JP3991438B2 - 医療用弁体および医療用挿入補助具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用弁体および医療用挿入補助具に係り、さらに詳しくは、止血性が良好であり、しかも挿入物の挿入時および引き抜き時の抵抗が小さい操作性に優れた医療用弁体および医療用挿入補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
心不全等の心機能低下時の治療のために用いる大動脈内バルーンポンピング法(いわゆるIABP法)、心臓の回りの血管を広げるためなどの治療のために用いる経皮的冠動脈形成方法(いわゆるPTCA法)、心臓の血流量を計測するためなどに用いられる熱希釈カテーテル法(いわゆるTDC法)などの治療法または診断法では、患者の動静脈血管内にカテーテル管を挿入する。このようなカテーテル管を患者の血管内に挿入するために、医療用挿入補助具(たとえばイントロデューサ)が用いられる。
【0003】
イントロデューサは、内部に通孔が形成されたシースを有する。このシース内には、必要に応じて針状のダイレータが挿入され、その状態で、患者の血管内にダイレータの先端部が挿入され、血管の挿入口をダイレータにより押し広げる。その後、ダイレータは、シースの基端部から抜き出される。シースの先端は、血管の挿入口に挿入されたままである。その後、シースの内部通孔を通して、カテーテル管が血管内に導入される。
【0004】
このようなイントロデューサでは、シースの基端部側に、医療用弁体が装着してあり、シースからダイレータを抜き取った後、カテーテル管を挿入するまでの間に、患者の血管からシースを通して血液が漏出することを防止している。この医療用弁体は、ダイレータがシース内に挿入されている間と、シースを通してカテーテル管を血管内に挿入する間にも、止血作用を奏することが要求される。
【0005】
シース内に装着される医療用弁体としては、十字形状またはY字形状の切込み状スリットから成る密着孔が形成された弾力性円盤状弁体が知られている。
【0006】
しかし、従来の弁体では、カテーテルやガイドワイヤを弁体に挿入するときの抵抗が高くなり、医療現場においてカテーテル等の挿入が容易でない場合がある。
【0007】
そこで、実公平5−4843号公報や実開平6−39011号公報に示すように、十字形状またはY字形状の切込み状スリットと、このスリットに連続する細孔と、この細孔に連続する円錐状の凹部との組合せから成る密着孔を持つ弾力性円盤状弁体が開発されている。なお、実公平5−4843号公報に示す弁体では、弁体の表面に形成された凹部による弁体の強度低下を補うために、凹部の表面に半径方向に伸びるリブが形成してある。また、実開平6−39011号公報に示す弁体では、カテーテル等を挿入するときの抵抗を低減するために、円錐状の凹部の表面に、細孔と同心円状に溝部(凸部)が形成してある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実公平5−4843号公報に示す弁体では、弁体の表面に形成された凹部の表面に半径方向に伸びるリブが、挿入物の挿入時および引き抜き時の抵抗を増加させ、操作性を低下させるものであった。また、実開平6−39011号公報に示す弁体では、弁体の表面に形成された凹部の表面に円周方向に伸びる凸部が、カテーテル等を挿入するときの抵抗を低減する目的で形成されているが、さらに抵抗を低減することができる構造が望まれていた。
【0009】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、止血性が良好であり、しかも挿入物の挿入時および引き抜き時の抵抗が小さい操作性に優れた医療用弁体および医療用挿入補助具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、止血性が良好であり、しかも挿入物の挿入時および引き抜き時の抵抗が小さい操作性に優れた医療用弁体について鋭意検討した。その結果、本発明者等は、長尺挿入物を挿入する側の弁本体の上面に、密着孔を中心として、複数の***物を、実公平5−4843号公報に示すリブと異なり半径方向に連続させることなく、しかも、実開平6−39011号公報に示す同心状の凸部と異なり円周方向に連続させることなく、半径方向および円周方向に断続して一体成形することで、弁体の止血性が良好に保持され、しかも挿入物の挿入時および通過時の抵抗が従来に比べて小さくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明に係る医療用弁体は、弁本体の上面から下面に向けて貫通するように長尺挿入物を液密性を保持しつつ挿入可能な密着孔が形成された弾力性を有する弁本体で構成してあり、前記長尺挿入物を挿入する側の弁本体の上面には、前記密着孔を中心として、複数の***物が、半径方向および円周方向に断続して一体成形してあることを特徴とする。
【0012】
