JP3990786B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際し、先羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次作動させ、両羽根群のスリット形成羽根によって形成されたスリットによりフィルムを露光するようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近における通常のフォーカルプレンシャッタは、各々が略中央部に開口部を有している二つの地板(カメラ内においてレンズ側に配置される地板をシャッタ地板と称し、フィルム側に配置される地板をカバー板,補助地板などと称することが多い)を、相互に所定の空間を設けて取り付け、その空間を、二つの地板の間に配置された中間板で仕切ることによって二つの羽根室を構成している。そして、その中間板にも略中央部に開口部が形成されていて、上記した二つの地板の各開口部と重ね合わせて配置することにより、光軸を中心にした長方形の露光開口を形成するようにしている。尚、カメラには、この露光開口が横長になるようにして配置されることが多いため、以下、方向については、この配置を基準にして上下,左右などと表現することにする。
【0003】
上記した二つの羽根室には、夫々先羽根群と後羽根群が配置されている。各羽根群は、複数のアームと複数の羽根で構成されていて、アームは、その一端部が露光開口の一方の側方位置(即ち、一方の短辺の側方位置)で地板に枢着されており、羽根は短冊状をしており、その一端が、アームの他端部に向けて順次枢支されている。そして、アームの最先端部に枢支された羽根がスリット形成羽根となっている。また、光軸方向に対するそれらの配置関係は、アームが地板側になり、複数の羽根はスリット形成羽根から順に中間板側に重ねられている。そして、アームと羽根の枢支構成は、リベット部品である連結軸を、アーム側から、アームの孔と羽根の孔に挿入し、貫通させた挿入端を羽根にかしめるようにしている。従って、連結軸の頭部は地板側に突き出ていることになる。また、各羽根群の一つのアームには、枢着部に近い位置に長孔が形成されている。このような構成をしているから、各羽根の他端部、即ち先端部は、上記した側方位置とは露光開口を挟んだ反対側の側方位置で、地板に摺接することになる。
【0004】
更に、一方の地板には、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とが往復回動可能に取り付けられていて、夫々の駆動部材の作動ピンが、上記したアームの長孔に嵌合している。そのため、各羽根群の複数枚の羽根は、アームが作動ピンによって一方向へ回動すると、相互の重なりを少なくしつつ展開し、他方向へ回動すると、相互の重なりを大きくしつつ重畳されるようになっている。そして、シャッタの露光作動の開始位置においては、先羽根群が展開状態となって露光用の開口部を覆い、後羽根群は重畳状態となって露光用の開口部から退避させられており、また、露光作動の終了直後においては、先羽根群は重畳状態となって上記の開口部から退避し、後羽根群は展開状態となって開口部を覆うようになっている。
【0005】
ところで、この種のフォーカルプレンシャッタに対しても、当然のことながら小型化と高速化が要求されている。また、小型化の要求につては、特に、平面形状を小さくすることが要求されている。しかし、その平面形状は、羽根の大きさによって左右されるし、これまでにも種々の努力が行われてきたので、これ以上の小型化は極めて困難な状況にある。また、各羽根群の羽根の枚数を増やすことも考えられないわけではないが、これまで以上に増やすことは機構的に無理であり、また、例え枚数を増やせたとしても羽根群全体の重量が増し、高速性を維持するのが困難になってしまう。このような背景から、最近のシャッタは、極めて地味なことではあるが、個々の羽根の上下寸法を出来るだけ小さくし、シャッタ全体の上下寸法が小さくなるようにしている。また、それによって羽根の重量が減り、高速化にも有利になっている。
【0006】
ところが、各羽根の上下寸法が小さくなると、展開状態における羽根同士の重合部からの漏光が問題になる。また、漏光は羽根相互間からだけではなく、他の経路からの漏光もある。フィルムは、それらの総合した光によって感光されてしまうわけである。他方、シャッタユニットは、言うまでもなく、作動する機械部品を光に露出させた状態でアッセンブリーした製品であるから、どのような漏光対策を講じたとしても、全ての経路を完全に遮光できるような対策は存在しない。言い換えると、どのような漏光対策を講じたとしても、フィルム面には極めて僅かな光が到達してしまうということである。
【0007】
そのため、シャッタユニットにおいて漏光対策と言う場合には、光の入射経路によっては、その経路を完全に遮断するような対策を講じることもあるが、実際には、一定の条件下で種々の経路から入射した総合の光が、例えフィルム面に到達したとしても、フィルムを感光させることがない程度の光に減衰させるための対策ということになる。このように、シャッタユニットにおける漏光対策を考える場合には、上記した羽根相互間からの漏光対策だけを考えただけでは不充分であるし、また、換言すれば、他の経路からの漏光対策が可成り充分な成果を挙げ得るのであれば、羽根相互間からの漏光だけに必要以上の神経を使わなくても済むということになるわけである。
【0008】
そこで、上記した羽根相互間の重なり部から入射する光のほかに、最も考慮しなければならない経路からの入射光について説明する。その入射光は、カメラ内においてレンズ側に配置される地板の開口部から、該地板と、該地板側の羽根室に配置された羽根群との間の隙間に入ってくる光である。上記したように該羽根室内の羽根群は、アームが地板側となり、そこに枢支される各羽根が中間板側となり、連結軸の頭部がアームよりも地板側に突き出ていることになる。そして、アームの先端部は、作動ごとに、開口部内に出たり、開口部から退いたりするようになっている。そのため、該地板側に一番近いスリット形成羽根の面と該地板の中間板側の面との間には、最小限、どうしてもアームの厚さ分の隙間が存在することになり、その隙間から光が入射するのは防げない構成になっている。
【0009】
そのため、従来は、レンズ側に配置される地板の開口部を囲むようにして、中間板側の面に帯状に傾斜面を形成していた。そして、その傾斜面は、光軸側の厚さ、即ち開口部の端縁の厚さが薄くなるようにして形成され、開口部の端面の面積が小さくなるようにしていた。その結果、その端面で反射され、地板と、該地板側の羽根室に配置された羽根群との間の隙間に、斜めに進入してくる光が多少なりとも抑制されるようになっていた。また、上記した経路から進入してきた光も含め、いろいろな経路から進入してきた光は、減衰されつつも、やがて、フィルム側に配置される地板と中間板との間に進入してくるが、従来は、そのような光に対しても対応すべく、フィルム側に配置される地板の開口部の周辺部にも、中間板側の面に、上記と同様な形状の傾斜面を形成し、端面から直接フィルム面に向けて反射される光を抑制していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、各地板の開口部の周辺部に、上記のような形状の傾斜面が、開口部の全周に亘って形成されていたため、羽根の作動には極めて不都合があった。即ち、各羽根群を構成している羽根は非常に薄くて短冊状をしているため、その平面性を保つことが非常に難しく、作動中は基より、特に、作動終了時においては大きな撓みや捩じれを生じさせる。また、それらによる影響は羽根の先端部において顕著に現れる。そして、このような撓みや捩じれの大小は、羽根の先端部と地板との対向面積、特に羽根の長さ方向における重なり量によって左右される。
【0011】
