JP3988257B2 - 画像形成装置およびカートリッジ部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色剤色の変更に伴う着色剤色の混色を防止することができるとともに、印字ヘッドを駆動する駆動手段の駆動負荷を低減することができる画像形成装置およびカートリッジ部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット方式を用いた印刷装置では、インク(着色剤)が充填されたインクカートリッジから印字ヘッドへインクが供給され、その印字ヘッドから印字用紙へインクを吐出して印刷が行われる。この印字ヘッドへのインク供給方法については、従来より種々の提案がなされている。例えば、特公平5−218号公報等に記載された印刷装置のインク供給方法によれば、インクカートリッジに充填されたインクはインク供給チューブを介して、キャリッジに搭載された印字ヘッドへ供給される。
【0003】
かかる印刷装置では、インクカートリッジを交換する場合に、その交換前のインクがインク供給チューブや印字ヘッド内に残留することがある。このため、ある色のインクが充填されたインクカートリッジをその他の色のインクが充填されたインクカートリッジに交換する場合に、インク供給チューブや印字ヘッドに残留したインクカートリッジ交換前のインクとインクカートリッジ交換後のインクとが混色してしまう。例えば、ブラック色のインクが充填されたインクカートリッジをマゼンタ色のインクが充填されたインクカートリッジに交換する場合、インク供給チューブや印字ヘッド内に残留したブラック色のインクが、マゼンタ色のインクに混ざり込んでしまうのである。
【0004】
そこで、特公昭62−42792号公報等では、印字ヘッドとインクカートリッジ(インクタンク)とを一体形成した印字ヘッドカートリッジを提案している。かかる印字ヘッドカートリッジを使用する印刷装置によれば、所望の色のインクがインクタンクに充填された印字ヘッドカートリッジをキャリッジに装着することにより、そのインク色で印刷を行うことができるのである。また、印字ヘッドカートリッジを交換すれば、印字ヘッドの交換も行われるので、インク色の異なるインク同士の混色が防止されるのである。
【0005】
しかし、かかる印刷装置では、キャリッジには印字ヘッドカートリッジ、即ち、印字ヘッドのみならず、インクタンクも搭載されるので、その分、キャリッジに加わる負荷重量が増加してしまう。このため、キャリッジを駆動するキャリッジモータに加わる負荷(駆動負荷)が増大するとともに、キャリッジモータの消費電力が増加してしまう。しかも、インクタンク内のインクが消費されると、キャリッジに加わる負荷が変化するため、キャリッジモータに加わる負荷が変動してしまう。このようにキャリッジモータに加わる負荷が変動すると、キャリッジの移動速度が変動して、均一かつ良好な印刷品質を得ることができない。よって、インク消費量の変化に応じてキャリッジの移動速度を制御する制御手段が別途必要となり、印刷装置の製造コストが増加してしまう。
【0006】
そこで、特開平6−234209号公報では、本体装置に着脱可能に形成されるとともに、インク供給チューブを介して連結された印字ヘッドとインクタンクとを有する交換ユニットを備えた印刷装置を提案している。この印刷装置によれば、インクタンクは交換ユニットの所定位置に固定されており、キャリッジには印字ヘッドのみが搭載されるので、インクタンク内のインクが消費されても、キャリッジに加わる負荷が変化することがない。このため、キャリッジモータに加わる負荷の変動が防止され、均一かつ良好な印刷品質が得られる。しかも、所望の色のインクがインクタンクに充填された交換ユニットを本体装置に装着することにより、所望のインク色で印刷を行うことができる一方、交換ユニットを交換すれば、印字ヘッドの交換も行われるので、インク色の異なるインク同士の混色を防止することもできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記交換ユニットを使用する印刷装置では、交換ユニットを交換する際に印字ヘッドを指で摘んでキャリッジに着脱する必要があり、交換ユニットの交換作業が煩雑であるという問題点があった。しかも、印字ヘッドをキャリッジから着脱する際に印字ヘッドを指で摘まなければならず、指先が印字ヘッドのノズルに誤って触れてしまいインクで汚れてしまうという問題点があった。
【0008】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、着色剤色の変更に伴う着色剤色の混色を防止して、印字ヘッドを駆動する駆動手段の駆動負荷を低減するとともに、印字ヘッドのキャリッジへの装着作業を簡素化することができる画像形成装置およびカートリッジ部材を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1に記載の画像形成装置は、着色剤を印刷用紙に付着して印刷を行う印字ヘッドを着脱可能に搭載して往復移動するキャリッジと、そのキャリッジを駆動して往復移動させる駆動手段とを備え、前記キャリッジおよび駆動手段が配設される装置本体と、その装置本体に着脱可能に形成されるとともに前記印字ヘッド及び、その印字ヘッドへ着色剤を供給する着色剤供給手段、前記装置本体への装着に連動して前記印字ヘッドを前記キャリッジに装着する印字ヘッド装着手段を有し、前記印字ヘッドを前記キャリッジに搭載した状態では、そのキャリッジの往復移動に伴って前記印字ヘッドを往復移動可能に配設するとともに、前記着色剤供給手段を第1所定位置に配設するカートリッジ部材とを備え、前記キャリッジは、前記印字ヘッドによる印刷終了時に第2所定位置に停止されると共に、前記印字ヘッドは、前記カートリッジ部材が前記装置本体から離脱されている状態では、前記第2所定位置に対応した位置に掛止され、前記カートリッジ部材の前記装置本体への装着方向と、前記印字ヘッドの前記キャリッジへの装着方向とが同方向に構成され、前記装置本体に対して前記カートリッジ部材を前記装着方向に押し込むと、前記カートリッジ部材の前記装置本体への装着が完了すると共に前記印字ヘッド装着手段による前記印字ヘッドの前記キャリッジへの装着が完了する。
【0010】
この請求項1に記載の画像形成装置によれば、印字ヘッドは、印字ヘッド装着手段によって、カートリッジ部材の装置本体への装着に連動してキャリッジへ装着される。印字ヘッドの装着後、駆動手段を作動させると、印字ヘッドを搭載したキャリッジが装置本体内で往復移動され、着色剤供給手段によって着色剤が印字ヘッドへ供給される。この印字ヘッドへ供給された着色剤が印字用紙に付着されることにより印刷が行われる。カートリッジ部材に配設された印字ヘッドは、印字ヘッド装着手段によって、カートリッジ部材の装置本体への装着に連動してキャリッジに装着される。このため、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷装置へ装着した後、印字ヘッドを手で摘んでキャリッジへ装着する必要がない。よって、カートリッジ部材の画像形成装置への装着作業が簡素化される一方、カートリッジ部材を装着する際にインクで手が汚れてしまうことが防止される。
【0011】
しかも、印字ヘッドはカートリッジ部材に往復移動可能に配設され、かつ、着色剤供給手段はカートリッジ部材の所定位置に配設されているので、駆動手段によってキャリッジに搭載された印字ヘッドを往復移動させる場合に、かかる印字ヘッドとともに着色剤供給手段を往復移動させる必要がない。このため、着色剤供給手段を往復移動させるために必要となる駆動力が不要となり、駆動手段に加わる駆動負荷が低減される。
【0012】
また、カートリッジ部材は装置本体に着脱自在に形成されているので、印字ヘッドや着色剤供給手段を交換する必要がある場合、例えば、印字ヘッドの劣化による印字品質の低下や着色剤供給手段の劣化が生じた場合に、かかるカートリッジ部材を装置本体から取り外して、同一種類の別のカートリッジ部材を装着することにより、印字ヘッドおよび着色剤供給手段が容易に交換される。
【0013】
更に、ある単色の着色剤を有するカートリッジ部材と、他の単色または2以上の色の着色剤を有するカートリッジ部材とを必要に応じて交換することにより、ある単色、他の単色または2以上の色の着色剤による印刷を1つの装置本体で行うことができる。特に、これらのカートリッジ部材を交換する場合に、各カートリッジ部材は印字ヘッドおよび着色剤供給手段をそれぞれ備えているので、着色剤の色替えによる異なる色の着色剤同士の混色が防止される。
【0014】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記印字ヘッド装着手段は、前記カートリッジ部材が前記装置本体から取り外される場合に、前記印字ヘッドを前記カートリッジ部材の所定位置に押止する押止部材と、前記カートリッジ部材が前記装置本体に装着され前記印字ヘッドが前記キャリッジに装着される場合に、前記押止部材による前記印字ヘッドの押止を解除する押止解除部材とを備えている。
【0015】
この請求項2に記載の画像形成装置によれば、請求項1に記載の画像形成装置と同様に作用する上、着色剤供給手段および印字ヘッドが配設されたカートリッジ部材が装置本体から取り外されると、印字ヘッドはキャリッジから取り外され、押止部材によってカートリッジ部材の所定位置に押止される。一方、カートリッジ部材が装置本体に装着され、印字ヘッドがキャリッジに装着されると、押止部材による印字ヘッドの押止が押止解除部材によって解除され、印字ヘッドはキャリッジと共に往復移動可能となる。
【0016】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記カートリッジ部材は、前記装置本体の略垂直方向に着脱可能に形成され、前記印字ヘッド装着手段は、前記印字ヘッドの上下方へ向けて揺動可能に延出された延在部と、その延在部を下方へ向けて付勢する付勢部と、その付勢部および延在部を前記カートリッジ部材に取着する取着部とを有する押止部材と、その押止部材の延在部を上方へ押し上げるため前記カートリッジ部材の着脱方向へスライド可能に前記カートリッジ部材に配設されるリンク部材と、そのリンク部材の下端に当接しつつ押し上げるため前記装置本体から略垂直方向へ向けて立設される支持部材とを有する押止解除部材とを備えている。
【0017】
この請求項3に記載の画像形成装置によれば、請求項1または2に記載の画像形成装置と同様に作用する上、カートリッジ部材を装置本体へ向けて下方へ移動させることにより、カートリッジ部材のリンク部材と装置本体の支持部材とが当接し、支持部材によって、リンク部材が押し上げられ、リンク部材がカートリッジ部材に対して上方へスライドされる。リンク部材が上方へスライドすると、リンク部材の上端とカートリッジ部材に取付部を介して取着された押止部材の延在部とが当接し、その後、カートリッジ部材を更に下方へ移動させると、押止部材の付勢部により下方へ向けて付勢されている押止部材の延在部がリンク部材によって印字ヘッドの上方へ押し上げられる。かかる押止部材の延在部が印字ヘッドの上方へ押し上げられることにより、印字ヘッドの押止が解除されて、カートリッジ部材の装置本体への装着が完了する。
【0018】
一方、カートリッジ部材を装置本体の上方へ移動させると、支持部材によって上方へ押し上げられていたリンク部材がカートリッジ部材に対して下方へスライドし、そのリンク部材により印字ヘッドの上方へ押し上げられていた押止部材の延在部が押止部材の付勢部の付勢によって押し下げられる。その後、カートリッジ部材を更に上方へ向けて移動させると、印字ヘッドが押止部材の延在部によって下方へ押さえ付けられ、印字ヘッドがカートリッジ部材の所定位置に押止される。印字ヘッドの押止後、カートリッジ部材を更に上方へ移動させると、カートリッジ部材のリンク部材が装置本体の支持部材から離れて、カートリッジ部材の装置本体からの取り外しが完了する。
【0019】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記リンク部材は、前記押止部材の取着部近傍の下方に配設されている。
【0020】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項3または4に記載の画像形成装置において、前記支持部材は、前記キャリッジの往復移動を案内するガイドバー等が横架されるフレーム体に形成されている。
【0021】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記印字ヘッドまたはキャリッジの一方に配設され弾性材料で形成された係止爪と、前記印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設され前記係止爪が係止される係止溝とを備えている。
【0022】
この請求項6に記載の画像形成装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置と同様に作用する上、印字ヘッドをキャリッジへ押し込むと、係止爪が弾性変形して係止溝に係止され、印字ヘッドがキャリッジに固定されつつ装着される。一方、印字ヘッドをキャリッジから引き抜くと、係止爪が弾性変形して係止溝から外れ、印字ヘッドがキャリッジから取り外される。
【0023】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記印字ヘッドまたはキャリッジの一方であって前記係止爪の反対側の略同一位置に配設された第2係止爪と、前記印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設され前記第2係止爪が係止される第2係止溝とを備えている。
