JP3996434B2 - 域間熱補完システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散型冷温熱装置が散在する工場や地域において、域間にループ状閉鎖滞留域を設け、該滞留域に所定温度、圧力での気液両相が共存する1成分媒体系を封入し、該媒体より前記共存状態にある飽和蒸気(以降、乾きガスという)若しくは飽和液(以降、液という)の供給を受け、前記共存媒体系の持つ潜熱を介して冷温熱の供給を可能にした冷温熱供給システムで、
特に、前記気液両相の共存状態の乾きガスを取り出し温熱源に利用し気相より液相に移行させて前記液領域に戻し、前記気液両相の共存状態の液を取り出し冷熱源に利用し液相より気相へ移行させて前記乾きガス領域に戻す、域間熱補完システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地球温暖化防止の観点からエネルギ施策の再検討が自治体、企業、市民等あらゆるレベルで行われている。
電気エネルギにおいては、大規模集中型発電所システムから地域に分散した小規模な電源システムに移行することにより、送電ロスをなくし、排熱を有効に活用してエネルギ効率を高めることが提唱されている。
【0003】
また一方、従来から、コ−ジェネ・地域冷暖房などの企業主体でのいわゆる省エネ技術がある。さらに最近では、都市ガス・天然ガスなどを燃料にしたマイクロガスタービン、燃料電池等、コンビニ、集合住宅など市民レベルで使用可能な小規模分散型のコ−ジェネ設備が開発されている。
【0004】
これら小型分散設備は、個々の設備の単独では効率が悪く、地域全体として総合効率を高めることが従来にもまして必要となっている。いわば熱のゼロエミッション化が求められている。
【0005】
このため従来の種々技術においては、分散型冷暖房器の戻り熱、排熱を吸収式冷凍機などの熱源システムに使用すべく、土中熱交換等により調節使用し、個々の分散型冷暖房器の成績係数を上げ、地域全体としてのエネルギ熱効率を高めている。
【0006】
しかしながら、かかる従来の技術にあっては、熱源システムの余剰熱は冷却塔で大気中に廃棄されることが多かった。
市民レベルでの熱源システムである小規模分散型コ−ジェネ設備において熱源システムの余剰熱は、ますます使いにくくなるため、地域での回収・再利用システムがなければ無駄に廃棄され、都市部においてますますヒートアイランド化が進むことにもなる。
則ち、商店街、集合住宅、などのコ−ジェネなど従来想定されなかった形態での排熱、分散化した小規模排熱が考えられ、これらを地域として有効に活用することが求められている。
則ち小規模分散型設備においても無用の余剰熱や排熱を排出せずに有用な熱エネルギのみを供給する広域的システムが要求されている。
【0007】
かかる問題に基づき従来より地域配管による熱供給システムとしては、地域冷暖房システムがあり、初期においては、需要温度での高温水、冷水を専用往復配管路で供給する4管方式が主たる形式であったが、配管は防熱が必要で、戻り配管の有効利用が課題であった。
これを改善したものとして同一の配管を季節又は時間を区切って交互に使用する2管方式、あるいは熱源水供給の2管方式がある。
このような2管方式の域間供給システムとして特公昭56−52219号公報には、2管方式で個々の設備の効率を上げて、しかも地域全体としてもエネルギ効率を高める技術が開示されている。
【0008】
則ち、対象地域内の多数の場所に分散設置された多数のヒートポンプ式冷暖房器と対象地域とは離れた場所に設けられた集中型コ−ジェネ設備を含むパワーステーション間を地中に埋設した夏季冷水供給配管(冬季戻り配管としても機能する)と、温水供給配管(夏季戻り配管としても機能する)とで2管式地域配管で結び、配管内を地中の奪熱及び吸熱作用を効果的に利用して常温に近い温度に調節した冷却水若しくは排熱水をパワーステーション側に流し若しくはパワーステーション側より供給しながら、地域水循環により域間熱供給システムを構成している。
しかしながらかかる従来技術も2管の往復動管を季節をずらして交互に使うもので、エンドレス管ではない。このため供給管側でも戻し管側でもいずれの管側でもポンプを必要とし、しかもそのポンプ動力はパワーステーションと対象地域が離れれば離れる程大きくなる問題がある。