ところが、従来は、上記のような形状の傾斜面が開口部の全周に亘って形成されているので、羽根の先端部が地板と平面的に接触することのできる面積が充分に得られなかった。そのため、どうしても作動中に、撓みや捩じれが微妙に生じ、作動が安定しない原因となっていた。また、作動終了時に、衝撃によって羽根が大きく撓み、羽根の先端部の端縁が地板の平面部から外れて傾斜面に落ち込んで羽根間から漏光を生じさせたり、極端な場合には、先端部の端縁が開口部内まで入り込み、所定の姿勢に復帰できないという事態を発生させることがあった。そのため、製作時においては調整作業が極めて大変であった。このような問題を解決するためには、羽根の先端部を長くすれば良いわけであるが、簡単にそのようにするわけにはいかない。羽根の重量が増して高速性が損なわれ、且つシャッタ全体が左右方向に大きくなってしまうからである。
【0012】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、各羽根の先端部の作動領域に位置する地板の開口部の断面形状を工夫することによって、各羽根の長さを長くすることなしに、羽根群の作動を安定化させることができ、また、許される範囲で各羽根の長さを短くし、シャッタの小型化や高速化を可能にしたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、各々開口部を有していて所定の間隔を空けて相互に取り付けられている二つの地板と、前記開口部とのうちの少なくとも一つによって方形の露光開口を形成する開口部を有していて前記二つの地板間に配置されて二つの羽根室を形成している中間板と、一端部を露光開口の一方の側方位置で前記地板の一方に枢着されている複数のアームと短冊状をしていて一端部を該アームに順次枢支され他端部を該一方の側方位置とは反対側の側方位置露光開口の一辺に沿うようにして作動させられる複数枚の羽根とで各々が構成され前記二つの羽根室に別々に配置されている先羽根群及び後羽根群とを備えていて、前記二つの地板の開口部のうち少なくとも一方の開口部の周囲には、露光開口の前記一辺に対応する辺に沿って、羽根室側の面とは反対側の面に、光軸側が薄くなるような断面形状の傾斜面が形成されていると共に、露光開口の前記一辺と隣接している辺に対応する辺に沿って、羽根室側の面に、光軸側が薄くなるような断面形状の傾斜面が形成されていて、露光開口の前記一辺に対応する辺の端面が、露光開口の前記一辺に隣接している辺に対応する辺の端面よりも、羽根室側に形成されているようにする。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、好ましくは、前記傾斜面が、少なくとも、前記中間板と共に後羽根群の羽根室を形成している地板に形成されているようにする。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、好ましくは、露光開口の前記一辺に対応する辺の周囲には、羽根室側の面とは反対側の面に形成されている前記傾斜面のほかに、該傾斜面よりも短い傾斜面が、羽根室側の面に形成されているようにする。
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記二つの地板のうち少なくとも一方は、前記反対側の側方位置が、羽根室側に***した面を有する肉厚部として形成されており、該***した面が各羽根の他端部と摺接するようにする。
更に、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記傾斜面を有する地板が合成樹脂で成形されているようにする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図8に示した実施例によって説明する。尚、図1は実施例のセット状態を示した平面図である。図2は図1から開閉駆動機構を取り外して示した透視平面図であるが、図面が複雑になるので一部の部材は形状を簡略化し、その詳細は他の図面から理解できるようにしている。図3(a)〜図3(g)は図2を構成している主な部品の平面図であって、図4は図3(g)の拡大平面図である。また、図5は図2と同じようにして示した透視平面図であるが、露光作動の終了直後の状態を示している。更に、図6は実施例の作用効果を説明するための要部断面図であって、図6(a)は図1のA−A線断面図、図6(b)はそれに対応する従来例の断面図である。また、図7は実施例の要部の形状説明に必要な断面図であって、図7(a)は図1のB−B線断面図、図7(b)はそれに対応する従来例の断面図である。更に、図8は実施例の要部の作用効果の説明に必要な構成部分だけを示したものであり、図8(a)は実施例の部分平面図、図8(b)はそれに対応する従来例の部分平面図である。
【0015】
先ず、本実施例の構成を説明する。合成樹脂製のシャッタ地板1は、図3(a)に示すように、その略中央部に開口部1aが形成されていて、周辺部にはカメラへ取り付けるための三つの孔1b,1b,1bが形成されている。また、開口部1aの左方の側方位置には、三つの円弧状の孔1c,1d,1eが形成されており、左下方には長方形の孔1fが形成されている。そして、孔1c,1dの上端部には、周知のようにして、C字状の平面形状をしたブチルゴム製の緩衝部材2,3が取り付けられている。
【0016】
また、このシャッタ地板1には、軸1g,1h,1i,1j,1k,1m,1n,1pが立設されていて、それらのうち、軸1h,1j,1m,1n,1pは背面側に立設されている。また、軸1g,1iは表裏に貫通しており、表面側の軸部の直径が背面側の軸部の直径よりも大きくなっていて、表面側の軸部の根元には台座部が形成されている。更に、軸1kは、シャッタ地板1の表面側に立設されていて、その根元には台座部が形成されている。そして、図示していないが、軸1g,1iの表面側には、周知のように、先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材が回転可能に取り付けられている。また、軸1kには図示していないセット部材が回転可能に取り付けられていて、その一部を上記した円弧状の孔1eに嵌合させている。従って、このセット部材は、所定の角度だけ回転するようになっている。
【0017】
更に、これらの三つの軸1g,1i,1kの先端には軸方向にねじ孔が形成されており、図1に示すように三つのビス4,4,4によって、シャッタ地板1と略平行になるようにして、支持板5とプリント配線板6を取り付けている。そして、シャッタ地板1と支持板5との間には、開閉駆動機構が配置されている。その開閉駆動機構には、上記した先羽根用駆動部材,後羽根用駆動部材,セット部材のほか、電磁石等が含まれるが、それらの一般的な構成は周知であって、且つ本発明とは直接関係がないため、それらの図示と詳しい説明を省略する。
【0018】
図3(a)から分かるように、本実施例におけるシャッタ地板1の背面の形状は平坦ではない。また、開口部1aを形成する四辺のうち、右側の短辺の形状が他の三辺とは異なる形状をしている。そこで、それらの形状を、図3(a)のほか図6(a),図7(a)を用いて詳細に説明する。先ず、開口部1aの三辺を囲むようにして傾斜面1qが形成されている。このような傾斜面1qは、従来は、開口部1aの四辺を囲むようにして、略同じような傾斜角度で形成されていた。そのように形成する理由は、周知のことではあるが、開口部1aの形成縁を出来るだけ薄くして端面の面積を小さくし、端面で反射された光が開口部1aから羽根室内へ斜めに入射するのを少なくするためである。また、開口部1aの左側の部分においては、後述するアームが存在するため、羽根を枢支するための連結軸の頭部が、作動中に開口部1aの端面に衝突しないようにし、且つ傾斜面1qに導かれてスムーズに作動できるようにするためである。
【0019】
