JP3989874B2 - リニア圧縮機およびこれを備えたスターリング機関 - Google Patents

リニア圧縮機およびこれを備えたスターリング機関 Download PDF

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    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニア圧縮機の構成部品のうち、ピストンが内部を摺動するシリンダの構造およびピストンを往復動させるためのリニアアクチュエータの構造に関する。また、より特定的には、スターリング機関のリニアアクチュエータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題の見地から、スターリング機関が注目を浴びている。スターリング機関は、外部の熱源を利用して可逆サイクルであるスターリングサイクルを実現する外燃機関であり、ガソリンなどの引火性や着火性に優れた燃料を必要とする内燃機関に比べ、低公害であるという長所を備えた熱機関である。このスターリング機関を応用した装置として、スターリング冷凍機が知られている。
【0003】
一般に、冷凍機等に使用される冷凍サイクルとしては、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが採用される場合が多い。この蒸気圧縮式の冷凍サイクルは、作動媒体としての冷媒にフロン(クロロフルオロカーボン)を用い、フロンの凝縮および蒸発を利用して所望の冷却性能を得るものである。
【0004】
しかし、冷媒として使用されるフロンは非常に化学的安定性が高く、大気中に放出された場合には、成層圏にまで達してオゾン層を破壊するとの指摘がなされている。このため、近年においては、特定のフロンの使用および生産が規制されており、フロンを用いた蒸気圧縮式の冷凍サイクルに代わる次世代の冷凍サイクルとして、逆スターリングサイクルが鋭意研究されている。
【0005】
逆スターリングサイクルにおいては、作動媒体としてヘリウムガスや水素ガス、窒素ガスなどを採用することができるため、地球環境に悪影響を及ぼす心配がない。また、逆スターリングサイクルは、小型の装置構成で極低温を発生させることが可能であり、各種冷凍機等への応用が可能である。これらの理由から、逆スターリングサイクルを用いたスターリング冷凍機の実用化が期待されている。
【0006】
スターリング冷凍機は、作動媒体である冷媒ガスをピストンを用いて圧縮・膨張する圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒ガスをディスプレーサを用いて圧縮・膨張させる膨張機とを組合わせたものである。従来、これら圧縮機と膨張機とは別個に構成されたものが一般的であったが、近年においてはピストンとディスプレーサを同軸上に配置することにより、シリンダを共有化したものが一般化しつつある。さらには、ディスプレーサを直接駆動することなく、ピストンの往復動によって生じる冷媒ガスの圧力変化を受けてディスプレーサがピストンと共振するように構成された、いわゆるフリーピストン型のスターリング冷凍機が一般化しつつある。
【0007】
このフリーピストン型スターリング冷凍機にあっては、圧縮機としてリニアアクチュエータを用いたリニア圧縮機が利用される。リニア圧縮機は、シリンダ内に嵌装されたピストンをリニアアクチュエータを用いて往復動させるように構成した圧縮機である。以下、従来のフリーピストン型スターリング冷凍機の構造を説明するとともに、このフリーピストン型スターリング冷凍機に組み込まれたリニア圧縮機についてもあわせて説明する。
【0008】
図5は、従来のフリーピストン型スターリング冷凍機の構造を示す模式断面図である。図5に示すように、従来のスターリング冷凍機100Cは、作動媒体としての作動ガスが内部に充填されたケーシング10を有しており、ケーシング10の内部には、ピストン側シリンダ2aとディスプレーサ側シリンダ2bとが配置されている。このピストン側シリンダ2aとディスプレーサ側シリンダ2bとは同軸上に配置されており、一つのシリンダ2を構成している。シリンダ2は、アルミニウム等の非磁性材料を用いて形成される。なお、このシリンダ2内は、上述の作動ガスにて充填されている。
【0009】
シリンダ2内には、ピストン3およびディスプレーサ4が同軸上に嵌装されて位置している。これらピストン3およびディスプレーサ4によってシリンダ2内の作動空間が圧縮室6と膨張室7とに区画されている。圧縮室6は、放熱部(ウォームヘッド)8によって覆われており、膨張室7は、吸熱部(コールドヘッド)9によって覆われている。なお、ピストン3から見てディスプレーサ4とは反対側の空間には、ケーシング10によって囲まれた背圧室19が位置している。
