボルト8により、ケーシング11に連結・固定されている。また、スラストメタル4の内周部の両面には、軸受シュー3が取付けられ、この軸受シュー3とスラストカラー2(正スラストカラー2a)とが接触して回転軸1に作用する正方向のスラスト荷重Fを支持する。軸受シュー3は、耐摩耗性が高く、かつ潤滑性が高いコーティング膜であるのがよい。
【0029】
複数(この例では3本)の連結ボルト8は、矩形平板状の起歪部10の中央部をそれぞれ貫通し、スラストメタル4に設けられた3箇所の穴を通してケーシング11に連結する。また、スラストメタル4とケーシング11の間には、中空円筒状のリングスペーサ6が挟持される。
【0030】
矩形平板状の起歪部10は、図2(A)に示すように、その中央部がスラストメタル4との間に介在するリングスペーサ6と連結ボルト8(の頭部)との間に挟持されて軸方向位置が位置決めされる。また、起歪部10の両端部はスラストメタル4の片面(図で左面)と接触するように位置決めされる。
従って、図2(B)に示すように、起歪部10の長手方向両端には、正方向のスラスト荷重Fの分力(この例ではF/6)が作用し、起歪部10の中央部に正方向のスラスト荷重Fの分力(この例ではF/3)がケーシング11に伝達し、その間に均一なせん断歪みが発生するようになっている。
【0031】
図2(B)に示すように、矩形平板状の起歪部10は、その中央部と両端部の間に2つの矩形開口10aを有し、これにより中央部と両端部を結ぶ4本の平板部10bが形成されている。
ひずみゲージ9は、この4本の平板部10bにそれぞれ貼付されたせん断歪み用のひずみゲージである。矩形平板状の起歪部10は図2(B)から明らかなように、中央に集中荷重を受ける両端支持梁である。従って、4本の平板部10bには、均一なせん断力が作用し、この部分全体に均一なせん断歪みが発生する。4つのせん断歪み用のひずみゲージ9は、均一なせん断歪みが発生する領域に直接貼付されるため、ひずみゲージの全面でせん断歪みを検知することができる。またこの4つのせん断歪み用のひずみゲージ9でブリッチ回路を形成し、温度による影響を無くすことで、検出出力を高めることができる。
【0032】
図3は、本発明のスラスト荷重検出装置の第2実施形態図である。この図において、(A)は軸端からすべり軸受を見た正面図、(B)はそのA-A断面図である。
この例は、回転軸1に作用する正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを計測するスラスト荷重検出装置を示している。図6と同様に回転軸1の軸端にコンプレッサ翼車、反対側にタービン翼車が取付けられる場合、正方向のスラスト荷重Faはタービン翼車からコンプレッサ翼車に向かうスラスト荷重であり、逆正方向のスラスト荷重Fbはコンプレッサ翼車からタービン翼車に向かうスラスト荷重である。
【0033】
図4は、図3の部分拡大図である。この図において(A)は、図3(B)の上半分の拡大図、(B)は起歪部10の拡大図である。また、図4(B)において、(a)は側面図、(b)はb-b矢視図、(c)はc-c断面図である。
【0034】
図3および図4において、本発明のスラスト荷重検出装置は、リング状のスラストカラー2、中空円板状のスラストメタル4、複数の連結ボルト8、矩形平板状の起歪部10およびひずみゲージ9を備える。
【0035】
リング状のスラストカラー2は、この例では正方向のスラスト荷重を受けるための正スラストカラー2aと、逆方向のスラスト荷重を受けるための逆スラストカラー2bからなる。正スラストカラー2aと逆スラストカラー2bは、回転軸1に好ましくは締り嵌めで取り付けられ、これと共に一体的に回転する。また、正方向のスラスト荷重と逆方向のスラスト荷重を同一のスラストメタル4に伝達するために、正スラストカラー2aと逆スラストカラー2bの2つの伝達面の間にスラストメタル4をわずかな間隔をもって挟持するようになっている。
【0036】
中空円板状のスラストメタル4は、図3(A)に示すようにこの例では3本の連結ボルト8により、ケーシング11に連結・固定されている。また、スラストメタル4の内周部の両面には、軸受シュー3が取付けられ、この軸受シュー3とスラストカラー2(正スラストカラー2aと逆スラストカラー2b)とが接触して回転軸1に作用する正方向と逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを支持する。軸受シュー3は、耐摩耗性が高く、かつ潤滑性が高いコーティング膜であるのがよい。
【0037】