シャッタ地板1は、開口部1aの右側が肉厚部1rになっており、表面側は基準面と同一面となっているが、背面側は基準面に対して***した面に形成されている。そして、開口部1aの上下位置において、背面側の面から背面側の基準面に到る傾斜面1s,1tが形成されている。図7(a)には、開口部1aの右側短辺の近傍位置の断面形状が示されている。この図から分かるように、本実施例においては、開口部1aの右側短辺に沿って、シャッタ地板1の表面側に帯状に傾斜面1vが形成されている。また、背面側には開口部1aの右側短辺に沿って、極めて僅かな幅の曲面1wが形成されている。しかし、理由は後述するが、背面側には、このような曲面1wを形成しなくてよい場合があるし、また、直線の傾斜面にしても構わない。他方、肉厚部1rの背面側に立設された上記の軸1mには、その根元に間座部1xが形成されている。
【0020】
このような形状をしたシャッタ地板1の背面側に、図3(b)〜図3(g)に示した各部材が図番の順に取り付けられているが、それらの具体的な取り付け構成を説明する前に、ここで全体構成の概略を説明しておく。シャッタ地板1の背面側には、夫々、所定の間隔を空けて中間板16(図3(e))と補助地板24(図3(g))とが取り付けられ、シャッタ地板1と中間板16との間の空間領域が先羽根群7(図3(b))の羽根室となり、中間板16と補助地板24との間の空間領域が後羽根群17(図3(f))の羽根室となっている。中間板16と補助地板24にも、略中央部に開口部16a,24aが形成されており、それらの開口部16a,24aは、通常は、シャッタ地板1の開口部1aとの合成によって、シャッタユニットとしての長方形をした露光開口を形成するが、本実施例においては、各開口部1a,16a,24aを、光軸を中心にして重ねたとき開口部1aの四辺がその露光開口の形状を規制するようになっている。
【0021】
さて、そこで、図3(b)に示されている先羽根群7は、基本的には二つのアーム8,9と、それらに枢支された4枚の羽根10,11,12,13で構成されており、アーム8,9の最先端に枢支されている羽根10がスリット形成羽根となっている。そして、それらの配置関係は、図3(b)から分かるように、シャッタ地板1側にアーム8,9があり、背面側、即ち中間板16側に向けて羽根10,11,12,13の順となっている。羽根10,11,12,13は、短冊形状をしており、夫々の一端部でアーム8,9に枢支されているが、他端部、即ち先端部はフリーである。また、羽根10,11,12,13は連結軸を介してアーム8,9に枢支されている。連結軸はリベット部品であって、アーム側から、アームと羽根に形成された孔に順に挿入し、その先端を羽根にかしめて固定している。そのため、各連結軸の頭部がシャッ地板1側に突き出ていることになる。
【0022】
また、アーム8,9は、孔8a,9aをシャッタ地板1の軸1g,1hに嵌合させて枢着されており、アーム8には、長い孔8bが形成されている。そして、その孔8bには上記した図示していない先羽根用駆動部材の作動ピンが嵌合するようになっている。従って、図2において、先羽根用駆動部材が反時計方向へ所定の角度だけ回転すると、アーム8が反時計方向へ回転され、各羽根10,11,12,13は相互の重なりを大きくしつつ上方へ作動して重畳状態に達し、その後、先羽根用駆動部材が時計方向へ回転すると、各羽根10,11,12,13は相互の重なりを少なくしつつ下方へ作動し、図2に示す展開状態に達することになる。
【0023】
次に、軸1m,1nには、図3(c)に示した押さえ板14が、その孔14a,14bを嵌合させて取り付けられ、また、軸1pには、図3(d)に示したブチルゴム製の輪状の緩衝部材15が嵌合され、更に、それらの軸1m,1n,1pには、図3(e)に示した中間板16が、その孔16b,16c,16dを嵌合させることによって取り付けられている。そして、中間板16には、後述する補助地板24の一部に支えられる張出部16eが形成されており、また、開口部16aには、凹部16a1 が形成されている。この凹部16a1 は、周知のように、後羽根群17のスリット形成用の羽根20が、露光作動時に開口部16aの端面に衝突せず、スムーズに走行できるようにするためのものである。
【0024】
押さえ板14は、上記の凹部16a1 を、先羽根群7の羽根室側から覆うために設けられているものである。そして、その役目は、凹部16a1 を形成したことによって局部的に撓み易くなった部分を補強するためと、カメラの不使用時に進入してきた光が、先羽根群7の羽根室側から後羽根群の羽根室側へ少しでも入らないようにするためである。従って、先羽根群7は、全体としてはシャッタ地板1と中間板16との間の空間領域に配置されているものの、各羽根10,11,12,13の先端(図3(b)における右方端)は、シャッタ地板1の肉厚部1rと押さえ板14との間に配置されていることになる。尚、中間板16に凹部16a1 を形成しない場合には、押さえ板14を特に設ける必要がない。
【0025】
また、上記したように、本実施例においては、軸1mの根元に間座部1xが設けられているが、軸1nには間座の役目をするものが設けられていない。言い換えれば、押さえ板14の上方部においては、押さえ板14とシャッタ地板1との間隔が間座部1xによって規制され、所定の寸法が確保されているが、押さえ板14の下方部にある軸1nの部分では、上記の寸法よりも狭い間隔になり得るようになっている。これは、先羽根群7の各羽根は上方に重畳されるので、上方においては光軸方向に羽根4枚分以上の間隔を必要とするが、展開状態においては各羽根の重なりは略2枚分になってしまうから、同じ寸法の間隔を空けておくと、特に各羽根の先端位置が極めて不安定になってしまうからである。
【0026】
更に、軸1pに嵌合されている緩衝部材15は、露光作動時に先羽根群7の各羽根が上方へ重畳されていったとき、その作動の最終段階において、アーム8が当接するようになっている。それによって、緩衝部材15は、アーム8から受ける衝撃を吸収し、先羽根群7のバウンドを防止する役目をしている。また、緩衝部材15は、上記した間座部1xと同様にして、開口部1a,16aの上方位置において、シャッタ地板1と中間板16との間隔を確保する役目もしている。
【0027】
中間板16の背面側には図3(f)に示す後羽根群17が配置されている。この後羽根群17は、上記した先羽根群7と類似の構成をしていて、二つのアーム18,19と、図5から明瞭に分かるように、それらのアーム18,19に夫々の一端部を枢支した4枚の羽根20,21,22,23で構成しており、それらのうちアーム18,19の最先端に枢支された羽根20がスリット形成羽根である。そして、それらの配置関係は、補助地板24側にアーム18,19があり、中間板16側に向けて羽根20,21,22,23の順となっている。また、アーム18,19に対する各羽根の枢支構成は、先羽根群7の場合と同じである。従って、各連結軸の頭部は、補助地板24側に突き出ていることになる。
【0028】
また、アーム18,19は、孔18a,19aをシャッタ地板1の軸1i,1jに嵌合させて枢着されており、また、アーム18には、長い孔18bが形成されている。そして、孔18bには図示していない後羽根用駆動部材の作動ピンが嵌合するようになっていて、図2において後羽根用駆動部材が所定の角度だけ反時計方向へ回転すると、アーム18も反時計方向へ回転され、各羽根20,21,22,23が相互の重なりを小さくしつつ上方へ作動して展開状態に達するようになっている。そして、その後に、後羽根用駆動部材が時計方向へ回転すると、各羽根20,21,22,23は重なりを大きくしつつ下方へ作動し、図2に示す重畳状態に復帰するようになっている。
【0029】