【0024】
請求項8に記載の画像形成装置は、着色剤を印刷用紙に付着して印刷を行う印字ヘッドを着脱可能に搭載して往復移動するキャリッジと、そのキャリッジを駆動して往復移動させる駆動手段とを備え、前記キャリッジおよび駆動手段が配設される装置本体と、その装置本体に着脱可能に形成されるとともに前記印字ヘッド及び、その印字ヘッドへ着色剤を供給する着色剤供給手段、前記装置本体からの取り外しに連動して前記印字ヘッドを前記キャリッジから離脱させる印字ヘッド離脱手段を有し、前記印字ヘッドを前記キャリッジに搭載した状態では、そのキャリッジの往復移動に伴って前記印字ヘッドを往復移動可能に配設するとともに、前記着色剤供給手段を第1所定位置に配設するカートリッジ部材とを備え、前記カートリッジ部材の前記装置本体からの離脱方向と、前記印字ヘッドの前記キャリッジからの離脱方向とが同方向に構成され、前記装置本体から前記カートリッジ部材を前記離脱方向に移動させると、前記カートリッジ部材の前記装置本体からの離脱が完了すると共に前記印字ヘッド離脱手段による前記印字ヘッドの前記キャリッジからの離脱が完了する。
【0025】
この請求項8に記載の画像形成装置によれば、カートリッジ部材を装置本体へ装着して駆動手段を作動させると、印字ヘッドを搭載したキャリッジが装置本体内で往復移動され、着色剤供給手段によって着色剤が印字ヘッドへ供給される。この印字ヘッドへ供給された着色剤が印字用紙に付着されることにより印刷が行われる。カートリッジ部材に配設された印字ヘッドは、印字ヘッド離脱手段によって、カートリッジ部材の装置本体からの取り外しに連動してキャリッジから離脱される。このため、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷装置から取り外した後、印字ヘッドを手で摘んでキャリッジから取り外す必要がない。よって、カートリッジ部材を装置本体から取り外す(離脱)作業が簡素化される一方、カートリッジ部材を装置本体から取り外す際にインクで手が汚れてしまうことが防止される。
【0026】
しかも、印字ヘッドはカートリッジ部材に往復移動可能に配設され、かつ、着色剤供給手段はカートリッジ部材の所定位置に配設されているので、駆動手段によってキャリッジに搭載された印字ヘッドを往復移動させる場合に、かかる印字ヘッドとともに着色剤供給手段を往復移動させる必要がない。このため、着色剤供給手段を往復移動させるために必要となる駆動力が不要となり、駆動手段に加わる駆動負荷が低減される。
【0027】
また、カートリッジ部材は装置本体に着脱自在に形成されているので、印字ヘッドや着色剤供給手段を交換する必要がある場合、例えば、印字ヘッドの劣化による印字品質の低下や着色剤供給手段の劣化が生じた場合に、かかるカートリッジ部材を装置本体から取り外して、同一種類の別のカートリッジ部材を装着することにより、印字ヘッドおよび着色剤供給手段が容易に交換される。
【0028】
更に、ある単色の着色剤を有するカートリッジ部材と、他の単色または2以上の色の着色剤を有するカートリッジ部材とを必要に応じて交換することにより、ある単色、他の単色または2以上の色の着色剤による印刷を1つの装置本体で行うことができる。特に、これらのカートリッジ部材を交換する場合に、各カートリッジ部材は印字ヘッドおよび着色剤供給手段をそれぞれ備えているので、着色剤の色替えによる異なる色の着色剤同士の混色が防止される。
【0029】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記カートリッジ部材は、前記装置本体の略垂直方向に着脱可能に形成され、そのカートリッジ部材の前記装置本体からの取り外しに連動して、前記印字ヘッドを前記キャリッジから離脱させる印字ヘッド離脱手段を備えており、その印字ヘッド離脱手段は、前記印字ヘッドから外方へ向けて突設される突起部材と、前記カートリッジ部材に形成され前記突起部材の下端より下方に配設される係合溝とを備えている。
【0030】
この請求項9に記載の画像形成装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置と同様に作用する上、カートリッジ部材を装置本体から取り外す場合に、カートリッジ部材を装置本体の上方へ向けて移動させると、カートリッジ部材に形成された係合溝は上方向へ移動される。この上方向への移動により、カートリッジ部材に形成された係合溝が印字ヘッドに突設された突起部材と係合される。係合溝と突起部材との係合後、カートリッジ部材を更に上方へ移動させると、印字ヘッドは、突起部材および係合溝を介して、カートリッジ部材の装置本体からの取り外しに連動してキャリッジから取り外されると共に、カートリッジ部材の所定位置に掛止される。
【0031】
一方、カートリッジ部材を装置本体の下方へ向けて移動させると、まず、印字ヘッドがキャリッジに装着される。カートリッジ部材を更に下方へ向けて移動させると、カートリッジ部材の係合溝が印字ヘッドの突起部材の下端より下方位置に到り、両者の係合が解除されて、カートリッジ部材の装置本体への装着が完了する。
【0032】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記突起部材は、その縁部分のうち前記係合溝に対向する部分に、曲面または面取りが形成されている。
【0033】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項9または10に記載の画像形成装置において、前記突起部材は、前記係止溝と略等しい大きさに形成されている。
【0034】
請求項12に記載の画像形成装置は、請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記着色剤供給手段は、前記カートリッジ部材の所定位置に配設され着色剤が充填される着色剤カートリッジ部材と、その着色剤カートリッジ部材と前記印字ヘッドとを連結し、前記着色剤カートリッジ部材から前記印字ヘッドへ着色剤を移送する着色剤移送手段とを備えている。
【0035】
請求項13に記載の画像形成装置は、請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置において、前記着色剤供給手段は、着色剤が充填される着色剤カートリッジ部材を備えており、その着色剤カートリッジ部材は、前記カートリッジ部材に着脱可能に装着されている。
【0036】
請求項14に記載のカートリッジ部材は、画像形成装置本体に配設されるキャリッジに着脱可能に搭載されるとともに、着色剤を印刷用紙に付着して印刷を行う印字ヘッドと、その印字ヘッドへ着色剤を供給する着色剤供給手段と、その着色剤供給手段を第1所定位置に配設し、かつ、前記印字ヘッドを前記キャリッジに搭載した状態では、そのキャリッジの往復移動に伴って前記印字ヘッドを往復移動可能に配設するとともに、画像形成装置本体に着脱可能に形成されたケース体と、そのケース体に配設され、そのケース体の画像形成装置本体への装着に連動して、前記印字ヘッドをキャリッジに装着する印字ヘッド装着手段とを備え、前記印字ヘッドは、前記ケース体が前記画像形成装置本体から離脱されている状態では、前記キャリッジが印刷終了時に停止する第2所定位置に対応した位置に掛止されており、前記ケース体の前記画像形成装置本体への装着方向と、前記印字ヘッドの前記キャリッジへの装着方向とが同方向に構成され、前記画像形成装置本体に対して前記ケース体を前記装着方向に押し込むと、前記ケース体の前記画像形成装置本体への装着が完了すると共に前記印字ヘッド装着手段による前記印字ヘッドの前記キャリッジへの装着が完了する。
【0037】
この請求項14に記載のカートリッジ部材によれば、印字ヘッドは、印字ヘッド装着手段によって、ケース体の画像形成装置本体への装着に連動してキャリッジへ装着される。印字ヘッドの装着後、印字ヘッドを搭載したキャリッジが画像形成装置本体内で往復移動され、着色剤供給手段によって着色剤が印字ヘッドへ供給される。この印字ヘッドへ供給された着色剤が印字用紙に付着されることにより印刷が行われる。ケース体に配設された印字ヘッドは、印字ヘッド装着手段によって、ケース体の画像形成装置本体への装着に連動してキャリッジに装着される。このため、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷装置へ装着した後、印字ヘッドを手で摘んでキャリッジへ装着する必要がない。よって、カートリッジ部材の画像形成装置への装着作業が簡素化される一方、カートリッジ部材を装着する際にインクで手が汚れてしまうことが防止される。
【0038】
しかも、印字ヘッドはケース体に往復移動可能に配設され、かつ、着色剤供給手段はケース体の所定位置に配設されているので、キャリッジに搭載された印字ヘッドを往復移動させる場合に、かかる印字ヘッドとともに着色剤供給手段を往復移動させる必要がない。このため、着色剤供給手段を往復移動させるために必要となる駆動力が不要となり、キャリッジに加わる駆動負荷が低減される。
【0039】
また、カートリッジ部材のケース体は画像形成装置本体に着脱自在に形成されているので、印字ヘッドや着色剤供給手段を交換する必要がある場合、例えば、印字ヘッドの劣化による印字品質の低下や着色剤供給手段の劣化が生じた場合に、かかるカートリッジ部材を画像形成装置本体から取り外して、同一種類の別のカートリッジ部材を装着することにより、印字ヘッドおよび着色剤供給手段が容易に交換される。
【0040】
更に、ある単色の着色剤を有するカートリッジ部材と、他の単色または2以上の色の着色剤を有するカートリッジ部材とを必要に応じて交換することにより、ある単色、他の単色または2以上の色の着色剤による印刷を1つの画像形成装置本体で行うことができる。特に、これらのカートリッジ部材を交換する場合に、各カートリッジ部材は印字ヘッドおよび着色剤供給手段をそれぞれ備えているので、着色剤の色替えによる異なる色の着色剤同士の混色が防止される。
【0041】
請求項15に記載のカートリッジ部材は、請求項14に記載のカートリッジ部材において、前記印字ヘッド装着手段は、前記ケース体が画像形成装置本体から取り外される場合に、前記印字ヘッドを前記ケース体の所定位置に押止する押止部材と、前記ケース体が画像形成装置本体に装着され前記印字ヘッドがキャリッジに装着される場合に、前記押止部材による前記印字ヘッドの押止を解除する押止解除部材とを備えている。
【0042】
この請求項15に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14に記載のカートリッジ部材と同様に作用する上、着色剤供給手段および印字ヘッドが配設されたケース体が画像形成装置画像形成装置本体から取り外されると、印字ヘッドはキャリッジから取り外され、押止部材によってケース体の所定位置に押止される。一方、ケース体が画像形成装置本体に装着され、印字ヘッドがキャリッジに装着されると、押止部材による印字ヘッドの押止が押止解除部材によって解除され、印字ヘッドはキャリッジと共に往復移動可能となる。
【0043】
請求項16に記載のカートリッジ部材は、請求項14または15に記載のカートリッジ部材において、前記ケース体は、画像形成装置本体の略垂直方向に着脱可能に形成され、前記印字ヘッド装着手段は、前記印字ヘッドの上下方へ向けて揺動可能に延出される延在部と、その延在部を下方へ向けて付勢する付勢部と、その付勢部および延在部を前記ケース体に取着する取着部とを有する押止部材と、その押止部材の延在部を上方へ押し上げるために、前記ケース体の着脱方向へスライド可能に前記ケース体に配設されるとともに、画像形成装置本体から略垂直方向へ向けて立設される支持部材により上方へ押し上げられるリンク部材とを備えている。
【0044】
この請求項16に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14または15に記載のカートリッジ部材と同様に作用する上、ケース体を画像形成装置本体へ向けて下方へ移動させることにより、ケース体のリンク部材と画像形成装置本体の支持部材とが当接し、支持部材によって、リンク部材が押し上げられ、リンク部材がケース体に対して上方へスライドされる。リンク部材が上方へスライドすると、リンク部材の上端とケース体に取付部を介して取着された押止部材の延在部とが当接し、その後、ケース体を更に下方へ移動させると、押止部材の付勢部により下方へ向けて付勢されている押止部材の延在部がリンク部材によって印字ヘッドの上方へ押し上げられる。かかる押止部材の延在部が印字ヘッドの上方へ押し上げられることにより、印字ヘッドの押止が解除されて、カートリッジ部材の画像形成装置本体への装着が完了する。
【0045】
一方、ケース体を画像形成装置本体の上方へ移動させると、支持部材によって上方へ押し上げられていたリンク部材がケース体に対して下方へスライドし、そのリンク部材により印字ヘッドの上方へ押し上げられていた押止部材の延在部が押止部材の付勢部の付勢によって押し下げられる。その後、ケース体を更に上方へ向けて移動させると、印字ヘッドが押止部材の延在部によって下方へ押さえ付けられ、印字ヘッドがケース体の所定位置に押止される。印字ヘッドの押止後、ケース体を更に上方へ移動させると、ケース体のリンク部材が画像形成装置本体の支持部材から離れて、カートリッジ部材の取り外しが完了する。
【0046】
請求項17に記載のカートリッジ部材は、請求項16に記載のカートリッジ部材において、前記リンク部材は、前記押止部材の取着部近傍の下方に配設されている。
【0047】
