JP3988311B2 - 車両の駆動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関および電動機を動力源として搭載しているハイブリッド車、あるいは停車時に内燃機関を停止させかつ発進時に内燃機関の出力軸に設けた電動機により内燃機関を始動させるエコラン車などの車両に関し、特に内燃機関に対してクラッチを介して電動機が連結されている車両の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、地球規模の環境保全やエネルギ節減に着目されるようになってきており、それに伴って車両からの排気ガスを低減し、また燃費を向上させることが強く要求されるようになってきている。このような要請を背景に、動力源として内燃機関と併せて電動機を搭載したハイブリッド車が開発され、実用化されている。
【0003】
この種のハイブリッド車では、内燃機関を最も燃焼効率の良い状態で運転し、発進時や大きい駆動トルクが要求される場合には、バッテリの電力や内燃機関によって駆動される発電機からの電力で電動機を駆動し、さらに減速時には車両の有している走行慣性力によって発電機を駆動してエネルギの回生をおこなうことにより、排ガスの削減および燃費の向上と動力性能とを両立させるようにしている。さらに最近では、車両の一時的な停止時においても内燃機関の運転を止め、再発進時に内燃機関の出力軸に設けた電動機により内燃機関をモータリングして始動させるいわゆるエコラン車が提案されており、これにより燃料消費量および排ガスの発生量を抑制している。
【0004】
これらのハイブリッド車やエコラン車の効果を更に向上させるには、内燃機関の回転部分の摩擦によるエネルギの消費を削減することが好ましく、そのためには内燃機関を駆動系統から選択的に遮断するクラッチを設けることが有効である。例えば、モータ・ジェネレータを動力源として走行する場合や減速時にエネルギの回生をおこなう場合に内燃機関を駆動系統から遮断すれば、モータ・ジェネレータの出力する動力で内燃機関を不必要に回転させたり、あるいは車両の有する走行慣性力で内燃機関を不必要に回転させることがなくなるので、内燃機関での摩擦による動力の損失(フリクションロス)が低減されて燃費を向上させることができる。また、燃料の消費が少ない分、排ガスの発生量を少なくすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにハイブリッド車においても、内燃機関の出力とモータ・ジェネレータの出力とを駆動系統を介して駆動輪に伝達するように構成されているので、モータ・ジェネレータから内燃機関にトルクを伝達することが可能である。このような機能を利用することにより、前述のエコラン車と同じように、一時的な停車時に内燃機関を停止させるとともに、再度の発進時にモータ・ジェネレータによって内燃機関を回転(モータリング)して内燃機関を始動させる。しかしながら、上述したように、フリクションロスの低減のために内燃機関を駆動系統から選択的に遮断するクラッチを設けたハイブリッド車やエコラン車では、減速時にそのクラッチを解放して回生効率を高くし、かつ停車に伴って内燃機関を停止することになるので、再発進の際には、そのクラッチを解放状態から係合状態に切り換えて、モータ・ジェネレータから内燃機関にトルクを伝達し、こうして内燃機関を回転させた状態で燃料を供給して内燃機関を始動することになる。
【0006】
すなわち、内燃機関を始動するためには、その直前にクラッチを係合させる制御が必須となるが、クラッチを解放状態から係合状態に切り換える場合には、不可避的な遅れが生じるので、これが内燃機関の始動の遅れとなる。すなわち上記のように内燃機関を駆動系統から選択的に遮断するクラッチを設けることにより、燃費の向上などの利点が生じる反面、そのモータ・ジェネレータを使用して内燃機関を始動する自動再始動制御をおこなうにあたっては、内燃機関の再始動の遅れ時間が長くなり、始動応答性が低下する可能性があった。
【0007】
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、内燃機関と他の動力装置とを動力源としたハイブリッド車やエコラン車における内燃機関の始動応答性を向上させることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、内燃機関をモータリングすることのできる1個の電動機もしくは複数の電動機のうちのいずれか1個の電動機を、条件に応じてクラッチを介して内燃機関に連結しておき、内燃機関の始動時には、その電動機を駆動して直ちに内燃機関をモータリングするように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
すなわち請求項1の発明は、内燃機関の出力側に入力クラッチを介して電動機が連結されている車両の駆動制御装置であって、停止させられた前記内燃機関を自動再始動する場合に前記内燃機関と共に前記電機の動作状態を検出する状態検出手段と、前記内燃機関を自動再始動するために前記電動機で前記内燃機関を回転させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、前記内燃機関が停止させられているときに、前記電動機の動作状態が前記状態検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段とを備え、前記入力クラッチが係合している状態で発進の意図が検出された際に前記内燃機関を前記電動機で回転させて自動再始動させるように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0010】
したがって請求項1の発明においては、停止させられた内燃機関を自動再始動するにあたって、互いに直列に連結されている内燃機関の停止と電動機の動作状態とが検出された場、内燃機関を電動機によってモータリングして自動再始動する前に、これら内燃機関と電動機との間に配置されている入力クラッチが係合させられる。したがって内燃機関の自動再始動のために電動機を駆動すれば、その出力トルクによって内燃機関が直ちにモータリングされるので、内燃機関の始動の遅れが回避もしくは抑制される。
【0011】
また、請求項2の発明は、内燃機関の出力側に入力クラッチを介して第1の電動機が連結されるとともに、前記内燃機関を回転させるモータリングトルクを出力できる第2の電動機が他のクラッチを介して内燃機関に連結されている車両の駆動制御装置であって、前記内燃機関を自動再始動するために前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、前記内燃機関を自動再始動する場合に前記内燃機関と共に前記第1の電動機が実質的に停止している状態を検出する停止検出手段と、前記内燃機関の自動再始動のために前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させることが前記始動条件判断手段で判断され、かつ前記内燃機関と第1の電動機とが共に停止していることが前記停止検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記第1の電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段とを備え、前記入力クラッチが係合している状態で発進の意図が検出された際に前記第1の電動機により前記内燃機関をモータリングするように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0012】
したがって請求項2の発明においては、停止させられた内燃機関を自動再始動する場合、内燃機関をモータリングする前に、内燃機関および第1の電動機が実質的に停止していることにより、内燃機関と第1の電動機との間の入力クラッチが係合状態に制御される。その状態で、第1の電動機によって内燃機関を回転させてその始動をおこなうために、第1の電動機を駆動すれば、直ちに内燃機関が回転させられてその始動をおこなうことができ、内燃機関の始動の遅れが回避もしくは抑制される。
【0013】