前記***物の表面には、摩擦抵抗を低減させる物質がコーティングしてあることが好ましい。摩擦抵抗を低減させる物質は、とくに***物の表面にのみコーティングしてあることが好ましい。この場合、弁体の表面全体にコーティングする場合と比較して、弁体を構成する部材の弾力性が低下することがなく好ましい。摩擦抵抗を低減させるコーティング物質としては、特に限定されないが、四フッ化エチレン重合体、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化プロピレン共重合体等のフッ素樹脂;ビニリデンフルオライド−六フッ化プロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素ゴム;ポリウレタン、ポリパラキシリレンなどが例示される。
【0013】
前記***物の形状は、特に限定されず、半円球形、半楕円球形、三角錐形、四角錐形、多角錐形、台形、その他の形状が例示されるが、製造の容易性からは、半円球形が好ましい。また、複数種類形状の***物を弁本体の上面に一体成形しても良い。***物の大きさは、特に限定されないが、外径(円形以外の形状の場合には、***物に外接する円の外径)が、好ましくは0.01〜0.5mm、さらに好ましくは0.1〜0.3mm、突出高さが好ましくは0.01〜0.5mm、さらに好ましくは0.1〜0.3mmである。このような大きさの範囲にあるときに、医療用弁体の止血性が良好であり、しかも挿入物の挿入時および引き抜き時の抵抗が少ない。
【0014】
本発明では、複数の***物の外径は、全て同じでも良いが、弁体の略中心に位置する密着孔側に向けて小さくなることが好ましい。弁体の密着孔には、ガイドワイヤなどの小さい外径の長尺挿入物が挿入されたり、カテーテル管などの大きな外径の長尺挿入物が挿入されたりすることがあり、そのいずれの場合にも、止血性が要求されると共に、挿入時および引き抜き時の低抵抗性が要求される。本発明では、このように構成することで、長尺挿入物の外径によらず、止血性を低下させることなく、挿入物の挿入時および引き抜き時の抵抗の低減の効果が大きくなる。
【0015】
本発明では、弁体の密着孔は、切込み状スリットと、このスリットに連続する細孔とを有することが好ましい。切り込み状スリットとしては、特に限定されないが、十字形状またはY字形状のスリットが好ましい。このようなスリットは、***物が一体成形される弁体の上面と反対側の下面に形成されることが好ましい。細孔は、***物が一体成形される弁体の上面側に位置することが好ましい。***物が一体成形される弁体の上面には、略中心に位置する細孔に向けて傾斜するテーパ面を設け、そのテーパ面上に前記***物を一体成形しても良い。
【0016】
本発明では、複数の***物のうち、最も密着孔に近い複数の***物は、前記切り込み状スリットが伸びる放射方向位置に対応して一体成形してあることが好ましい。スリット方向に沿って弁体が裂けて止血性が低下することを有効に防止するためである。
【0017】
本発明では、複数の***物のうち、内側に位置する複数の***物と、それらの外側に位置する複数の***物との放射方向位置関係が、位置ズレする関係にあることが好ましい。このように位置ズレして***物を配置することで、止血性を良好に保持しつつ、長尺挿入物の挿入抵抗と引き抜き抵抗とを、さらに低減することができる。なお、放射方向位置関係が位置ズレする関係とは、密着孔の中心と***物の中心とを結ぶ放射方向の線が相互に位置ズレする関係を意味するものとする。
【0018】
本発明では、これら***物は、相互に所定間隔に離れて一体成形されることが好ましく、所定間隔(***物の中心間距離)としては、特に限定されないが、好ましくは0.1〜5mm、さらに好ましくは0.5〜2mmである。
【0019】
本発明では、半径方向および円周方向に断続して一体成形してある***物と共に、円周方向に連続するリング状突起を、最も外周位置にある***物の近くに一体成形しても良い。このリング状突起は、長尺挿入物の挿入時および引き抜き時の抵抗を低減するためのものではなく、比較的外径の大きな長尺挿入物を密着孔に通す場合に弁体が裂けることを有効に防止するためである。
【0020】
本発明では、弁体の下面側外周には、軸方向に突出する脚部が形成してあることが好ましい。前記脚部は、弁本体の周方向に沿って連続的に設けても良いし、断続的に設けても良い。脚部の軸方向高さh0は、弁本体の厚みをt0として、0.2×t0〜0.8×t0程度が好ましい。また、脚部の半径方向幅W0は、弁本体の外径をd0として、0.1×d0〜0.4×d0程度が好ましい。
【0021】
脚部を形成することで、弁体の密着孔に挿入物を挿入する時または引き抜く時に、弁本体の下面側に生じる圧縮力または引張力を分散することが可能になる。その結果、挿入物を挿入する時および引き抜く時の抵抗をさらに低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0023】