請求項18に記載のカートリッジ部材は、請求項14から17のいずれかに記載のカートリッジ部材において、前記印字ヘッドまたはキャリッジの一方に配設され弾性材料で形成された係止爪と、前記印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設され前記係止爪が係止される係止溝とを備えている。
【0048】
この請求項18に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14から17のいずれかに記載のカートリッジ部材と同様に作用する上、印字ヘッドをキャリッジへ押し込むと、係止爪が弾性変形して係止溝に係止され、印字ヘッドがキャリッジに固定されつつ装着される。一方、印字ヘッドをキャリッジから引き抜くと、係止爪が弾性変形して係止溝から外れ、印字ヘッドがキャリッジから取り外される。
【0049】
請求項19に記載のカートリッジ部材は、請求項18に記載のカートリッジ部材において、前記印字ヘッドまたはキャリッジの一方であって前記係止爪の反対側の略同一位置に配設された第2係止爪と、前記印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設され前記第2係止爪が係止される第2係止溝とを備えている。
【0050】
請求項20に記載のカートリッジ部材は、画像形成装置本体に配設されるキャリッジに着脱可能に搭載されるとともに、着色剤を印刷用紙に付着して印刷を行う印字ヘッドと、その印字ヘッドへ着色剤を供給する着色剤供給手段と、その着色剤供給手段を第1所定位置に配設し、かつ、前記印字ヘッドを前記キャリッジに搭載した状態では、そのキャリッジの往復移動に伴って前記印字ヘッドを往復移動可能に配設するとともに、画像形成装置本体に着脱可能に形成されたケース体と、そのケース体に配設され、そのケース体の画像形成装置本体からの取り外しに連動して、前記印字ヘッドをキャリッジから離脱させる印字ヘッド離脱手段とを備え、前記ケース体の前記画像形成装置本体からの離脱方向と、前記印字ヘッドの前記キャリッジからの離脱方向とが同方向に構成され、前記画像形成装置本体から前記ケース体を前記離脱方向に移動させると、前記ケース体の前記画像形成装置本体からの離脱が完了すると共に前記印字ヘッド離脱手段による前記印字ヘッドの前記キャリッジからの離脱が完了する。
【0051】
この請求項20に記載のカートリッジ部材によれば、印字ヘッドを搭載したキャリッジが画像形成装置本体内で往復移動され、着色剤供給手段によって着色剤が印字ヘッドへ供給される。この印字ヘッドへ供給された着色剤が印字用紙に付着されることにより印刷が行われる。ケース体に配設された印字ヘッドは、印字ヘッド離脱手段によって、ケース体の画像形成装置本体からの取り外しに連動してキャリッジから離脱される。このため、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷装置から取り外した後、印字ヘッドを手で摘んでキャリッジから取り外す必要がない。よって、カートリッジ部材を画像形成装置本体から取り外す(離脱)作業が簡素化される一方、カートリッジ部材を画像形成装置本体から取り外す際にインクで手が汚れてしまうことが防止される。
【0052】
しかも、印字ヘッドはケース体に往復移動可能に配設され、かつ、着色剤供給手段はケース体の所定位置に配設されているので、キャリッジに搭載された印字ヘッドを往復移動させる場合に、かかる印字ヘッドとともに着色剤供給手段を往復移動させる必要がない。このため、着色剤供給手段を往復移動させるために必要となる駆動力が不要となり、キャリッジに加わる駆動負荷が低減される。
【0053】
また、カートリッジ部材のケース体は画像形成装置本体に着脱自在に形成されているので、印字ヘッドや着色剤供給手段を交換する必要がある場合、例えば、印字ヘッドの劣化による印字品質の低下や着色剤供給手段の劣化が生じた場合に、かかるカートリッジ部材を画像形成装置本体から取り外して、同一種類の別のカートリッジ部材を装着することにより、印字ヘッドおよび着色剤供給手段が容易に交換される。
【0054】
更に、ある単色の着色剤を有するカートリッジ部材と、他の単色または2以上の色の着色剤を有するカートリッジ部材とを必要に応じて交換することにより、ある単色、他の単色または2以上の色の着色剤による印刷を1つの画像形成装置本体で行うことができる。特に、これらのカートリッジ部材を交換する場合に、各カートリッジ部材は印字ヘッドおよび着色剤供給手段をそれぞれ備えているので、着色剤の色替えによる異なる色の着色剤同士の混色が防止される。
【0055】
請求項21に記載のカートリッジ部材は、請求項14から20のいずれかに記載のカートリッジ部材において、前記ケース体は、画像形成装置本体の略垂直方向に着脱可能に形成され、そのケース体の画像形成装置本体からの取り外しに連動して、前記印字ヘッドをキャリッジから離脱させる印字ヘッド離脱手段を備えており、その印字ヘッド離脱手段は、前記印字ヘッドから外方へ向けて突設される突起部材と、前記ケース体に形成され前記突起部材の下端より下方に配設される係合溝とを備えている。
【0056】
この請求項21に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14から20のいずれかに記載のカートリッジ部材と同様に作用する上、カートリッジ部材を画像形成装置本体から取り外す場合に、ケース体を画像形成装置本体の上方へ向けて移動させると、ケース体に形成された係合溝は上方向へ移動される。この上方向への移動により、ケース体に形成された係合溝が印字ヘッドに突設された突起部材と係合される。係合溝と突起部材との係合後、ケース体を更に上方へ移動させると、印字ヘッドは、突起部材および係合溝を介して、ケース体の画像形成装置本体からの取り外しに連動してキャリッジから取り外されると共に、ケース体の所定位置に掛止される。
【0057】
一方、ケース体を画像形成装置本体の下方へ向けて移動させると、まず、印字ヘッドがキャリッジに装着される。ケース体を更に下方へ向けて移動させると、ケース体の係合溝が印字ヘッドの突起部材の下端より下方位置に到り、両者の係合が解除されて、カートリッジ部材の画像形成装置本体への装着が完了する。
【0058】
請求項22に記載のカートリッジ部材は、請求項21に記載のカートリッジ部材において、前記突起部材は、その縁部分のうち前記係合溝に対向する部分に、曲面または面取りが形成されている。
【0059】
請求項23に記載のカートリッジ部材は、請求項21または22に記載のカートリッジ部材において、前記突起部材は、前記係止溝と略等しい大きさに形成されている。
【0060】
請求項24に記載のカートリッジ部材は、請求項14から23のいずれかに記載のカートリッジ部材において、前記着色剤供給手段は、前記ケース体の所定位置に配設され着色剤が充填される着色剤カートリッジ部材と、その着色剤カートリッジ部材と前記印字ヘッドとを連結し、前記着色剤カートリッジ部材から前記印字ヘッドへ着色剤を移送する着色剤移送手段とを備えている。
【0061】
請求項25に記載のカートリッジ部材は、請求項14から24のいずれかに記載のカートリッジ部材において、前記着色剤供給手段は、着色剤が充填される着色剤カートリッジ部材を備えており、その着色剤カートリッジ部材は、前記ケース体に着脱可能に装着されている。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態および代表的な実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態の卓上インクジェットプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と称す)およびプリンタカートリッジの第1類型であるインクジェットプリンタ1およびプリンタカートリッジ3の概略構成を説明するための分解斜視概念図であり、図2は、印字ヘッド21のノズル21aの部分断面概念図である。
【0063】
インクジェットプリンタ1は、略箱状体に形成されたプリンタ本体2と、その上部に着脱自在(可能)に装着され、印字ヘッド21を搭載したプリンタカートリッジ3と、そのプリンタカートリッジ3に着脱可能に装着されインクパッケージ30を収納したインクカートリッジ40とを備えている。尚、図1では、プリンタ本体2の本体フレーム12、排紙口13、ヘッド移動溝14およびプリンタカートリッジ3のカートリッジフレーム26を2点鎖線で図示している。また、図1中の矢印Xはインクカートリッジ40の装着方向を示している。
【0064】
プリンタ本体2の本体フレーム12には、印刷用紙PPを搬送するためのローラ部材である搬送ローラ4が回転可能に軸支されるとともに、その搬送ローラ4に平行にガイドバー17が配設されている。この搬送ローラ4の左端部分には従動ギヤ4aが取着されており、この従動ギヤ4aは、LFモータ5によって回転される駆動ギヤ5aに歯合されている。よって、LFモータ5を回転することにより、搬送ローラ4が回転され、印刷用紙PPが搬送される。また、ガイドバー17は、キャリッジ6がガイドバー17に沿って印刷用紙PPの搬送方向と直交する方向に移動可能となるように、キャリッジ6を貫通している。尚、図1では、ガイドバー17の一部を省略して図示している。
【0065】
キャリッジ6は、プリンタカートリッジ3の印字ヘッド21を搭載するためのものであり、本体フレーム12の右端部分に搭載されたCRモータ7によって回動される駆動プーリ7aと、本体フレーム12の左端部分に設けられた従動プーリ7bとの間に掛け渡されたベルト7cを介して、ガイドバー17および搬送ローラ4の軸心に平行な方向、即ち、プリンタ本体2の長手方向へ往復移動することができる。よって、キャリッジ6に搭載された印字ヘッド21をプリンタ本体2の長手方向へ往復移動させて、印刷用紙PP上に印刷(印字)を行うことができる。尚、ベルト7cは、搬送ローラ4およびガイドバー17の理解を容易にするため、その一部を省略して図示している。
【0066】
キャリッジ6には後述する印字ヘッド21のみが搭載され、後述するインクカートリッジ40はカートリッジフレーム26の左端部分に装着されている。即ち、キャリッジ6を駆動させる際に、キャリッジ6に加わる負荷が低減されている。このため、本実施形態の第1類型のインクジェットプリンタ1では、従来のインクカートリッジが搭載されたキャリッジを駆動するための動力に比べて、キャリッジ6を駆動するための動力を低減することができる。よって、CRモータ7に加わる立ち上がりトルク等の負荷が低下されるとともに、CRモータ7への起電時間(スルーアップ時間)が短縮されるので、CRモータ7の消費電力を減少させることができる。
【0067】
また、キャリッジ6に加わる負荷が低減されるので、CRモータ6に低トルクの小型モータを使用することができる。よって、CRモータ6の小型化により、インクジェットプリンタ1のプリンタ本体2は小型化されるので、インクジェットプリンタ1の携帯性を向上することができ、かかるインクジェットプリンタ1をノート型パーソナルコンピュータや手帳型パーソナルコンピュータとともに携帯して容易に持ち運びすることができる。
【0068】
更に、キャリッジ6には印字ヘッド21のみが搭載されるので、キャリッジ6を駆動するための駆動力を低減することができる。よって、CRモータ7はキャリッジ6を高速かつ安定した状態で駆動させることができるのである。即ち、キャリッジ6には印字ヘッド21のみが搭載されるので、従来のインクカートリッジを搭載したキャリッジのように、キャリッジ6に加わる重量がインク(着色剤)消費に伴って変化することがない。よって、本実施形態の第1類型のインクジェットプリンタ1では、キャリッジ6の移動速度がインク消費により変動することがなく、キャリッジ6の移動速度の変動を制御する制御手段が不要となる。このため、制御手段が不要となる分、インクジェットプリンタ1全体として製造コストを低減することができる。
【0069】
プリンタ本体2の左端部分には、印字ヘッド21のノズル21aにおける複数のノズル口21b(図2参照)を密閉することができる吸引キャップ8と、その吸引キャップ8により密閉されるノズル21aのノズル口21b内のインク(着色剤)を吸引する吸引ポンプ9とが配設されている。吸引キャップ8および吸引ポンプ9は、インクの吐出状態を回復させる処理(パージ処理)を行うためのものである。パージ処理を行う場合には、CRモータ7により印字ヘッド21の搭載されたキャリッジ6をインクジェットプリンタ1の左側へ移動させて、印字ヘッド21の各ノズル口21bを吸引キャップ8により密閉する。その後、吸引ポンプ9を作動すると、ノズル口21bから気泡や乾燥固化したインクが吸引され、ノズル21aのノズル口21bの吐出状態を回復することができるのである。尚、パージ処理は、ノズル口21b内に充填されたインク液面により形成される凹面状のメニスカスM(図2参照)が、インク詰まり等の原因により各ノズル口21b内に形成できない場合に行われる。
【0070】
吸引キャップ8の左側位置には、印字ヘッド21のノズル21aに被せられる保護キャップ10が配設されている。保護キャップ10は、印字ヘッド21により印刷が行われない場合、即ち、キャリッジ6が待機状態にある場合に、ノズル21aを被い、その内部のインクの蒸発を防止して各ノズル口21b内のインクが乾燥することを防止するものである。
【0071】
