JP3991816B2 - モニタリングシステムおよび方法並びにプログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、監視カメラ等に適用されるモニタリングシステムおよび方法並びにプログラムおよび記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、広範囲の状況を監視するためにモニタリングシステムが使用されている。例えば海上監視、河川監視、立ち入り監視区域のモニタリング、野生動物の行動観察等にモニタリングシステムが使用される。このモニタリングシステムは、広範囲の画像を撮影する必要上、画素数が非常に多いビデオカメラを使用していた。そのために、システムの価格が高くなり、コストの面で問題があった。
【0003】
これに対して、カメラの撮影範囲を順にずらしながら、静止画像を撮影し、多数の静止画像を連結することで、モニタリングしようとする範囲の画像を生成することが提案されている。この場合、多数の静止画像を連結することで生成される連結画像は、極めて高解像度の画像とすることができる。したがって、連結画像中の一部分の拡大画像を得る場合に、拡大画像自体の解像度が高く、拡大画像であっても鮮明な画像を得ることができる。
【0004】
モニタリングする範囲を広くする必要からカメラの可動範囲は、例えば180°、360°等の極めて広い範囲が設定されている。この広い範囲でカメラの撮影方向を切り替え、各撮影方向で静止画像を取得し、パノラマ状の連結画像を形成するようにしている。
【0005】
撮影範囲を広く設定すると、広範囲の連結画像を構成する静止画像の枚数が増えることになり、画像取得のための時間が長くなり、連結画像を取得する周期が長くなる問題が生じる。実際に監視したいエリアは、限定された範囲であることが多い。
【0006】
そこで、同出願人は、特願2002−130761において、広範囲のエリアを画角毎に切り出し、切り出された画角の画像を通常の撮像素子で取り込み、取り込まれた画像を組み合わせることによって、高精細且つ広範囲な画像を得ることができるシステムを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このシステムであっても実際に監視したいエリアを決定する仕組みは、カメラを移動させてライブ映像で撮影し、撮影された映像で確認しなければならなかった。また、画像取り込み可能範囲と撮影範囲との関係を一見してユーザに知らせる方法はなかった。
【0008】
そこで、この発明の目的は、撮影範囲の画像を事前に確認することが可能であり、さらに画像取り込み可能範囲と撮影範囲との関係を一見してユーザに知らせることが可能なモニタリングシステムおよび方法並びにプログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、この発明は、撮像方向を可変する撮像方向可変部に取り付けられた撮像部と、
撮像部によって撮影された画像データを蓄積する蓄積部と、
撮像方向可変部の最大可動範囲において、各撮像方向で撮像された複数枚の静止画像からなる原画像または原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積し、蓄積された原画像または圧縮画像をさらに圧縮して生成された可動範囲画像と、可動範囲画像内の一部の領域であるパノラマ状の全体画像の位置を認識するために重畳された照準とからなる画像を表示する可動範囲画像表示部と、
可動範囲画像表示部における照準に基づいて選択されたパノラマ状の全体画像の範囲の画像を撮影するように、撮像方向可変部が制御され、各撮像方向で撮影された複数枚の静止画像からなる原画像または原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積し、蓄積された原画像または圧縮画像をさらに圧縮して生成された画像からなるパノラマ状の全体画像を表示する全体画像表示部と、
全体画像内の一部の領域を選択し、選択した位置に対応する選択画像を表示する選択画像表示部と、
可動範囲画像、全体画像および選択画像の生成と表示を制御する制御部とを備え、
可動範囲画像表示部、全体画像表示部および選択画像表示部は、表示手段のそれぞれ異なる領域に構成され、
全体画像の範囲を照準に基づいて選択している間、および全体画像を照準で選択し、全体画像の撮影が開始されるまでの間、照準に基づいて選択された全体画像の画像データを蓄積部から読み出して全体画像表示部に表示することを特徴とするモニタリングシステムである。
【0010】
この発明は、撮像方向可変部の最大可動範囲において、各撮像方向で撮像部によって撮像された複数枚の静止画像からなる原画像または原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された原画像または圧縮画像をさらに圧縮して生成された可動範囲画像と、可動範囲画像内の一部の領域であるパノラマ状の全体画像の位置を認識するために重畳された照準とからなる画像を表示する可動範囲画像表示ステップと、
照準に基づいて選択されたパノラマ状の全体画像の範囲の画像を撮影するように、撮像方向可変部が制御され、各撮像方向で撮影された複数枚の静止画像からなる原画像または原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された原画像または圧縮画像をさらに圧縮して生成された画像からなるパノラマ状の全体画像を表示する全体画像表示ステップと、
全体画像内の一部の領域を選択し、選択した位置に対応する選択画像を表示する選択画像表示ステップと
を備え、
可動範囲画像、全体画像および選択画像は、表示領域のそれぞれ異なる領域に構成され、
全体画像の範囲を照準に基づいて選択している間、および全体画像を照準で選択し、全体画像の撮影が開始されるまでの間、照準に基づいて選択された全体画像の画像データを蓄積部から読み出して全体画像表示部に表示することを特徴とするモニタリング方法である。
【0011】
この発明は、撮像方向可変部の最大可動範囲において、各撮像方向で撮像部によって撮像された複数枚の静止画像からなる原画像または原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された原画像または圧縮画像をさらに圧縮して生成された可動範囲画像と、可動範囲画像内の一部の領域であるパノラマ状の全体画像の位置を認識するために重畳された照準とからなる画像を表示する可動範囲画像表示ステップと、
照準に基づいて選択されたパノラマ状の全体画像の範囲の画像を撮影するように、撮像方向可変部が制御され、各撮像方向で撮影された複数枚の静止画像からなる原画像または原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された原画像または圧縮画像をさらに圧縮して生成された画像からなるパノラマ状の全体画像を表示する全体画像表示ステップと、