シャッタ地板1の一番背面側には、図3(g)に示した合成樹脂製の補助地板24が取り付けられているが、その補助地板24の各部の形状については、図4に示した拡大平面図の方に符号を付けて説明する。また、この補助地板24の一部の形状は、図面が見にくくなるため、図2及び図5には示されていない。先ず、補助地板24の取り付け方は、周知の取り付け方に準じて行われている。そのため、その取り付けに必要な軸1m,1n,1pの具体的な形状が図示されていないが、軸1m,1nの先端近くには円周面に沿って環状の溝が形成されていて、軸1pの先端面には軸方向に向けてタッピンねじをねじ込む穴が形成されている。取り付けに際しては、補助地板24に形成されている爪部24uを長孔1fに挿入した後、瓢箪型の孔24b,24cの大きい径の部分を軸1m,1nの先端部に挿入し、次に、補助地板24を左方へ移動させることによって、孔24b,24cの小さい径の部分の縁を上記した環状溝に嵌合させるようにする。そして、その後、ビスを孔24dに貫通させ、軸1pに形成された上記穴にタッピンねじをねじ込んで固定している。
【0030】
開口部24aの周辺部には、羽根室側に傾斜面24eが形成されている。これは、シャッタ地板1の傾斜面1qと同じような趣旨で形成されているものであって、開口部24aを形成する端面の面積を小さくすることによって、端面から直接フィルム面へ向かう反射光を少なくするためである。この傾斜面24eは、従来、開口部24aの四辺を囲むように形成されていたが、本実施例においては、三辺を囲むようにして形成し、右側の短辺近傍位置は異なる形状にしている。そして、その右側の短辺近傍位置の断面形状は図7(a)に示されている。即ち、本実施例においては、開口部24aの右側短辺に沿って、補助地板24の背面側に傾斜面24fが形成されている。また、表面側には開口部24aの右側短辺に沿って、極めて僅かな幅の曲面24gが形成されている。しかし、上記した曲面1wと同じく後述する理由によって、このような曲面24gを形成しなくてよい場合があるし、また、その面の断面が直線となるように形成しても構わない。
【0031】
補助地板24の表面側の形状は、可成り複雑な形状をしている。その理由は、カメラの不使用時に、漏光によってフィルムを感光させてしまわないように配慮しているからである。そのため、このような複雑な形状を理解し易くするために、図4においては基準面にドットを付けておいた。また、基準面より高い(以下、基準面からシャッタ地板1方向への距離について「高い」又は「高さ」と称する)面には斜線を付け、更に高い面には×印を付けてある。その他の白抜きの面は、他の図面や他の構成説明から相互関係が分かると考えるが、分かりにくいと思われる面については、その都度、説明を行うことにする。
【0032】
そこで先ず、上記した漏光対策のためにのみ設けられている部位の説明を後回しにして、主として基本的な構成から先に説明する。図4において、開口部24aの左側の側方位置に、二つの筒部24h,24iと、二つの受け部24j,24kと、二つの円弧状の溝24m,24nが形成されている。このうち筒部24h,24iには、シャッタ地板1の軸1h,1jの先端を嵌合させており、環状の先端面によって、補助地板24の基準面に対するアーム9,19の高さ位置を規制している。また、受け部24j,24kは、先端面をシャッタ地板1の軸1g,1iの先端面に対向させ、アーム8,18の高さ位置を規制している。更に、円弧状の溝24m,24nは、シャッタ地板1の円弧状の孔1c,1dに対応して形成されていて、そこには上記した各駆動部材の作動ピンの先端が挿入され、アーム8,18の孔8b,18bと各作動ピンとの嵌合が外れないようになっている。また、従来は、この溝24m,24nが貫通孔であったが、本実施例の場合には貫通していない。
【0033】
開口部24aの右側の側方位置には、補助地板24の×印の面より高い面を有する肉厚部24pが形成されていて、その上下位置に上記した瓢箪型の孔24b,24cが形成されている。また、孔24cの近傍には、更に部分的に厚くした間座部24qが形成されている。このうち肉厚部24pは、シャッタ地板1の肉厚部1rと同じ役目をしている。即ち、肉厚部24pの形成されている領域にはアーム18,19が配置されていないため、少なくともアームの厚さ分のスペースを埋め、展開状態における各羽根20,21,22,23の密着性を良くすると共に、後羽根群17の作動の安定化を図るようにしている。また、間座部24qは、上記の間座部1xと同じ役目をしており、各羽根20,21,22,23が重畳したときにおける光軸方向のスペースを確保している。
【0034】
また、肉厚部24pの上下位置の表面からは、斜線印の面に向けて二つの傾斜面24r,24sが形成されている。そして、傾斜面24rの略中央部には、左右方向から傾斜面で***させた受け部24tが形成されていて、略正方形をした頂面によって中間板16を受けるようになっている。従って、当然のことながら、この頂面の高さは、肉厚部24pの表面の高さよりは高くなっている。
【0035】
本実施例における漏光対策のための形状は、補助地板24の周辺部と、表面部とに形成されている。そこで、先ず、周辺部の形状から説明する。補助地板24の周辺部には、シャッタ地板1との間を塞ぐために、シャッタ地板1側に向けて高さの異なる複数の遮光壁が形成されている。先ず、図4の左上から左下にかけて形成されている遮光壁24Aは、頂面をシャッタ地板1の背面に接触させるようにし、内面には三つの傾斜面24A1 ,24A2 ,24A3 が形成されている。これらの傾斜面の形状は、図6(a)に示した断面図からも分かるように、光軸中心線からの距離が、補助地板24からシャッタ地板1に向けて徐々に大きくなるようにして形成されている。また、遮光壁24Aには、図4の左下方位置に欠落部24A4 があり、そこで上記した中間板16の張出部16eを受けるようになっている。
【0036】
また、補助地板24の上方の周辺部には遮光壁24Bが、右方の周辺部には遮光壁24Cが、下方の周辺部には遮光壁24Dが夫々形成されているが、それらのうち遮光壁24C,24Dの内面には傾斜面24C1 ,24D1 が形成され、頂面をシャッタ地板1の背面に接触させるようにしている。そして、傾斜面24C1 ,24D1 は、いずれも光軸中心線からの距離が、補助地板24からシャッタ地板1に向かうにしたがい徐々に大きくなるように形成されている。また、遮光壁24Bは、その頂面をシャッタ地板1の背面に接触させるようにしているが、内面は傾斜面として形成されておらず、斜線を付けた面に対して垂直に形成されている。その理由は後述する。
【0037】
更に、上下位置にある遮光壁24B,24Dの外側には壁24E,24Fが形成されている。この壁24E,24Fは、シャッタ地板1側に向けての高さが遮光壁24A,24B,24C,24Dの高さよりも高く、内面が補助地板24の板面に対して垂直に形成されている。そのため、図1からも分かるように、シャッタ地板1の上端面と下端面が壁24Eと壁24Fの内面に対向して配置されるようになる。また、壁24Eの内面のうち、先羽根群7の羽根室に臨んでいる部分には、図2に示すように、直方体をしたブチルゴム製の緩衝部材25,26が接着されており、図5に示すように、先羽根群7の露光作動終了時に羽根10,11,12,13が当接するようになっている。
【0038】
ここで、取り敢えず、上記した各遮光壁の漏光防止機能について説明しておく。これまでの構成説明からも分かるように、この種のシャッタの基本構成は、カメラに組み付けられたときレンズ側に配置されるシャッタ地板1と、フィルム側に配置される補助地板24との間を、中間板16で仕切って二つの羽根室を形成し、夫々の羽根室に先羽根群7と後羽根群17を配置すると共に、開閉駆動機構を、露光開口の側方位置において、シャッタ地板1の表面側(カメラのレンズ側)に取り付けた構成となっている。このような構成においては、開閉駆動機構は、先羽根群7と後羽根群17の両方を作動させる必要があることから、補助地板24側の羽根室に配置された後羽根群17とも連動関係が得られるようにしなければならない。そのため、二つの地板1,24は、平面形状の大きさを略同じにすることができるが、中間板16は、それらと同じような大きさにすることが実際上は無理である。