請求項3の発明は、内燃機関の出力側に入力クラッチを介して第1の電動機が連結されるとともに、前記内燃機関を回転させるモータリングトルクを出力できる第2の電動機が他のクラッチを介して内燃機関に連結されている車両の駆動制御装置において、前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、前記内燃機関と第1の電動機とが共に実質的に停止している状態を検出する停止検出手段と、前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを前記始動条件判断手段が判断し、かつ前記内燃機関と第1の電動機とが共に停止していることが前記停止検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記第1の電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段とを備え、前記第1の電動機によって内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が、前記内燃機関の暖機の完了前であることを特徴とする制御装置である。
請求項4の発明は、内燃機関の出力側に入力クラッチを介して第1の電動機が連結されるとともに、前記内燃機関を回転させるモータリングトルクを出力できる第2の電動機が他のクラッチを介して内燃機関に連結されている車両の駆動制御装置において、前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、前記内燃機関と第1の電動機とが共に実質的に停止している状態を検出する停止検出手段と、前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを前記始動条件判断手段が判断し、かつ前記内燃機関と第1の電動機とが共に停止していることが前記停止検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記第1の電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段とを備え、前記第2の電動機が、補機類を駆動するための機能を備え、かつ前記第1の電動機によって内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が、前記第2の電動機が前記補機類を駆動するための制御中であることを特徴とする制御装置である。
請求項5の発明は、内燃機関の出力側に入力クラッチを介して第1の電動機が連結されるとともに、前記内燃機関を回転させるモータリングトルクを出力できる第2の電動機が他のクラッチを介して内燃機関に連結されている車両の駆動制御装置において、前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、停止させられた前記内燃機関を自動再始動する場合に前記第1の電動機の動作状態を検出する状態検出手段と、前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを前記始動条件判断手段が判断し、かつ前記第1の電動機の動作状態が前記状態検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記第1の電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段とを備え、前記第2の電動機が、前記内燃機関からトルクを受けて回転することにより起電力を生じる発電機能を備え、かつ前記第1の電動機によって内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が、前記内燃機関の始動と同時に発電をおこなうように前記第2の電動機が前記他のクラッチを介して内燃機関に連結されていることを特徴とする制御装置である。
【0014】
さらに、請求項6の発明は、内燃機関に該内燃機関の始動のためのモータリングトルクを発生可能でトルクの異なる複数の電動機がそれぞれクラッチを介して連結された車両の駆動制御装置であって、前記内燃機関の暖機の完了および未完に応じて係合させるクラッチを選択する手段と、前記内燃機関を始動する条件が成立したときに前記手段で選択されて係合させられているクラッチによって前記内燃機関に連結されている電動機を、前記内燃機関を始動させるための電動機に決定する手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0015】
したがって請求項6の発明においては、内燃機関を始動させる場合、内燃機関のモータリングトルクを発生することのできる複数の電動機のいずれかがクラッチを介して内燃機関に連結されている。その係合するクラッチは、内燃機関の暖機の完了および未完に応じて選択されたクラッチである。したがってそのクラッチによって連結されている電動機を駆動することにより、直ちに内燃機関を回転させることができるので、内燃機関の始動の遅れが回避もしくは抑制される。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記内燃機関の出力側に連結された入力クラッチと、該入力クラッチを介して前記内燃機関に連結された第1の電動機とを更に備え、前記内燃機関の暖機が完了する前は前記入力クラッチを解放しないように構成されていることを特徴とする制御装置である。
そして、請求項8の発明は、請求項1ないし5および7のいずれかの発明において、変速機と、該変速機と電動機とを連結するロックアップクラッチ付きトルクコンバータとを更に備え、前記内燃機関を自動再始動するために前記入力クラッチが係合させられた場合に前記ロックアップクラッチを解放するように構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。図2はこの発明で対象とする車両のパワープラントの一例を示しており、内燃機関1の出力側に入力クラッチ2を介して電動機3が接続されている。さらにその電動機3の出力側にトルクコンバータ4を介して自動変速機5が連結されている。すなわちここに示す例はハイブリッド車として構成されている。
【0017】
その内燃機関1は、要は、燃料を燃焼させて動力を出力する装置であって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを採用することができ、またその形式は、レシプロタイプのもの以外にタービン型のエンジンであってもよい。なお、以下の説明では、内燃機関1をエンジン1と記す。したがってエンジン1は、外力によって強制的に回転させ、その状態で燃料を供給することにより始動するように構成されている。さらに、出力を電気的に制御できるようにするために、エンジン1には電子スロットルバルブ7が設けられている。
【0018】
エンジン1の出力側に設けられている入力クラッチ2はエンジン1の出力を電動機3もしくはトルクコンバータ4に選択的に伝達するためのものであり、言い換えれば、エンジン1を電動機3以降の駆動系統から選択的に遮断するためのものであり、乾式あるいは湿式のクラッチや単板もしくは多板のクラッチを採用することができ、さらにまた電磁クラッチなどの電気的に係合・解放を制御することのできるクラッチを採用することができる。なお、単板式あるいは多板式のクラッチであっても、電気的に制御できるアクチュエータ(図示せず)によって係合・解放の制御をおこなうように構成することができる。
【0019】
また、電動機3は、要は、電力が供給されてトルクを出力する動力装置であり、直流モータや交流モータを採用することができ、さらには固定永久磁石型同期モータなどの発電機能を兼ね備えたいわゆるモータ・ジェネレータを使用することができる。なお、以下の説明では、電動機3をモータ・ジェネレータ3と記す。このモータ・ジェネレータ3を入力クラッチ2およびトルクコンバータ4に連結する構造は、入力クラッチ2の出力側の部材にトルクコンバータ4の入力軸などの入力側の部材を連結し、そのトルクコンバータ4の入力側の部材に、モータ・ジェネレータ3のロータを一体に回転するように連結した構成とすればよい。
【0020】
自動変速機5の入力側に配置されているトルクコンバータ4は、流体を介してトルクの伝達をおこなう伝動機構であって、その入力側の部材と出力側の部材との速度比(回転数の比)に応じて入力トルクが増幅されて出力される。また、その入力側の部材と出力側の部材とを直接、機械的に連結するロックアップクラッチ8が内蔵されている。このロックアップクラッチ8は、いわゆる摩擦クラッチであり、滑りのない完全な係合状態と滑りを伴ってトルクを伝達するいわゆる半係合状態とに制御することができる。そしてこのロックアップクラッチ8が半係合状態を含めて係合している状態では、流体を介したトルクの伝達が減じられるので、その分、トルクの増幅作用が少なくなる。
【0021】