全体画像内の一部の領域を選択し、選択した位置に対応する選択画像を表示する選択画像表示ステップと
を備え、
可動範囲画像、全体画像および選択画像は、表示領域のそれぞれ異なる領域に構成され、
全体画像の範囲を照準に基づいて選択している間、および全体画像を照準で選択し、全体画像の撮影が開始されるまでの間、照準に基づいて選択された全体画像の画像データを蓄積部から読み出して全体画像表示部に表示するモニタリング方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0012】
この発明は、撮像方向可変部の最大可動範囲において、各撮像方向で撮像部によって撮像された複数枚の静止画像からなる原画像または原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された原画像または圧縮画像をさらに圧縮して生成された可動範囲画像と、可動範囲画像内の一部の領域であるパノラマ状の全体画像の位置を認識するために重畳された照準とからなる画像を表示する可動範囲画像表示ステップと、
照準に基づいて選択されたパノラマ状の全体画像の範囲の画像を撮影するように、撮像方向可変部が制御され、各撮像方向で撮影された複数枚の静止画像からなる原画像または原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された原画像または圧縮画像をさらに圧縮して生成された画像からなるパノラマ状の全体画像を表示する全体画像表示ステップと、
全体画像内の一部の領域を選択し、選択した位置に対応する選択画像を表示する選択画像表示ステップと
を備え、
可動範囲画像、全体画像および選択画像は、表示領域のそれぞれ異なる領域に構成され、
全体画像の範囲を照準に基づいて選択している間、および全体画像を照準で選択し、全体画像の撮影が開始されるまでの間、照準に基づいて選択された全体画像の画像データを蓄積部から読み出して全体画像表示部に表示するモニタリング方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0017】
このように、最大可動範囲にわたって撮像部を動かした時の可動範囲画像を表示するので、所望の範囲の画像を得るための撮影方向を容易に設定することができ、操作性の向上を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態の概略的な構成を示す。ディスプレイ2が接続されているコンピュータ1は、カメラユニット3を制御する。図1の例は、1台のコンピュータ1が2台のカメラユニット3を制御し、また、ディスプレイ2'を有する他のコンピュータ1'が他のカメラユニット3'を制御するシステムの例である。1台のコンピュータが複数台のカメラユニットを制御できる。
【0019】
カメラユニット3は、パンチルタ部4とカメラ部5が一体的に構成されたものである。カメラユニット3は、遠方の対象領域を撮影可能なように設置される。一例として、カメラ部5は、倍率が10倍、70倍等の望遠レンズを有し、数十メートルから数キロメートル離れた場所を撮影可能とされている。
【0020】
カメラ部5は、例えば外部からのトリガーと同期してシャッターをオンできるディジタルスチルカメラであり、その撮影素子例えばCCD(Charge Coupled Device)は、VGA(Video Graphics Array,640×480 画素)、XGA(eXtended Graphics Array,1024×768 画素)、SXGA(Super eXtended Graphics Array,1280×1024画素)等の画素数を有する。VGAの撮像素子の場合では、30fps(フレーム/秒)のレートで画像データが出力され、XGAの撮像素子の場合では、15fps(フレーム/秒)のレートで画像データが出力され、SXGAの撮像素子の場合では、7.5fps(フレーム/秒)のレートで画像データが出力される。
【0021】
映像データは、カメラユニット3からコンピュータ1に対してバス6を介して伝送される。バス6は、映像データの伝送路とカメラユニット3の制御信号とを伝送する。上述した構成は、コンピュータ1'とカメラユニット3'とに関しても同様である。
【0022】
コンピュータ1、1'では、カメラユニット3、3'からの映像データをメモリに蓄積し、後述するように、操作用のGUI(Graphical User Interface)を構成し、ユーザが所望の対象領域の画像をカメラユニット3、3'で撮影できるように、カメラユニット3、3'を制御できる。圧縮符号化例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group) によって撮影画像が圧縮される。
【0023】
コンピュータ1および1'は、LAN(Local Area Network)7で互いに接続されている。LAN7に対してさらに他のコンピュータ8が接続されている。参照符号9は、コンピュータ8のディスプレイである。コンピュータ8は、LAN7を介してコンピュータ1、1'からの画像データ等を受取り、アーカイブ10に対して映像データを蓄積し、さらに、画像データの処理を行う。例えば映像データを使用して顔認識、荷物認識、環境認識、車認識等の処理がなされる。アーカイブ10は、テープストリーマーのような大量のデータを蓄積できるものである。
【0024】
図2は、上述したモニタリングシステムにおけるコンピュータ1とカメラユニット3の部分のより詳細な構成を示す。図2の例では、参照符号21で示す共通のコントローラバス21に対して、カメラユニットおよびコンピュータの構成要素が接続されている。
【0025】
パンチルタ部は、パン部4aとチルト部4bからなる。パン部4aおよびチルト部4bは、それぞれ駆動源として例えばステッピングモータを有し、コントローラバス21を介してコントローラCPU33から供給される制御信号に応じてカメラ部をパンまたはチルトさせる。パンチルタ部上にカメラ部が載置されている。ここで、パンは、水平方向にカメラを回転させることを意味し、チルトは、垂直方向にカメラを回転させることを意味する。一例として、パン角の最大値が180°とされ、チルト角の最大値が90°とされている。
【0026】
後述するように、カメラ部の最大移動範囲内で、チルト角=±45°、パン角=±90°程度の範囲でカメラ部を移動させる。撮像中心を画角分移動させる毎に、シャッターがオンされ、例えば1/60秒または1/30秒の静止画像(以下、適宜「フレーム」と称する)が撮影される。すなわち、カメラ部では動画が撮影され、撮影された動画が1/60秒または1/30秒からなる1枚の静止画像として、後段に供給される。