複数(この例では3本)の連結ボルト8は、矩形平板状の起歪部10の中央部をそれぞれ貫通し、スラストメタル4に設けられた3箇所の穴を通してケーシング11に連結する。また、スラストメタル4とケーシング11の間には、中空円筒状のリングスペーサ6が挟持される。
【0038】
矩形平板状の起歪部10は、図4(A)に示すように、その中央部がスラストメタル4との間に介在するリングスペーサ6と連結ボルト8(の頭部)との間に挟持されて軸方向位置が位置決めされる。また、起歪部10の両端部は固定ボルト5によりスラストメタル4の片面(図で左面)に固定される。
従って、図4(B)に示すように、起歪部10の長手方向両端には、正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbの分力(この例ではFa/6,Fb/6)が作用し、起歪部10の中央部に正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbの分力(この例ではFa/3,Fb/3)がケーシング11に伝達し、その間に均一なせん断歪みが発生するようになっている。
【0039】
図4(B)に示すように、矩形平板状の起歪部10は、その中央部と両端部の間に2つの矩形開口10aを有し、これにより中央部と両端部を結ぶ4本の平板部10bが形成されている。
ひずみゲージ9は、この4本の平板部10bにそれぞれ貼付されたせん断歪み用のひずみゲージである。矩形平板状の起歪部10は図4(B)から明らかなように、中央に集中荷重を受ける両端支持梁である。従って、4本の平板部10bには、均一なせん断力が作用し、この部分全体に均一なせん断歪みが発生する。4つのせん断歪み用のひずみゲージ9は、均一なせん断歪みが発生する領域に直接貼付されるため、ひずみゲージの全面でせん断歪みを検知することができる。またこの4つのせん断歪み用のひずみゲージ9でブリッチ回路を形成し、温度による影響を無くすことで、検出出力を高めることができる。
【0040】
図5は、本発明の第3、第4の実施形態図である。この図において、(A)は、第3実施形態図であり、第1実施形態において、矩形平板状の起歪部10の長手方向を周方向に向けて配置したものである。また、(B)は、第4実施形態図であり、第2実施形態において、矩形平板状の起歪部10の長手方向を周方向に向けて配置したものである。その他の構成は、第1実施形態または第2実施形態と同様である。
図5の構成により、スラストメタル4が薄い場合でも、起歪部10の両端部に作用するスラスト力を均一にできる。
【0041】
本発明において、荷重検出器は小型過給機のスラスト軸受部の極めて狭隘な空間に装着を余儀なくされると共に、過給機の小型化に伴う低スラスト荷重にも対応しうる対策を講じる必要上、以下に記す諸条件を満足することに注力した。
1.荷重検出器の軽薄短小化
小型で、寸法的に小さく、薄型で軽量であることに注力した。
2.荷重検出器の高固有振動数の確保
回転数一次の振動数に対し、3倍以上の固有振動数を確保するため、荷重検出器の構造(特に荷重検出器の起歪部、すなわち荷重/電気変換機構)に留意した。
このため、荷重検出器の起歪部(荷重/電気変換機構)は、剛性を高めると共に高出力を確保するための手段として、以下の方式を採用した。
(1)荷重検出器はひずみゲージによる荷重/電気変換方式を採用した。
(2)荷重検出器の起歪部の荷重に対するひずみ発生機構は、せん断ひずみ発生方式とし、剛性が高く、発生ひずみの大きな起歪部を構成することに注力した。
【0042】
3.スラスト荷重伝達経路の明確化
流体潤滑の「すべり軸受」形式による「スラスト軸受」において、これに対して作用するスラスト荷重の伝達経路を明確にし、伝達経路の途中に荷重に相関するひずみを検出する「起歪部」を設けることを、本発明における1つの特徴とする。
スラスト荷重は以下の経路を経て伝達する。
第1実施形態(図1、2)では、回転軸1→スラストカラー2→軸受シュー3→スラストメタル4→起歪部10→連結ボルト8→ケーシング(固定端)11
第2実施形態(図3、4)の正方向のスラスト荷重は、回転軸1→正スラストカラー2a→軸受シュー3→スラストメタル4→起歪部10→連結ボルト8→ケーシング(固定端)11の経路、第2実施形態(図3、4)の逆方向のスラスト荷重は、回転軸1→逆スラストカラー2b→軸受シュー3→スラストメタル4→固定ボルト5→起歪部10→連結ボルト8→ケーシング(固定端)11の経路で伝達する。
【0043】
4.荷重検出器の極薄化
荷重検出器は、例えば軸受シュー3とケーシング(固定端)11の狭隘な空間、或いは他の狭隘部に装着する場合を想定して、非常に薄い扁平な形状とし、せん断ひずみ発生機構としての条件を満足する寸法の範囲内にまとめることに注力している。