自動変速機5は、要は、車両の走行状態に応じて変速比を自動的に設定する変速機であって、トルクの伝達経路を変更して変速比を所定の値に設定する歯車変速機部9と、その歯車変速機部9および前記トルクコンバータ4を制御する油圧制御部10とを備えている。その歯車変速機部9は、複数組の遊星歯車機構を主体として構成されているギヤトレーンにおけるトルクの伝達経路を替えて複数段の変速比を設定する構成のもの、常時噛み合っている複数対のギヤ対を選択的に入力軸と出力軸とに連結して所定の変速比を設定する構成のものなどを採用することができる。
【0022】
これらトルクコンバータ4および自動変速機5を駆動および制御するための油圧は、従来の自動変速機と同様に、主に、トルクコンバータ4と歯車変速機部9との間に配置された油圧ポンプ11を、トルクコンバータ4の入力側の部材と共に回転させることにより発生させるように構成されている。したがってこの油圧ポンプ11をエンジン1もしくはモータ・ジェネレータ3によって駆動することになるが、これらエンジン1およびモータ・ジェネレータ3が停止している場合であっても所定の油圧を発生させるために電動オイルポンプ12が設けられている。これは、例えばトルクコンバータ4の外周側で油圧制御部10に接近した位置に配置されている。
【0023】
エンジン1の前端側(前記入力クラッチ2とは反対側)に伝動機構13が設けられ、この伝動機構13によって動力を伝達されて回転する第2の電動機としてのモータ・ジェネレータ14が、エンジン1の先端側の側部に取り付けられている。その伝動機構13は、例えば一対のプーリーとこれらに巻き掛けたベルトとからなる巻き掛け伝動機構や互いに噛合した複数の歯車からなる歯車伝動機構などからなるものであって、その駆動側の部材がクラッチ15を介してエンジン1のクランクシャフト(図示せず)に連結されている。
【0024】
また、この第2のモータ・ジェネレータ14は、電流が供給されてトルクを出力する電動機としての機能と、エンジン1によって回転させられて起電力を生じる発電機としての機能とを備えたものであって、前述したモータ・ジェネレータ3と同様に、固定永久磁石型同期モータなどが採用されている。したがってこの第2のモータ・ジェネレータ14は、エンジン1をモータリングして始動するスタータとしての機能と、エアコンなどの補機類を駆動するための電動機としての機能と、後述する四輪駆動用モータに電力を供給する電源(発電機)としての機能とを備えている。
【0025】
つぎに制御のためのシステムについて説明すると、前記エンジン1を制御するために電子制御装置(E/G−ECU)16が設けられている。この電子制御装置16は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されており、エンジン回転数やアクセル開度、変速信号、エンジン水温、始動のための信号などの入力信号に基づいて演算をおこない、エンジン1の始動のための信号や電子スロットルバルブ7のスロットル開度信号、燃料噴射信号、点火時期信号、バルブタイミング信号などの制御信号を出力するように構成されている。
【0026】
また、前記入力クラッチ2の係合・解放を制御するための入力クラッチ用電子制御装置(CL−ECU)17が設けられている。この入力クラッチ用電子制御装置17は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、エンジン回転数信号や車速信号、アクセル開度信号などの適宜の入力信号に基づいて、入力クラッチ2を係合もしくは解放させる制御信号を出力するように構成されている。なお、その制御は、入力クラッチ2の完全解放と完全係合との制御以外に、トルクの伝達を制限した滑りを伴ういわゆる半係合状態での制御も含む。
【0027】
前記モータ・ジェネレータ3には、交流−直流の変換およびモータ・ジェネレータ3に供給する電流や周波数、モータ・ジェネレータ3で発生した電力の制御などをおこなうインバータ18が接続され、さらにこのインバータ18にバッテリ19が接続されている。そしてこれらのインバータ18やバッテリ19を制御するための電子制御装置(MG−ECU)20が設けられている。すなわちこの電子制御装置20は、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、モータ・ジェネレータ3についての上記の制御に加え、バッテリ19の充電状態(SOC:State of Charge )を制御するように構成されている。
【0028】
さらに、前記自動変速機5を制御するために、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とする自動変速機用電子制御装置(A/T−ECU)21が設けられている。この電子制御装置21は、車速やアクセル開度、エンジン回転数、油温などの入力信号に基づいて演算をおこない、走行状態に応じた変速比の設定やエンジンブレーキ状態の設定、ロックアップクラッチ8の係合・解放ならびにスリップ状態の制御などをおこなうように構成されている。
【0029】
前記電動オイルポンプ12には、インバータ22を介してバッテリ23が接続されており、これらのインバータ22およびバッテリ23を制御するためのマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とした電子制御装置(O/P−ECU)24が設けられている。すなわち、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3が停止している状態で前記歯車変速機部9での摩擦係合装置を係合させ、あるいはロックアップクラッチ8を解放させるなどのために必要とする油圧を、電動オイルポンプ12によって発生させるように構成されている。
【0030】
そして、前記第2のモータ・ジェネレータ14にインバータ25を介してバッテリ26が接続され、さらにこれらのインバータ25およびバッテリ26を制御するために、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体とした電子制御装置(MG2−ECU)27が設けられている。そしてこの電子制御装置27によって、第2のモータ・ジェネレータ14の出力トルクや回転数あるいは起電力やバッテリ25に対する充電電力などを制御するように構成されている。なお、この電子制御装置27によって前記伝動機構13におけるクラッチ15の係合・解放の制御を実行することができる。
【0031】
上述したエンジン1やモータ・ジェネレータ3および自動変速機5などを含む駆動系統は、全体として相互に関連させて制御され、そのために上記の各電子制御装置16,17,20,21,24,27が、総合制御装置(G−ECU)28に接続され、かつ相互にデータを送受信できるようになっている。この総合制御装置28はマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)を主体として構成されたものであって、走行のための動力源の選択や減速時のエネルギの回生などのハイブリッド車としての制御に加えて、一時的な停車時におけるエンジン1の停止およびその後のエンジン1の始動などのいわゆる自動再始動制御と、二輪駆動および四輪駆動との切換制御をおこなうように構成されている。
【0032】
図3は、四輪駆動状態を達成するための動力伝達系統を模式的に示す図であり、前記エンジン1ないし自動変速機5は、車両の前方部分に前後方向に向けて搭載されており、その自動変速機5とリヤデファレンシャル29とがプロペラシャフト30によって連結されている。すなわちエンジン1およびモータ・ジェネレータ3は後輪31に駆動力を伝達するようになっている。これに対して左右の前輪32の差動をおこなうフロントデファレンシャル33には、モータ34が連結され、前述した第2のモータ・ジェネレータ14で発電した電力もしくはバッテリ26の有する電力でこのモータ34を駆動するように構成されている。
【0033】
なお、このモータ34を前記総合制御装置28によって制御するようになっている。また、前後の四輪31,32に設けたブレーキ35を総合制御装置28によって個別に制御するようになっている。これらのブレーキ35の制御は、ABS(アンチ・ロック・ブレーキシステム)による制御およびVSC(商標:車両安定化制御)による制御である。
【0034】