【0027】
縦方向でM枚(例えば8枚)、横方向でN枚(例えば16枚)の合計(M×N=8×16=128枚)のフレームが順番に撮影され、これらを圧縮すると共に連結させて1枚の全体画像を形成する。各フレームが例えばXGA(1024×768画素)画像である。したがって、128枚のフレームは、重複部分を無視すると、(横方向が1024×16=16,384画素で、縦方向が768×8=6,144画素)の約1億画素の画像を形成する。128枚のフレームを撮影するのに約5秒かかる。重複部分は、例えば縦横のそれぞれで16画素とされる。
【0028】
カメラ部は、ディジタルスチルカメラの構成とされ、レンズ部22とフォーカス・ズーム・アイリス制御部23と撮像部24とからなる。フォーカス・ズーム・アイリス制御部23は、コントローラバス21を介してコントローラCPU33から供給される制御信号によって制御される。撮像部24は、固体撮像素子例えばCCDとカメラ信号処理回路とを含む。撮像部24からのディジタル映像信号がIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 1394のインターフェース25を介してバッファメモリ26に書き込まれる。
【0029】
バッファメモリ26の出力データがJPEGエンコーダ/メタデータ付加部27に供給され、画像データがJPEGデータに変換される。JPEGは、圧縮方式の1つであって、他の圧縮方式を使用しても良いし、圧縮しないでも良い。
【0030】
カメラユニット3には、その位置を検出するためのGPS(Global Positioning System) 28が備えられている。GPS28を備えることによって、カメラの設置場所のデータを記録できると共に、カメラの向きを検出し、複数のカメラの向きを連動して制御することが可能となる。GPS28は、コントローラバス21を介してコントローラCPU33から供給される制御信号によって制御される。
【0031】
GPS28の出力信号がメタデータ生成部29に供給され、GPS28の測位結果に基づいた位置情報(緯度・経度、方位、高度等の情報)およびメタデータ(時刻、カメラ部のパラメータ(倍率、フォーカス値、アイリス値等)等の情報)が生成される。位置情報およびメタデータがJPEGエンコーダ/メタデータ付加部27に供給され、JPEGデータに対して位置情報およびメタデータが付加される。
【0032】
メタデータおよび位置情報が付加されたJPEGデータがハードディスク等のメインメモリ30に蓄積されると共に、グラフィックコントローラ31および画像圧縮部32に供給される。この明細書では、メインメモリ30に対する蓄積を記録と呼び、メインメモリ30からデータを読み出すことを再生と呼ぶことにする。また、メインメモリ30を介さないで現に撮影中の画像を表示することをライブモードと称し、過去に記録されたデータをメインメモリ30から再生して表示することをビューモードと称する。
【0033】
メインメモリ30は、サーバとしての機能を有する。例えばXGAの画像をJPEGで圧縮した結果、1枚のフレームのデータ量は、100kバイトとなり、128枚の画像で12.5Mバイトのデータ量である。メインメモリ30が80Gバイト程度の容量を有していれば、1日分のJPEGデータを保存することが可能である。ビューモードにおいては、メインメモリ30に限らず、アーカイブ等の蓄積装置に蓄積されているより旧いデータを再生することを可能とされている。
【0034】
メインメモリ30から読み出されたJPEGデータがグラフィックコントローラ31に供給される。画像圧縮部32は、JPEGエンコーダ/メタデータ付加部27からのJPEGデータ、またはメインメモリ30から読み出されたJPEGデータから圧縮画像またはサムネイル(縮小画像)を生成する。例えば縦方向および横方向のそれぞれが間引かれることで、パノラマ状の全体画像が形成される。また、後述する可動範囲画像を形成するための圧縮処理も、画像圧縮部32においてなされる。上述したように、XGAの場合では、約1億画素のデータがJPEG圧縮と画像圧縮部32の処理によって、(400×1000画素)のようなパノラマ状の全体画像が形成される。可動範囲画像もサムネイルであるが、全体画像よりもさらに粗い画像である。
【0035】
グラフィックコントローラ31は、JPEGデータをビットマップデータへ変換し、ディスプレイ2の画面上に所望の画像表示がなされるようなグラフィックス処理を行う。すなわち、可動範囲画像表示、全体画像表示、選択画像表示、ボタン等のGUI表示がディスプレイ2の画面上でなされる。表示の詳細については、後述する。
【0036】
また、グラフィックコントローラ31は、画像処理を行い、画像変化を検出する。画像変化は、リファレンス画像に対して生じた変化である。例えばビューモードにおいて、以前に蓄積されたリファレンス画像との比較がなされ、画像変化が検出される。リファレンス画像として、前日の所定時刻の画像を設定し、それ以降に蓄積された画像とリファレンス画像との画素の差分を検出し、画素の差分の絶対値が所定値以上の場合を変化が生じたものと検出する。差分の検出としては、比較しようとする画像とリファレンス画像との空間的同一位置のフレーム毎に同一位置の画素の差分値を演算する方法が使用できる。全画素に関する差分を検出するのに代えて、代表画素または間引かれた画素に関して差分を演算しても良い。また、所定の色を限定することによって、所定の色の物体に着目した変化検出を行うことも可能である。
【0037】
変化が検出されると、ディスプレイ2上の表示でアラーム例えば変化が検出されたフレームを他のフレームと区別できる表示がなされる。具体的には、輝度変化、色変化、ブリンク等の方法でアラームを表示できる。リファレンス画像は、蓄積されている画像の中で、所定のものを任意に選択することが可能とされている。
【0038】
上述したように、コントローラバス21に接続されたコントローラCPU33は、カメラ部のレンズ制御(例えば、フォーカス等)、露出制御(例えば、絞り、ゲイン、電子シャッタースピード等)、白バランス制御、画質制御等を行うと共に、パン部4aおよびチルト部4bを制御する。
【0039】
参照符号34は、I/Oポートである。I/Oポート34に対しては、キーボード35およびマウス36が接続され、また、I/Oポート34に対しては、メモリカード37および時計38が接続されている。メモリカード37に対して、メインメモリ30に蓄積されている位置情報およびメタデータが付加されたJPEGデータを書き込むことができる。また、時計38から時刻データが得られる。
【0040】