【0010】
ピストン3は、駆動手段であるリニアアクチュエータ14によって駆動される。リニアアクチュエータ14は、ピストン側シリンダ2aの外周面に嵌着された内側ヨーク11と、この内側ヨーク11の外側に対向して配置された外側ヨーク組立体12と、これら内側ヨーク11と外側ヨーク組立体12との間に位置する間隙に配置された永久磁石13とから構成される。ここで、外側ヨーク組立体12は、ボビン/コイル12aと、外側ヨーク12bとからなる組品である。なお、内側ヨーク11および外側ヨーク12bは、鉄などの磁性材料にて形成される。
【0011】
上述の構成のリニアアクチュエータ14においては、内側ヨーク11、外側ヨーク12bおよび永久磁石13によって磁気回路が構成される。そしてスターリング冷凍機100Cの動作時においては、コイルに電流が入力されることによって生じる磁束の変化により、永久磁石13に力が加わる。これに伴い、永久磁石13に連結部材15を介して接続されたピストン3が駆動されることになる。
【0012】
ピストン3は、支持部材16a、外側ヨーク組立体12および支持部材16bを介してケーシング10に固定された支持バネ17に接続されている。このため、リニアアクチュエータ14によって駆動されたピストン3は、シリンダ2内を周期的に往復動することになる。また、ディスプレーサ4は、ピストン3が往復動することによって生ずるガス圧の変化を受けてシリンダ2内を移動するが、支持部材16a、支持部材16b、外側ヨーク組立体12および支持部材16cを介してケーシング10に固定された支持バネ18に、ディスプレーサロッド4aを介して接続されているため、シリンダ2内を周期的に往復動することになる。このピストン3の往復動とディスプレーサ4の往復動とは、定常運転時において一定の位相差をもって同じ周期で行なわれる。
【0013】
圧縮室6と膨張室7との間には再生器5が設けられており、この再生器5を介してこれら両室が連通することにより、スターリング冷凍機100C内に閉回路が構成されている。この閉回路内に封入された作動ガスが、ピストン3およびディスプレーサ4の動作に合わせて流動することにより、逆スターリングサイクルが実現される。
【0014】
上記構造のスターリング冷凍機が開示された文献として、特開2002−139263号公報(特許文献1)がある。
【0015】
【特許文献1】
特開2002−139263号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のスターリング冷凍機においては、内側ヨークはシリンダの外周面に嵌着されて組み付けられていた。しかしながら、内側ヨークおよびシリンダが組付けられる部位は、スターリング冷凍機の内部構造の中でも特に厳密な寸法精度が要求される部位であり、この寸法精度が実現されない場合には所望のピストン動作が得られず、製品としての性能に支障を来たすことになる。したがって、この要求を満たすためには、ピストンおよびシリンダをそれぞれ相当の加工精度で仕上げる必要があるとともに、これらの組付け精度にも、相当の精度が必要となり、コストアップの原因となっていた。
【0017】
また、上記構造では、シリンダと内側ヨークとが別部材にて構成されるため、部品点数が増加することに伴って組立て作業が煩雑化し、製造コストの増大につながっていた。さらには、シリンダの肉厚に加えて内側ヨークの肉厚をも考慮に入れる必要があり、スターリング冷凍機の外径寸法が増大する問題も有していた。
【0018】
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、高い精度での組付けが可能であるとともに、量産時における組立て作業が容易でかつケーシングの外形を小さくすることができるリニア圧縮機およびこれを備えたスターリング機関を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づくリニア圧縮機は、ケーシングと、シリンダと、ピストンと、リニアアクチュエータとを備える。シリンダは、ケーシングの内部に配置されている。ピストンは、リニアアクチュエータによって駆動されてシリンダ内を往復動する。リニアアクチュエータは、内側ヨークと、外側ヨークと、永久磁石とを含む。内側ヨークと外側ヨークとは、対向して配置されており、これら内側ヨークと外側ヨークとの間に位置する間隙に、ピストンに連結された永久磁石が配置されている。シリンダは、内部をピストンが往復動する円筒状の部分と、円筒状の部分をケーシングに固定するためのフランジ部分とを含んでいる。円筒状の部分の少なくとも外周面側の部分は磁性材料にて形成されている。これにより、上記円筒状の部分と上記内側ヨークと一体的に成形されており、これによって一部材からなるシリンダ兼内側ヨーク体が構成されている。そして、フランジ部分は、非磁性材料にて形成されている。