図4に上記の自動変速機5の具体的な構成を示し、また図5にその各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合・解放の作動表を示してある。図4において、トルクコンバータ4は、入力クラッチ2における出力側の部材もしくはモータ・ジェネレータ3のロータに連結されたフロントカバー40と一体のポンプインペラ41を備えており、このポンプインペラ41とフロントカバー40との間にポンプインペラ41と対向してタービンランナ42が配置されている。これらポンプインペラ41とタービンランナ42との間でその回転中心側の部分には、一方向クラッチ43によって保持されたステータ44が配置されている。
【0035】
さらに、タービンランナ42とフロントカバー40との間には、フロントカバー40の内面に向けて押圧されてフロントカバー40に係合するロックアップクラッチ8が配置され、このロックアップクラッチ8は、タービンランナ42を取り付けてあるハブに一体化されている。そしてこのフロントカバー40およびポンプインペラ41によって形成される密閉容器の内部に、作動油としてオートマチック・トランスミッション・フルード(以下、ATFと略記する)が封入されている。
【0036】
したがってポンプインペラ41がフロントカバー40と共に回転してATFの螺旋流を生じさせ、これがタービンランナ42に作用してタービンランナ42を回転させ、このようにして両者の間でトルクを伝達するようになっている。すなわちポンプインペラ41が入力要素として機能し、またタービンランナ42が出力要素として機能する。さらに、ロックアップクラッチ8が係合することにより、ATFを介さずにタービンランナ42に対して直接動力を伝達するようになっている。なお、ロックアップクラッチ8を所定の係合圧で滑らせるスリップ制御をおこなうことも可能である。
【0037】
自動変速機5における歯車変速機部は、副変速部46および主変速部47から構成されている。副変速部46は、オーバドライブ用の遊星歯車機構48を備えており、前記トルクコンバータ4におけるタービンランナ42と一体となって回転する入力軸50が、遊星歯車機構48のキャリヤ49に連結されている。この遊星歯車機構48を構成するキャリヤ49とサンギヤ51との間には、多板クラッチC0 と一方向クラッチF0 とが設けられている。
【0038】
この一方向クラッチF0 は、サンギヤ51がキャリヤ49に対して相対的に正回転、つまり、入力軸50の回転方向に回転した場合に係合するようになっている。そして、副変速部46の出力要素であるリングギヤ52が、主変速部47の入力要素である中間軸53に接続されている。また、サンギヤ51の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。
【0039】
したがって、副変速部46は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態で遊星歯車機構48の全体が一体となって回転する。このため、中間軸53が入力軸50と同速度で回転し、低速段となる。また、ブレーキB0 を係合させてサンギヤ51の回転を止めた状態では、リングギヤ52が入力軸50に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0040】
他方、主変速部47は、三組の遊星歯車機構54,55,56を備えており、三組の遊星歯車機構54,55,56を構成しているそれぞれの回転要素が、以下のように連結されている。すなわち、第1遊星歯車機構54のサンギヤ57と、第2遊星歯車機構55のサンギヤ58とが互いに一体的に連結されている。また、第1遊星歯車機構54のリングギヤ59と、第2遊星歯車機構55のキャリヤ60と、第3遊星歯車機構56のキャリヤ61とが連結されている。さらに、キャリヤ61に出力軸62が連結されている。さらにまた、第2遊星歯車機構55のリングギヤ63が、第3遊星歯車機構56のサンギヤ64に連結されている。
【0041】
この主変速部47の歯車列においては、後進側の1つの変速段と、前進側の4つの変速段とを設定することができる。このような変速段を設定するための摩擦係合装置、つまりクラッチおよびブレーキが、以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、リングギヤ63およびサンギヤ64と、中間軸53との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互いに連結されたサンギヤ57およびサンギヤ58と、中間軸53との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0042】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構54のサンギヤ57、および第2遊星歯車機構55のサンギヤ58の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ57,38とケーシング65との間には、第1一方向クラッチF1 と、多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されている。第1一方向クラッチF1 はサンギヤ57,38が逆回転、つまり入力軸50の回転方向とは反対方向に回転しようとする際に係合するようになっている。
【0043】
また、第1遊星歯車機構54のキャリヤ69とケーシング65との間に、多板ブレーキである第3ブレーキB3 が設けられている。そして第3遊星歯車機構56はリングギヤ66を備えており、リングギヤ66の回転を止めるブレーキとして、多板ブレーキである第4ブレーキB4 と、第2一方向クラッチF2 とが設けられている。第4ブレーキB4 および第2一方向クラッチF2 は、ケーシング65とリングギヤ66との間に相互に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ66が逆回転しようとする際に係合するように構成されている。さらに、歯車変速機部の入力回転数を検出する入力回転数センサ(タービン回転数センサ)67と、出力軸62の回転数を検出する出力回転数センサ(車速センサ)68とが設けられている。
【0044】
上記のように構成された自動変速機5においては、各クラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を、図5の係合作動表に示すように係合・解放することにより、前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図5おいて○印は摩擦係合装置が係合することを示し、◎印は、エンジンブレーキ時に摩擦係合装置が係合することを示し、△印は摩擦係合装置が係合・解放のいずれでもよいこと、言い換えれば、摩擦係合装置が係合されてもトルクの伝達には無関係であることを示し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを示している。
【0045】
図5に示すP(パーキング)、R(リバース:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することにより設定される。そのシフトレバーによって設定される各シフトポジションの配列は、図6に示すとおりであり、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジションが、ここに挙げた順序で車両の前後方向に沿って配列され、そのDポジションに対して車両の幅方向に隣接する位置に“4”ポジションが配置され、その“4”ポジションに対して車両後方側に隣接して“3”ポジションが配置され、さらにこの“3”ポジションの位置から車両の斜め後方に“2”ポジションおよびLポジションが順に配列されている。
【0046】
ここで、Dポジションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第5速を設定するためのポジションであり、また“4”ポジションは、第1速ないし第4速、“3”ポジションは第1速ないし第3速、“2”ポジションは第1速および第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジションである。なお、“3”ポジションないしLポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。
【0047】