【0009】
かかる問題を解決するために、特開2000−146356公報において、地域配管を2管の往復動管ではなく、環状エンドレス水路とする従来技術が記載されている。
則ち、地域配管をゆったり流れる川の如く大容量化して熱負荷を平均化する単管式環状エンドレス水路の提案で、全体システムの省エネルギ効果が高い分散型ヒートポンプ装置による地域冷暖房システムを提供するために、図4に示すように所定地域の地下に土壌と熱的に結合させて地域配管50を貫通させ、循環水ポンプ56で地域配管50内に水を循環させる。所定地域に分散した氷蓄熱槽を持つヒートポンプ装置51aと氷蓄熱槽を持たないヒートポンプ装置51bと熱源機54とを前記地域配管50に引込管55により接続する。地域配管50の土壌と熱交換した循環水をヒートポンプ装置51aの図示していない蓄冷槽または冷媒凝縮器と熱的に結合することにより、対応する熱負荷に冷凍サイクルの冷媒凝縮温熱または冷媒蒸発冷熱を供給する。地域配管50は環状エンドレス水路とすることができる。好ましくは、地域配管の一部分を未利用熱源Uと熱的に結合する。
【0010】
かかる従来技術は地域配管50を環状エンドレス水路とした点で、特公昭56−52219号公報の従来技術と異なるが、地域配管50の土壌と熱交換した循環水を循環水ポンプ56で地域配管50内に水を循環させるいわゆる水移動循環であるために、循環ポンプが必要で、しかもポンプ動力は環状エンドレス水路の径が大きければ大きいほど、又ヒートポンプ装置51aの蓄冷槽や冷媒凝縮器と対象地域の熱負荷が離れれば離れるほど大きくなる。
従って、環状エンドレス水路の周径、則ち熱供給を行う地域面積には大きな制約を受ける。
また、上記問題点とは別に、下記問題点を内蔵している。
則ち、地域配管内の水温は土壌との熱交換量とヒートポンプ51a、51bの吸熱量(暖房、給湯時)または放熱量(冷房、冷蔵運転時)との平衡状態で決まるので、予めこれらの熱量を予測し地域配管の長さ及びこれに接続する熱負荷等を設計しておく必要があり、熱負荷の需要増に対応する補完機能はない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、
域内に分散配設された分散型冷温熱装置に使用する熱源システムの形成に、所定温度と調整された圧力のもとに1成分系で形成された気液二相の共存状態にある液と乾きガスの滞留域を持つエンドレスループを域内に配設し、
前記滞留域より乾きガスの供給を受けて、気相より液相への移行の過程で凝縮熱を温熱源として利用し、移行後の液を液側に還流させ、
前記滞留域より液の供給を受けて、液相より気相への移行の過程で蒸発潜熱を冷熱源として利用し、移行後の乾きガスをガス側へ還流させて、前記潜熱のやりとりを交互に行い相互補完をし、
且つ前記気液二相の共存状態維持のためのガス圧調整手段を付設した、域間熱補完システムの提供を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の域間熱補完システムに係わる第1の発明は、
所定温度で1成分系での気液両相が共存するように圧力調整された閉回路ル−プ内に、下側域に液、上側域に該液より分圧された乾きガスが位置するように、前記ル−プを略水平状に配置するとともに、
前記ル−プより、乾きガスを取り出してその凝縮熱等により、熱交換を行って気相より液相へ移行させ前記ル−プの液側に戻す熱回路と、前記ル−プより液を取り出してその蒸発潜熱等により熱交換を行なって液相より気相へ移行させ前記ル−プの乾きガス側に戻す熱回路とのうち、少なくとも1の熱回路が前記ル−プより枝分かれして閉回路で接続されていることを特徴とする。
【0013】
上記発明は、本発明の第1の発明について記載したもので、
本発明の目的である、所定温度と調整された圧力の元に形成された1成分系での気液二相共存状態の気液二相が上下に分離滞留する領域を、地域に水平状に付設したエンドレスワンループ閉回路内に設けたもので、
上記滞留域のガス滞留域より乾きガスの供給を受けて分散型温熱装置に凝縮熱の熱交換を介して温熱源を形成させ、液相へ移行した液を液滞留域へ還流させる熱回路を閉回路状に設け、
上記滞留域の液滞留域より液の供給を受けて分散型冷熱装置に蒸発潜熱による熱交換を介して冷熱源を形成させ、気相へ移行した乾きガスをガス滞留域へ還流させる熱回路を閉回路状に設け、