【0020】
このように、従来別部材として形成されていたシリンダの円筒状の部分と内側ヨークとを一体的に形成することにより、高い寸法精度が実現されるようになる。このため、要求精度を確実に満たすことが可能になるとともに、組立て作業も簡易化し、製造コストの低減を図ることが可能になる。また、シリンダの円筒状の部分と内側ヨークとを一体化することにより、リニア圧縮機の外径寸法を小型化することも可能になる。そして、シリンダのフランジ部分を非磁性材料で形成することにより、磁気回路に形成される磁束が必要以上に外側に漏れ出ることがなくなるため、効率よくピストンを摺動させることが可能になる。
【0021】
上記本発明に基づくリニア圧縮機にあっては、上記シリンダ兼内側ヨーク体が軟磁性粉末を用いて形成された圧縮成形品であることが好ましい。
【0022】
このように、軟磁性材料を用いた圧縮成形によってシリンダ兼内側ヨーク体を形成することにより、容易にシリンダの円筒状の部分と内側ヨークとの一体化が可能になる
【0023】
上記本発明に基づくリニア圧縮機にあっては、上記シリンダ兼内側ヨーク体が押し出しまたは引き抜き成形によって形成された半径方向に2層の構造を有する成形品から構成されていることが好ましく、その場合に当該2層のうちの内周面側の層が非磁性材料にて形成され、かつ当該2層のうちの外周面側の層が磁性材料にて形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、高精度の成形が可能になる。
【0025】
本発明に基づくスターリング機関は、上述のいずれかのリニア圧縮機を備えている。
【0026】
このように、上述のいずれかのリニア圧縮機を備えたスターリング機関とすることにより、高い精度での組付けが可能になるとともに、量産時における組立て作業が容易化する。また、ケーシングの外形の小型化が図られたスターリング機関を提供することができるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、リニア圧縮機の応用例であるスターリング冷凍機を例示して説明を行なう。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるスターリング冷凍機の構造を示す模式断面図である。また、図2は、図1中において破線で囲った領域IIを拡大して示す部分拡大図である。
【0029】
(スターリング冷凍機100Aの構造)
図1に示すように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機100Aは、ヘリウムガスや水素ガス、窒素ガスなどの作動ガスが作動媒体として内部に充填されたケーシング10を有している。ケーシング10の内部には、シリンダ兼内側ヨーク体1aとディスプレーサ側シリンダ2bとが配置されている。このシリンダ兼内側ヨーク体1aとディスプレーサ側シリンダ2bとは同軸上に配置されており、一つのシリンダ2を構成している。ここで、シリンダ兼内側ヨーク体1aは、シリンダとして機能する円筒状の部分と、ケーシング10に対してシリンダ兼内側ヨーク体1aを位置決めして固定するためのフランジ部分とを有している。なお、このシリンダ2内は、上述の作動ガスにて充填されている。
【0030】
シリンダ2の内部には、ピストン3およびディスプレーサ4が同軸上に嵌装されて位置している。これらピストン3およびディスプレーサ4によってシリンダ2内の作動空間が圧縮室6と膨張室7とに区画されている。圧縮室6は、放熱部(ウォームヘッド)8によって覆われている。一方、膨張室7は、吸熱部(コールドヘッド)9によって覆われている。なお、ピストン3から見てディスプレーサ4とは反対側の空間には、ケーシング10によって囲まれた背圧室19が位置している。
【0031】
ピストン3は、駆動手段であるリニアアクチュエータ14によって駆動される。リニアアクチュエータ14は、シリンダ兼内側ヨーク体1aと、このシリンダ兼内側ヨーク体1aの外側に対向して配置された外側ヨーク組立体12と、これらシリンダ兼内側ヨーク体1aと外側ヨーク組立体12との間に位置する間隙に配置された永久磁石13とから構成される。ここで、外側ヨーク組立体12は、ボビン/コイル12aと、外側ヨーク12bとからなる組品である。