プリンタ本体2の下部には、インクジェットプリンタ1の動作内容に関する制御プログラムに従ってインクジェットプリンタ1を制御するCPU11a等が搭載された制御回路基板11が配設されている。この制御回路基板11には、接続コード16を介して、PCカード15が接続されている。このPCカード15は、パーソナルコンピュータ(図示せず)のPCカードスロットに挿入され、パーソナルコンピュータから出力された印刷データ等をインクジェットプリンタ1へ入力するものである。尚、インクジェットプリンタ1には、PCカードスロットに挿入されたPCカード15および接続コード16を介して、図示しないパーソナルコンピュータから電力が供給される。よって、インクジェットプリンタ1を使用して印刷する場合に、インクジェットプリンタ1とAC電源とを接続する必要がなく、例えば、ノート型パーソナルコンピュータや手帳型パーソナルコンピュータとともにオフィスの外や屋外でインクジェットプリンタ1を使用することができる。
【0072】
プリンタ本体2における本体フレーム12の手前側の側壁には、印刷済みの印刷用紙PPをプリンタ本体2から排紙するための排紙口13が設けられている。また、本体フレーム12の裏側の側壁、即ち、排紙口13が設けられた側壁に対向する側壁であって排紙口13と対向する位置には、未使用の印刷用紙PPをプリンタ本体2へ挿入するための給紙口(図示せず)が設けられている。更に、本体フレーム12の上面には矩形状のヘッド移動溝14が設けられており、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に取り付ける場合に、かかるヘッド移動溝14を介して、印字ヘッド21をキャリッジ6に搭載することができる。
【0073】
本体フレーム12の上面部分には、プリンタカートリッジ3の印字ヘッド21へ画像データに基づく電気的信号や、印字ヘッドを駆動するための電力を供給するコネクタ18が配設されている。このコネクタ18は、本体フレーム2の底部に配設された制御回路基板11に接続されており(図示せず)、その上面には、複数の接続孔18aが凹設されている。この各接続孔18aは、後述するプリンタカートリッジ3に配設された取付部材25の下面に設けられた複数の接続ピン(図示せず)が挿入可能に形成されている。
【0074】
以上に説明したように、LFモータ5やCRモータ7などの大きな重量の部品を、インクジェットプリンタ1の下部分に配設されるプリンタ本体2に配設することにより、インクジェットプリンタ1の重心位置がプリンタ本体2側に位置することができる。即ち、インクジェットプリンタ1を安定した状態で設置することができる。このため、キャリッジ6や搬送ローラ4などの駆動に伴う振動により、インクジェットプリンタ1の転倒を防止することができる一方、プリンタカートリッジ3を交換する際のプリンタ本体2が転倒することが防止される。
【0075】
プリンタカートリッジ3は、プリンタ本体2の上部に着脱可能に構成されており、印字ヘッド21と、インク抽出部材22と、インク供給チューブ23と、取付部材24,25と、かかる印字ヘッド21等を収納するため箱状に形成されたカートリッジフレーム26とを備えている。
【0076】
印字ヘッド21は、プリンタカートリッジ3の長手方向(主操作方向)に往復移動可能に配設されている。即ち、印字ヘッド21は、プリンタカートリッジ3における往復移動可能領域のうちの全部又は一部において、プリンタカートリッジ3に保持されている。かかる構成は、例えば、印字ヘッド21の上面又は側面に突起部材を設けると共に、プリンタカートリッジ3の内壁面に、前記突起部材を保持するための保持部材を設けることにより達成される。ここで、この保持部材は、プリンタカートリッジ3における印字ヘッド21の往復移動可能領域の一部に設けられている。尚、保持部材はプリンタカートリッジ3の印字ヘッド21の往復移動可能領域の全域に亘って設けても良い。
【0077】
このようなプリンタカートリッジ3の構成により、印字ヘッド21は、プリンタカートリッジ3における往復移動可能領域の一部においてプリンタカートリッジ3に保持された状態となるので、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2から取り外す際に前記保持部材が前記突起部材を持ち上げることによって、プリンタカートリッジ3が印字ヘッド21を保持した状態でプリンタ本体2から取り外され、また、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に装着する際にキャリッジ6に印字ヘッド21が填め合わされる(装着される)ことによってキャリッジ6に印字ヘッド21が装着される。
【0078】
プリンタカートリッジ3のプリンタ本体2への着脱により印字ヘッド21がキャリッジ6に確実に着脱されるためには、CPU11a等により、印刷終了(完了)時にキャリッジ6が常に所定位置に停止するようにキャリッジ6の停止動作を制御する必要があり、特に、前記保持部材がプリンタカートリッジ3における印字ヘッド21の往復移動可能領域の一部に設けられている場合において、プリンタカートリッジ3のプリンタ本体2への着脱により印字ヘッド21をキャリッジ6に確実に着脱するためには、CPU11a等により、印刷終了時にキャリッジ6をプリンタカートリッジ3の保持部材の略真下の位置に停止するようにキャリッジ6の停止動作を制御する必要がある。
【0079】
尚、上述した突起部材、保持部材およびプリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に装着する際に印字ヘッド21をキャリッジ6に装着する手段等が本発明の印字ヘッド装着手段や印字ヘッド離脱手段を構成するが、その具体的構成を示す実施例は図10から図15を用いて後述する。
【0080】
印字ヘッド21は、ピエゾ素子(圧電素子)で構成されたノズル21aを備えており、図2に示すように、ノズル21aには複数のノズル口(インク吐出口)21bが設けられている。各ノズル口21b内にはインクパッケージ30から供給されたインクが充填されている。このピエゾ素子で構成されたノズル21aに電圧が印加されると、その電圧に比例した歪みがノズル21aに生じ、各ノズル口21bが収縮する。この収縮によって、各ノズル口21b内に充填されたインクが印刷用紙PPへ吐出され印刷が行われるのである。尚、このようにピエゾ素子で構成されたノズル21aを備えた印字ヘッド21を使用した印刷方式を、本明細書では、ピエゾ駆動方式という。
【0081】
また、印字ヘッド21は、バブルジェット方式に比べて消費電力の少ないピエゾ素子を用いた方式であるピエゾ駆動方式を使用しているので、上述したCRモータ7の省電力化に加えて、インクジェットプリンタ1の消費電力を更に少なくすることができる。よって、ノート型パーソナルコンピュータや手帳型パーソナルコンピュータの電源(小型の乾電池や2次電池等)からインクジェットプリンタ1への電力供給をPCカード15を介して行うことが可能になるとともに、インクジェットプリンタ1の電力消費を低減させることができる。
【0082】
尚、印字ヘッド21の各ノズル口21bは、略180dpiに相当するピッチ(間隔)で設けられており、印字ヘッド21の搭載されたキャリッジ6がプリンタ本体2の長手方向へ往動または復動することにより(図1参照)、180dpiの解像度のモノクロ印刷を行うことが可能になっている。
【0083】
ところで、各ノズル口21bの内部下方にあるインク液面が凹面状のメニスカスMに形成されていると、そのインク吐出性が維持され、鮮明な印刷結果を得ることができる。この凹面状のメニスカスMは、各ノズル口21b内に充填されるインクのインク供給圧を負圧に維持することによって、各ノズル口21b内に形成される。例えば、本実施形態の第1類型で使用される印字ヘッド21では、インク供給圧が大気圧に対して略0mmAq(水柱)以上、略−300mmAq(水柱)以下の範囲(印字ヘッド動作圧範囲)内であれば、各ノズル口21b内のインク液面が凹面状のメニスカスMを形成することが可能である。尚、インク供給圧を負圧に維持する方法については、後述するインクパッケージ30とともに説明する。
【0084】
図1に示すように、印字ヘッド21の上部には、印字ヘッド21とインク供給チューブ23の一端とを継合する取付部材24が配設されており、かかるインク供給チューブ23の他端は、取付部材25を介してインク抽出部材22に取り付けられている。このインク抽出部材22は、インクカートリッジ40内に収納されたインクパッケージ30からインクを抽出するためのものであり、このインク抽出部材22により抽出されたインクは、インク供給チューブ23および取付部材24,25を介して、印字ヘッド21へ供給される。
【0085】
インク供給チューブ23は、その取付部材24近傍で大きく湾曲しており、その他の部分は略直線状になるように配設されている。このため、インク供給チューブ23は、従来のインク供給用のチューブ等のように複数箇所で屈曲されることなく、従来のチューブ等の長さに比べて、その長さが短く形成されている。よって、印字ヘッド21へ供給されるインク流れるインク供給チューブ23内部の流路抵抗を低減させることができるとともに、パージ処理により吸引されるインクのインク量を低減することができる。また、インク供給チューブ23の長さが短く形成されているので、その製造コストを低減することができる。
【0086】
また、インク供給チューブ23には、印字ヘッド21を駆動するための電力や画像データに基づく電気的信号を供給するハーネス等(図示せず)が一体形成されており、このハーネス等は印字ヘッド21と取付部材25とを接続している。しかも、かかるハーネス等が接続された取付部材25の下面には、コネクタ18の上面に凹設された複数の接続孔18aに挿入可能に形成された複数の接続ピン(図示せず)突設されている。この取付部材25の各接続ピンは、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に装着することにより、コネクタ18の各接続孔18aに挿入される。その結果、印字ヘッド21と制御回路基板11とが、取付部材24、インク供給チューブ23、取付部材25、コネクタ18を介して接続されるので、制御回路基板11から印字ヘッド21へ画像データに基づく電気的信号や印字ヘッドを駆動するための電力を供給することができるのである。
【0087】
上記のように構成された印字ヘッド21、インク抽出部材22、インク供給チューブ23および取付部材24,25(以下、印字ヘッド21等という。)は、溶着や接着剤等による接着によって、それぞれ継合や取り付けがなされている。即ち、プリンタカートリッジ3には、Oリング等の着脱自在なシール部材が使用されていない。よって、プリンタカートリッジ3のいずれかの箇所に故障等の不具合が生じた場合には、かかる欠陥を有するプリンタカートリッジ3を廃棄し、新しい同一種類のプリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に別途装着することにより、故障等の不具合が解消されるのである。このため、プリンタカートリッジ3の各部品を個別に交換する必要がなく、インクジェットプリンタ1の保守を容易に行うことができる。しかも、例えば、印字ヘッド21を交換保守することが不要なので、印字ヘッド21のノズル21aに手が触れてしまいインクで手が汚れることを防止することができる。
【0088】
また、印字ヘッド21等の継合部分や取付部分は、溶着や接着剤等による接着によって継合や取り付けされているので、その気密性を保持することができる。よって、印字ヘッド21等の内部への空気等の浸入や、印字ヘッド21等の内部からのインク漏れ等を防止することができるのである。
【0089】
インク抽出部材22は、耐腐食性を有するステンレス鋼材等の金属材料やセラミックス材料等で構成されており、インクパッケージ30のインク密封部31へ刺し込まれ、その内部に密封されたインクを抽出するものである。このインク抽出部材22は中空針状体に形成されており(図3参照)、その先端には、インク密封部31内のインクを抽出するためのインク抽出口22aが穿設されている。このインク抽出部材22によれば、インクパッケージ30の収納されたインクカートリッジ40が矢印X方向へスライドされプリンタカートリッジ3に装着されると(図1中2点鎖線)、インク抽出部材22はインクカートリッジ40の通穴42(図3参照)を介してインク密封部31へ刺し込まれ、インク抽出口22aから中空状のインク抽出部材22の内部へインクパッケージ30内のインクを流入させることができる。しかも、インク抽出部材22内へ流入したインクは、取付部材25を介してインク供給チューブ23へ流入し、更に、取付部材24を介して印字ヘッド21へ供給されるのである。尚、インク抽出部材22の外径d(図3参照)については、後述するインクパッケージ30とともに説明する。
【0090】
以上に説明したプリンタカートリッジ3は、CRモータ7、LFモータ5およびガイドバー17などの大きな重量の部品が搭載されたプリンタ本体2に対して、印字ヘッド21やインク供給チューブ23等の比較的軽量な部品を備えている。即ち、プリンタカートリッジ3の軽量化が図られている。このため、プリンタカートリッジ3の交換作業をするためにプリンタカートリッジ3を持ち上げる際に、手に負担をかけることなく持ち運ぶことができる。また、プリンタカートリッジ3は軽量なので、プリンタカートリッジ3を誤って落下させても怪我をする危険性がない。
【0091】
次に、図3から図6を参照して、インクパッケージ30と、それを収納するインクカートリッジ40とについて説明する。図3は、インクカートリッジ40の分解斜視図である。図3に示すように、インクカートリッジ40は、プリンタカートリッジ3に着脱可能に構成されており(図1参照)、略中空箱状体に形成されている。このインクカートリッジ40のカートリッジ本体41は、その上部がインクパッケージ30を収納するために開放されており、その内部にインクパッケージ30が収納された後に天蓋体43が覆設される。この天蓋体43の覆設後、天蓋体43がカートリッジ本体41に溶着されて、カートリッジ本体41に天蓋体43が取り付けられる。尚、天蓋体43を取り付ける場合、カートリッジ本体41と天蓋体43とを溶着することなく、両者に取付部材等をそれぞれ配設して、天蓋体43をカートリッジ本体41に取り付けても良い。