5.荷重検出器の高出力化
従来技術で対応可能であった大型の回転機械に比べ、過給機の小型化に伴う低スラスト荷重にも対応できる荷重検出器とするため、起歪部10については、形状・寸法及び材質を吟味し最適化することにより解決した。
【0044】
6.荷重検出器の温度補償
「スラスト軸受」において起歪部10はスラストメタル4に密着して固定されるため、軸受シュー3とスラストカラー2において発生する摩擦熱が潤滑油を介して起歪部10に伝達し過熱するため、温度による「見掛けひずみ」が発生する。この「見掛けひずみ」を少なくするため温度補償が必要となる。さらに荷重検出器は複数のものを組み合わせて使用する関係上、単独での特性は勿論、「組み合わせ時の特性」が優れている必要がある。
ここで荷重検出器の「組み合わせ時温度特性」を向上させる手段として、荷重検出器を個々に独立して製作し、これらの中から温度特性の揃ったものを選定してグループとして機能させ、荷重検出器の組み合わせ時の温度特性を向上させる手段を採っている。
【0045】
以下、本発明のスラスト荷重検出装置の作動と機能を説明する。
1.荷重の伝達経路と荷重の検出方法
「すべり軸受」形式の「スラスト軸受」において、スラスト荷重は、回転軸1からスラストカラー2に伝わり、これと接触する軸受シュー3との境界面で、液状媒体を介して流体潤滑が行われ、静止部であるスラストメタル4まで荷重が伝達する。
さらに、静止部においては、スラストメタル4の片面に当接した起歪部10の端部に(固定ボルト5を介して)荷重が伝わり、起歪部10の中央部がこれに当接したリングスペーサ6と共に連結ボルト8によってケーシング11(最終端)に締結・固定されることで、スラスト荷重の伝達経路はケーシング11をもって最終の固定端となる。
こうした荷重の伝達系の一部である、静止部のスラストメタル4に取付け、荷重の伝達を行いつつ、荷重を検出する「荷重検出器」の主要部品である起歪部10において荷重に比例した電気信号に変換することを特徴とする。
【0046】
2.荷重検出器の機能
(1)荷重/電気変換
荷重検出器における「荷重」対「電気信号」の変換は、起歪部10を構成する弾性部材にひずみゲージを貼付し、「荷重」に比例して発生する「ひずみ信号」を電気信号として検出する方式を採っている。
【0047】
(2)荷重伝達
第1実施形態(図1、2)では、前述のように、起歪部10を経由して荷重検出器の中央部に至る。
起歪部7の中央部において、リングスペーサ6は起歪部10の下面とリングスペーサを介し、ケーシング11の上面に接し、連結ボルト8によってケーシング11(最終端)に締結・固定されるが、ここで起歪部10の中央部において、起歪部10の下面とスラストメタル4の片面との間には僅かな間隙が設けられている。さらにスラストメタル4のもう一方の面とケーシング11の表面との間にも同様にリングスペーサ6による間隙を設けている。
【0048】
第2実施形態(図3、4)では、前述のように、荷重検出器内部を通過する荷重は、固定ボルト5から起歪部10を経由して荷重検出器の中央部に至る。
起歪部10の中央部において、リングスペーサ6は起歪部10の下面とリングスペーサを介し、ケーシング11の上面に接し、連結ボルト8によってケーシング11(最終端)に締結・固定されるが、ここで起歪部10の中央部において、起歪部10の下面とスラストメタル4の片面との間には僅かな間隙が設けられている。さらにスラストメタル4のもう一方の面とケーシング11の表面との間にも同様に、わずかな間隙を設けている。
(注、リングスペーサ6の高さ寸法は、スラストメタル4の厚さ寸法に前記2箇所の寸法を加えた値に等しい。)
【0049】
(3)起歪部
起歪部10を構成する弾性部材の一部で、作用する荷重に応じて発生するひずみを、部分的に高めた個所を「起歪部」と称し、この個所にひずみゲージ9を貼付しひずみを検出する。
この最大ひずみの発生位置は、起歪部10の両端部と連結ボルト8とに挟まれた部分を指し、当該起歪部は、連結ボルト8を中心にして、長手方向に振り分け1対、幅方向に1対の合計4箇所の「起歪要素」により構成される。
当該「起歪部」には「せん断ひずみ」が発生し、その配置位置によって、荷重の作用方向により発生ひずみの極性が異なるため、この特徴を利用してブリッジ回路を構成する。
【0050】