【0032】
上述の構成のリニアアクチュエータ14においては、シリンダ兼内側ヨーク体1a、外側ヨーク12bおよび永久磁石13によって磁気回路が構成される。そしてスターリング冷凍機100Aの動作時においては、コイルに電流が入力されることによって生じる磁束の変化により、永久磁石13に力が加わる。これに伴い、連結部材15を介して接続されたピストン3が駆動されることになる。
【0033】
ピストン3は、支持部材16a、外側ヨーク組立体12および支持部材16bを介してケーシング10に固定された支持バネ17に接続されている。このため、リニアアクチュエータ14によって駆動されたピストン3は、シリンダ2内を周期的に往復動することになる。また、ディスプレーサ4は、ピストン3が往復動することによって生ずるガス圧の変化を受けてシリンダ2内を移動するが、支持部材16a、外側ヨーク組立体12、支持部材16bおよび支持部材16cを介してケーシング10に固定された支持バネ18に、ディスプレーサロッド4aを介して接続されているため、シリンダ2内を周期的に往復動することになる。このピストン3の往復動とディスプレーサ4の往復動とは、定常運転時において一定の位相差をもって同じ周期で行なわれる。
【0034】
圧縮室6と膨張室7との間には再生器5が配設されており、この再生器5を介してこれら両室が連通することにより、スターリング冷凍機100A内に閉回路が構成されている。この閉回路内に封入された作動ガスが、ピストン3およびディスプレーサ4の動作に合わせて流動することにより、逆スターリングサイクルが実現する。
【0035】
(スターリング冷凍機100Aの動作)
次に、上記構成のスターリング冷凍機100Aの動作について説明する。まず、リニアアクチュエータ14を作動させ、ピストン3を駆動する。リニアアクチュエータ14によって駆動されたピストン3は、ディスプレーサ4に接近し、圧縮室6内の作動ガスを圧縮する。これにより、圧縮室6内の作動ガス温度は上昇するが、放熱部8によってこの圧縮室6内に発生した熱が外部へと放出されるため、圧縮室6内の作動ガス温度はほぼ等温に維持される。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルにおける等温圧縮過程に相当する。
【0036】
次に、ピストン3によって圧縮室6内において圧縮された作動ガスは、その圧力により再生器5内に流入し、さらに膨張室7へと送られる。その際、作動ガスの持つ熱が再生器5に蓄熱される。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等容冷却過程に相当する。
【0037】
つづいて、膨張室7内に流入した高圧の作動ガスは、ディスプレーサ4がピストン3側へ下がることにより、膨張する。これにより、膨張室7内の作動ガス温度は下降するが、吸熱部9によって外部の熱が膨張室7内へと伝熱されるため、膨張室7内はほぼ等温に保たれる。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等温膨張過程に相当する。
【0038】
やがて、ディスプレーサ4がピストン3から遠ざかる方向に上昇し始めることにより、膨張室7内の作動ガスは再生器5を通過して、再び圧縮室6側へと戻る。その際、再生器5に蓄熱されていた熱が作動ガスに与えられるため、作動ガスは昇温する。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等容加熱過程に相当する。
【0039】
この一連の過程(等温圧縮過程−等容冷却過程−等温膨張過程−等容加熱過程)が繰り返されることにより、逆スターリングサイクルが構成される。この結果、吸熱部9は徐々に低温になり、極低温を有するに至る。
【0040】
(シリンダ兼内側ヨーク体1a)
本実施の形態におけるスターリング冷凍機100Aにおいては、従来において別々の部材にて構成されていたピストン側シリンダと内側ヨークとが同一の部材にて一体的に形成されている。すなわち、シリンダ兼内側ヨーク体1aは、内部をピストンが摺動するためのシリンダとしての機能と、リニアアクチュエータ14の磁気回路を構成する内側ヨークとしての機能とを同時に果たすものとなる。
【0041】