【0092】
カートリッジ本体41の左側面には通穴42が穿設されている。この通穴42は、インク抽出部材22をインクカートリッジ40へ挿入するための穴であり、かかる通穴42へインク抽出部材22を挿入することにより、インクカートリッジ40に収納されたインクパッケージ30の凹部32へインク抽出部材22を刺し込むことができる。また、この通穴42に、NBR等で構成されたパッキン等のシール部材を取着することにより、一旦装着されたインクカートリッジ40をプリンタカートリッジ3から取り外し、インクパッケージ30からインク抽出部材22を抜き外す場合に、インクカートリッジ40内からのインク漏れを防止することができる。尚、このインクカートリッジ40にインクパッケージ30を収納する場合、インクパッケージ30の溶着部33,34,35を折り曲げて収納しても良く、また、インクパッケージ30の溶着部33,34,35を切断してカートリッジ本体41内へ収納しても良い。
【0093】
また、図3に示すように、インクパッケージ30は、略矩形状の袋体に形成されており、ポリエチレン樹脂等で構成されたフィルムシートを複数枚、例えば、略10枚程度積層した積層構造フィルム材で構成されている。インクパッケージ30の略中央部分にはインク密封部31が形成され、その内部には印刷に使用されるインクが密封されている。このインク密封部31の左縁部分には上面視略凹面状の凹部32が形成されており、他の縁部分には溶着部33,34,35が形成されている。この凹部32はインク抽出部材22が刺し込まれる部分であり、その両端部が溶着部33,34により支持されている。よって、かかる凹部32へインク抽出部材22を刺し込む場合に、インク抽出部材22をインク密封部31へ容易に貫入することができる。
【0094】
インクパッケージ30の製造方法は、まず、矩形状の積層構造フィルム材を二つ折の状態に重ね合わせ、その重ね合わされた縁部分のうち、二つ折りにされた縁部分に相対向する一辺を溶着して溶着部35を形成し、中空筒状体を形成する。この中空筒状体はその相対向する両縁部分が開放されているので、そのいずれか一方を溶着して溶着部33を形成し、溶着部34が形成される縁部分が開放された袋体を成形する。かかる袋体成形後、その開放部分から袋体内へインクを注入する。インク注入後、溶着部33に対向する部分が溶着され、溶着部34が形成されると、凹部32がインク密封部31の縁部分に形成されるとともに、インク密封部31内にインクが密封されたインクパッケージ30が上述した袋体の一端に形成される。インクパッケージ30形成後、溶着部34を切断して、袋体からインクパッケージ30を切り離すことにより、インクパッケージ30の製造が完了する。尚、インクを注入する際に、インク密封部31の内圧Pを正圧に維持することにより、未使用のインクパッケージ30のインク密封部31内への空気等の浸入を防止することができる。
【0095】
次に、印字ヘッド21へ供給されるインクのインク供給圧を維持する方法について説明する。インクパッケージ30は、上述した積層構造フィルム材で形成されているので、インク抽出部材22が刺し込まれると、刺し込まれたインク抽出部材22の外周面に密着する性質(密着性)を備えている。よって、インク密封部31からのインク漏れやインク密封部31への空気等の浸入を防止することができる。特に、インク抽出部材22によってインクの抽出(インク消費)が行われる場合に、インク密封部31への空気等の浸入が防止されるので、インク密封部31内のインク消費量に相当する容積が空気等により置換されることがない。従って、インク密封部31の内圧Pを負圧に維持することができる。
【0096】
また、インクパッケージ30を形成する積層構造フィルム材の剛性を強化させることにより、かかる積層構造フィルム材に形状復元性が付与されるとともに、インクパッケージ30のインク密封部31の形状変化が抑制される。よって、インク抽出部材22によりインク密封部31からインクが抽出される場合に、インク密封部31が大気圧等に押し潰されることがなく、インク密封部31の内圧Pを負圧に維持することができる。その結果、インク抽出部材22により抽出されたインクを印字ヘッド21へ供給する場合に、インクのインク供給圧を負圧に維持することができる。
【0097】
以下、図4から図6を参照して、積層構造フィルム材の剛性を強化させる具体的な方法について説明する。図4から図6は、いずれもインク消費量Vとインク密封部31の内圧Pとの関係を示したグラフである。図4は、積層構造フィルム材の厚さwが異なるインクパッケージ30について比較したグラフであり、図中の横軸51はインク密封部31に密封されたインクのインク消費量Vを示しており、縦軸52はインク密封部31の内圧Pを示している。
【0098】
図4に示すように、各インクパッケージ30の積層構造フィルム材の厚さwは、曲線53(2点鎖線)が160μmであり、曲線54(実線)が100μmであり、曲線55(点線)が80μmである。図4の各曲線53〜55を比較すると、インク密封部31の内圧Pは、インク消費量Vの増加に伴って、曲線53,54,55の順に急激に減少している。即ち、積層構造フィルム材の厚さwが大きいほど、インク密封部31を形成する積層構造フィルム材の剛性が大きくなるので、積層構造フィルム材の形状復元性が顕著となり、インク密封部31の形状変化が抑制されるからである。よって、本実施例の第1類型では、かかる図4の結果に基づいて、インク供給圧、即ち、インク密封部31の内圧Pを略0mmAq以上かつ略−300mmAq以下の印字ヘッド動作圧範囲内にするために、積層構造フィルム材の厚さwを略30μm以上かつ略300μm以下に形成している。
【0099】
このように、本実施形態の第1類型では、積層構造フィルム材の厚さwを略30μm以上かつ略300μm以下に形成しているので、インクパッケージ30の溶着部33,34,35を形成するための加熱(溶着)工程において、加熱時間の過剰な増加や加熱温度の過剰な上昇が防止される。よって、インクパッケージ30の製造コストを低減することもできる。また、積層構造フィルム材の厚さを上述した範囲内で形成することにより、インク抽出部材22をインクパッケージ30へ刺し込む際の抵抗力を低減することができる。
【0100】
図5は、インク密封部31における縦方向長さAと横方向長さBとの比率(縦横比)hが異なるインクパッケージ30について比較したグラフであり、図中の横軸61はインク密封部31に密封されたインクのインク消費量Vを示しており、縦軸62はインク密封部31の内圧Pを示している。
【0101】
図5に示すように、各インクパッケージ30におけるインク密封部31の縦横比hは、曲線63(2点鎖線)が「1」であり、曲線64(実線)が「1.5」であり、曲線65(点線)が「2」である。図5の各曲線63〜65を比較すると、インク密封部31の内圧Pは、インク消費量Vの増加に伴って、曲線63,64,65の順に急激に減少している。即ち、インク密封部31の縦横比hが小さいほど、インク密封部31を形成する積層構造フィルム材の剛性が大きくなるので、積層構造フィルム材の形状復元性が顕著となり、インク密封部31の形状変化が抑制されるからである。よって、本実施形態の第1類型では、かかる図5の結果に基づき、インク供給圧、即ち、インク密封部31の内圧Pを略0mmAq以上かつ略−300mmAq以下の印字ヘッド動作圧範囲内にするために、インク密封部31の縦横比hを略「10」以下、即ち、インク密封部31の縦方向長さA(横方向長さB)を横方向長さB(縦方向長さA)の略10倍以下に形成している。
【0102】
図6は、インク密封部31の縦方向長さA又は横方向長さBのうち一方の長さが異なるインクパッケージ30について比較したグラフであり、図中の横軸71はインク密封部31に密封されたインクのインク消費量Vを示しており、縦軸72はインク密封部31の内圧Pを示している。
【0103】
図6に示すように、各インクパッケージ30におけるインク密封部31の縦方向長さA(横方向長さB)は、曲線73(2点鎖線)が50mmであり、曲線74(実線)が70mmであり、曲線75(点線)が100mmである。図6の各曲線73〜75を比較すると、インク密封部31の内圧Pは、インク消費量Vの増加に伴って、曲線73,74,75の順に急激に減少している。即ち、インク密封部31の縦方向長さA(横方向長さB)が小さいほど、インク密封部31の剛性が大きくなるので、積層構造フィルム材の形状復元性が顕著となり、インク密封部31の形状変化が抑制されるからである。よって、本実施形態の第1類型では、かかる図6の結果に基づき、インク供給圧、即ち、インク密封部31の内圧Pを略0mmAq以上かつ略−300mmAq以下の印字ヘッド動作圧範囲内にするために、インク密封部31の縦方向長さA(横方向長さB)を略200mm以下に形成している。
【0104】
次に、図7を参照して、インクパッケージ30とインク抽出部材22との密着性と、インク抽出部材22の外径dとの関係について説明する。図7は、インク抽出部材22の外径dとインクパッケージ30に負荷される押圧力Fとの関係を示した図である。尚、この押圧力Fとは、外径dの異なるインク抽出部材22をインクパッケージ30へ刺し込んだ後、かかるインクパッケージ30をその厚さ方向に押圧した場合に、そのインク抽出部材22がインクパッケージ30から抜け出る押圧力のことである。また、インクパッケージ30は、積層構造フィルム材の厚さwが略100μmのものを使用している。
【0105】
図7に示すように、インク抽出部材22の外径dが増加するとともに、インク抽出部材22がインクパッケージ30から抜け出る押圧力Fが低下している。この結果に基づいて、インクパッケージ30へ刺し込まれたインク抽出部材22の外周面と、インクパッケージ30の積層構造フィルム材との密着性を維持するために、インク抽出部材22の外径dを略5mm以下に形成している。
【0106】
このよう形成されたインクパッケージ30およびインク抽出部材22を用いて、印字ヘッド21へインクを供給することによって、インク供給圧は負圧に調整され維持される。よって、印字ヘッド21の下方周辺にインク供給圧を負圧にするためのサブタンクやインク供給用のポンプ装置等(インク供給圧調整手段)が不要となり、インクジェットプリンタ1の部品点数が減少されるので、かかる製造コストを低減させることができる。また、インク供給用のポンプ等が不要となるので、従来の印刷装置の消費電力に比べて、インクジェットプリンタ1の消費電力を低減することができるのである。
【0107】
次に、図1から図3を参照して、インクジェットプリンタ1の組立方法について説明する。まず、図3に示すように、インクパッケージ30の溶着部33〜35を折り曲げるか、または、切断するかしてインクパッケージ30をカートリッジ本体41内に収納する。インクパッケージ30の収納後、カートリッジ本体41上部に天蓋体43を覆設し、カートリッジ本体41と天蓋体43とを溶着することにより、インクパッケージ30がインクカートリッジ40内に密封されつつ収納される。
【0108】
このインクカートリッジ40の通穴42とインク抽出部材22とを対向させつつ、インクカートリッジ40を矢印X方向へスライドさせると、インクカートリッジ40の通穴42にインク抽出部材22が挿入される。インク抽出部材22の挿入後、インク抽出部材22は、インクカートリッジ40に収納されたインクパッケージ30の凹部32から容易にインク密封部31内へ刺し込まれる。また、このインクパッケージ30の凹部32は、その両端部分が溶着部33,34によって支持されているので、インク抽出部材22の刺し込みに伴う負荷によるインク密封部31の変形を抑制することができる。
【0109】
更に、インクカートリッジ40を矢印X方向へスライドさせ続けると、インクカートリッジ40はプリンタカートリッジ3の左端部分の2点鎖線の位置(図1中左側)へ到達して、インクカートリッジ40のプリンタカートリッジ3への装着が完了する。インクカートリッジ40の装着完了後、インクカートリッジ40は、取付部材25の配設側(図1中左側)へと下降傾斜した状態、即ち、図1に示すインクカートリッジ40の左端部分からインクカートリッジ40の左端部分へと下降傾斜した状態でプリンタカートリッジ3に装着されている。よって、例えば、インクパッケージ30の製造時にインクパッケージ30内に空気等が混入した場合、かかる空気等は図1に示すインクカートリッジ40の左端部分の上方に集められるので、インク抽出部材22内への空気等の混入を防止することができる。また、インクインクパッケージ30を形成する積層構造フィルム材とインク抽出部材22の外周面とが密着するので、インクパッケージ30内からのインク漏れやインクパッケージ30内への空気等の浸入が防止される。
【0110】
尚、プリンタカートリッジ3に装着されたインクカートリッジ40の傾斜角度は略0°から略10°であれば良く、最も好適には略0°から略3°にすることが望ましい。
【0111】
インクパッケージ30のインク密封部31へ刺し込まれたインク抽出部材22は、インク抽出口22aを介して、その内部へとインクを抽出し、取付部材25を介してインク供給チューブ23へインクを流入させる。インク供給チューブ23へ流入したインクは、取付部材24を介して印字ヘッド21へ供給される。ここで、インクパッケージ30は、その積層構造フィルム材の剛性が強化されており、形状復元性が付与されているので、インクパッケージ30のインク密封部31の形状変化が抑制されている。よって、インク密封部31からインク抽出部材22を用いてインクが抽出される場合に、インク密封部31が大気圧等に押し潰されることがなく、インク密封部31の内圧Pは負圧に維持される。従って、インク抽出部材22により抽出されたインクを印字ヘッド21へ供給する場合に、インクのインク供給圧が負圧に維持される。その結果、各ノズル口21b内にメニスカスMを形成することができるので、印字ヘッド21のインク吐出性が維持され、鮮明な印刷結果を得ることができる。