上述した第1実施形態の構成により、回転軸1に発生する正方向のスラスト荷重Fをスラストカラー2を介して、静止側のスラストメタル4に伝達し、さらにスラストメタル4から起歪部10と連結ボルト8を介してケーシング11に正方向のスラスト荷重Fを伝達することができる。また、矩形平板状の起歪部10は正方向のスラスト荷重により微小変形し、この歪み量を該起歪部に貼付されたひずみゲージ9で検出できるので、正方向のスラスト荷重Fを、上記一連の荷重伝達経路を経て伝達しながら、起歪部10に貼付したひずみゲージ9により歪み量を電気信号に変換し、すべり軸受に作用する回転軸のスラスト荷重を動的にかつ正確に実測することができる。
【0051】
また、起歪部10を矩形平板状の扁平な形状に構成でき、かつこの矩形平板部材をスラストメタル4で両端支持し、正方向のスラスト荷重を連結ボルト8により中央部から負荷するので、両端と中央部との間に均一なせん断歪みを発生させることができ、変形を微小に抑えかつ計測出力を大きくできる。
【0052】
また、上述した第2実施形態の構成により、回転軸1に発生する正逆方向のスラスト荷重Faをスラストカラー2を介して、静止側のスラストメタル4に伝達し、さらにスラストメタル4から起歪部10と連結ボルト8を介してケーシング11に正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを伝達することができる。
また、矩形平板状の起歪部10は正逆方向のスラスト荷重により微小変形し、この歪み量を該起歪部に貼付されたひずみゲージ9で検出できるので、正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを、上記一連の荷重伝達経路を経て伝達しながら、起歪部10に貼付したひずみゲージ9により歪み量を電気信号に変換し、すべり軸受に作用する回転軸のスラスト荷重を動的にかつ正確に実測することができる。
【0053】
またこの構成により、起歪部10を矩形平板状の扁平な形状に構成でき、かつこの矩形平板部材をスラストメタル4と固定ボルト5で両端を挟持して支持し、正逆方向のスラスト荷重を連結ボルト8により中央部から負荷するので、両端と中央部との間に均一なせん断歪みを発生させることができ、変形を微小に抑えかつ計測出力を大きくできる。
【0054】
さらに、起歪部10の4本の平板部10bにせん断歪みが一定の領域を形成することができ、これをせん断歪み用のひずみゲージで計測して大きな計測出力を得ることができる。
【0055】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
上述した本発明のスラスト荷重検出装置により、従来、解明できなかった小型高速回転機械の、軸推力挙動の実測が可能となる。また、回転軸に発生する正・逆方向の推力を実測することが可能となり、従来未知数であった高速回転体におけるスラスト荷重の動的挙動が把握できるようになった。軸推力の実働荷重の解明は、小型回転機械の設計にフィードバックされ、同機の品質(性能・機能・寿命)の向上に貢献すること大である。
【0057】
従って、本発明のすべり軸受のスラスト荷重検出装置は、荷重受感部の小型化を図り、より小型の過給機を対象に、すべり軸受に作用する回転軸のスラスト荷重を動的にかつ正確に実測することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスラスト荷重検出装置の第1実施形態図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明のスラスト荷重検出装置の第2実施形態図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】本発明の第3、第4の実施形態図である。
【図6】小型過給機のすべり軸受を示す模式図である。
【符号の説明】
1 回転軸、2 スラストカラー、
2a 正スラストカラー、2b 逆スラストカラー、
3 軸受シュー、4 スラストメタル、5 固定ボルト、
6 リングスペーサ、8 連結ボルト、9 ひずみゲージ、
10 起歪部、11 ケーシング(固定端)

Claims (5)

  1. 回転軸(1)に取り付けられこれと共に回転するリング状のスラストカラー(2)と、該スラストカラーと接触して回転軸に作用する、回転軸の軸方向である正方向のスラスト荷重Fを支持する中空円板状のスラストメタル(4)と、該スラストメタルをケーシング(11)に連結する複数の連結ボルト(8)と、該連結ボルトとスラストメタルの間に挟持されその間に作用する前記正方向のスラスト荷重により微小変形する起歪部(10)と、該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)とを備え
    前記ケーシング(11)と前記起歪部(10)との間に前記スラストメタル(4)が位置し、