このシリンダ兼内側ヨーク体1aは、軟磁性粉末を用いた圧縮成形によって形成される。具体的には、金属磁性粉末と樹脂粉末との混合物を所望の形状の金型内に封入し、高温高圧下にて焼結することによって形成される。金属磁性粉末としては、たとえば鉄粉や鉄系の合金からなる粉末が用いられる。樹脂粉末としては、たとえばポリエチレンなどの熱可塑性の樹脂材料からなる粉末等が用いられる。上記圧縮成形は、研削加工等のみによる成形よりも自由度の高い成形が可能であり、シリンダ兼内側ヨーク体1aの製作に適した成形方法である。また、この圧縮成形を用いてシリンダ兼内側ヨーク体1aを形成すれば、複雑な形状を自由に再現することができるため、従来の研削加工等のみによる成形よりも設計自由度が大幅に増すようになる。
【0042】
圧縮成形されたシリンダ兼内側ヨーク体1aには、厳密な要求精度を満たすべく、さらに研削加工が施される。従来のスターリング冷凍機においては、シリンダの寸法と内側ヨークの寸法との総和での寸法精度が要求されていたため、組合わせ前のシリンダおよび内側ヨークの寸法精度は、さらに厳格に要求されるものであった。しかしながら、本実施の形態のスターリング冷凍機100Aのように、ピストン側シリンダと内側ヨークとを一体物として形成したシリンダ兼内側ヨーク体1aとすることにより、研削加工等の機械加工によって容易に要求精度を実現することが可能になる。また、組付け精度の管理も従来に比べて容易に行なえるようになるため、量産に適した構造となる。なお、実際にシリンダ兼内側ヨーク体1aに研削加工を施す部位としては、高い寸法精度が要求される内周面や外周面のみで足りる。
【0043】
さらに、図2に示すように、シリンダ兼内側ヨーク体1aの内周面には、樹脂材料を主成分とした被膜20が形成される。この被膜20は、ピストン3の摺動性の向上を図るために施されるものであり、これによってピストン3の磨耗が防止されるようになる。この被膜20としては、たとえば、フッ素コーティング、テフロン(R)コーティング、カーボンコーティングなどが好適である。
【0044】
(作用・効果)
以上において説明したように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機にあっては、シリンダと内側ヨークとが一体物として形成されているため、高い寸法精度が実現されるようになる。このため、この部位に要求される厳密な要求精度を容易に達成することができるようになる。このため、スターリング冷凍機の性能が安定したものとなり、量産化に好適なものとなる。また、組立て作業も簡易化し、製造コストの低減を図ることも可能になる。さらには、シリンダと内側ヨークとを一体化することにより、スターリング冷凍機の外径寸法を小型化することも可能になる。
【0045】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2におけるスターリング冷凍機の構造を示す模式断面図である。また、図4は、図3中において破線で囲った領域IVを拡大して示す部分拡大図である。なお、上述の実施の形態1に示すスターリング冷凍機と同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
【0046】
(スターリング冷凍機100Bの構造)
図3および図4に示すように、本実施の形態におけるスターリング冷凍機100Bにおいても、ピストン側シリンダと内側ヨークとが同一の部材にて一体的に形成されている。しかしながら、本実施の形態におけるシリンダ兼内側ヨーク体1bは、上述の実施の形態1におけるシリンダ兼内側ヨーク体1aとは異なり、円筒状の部分のみから構成されている。円筒状の部分のみからなるシリンダ兼内側ヨーク体1bは、フランジ2cを介してケーシング10に固定される。フランジ2cとシリンダ兼内側ヨーク体1bとの固定には、位置決め用の突起2c1が利用される。
【0047】
(作用・効果)
本実施の形態におけるスターリング冷凍機においては、上述の実施の形態1におけるスターリング冷凍機に比べ、圧縮成形するシリンダ兼内側ヨーク体の形状がより簡素化された形状であるため、さらに製造が容易に行なえるようになる。また、フランジを非磁性材料にて形成することにより、磁気回路に形成される磁束が必要以上に外側に漏れ出ることがなくなるため、効率よくピストンを摺動させることが可能になる。
【0048】
本実施の形態においては、円筒状の部分のみからなるシリンダ兼内側ヨーク体を軟磁性材料を焼結することによって形成した場合を例示して説明を行なったが、特にこのシリンダ兼内側ヨーク体の形成方法はこれに限定されるものではない。たとえば、鉄などの磁性材料を用いて焼結以外の方法(たとえば、切削加工、押し出し成形加工、鋳造またはこれらの組合わせ)によって形成してもよい。また、押し出し(引き抜き)成形を採用した場合には、円筒状のシリンダ兼内側ヨーク体を半径方向に2層構造とし、その内周面側が非磁性材料の層でありかつ外周面側が磁性材料の層となるように形成することも可能である。この場合には高精度の成形が可能になる。