図1(A)〜(C)は本発明の一実施形態に係る医療用弁体の斜視図、IB−IB線に沿う断面図および背面図、図2は図1に示す医療用弁体の平面図、図3は図1に示す医療用弁体が用いられる医療用挿入補助具の断面図、図4〜6は医療用挿入補助具の使用状態を示す概略図、図7は本発明の他の実施形態に係る医療用弁体の平面図、図8(A)〜(C)は本発明の他の実施形態に係る医療用弁体の断面図、図9(A)および(B)は本発明の実施例に係る弁体の挿入抵抗および引き抜き抵抗の測定方法を示す概略図、図10は本発明の比較例に係る医療用弁体の平面図である。
【0024】
第1実施形態
図1および2に示す本実施形態に係る医療用弁体40は、たとえば図3に示す医療用挿入補助具としてのイントロデューサ6の基端部に装着される。イントロデューサ6は、図3〜5に示すように、ダイレータ4と組み合わされて用いられる。
【0025】
まず、ダイレータ4とイントロデューサ6との概略について説明する。
ダイレータ4は、図3および4に示すように、血管の挿入口を押し広げるためのテーパ状先端部8aが形成されたダイレータ本体8と、このダイレータ本体8の基端部に接合してあるキャップ部10とを有する。
【0026】
ダイレータ本体8は、図5に示すように、中空のチューブで構成してあり、その内部に、ガイドワイヤ挿通孔8bが形成してある。このダイレータ本体8の基端部に、ダイレータハブ部12およびキャップ部10が、接着または融着などの手段で接合してある。ダイレータ本体8は、たとえばフッ素樹脂、ポリアミド、ポリエチレン製のチューブで構成され、その内径は、たとえば0.5〜2.0mmであり、その肉厚は、たとえば0.1〜2.0mmである。
【0027】
イントロデューサ6は、図4に示すように、ダイレータ本体8の先端部8aが突き出すように差し込まれるシース14と、このシース14の基端部に接合してあるシースハブ部16とを有する。シース14は、図3に示すように、中空のチューブで構成してあり、その内部に、ダイレータ本体8が挿通するようになっている。シース14の長さは、その先端から、ダイレータ本体8のテーパ状先端部8aが突き出すように設計される。
【0028】
シース14は、たとえばフッ素樹脂、ポリウレタン、ポリアミド製のチューブで構成され、その内径は、たとえば1.0〜5.0mmであり、その肉厚は、たとえば0.1〜1.0mmである。
【0029】
このシース14の基端部には、シースハブ部16が、接着または融着などの手段で接合してある。シースハブ部16には、ルアーチューブ20が接続してある。ルアーチューブ20は、シース14とダイレータ本体8との隙間に連通し、このルアーチューブ20を通して、血液の吸引、ヘパリンなどの薬液や生理食塩水などの注入を行うことが可能になっている。
【0030】
シースハブ部16は、図5に示すように、キャップ部10の内部に形成してある嵌合用空間22内に着脱自在に嵌合可能になっている。しかも、本実施形態では、シースハブ部16の外周に、リング状の係合用凸部24が形成してあり、キャップ部10の内周に、係合用凸部24に係合する係合用凹部26が形成してある。
【0031】
係合用凸部24の突出高さは、特に限定されないが、その外径が、シースハブ部16の外径の10〜16%程度大きいことが好ましい。係合用凹部26の溝深さは、係合用凸部24の突起が係合するように設計される。
【0032】
シースハブ部16の外径aは、キャップ部10の内径bに対して、同等以上、好ましくは、3%〜7%大きいことが好ましい。キャップ部10内にシースハブ部16が嵌合することで、キャップ部10の内径bが、3〜7%拡張され、キャップ部10とシースハブ部16との一体化が確実になり、これらが外れ難くなるからである。
【0033】
本実施形態では、キャップ部10は、好ましくはショア硬度で90A以下、さらに好ましくは85A〜70Aの軟質合成樹脂又はエラストマーで構成してあり、具体的には、ポリウレタンまたはポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロン、天然ゴム、スチレン系エラストマーなどで構成してある。また、シースハブ部16は、曲げ弾性率が5000〜30000kg/cm2 の硬質合成樹脂で構成してあり、具体的には、ABS、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアセタール、ポリアクリルニトリル、ナイロン、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、あるいはポリプロピレン(PP)などで構成してある。
【0034】
本実施形態に係るイントロデューサ6のシースハブ部16には、図3に示すように、その基端部内部に医療用弁体40が装着してある。
本実施形態では、医療用弁体40は、図1(A)〜(C)および図2に示すように、その中心部に、ダイレータ4などの長尺挿入物を液密性を保持しつつ挿入可能な密着孔46が形成された弁本体45を有する。本実施形態では、密着孔46は、弁体40の上面41側に形成された細孔48と、下面43側に形成されたスリット50とから成る。
【0035】