なお、図2では、コントローラバス21に対して各構成要素が接続されているが、カメラユニットとコンピュータとを離れた場所に設置し、両者をIEEE1394、USB等で接続するようにしても良い。この場合、物理的伝送路としては、光ファイバが使用される。光ファイバを使用すれば、数百メートルから数キロメートル程度カメラユニットと制御用のコンピュータとを離して配置できる。さらに、両者を無線LANで接続しても良い。
【0041】
図3に、この発明の一実施形態によるGUIの画面例を示す。以下、この図3を参照しながら、この発明の一実施形態によるGUIの画面に備えられた表示部、操作ボタンおよび表示領域などについて説明する。1画面には、可動範囲画像表示部101、全体画像表示部102および選択画像表示部103が配置されている。
【0042】
可動範囲画像表示部101には、可動範囲画像が表示される。可動範囲画像とは、カメラユニットが撮影可能な最大範囲を示す画像であり、複数枚のフレームにより構成される。そのためこの一実施形態では、図に示すようにパノラマ状の画像となる。上述したように、パン角の最大値が180°とされ、チルト角の最大値が90°とされており、この最大可動範囲で撮影された複数枚のフレームから可動範囲画像が生成される。なお、この可動範囲画像表示部101には、構成される複数のフレームに付加されている位置情報が組み込まれている。
【0043】
そして、後述するMRP(Movable Range Picture)表示ボタン130がクリックされた時、またはカメラユニットを設置し、撮影開始時において、カメラ部を最大可動範囲にわたって動かし、その結果得られる複数枚のフレームで構成される画像に関して縦方向および横方向に画素を間引いたサムネイルが可動範囲画像として使用される。また、所定の時間間隔で可動範囲画像を構成する全フレームを撮影し、蓄積および/または表示するようにしても良い。
【0044】
この可動範囲画像表示部101には、全体画像表示部102に表示されている範囲を認識するための全体画像表示枠101a(照準線)が示される。この全体画像表示枠101aをマウス36で動かすことによって、可動範囲画像内の所望の範囲を指示することができ、指示された範囲を撮像するようにカメラ部を制御することができる。すなわち、指示された範囲において、(M×N)枚のフレーム(静止画像)が撮影され、蓄積および/または表示される。
【0045】
なお、この全体画像表示枠101aは一例であり、様々な形状で全体画像表示部102に表示されている範囲を可動範囲画像表示部101に示すようにしても良い。具体的には、図4Aに示すように、全体画像表示部102に表示されている範囲の4辺を示すようにしても良いし、図4Bに示すように、全体画像表示部102に表示されている範囲の4隅を示すようにしても良いし、図4Cに示すように、全体画像表示部102に表示されている範囲の4隅および中央を示すようにしても良い。
【0046】
また、この全体画像表示枠101aの大きさは、一例として可動範囲画像表示部101に表示されるフレームの(8×16)枚の大きさであり、後述するREC MODE選択メニュー118で選択される記録モードの画像サイズに合わせた大きさである。従って、後述するように(4×8)枚のフレームの大きさであっても良いし、(2×4)枚のフレームの大きさであっても良い。また、1つのフレームの大きさは、レンズ部22の倍率による。
【0047】
この全体画像表示枠101aを移動させる場合、一例として全体画像表示枠101aの中央となるフレームをマウス36で選択した後、選択したフレームが中央となるように全体画像表示枠101aを表示する。また、マウス36の移動に連動して全体画像表示枠101aを移動するようにしても良いし、全体画像表示枠101aの例えば左上となるフレーム、または対角となる左上と右下の2つのフレームをマウス36で選択するようにしても良い。このように、その位置を移動した全体画像表示枠101aに対応した範囲を撮影するためにカメラユニットが制御され、カメラユニットの光軸が向けられる。
【0048】
また、全体画像表示部102には、パノラマ状の全体画像が表示される。全体画像は、撮影された原画像に対応するJPEGデータを画像圧縮部32によって圧縮した画像である。表示されている全体画像を見ることで、モニタリングを行うことができる。さらに、前述したように、画像変化が検出されると、全体画像表示部102に表示されている全体画像中で変化が検出されたフレームが他のフレームと異なる表示とされるアラームが発生する。
【0049】
選択画像表示部103には、選択画像が表示される。選択画像は、全体画像の一部を拡大した画像である。全体画像中で指示された位置の例えばフレームが選択画像として表示される。圧縮されていない1フレームの原画像を表示することで拡大することができる。さらに、ディジタル信号処理によって画像を拡大することもできる。
【0050】
EXITボタン104は、モニタリングシステムの電源をオフするためのボタンである。Camera system OFFボタン105は、カメラユニットの電源をオフするためのボタンである。
【0051】
VIEW MODEボタン106は、モニタリングシステムのモードをビューモードに切り換えるためのボタンである。ビューモードとは、メモリ30または他のサーバに蓄積された画像データに基づき、全体画像および部分画像を表示するモードである。
【0052】
LIVE MODEボタン107は、モニタリングシステムのモードをライブモードに切り換えるためのボタンである。ライブモードとは、カメラユニットが現在撮影しているフレームに基づき、全体画像および部分画像を表示するモードである。
【0053】
Compas表示領域108は、カメラユニットのレンズの光軸が向いている方位を示すコンパスを表示するための領域である。GPS Data表示領域109は、カメラユニットが設置されている場所の緯度、軽度および高度と、撮影の日時とを表示すための領域である。なお、この領域108および109に表示されるデータは、カメラユニットに備えられたGPS28において測定されたデータである。
【0054】
View offsetボタン110は、選択されたフレームの位置を調整するためのボタンである。View offsetボタン110は、それぞれ全体画像表示部102に表示されている全体画像中でポインタにより選択された1枚のフレームを、上方向、下方向、左方向、右方向に移動させるためのものである。全体画像を構成する複数枚のフレームは、隣り合うフレームと所定画素数、例えば上下、左右で16画素重複して表示されている。この重複部分の範囲内でフレームを移動させることによって、隣り合うフレームとの整合性を取ることができ、表示状態をなめらかなものとできる。
【0055】