また、DポジションないしLポジションのいずれかをシフトレバーによって選択することにより、そのポジションに応じた変速段を設定することができるようになっている。すなわち、マニュアル操作によって変速段を設定する変速モードであって、これがスポーツモードである。このスポーツモードを選択するスポーツモードスイッチ70がインストルメントパネルもしくはセンターコンソール(それぞれ図示せず)などに設けられている。このスイッチ70をオン操作した状態で、シフトレバーをDポジションに設定すると前進第5速となり、また“4”ポジションに設定すると前進第4速、“3”ポジションに設定すると前進第3速、“2”ポジションに設定すると前進第2速、Lポジションに設定すると前進第1速の各変速段が設定される。
【0048】
エンジンによって走行する場合、車速が低いほど、またアクセル開度が大きいほど、エンジンの回転が不安定になって排ガスの悪化や燃費の悪化が生じる傾向が強くなる。そのため、エンジンとモータ・ジェネレータとを搭載しているハイブリッド車では、発進時およびその直後はモータ・ジェネレータによって走行し、車速が増大するに従って動力源をエンジンに切り換える制御を実行する。エンジン1とモータ・ジェネレータ3との運転領域は、基本的には上記のように設定されているが、エンジン回転数は自動変速機5で設定されている変速比によって異なるので、上記のシフトポジションごとにエンジン1とモータ・ジェネレータ3との運転領域が設定されている。その例を図7ないし図10に模式的に示してある。
【0049】
図7は、Dポジション、“4”ポジション、“3”ポジションのいずれかが設定されている場合に使用されるマップであって、横軸に車速を採り、縦軸にアクセル開度を採ってあり、低アクセル開度側および低車速側に実線で囲んだ領域がモータ・ジェネレータ3を運転して駆動力源とする領域であり、そのモータ・ジェネレータ領域の外側がエンジン1によって走行するエンジン領域である。また、破線は、変速段の領域を示している。したがってこれらの各シフトポジションでは、第3速までは、低車速側でモータ・ジェネレータ3によって走行し、第4速以上では、エンジン1を駆動力源として走行をおこなうことになる。
【0050】
以下同様に、図8は“2”ポジションが選択された場合に設定されるマップを示し、図9はLポジションが選択された場合に使用されるマップを示し、さらに図10はRポジションが選択された場合に使用されるマップを示している。これらの図から知られるように、低車速側のシフトポジションほど、モータ・ジェネレータ領域が低車速側に設定され、またRポジションでは低アクセル開度側にモータ・ジェネレータ領域が設定されている。
【0051】
また、前述したようにエンジン1をモータ・ジェネレータ3もしくはトルクコンバータ4に選択的に連結する入力クラッチ2が設けられており、この入力クラッチ2が電気的に制御されるようになっている。そのための油圧回路の一例を図11に示してある。オイルパン80からオイルを吸引かつ加圧するオイルポンプ11の吐出側にプライマリーレギュレータバルブ81が接続されている。このプライマリーレギュレータバルブ81は、従来の自動変速機におけるプライマリーレギュレータバルブと同様であって、エンジン出力あるいはモータ・ジェネレータ3の出力に応じたライン圧を発生させるように構成されている。
【0052】
このプライマリーレギュレータバルブ81から吐出されたライン圧がマニュアルバルブ82に入力されている。このマニュアルバルブ82は、シフトレバー83によって切り換えられるバルブであって、シフトレバー83を前述した各シフトポジションに設定することにより、各シフトポジションに応じたポートからライン圧を出力させるように構成されている。そのライン圧の供給箇所の一例が前述した歯車変速機部9における第1クラッチC1 および第2クラッチC2 であり、シフトレバー83がRポジションに設定されている場合には、第1クラッチC1 にはライン圧が供給されず、PポジションとNポジションとの非走行ポジションでは、いずれのクラッチC1 ,C2 にもライン圧が供給されず、さらにDポジションなどの走行のためのためのポジションに設定されている場合には、変速段に応じて第1クラッチC1 と第2クラッチC2 とにライン圧が供給されるようになっている。
【0053】
一方、入力クラッチ2を制御するためのソレノイドバルブ84が設けられており、前記プライマリーレギュレータバルブ81から吐出したライン圧をこのソレノイドバルブ84を介して入力クラッチ2に供給するようになっている。そのソレノイドバルブ84は、オン/オフの二位置に切り換えられる単純な切換バルブであってもよいが、好ましくは、出力圧を連続的に変化させることのできるリニアソレノイドバルブあるいはデューティソレノイドバルブである。この種の出力圧を連続的に変化させることのできるソレノイドバルブを使用することにより、入力クラッチ2の係合圧すなわち伝達トルクを連続的に変化させ、入力クラッチ2をいわゆるスリップ制御することができる。なお、入力クラッチ2に供給する係合油圧を調圧する調圧弁を設け、前記ソレノイドバルブ84の出力圧をその調圧弁のパイロット圧とすることにより、入力クラッチ2の係合圧を制御するように構成してもよい。また、前記プライマリーレギュレータバルブ81には、前述した電動オイルポンプ12が接続されており、オイルポンプ11が停止しかつライン圧を必要とする場合に、電動オイルポンプ12が発生させた油圧をプライマリーレギュレータバルブ81に供給するようになっている。
【0054】
上述した車両におけるハイブリッド走行およびエコラン走行ならびに四輪駆動の各制御は、それぞれの電子制御装置16,17,20,21,24,27の間で前記総合制御装置(G−ECU)28を介してデータ送信しつつ実行される。またその総合制御装置28が所定の電子制御装置16,17,20,21,24,27に制御信号を出力する。
【0055】
そこで、この総合制御装置28に入出力される信号を例示すれば、図12のとおりである。先ず、入力信号の例を挙げれば、ミリ波レーダからの信号、ABS(アンチロックブレーキ)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッションスイッチからの信号、バッテリSOC(State of Charge:充電状態)、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速信号、自動変速機(AT)油温、シフトポジション、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開度、カム角センサからの信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサからの信号、レゾルバ信号などである。なお、第1番目に挙げたミリ波レーダとは、ミリ波によって前方の車両を検出し、その前方の車両に追従して走行する制御をおこなうためのレーダである。いわゆるレーダクルーズ制御のためのシステムである。また、最後に挙げてあるレゾルバ信号は、モータ・ジェネレータ3におけるロータの回転方向での位置を検出するためのレゾルバから出力される信号である。
【0056】
また、出力信号の例を挙げると、点火信号、噴射(燃料の噴射)信号、入力クラッチ用ソレノイドバルブに対する信号、モータ・ジェネレータ3の電子制御装置20に対する信号、ATソレノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、スポーツモードインジケータへの信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアップコントロールソレノイドバルブへの信号、AT電動オイルポンプへの信号などである。
【0057】
上述したハイブリッド車は、エンジン1に対してクラッチ2,15によって連結・遮断することのできる2つのモータ・ジェネレータ3,14を備えていることにより、これらを有効に利用して自動再始動制御、すなわち一時的な停車時にエンジン1を停止し、かつその後に発進時に再度エンジン1を始動する制御を実行するように構成されている。その制御例を図1に示してある。
【0058】
図1は、エンジン1の再始動のための入力クラッチ2の係合・解放の制御例を示しており、エンジン1を停止したコースト状態で実行される。先ず、データの読み込みなどの入力信号の処理がおこなわれる(ステップS1)。ついでエンジン1の暖機前か否か、すなわちエンジン水温が予め定めた温度以上になっているか否かが判断される(ステップS2)。
【0059】