スリット50は、本実施形態では、十字形状のスリットである。スリット50の上部は、細孔48に対して連通可能になっており、スリット50の切込み幅は、細孔48側で細孔48の内径d1と略同一であり、下面43側の切り込み幅w1は、細孔48の内径w1に対して、約1〜5倍程度の大きさであり、下面側に向けてテーパ状に切り込み幅が大きくなっている。なお、スリット50の切り込み幅は、テーパ状にすることなく、弁本体45の厚み方向に同じ幅w1であっても良い。ただし、スリット50の切込み断面を、弁本体45の下面43に向けて末広がりにすることで、漏れようとする血液などの体液の圧力が、スリット50における幅広の切込み断面側から幅狭の切込み断面側に作用し、幅狭の切込み断面側でスリット50と挿入物(たとえばダイレータ4)との隙間を閉じ、止血性が良好に保たれる。
【0036】
細孔48の内径d1は、細孔48に挿入される長尺挿入物の外径(一般には、ガイドワイヤの径、使用されるカテーテル径またはダイレータ径)よりも小さく設計されることが好ましく、具体的には、0.1〜4.0mm程度である。
【0037】
弁体40を構成する弁本体45の厚みt0は、特に限定されないが、長尺挿入物の挿入がスムーズに行われ、適切なシール性を有するように決定され、具体的には、0.5〜5.0mm程度である。
細孔48の深さは、本実施形態では、0.2〜0.6mmであり、スリット50の溝深さは、弁本体45の厚みt0から細孔48の深さを引いた値である。
【0038】
図1(B)に示すように、本実施形態では、弁本体45の下面外周部に、軸方向に延びる脚部54が一体に成形してある。脚部54は、弁本体45の周方向に沿って連続的に設けても良いし、断続的に設けても良い。脚部54の軸方向高さh0は、本実施形態では、0.5〜8mm程度である。また、脚部54の半径方向幅w0は、本実施形態では、0.5〜10mm程度である。
【0039】
また、本実施形態では、図1および2に示すように、弁本体45の上面には、密着孔46を中心として、複数の***物42a〜42dが、半径方向および円周方向に断続して、弁本体45と一体成形してある。これら***物42a〜42dの形状は、本実施形態では、半円球形状であり、弁本体45の略中心に位置する密着孔46側に向けて小さく成るように構成してある。密着孔46に最も近接する***物42aは、スリット50の十字形状切り込み方向(放射方向)に対応して、円周方向の4カ所に配置してある。スリット50の切り込み方向に沿って弁本体45が裂けて止血性が低下することを有効に防止するためである。
【0040】
これらの***物42aの外径および***高さは、特に限定されないが、外径が、0.05〜0.1mmであり、その***高さが、0.025〜05mmである。
【0041】
これら***物42aの外側に位置する4つの***物42bは、***物42aの放射方向位置に対して約45度の角度で位置ズレする位置であって、円周方向に略等間隔に配置してある。なお、放射方向位置が位置ズレする関係とは、密着孔46の中心と***物42a,42bの中心とを結ぶ放射方向の線が相互に位置ズレする関係を意味するものとする。これらの***物42bの外径および***高さは、内側に配置される***物42aに対して、それぞれ10〜60%大きいことが好ましい。
【0042】
これら***物42bの外側に位置する8つの***物42cは、***物42bの放射方向位置に対して約22.5度の角度で位置ズレする位置であって、円周方向に略等間隔に配置してある。これらの***物42cの外径および***高さは、内側に配置される***物42bに対して、それぞれ10〜60%大きいことが好ましい。
【0043】
これら***物42cの外側に位置する8つの***物42dは、***物42cの放射方向位置に対して約22.5度の角度で位置ズレする位置であって、円周方向に略等間隔に配置してある。これらの***物42dの外径および***高さは、内側に配置される***物42cに対して、それぞれ10〜60%大きいことが好ましい。
【0044】
これら***物42a〜42dは、相互に所定間隔に離れて一体成形されることが好ましく、所定間隔(***物の中心間距離)としては、特に限定されないが、0.5〜5mmである。
【0045】
本実施形態では、このような***物42a〜42dは、射出成形などを用いることにより、弁本体45と一体に成形してある。医療用弁体40を構成する弁本体45の材質は、特に限定されないが、たとえば天然ゴム、ブチルゴム、エチレン―プロピレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、シリコーンゴム、ポリウレタン、フッ素ゴムなどの合成ゴム、好ましくはシリコーンゴムで構成される。細孔46およびスリット50および脚部54は、弁体40の成形と同時に成形しても良いし、円盤状の成形体を成形した後に、機械加工により形成しても良い。
【0046】
本実施形態では、***物42a〜42dの表面には、フッ素ゴムから成るコーティング材をコーティングしてある。滑り特性を向上させるためである。また、医療用弁体40の表面全体には、シリコーンオイルなどを塗布することが好ましい。滑り特性を向上させるためと弁体40を保護するためである。