気相→分散型温熱装置→液相と、液相→分散型冷熱装置→気相との潜熱を利用した相互熱交換により、ループ内の搬送システムを使用することなく、域内の熱補完システムを形成させている。
【0014】
斯かる第1の発明における、前記ル−プ内に充填される1成分系冷媒の、1気圧における沸点が使用温度より高い場合に前記ル−プ及びこれに閉鎖接続される熱回路が減圧されて閉回路を構成するのが好ましい。
【0015】
上記発明は、前記第1の発明において、使用する1成分系の冷媒を設定して所定温度(使用温度)での気液両相が共存するように圧力調整する場合、前記設定された冷媒に対する1気圧における沸点が前記使用温度より高い場合の必要とする圧力調整について記載したものである。
使用温度が20℃、冷媒に水を使用するときは、略2/100atmに減圧する必要がある。
【0016】
また、前記第1の発明における、前記ル−プ内に充填される1成分系冷媒の、1気圧における沸点が使用温度より低い場合に前記ル−プ及びこれに閉鎖接続される熱回路が増圧されて閉回路を構成するのが好ましい。
【0017】
上記発明は、前記第1の発明において、使用する1成分系の冷媒を設定して所定温度(使用温度)での気液両相が共存するように圧力調整する場合、前記設定された冷媒に対する1気圧における沸点が前記使用温度より低い場合に必要とする圧力調整について記載したものである。
使用温度が20℃、冷媒にCOを使用するときは、略50atmに増圧する必要がある。
【0018】
また、前記第1の発明において、前記ループと熱交換回路の接続点(枝分かれ部)にバッファタンクが設けられ、該バッファタンクに、2つ以上の熱交換回路を乾きガス域側と液域側に連設し、1の回路で乾きガスを取り出して奪熱により凝縮させて液として前記バッファタンクの液域側に戻し、他の回路で前記バッファタンクの液域側で液を取り出して受熱により蒸発させて乾きガスとして前記バッファタンクのガス域側に戻し、前記バッファタンクの内の液面調整若しくは熱バランス調整を行なうのが好ましい。
【0019】
上記発明は、前記第1の発明のループに接続して熱補給を受ける分散型冷温熱装置の使用運転状況に起因して、前記ループ内に滞留する気液二相共存状態の分離された液面に移動を生じ熱的バランスが崩れたときの、液面調整または熱バランスの調整用に設けたバッファタンクの構成について記載したもので、
前記ループに設けられたバッファタンクには、調整用の冷却回路と加熱回路を設け、前者によりタンク内の乾きガスを取り出し奪熱により冷却凝縮させて液としてタンクの液域側に戻し、後者により前記タンクの液域側より液を取り出し加熱蒸発させて乾きガスとして前記タンクのガス域側に戻すようにしたもので、前記冷却用熱源は外気ないし外部冷熱源により行い、前記加熱用熱源は排熱等により行う。
【0020】
また前記ループが1ループである構成が好ましい。
【0021】
前記ループより、乾きガスを取り出してその凝縮熱等により、熱交換を行って液として前記ループの液側に戻す熱回路の経路に乾きガスの圧縮機関が介装され、圧縮乾きガスを利用して負荷側との熱交換を行うようにしても良い。
【0022】
また、本発明の域間熱補完システムに係わる第2の発明は、
所定温度で1成分系での気液両相が共存するように圧力調整され、下側域に液、上側域に該液より分圧された乾きガスが位置するように形成された液・ガス封入タンクと、前記封入タンクの乾きガス域側に始端と終端とを持つ1又は複数のガスループと、
前記封入タンクの液域側に始端と終端とを持つ1又は複数の液ループと、
前記ガスループと液ループ間を跨ぐ如く接続された1又は複数の熱供給若しくは熱流入の熱回路とを備えたことを特徴とする。
【0023】
上記本発明の第2の発明は二重ループの構成よりなるもので、
所定温度と調整された圧力の元に形成された1成分系での気液二相共存状態の気液が上下に分離滞留する乾きガス域と液域とを持つ液・乾きガス封入密閉タンクを設け、前記乾きガス域と液域にそれぞれ始端と終端とを持つガスループと液ループとを設け、前記ガスループと液ループ間に接続する熱供給若しくは熱流入用の熱回路を設けたものである。
【0024】