【0112】
次に、プリンタカートリッジ3に配設された印字ヘッド21をプリンタ本体2に配設されたキャリッジ6に搭載させつつ、プリンタカートリッジ3をプリンタ本体2に装着する。この際、後述する印字ヘッド装着手段を介して、プリンタ本体2にプリンタカートリッジ3をただ単に装着するだけで、他に何らの操作をすることなく、キャリッジ6に印字ヘッド21が装着される。プリンタカートリッジ3の装着後、インクジェットプリンタ1のPCカード15をパーソナルコンピュータのPCスロットに挿入すると、インクジェットプリンタ1とパーソナルコンピュータとが電気的に接続され、両者間で印刷データ等が送受信されるとともに、パーソナルコンピュータからインクジェットプリンタ1へ電力供給が行われる。
【0113】
インクジェットプリンタ1は、パーソナルコンピュータから印刷データの送信を受けると、印刷用紙PPに印刷を行う。この場合、まず、未使用の印刷用紙PPが給紙口(図示せず)へ挿入されると、印刷用紙PPは、搬送ローラ4によって、キャリッジ6に搭載された印字ヘッド21の下方の搬送経路を搬送される。搬送された印刷用紙PPは、印字ヘッド21の下方の搬送経路を通過する際に、印字ヘッド21の各ノズル口21bから吐出されるインクによって印刷され、この印刷された印刷用紙PPは排紙口13から搬出される。
【0114】
次に、図8を参照して、本実施形態の第2類型であるインクジェットプリンタ100およびプリンタカートリッジ103について説明する。第2類型のインクジェットプリンタ100は、上述した第1類型のインクジェットプリンタ1のプリンタカートリッジ3を変更したものである。以下、第1類型と同一の部分には、同一の番号を付して、その説明は省略する。尚、図8は、インクジェットプリンタ100およびプリンタカートリッジ103の分解斜視図である。
【0115】
インクジェットプリンタ100のプリンタカートリッジ103は、印字ヘッド21に隣接配置された印字ヘッド21と同一種類の印字ヘッド121を備えている。印字ヘッド121は、印字ヘッド21と同様に、その下部にノズル21aと、そのノズル21aの下面に略180dpiに相当するピッチで設けられた複数のノズル口21bとを備えている。また、印字ヘッド121は、その各ノズル口21bの配列が印字ヘッド21における各ノズル口21bの配列に対して、半ピッチ分(略360dpiに相当する間隔)ずれるように設けられている。よって、印字ヘッド21,121の双方を使用して印刷する場合、印字ヘッド21,121の搭載されたキャリッジ6をプリンタ本体2の長手方向へ往動または復動させることにより、360dpiの解像度の印刷を行うことができる。よって、第1類型のインクジェットプリンタ1と比較して、高解像度の印刷を短時間で行うことができる。
【0116】
尚、第2類型のインクジェットプリンタ100は、プリンタ本体2が第1類型のインクジェットプリンタ1と共通化されているので、プリンタカートリッジ103を第1類型のプリンタカートリッジ3と交換することにより、インクジェットプリンタ1として使用することができる。
【0117】
次に、図9を参照して、本実施形態の第3類型のインクジェットプリンタ200およびプリンタカートリッジ203について説明する。第3類型のインクジェットプリンタ200は、上述した第1類型のインクジェットプリンタ1のプリンタカートリッジ3およびインクカートリッジ40を変更したものである。以下、第1類型と同一の部分には、同一の番号を付して、その説明は省略する。尚、図9は、インクジェットプリンタ200およびプリンタカートリッジ203の分解斜視図である。
【0118】
インクジェットプリンタ200のプリンタカートリッジ203には、4個のインクカートリッジ40が装着されており、各インクカートリッジ40には、図9の上から順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色のインクが密封されたインクパッケージ30がそれぞれ収納されている。これらの4色のインクは、印字ヘッド221,222にそれぞれ設けられた複数個のノズル口(図示せず)から吐出され、印刷用紙PPにフルカラー印刷が行われる。
【0119】
全インクカートリッジ40のうち、最もインク消費量が多く、かつ、その交換頻度の高いブラックのインクが密封されたインクパッケージ30の収納されたインクカートリッジ40は、他のインクカートリッジ40より上方に装着される。よって、ブラックのインクを有するインクカートリッジ40の交換作業が容易に行われ、かかるインクカートリッジ40の装着箇所を間違えることなく交換作業を行うことができる。
【0120】
このインクジェットプリンタ200は、プリンタ本体2が第1および第2類型のインクジェットプリンタ1,100と共通化されているので、プリンタカートリッジ203を第1類型のプリンタカートリッジ3または第2類型のプリンタカートリッジ103と交換することにより、インクジェットプリンタ1またはインクジェットプリンタ100として使用することができる。よって、第1および第2類型のプリンタカートリッジ3,103を使用したモノクロ印刷と、第3類型のプリンタカートリッジ203を使用したフルカラー印刷との変更を各プリンタカートリッジ3,103,203をそれぞれ交換することにより、容易かつ確実に行うことができる。また、モノクロ印刷およびフルカラー印刷の変更は、各プリンタカートリッジ3,103,203を交換することにより行われるので、印字ヘッド21、インク抽出部材22、インク供給チューブ23および取付部材24,25の内部、即ち、インク供給流路内での異なる色のインクの混色を防止することができる。
【0121】
プリンタカートリッジ203に配設される4本のインク供給チューブ23は図9の上下方向に並設されているので、各インク供給チューブ23が重力方向(図9の下方向)へ垂れ下がって屈曲することが防止されている。よって、インク供給チューブ23の屈曲によるインク供給圧の変動やインク供給チューブ23の破損等を防止することができる。
【0122】
また、各インク抽出部材22の各取付部材25における取付位置は、図9の前後方向の異なる位置にそれぞれ取り付けられており、各インクカートリッジ40の通穴42は、各インク抽出部材22の位置に対応して穿設されている。よって、プリンタカートリッジ203にインクカートリッジ40を装着する場合、常に、図9の上からブラック、イエロー、シアン、マゼンタの順に各インクカートリッジ40を装着しなければ、各インク抽出部材22を各通穴42へ挿入することができない。このため、インクカートリッジ40を間違って装着することによるインクの混色を防止することができる。尚、各インクカートリッジ40を一体成形しても良い。
【0123】
次に、図10から図15を参照しつつ、上述の第1から第3類型で示された本実施形態の要部である印字ヘッド装着手段および印字ヘッド離脱手段の実施例をインクジェットプリンタ300を用いて説明する。図10は、本実施例のインクジェットプリンタ300の正面図である。このインクジェットプリンタ300は、プリンタカートリッジ302の所定位置に配設されたインクカートリッジ311からキャリッジ310に装着された印字ヘッド309へインクを供給して、かかるインクを印字ヘッド309の各ノズル309aから印刷用紙PPへ吐出して印刷を行うものである。図10に示すように、このインクジェットプリンタ300は、略箱状体に形成された本体フレーム301aを有するプリンタ本体301と、そのプリンタ本体301の上部に着脱自在に形成され、略箱状体に形成されたカートリッジフレーム302aを有するプリンタカートリッジ302とを備えている。また、プリンタカートリッジ302の下方であって、プリンタ本体301の前面には、印刷済みの印刷用紙PPを排出するための矩形状の開口部である排紙口303が穿設されている。
【0124】
図11は、図10のXI−XI線におけるインクジェットプリンタ300の内部構造を概略的に示した側断面図であり、図中の矢印Yは印刷用紙PPの搬送方向を図示している。図11に示すように、プリンタ本体301の右側下方(図11右側)には、未使用の印刷用紙PPを挿入する給紙口304が穿設されている。この給紙口304から挿入された印刷用紙PPの搬送方向(矢印Y方向)における下流側には、印刷用紙PPを搬送するための搬送ローラ305と、その搬送ローラ305へ印刷用紙PPを押圧するための押さえローラ306とが配設されており、かかる両者が共働して印刷用紙PPを押圧し挟持しつつ搬送している。
【0125】
搬送ローラ305および押さえローラ306の下流側には、搬送ローラ305から排出された印刷用紙PPをプリンタ本体301外へ排出するための排紙ローラ307と、その排紙ローラ307へ印刷用紙PPを押圧するための押さえローラ308とが配設されている。また、搬送ローラ305および排紙ローラ307の間に位置する印刷用紙PPの上方には、キャリッジ310に着脱自在に装着された印字ヘッド309が配設されている。
【0126】
印字ヘッド309は、プリンタ本体301のフレーム319に横架されたガイドバー313に沿って図11の前後方向(図12の左右方向、即ち、図12の矢印Zまたは反矢印Z方向)に往復移動可能なキャリッジ310に着脱自在に装着されている。この印字ヘッド309の印刷用紙PP側には、搬送ローラ305等に挟持された印刷用紙PPへインクの吐出を行うためのノズル309aが形成されている。また、印字ヘッド309の上端両側部には、プリンタカートリッジ302がプリンタ本体301から取り外された場合に、プリンタカートリッジ302の所定位置に印字ヘッド309を掛止するための矩形状の突起部材309bがそれぞれ突設されている。
【0127】
各突起部材309bの下方には、各突起部材309bを保持するための保持部材314がそれぞれ隣接して形成されており、各保持部材314は、プリンタカートリッジ302にそれぞれ一体形成されている。また、各保持部材314の上面には、各突起部材309bに対向して、各突起部材309bが填め込まれる矩形状の係合溝314aがそれぞれ凹設されている。よって、プリンタカートリッジ302がプリンタ本体301から取り外される場合に、プリンタカートリッジ302を上方へ持ち上げ各保持部材314を上昇させることにより、各突起部材309bが各係合溝314aにそれぞれ填り込み、印字ヘッド309をプリンタカートリッジ302に掛止することができる。
【0128】
このようにして、印字ヘッド309は、各突起部材309bおよび各係止溝314aによってプリンタカートリッジ302の各保持部材314に掛止されつつ、後述する押圧バネ部材315によって押止されるので、プリンタカートリッジ302が落下して大きな衝撃が加わった場合にも、印字ヘッド309の位置がズレて、押圧バネ部材315によるに押止が不用意に解除されてしまうことを防止することができる。
【0129】
印字ヘッド309の上方には、4つのインクカートリッジ311が積層状態でプリンタカートリッジ302に着脱自在に装着されており、各インクカートリッジ311には、その上方から順にブラック、イエロー、シアンおよびマゼンタの色のインクが充填されている。各インクカートリッジ311には、印字ヘッド309へインク供給するためのインク供給チューブ312の一端が継合されており、これらのインク供給チューブ312の他端は、インクカートリッジ311の下方に配設された印字ヘッド309の上部にそれぞれ継合されている。このように各インク供給チューブ312を介して、印字ヘッド309と各インクカートリッジ311とを継合することにより、プリンタカートリッジ302の所定位置に配設されたインクカートリッジ311から、キャリッジ310に装着されて図11の前後方向(図12の左右方向)へインクジェットプリンタ300内を往復移動する印字ヘッド309へインクを供給することができる。
【0130】
図12は、図11のXII−XII線におけるインクジェットプリンタ300の内部構成を概略的に示した正面図であり、図中の矢印Zはキャリッジ310の移動方向を示している。図12に示すように、上述した保持部材314は略平板状に形成されており、その上面であって、印字ヘッド309の突起部材309bに対向する部分には上述した係合溝314aが凹設されている。この係合溝314aは、その深さが突起部材309bの厚さと略等しく形成されており、また、係合溝314aの長手方向幅が印字ヘッド309の突起部材309bの長手方向幅と略等しく形成されている。よって、各突起部材309bが各係合溝314aにそれぞれ填め込まれた場合に、プリンタカートリッジ302に掛止された印字ヘッド309がガタつくことを防止することができる。また、突起部材309bの長手方向両端部分であって、保持部材314の係合溝314aに対向する側は曲面状に形成されているので、突起部材309bを係合溝314aに填め込む場合に、かかる曲面に形成された突起部材309bの両端部分を介して容易に填め込むことができる。
【0131】
また、プリンタ本体301の右側部分に配設されたフレーム319の上部には、キャリッジ310を図12の左右方向(矢印Zまたは反矢印Z方向)へ往復移動させる駆動力を供給するCRモータ320が配設されており、その下方には搬送ローラ305や排紙ローラ307を回動させるLFモータ321が配設されている。
【0132】