【0047】
このようにして形成された医療用弁体40は、前述したように、たとえば図3に示すイントロデューサ6のシースハブ部16の基端部内部に装着される。
本実施形態に係る医療用弁体40を持つイントロデューサ6を用いて、カテーテル管を血管内に挿入するには、次のようにして行う。まず、図6に示す患者の皮膚30の上から、図示省略してある外套針(カニューラ)と内套針より構成される穿刺針を突き刺し、その先端を、血管32内に位置させる。次に、外套針(カニューラ)を残したまま内套針を抜き出し、内套針を抜き出した穴から、ガイドワイヤー34を血管32内に挿入する。
【0048】
次に、挿入したガイドワイヤー34に沿って、外套針を抜き出し、その後、ガイドワイヤー34を図5に示すダイレータ本体8の挿通孔8b内に通し、このガイドワイヤー34に沿って、イントロデューサ6とダイレータ4とを一体化したカテーテル管挿入具の先端部を血管の挿入口36に差し込む。その状態を図6に示す。
【0049】
イントロデューサ6内にダイレータ4を一体化させるために、本実施形態では、イントロデューサ6の基端部側のシースハブ部16からダイレータ4のダイレータ本体8を差し込み、ダイレータ本体8のテーパ状先端部8aを、シース14の先端から突き出させる。そして、ダイレータ4の基端部に形成してあるキャップ部10を、シース8の基端部に形成してあるシースハブ部16の外周に装着する。すなわち、シースハブ部16をキャップ部10の内周に押し込む。その結果、図5に示すように、キャップ部10の内周に形成してある係合用凹部26に、シースハブ部16の外周に形成してある係合用凸部24が係合し、イントロデューサ6とダイレータ4とは、軸方向および回転方向に相対移動不能になり、両者は一体化される。
【0050】
その際に、本実施形態では、キャップ部10が、軟質合成樹脂で構成してあり、シースハブ部16が硬質合成樹脂で構成してあることから、両者の嵌合は強固であり、挿入作業時に、これらの嵌合が外れることはない。
【0051】
一体化されたイントロデューサ6とダイレータ4とから成るカテーテル管挿入具の先端を、図6に示すように、血管の挿入口36に差し込めば、ダイレータ6の先端に形成してあるテーパ状先端部8aが、血管の挿入口36を押し広げる。さらにカテーテル管挿入具の先端を押し込めば、シース14の先端も、血管内に挿入される。
【0052】
その後、カテーテル管挿入具の基端部を操作し、キャップ部10をシースハブ部16に対して傾けるなどして、係合用凸部24と係合用凹部26との係合を解除し、キャップ部10をシースハブ部16から取り外す。その際に、本実施形態では、キャップ部10が、軟質合成樹脂で構成してあることから、係合用凸部24と係合用凹部26との係合の解除も容易である。
【0053】
その後、キャップ部10をシースハブ部16に対して基端部側からガイドワイヤー34と共に引き抜けば、ダイレータ本体8とガイドワイヤー34がシース14内から引き抜かれる。その後、基端部側からイントロデューサ6内にカテーテル管を差し込めば、カテーテル管は、血管32内に都合良く挿入される。
【0054】
本実施形態では、医療用弁体40に形成してある密着孔46が細孔48とスリット50との組合せであるため、イントロデューサ6内にダイレータ本体8あるいはカテーテル管などの長尺挿入物が挿入されている間でも、イントロデューサ先端側から流入する血液は、医療用弁体40により良好にシールされる。すなわち、細孔48は、挿入物が細孔48内に挿入されない状態では、止血性がないが、細孔48に挿入物が差し込まれる状態で、止血性を保持する。
【0055】
ダイレータ4をイントロデューサ6から抜取り、カテーテル管を挿入する間までのように、医療用弁体40に対して何も挿入されていない状態では、スリット50が閉じているので、良好な止血作用を奏する。
【0056】
したがって、本実施形態に係る医療用弁体40およびそれを持つイントロデューサ6では、カテーテルなどの長尺挿入物を挿入する前の状態および挿入中の状態の双方において止血性が良好である。
【0057】
また、本実施形態に係る医療用弁体40およびそれを持つイントロデューサ6では、カテーテルなどの挿入物を挿入する側の弁本体45の上面41に、密着孔46を中心として、複数の***物42a〜42dを、半径方向および円周方向に断続して一体成形してあるので、弁体の止血性を良好に保持したまま、挿入物の挿入時および通過時の抵抗が従来に比べて大幅に小さくなり、操作性が向上する。
【0058】
しかも、本実施形態に係る医療用弁体40およびそれを持つイントロデューサ6では、弁体40の下面43側に脚部54を形成することで、カテーテルなどの長尺挿入物を挿入する時および引き抜く時に、弁本体45の下面側に生じる圧縮力または引張力を分散することが可能になる。その結果、挿入物を挿入する時および引き抜く時の抵抗をさらに低減することができる。
【0059】
第2実施形態