エンジン1の暖機が完了していないことにより、すなわち冷機状態であることによりステップS2で肯定判断された場合には、入力クラッチ2が係合させられる(ステップS3)。これは、前記入力クラッチ用ソレノイドバルブ84に制御信号が出力され、このソレノイドバルブ84を介して入力クラッチ2に対して所定の油圧が供給されて入力クラッチ2が係合することにより実行される。その場合、入力クラッチ2の係合状態は滑りを伴わない完全係合であってもよく、あるいは滑りを伴ういわゆる半係合状態であってもよい。その制御は、入力クラッチ用ソレノイドバルブ84によって油圧を制御することにより達成できる。入力クラッチ2がこのようにして係合状態に制御されることにより、モータ・ジェネレータ3とエンジン1とがトルク伝達可能に連結され、モータ・ジェネレータ3によってエンジン1をモータリングすることのできる始動待機状態となる。
【0060】
ついで、トルクコンバータ4におけるロックアップクラッチ8が解放させられる(ステップS4)。歯車変速機部9がニュートラル状態であれば、モータ・ジェネレータ3を駆動して自動変速機5に対して動力を入力しても支障がないが、図1に示す制御は車両が一時的に停車した際に実行される制御であり、自動変速機5で第1速などの発進時に使用される変速段が設定されている場合もあるので、ロックアップクラッチ8を解放することにより、自動変速機5の出力軸の回転を止めたままモータ・ジェネレータ3を回転させることができるようにする。
【0061】
したがってブレーキ操作が解除され、あるいはアクセルペダルが踏み込まれるなどの発進の意図が検出された際に、モータ・ジェネレータ3に電力を供給してこれを回転させれば、そのトルクが入力クラッチ2を介してエンジン1に伝達され、エンジン1が直ちにモータリングされるので、燃料を供給することによりエンジン1が始動させられる。すなわちエンジン1を始動するにあたって入力クラッチ2の係合制御を介在させる必要がないので、エンジン1の始動の遅れが回避もしくは改善され、エンジン1の始動応答性が向上する。またこの場合、暖機完了前であることによりエンジン1のフリクション(摩擦)が大きくても、走行に使用するモータ・ジェネレータ3によってエンジン1をモータリングするので、大きいトルクで円滑にエンジン1を回転させることができる。
【0062】
一方、エンジン1の暖機が完了していることによりステップS2で否定判断された場合には、四輪駆動モード(電気4WDモード)が選択されているか否かが判断される(ステップS5)。この電気4WDモードとは、エンジン1もしくはモータ・ジェネレータ3によって後輪31に駆動力を伝達する一方、図3に示す前記モータ34を駆動して前輪32に駆動力を伝達する駆動モードであり、これは、図示しないスイッチなどの手動操作される切換手段によって選択することができる。このステップS5で肯定判断された場合には、ステップS3に進んで入力クラッチ2の係合制御を実行する。
【0063】
すなわち四輪駆動状態が選択されていれば、エンジン1によって第2のモータ・ジェネレータ14を駆動して発電をおこない、その電力によってモータ34を駆動することになるから、第2のモータ・ジェネレータ14はエンジン1のスタータとして使用することができない。そのため、電気4WDモードが選択されている場合には、入力クラッチ2を係合させ、モータ・ジェネレータ3によってエンジン1を回転させることのできる待機状態とする。
【0064】
これに対して、電気4WDモードが選択されていないことによりステップS5で否定判断された場合には、車速Vが予め定めた基準車速V1 以下か否かが判断される(ステップS6)。この基準車速V1 はゼロに近い値であり、したがってステップS6では車両が停止し、もしくは停止に近い状態にあるか否かが判断される。車両が実質的に停止していることによりステップS6で肯定判断された場合には、第2モータ・ジェネレータ14によって補機類を駆動しているか否か、もしくは補機類を駆動する状態となっているか否かが判断される(ステップS7)。
【0065】
このステップS7で肯定判断された場合、すなわち第2のモータ・ジェネレータ14を補機類の駆動のために使用することになっていれば、ステップS3に進んで入力クラッチ2を係合させる。第2のモータ・ジェネレータ14をエンジン1のモータリングのために使用することができないからである。より具体的に説明すると、第2のモータ・ジェネレータ14によってエンジン1をモータリングするとすれば、補機類の駆動を止めた後にクラッチ2,15の係合・解放状態を切り換え、その後に第2のモータ・ジェネレータ14によってエンジン1を回転させることになり、そのためには時間が長く掛かってしまって実用上の応答性を満たさなくなるからである。
【0066】
これに対してステップS6で否定判断された場合、すなわち車両がコースト状態で未だ走行している場合には、入力クラッチ2を解放する(ステップS8)。エンジン1を駆動系統から遮断することにより、車両の有する走行慣性力がエンジン1を回転させることに伴う摩擦によって消費してしまうことを防止して回生効率を向上させるためである。したがって走行慣性力によってモータ・ジェネレータ3のみを回転させることになる。
【0067】
また、第2のモータ・ジェネレータ14によって補機類を駆動する状況にないことによりステップS7で否定判断された場合には、ステップS8に進んで入力クラッチ2を解放する。すなわちエンジン1の暖機が完了した後の停車状態であって、補機類を駆動していないので、トルクが小さい第2のモータ・ジェネレータ14をエンジン1のモータリングに使用することができるからである。
【0068】
なお、上記のステップS2,S5,S6,S7の全ての判断をおこなう必要はなく、いずれかを選択的に実施してもよい。したがって上記の制御では、エンジン1およびモータ・ジェネレータ3が停止している場合、エンジン1とモータ・ジェネレータ3とを連結する入力クラッチ2を係合させるので、モータ・ジェネレータ3を回転させれば、直ちにエンジン1を回転させて始動することができ、その制御の間に入力クラッチ2の係合制御が介在しないので、応答性の高いエンジン1の始動をおこなうことができる。また、エンジン1の暖機が完了していない状態での始動を、トルクの大きいモータ・ジェネレータ3を入力クラッチ2によって事前にエンジン1に連結しておいて実行するので、円滑にかつ迅速にエンジン1を始動することができる。
【0069】
なおここで、上記の具体例とこの発明との関係を説明すると、図1に示すステップS6を実施する機能的手段が、請求項1の発明における状態検出手段に相当し、またステップS3を実施する機能的手段が、請求項1の発明における係合制御手段に相当する。また図1に示すステップS2,S5,S7を実行する機能的手段が、請求項1および2の発明における始動条件判断手段に相当し、またステップS6を実施する機能的手段が、請求項1の発明における状態検出手段および請求項2の発明における停止検出手段に相当し、さらにステップS3を実施する機能的手段が、請求項1および2の発明における係合制御手段に相当する。
【0070】
上述したようにこの発明の制御装置は、ハイブリッド車の自動再始動制御すなわち一時的な停車時に内燃機関を停止させ、再度の発進時にその内燃機関を始動させる制御を実行する。その制御の際に上記のように入力クラッチ2の係合・解放の制御を実行する。この入力クラッチ2の係合・解放の制御を伴うエンジン1の始動制御の一例をタイムチャートで説明すると、図13のとおりである。
【0071】
すなわちコースト状態で走行している際には、車両は慣性力で走行しているからエンジン1が停止させられ、したがってエンジン回転数すなわち入力回転数Ni はゼロになっている。また、駆動輪からモータ・ジェネレータ3に対して効率よく動力を伝達するためにロックアップクラッチ8が係合もしくは半係合の状態に制御される。また同時に、エンジン1でのフリクションロスを防止するために、入力クラッチ2が解放させられてエンジン1が駆動系統から遮断される。
【0072】
このコースト状態で走行しているうちに次第に車速が低下して、最終的に車速がゼロになると、すなわち車両が停止すると(t1 時点)、エンジン1を始動するための待機状態とする制御が実行される。すなわち停車判定後のt2 時点にロックアップクラッチ8を解放するための制御が実行され、同時に入力クラッチ2を係合させるための制御が実行される。その結果、ロックアップクラッチ8の係合油圧が次第に低下し、また入力クラッチ2の係合油圧が次第に上昇し、t3 時点にロックアップクラッチ8がほぼ完全に解放するとともに、入力クラッチ2がほぼ完全に係合する。
【0073】