また、前記封入タンクのガス域側と液域側とを連接する2以上の熱交換回路を設け、1の回路で乾きガスを取り出して奪熱により凝縮させて液として前記封入タンクの液域側に戻し、他の回路で前記容器の液域側で液を取り出して受熱により蒸発させて乾きガスとして前記封入タンクのガス域側に戻し、前記封入タンク内の液面調整若しくは熱バランス調整を行うのが好ましい。
【0025】
上記発明は、前記第2の発明のガスループと液ループに接続して熱補給を受ける分散型冷温熱装置の使用運転状況に起因して、前記ループを通じて前記タンク内に滞留する気液二相共存状態の分離された液面に上下位置に移動を生じ熱的バランスが崩れたときの、液面調整または熱バランスの調整用に設けた熱交換回路の構成について記載したもので、前記熱交換回路は冷却回路と加熱回路とよりなり、前者によりタンク内の乾きガスを取り出し奪熱により冷却凝縮させて液としてタンクの液域側に戻し、後者により前記タンクの液域側より液を取り出し加熱蒸発させて乾きガスとして前記タンクのガス域側に戻すようにしたもので、前記冷却用熱源は外気ないし外部冷熱源により行い、前記加熱用熱源は排熱等により行う。
【0026】
また、前記ガスループより乾きガスを取り出してその凝縮熱等により、熱交換を行って気相より液相へ移行させ前記液ループ側に戻す熱回路と、
前記液ループより液を取り出してその蒸発潜熱等により熱交換を行って液相より気相へ移行させ前記ガスループ側に戻す熱回路とのうち、少なくとも1の熱回路が前記2種のループを跨いで閉回路で接続されていることを特徴とする。
【0027】
上記発明は、前記第2の発明におけるガスループと液ループの間に接続する二つの機能を個別に持つ熱回路の構成について記載したものである。
則ちその一は、ガスループより乾きガスの供給を受けて凝縮熱を熱交換器を介して放熱するとともに、放熱過程で気相より液相へ移行した液を液ループへ戻し、
他の一は、液ループより飽和液の供給を受けて蒸発潜熱を熱交換器を介して吸熱するとともに、吸熱過程で液相より気相へ移行した乾きガスをガスループへ戻し、それらの熱回路は閉回路で構成する。
【0028】
また、前記封入タンク及び液ループ内に充填される1成分系冷媒の、
1気圧における沸点が使用温度より高い場合に前記封入容器及びこれに閉鎖接続される各ループが減圧されて閉回路を構成するのが好ましい。
【0029】
上記発明は、前記第2の発明において、使用する1成分系の冷媒を設定して所定温度(使用温度)での気液両相が共存するように圧力調整する場合、前記設定された冷媒に対する1気圧における沸点が前記使用温度より高い場合に必要とする圧力調整について記載したものである。
【0030】
また、前記封入容器及び液ループ内に充填される液の、
1気圧における沸点が使用温度より低い場合に前記封入容器及びこれに閉鎖接続される各ループが増圧されて閉回路を構成しているのが好ましい。
【0031】
上記発明は、前記第2の発明において、使用する1成分系の冷媒を設定して所定温度(使用温度)での気液両相が共存するように圧力調整する場合、前記設定された冷媒に対する1気圧における沸点が前記使用温度より低い場合に必要とする圧力調整について記載したものである。
【0032】
なお、前記第1、若しくは第2の発明における1成分系は、水に限らず、CO、Nでも良く、また、所定温度は常温に近い15℃〜25℃の温度が好適で、常温付近に設定することにより外気の影響を低く押さえる構成が好ましい。
所定温度を20℃に設定する場合、1成分系冷媒に、
水を使用するとき; 圧力は約2/100atmに減圧、
COを使用するとき; 圧力は約50atmに増圧
する必要がある。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の発明であるワンループ一重管式の域内熱補完システムの概略の構成を示す図で、図2は第2の発明のワンループ二重管式の域内熱補完システムの概略の構成を示す図で、図3は図2のワンループ二重配管方式の別の実施例を示す断面図である。
【0034】
図1に見るように、ワンループ一重管式域内熱補完システムは、ワンループ一重管路11と、調整タンク16とガス圧冷却調整手段17とガス圧加熱調整手段18とよりなる調整部25とより構成する。
【0035】
前記ワンループ一重管路11は略水平状に配設されたループ状耐圧密閉管路で、管内には温度15℃〜25℃の沸点を持つように調整された圧力のもとにおいて、例えば水、CO、N等の1成分系の冷媒を使用し、該冷媒を気液2相の共存状態に置き、形成された液(飽和液)13aを管路11の液側に、又乾きガス12aは管路11のガス側に位置するよう封入されている。