図7に示すように、本実施形態に係る医療用弁体140は、図1および2に示す実施形態の変形例であり、弁体140の上面141側に、密着孔46を中心として、大きさの等しい半球形状の***物142を、放射方向に位置ズレすることなく、且つ円周方向に沿って略等間隔に配置してある。
【0060】
本実施形態に係る医療用弁体140でも、弁体140の止血性を良好に保持したまま、挿入物の挿入時および通過時の抵抗が従来に比べて大幅に小さくなり、操作性が向上するが、前記第1実施形態に係る弁体の方が、これらの特性に優れている。
【0061】
第3実施形態
図8(A)に示すように、本実施形態に係る医療用弁体240は、図1および2に示す実施形態の変形例であり、弁本体45の下面には、密着孔46を構成するスリット50の周囲に位置するように、弁本体45の厚み方向に深さを持ち周方向に連続する抵抗緩和溝60が形成してある。抵抗緩和溝60の溝幅w3は、本実施形態では、0.2〜1.0mmである。この溝幅があまりに小さいと、溝60を設ける意味がなくなり、大きすぎると、弁体240の強度が不足する傾向にある。また、抵抗緩和溝60の溝深さt1は、本実施形態では、0.1〜0.5mmである。この溝深さがあまりに小さいと、溝60を設ける効果がなくなり、あまりに大きいと、弁体240の強度が不足する傾向にあり好ましくない。この抵抗緩和溝60の形成位置は、前述したように、スリット50の外周位置である。スリット50の最大外径位置と抵抗緩和溝60の内周位置との距離w2は、本実施形態では、0.1〜1.5mmである。この距離w2が大きすぎると、溝60を設ける効果が少なくなる傾向にある。
【0062】
本実施形態では、弁本体45の下面に、密着孔46を構成するスリット50の周囲に位置するように、弁体40の厚み方向に深さを持つ抵抗緩和溝60を形成することで、弁体240の下面側に生じる圧縮力が抵抗緩和溝60により吸収される。その結果、本実施形態では、カテーテル管などの挿入物の挿入時および通過時の抵抗を低減することができる。したがって、イントロデューサ6を操作する医者の負担が軽減され、同時に患者の負担も軽減される。
【0063】
なお、抵抗緩和溝の具体的な断面形状は、特に限定されず、その他の断面形状でも良い。また、必ずしも周方向に連続して形成することなく、断続的に形成しても良い。
【0064】
本実施形態に係る医療用弁体240においても、前記第1実施形態と同様に、密着孔46を中心として、複数の***物42a〜42cが、半径方向および円周方向に断続して、弁本体45と一体成形してあり、前記第1実施形態に係る医療用弁体40と同様な作用を奏する。
【0065】
第4実施形態
図8(B)に示すように、本実施形態に係る医療用弁体340は、図8(A)に示す実施形態の変形例であり、弁本体345の下面側に脚部を省略している。本実施形態に係る医療用弁体340においても、前記第1実施形態と同様に、密着孔46を中心として、複数の***物42a〜42cが、半径方向および円周方向に断続して、弁本体345と一体成形してあり、前記第1実施形態に係る医療用弁体40と同様な作用を奏する。
【0066】
第5実施形態
図8(C)に示すように、本実施形態に係る医療用弁体440は、図1および2実施形態の変形例であり、弁本体を第1層445aと第2層445bとから成る2種類の材質で構成してあり、それらの中心部に、ダイレータ4などの長尺挿入物を液密性を保持しつつ挿入可能な密着孔46が形成してある。本実施形態では、密着孔46は、第1層445aに形成された細孔48と、第2層445bに形成されたスリット50とから成る。細孔48の上面41側には、テーパ状傾斜面52が形成してあり、ダイレータ4などの挿入を案内するようになっている。
【0067】
第1層445aは、ダイレータ4などの挿入物の挿入表面側に位置するように装着され、その第1層445aの材質は、引き裂き強度が大きく伸びの大きい材質で構成してある。また、第1層445aの下部に積層される第2層445bの材質は、弾性が大きく永久歪が低い材質で構成してある。
【0068】
前記第1層445aの引き裂き強度は、好ましくは20〜60kgf/cm、さらに好ましくは30〜60kgf/cmである。また、第1層445aの伸びは、好ましくは400〜1200%、さらに好ましくは600〜1200%である。また、第2層445bの反発弾性は、好ましくは40〜90%、さらに好ましくは50〜90%である。さらに、第2層445aの圧縮永久歪は、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である。引き裂き強度、伸び、反発弾性及び圧縮永久歪は、JISK6301により測定される。
【0069】
引き裂き強度が20kgf/cm以下では、弁に亀裂が入り易く耐久性が劣ることになり、伸びが400%以下では伸びが小さいため、太い(径の大きい)カテーテルの挿入が困難となり、好ましくない。また、反発弾性が40%以下及び圧縮永久歪が30%以上では、いずれもカテーテル抜き後の弁密着孔が瞬時に閉じなくなって止血性に劣ることになり、好ましくない。
【0070】