モード表示領域129は、モード情報、アラーム情報およびエラー情報などを表示するための領域である。モード情報は、ユーザにモニタリングシステムのモードを知らせるための情報であり、具体的には、ライブモードおよびビューモードなどの情報である。アラーム情報は、ユーザに警告を促すための情報であり、例えば、上述したView offsetボタン110によりフレームを移動できる限界に達した時に表示される。エラー情報は、ユーザにモニタリングシステムにおいて発生しているエラーを知らせるための情報である。
【0056】
Camera Contorol部111は、ZOOMボタン112、FOCUSボタン113、IRISボタン114、Camera Configurationボタン115およびWhite Balanceボタン116を備える。ZOOMボタン112は、カメラユニットのズームを調整するためのボタンである。FOCUSボタン113は、カメラユニットのフォーカスを調整するためのボタンである。IRISボタン114は、カメラユニットのアイリス調整をするためのボタンである。Camera Configurationボタン115は、カメラユニットのγ特性、シャッタースピード、ゲイン特性などの調整をするためのボタンである。White Balanceボタン116は、カメラユニットの白バランスを調整するためのボタンである。なお、カメラシステムがビューモードにある場合には、Camera Contorol部111の表示が省略されるようにしてもかまわない。
【0057】
SELECTボタン117は、ビューモードにおいて、セレクト画面を表示するためのボタンである。セレクト画面は、再生および記録を所望する領域を、全体画像を構成するフレームにより特定するための画像である。
【0058】
図5に、セレクト画面の一例を示す。図5に示すように、セレクト画面は、閉じるボタン151、画面表示部152、および閉じるボタン153から構成される。閉じるボタン151および153は、このセレクト画面を閉じるときにクリックされるボタンである。画面表示部152では、全体画像に対してフレームの区切りを示す格子状の表示が重畳して示される。画面表示部152において、例えば、所望の位置にあるフレームをポインタにより指示すると、そのフレームが選択されると共に、選択されたことを表示するために、指示されたフレームの明るさ、解像度、コントラストなどが変化する。
【0059】
REC MODE選択メニュー118は、記録モードを選択するためのプルダウンメニューである。このプルダウンメニューには、記録する画像サイズと記録方法(RUNまたはSINGLE)とを組み合わせた記録モードが表示される。画像サイズは、(8×16)枚のフレームから構成される全体画像と、全体画像の内の選択された(4×8)枚のフレームから構成される部分画像と、全体画像の内の選択された(2×4)枚のフレームから構成される部分画像との何れかが可能とされている。部分画像は、セレクト画面から選択された位置のものである。記録方法のRUNは、所定周期(例えば5秒周期)で発生する撮影画像を記録する方法であり、そのSINGLEは、1回のみ記録する方法である。記録モードとしては、これらを組み合わせたものが選択可能とされている。
【0060】
Stage Config(Stage Configuration)ボタン119は、ステージを動かす精度などを微調整するためのボタンである。メッセージ領域120は、コントロール用のコンピュータとカメラユニットとの接続状況およびカメラユニットのステージのコントロール状況を表示するための領域である。コントロール用のコンピュータとカメラユニットとが接続されている場合には、この図3中に示すように、メッセージ領域に“IMAGE SERVER CONNECT”が表示される。また、カメラユニットのステージがコントロール可能な状況にある場合には、メッセージ領域に“STAGE CONTROL ACTIVE”が表示される。
【0061】
RECボタン121は、画像の記録を開始するためのボタンであり、このボタンを押圧すると、RECモードメニューで選択されている記録モードに応じた記録が開始される。具体的には、RUN(8×16)、RUN(4×8)、RUN(2×4)、SELECT SINGLE RUN(8×16)、SELECTSINGLE RUN(4×8)、SELECT SINGLE RUN(2×4)などのモードから選択されたモードに応じた記録が開始される。
【0062】
PLAYボタン122は、サーバ(メインメモリ30)に蓄積された画像データを再生するためボタンである。具体的には、このPLAYボタン122を押圧すると、蓄積データ表示画面が表示される。この蓄積データ表示画面には、蓄積されている画像データを識別するための情報が表示される。この情報は、後述するディレクションファイルに記述されている情報に基づいたものである。
【0063】
図6に、記録データ表示画面の一例を示す。図6に示すように、この記録データ表示画面には、最小化ボタン161、最大化ボタン162、閉じるボタン163、日付指定欄164、時間指定欄165、蓄積データ表示欄166、最新蓄積データ表示欄167、OKボタン168、キャンセルボタン169、および蓄積部変更チェックボタン170が表示される。
【0064】
最小化ボタン161は、この蓄積データ表示画面を最小化するとき、例えばアイコンにするときにクリックされるボタンである。最大化ボタン162は、この蓄積データ表示画面を最大化させて、モニタの表示範囲の全てを使用して表示するときにクリックされるボタンである。閉じるボタン163は、この蓄積データ表示画面を閉じるときにクリックされるボタンである。
【0065】
日付指定欄164では、全体画像表示部102に表示させたい蓄積データの日付が指定される。例えば、日付指定欄164の右端に設けられたボタン164aをクリックすることによって、表示可能な蓄積データの日付がプルダウンメニュー形式で表示され、表示された日付の中から選択するようにしても良い。
【0066】
時間指定欄165では、全体画像表示部102に表示させたい蓄積データの時間が指定される。例えば、時間指定欄165の右端に設けられたボタン165aをクリックすることによって、表示可能な蓄積データの時間がプルダウンメニュー形式で表示され、表示された時間の中から選択するようにしても良い。
【0067】
蓄積データ表示欄166には、蓄積部の中から日付指定欄164および時間指定欄165において指定された日時の蓄積データが表示される。最新蓄積データ表示欄167には、蓄積部に蓄積されている蓄積データの中から最新の蓄積データが表示される。また、日付指定欄164および時間指定欄165において指定された日時の中の蓄積データの中から最新となる蓄積データを表示するようにしても良い。
【0068】
OKボタン168は、所望の蓄積データが指定されたときにクリックされるボタンである。キャンセルボタン169は、この蓄積データ表示画面を閉じるときにクリックするボタンである。蓄積部変更チェックボタン170は、蓄積データの読み込み先を蓄積部から、例えば着脱自在の半導体メモリに変更するときにチェックを入力するチェックボタンである。