【0039】
図3の各図は、全て等倍率で描かれているが、図3(a),図3(e),図3(g)の比較からも分かるように、シャッタ地板1と補助地板24とは、開口部1a,24aの左側の大きさが略同じであるが、中間板16は半分位の大きさになっている。これは、後羽根用駆動部材の作動ピンをアーム18の孔18bに嵌合させ得るようにし且つ該作動ピンの作動が支障なく行えるようにするためである。更に、先羽根用駆動部材の作動ピンとアーム8の孔8bとの嵌合関係を確実に維持できるようにするため、該作動ピンの先端は中間板16の表面よりも背面側に伸長させているが、その作動ピンに接触し、作動に影響を及ぼさないようにするためである。
【0040】
このような地板1,24と中間板16との構成関係は、各駆動部材の駆動源が、ばねであろうと、モータであろうと同じであり、また、先羽根群7が補助地板24側の羽根室に配置され、後羽根群17がシャッタ地板1側の羽根室に配置されていても同じである。また、シャッタによっては、各駆動部材を取り付ける軸(本実施例においては軸1g,1i)を補助地板24に立設することも考えられているが、その場合であっても、それらの軸がシャッタ地板1の表面側に突き出ていて、そこに各駆動部材が取り付けられる構成をしている限り同じである。従って、露光開口の側方位置には、どうしても中間板16で仕切ることのできない共通の空間領域が形成されてしまうことになる。
【0041】
そこで、先ず、本実施例によれば、補助地板24の周辺部に、遮光壁24A,24B,24C,24Dと壁24E,24Fとが形成されているため、シャッタ地板1の周辺部と、補助地板24の周辺部との間から入射してくる光についての心配はない。例えば、補助地板24の遮光壁24Aには、中間板16の張出部16eを受けるための欠落部24A4 が形成されているが、この程度の隙間があっても、カメラの構成上、周辺部における光はそれほど強くないから、そこから光が入射しても殆ど無視することができる。
【0042】
しかし、もし、無視することができない場合には、欠落部24A4 を塞ぎ、受け部24tに類する受け部を、後羽根群17の作動に影響しない位置に形成すればよい。また、カメラの設計次第では、カメラの本体側に、可成りの漏光対策が施されている場合がある。従って、そのような対策次第では、遮光壁24A,24B,24C,24Dと壁24E,24Fを、本実施例のように全て設ける必要もなく、また、各遮光壁,各壁の一部分を欠落させてもよい場合がある。
【0043】
更に、本実施例は、カメラのレンズ方向から開口部1aに達し、シャッタ地板1と先羽根群7との間から進入して、羽根室内を周辺部に向かって進行する光に対しても有効な構成をしている。即ち、図2において、開口部1aから、先羽根群7の羽根室を右方向へ向かった光は遮光壁24Cの傾斜面24C1 により、また、下方へ向かった光は遮光壁24Dの傾斜面24D1 により、更に、左方向へ向かった光は遮光壁24Aの傾斜面24A1 ,24A2 ,24A3 によって、夫々シャッタ地板1側(シャッタ地板1の背面)に向けて反射され、後羽根群17の羽根室には進入しにくくなっている。また、遮光壁24Bの内面には傾斜面が形成されていないが、それは、後述する理由によって、そこまでする必要がないとの判断によるものであるが、もし必要であると判断した場合には、遮光壁24Bの内面に、他の遮光壁の場合と同様にして傾斜面を形成しても一向に差し支えない。
【0044】
このようにして各周辺部に向かう光のうち、開口部1aの左方向へ向かった光に対する対策が一番重要になる。それは、上記したように先羽根群7のアーム8,9が開口部1aの左方向位置においてシャッタ地板1側に存在するため、シャッタ地板1と各羽根10,11,12,13との間の隙間が大きいことと、中間板16の左端が、上記した理由によって遮光壁24Aの近傍位置まで達していないので、遮光壁24Aによって反射された光が、後羽根群17の羽根室に進入し易くなっているからである。
【0045】
そこで、開口部1aの左方向へ向かった光の場合を例にして、図6を用い、如何にして後羽根群17の羽根室内に進入しにくくなっているかを説明する。尚、図6(a)の断面図は、図1におけるA−A線断面図であって、説明に必要としない部材,部位を省略して示したものである。また、図6(b)は、本実施例と比較するために、図6(a)と同じようにして示した従来例の断面図であり、便宜上、本実施例に対応する部材,部位には、本実施例の場合と同じ符号にダッシュ(′)を付けて示してある。そして、符号F,F′はフィルムである。
【0046】
図6(a)と図6(b)とを比較して分かるように、両者の違いは遮光壁24A,24A′の内面の形状にある。本実施例の内面の形状は、フィルムF側に配置される補助地板24からレンズ側に配置されるシャッタ地板1に向けて光軸中心線からの距離が大きくなるような傾斜面24A2 として形成されている。それに対して、従来例の内面の形状は、光軸中心線までの距離が、補助地板24からシャッタ地板1まで一定となっている。即ち、遮光壁24A′の内面形状は、補助地板24の板面に対して垂直面24A2 ′となるように形成されている。
【0047】
そこで、先ず、従来例の場合について説明する。既に説明したように、セット状態においては露光開口を先羽根群7が覆っている。図6(b)においては、図示を省略しているが、先羽根群7がシャッタ地板1′と中間板16′の間に配置され、開口部1a′を通過した光が、直接、開口部16a′,24a′に進入するのを阻止している。このとき、図示していない後羽根群17は重畳状態にあるので、開口部16a′と開口部24a′との間には存在しない。従って、ここで問題とするのは、開口部1a′を通過した後、シャッタ地板1′と図示していない先羽根群7との間に進入してきた光についてである。
【0048】
図6(b)においては、このようにして進入してくる代表的な光の経路を矢印付きの実線で示してある。勿論、このほかにも、シャッタ地板1′と図示していない先羽根群7との間で反射を繰り返しながら進入してくる光もあるが、そのような光であっても、反射によって減衰しながら、全体としてはこのような経路で進行することになる。このようにして進入してきた光は、その後、垂直面24A2 ′で反射され、右下方向へ転進する。上記したように開口部24a′は図示していない後羽根群17によって覆われていない。そのため、右下方向へ進行した光が、中間板16′と補助地板24′の間に進入した場合には、開口部24a′を通過してフィルムF′に達してしまうことになる。
【0049】
上記したように、実線矢印のように直線的に進行せず、反射を繰り返しながら進行する光もあるが、そのような光であっても、中間板16′によって仕切られていない共通の空間内においては反射回数が全体として少ないため、中間板16′と補助地板24′の間に進入する光が効果的には減衰されていない。そのため、上記した光との和の光がフィルムF′を感光させる要因になる。周知のように、フィルムを感光させる要因となる光は、このような光だけとは限らない。例えば、先羽根群7の各羽根の間から進入する光についても、実際には完全には遮光することができず、微小な光が進入してくる。そして、フィルムF′の感光は、それらの全ての光の光量によって行われることになる。
【0050】
このような従来例に比較して、本実施例の場合には、遮光壁24Aの傾斜面24A2 が、進入してきた光を効果的に減衰させるようになっている。即ち、図6(a)に示すように、開口部1aから、中間板16によって仕切られていない共通の空間内に進入してきた光は、傾斜面24A2 によって、補助地板24側ではなく、シャッタ地板1側へ反射される。そのため、遮光壁24Aに達した光は、共通の空間内において意図的に反射を繰り返させられることになる。また、当然のことながら、何回か反射をしてから遮光壁24Aの内面に達した光も、以後の反射回数が従来よりは多くなる。その結果、中間板16と補助地板24との間に進行する光は大きく減衰されることになる。そして、これまで生産された数種類のシャッタについて、図6(a)に示した傾斜角θを検討してみたところ、おおよそ30〜60度の範囲にあることが好ましいことが判明した。