本実施形態では、第1層445aおよび第2層445bは、それぞれ前記性状を有する異なるシリコーンゴムで構成してある。
【0071】
本実施形態では、これら第1層445aと第2層445bとを別々に成形した後、または同時に、それぞれの層に、細孔48およびテーパ状傾斜面52と、スリット50eとを形成し、これらを圧縮成形して加熱圧着する。本実施形態では、テーパ状傾斜面52の表面に、密着孔46を中心として、複数の***物42a〜42cを、半径方向および円周方向に断続して、弁本体の第1層445aの表面に、金型の転写面を利用して一体成形する。
【0072】
なお、細孔48、テーパ状傾斜面52およびスリット50eから成る密着孔46、および/または複数の***物42a〜42cは、第1層445aと第2層445bとの圧着後に形成しても良い。また、第1層445aと第2層445bとは、接着剤を用いて接合しても良い。接着剤としては、たとえばRTVシリコーン、シアノアクリレートなどが用いられる。さらに、第1層445aと第2層445bとは、完全に接合することなく、単に重ねて配置するのみでも良い。
【0073】
本実施形態に係る医療用弁体440およびそれを持つイントロデューサ6では、カテーテル管などの長尺挿入物の挿入表面側に位置する第1層445aの材質が、引き裂き強度が大きく伸びの大きい材質で構成してあるので、長尺挿入物の挿入特性が良好であり、繰り返し抜き差ししても、密着孔46に亀裂などが生じない。すなわち、耐久性に優れている。また、弁体445bの挿入側表面層と反対側の層445b(多層構造の場合には、少なくとも一層に)が、弾性が大きく永久歪が低い材質で構成してあるので、カテーテル管などの長尺挿入物を弁体440から抜き取った後、密着孔46が瞬時に閉まり、止血性に優れている。
【0074】
また、本実施形態に係る医療用弁体440においても、前記第1実施形態と同様に、密着孔46を中心として、複数の***物42a〜42cが、半径方向および円周方向に断続して、弁本体と一体成形してあり、前記第1実施形態に係る医療用弁体40と同様な作用を奏する。
【0075】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえば、本発明では、弁体に形成する密着孔の具体的構成は、細孔48とスリット50との組合せに限定されず、種々に改変することができる。
【0076】
【実施例】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0077】
実施例1
脚部54を成形しない以外は、図1および2に示す形状を持つ円盤状弁体40を準備した。弁体40の材質は、ショア硬度40Aのシリコーンゴムであった。弁体40の外径d0は、8mm、厚みt0は2.0mm、細孔48の内径d1は2.8mm、スリット50の下面側切り込み幅w1は2.8mm、細孔48の深さは1mm、スリットの切り込み深さは1.5mm、最内周位置の4つの半円球状***物42aの外径が約0.2mm、***物の高さが約0.1mm、その外側の4つの***物42bの外径が約0.25mm、***物の高さが約0.125mm、その外側の8つの***物42cの外径が約0.3mm、***物の高さが約0.15mm、その外側の8つの***物42dの外径が約0.4mm、***物の高さが約0.2mmであった。
【0078】
この医療用弁体40の全体にシリコーンオイルを塗布した後、この医療用弁体40を図9に示すイントロデューサ6aのシースハブ部16a内に装着した。シースハブ部16aの内径は、7.6mmであった。このシースハブ16a内に、太さ8Fr(外径2.67mm)のポリアミド製チューブ19を通し、先端にバネ測り21を取り付け、バネ測り21でチューブ19を軸方向に30cm/分で引っ張り、図9(A)に示すように挿入時の抵抗(挿入抵抗)と、図9(B)に示すように、引き抜き時の抵抗(引き抜き抵抗)とを測定した。挿入抵抗は44gfであり、引き抜き抵抗は78gfであった。
【0079】
また、チューブ19を弁体40の密着孔46に挿通させた状態で、シースハブ部16a内に200mmHgの疑似血液を導入したが、密着孔からのもれはなかった。また、チューブを抜いた後の医療用弁体の密着孔からの疑似血液の漏れを調べたところ、漏れはなかった。
【0080】
実施例2
***物42a〜42dの表面のみに、フッ素ゴムによるコーティングを行った以外は、前記実施例1と同様な医療用弁体を製造した。この医療用弁体40の全体にシリコーンオイルを塗布した後、実施例1と同様にして、挿入時の抵抗(挿入抵抗)と、引き抜き時の抵抗(引き抜き抵抗)とを測定した。挿入抵抗は40gfであり、引き抜き抵抗は70gfであった。
【0081】
また、チューブ19を弁体40の密着孔46に挿通させた状態で、シースハブ部16a内に200mmHgの疑似血液を導入したが、密着孔からのもれはなかった。また、チューブを抜いた後の医療用弁体の密着孔からの疑似血液の漏れを調べたところ、漏れはなかった。
【0082】
実施例3