【0069】
図3に戻って説明すると、STOPボタン123は、記録または再生動作を停止するためのボタンである。なお、STOPボタン123は、RECボタン121あるいはPLAYボタン122の押圧により表示されるようにしても良い。
【0070】
Set Camera Center POS(Set Camera Center POSITION)ボタン125は、現在カメラ部が向いている方向を(8×16)の画像のセンターとして指定するためのボタンである。
【0071】
HOMEボタン124は、カメラユニットを制御し、カメラユニットのレンズの光軸をホームポジションに向けるためのボタンである。ホームポジションは、カメラ部が一番左側の位置を向いている位置である。LIVE/VIEW POSITIONボタン126は、カメラ部をパンあるいはチルトするためのボタンである。
【0072】
ZOOMボタン127aおよび127bは、選択画像表示部103に表示された選択画像の拡大、縮小を行うためのボタンである。MAX VIEWボタン128は、選択画像を別画面例えば全体画像表示部102により拡大表示するためのボタンである。
【0073】
MRP表示ボタン130は、可動範囲画像表示部101に表示される複数枚のフレームを撮影し、蓄積および/または表示するときにクリックされるボタンである。すなわち、このMRP表示ボタン130がクリックされると、カメラユニットが撮影可能な全ての範囲をフレーム単位で撮影し、撮影された各フレームが持っているカメラ部の位置情報に基づいて全フレームを集合させて、可動範囲画像として可動範囲画像表示部101に表示させる。
【0074】
ここで、図7を用いて、この発明の一実施形態による可動範囲画像表示部101について説明する。この可動範囲画像表示部101に表示される可動範囲画像は、上述したようにMRP表示ボタン130をクリックした時、またはカメラユニットを設置し、撮影開始時において、カメラ部を最大可動範囲にわたって動かし、フレーム単位で撮影される。その撮影の結果得られる複数枚のフレームで構成される画像に関して縦方向および横方向に画素を間引いたサムネイルをカメラ部の位置情報を基に集合させ、図7に示すように1つの画像(可動範囲画像)として表示される。
【0075】
このとき、それぞれのフレームに付加されるカメラ部の位置情報と、可動範囲画像表示部101内の座標とが予め関連付けられているので、可動範囲の全てのフレームをカメラ部の位置情報に基づいて、関連付けられている座標へ配置させ、集合させることによって可動範囲画像を生成することができる。この図7の一例では、パン方向に180°、チルト方向に90°の広範囲からなる可動範囲画像が生成され、可動範囲画像表示部101に表示される。
【0076】
この可動範囲画像表示部101上の各フレームは、パン部4a、チルト部4bからカメラ部の可動範囲上における位置を示す仰角データと、GPS28で測位された位置情報およびメタデータとを備える。すなわち、位置情報を持つ可動範囲画像をGUIとして、マウス36を使用して任意の範囲を全体画像表示枠101aにて選択すると、選択された全体画像表示枠101aの位置情報に基づいて、選択された範囲のカメラ部の位置情報を得ることができる。
【0077】
このように、可動範囲画像表示部101に表示される複数枚のフレームを集合させた可動範囲画像をGUIとすることによって詳細な位置選択が可能となる。
【0078】
この一実施形態では、可動範囲画像に集合した複数枚のフレームのそれぞれにカメラ部の位置情報およびメタデータが付加されているとしたが、カメラ部の位置情報と可動範囲画像表示部101内の座標とは予め関連付けられているので、可動範囲画像表示部101の座標からカメラ部の位置情報を求めるようにしても良い。
【0079】
この一実施形態では、撮影されたそれぞれのフレームに付加されるカメラ部の位置情報が予め可動範囲画像表示部101内の座標と関連付けられているとされているが、座標ではなく、可動範囲画像表示部101内の画素位置と関連付けられていても同様の効果を得ることができる。
【0080】
この一実施形態では、マウス36を利用して任意の範囲を全体画像表示枠101aにて選択し、選択された範囲のカメラ部の位置情報を得るようにしているが、選択された全体画像表示枠101aのセンタのGUI上の位置情報から全体画像表示枠101a全体の位置情報を得るようにしても良い。
【0081】
この発明による可動範囲画像表示部101および全体画像表示枠101aの一実施形態の動作を説明する。ディスプレイ2上に表示されているMRP表示ボタン130がマウス36でクリックされる。コントローラCPU33は、MRP表示ボタン130がクリックされると、パン部4aおよびチルト部4bを制御し、可動範囲全体を撮影するように、フレーム毎にカメラ部を移動させる。
【0082】
そして、撮像部24はそれぞれ決められたフレーム位置で撮影され、撮影された画像はバッファメモリ26に一時保存され、JPEGエンコーダ/メタデータ付加部27でJPEG形式に画像圧縮が施される。このときGPS28から位置情報およびメタデータと、パン部4aおよびチルト部4bの位置を示す仰角データとが、それぞれのフレームに付加される。これらのデータが付加されたフレームは、メインメモリ30に保存される。
【0083】
また、それと同時に撮影されたフレームは、画像圧縮部32において、可動範囲画像に適したサイズに圧縮される。この圧縮された画像は、グラフィックコントローラ31を介して、ディスプレイ2上の可動範囲画像表示部101の所定の位置に表示される。
【0084】
マウス36を可動範囲画像表示部101上に移動させることによって全体画像表示枠101aの位置が移動する。そして、マウス36でクリックされた位置のフレームに付加されている位置情報、メタデータおよび仰角データが読み出される。
【0085】
読み出された位置情報および仰角データに合致する全体画像の範囲のフレームがメインメモリ30から読み出される。読み出されたフレームは、画像圧縮部32において、全体画像に適したサイズに圧縮される。この圧縮された画像は、グラフィックコントローラ31を介して、ディスプレイ2上の全体画像表示部102の所定の位置に表示される。これと同時に読み出されたフレームの位置情報および仰角データに基づいてパン部4a、チルト部4bが駆動され、カメラ部の方向が制御され、撮影される。
【0086】
次に、図8を用いて、この発明の一実施形態による全体画像の作成方法の一例について説明する。図8に示すように、カメラユニット3は、パンチルタ部4の雲台にカメラ部5が設置され、ホームポジションから撮像方向が可変される。図8において、撮影された(M×N)枚のフレームをカメラ部側から見て、各行に対して上から順に1、2、・・・、Mの番号を付し、各列に対して左から順に1、2、・・・、Nの番号を付す。ホームポジションが例えば(1,1)の座標のフレームを撮影する位置とされる。