そして、前記管路11添い域内の分散型温熱装置20と分散型冷却装置21が設けられている。
なお、前記所定温度(使用温度)を20℃に設定する場合、1成分系冷媒に、
水を使用するとき; 圧力は約2/100atmに減圧、
COを使用するとき; 圧力は約50atmに増圧
する必要がある。
【0036】
前記分散型温熱装置20は、管路11のガス側より矢印A方向に乾きガス12aを取り入れ、ついで図示していない熱交換器を介して凝縮熱22bを放熱し、放熱の過程で気相より液相に移行して管路11の液側へ還流する閉路状熱回路23を構成する。
また、前記分散型冷却装置21は、管路11の液側より矢印B方向に液13aを取り入れ、図示していない熱交換器を介して蒸発潜熱22aを吸熱し、吸熱の過程で液相より気相に移行して管路11のガス側へ還流する閉路状熱回路24を構成する。
上記閉路状熱回路23、24により、管路11に封入されている飽和液である液13aと乾きガス12aとの間での潜熱のやりとりにより、効率的熱補完のもとに冷温熱源を形成する。
【0037】
調整部25は、バッファ用の調整タンク16とガス圧冷却調整手段17とガス圧加熱調整手段18とより構成し、前記管路11に添い設けられた分散型温熱装置20、分散型冷却装置21を介して行なわれる吸奪熱に使用される管路11内に封入されている前記1成分系冷媒の気液平衡状態は、運転のアンバランスにより、使用温度(15〜25℃)に対し沸点のずれや熱的アンバランスを起こすが、このバランスの崩れを調整するために設けてある。
前記調整タンク16は、耐圧密閉容器で構成され、前記した所定温度(15〜25℃)と調整された圧力のもとに形成された気液二相が共存する平衡状態にある液13aが下半部の液域に、乾きガス12aは上半部のガス域に封入され、前記液域とガス域には前記ワンループ一重管路11の始端と終端がそれぞれ連接され密閉閉鎖回路を形成する。
【0038】
そして、前記所定使用温度(15〜25℃)において調整した圧力のもとに得られていた使用冷媒の沸点が高くなったときは、前記ガス圧冷却調整手段17を介して減圧させ、前記沸点が前記使用温度より低くなったときは、前記ガス圧加熱調整手段18を介して増圧する構成にしてある。
【0039】
上記ガス圧冷却調整手段17は、例えばターボ圧縮機等の圧縮機17aと凝縮冷却部17bよりなる熱交換回路より構成し、調整タンク16のガス域12aより乾きガスをターボ圧縮機17aを介して汲み上げ圧縮し、圧縮ガスを凝縮冷却部17bにおいて外気ないし外部冷熱17cにより凝縮液化する。液化された液は前記調整タンク16の液域へ戻され、結果として調整タンク16のガス圧を減圧させる。
また、ガス圧加熱調整手段18は、加熱部18aを持つ熱交換回路よりなり、前記調整タンク16の下部の液域より液13aを汲み出し、前記加熱部18aで当該地域の排熱を利用した熱源18bにより気化させ乾きガス12aとして調整タンク16のガス域へ投入し該タンク16内のガス圧を増圧する構成にしてある。
【0040】
図2には、本発明の第2発明であるワンループ二重配管方式の域内熱補完システムの概略構成が示してある。図2に見るように、ワンループ二重管式域内熱補完システムは、ワンループ二重管路14と、調整タンク16と、ガス圧冷却調整手段17とガス圧加熱調整手段18とより構成する。
【0041】
前記調整タンク16は、耐圧密閉容器で構成され、前記した所定温度(15〜25℃)と調整された圧力のもとに形成された、1成分系の気液二相が共存し平衡状態にある乾きガス12aが上半部のガス域に、飽和液である液13aが下半部の液域に封入され、
前記ガス域には、後記するガスループ14aの始端と終端とを設け閉回路を形成させて、乾きガス12aを滞留させるとともに、
前記液域には、後記する液ループ14bの始端と終端とを設け閉回路を形成させて、液13aを滞留させ、前記ガスループ14aと液ループ14bとでワンループ二重管路14を構成している。
則ち、上記構成により調整タンク16の上半部の乾きガス域とそれに連接するガスループ14aと、調整タンク16の下半部の液域とそれに連接する液ループ14bとには、前記気液二相が共存し平衡状態にある乾きガス12aと飽和液である液13aが同一条件下で封入される。