放射方向に位置ズレして配置された***物42a〜42dの代わりに、図7に示す放射方向に位置ズレしていない均一大きさ(半径0.2mmの半球状)の***物142を、密着孔46を中心として円周方向略等間隔位置に、弁体140の上面141に一体成形した以外は、前記実施例1と同様な医療用弁体140を製造した。
【0083】
この医療用弁体の全体にシリコーンオイルを塗布した後、実施例1と同様にして、挿入時の抵抗(挿入抵抗)と、引き抜き時の抵抗(引き抜き抵抗)とを測定した。挿入抵抗は47gfであり、引き抜き抵抗は81gfであった。
【0084】
比較例1
***物42a〜42dを弁体の上面に成形しなかった以外は、前記実施例1と同様な医療用弁体を製造した。この医療用弁体の全体にシリコーンオイルを塗布した後、実施例1と同様にして、挿入時の抵抗(挿入抵抗)と、引き抜き時の抵抗(引き抜き抵抗)とを測定した。挿入抵抗は50gfであり、引き抜き抵抗は87gfであった。実施例1〜3に比較して、挿入抵抗および通過抵抗の増大が観察された。
【0085】
比較例2
***物42a〜42dの代わりに、図10に示す4つの放射状リブ542を密着孔46を中心として円周方向略等間隔位置に、弁体540の上面541に一体成形した以外は、前記実施例1と同様な医療用弁体540を製造した。各リブ542の最大幅は約1mmであり、各リブ542の半径方向長さは、2.2mmであり、各リブ542の最大高さは、0.35mmであった。
【0086】
この医療用弁体の全体にシリコーンオイルを塗布した後、実施例1と同様にして、挿入時の抵抗(挿入抵抗)と、引き抜き時の抵抗(引き抜き抵抗)とを測定した。挿入抵抗は72gfであり、引き抜き抵抗は113gfであった。実施例1〜3に比較して、挿入抵抗および通過抵抗の増大が観察された。
【0087】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、止血性が良好であり、しかも挿入物の挿入時および引き抜き時の抵抗が小さい操作性に優れた医療用弁体および医療用挿入補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)〜(C)は本発明の一実施形態に係る医療用弁体の斜視図、IB−IB線に沿う断面図および背面図である。
【図2】 図2は図1に示す医療用弁体の平面図である。
【図3】 図3は図1に示す医療用弁体が用いられる医療用挿入補助具の断面図である。
【図4】 図4は医療用挿入補助具の使用状態を示す概略図である。
【図5】 図5は医療用挿入補助具の使用状態を示す概略図である。
【図6】 図6は医療用挿入補助具の使用状態を示す概略図である。
【図7】 図7は本発明の他の実施形態に係る医療用弁体の平面図である。
【図8】 図8(A)〜(C)は本発明の他の実施形態に係る医療用弁体の断面図である。
【図9】 図9(A)および(B)は本発明の実施例に係る弁体の挿入抵抗および引き抜き抵抗の測定方法を示す概略図である。
【図10】 図10は本発明の比較例に係る医療用弁体の平面図である。
【符号の説明】
4… ダイレータ
6… イントロデューサ(医療用挿入補助具)
8… ダイレータ本体
10… キャップ部
14… シース
16… シースハブ部
40,140,240,340,440,550… 医療用弁体
41… 上面
42a〜42d… ***物
43… 下面
45… 弁本体
46… 密着孔
48… 細孔
50… スリット
54… 脚部
60… 抵抗緩和溝
Claims (5)
- 弁本体の上面から下面に向けて貫通するように長尺挿入物を液密性を保持しつつ挿入可能な密着孔が形成された弾力性を有する弁本体で構成してあり、
前記長尺挿入物を挿入する側の弁本体の上面には、前記密着孔を中心として、複数の半円球状の***物が、半径方向および円周方向に断続して一体成形してあり、当該***物の外径は当該弁本体の略中心に位置する前記密着孔側に向けて小さくなることを特徴とする医療用弁体。 - 前記***物の表面には、摩擦抵抗を低減させる物質がコーティングしてあることを特徴とする請求項1に記載の医療用弁体。
- 前記密着孔は、切り込み状スリットと、当該スリットに連続する細孔とを有し、前記密着孔に最も近い複数の前記***物は、前記スリットの伸びる放射方向に対応して一体成形してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用弁体。
- 前記密着孔を中心として半径方向に断続して成形されている複数の前記***物において、内側に位置する複数の前記***物と、それらの外側に位置する複数の前記***物との放射方向位置関係が、位置ズレする関係にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用弁体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の医療用弁体と、
前記医療用弁体を保持するシースとを有する医療用挿入補助具。
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