【0087】
(1,1)の座標位置のフレームを撮影すると、カメラユニット3が下側にチルトされ、(2,1)の座標位置のフレームが撮影され、以下、順に(3,1)・・・・、(M,1)の座標位置のフレームが撮影され、次に第2列の一番上の座標位置(1,2)のフレームが撮影される。以下、各フレームを(M,N)の座標位置のフレームまで撮影する。上述したように、各フレームが他のフレームと16画素分の重複部分を有する。撮影された各フレームがJPEGによる圧縮、メインメモリ30への蓄積等の処理を受ける。
【0088】
上述したように、各フレームが例えばXGA(1024×768画素)画の場合では、128枚のフレームからなる画像は、重複部分を無視すると、(横方向が1024×16=16,384画素で、縦方向が768×8=6,144画素)の約1億画素の画像である。上述した全体画像表示部102には、この画像から形成された圧縮画像またはサムネイル画像が表示され、選択画像表示部103には、例えば1フレームのXGA画像が表示される。したがって、選択画像表示部103には、解像度が極めて高い画像を表示することができ、全体画像では、不明瞭な画像も選択画像では、明瞭な画像として表示できる。
【0089】
図9に、75倍の望遠レンズがカメラユニットに備えられている場合に、1フレームで撮影できる範囲を示す。カメラユニットから100m離れた距離にある被写体を撮影する場合には、1フレームで、縦8.7m×横1.17mの範囲を撮影することができる。例えば、カメラ部の撮像素子として、XGAを用いた場合には、被写体の縦0.87cm×横1.17cmの範囲を約1画素で表することができる。
【0090】
カメラユニットから200m離れた距離にある被写体を撮影する場合には、1フレームで、縦1.74m×横2.34mの範囲を撮影することができる。例えば、カメラ部の撮像素子として、XGAを用いた場合には、被写体の縦1.74cm×横2.34cmの範囲を1画素で表すことができる。
【0091】
カメラユニットから500m離れた距離にある被写体を撮影する場合には、1フレームで、縦4.36m×横5.84mの範囲を撮影することができる。例えば、カメラ部の撮像素子として、XGAを用いた場合には、被写体の縦4.36cm×横5.84cmの範囲を1画素で表すことができる。
【0092】
図10を参照して取得した画像データをアーカイブ10、メインメモリ30等に保存する場合のデータ管理方法を説明する。上述したように、所定時間間隔で、(M×N)枚のフレームの画像が撮影され、圧縮されて蓄積される。図10Aに示すように、M行N列によって各フレームの位置が規定される。例えば(1,1)の位置アドレスは、右端の最も上のフレームを特定する。各フレームは、この位置アドレスと記録時の時間情報とをファイル名として有する。時間情報は、年月日時分秒で構成される。したがって、各フレームのファイル名は、(年月日時分秒、位置アドレス)である。
【0093】
さらに、図10Bに示すように、(M×N)枚のフレームで全体的な1枚の画像が形成されることに対応して、ディレクションファイルが規定されている。ディレクションファイルは、(1,1)の位置アドレスを有するフレームのファイル名(すなわち、年月日時分秒、位置アドレス)と同一のデータを持つことで、当該(M×N)枚のフレームの集合を定義する。さらに、このフレームの集合に対する位置情報およびメタデータをディレクションファイルが有する。位置情報およびメタデータは、メタデータ生成部29で生成されたものである。すなわち、緯度・経度、方位、高度等の位置情報と、カメラ部のパラメータ(倍率、フォーカス値、アイリス値等)等のメタデータ情報とをディレクションファイルが有する。
【0094】
この発明は、上述したこの発明の一実施形態等に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば上述した一実施形態は、可動範囲画像を1枚とした例であるが、複数枚の可動範囲画像を持つようにしても良い。
【0095】
この一実施形態では、可動範囲画像表示部101上で全体画像表示枠101aを移動させて、所望の範囲が選択されると、選択された範囲の複数枚のフレームを撮影し、全体画像表示部102に表示するようにしているが、移動させているときにも、既に記録されているフレームをメインメモリ30から読み出し、全体画像表示部102に表示するようにしても良い。
【0096】
【発明の効果】
この発明に依れば、広範囲にわたる可動範囲を有するカメラ用のパンチルタ装置において、その可動範囲内でどのような全体画像を取り込むことができるのかを簡単にユーザに情報として表示することが可能であり、且つその表示を用いてカメラコントロールを簡便に行うことができる。さらに、取り込んだ全体画像の中で所望の位置を選択して、その位置の詳細な選択画像を表示することができる。このような3段階のグラフィカル表示によって、目的とする位置の画像の認識を容易に行うことが可能となる。
【0097】
この発明に依れば、広範囲にわたる地域を監視する必要がある場合でも、簡単にカメラの方向を合わせることができ、必要な画像を失敗することなく取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のモニタリングシステムを概略的に示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態のブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態における画面表示の一例を説明するための略線図である。
【図4】この発明の一実施形態における全体画像表示枠の一例を説明するための略線図である。
【図5】この発明の一実施形態におけるセレクト画面の一例を説明するための略線図である。
【図6】この発明の一実施形態における再生時の蓄積データ表示画面の一例を説明するための略線図である。
【図7】この発明の一実施形態における可動範囲画像表示部の一例を説明するための略線図である。
【図8】この発明の一実施形態における撮影動作および画像取得動作を説明するための略線図である。
【図9】この発明の一実施形態における被写体までの距離と撮影範囲および解像度を説明するための略線図である。
【図10】撮影された画像の管理方法を説明するための略線図である。
【符号の説明】
1・・・コンピュータ、2・・・ディスプレイ、3・・・カメラユニット、4・・・パンチルタ部、5・・・カメラ部、21・・・コントローラバス、24・・・撮影部、27・・・JPEGエンコーダ/メタデータ付加部、30・・・メインメモリ、31・・・グラフィックコントローラ、32・・・画像圧縮部、33・・・コントローラCPU、101・・・可動範囲画像表示部、102・・・全体画像表示部、103・・・選択画像表示部