【0049】
上述の実施の形態1および2においては、フリーピストン型スターリング冷凍機を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象は特にこのフリーピストン型スターリング冷凍機に限定されるものではない。また、上述の実施の形態1および2においては、リニア圧縮機とディスプレーサとが一体化されたスターリング冷凍機を例示して説明を行なったが、これに限定されるものでもない。本発明は、ピストンまたはディスプレーサが往復動することによって逆スターリングサイクルを実現するスターリング冷凍機であればどのような構成のものにも適用可能である。さらには、本発明は、スターリング冷凍機のみならず、一般的なスターリング機関にも当然に適用可能である。さらに広くは、本発明は、スターリング機関のみならずリニア圧縮機を備えた他の装置全般に適用可能である。
【0050】
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、高い精度での組付けが可能であるとともに、量産時における組立て作業が容易でかつケーシングの外形を小さくすることができるリニア圧縮機およびこれを備えたスターリング機関を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるスターリング冷凍機の構造を示す模式断面図である。
【図2】 図1中において破線で囲った領域IIを拡大して示す部分拡大図である。
【図3】 本発明の実施の形態2におけるスターリング冷凍機の構造を示す模式断面図である。
【図4】 図3中において破線で囲った領域IVを拡大して示す部分拡大図である。
【図5】 従来のスターリング冷凍機の構造を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1a,1b シリンダ兼内側ヨーク体、2 シリンダ、2b ディスプレーサ側シリンダ、2c フランジ、2c1 突起、3 ピストン、4 ディスプレーサ、4a ディスプレーサロッド、5 再生器、6 圧縮室、7 膨張室、8 放熱部、9 吸熱部、10 ケーシング、12 外側ヨーク組立体、12a ボビン/コイル、12b 外側ヨーク、13 永久磁石、14 リニアアクチュエータ、15 連結部材、16a,16b,16c 支持部材、17,18 支持バネ、19 背圧室、20 被膜、100A,100B スターリング冷凍機。

Claims (4)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシングの内部に配置されたシリンダと、
    前記シリンダ内を往復動するピストンと、
    前記ピストンを駆動するリニアアクチュエータと、を備えたリニア圧縮機であって、
    前記リニアアクチュエータは、
    内側ヨークと、
    前記内側ヨークに対向して配置された外側ヨークと、
    前記内側ヨークと前記外側ヨークとの間に位置する間隙に配置され、前記ピストンに連結された永久磁石と、を含み、
    前記シリンダは、内部を前記ピストンが往復動する円筒状の部分と、前記円筒状の部分を前記ケーシングに固定するためのフランジ部分とを含み、
    前記円筒状の部分の少なくとも外周面側の部分を磁性材料にて形成することにより、前記円筒状の部分と前記内側ヨークと、一体的に成形されてなるシリンダ兼内側ヨーク体にて構成され、
    前記フランジ部分が、非磁性材料にて形成されている、リニア圧縮機。
  2. 前記シリンダ兼内側ヨーク体は、軟磁性粉末を用いて形成された圧縮成形品である、請求項1に記載のリニア圧縮機。
  3. 前記シリンダ兼内側ヨーク体は、押し出しまたは引き抜き成形によって形成された半径方向に2層の構造を有する成形品からなり、
    当該2層のうちの内周面側の層が非磁性材料にて形成され、当該2層のうちの外周面側の層が磁性材料にて形成されている、請求項1に記載のリニア圧縮機。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のリニア圧縮機を備えた、スターリング機関。
JP2003155008A 2003-05-30 2003-05-30 リニア圧縮機およびこれを備えたスターリング機関 Expired - Fee Related JP3989874B2 (ja)

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