    前記起歪部(10)は、前記正方向と逆の方向にスラストメタル(4)と接触する第1の部分と、第1の部分から回転軸の半径方向に隔てて設けられ前記正方向に連結ボルトと接触する第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に設けられスラストメタル(4)および連結ボルトのいずれにも接触しない第3の部分と、を有し、第1の部分に作用する前記正方向のスラスト荷重を第2の部分からケーシング(11)に伝達し、第3の部分にせん断歪みを発生させ、
    前記ひずみゲージ(9)は、第3の部分に貼付される、ことを特徴とするすべり軸受のスラスト荷重検出装置。
  2. 回転軸(1)に取り付けられこれと共に回転するリング状のスラストカラー(2)と、該スラストカラーと接触して回転軸に作用する正方向のスラスト荷重Fを支持する中空円板状のスラストメタル(4)と、該スラストメタルをケーシング(11)に連結する複数の連結ボルト(8)と、該連結ボルトとスラストメタルの間に挟持されその間に作用する前記正方向のスラスト荷重により微小変形する起歪部(10)と、該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)とを備え、
    前記起歪部(10)は、その中央部がスラストメタル(4)との間に介在するリングスペーサ(6)と連結ボルト(8)の間に挟持されて位置決めされ、その両端部がスラストメタル(4)と接触し、両端に作用する正方向のスラスト荷重を中央部からケーシング(11)に伝達し、その間にせん断歪みを発生させる、ことを特徴とするすべり軸受のスラスト荷重検出装置。
  3. 回転軸(1)に取り付けられこれと共に回転するリング状のスラストカラー(2)と、該スラストカラーと接触して回転軸に作用する、回転軸の軸方向である正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを支持する中空円板状のスラストメタル(4)と、該スラストメタルをケーシング(11)に連結する複数の連結ボルト(8)と、該連結ボルトとスラストメタルの間に挟持されその間に作用する前記正逆方向のスラスト荷重により微小変形する起歪部(10)と、該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)とを備え
    前記ケーシング(11)と前記起歪部(10)との間に前記スラストメタル(4)が位置し、
    前記起歪部(10)は、前記スラストメタル(4)に前記正逆方向に固定された第1の部分と、第1の部分から回転軸の半径方向に隔てて設けられ前記正逆方向に連結ボルトに固定された第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に設けられスラストメタル(4)および連結ボルトのいずれにも接触しない第3の部分と、を有し、第1の部分に作用する前記正逆方向のスラスト荷重を第2の部分からケーシング(11)に伝達し、第3の部分にせん断歪みを発生させ、
    前記ひずみゲージ(9)は、第3の部分に貼付される、ことを特徴とするすべり軸受のスラスト荷重検出装置。
  4. 回転軸(1)に取り付けられこれと共に回転するリング状のスラストカラー(2)と、該スラストカラーと接触して回転軸に作用する正逆方向のスラスト荷重Fa,Fbを支持 する中空円板状のスラストメタル(4)と、該スラストメタルをケーシング(11)に連結する複数の連結ボルト(8)と、該連結ボルトとスラストメタルの間に挟持されその間に作用する正逆方向のスラスト荷重により微小変形する起歪部(10)と、該起歪部に貼付されたひずみゲージ(9)とを備え、
    前記起歪部(10)は、その中央部がスラストメタル(4)との間に介在するリングスペーサ(6)と連結ボルト(8)の間に挟持されて位置決めされ、その両端部が固定ボルト(5)によりスラストメタル(4)に固定され、両端部に作用する正逆方向のスラスト荷重を中央部からケーシング(11)に伝達し、その間にせん断歪みを発生させる、ことを特徴とするすべり軸受のスラスト荷重検出装置。
  5. 前記起歪部(10)は、その中央部と両端部の間に矩形開口(10a)を有し、これにより中央部と両端部を結ぶ4本の平板部(10b)が形成されており、
    前記ひずみゲージ(9)は、4本の平板部(10b)にそれぞれ貼付されたせん断歪み用のひずみゲージである、ことを特徴とする請求項2または4に記載のすべり軸受のスラスト荷重検出装置。
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