【0042】
上記ガスループ14aと液ループ14bには、地域の分散型冷温装置の存在する最寄りの部位に両者を結合するバッファ用滞留域15a、15b、…を設け、該滞留域15aには分散型温熱装置20を設け、滞留域15bには分散型冷却装置21を設ける構成にしてある。
前記分散型温熱装置20は、滞留域15aのガス側より矢印A方向に乾きガス12aを取り入れ、ついで図示していない熱交換器を介して凝縮熱22bを放熱し、放熱の過程で気相より液相に移行して滞留域15aの液側へ還流する閉路状熱回路23を構成する。
また、前記分散型冷却装置21は、滞留域15bの液側より矢印B方向に液13aを取り入れ、図示していない熱交換器を介して蒸発潜熱22aを吸熱し、吸熱の過程で液相より気相に移行して滞留域15bのガス側へ還流する閉路状熱回路24を構成する。
上記閉路状熱回路23、24により、管路14に封入されている飽和液である液13aと乾きガス12aとの間での潜熱のやりとりにより、効率的熱補完のもとに冷温熱源を形成する。
【0043】
上記ガス圧冷却調整手段17とガス圧加熱調整手段18は、前記したように調整タンク16内に封入されている気液二相の共存状態の平衡条件が冷温熱負荷のアンバランス運転により崩れた場合における、ガス圧調整用に設けられ、
前記したように、ガス圧冷却調整手段17は調整タンク16内の減圧用に作動させ、ガス圧加熱調整手段18は調整タンク16内の増圧用に作動させる構成にしてある。
【0044】
図3には、図2に示すワンループ二重配管方式の域内熱補完システムの別の実施例を示してある。図に見るように、この場合は、前記乾きガス12aを封入した鋼製のガスループ14aの内部に、飽和液である液13aを封入した例えばビニール製の液ループ14bを内蔵させたもので、図に見るように、分散型温熱装置20は、ガスループ14aの乾きガス12aを矢印A方向に取り入れ、ついで図示していない熱交換器を介して凝縮熱22bを放熱し、放熱の過程で気相より液相に移行して液ループ14bへ還流する閉路状熱回路23を構成する。
また、前記分散型冷却装置21は、液ループ14bの液13aを矢印B方向に取り入れ、図示していない熱交換器を介して蒸発潜熱22aを吸熱し、吸熱の過程で液相より気相に移行してガスループ14aへ還流する閉路状熱回路24を構成する。
なお、液ループ14bにおける供給流量は還流ガス量の1/120であるため、液ループ14bはガスループ14a内に内蔵できる大きさである。
【0045】
なお、前記分散型温熱装置20において、取り入れた乾きガス12aを取り出して凝縮器等で凝縮液化して前記ループの液側に戻す熱回路23に乾きガスの圧縮機が介装され、圧縮乾きガスを利用して負荷側との熱交換を行うようにしても良い。
【0046】
前記1成分系冷媒には水やCOやNを使用しても良いが、CO冷媒使用の場合は、密度が大であるため、配管径を小さくすることができるとともに、腐食性がないため、設備コストを小さく押さえることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は上記構成により、下記効果を奏する。
域内に分散配設された分散型冷温熱装置に使用する熱源システムの形成に、所定温度と調整された圧力のもとに1成分系で形成された気液二相の共存状態の液と乾きガスの滞留域を持つエンドレスループを域内に配設し、
前記滞留域より乾きガス若しくは液の供給を受けて、気相より液相へ若しくは液相より気相への移行の過程で凝縮熱若しくは蒸発潜熱を冷温熱源として利用し、域内の熱補完を効率的に行うことができる。
且つ前記気液二相の共存状態維持のためのガス圧調整手段を設けたため、前記域間熱補完を連続的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の発明であるワンループ一重管式の域内熱補完システムの概略の構成を示す図である。
【図2】 本発明の第2の発明であるワンループ二重管式の域内熱補完システムの概略の構成を示す図である。
【図3】 図2のワンループ二重配管方式の別の実施例を示す断面図である。
【図4】 従来例に見る地域冷暖房システムを示す図である。
【符号の説明】
11 ワンループ一重配管方式の管路
12a 乾きガス
13a 液(飽和液)
14 ワンループ二重配管方式の管路