【0051】
主に漏光対策として補助地板24に形成された形状は、上記した遮光壁24A,24B,24C,24Dと壁24E,24Fだけではない。図2及び図5においては図示を省略されているが、図4に明示されているように、補助地板24の表面に種々の形状が施されている。そこで、次に、未だ説明のされていないその他の形状について説明する。開口部24aの上方位置には、受け部24Gが形成されている。この受け部24Gの高さは、受け部24tの高さと同じであって、受け部24tと共に中間板16を受けるようになっている。そして、この受け部24Gからは、左側にある基準面に向けて傾斜面24G1 が形成されている。また、その他の三方にも受け部24Gを囲むようにして傾斜面24G2 が形成されている。そして、組立状態においては、中間板16が、傾斜面24G1 に接する方向へ僅かに撓まされているが、その理由の説明は省略する。
【0052】
他方、傾斜面24G2 は、主に二つの方向からの光を意図的に反射し、フィルム面に影響を与えにくくしている。即ち、シャッタ地板1の開口部1aに進入し、遮光壁24Bに反射されて中間板16の端面を迂回した光が、後羽根群17の羽根室を開口部24aに向けて進行してきたとしても、そのような光は、傾斜面24G2 によって中間板16の方向へ反射されることになる。そのため、進行方向を変えられた光は、更に意図的に反射を繰り返させられることになり、例えその後、それらの一部が開口部24aからフィルム面に達するようなことがあったとしても、そのときには大きく減衰されていて、問題がない程度になっている。そのような考えから、本実施例においては、遮光壁24Bの内面に、他の遮光壁24A,24C,24Dに形成されているような傾斜面を形成していない。
【0053】
更に、傾斜面24G2 は、後羽根群17の羽根室内であって開口部24aの近辺に進入してしまった光に対しても効果を発揮する。既に述べたように、光はあらゆる所から進入してくる。また、それらを完全に遮光することは不可能である。従って、反射を繰り返すことによって減衰されているとはいえ、どうしても、開口部24aの近辺に進入してくる光がある。そして、それらの光は、進行方向がまちまちである。そのため、従来より、開口部24aの近辺には、傾斜面24eを形成していた。それは、開口部24aの端面の面積を小さくしてフィルム面への直接反射を極力少なくするためと、傾斜面24eによって開口部24aから少しでも離れた方向へ反射させてしまうようにするためである。傾斜面24G2 のうち開口部24a側に形成されている部分は、それと同じような役目をするようになっていて、開口部24aの方から上方へ進行してきた光を、直接、開口部24aに進入させるようには反射せず、中間板16へ向けて反射させるようになっている。
【0054】
開口部24aの左側の側方位置には、受け部24Hと四つの肉厚部24J,24K,24L,24Mが形成されている。このうち、受け部24Hの高さは、受け部24Gの高さよりも僅かに低く、溝24mに沿うようにして基準面まで伸びた傾斜面24H1 が形成されている。また、受け部24Hと傾斜面24H1 の左側は垂直な面になっていて、右側には開口部24aに向けて傾斜面24H2 が形成されている。この受け部24Hも中間板16を受けるようになっていて、傾斜面24H1 は傾斜面24G1 と同じ目的で形成されている。また、傾斜面24H2 は、上記したように開口部24aの方から進行してきた光を、開口部24aに直接進入させるようには反射せず、中間板16へ向けて反射させるようにするためのものである。
【0055】
四つの肉厚部24J,24K,24L,24Mの高さは同じであって、それらの左側は垂直な面になっており、右側には開口部24aに向けて傾斜面24J1 ,24K1 ,24L1 ,24M1 が形成されている。そして、それらの傾斜面24J1 ,24K1 ,24L1 ,24M1 は、上記した傾斜面24H2 と同様な役目をするためのものである。尚、このようにして形成された傾斜面24G2 ,24H2 ,24J1 ,24K1 ,24L1 ,24M1 の傾斜角も、上記した傾斜面24A2 などと同じように、光軸中心線に対して略30〜60度であることが好ましい。
【0056】
また、本実施例においては、開口部24aから左側を視た場合、上記した受け部24Hと傾斜面24H1 、及び四つの肉厚部24J,24K,24L,24Mが、それらの少なくとも一部を重ね合わせ、あたかも連続しているかのようにして配置されている。そして、遮光壁24Aに対向する面は、全て垂直面となっているため、図6(a)で説明したように、二つの地板1,24間で反射を繰り返しながら、中間板16と補助地板24の間に進行しようとする殆どの光は、その垂直面によって遮光壁24Aの方へ反射されることになる。従って、極めて減衰された僅かな光だけが、中間板16と補助地板24の間を進行し、開口部24aの近辺に達することになり、遮光効果が充分に発揮される。
【0057】
また、複数の肉厚部24J,24K,24L,24Mをこのように配置したことによって、後羽根群17の姿勢が良好に保たれ且つ作動が支障なく行われるようになっている。即ち、後羽根群17のアーム18,19は、いかなる状態であっても、即ち作動中であったとしても、必ず肉厚部24J,24K,24L,24Mの二つ以上に接し得るようになっていて、アーム18,19が補助地板24側に撓みにくくなっている。そのため、展開状態において、羽根20,21,22,23の重合部の密着性が保たれると共に、作動が安定して行え且つ露光作動終了時の衝撃による後羽根群17全体の複雑な動きを抑制することが可能である。
【0058】
尚、本実施例においては、筒部24h,24iを囲むようにして壁24Nが形成されている。これは筒部24h,24iの中空孔が補助地板24を貫通しているので、その中空孔から入ってきた光がアーム9,19に反射して、開口部24a側に進むのを少しでも阻止すべく、安全のために設けたものである。従って、このような壁24Nは必ずしも必要ではない。特に、中空孔を盲穴にした場合には全く不要である。また、本実施例においては傾斜面24J1 ,24K1 ,24M1 の一部が、夫々、肉厚部24J,24Kの下方部及び肉厚部24Mの上方部を回り込むようにして左側にも形成されているが、この部分は光を反射させるのが主目的ではなく、アーム18,19の端面が、作動中に衝突せず円滑に作動できるようにするために形成されているものである。
【0059】
次に、本実施例の作動を説明する。図2はシャッタのセット状態を示しており、アーム8,18は、図示していない夫々の駆動部材の作動ピンによって時計方向へ回転された状態にある。そのため、先羽根群7の羽根10,11,12,13は展開状態となって露光開口即ち開口部1aを覆っており、後羽根群17の羽根20,21,22,23は重畳状態となって開口部1aから退避し、開口部1aの下方位置に格納されている。このようなセット状態において、シャッタがレリーズされると、夫々軸1g,1iに回転可能に取り付けられている先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材が、所定のタイミングで順次反時計方向へ回転することになる。
【0060】