図13は、図11のインクジェットプリンタ300の左側部分を拡大した概略的な側断面図である。図13に示すように、上述した印字ヘッド309の右側面には矩形状の係止溝309cが凹設されており、この係止溝309cの反対側、即ち、印字ヘッド309の左側面には略台形状の凹部309dが凹設されている。また、これらの係止溝309cおよび凹部309dの上方には、印字ヘッド309の外方へ向けて、突出部309eがそれぞれ突設されており、これらの突出部309eをキャリッジ310の上面にそれぞれ当接して横架させることにより、印字ヘッド309がキャリッジ310から抜け落ちることを防止することができる。
【0133】
キャリッジ310は、上下面が開放された中空箱状体に形成されており、その内部に印字ヘッド309が挿入され装着されている。このキャリッジ310の右側部分には、印字ヘッド309をキャリッジ310に係止するための係止爪310aが固着されている。この係止爪310aの上端部分は、略く字形に屈曲して形成されており、印字ヘッド309の係止溝309cに填り込んで印字ヘッド309をキャリッジ310に係止している。また、係止爪310aは、バネ鋼材等の弾性材料で構成されているので弾性変形することが可能である。よって、印字ヘッド309をキャリッジ310へ着脱する場合に、係止爪310aを印字ヘッド309の係止溝309cに填め込んだり、または、係止爪310aを係止溝309cから外したりすることができるのである。尚、この係止爪310aを弾性変形させて、印字ヘッド309をキャリッジ310に装着するためには、略1kgfの押圧力で印字ヘッド309をキャリッジ310へ押し込む必要がある。
【0134】
キャリッジ310の左側部分には、印字ヘッド309の凹部309dに嵌合可能な略台形状の凸部310bがキャリッジ310の内方へ向けて突設されており、この凸部310bおよび係止爪310aが凹部309dおよび係止溝309cに填り込むことにより、印字ヘッド309をキャリッジ310に固定することができるのである。この係止爪310aの屈曲した上端部分および凸部310bは、キャリッジ310の対向する位置にそれぞれ設けられているので、係止溝309cに係止爪310aが填り込むのと、ほぼ同時に、凹部309dに凸部310bを填め込むことができる。よって、係止爪310aまたは凸部310bのいずれか一方が係止溝309cまたは凹部309dに先に填め込まれることによる印字ヘッド309の傾きが防止されるので、印字ヘッド309が傾いた状態でキャリッジ310に無理に装着されることを防止することができる。即ち、プリンタ本体301とプリンタカートリッジ302との着脱が繰り返して行われる場合にも、その耐久性を向上させることができる。
【0135】
尚、図13に示すように、プリンタカートリッジ302がプリンタ本体301に装着された場合、印字ヘッド309の上端に突設された突起部材309bの下面は、プリンタカートリッジ302に配設された保持部材314の係合溝314aの上端より上方に位置している。よって、キャリッジ310に装着された印字ヘッド309は、突起部材309bが保持部材314の係合溝314aに引っかかることなく、図13の左右方向へ往復移動して印刷用紙PPに印刷を行うことができる。
【0136】
印字ヘッド309の左側上方であって、プリンタカートリッジ302の左側下方には、印字ヘッド309の上端を押圧するための押圧バネ部材315が配設されている。この押圧バネ部材315は、バネ鋼等の弾性材料で構成された略く字形のコイルバネであり、その略中央部分に設けられた取着部315cがプリンタカートリッジ302に形成された支軸316に巻回されて支持されている。この押圧バネ部材315は、その一端に設けられた当接部315bがプリンタカートリッジ302の左内壁に当接されており、その他端に設けられた押圧部315aが印字ヘッド309の上方に延出されている。
【0137】
この押圧部315aは、取着部315cを介して支軸316に上下方向へ揺動可能に取着されるとともに、当接部315bを介して下方へ付勢されている。この印字ヘッド309の上方に延出された押圧部315aの先端部分は略く字形に折り曲げられており、かかる屈曲部分が印字ヘッド309の上端に当接して印字ヘッド309を下方へ押圧して、印字ヘッド309を押止するのである。尚、押圧部315aの屈曲部分は、支軸316の軸心から距離L1の位置に形成されている。
【0138】
また、後述するように、印字ヘッド309をキャリッジ310に装着するためには、印字ヘッド309を略1kgfの押圧力でキャリッジ310へ押し込む必要があるため、押圧バネ部材315は、略1kgf以上の押圧力で印字ヘッド309の上端を押圧することができるように形成されている。
【0139】
押圧バネ部材315の下方には、押圧バネ部材315を上方へ押し上げるリンク部材317が配設されている。このリンク部材317は、略棒状に形成されており、プリンタカートリッジ302に形成された矩形状のガイド部材318にスライド可能に挿設されている。リンク部材317の下端には、矩形状の被押圧部317aが固着されており、リンク部材317の上端側には、リンク部材317がガイド部材から抜け落ちることを防止するためのストッパ部317bが固着されている。
【0140】
このリンク部材317の被押圧部317aの下方には、板状体のフレーム319がプリンタ本体301に立設されており、その上端には上方へ向けて延出されリンク押し部319aが一体成形されている。このリンク押し部319aは、リンク部材317を上方へ押し上げるためのものであり、フレーム319に一体成形されている。よって、リンク部材317を押し上げる部材をプリンタ本体301に別途設ける必要がないので、インクジェットプリンタ300の部品点数を減少させることができる。
【0141】
このリンク部材317の上端は、押圧バネ部材315における押圧部315aの取着部315c側(近傍)の下面に当接している。具体的には、リンク部材317の上端は、支軸316の軸心から距離L2の位置で、押圧バネ部材315に当接して上方へ押し上げている。このリンク部材317は、距離L2に対して距離L1が大きくなるようにプリンタカートリッジ302のガイド部材318に挿設されている。よって、押圧部315aとリンク部材317との当接位置は押圧部315aと印字ヘッド309との当接位置に対して取着部315c側に位置しているので、リンク部材317の僅かな下降により、押圧部315aを大きく下降させることができる。リンク部材317の上昇量(下降量)に比べて、押圧バネ部材315の押圧部315aの上昇量(下降量)を大きくすることができる。従って、リンク部材317を押圧バネ部材315に対して僅かに上下移動させることにより、押圧バネ部材315の押圧部315aを大きく上下移動(揺動)させることができるのである。
【0142】
例えば、第4実施例のインクジェットプリンタ1では、距離L2が距離L1の略1/3となるように、プリンタカートリッジ302のガイド部材318に挿設されている。よって、リンク部材317上端によって押圧バネ部材315が略3mm押し上げられた場合には、押圧バネ部材315の押圧部315aを略3倍の略9mm上方へ押し上げることができる。従って、印字ヘッド309がキャリッジ310に装着され矢印Zまたは反矢印Z方向へ往復移動して印刷を行う場合に、押圧バネ部材315が印字ヘッド309に当接して、印字ヘッド309の移動を阻害することを防止することができる。
【0143】
次に、図14を参照して、プリンタカートリッジ302のプリンタ本体301からの取り外し動作について説明する。図14は、印字ヘッド309がキャリッジ310に装着され、かつ、印字ヘッド309が押圧バネ部材315により押止された状態を示したインクジェットプリンタ300の側断面図である。図14に示すように、プリンタ本体301からプリンタカートリッジ302を取り外す場合、まず、プリンタカートリッジ302を持ち上げてインクジェットプリンタ300の上方へ僅かに移動させる。即ち、図13に示すプリンタカートリッジ302を図14に示すプリンタカートリッジ302の位置へ持ち上げて移動させる。
【0144】
プリンタカートリッジ302が上方へ僅かに移動すると、かかるプリンタカートリッジ302と共に保持部材314が上方へ移動して、保持部材314の係合溝314aに印字ヘッド309の突起部材309bが填め込まれる。これと同時に、プリンタカートリッジ302の僅かな上昇によってリンク部材317が相対的に僅かに下降されるので、リンク部材317を介して上方に押し上げられていた押圧バネ部材315の押圧部315aが下降して印字ヘッド309の上端に当接して、印字ヘッド309の上端が下方へ向けて押圧(押さえ付け)される。
【0145】
この場合、押圧部315aとリンク部材317との当接位置は、押圧部315aと印字ヘッド309との当接位置に対して、取着部315c側に位置しているので、リンク部材317の僅かな下降により、押圧部315aを大きく下降させることができる。よって、プリンタカートリッジ302を僅かに持ち上げるだけで、押圧バネ部材315によって印字ヘッド309が即座に押圧されるので、プリンタカートリッジ302を取り外す際に、印字ヘッド309が移動してしまうことを防止することができる。
【0146】
その後、更に、プリンタカートリッジ302を上方へ持ち上げると、保持部材314により掛止されると共に押圧バネ部材315により押止された印字ヘッド309は、プリンタカートリッジ302と共に持ち上げられる。印字ヘッド309が持ち上げられると、キャリッジ310の係止爪310aが弾性変形して印字ヘッド309の係止溝309cから外れるとともに、キャリッジ310の凸部310bが印字ヘッド309の凹部309dから外れ、プリンタカートリッジ302のプリンタ本体301からの取り外しに連動して、印字ヘッド309がキャリッジ310から取り外される。
【0147】
このように、印字ヘッド309がキャリッジ310から取り外され、プリンタカートリッジ302がプリンタ本体301から取り外されると、リンク部材317の被押圧部317aがフレーム319のリンク押し部319aから離れる。被押圧部317aがリンク押し部319aの上端から離れると、ガイド部材318を介してリンク部材317が下方へスライドしてリンク部材317の上端が押圧バネ部材315から離れて、押圧バネ部材315による印字ヘッド309の押圧が完了し、印字ヘッド309がプリンタカートリッジ302の左側部分に押止される。
【0148】
次に、図14および図15を参照して、プリンタカートリッジ302のプリンタ本体301への装着動作について説明する。図15は、図13におけるインクジェットプリンタ300の部分的な分解断面図である。プリンタカートリッジ302の装着動作は、上述したプリンタカートリッジ302の取り外し動作の逆手順で行われる。即ち、図15に示すように、キャリッジ310と印字ヘッド309を対向させつつ、プリンタ本体301上部にプリンタカートリッジ302を合致させる。
【0149】
プリンタカートリッジ302が合致されると、押圧バネ部材315によって下方へ押圧された印字ヘッド309がキャリッジ310へ挿入されて、印字ヘッド309の係止溝309cおよび凹部309dにキャリッジ310の係止爪310aおよび凸部310bが填め込まれ、印字ヘッド309の各突出部309eがキャリッジ310の上端に当接して横架されることにより、プリンタカートリッジ302のプリンタ本体301への装着に連動して、印字ヘッド309がキャリッジ310に装着される(図14参照)。
【0150】
このように、印字ヘッド309をキャリッジ310へ挿入する場合、略1kgfの押圧力で印字ヘッド309を押し込む必要があるが、印字ヘッド309は押圧バネ部材315によって略1kgf以上の押圧力で下方へ押圧されているので、印字ヘッド309のキャリッジ310への挿入は容易に行うことができる。
【0151】
図14に示すように、印字ヘッド309がキャリッジ310へ装着されるのと、同時に、プリンタ本体301の左側部分に配設されたフレーム319のリンク押し部319aとリンク部材317の被押圧部317aとが当接され、リンク部材317がガイド部材318を介して上方へ押し上げられる。リンク部材317が上方へ押し上げられると、リンク部材317の上端が押圧バネ部材315に当接して、リンク部材317による押圧バネ部材315の押圧部315aの上方への押し上げが開始される。
【0152】
その後、更に、プリンタカートリッジ302をプリンタ本体301へ押し込み、プリンタカートリッジ302を僅かに下降させると、プリンタ本体301のフレーム319のリンク押し部319aを介して、リンク部材317が僅かに押し上げられ、かかるリンク部材317の上端により押圧バネ部材315の押圧部315aが印字ヘッド309の上方へ押し上げられる。この場合、押圧部315aとリンク部材317との当接位置は、押圧部315aと印字ヘッド309との当接位置に対して、取着部315c側に位置しているので、リンク部材317の僅かな上昇により、押圧部315aを大きく上昇させることができる。即ち、リンク部材317の上昇量に比べて、押圧部315aの上昇量を大きくすることができるので、プリンタカートリッジ302をプリンタ本体301へ僅かに押し込み下降させることにより、押圧バネ部材315の押圧部315aを印字ヘッド309の上方へ確実に押し上げることができる。尚、本実施例では、リンク部材317がリンク押し部319aを介して略3mm上昇すると、押圧バネ部材315の押圧部315aは略9mm上方へ押し上げられる。
【0153】