14a ガスループ
14b 液ループ
15a、15b 滞留域
16 調整タンク
17 ガス圧冷却調整手段
17a ターボ圧縮機
17b 凝縮冷却部
18 ガス圧加熱調整手段
18a 加熱部
20 分散型温熱装置
21 分散型冷却装置
22a 蒸発潜熱
22b 凝縮熱
23、24 閉路状熱回路
25 調整部

Claims (11)

  1. 所定温度で1成分系での気液両相が共存するように圧力調整された閉回路ル−プ内に、下側域に液、上側域に該液より分圧された乾きガスが位置するように、前記ル−プを略水平状に配置するとともに、
    前記ル−プより、乾きガスを取り出してその凝縮熱等により、熱交換を行って気相より液相へ移行させ前記ル−プの液側に戻す熱回路と、前記ル−プより液を取り出してその蒸発潜熱等により熱交換を行なって液相より気相へ移行させ前記ル−プのガス側に戻す熱回路とのうち、少なくとも1の熱回路が前記ル−プより枝分かれして閉回路で接続されていることを特徴とする域間熱補完システム。
  2. 前記ル−プ内に充填される液の、1気圧における沸点が使用温度より高い場合に、前記ループ及びこれに接続される熱回路が減圧されて閉回路を構成している請求項1記載の域間熱補完システム。
  3. 前記ル−プ内に充填される液の、1気圧における沸点が使用温度より低い場合に、前記ループ及びこれに接続される回路が増圧されて閉回路を構成している請求項1記載の域間熱補完システム。
  4. 前記ループと熱交換回路の接続点(枝分かれ部)にバッファタンクが設けられ、該バッファタンクに、2つ以上の熱交換回路をガス域側と液域側に連設し、1の回路で乾きガスを取り出して奪熱により凝縮させて液として前記バッファタンクの液域側に戻し、他の回路で前記バッファタンクの液域側で液を取り出して受熱により蒸発させて乾きガスとして前記バッファタンクのガス域側に戻し、前記バッファタンクの内の液面調整若しくは熱バランス調整を行なう請求項1記載の域間熱補完システム。
  5. 前記ループが1ループである請求項1記載の域間熱補完システム。
  6. 前記ループより、乾きガスを取り出してその凝縮熱等により、熱交換を行って液として前記ループの液側に戻す熱回路の経路に乾きガスの圧縮機が介装され、圧縮乾きガスを利用して負荷側との熱交換を行うことを特徴とする請求項1記載の域間熱補完システム。
  7. 所定温度で1成分系での気液両相が共存するように圧力調整され、下側域に液、上側域に該液より分圧された乾きガスが位置するように形成された液・ガス封入タンクと、前記封入タンクのガス域側に始端と終端とを持つ1又は複数のガスループと、
    前記封入タンクの液域側に始端と終端とを持つ1又は複数の液ループと、
    前記ガスループと液ループ間を跨ぐ如く接続された1又は複数の熱供給若しくは熱流入の熱回路とを備えたことを特徴とする域間熱補完システム。
  8. 前記封入タンクのガス域側と液域側とを連接する2以上の熱交換回路を設け、1の回路で乾きガスを取り出して奪熱により凝縮させて液として前記封入タンクの液域側に戻し、他の回路で前記容器の液域側で液を取り出して受熱により蒸発させて乾きガスとして前記封入タンクのガス域側に戻し、前記封入タンク内の液面調整若しくは熱バランス調整を行う請求項7記載の域間熱補完システム。
  9. 前記ガスループより乾きガスを取り出してその凝縮熱等により、熱交換を行って気相より液相へ移行させ前記液ループ側に戻す熱回路と、前記液ループより液を取り出してその蒸発潜熱等により熱交換を行って液相より気相へ移行させ前記ガスループ側に戻す熱回路とのうち、少なくとも1の熱回路が前記2種のループを跨いで閉回路で接続されていることを特徴とする請求項7記載の域間熱補完システム。
  10. 前記封入タンク及び液ループ内に充填される液の、1気圧における沸点が使用温度より高い場合に、前記封入タンク及びこれに接続される各ループが減圧されて閉回路を構成している請求項7記載の域間熱補完システム。
  11. 前記封入タンク及び液ループ内に充填される液の、1気圧における沸点が使用温度より低い場合に、前記封入タンク及びこれに接続される各ループが増圧されて閉回路を構成している請求項7記載の域間熱補完システム。
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