そこで、先ず、先羽根用駆動部材によって作動される先羽根群7の露光作動について説明する。先羽根用駆動部材が軸1gで反時計方向へ回転すると、孔8bに嵌合している作動ピンによって、アーム8が反時計方向へ急速に回転される。それによって先羽根群7の羽根10,11,12,13は上方へ作動され、開口部1aを開放していく。この上方への作動において、羽根10,11,12,13は隣接する羽根との相互の重なり量を大きくしてゆく。そして、スリット形成羽根である羽根10が、開口部1aの上方位置に退く段階になると、アーム8,9に羽根10を枢支する連結軸の頭部が、開口部1aの端面に衝突せず、傾斜面1qに摺接して案内されることになる。
【0061】
その後、先羽根群7が開口部1aを開放したとき、即ちスリット形成羽根である羽根10の下端縁(スリット形成縁)が開口部1aの上端縁を過ぎた頃には、各羽根の重なり量は殆ど最大になっている。そして、略同時に、先羽根用駆動部材の作動ピンが円弧状の孔1cの上端部に取り付けられた緩衝部材2に当接し、また、アーム8が軸1pに取り付けられた緩衝部材15に当接し、更に、各羽根10,11,12,13の上端縁が補助地板24に取り付けられた緩衝部材25,26に当接して、先羽根群7の露光作動が終了する。
【0062】
次に、後羽根用駆動部材によって作動される後羽根群17の露光作動について説明する。図示していない後羽根用駆動部材が軸1iで反時計方向へ回転すると、孔18bに嵌合している作動ピンによって、アーム18が反時計方向へ急速に回転される。それによって後羽根群17の羽根20,21,22,23は上方へ作動され、開口部1aを覆っていく。その過程で、各羽根は隣接する羽根との重なり量を少なくしてゆくが、スリット形成羽根である羽根20の上端縁(スリット形成縁)が開口部1aの下端縁を過ぎ、開口部1aを完全に覆った直後には、後羽根用駆動部材の作動ピンが、円弧状の孔1dの上端部に取り付けられた緩衝部材3に当接し、後羽根群17の露光作動が終了する。その状態が図5に示されている。
【0063】
本実施例においては、このような露光作動が、従来の構成のシャッタに比較して、極めて安定して行われるようになっている。従って、セット作動の説明を行う前に、ここで、そのことを、図7及び図8を用いて説明しておくことにする。図7(a),図8(a)は本実施例を示したものであり、図7(b),図8(b)は従来例を示したものである。そして、図7(b),図8(b)に示した従来例の各部材,部位には、それらに対応する本実施例の各部材,部位の符号にダッシュ(′)を付けた符号を付けてある。
【0064】
図7(b)には、各羽根の先端部の作動領域における開口部1a′,24a′の断面形状が示されている。そして、補助地板24′の傾斜面24e′は開口部24a′の端縁から中間板16′に向けて形成されている。しかしながら、本実施例においては、図7(a)から分かるように、傾斜面24fが開口部24aの端縁から補助地板24の背面側に向けて形成され、表面側、即ち中間板16側には、極めて僅かな無視してよい程度の曲面24gが形成されているだけである。従って、露光作動終了直後の状態を示す図8(a)と図8(b)との比較から分かるように、後羽根群の夫々の羽根の先端部が、肉厚部24p,24p′の表面と対向している面積は、本実施例の場合の方が一段と大きくなっている。
【0065】
言うまでもなく、各羽根の作動は、常に所定の平面上で行われるのが理想である。しかし、現実にはそのようなわけにはいかない。既に説明したように、各羽根は薄い短冊状の形状をしていて、その一端部で二つのアームに枢支されている。そのため平面性を保つことが非常に困難であり、作動中に撓みや捩じれを生じ易い。そして、その影響は羽根の先端部において顕著に現れるからである。しかも、周知のように、このような現象は、特に、作動終了時において問題となる。そのため、羽根の作動が安定して行われるようにするためには、各羽根の先端部を長くして、肉厚部24pの表面に対向している面積を、出来るだけ大きくすることが好ましいことになる。そして、最もそのようにする必要性のある羽根は、肉厚部24pに摺接するスリット形成用の羽根20ということになる。
【0066】
しかしながら、羽根の先端部を長くして面積を大きくすると、羽根全体の重量が大きくなることから高速性が損なわれてしまうことになり、しかも、各地板1,24や中間板16の面積を大きくしなければならないことから、シャッタの小型化の要求に対して逆行してしまうことにもなる。そこで、従来は、図8(b)に示す程度のぎりぎりの面積に設定されていた。尚、このときに、スリット形成用の羽根20′が肉厚部24p′の表面に対向している面積部分には、斜線を付けて示してある。
【0067】
ところで、仮に、各羽根の長さをこれ以上短くした場合には、どのような問題点が生じるのかについて説明しておく。露光作動中における羽根群の作動が安定して得られなくなることについては上記したが、その場合、スリット形成用の羽根20′の作動が一番問題となることが図8(b)から理解される。また、露光作動終了時の衝撃により、羽根20′に撓み方向への力が作用した場合には、先端が傾斜面24e′に落ち込んで、隣接する羽根21′との重なり部を広げてしまい、そこから一時的に漏光を生じさせてしまうようなことがある。更に、羽根20′が更に顕著に撓ませられた場合には、羽根20′の先端が開口部24a′に入って開口部24a′の端面と噛み合ってしまい(相互の端面がX状に噛み合う)、羽根20′が正常な姿勢に戻れなくなってしまうような事故も発生してしまう。
【0068】
そのような事態が生じないようにする手段が無いわけではない。しかし、それらの手段は、いずれも別の問題点を生じさせてしまうことになる。即ち、そのうちの一つの手段としては、開口部24a′を形成している四辺のうち、羽根の先端部が作動する領域の辺にだけは傾斜面24e′を形成しないようにすることが考えられる。しかし、そのようにすると、この辺は肉厚部24p′に隣接しているため、端面の面積が他の辺の端面の面積よりも格段に大きくなってしまい、後羽根群の羽根室に進入してきた光をフィルム面へ直接反射する量が多くなってしまうという問題点がある。
【0069】
もう一つの方法としては、図7(b)に一点鎖線で示すように、薄い板部材Pを配置することである。そして、その板部材Pの左端を開口部24a′の端縁の近くまで張り出しておけば、各羽根の先端部、特に羽根20′の先端部との接触面積を大きくすることができる。このような手段であれば、端面の面積も小さいので、フィルム面へ直接反射してしまう光量も極めて僅かで済み、フィルムの感光には殆ど影響しなくなる。しかしながら、上記した手段と比較した場合、部材が増えてしまう点で問題がある。
【0070】
本実施例の場合には、これらの手段と比較して、極めて有利な構成によって、問題を解決している。即ち、傾斜面24fを背面側に向けて形成したことによって端縁部を薄くし、端面の面積を他の辺の端面の面積と略同等にしてある。従って、フィルム面へ直接反射してしまう光量も極めて僅かで問題視する必要がない。また、特別な部材を設ける必要がないため、コストアップには繋がらない。そして、図8(a)と図8(b)とを対比すれば分かるように、本実施例によれば、肉厚部24pの表面に対する各羽根20,21,22,23の先端部の対向面積が一段と大きく得られている。一番問題となる羽根20の先端部についても斜線を付けている部分の面積を比較すれば、両者の差は明白である。
【0071】
これまでの説明においては、後羽根群17と補助地板24との関係で説明したが、先羽根群7とシャッタ地板1との関係についても、おおよそ同じことが言える。そのため、図7(a)から分かるように、本実施例においては、シャッタ地板1にも、傾斜面1vが背面側ではなく表面側に向けて形成されている。先羽根群7におけるスリット形成用の羽根10が、他の羽根11,12,13よりもシャッタ地板1側に配置されていることは既に説明した通りである。
【0072】