すなわちエンジン1およびモータ・ジェネレータ3が停止している停車状態では、モータ・ジェネレータ3によるエンジン1のモータリングが可能な条件が成立することにより、入力クラッチ2が係合状態に制御され、エンジン1の始動判断とほぼ同時にエンジン1を回転させることが可能になる。具体的には、ブレーキが解放されたり、あるいはアクセルペダルが踏み込まれるなどのことによってエンジン1を始動することがt4 時点に判断されると、モータ・ジェネレータ3に通電されてこれが回転する。その時点では既に入力クラッチ2が係合させられていてエンジン1の始動を待機する状態となっているので、モータ・ジェネレータ3の駆動と同時にエンジン1が回転させられる。そして、エンジン1の回転数が、燃料を供給することによって自律回転を継続する回転数に到り(t5 時点)、モータ・ジェネレータ3によるエンジン1の始動が終了する。
【0074】
図2に示すこの発明で対象とするハイブリッド車は、エンジン1をモータリングすることのできる電動機として、エンジン1の出力側に入力クラッチ2を介して連結したモータ・ジェネレータ3と伝動機構13を介して連結した第2のモータ・ジェネレータ14とを備えているから、車両の条件に応じてこれらのモータ・ジェネレータ3,14を選択して使用することができる。図14に示す制御例は、エンジン1の始動のために使用するモータ・ジェネレータを選択する制御をおこなうためのものである。
【0075】
すなわち図14において、先ず、入力信号の処理がおこなわれ(ステップS11)、ついでエンジン1の暖機が完了する前の状態か否かが判断される(ステップS12)。これは、図1に示す制御例と同様である。エンジン1が冷機状態であることによりステップS12で肯定判断された場合には、入力クラッチ2が係合させられる(ステップS13)。エンジン1の暖機が終了していない状態では、エンジン1で生じる摩擦力が大きいので、エンジン1をモータリングするためのモータ・ジェネレータとして容量の大きいモータ・ジェネレータ3を使用するためである。
【0076】
入力クラッチ2が係合させられると同時にロックアップクラッチ8が解放させられる(ステップS14)。自動変速機5の出力軸の回転を止めた状態でモータ・ジェネレータ3を回転させることを可能にするためである。なお、車両が走行している場合には、車速などの走行状態に基づいて定めてあるロックアップパターンに従ってロックアップクラッチ8を係合させてもよい。
【0077】
そして、エンジン1の始動条件の成立が判断される(ステップS15)。エンジン1の始動条件は、例えば制動操作が解除されたことであり、あるいはアクセルペダルが踏み込まれたことである。そのエンジン1の始動条件が成立していない場合には、特に制御をおこなうことなくリターンし、また反対にエンジン1の始動条件が成立していることによりステップS15で肯定判断された場合には、エンジン1の出力側に配置してあるモータ・ジェネレータ3を駆動してそのモータ・ジェネレータ3によるエンジン1の始動制御を実行する(ステップS16)。その場合、入力クラッチ2が既に係合しているので、モータ・ジェネレータ3を駆動することにより直ちにエンジン1が回転し、したがって応答遅れを生じることなくエンジン1の始動制御を実行することができる。
【0078】
一方、エンジン1の暖機が完了していることによりステップS12で否定判断された場合には、その時点での入力クラッチ2の動作状態が判断される(ステップS17)。すなわち入力クラッチ2が完全係合状態もしくは半係合状態か否かが判断される。入力クラッチ2が係合していれば、そのままの状態でモータ・ジェネレータ3によってエンジン1を回転させることができるので、ステップS14に進んでロックアップクラッチ8の解放制御を実行する。
【0079】
エンジン1の暖機が完了した後にエンジン1による摩擦抵抗力を減じるなどのために入力クラッチ2が解放させられる場合があり、このような場合には、ステップS17で否定判断される。このような状態でエンジン1の始動条件が成立したことがステップS18で判断された場合には、第2のモータ・ジェネレータ14を回転させてエンジン1を始動させる(ステップS19)。入力クラッチ2を係合させ、かつモータ・ジェネレータ3を駆動するのでは、エンジン1の始動の遅れが顕著になることがあるので、応答性のよい第2のモータ・ジェネレータ14によってエンジン1を回転させてその始動をおこなう。
【0080】
このように図14に示す制御例では、エンジン1の暖機の状況や入力クラッチ2の係合・解放の状況に基づいて、エンジン1の始動に使用されるモータ・ジェネレータが選択される。その結果、エンジン1を回転させるモータリングトルクの過不足がなく、また応答遅れがなく、エンジン1を始動させることができる。
【0081】
なお、この図14に示す制御例とこの発明との関係を説明すると、図14に示すステップS17,S16,S19を実行する機能的手段が、請求項6の発明における、内燃機関を始動させるための電動機を決定する手段に相当する。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、停止させられた内燃機関を自動再始動するにあたって、互いに直列に連結されている内燃機関の停止と電動機の動作状態とが検出された場、内燃機関を電動機によってモータリングする条件の成立が判断されると、これら内燃機関と電動機との間に配置されている入力クラッチが係合させられるので、内燃機関の自動再始動のためにその電動機を駆動すれば、その出力トルクによって内燃機関が直ちにモータリングされ、したがって、内燃機関の自動再始動要求があった場合に制御応答性を向上させることができる。
【0083】
また、請求項2ないし5の発明によれば、内燃機関の出力側に配置した第1の電動機によって内燃機関を回転させてその自動再始動をおこなう場合、その自動再始動のためのモータリングの前に、内燃機関および第1の電動機が実質的に停止し、もしくは第1の電動機の動作状態が検出されていることにより、内燃機関と第1の電動機との間の入力クラッチが係合状態に制御されるので、内燃機関を自動再始動する場合、その第1の電動機を駆動すれば、直ちに内燃機関が回転させられてその始動をおこなうことができ、内燃機関の始動の遅れを回避もしくは抑制することができる。特に、内燃機関の暖機前であれば、その出力側に配置されている走行のための第1の電動機によって内燃機関を始動することになるので、内燃機関のモータリングトルクが充分大きく、円滑な始動をおこなうことができる。また、第2の電動機が補機類の駆動のために使用されている場合や他のモータのための発電機として使用されている場合にも、同様に迅速かつ円滑な始動制御をおこなうことができる。
【0084】
さらに、請求項6の発明によれば、内燃機関を始動させる場合、内燃機関のモータリングトルクを発生することのできる複数の電動機のいずれかがクラッチを介して内燃機関に連結されており、しかもその係合させられているクラッチは内燃機関の暖機の完了および未完に応じて選択されたクラッチであり、したがってそのクラッチによって連結されている電動機を駆動することにより、直ちに内燃機関を回転させることができるので、内燃機関の始動の遅れを回避もしくは抑制することができる。そして、請求項7の発明によれば、請求項6の発明と同様の効果を得ることができ、また請求項8の発明によれば、請求項1ないし5および7のいずれかの発明と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置で実行される制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 この発明で対象とするパワートレーンおよび制御系統の一例を模式的に示すブロック図である。
【図3】 四輪駆動状態とするための駆動系統を模式的に示すブロック図である。
【図4】 その自動変速機における歯車変速機部を主に示すスケルトン図である。
【図5】 その自動変速機の各変速段を設定するためのクラッチおよびブレーキの係合・解放を示す図表である。
【図6】 図2に示す自動変速機を制御するシフトレバーの操作により選択されるシフトポジションの配列およびスポーツモードスイッチを示す概念図である。
【図7】 Dポジションおよび“4”ポジションならびに“3”ポジションで使用される、エンジンおよびモータ・ジェネレータの駆動領域を定めたマップである。
【図8】 “2”ポジションで使用される、エンジンおよびモータ・ジェネレータの駆動領域を定めたマップである。
【図9】 Lポジションで使用される、エンジンおよびモータ・ジェネレータの駆動領域を定めたマップである。
【図10】 Rポジションで使用される、エンジンおよびモータ・ジェネレータの駆動領域を定めたマップである。