Claims (4)
- 撮像方向を可変する撮像方向可変部に取り付けられた撮像部と、
上記撮像部によって撮影された画像データを蓄積する蓄積部と、
上記撮像方向可変部の最大可動範囲において、各撮像方向で撮像された複数枚の静止画像からなる原画像または上記原画像を圧縮した圧縮画像を上記蓄積部に蓄積し、蓄積された上記原画像または上記圧縮画像をさらに圧縮して生成された可動範囲画像と、上記可動範囲画像内の一部の領域であるパノラマ状の全体画像の位置を認識するために重畳された照準とからなる画像を表示する可動範囲画像表示部と、
上記可動範囲画像表示部における上記照準に基づいて選択されたパノラマ状の全体画像の範囲の画像を撮影するように、上記撮像方向可変部が制御され、各撮像方向で撮影された複数枚の静止画像からなる原画像または上記原画像を圧縮した圧縮画像を上記蓄積部に蓄積し、蓄積された上記原画像または上記圧縮画像をさらに圧縮して生成された画像からなるパノラマ状の全体画像を表示する全体画像表示部と、
上記全体画像内の一部の領域を選択し、選択した位置に対応する選択画像を表示する選択画像表示部と、
上記可動範囲画像、上記全体画像および上記選択画像の生成と表示を制御する制御部とを備え、
上記可動範囲画像表示部、上記全体画像表示部および上記選択画像表示部は、表示手段のそれぞれ異なる領域に構成され、
上記全体画像の範囲を上記照準に基づいて選択している間、および上記全体画像を上記照準で選択し、上記全体画像の撮影が開始されるまでの間、上記照準に基づいて選択された上記全体画像の画像データを上記蓄積部から読み出して上記全体画像表示部に表示する
ことを特徴とするモニタリングシステム。 - 撮像方向可変部の最大可動範囲において、各撮像方向で撮像部によって撮像された複数枚の静止画像からなる原画像または上記原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された上記原画像または上記圧縮画像をさらに圧縮して生成された可動範囲画像と、上記可動範囲画像内の一部の領域であるパノラマ状の全体画像の位置を認識するために重畳された照準とからなる画像を表示する可動範囲画像表示ステップと、
上記照準に基づいて選択されたパノラマ状の全体画像の範囲の画像を撮影するように、上記撮像方向可変部が制御され、各撮像方向で撮影された複数枚の静止画像からなる原画像または上記原画像を圧縮した圧縮画像を上記蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された上記原画像または上記圧縮画像をさらに圧縮して生成された画像からなるパノラマ状の全体画像を表示する全体画像表示ステップと、
上記全体画像内の一部の領域を選択し、選択した位置に対応する選択画像を表示する選択画像表示ステップと
を備え、
上記可動範囲画像、上記全体画像および上記選択画像は、表示領域のそれぞれ異なる領域に構成され、
上記全体画像の範囲を上記照準に基づいて選択している間、および上記全体画像を上記照準で選択し、上記全体画像の撮影が開始されるまでの間、上記照準に基づいて選択された上記全体画像の画像データを上記蓄積部から読み出して上記全体画像表示部に表示する
ことを特徴とするモニタリング方法。 - 撮像方向可変部の最大可動範囲において、各撮像方向で撮像部によって撮像された複数枚の静止画像からなる原画像または上記原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された上記原画像または上記圧縮画像をさらに圧縮して生成された可動範囲画像と、上記可動範囲画像内の一部の領域であるパノラマ状の全体画像の位置を認識するために重畳された照準とからなる画像を表示する可動範囲画像表示ステップと、
上記照準に基づいて選択されたパノラマ状の全体画像の範囲の画像を撮影するように、上記撮像方向可変部が制御され、各撮像方向で撮影された複数枚の静止画像からなる原画像または上記原画像を圧縮した圧縮画像を上記蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された上記原画像または上記圧縮画像をさらに圧縮して生成された画像からなるパノラマ状の全体画像を表示する全体画像表示ステップと、
上記全体画像内の一部の領域を選択し、選択した位置に対応する選択画像を表示する選択画像表示ステップと
を備え、
上記可動範囲画像、上記全体画像および上記選択画像は、表示領域のそれぞれ異なる領域に構成され、
上記全体画像の範囲を上記照準に基づいて選択している間、および上記全体画像を上記照準で選択し、上記全体画像の撮影が開始されるまでの間、上記照準に基づいて選択された上記全体画像の画像データを上記蓄積部から読み出して上記全体画像表示部に表示するモニタリング方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 撮像方向可変部の最大可動範囲において、各撮像方向で撮像部によって撮像された複数枚の静止画像からなる原画像または上記原画像を圧縮した圧縮画像を蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された上記原画像または上記圧縮画像をさらに圧縮して生成された可動範囲画像と、上記可動範囲画像内の一部の領域であるパノラマ状の全体画像の位置を認識するために重畳された照準とからなる画像を表示する可動範囲画像表示ステップと、
上記照準に基づいて選択されたパノラマ状の全体画像の範囲の画像を撮影するように、上記撮像方向可変部が制御され、各撮像方向で撮影された複数枚の静止画像からなる原画像または上記原画像を圧縮した圧縮画像を上記蓄積部に蓄積するステップと、
蓄積された上記原画像または上記圧縮画像をさらに圧縮して生成された画像からなるパノラマ状の全体画像を表示する全体画像表示ステップと、
上記全体画像内の一部の領域を選択し、選択した位置に対応する選択画像を表示する選択画像表示ステップと
を備え、
上記可動範囲画像、上記全体画像および上記選択画像は、表示領域のそれぞれ異なる領域に構成され、
上記全体画像の範囲を上記照準に基づいて選択している間、および上記全体画像を上記照準で選択し、上記全体画像の撮影が開始されるまでの間、上記照準に基づいて選択された上記全体画像の画像データを上記蓄積部から読み出して上記全体画像表示部に表示するモニタリング方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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