このように、本実施例によれば各羽根群の作動が従来例に比べて極めて安定して得ることができ、また、各羽根の先端部を、図8(b)に示した従来例と同じ位にぎりぎりの対向面積にした場合には、各羽根の長さが短くて済み、シャッタの小型化と高速化が容易になる。尚、本実施例においては、シャッタ地板1と補助地板24に、加工上、面取りと言われている程度の極めて僅かな曲面1w,24gを形成しているが、これは各羽根の平面を傷つけないために形成したものであって、曲線状ではなく直線状の傾斜面に形成してもそれなりの効果があるし、場合によっては必要のないこともある。
【0073】
さて、ここで、本実施例の作動の説明に戻ることにする。露光作動が終了して、図5に示す状態になった後、フィルムの巻き上げに連動してシャッタのセット作動が行われる。本実施例の場合には、露光作動終了時において、スリット形成羽根である二つの羽根10,20の重なり量が十分に得られている。そのため、セット時には、図示していない先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とが、略同時に時計方向へ回転され、作動ピンによってアーム8,18が時計方向へ回転される。そのため、先羽根群7の羽根10,11,12,13は、相互の重なりを少なくしつつ下方へ作動し、後羽根群17の羽根20,21,22,23は、相互の重なりを大きくしつつ下方へ作動することになる。そして、先羽根群7の羽根10,11,12,13が展開状態となって開口部1aを完全に覆い、後羽根群17の羽根20,21,22,23が重畳状態となって開口部1aの下方位置に格納されることによって停止し、図2に示すセット状態となる。
【0074】
尚、上記の実施例においては、先羽根群が、シャッタ地板と中間板との間の羽根室に配置され、後羽根群が中間板と補助地板との間の羽根室に配置されているタイプのシャッタとして説明したが、シャッタによっては、各羽根群を逆の羽根室に配置したものもある。本発明は、そのようなシャッタにも適用される。また、上記の実施例においては、先羽根群の羽根室を構成している地板と、後羽根群の羽根室を構成している地板の両方に、開口部を形成している辺のうち各羽根の先端部の作動領域に存在する辺に沿って、各羽根室側の面とは逆の面に向けて傾斜面を形成するようにしているが、本発明は、一方の地板にのみ、上記したような傾斜面を形成しても差し支えない。更に、上記の実施例においては、二つの地板が合成樹脂製であって、羽根の先端部の対向領域が、羽根室側に***した面を有する肉厚部として構成されているが、本発明は、該***面が基準面と同じ面であっても構わないし、各地板の材質も合成樹脂に限定されるものではない。
【0075】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、各羽根の長さを長くすることなしに、地板の平面に対する羽根先端部の対向面積を大きくすることができるから、羽根群の作動が安定し、また、羽根間からの漏光や作動不良を生じさせることもない。しかも、別の部材を用意することなしに、許される範囲で各羽根の長さを短くすることが可能なので、シャッタの小型化や高速化が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のセット状態を示した平面図である。
【図2】図1から開閉駆動機構を取り外して透視的に示した平面図であり、一部の部材は形状を簡略化して示してある。
【図3】図2を構成している主な部品の平面図であって、図2において一番表面側に位置するシャッタ地板から背面側に向けて配置されている順に、図3(a)〜図3(g)として示したものである。
【図4】図3(g)に示された補助地板の拡大平面図である。
【図5】図2と同じようにして透視的に示した平面図であって、露光作動の終了直後の状態を示している。
【図6】実施例の作用効果の説明に必要な部材を示した断面図であって、図6(a)は図1のA−A線断面図、図6(b)はそれに対応させて示した従来例の断面図である。
【図7】実施例の要部の形状説明に必要な断面図であって、図7(a)は図1のB−B線断面図、図7(b)はそれに対応させて示した従来例の断面図である。
【図8】実施例の要部の作用効果の説明に必要な構成部分だけを示したものであって、図8(a)は実施例の部分平面図、図8(b)はそれに対応させて示した従来例の部分平面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a,16a,24a 開口部
1b,1c,1d,1e,1f,8a,8b,9a,14a,14b,
16b,16c,16d,24b,24c,24d 孔
1g,1h,1i,1j,1k,1m,1n,1p 軸
1q,1s,1t,1v,24e,24f,24r,24s,24A1 ,24A2 ,24A3 ,24C1 ,24D1 ,24G1 ,24G2 ,24H1 ,24H2 ,24J1 ,24K1 ,25L1 ,24M1 傾斜面
1r,24p,24J,24K,24L,24M 肉厚部
1w,24g 曲面
1x,24q 間座部
2,3,15,25,26 緩衝部材
4 ビス
5 支持板
6 プリント配線板
7 先羽根群
8,9,18,19 アーム
10,11,12,13,20,21,22,23 羽根
14 押さえ板
16 中間板
16a1 凹部
16e 張出部
17 後羽根群
24 補助地板
24h,24i 筒部
24j,24k,24t,24G,24H 受け部
24m,24n 溝
24u 爪部
24A,24B,24C,24D 遮光壁
24A4 欠落部
24E,24F,24N 壁
F フィルム
P 板部材

Claims (5)

  1. 各々開口部を有していて所定の間隔を空けて相互に取り付けられている二つの地板と、前記開口部とのうちの少なくとも一つによって方形の露光開口を形成する開口部を有していて前記二つの地板間に配置されて二つの羽根室を形成している中間板と、一端部を露光開口の一方の側方位置で前記地板の一方に枢着されている複数のアームと短冊状をしていて一端部を該アームに順次枢支され他端部を該一方の側方位置とは反対側の側方位置露光開口の一辺に沿うようにして作動させられる複数枚の羽根とで各々が構成され前記二つの羽根室に別々に配置されている先羽根群及び後羽根群とを備えていて、前記二つの地板の開口部のうち少なくとも一方の開口部の周囲には、露光開口の前記一辺に対応する辺に沿って、羽根室側の面とは反対側の面に、光軸側が薄くなるような断面形状の傾斜面が形成されていると共に、露光開口の前記一辺と隣接している辺に対応する辺に沿って、羽根室側の面に、光軸側が薄くなるような断面形状の傾斜面が形成されていて、露光開口の前記一辺に対応する辺の端面が、露光開口の前記一辺に隣接している辺に対応する辺の端面よりも、羽根室側に形成されていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記傾斜面が、少なくとも、前記中間板と共に後羽根群の羽根室を形成している地板に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  3. 露光開口の前記一辺に対応する辺の周囲には、羽根室側の面とは反対側の面に形成されている前記傾斜面のほかに、該傾斜面よりも短い傾斜面が、羽根室側の面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記二つの地板のうち少なくとも一方は、前記反対側の側方位置が、羽根室側に***した面を有する肉厚部として形成されており、該***した面が各羽根の他端部と摺接するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
  5. 前記傾斜面を有する地板が合成樹脂で成形されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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