【図11】 入力クラッチと自動変速機における入力のためのクラッチとに対する油圧の供給経路を概略的に示すブロック図である。
【図12】 この発明の一例で使用される総合制御装置における入出力信号を示す図である。
【図13】 コースト状態および停車ならびにその後のエンジン始動の制御に伴う入力回転数ならびに各油圧の変化を示すタイムチャートである。
【図14】 この発明に係る制御装置による他の制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…入力クラッチ、 3,14…モータ・ジェネレータ(第1および第2の電動機)、 5…自動変速機、 8…ロックアップクラッチ、 15…クラッチ、 16,17,20,21,24,27…電子制御装置、 28…総合制御装置。

Claims (8)

  1. 内燃機関の出力側に入力クラッチを介して電動機が連結されている車両の駆動制御装置において、
    停止させられた前記内燃機関を自動再始動する場合に前記電動機の動作状態を検出する状態検出手段と、
    前記内燃機関を自動再始動するために前記電動機で前記内燃機関を回転させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、
    前記内燃機関が停止させられているときに、前記電動機の動作状態が前記状態検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段と
    を備え、
    前記入力クラッチが係合している状態で発進の意図が検出された際に前記内燃機関を前記電動機で回転させて自動再始動させるように構成されていることを特徴とする車両の駆動制御装置。
  2. 内燃機関の出力側に入力クラッチを介して第1の電動機が連結されるとともに、前記内燃機関を回転させるモータリングトルクを出力できる第2の電動機が他のクラッチを介して内燃機関に連結されている車両の駆動制御装置において、
    前記内燃機関を自動再始動するために前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、
    前記内燃機関を自動再始動する場合に前記内燃機関と共に前記第1の電動機が実質的に停止している状態を検出する停止検出手段と、
    前記内燃機関の自動再始動のために前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させることが前記始動条件判断手段で判断され、かつ前記内燃機関と第1の電動機とが共に停止していることが前記停止検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記第1の電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段と
    を備え、
    前記入力クラッチが係合している状態で発進の意図が検出された際に前記第1の電動機により前記内燃機関をモータリングするように構成されていることを特徴とする車両の駆動制御装置。
  3. 内燃機関の出力側に入力クラッチを介して第1の電動機が連結されるとともに、前記内燃機関を回転させるモータリングトルクを出力できる第2の電動機が他のクラッチを介して内燃機関に連結されている車両の駆動制御装置において、
    前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、
    前記内燃機関と第1の電動機とが共に実質的に停止している状態を検出する停止検出手段と、
    前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを前記始動条件判断手段が判断し、かつ前記内燃機関と第1の電動機とが共に停止していることが前記停止検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記第1の電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段と
    を備え、
    記第1の電動機によって内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が、前記内燃機関の暖機の完了前であることを特徴とする車両の駆動制御装置。
  4. 内燃機関の出力側に入力クラッチを介して第1の電動機が連結されるとともに、前記内燃機関を回転させるモータリングトルクを出力できる第2の電動機が他のクラッチを介して内燃機関に連結されている車両の駆動制御装置において、
    前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、
    前記内燃機関と第1の電動機とが共に実質的に停止している状態を検出する停止検出手段と、
    前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを前記始動条件判断手段が判断し、かつ前記内燃機関と第1の電動機とが共に停止していることが前記停止検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記第1の電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段と
    を備え、
    記第2の電動機が、補機類を駆動するための機能を備え、かつ
    前記第1の電動機によって内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が、前記第2の電動機が前記補機類を駆動するための制御中であること
    を特徴とする車両の駆動制御装置。
  5. 内燃機関の出力側に入力クラッチを介して第1の電動機が連結されるとともに、前記内燃機関を回転させるモータリングトルクを出力できる第2の電動機が他のクラッチを介して内燃機関に連結されている車両の駆動制御装置において、
    前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを判断する始動条件判断手段と、
    停止させられた前記内燃機関を自動再始動する場合に前記第1の電動機の動作状態を検出する状態検出手段と、
    前記第1の電動機によって前記内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が成立していることを前記始動条件判断手段が判断し、かつ前記第1の電動機の動作状態が前記状態検出手段によって検出された場合に、前記入力クラッチを前記第1の電動機から内燃機関に対してトルクを伝達できる係合状態に設定する係合制御手段と
    を備え、
    記第2の電動機が、前記内燃機関からトルクを受けて回転することにより起電力を生じる発電機能を備え、かつ
    前記第1の電動機によって内燃機関を回転させて内燃機関を始動させる条件が、前記内燃機関の始動と同時に発電をおこなうように前記第2の電動機が前記他のクラッチを介して内燃機関に連結されている
    ことを特徴とする車両の駆動制御装置。
  6. 内燃機関に該内燃機関の始動のためのモータリングトルクを発生可能でトルクの異なる複数の電動機がそれぞれクラッチを介して連結された車両の駆動制御装置において、
    前記内燃機関の暖機の完了および未完に応じて係合させるクラッチを選択する手段と、
    前記内燃機関を始動する条件が成立したときに前記手段で選択されて係合させられているクラッチによって前記内燃機関に連結されている電動機を、前記内燃機関を始動させるための電動機に決定する手段と
    備えていることを特徴とする車両の駆動制御装置。
  7. 前記内燃機関の出力側に連結された入力クラッチと、該入力クラッチを介して前記内燃機関に連結された第1の電動機とを更に備え、
    前記内燃機関の暖機が完了する前は前記入力クラッチを解放しないように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両の駆動制御装置。
  8. 変速機と、該変速機と電動機とを連結するロックアップクラッチ付きトルクコンバータとを更に備え、
    前記内燃機関を自動再始動するために前記入力クラッチが係合させられた場合に前記ロックアップクラッチを解放するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5および7のいずれかに記載の車両の駆動制御装置。
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