このようにプリンタカートリッジ302が更に下降し、リンク部材317により押圧バネ部材315の押圧部315aが印字ヘッド309の上方へ押し上げられ、プリンタカートリッジ302の各保持部材314が下降すると、印字ヘッド309の突起部材309bが保持部材314の係合溝314aに対して相対的に上昇して、突起部材309bが係合溝314aから外れる。突起部材309bが係合溝314aから外れると、押圧バネ部材315による印字ヘッド309の押止が解除され、プリンタカートリッジ302のプリンタ本体301への装着が完了する。
【0154】
このようにプリンタカートリッジ302の装着されたインクジェットプリンタ300によれば、未使用の印刷用紙PPが給紙口304へ挿入されると、印刷用紙PPは、LFモータ321により回動される搬送ローラ305および押さえローラ306によって、印字ヘッド309の下方へ搬送される。搬送された印刷用紙PPは、印字ヘッド309の下方を通過する際に、CRモータ320により駆動されるキャリッジ310に搭載された印字ヘッド309のノズル309aから吐出されるインクによって印刷され、印刷済みの印刷用紙PPは、LFモータ321により回動される排紙ローラ307および押さえローラ308によって、排紙口303から排紙される。尚、各インクカートリッジ311に充填されたインクは各インク供給チューブ312を介して印字ヘッド309へ供給され、印字ヘッド309のノズル309aから吐出される。
【0155】
上記のように構成された第4実施例のインクジェットプリンタ300によれば、キャリッジ310と共にインクジェットプリンタ300内を往復移動可能な印字ヘッド309は、プリンタカートリッジ302がプリンタ本体301から取り外される場合に、突起部材309bおよび係合溝314aによってプリンタカートリッジ302の所定位置に掛止されるとともに、押圧バネ部材315によってプリンタカートリッジの所定位置に押止される。よって、プリンタ本体301から取り外されたプリンタカートリッジ302を持ち運んだりする場合、そのプリンタカートリッジ302内で印字ヘッド309が移動することを防止することができる。しかも、上述したように、プリンタカートリッジ302のプリンタ本体301への着脱に連動して、印字ヘッド309をキャリッジ310へ着脱することができる。
【0156】
また、このようにして、印字ヘッド309はプリンタカートリッジ302の所定位置に掛止されると共に押止されているので、プリンタカートリッジ302をプリンタ本体301に装着して印字ヘッド309をキャリッジ310に装着する場合に、前もって、操作者が印字ヘッド309を手で持って所定の位置に移動する必要がなく、インクによる手の汚れを防止することができる。
【0157】
更に、プリンタカートリッジ302がプリンタ本体301に装着され印字ヘッド309がキャリッジ310に装着された場合に、リンク部材およびフレーム319のリンク押し部319aによって印字ヘッド309の押圧バネ部材315による押圧が解除される。よって、押圧バネ部材315によって妨害されることなく、キャリッジ310に搭載された印字ヘッド309をインクジェットプリンタ300内で往復移動させることができる。
【0158】
以上、実施形態および好ましい実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態および実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0159】
例えば、本実施形態では、インクパッケージ30の全体を積層構造フィルム材で形成し、その凹部32へインク抽出部材22を刺し込んでインクを抽出した。しかし、かかるインク抽出方法は、必ずしもこれに限られるものではなく、インクパッケージを使用せずに、インクカートリッジの内部にインクを直接密封しても良い。この場合、インクカートリッジの一部に積層構造フィルム材を溶着することにより、インク抽出部材を刺し込む部分を形成し、その積層構造フィルム材にインク抽出部材を刺し込んで、インクカートリッジ内のインクを抽出しても良い。尚、この場合、インクカートリッジは、印刷に使用されるインクとの相性の良い材質、例えば、ポリオキシメチレン(POM)系樹脂等で形成すると良い。
【0160】
また、本実施形態における第3類型では、各取付部材25における各インク抽出部材22の取付位置は図9の前後方向の異なる位置にそれぞれ取り付けられ、各インクカートリッジ40の通穴42は各インク抽出部材22に対応してそれぞれ穿設されていた。しかし、かかる各取付部材25における各インク抽出部材22の取付位置や各インクカートリッジ40の通穴42の穿設位置は、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各インク抽出部材は、図9の前後方向の略同一位置、即ち、図9の上下方向に一列になるように各取付部材に取り付けても良い。この場合、各インクカートリッジに穿設される通穴は、それぞれ略同一位置となり、各インクカートリッジのカートリッジ本体を共通化することができるので、プリンタカートリッジ203全体として部品の種類を減少することができる。
【0161】
また、例えば、本実施形態における第3類型では、複数個のインクカートリッジ40を使用したが、かかるインクカートリッジは、必ずしもこれに限られるものではなく、複数のインクカートリッジを一体成形しても良い。この場合、インクカートリッジ内に収納されたインクパッケージのうち隣接するインクパッケージ同士間に仕切り部材を設けることにより、インクパッケ同士の接触が防止される。よって、隣接するインクパッケージ同士の接触による各インク密封部における内圧変動が防止することができるのである。
【0162】
また、本実施例では、リンク部材317を上方へ押し上げるため、フレーム319の上端にリンク押し部319aを形成した。しかし、リンク部材317を上方へ押し上げる方法は、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、リンク部材を押し上げる部材をプリンタ本体に別途設けても良い。即ち、プリンタカートリッジがプリンタ本体に装着された場合に、リンク部材によって、押圧バネ部材を印字ヘッドの上方へ押し上げることができれば良いのである。
【0163】
【発明の効果】
請求項1に記載の画像形成装置によれば、印字ヘッドは印字ヘッド装着手段によってカートリッジ部材の装置本体への装着に連動してキャリッジに装着されるので、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷装置へ装着した後、印字ヘッドを手で摘んでキャリッジへ装着する必要がなく、カートリッジ部材の装着作業を簡素化することができるという効果がある。しかも、印字ヘッドをキャリッジへ装着する際に印字ヘッドを摘む必要がないので、インクで手が汚れてしまうことを防止することができるのである。
【0164】
また、印字ヘッドはカートリッジ部材に往復移動可能に配設され、かつ、着色剤供給手段はカートリッジ部材の所定位置に配設されているので、駆動手段は印字ヘッドとともに着色剤供給手段を往復移動させる必要がない。よって、着色剤供給手段を往復移動させるために必要となる駆動力が不要となるので、その分、駆動手段に加わる駆動負荷を低減して、駆動手段の消費電力等を低減することができるという効果がある。
【0165】
更に、カートリッジ部材は装置本体に着脱自在に形成されているので、同一種類の別のカートリッジ部材と容易に交換することができる。よって、印字ヘッドの劣化による印字品質の低下や着色剤供給手段の劣化が生じた場合に、印字ヘッドや着色剤供給手段の交換作業を容易に行うことができるという効果がある。特に、一のカートリッジ部材と、他のカートリッジ部材とを必要に応じて交換する場合に、各カートリッジ部材は印字ヘッドおよび着色剤供給手段をそれぞれ備えているので、着色剤の色替えによる異なる色の着色剤同士の混色を防止することができるという効果がある。
また、キャリッジは、印字ヘッドによる印刷終了時に第2所定位置に停止されるとともに、印字ヘッドは、カートリッジ部材が装置本体から離脱されている状態では、第2所定位置に対応した位置に掛止され、カートリッジ部材の装置本体への装着方向と印字ヘッドのキャリッジへの装着方向とが同方向に構成されている。また、装置本体に対してカートリッジ部材を装着方向に押し込むと、カートリッジ部材の装置本体への装着が完了すると共に印字ヘッド装着手段による印字ヘッドのキャリッジへの装着が完了するので、カートリッジ部材の装置本体への装着および印字ヘッドのキャリッジへの装着を短時間で且つ簡単に行なうことができるという効果がある。
【0166】
請求項2に記載の画像形成装置によれば、請求項1に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、カートリッジ部材に往復移動可能に配設された印字ヘッドは、カートリッジ部材が装置本体から取り外される場合に、押止部材によってカートリッジ部材の所定位置に押止される。よって、装置本体から取り外されたカートリッジ部材を持ち運んだりする場合、そのカートリッジ部材内で印字ヘッドが移動してしまうことを防止することができるという効果がある。また、印字ヘッドは押止部材によってカートリッジ部材の所定位置に押止されるので、カートリッジ部材を装置本体に装着して印字ヘッドをキャリッジに装着する場合に、前もって、操作者が印字ヘッドを手で摘んで所定の位置へ移動する必要がなく、インクによる手の汚れを防止することができるという効果がある。
【0167】
更に、カートリッジ部材が装置本体に装着され印字ヘッドがキャリッジに装着された場合に、押止解除部材によって、印字ヘッドの押止部材による押止が解除される。よって、押止部材により妨害されることなく、キャリッジに搭載された印字ヘッドを画像形成装置内で往復移動させることができるという効果がある。
【0168】
請求項3に記載の画像形成装置によれば、請求項1または2に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、カートリッジ部材を装置本体に装着すると、支持部材およびリンク部材によって、押止部材の付勢部により下方へ付勢された延在部は上方へ向けて押し上げられ、押止部材による印字ヘッドの押止が解除される。よって、押止部材に妨害されることなく、キャリッジに搭載された印字ヘッドを画像形成装置内で往復移動させることができるという効果がある。
【0169】
一方、カートリッジ部材を装置本体の上方へ向けて移動させることにより、リンク部材および支持部材による押止部材の延在部の押し上げが解除されて、延在部が付勢部により下方へ付勢され、印字ヘッドがカートリッジ部材の下方へ向けて押し付けるられる。よって、カートリッジ部材に往復移動可能に配設された印字ヘッドをカートリッジ部材の所定位置に押止することができるという効果がある。
【0170】
請求項4に記載の画像形成装置によれば、請求項3に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、押止部材の延在部は、押止部材の取着部近傍に当接するリンク部材によって上方へ押し上げられる。よって、押止部材の取着部近傍における延在部の上方への移動量に対して、延在部の先端側の上方への移動量を大きくすることができる。よって、リンク部材の略垂直方向への僅かなスライドで、押止部材の延在部を印字ヘッドの上方へ確実に押し上げることができるという効果がある。
【0171】
請求項5に記載の画像形成装置によれば、請求項3または4に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、装置本体に立設された支持部材は、フレーム体に形成されている。よって、支持部材を別途設ける必要がなく、画像形成装置の部品点数を減少させることができるという効果がある。
【0172】
請求項6に記載の画像形成装置によれば、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置の奏する効果に加え、係止爪および係止溝によって、カートリッジ部材に往復移動可能に配設された印字ヘッドを装置本体に配設されたキャリッジへ固定することができるという効果がある。また、印字ヘッドをキャリッジに押し込んで係止爪を係止溝に係止させる場合、押止部材の付勢部により下方へ向けて付勢された押止部材の延在部によって、印字ヘッドは下方へ向けて押さえ付けられているので、係止爪を容易に弾性変形させて係止溝に係止させることができるという効果がある。
【0173】
請求項7に記載の画像形成装置によれば、請求項6に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、第2係止爪は、印字ヘッドまたはキャリッジの一方に配設された係止爪の反対側の略同一位置に配設され、印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設された第2係止溝に係止されるので、係止爪および係止溝が係止されるのと、略同時に、第2係止溝により第2係止爪を係止することができる。よって、係止爪または第2係止爪のいずれか一方が係止溝または第2係止溝によって先に係止されることによる印字ヘッドの傾きを防止することができる。従って、印字ヘッドがキャリッジに装着される場合に、印字ヘッドが傾いた状態でキャリッジへ無理に装着されることを防止することができるという効果がある。即ち、装置本体とカートリッジ部材との装着が繰り返し行われる場合にも、その耐久性を向上させることができるという効果がある。
【0174】
請求項8に記載の画像形成装置によれば、印字ヘッドは印字ヘッド離脱手段によってカートリッジ部材の装置本体からの取り外しに連動してキャリッジから離脱されるので、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷装置本体から取り外した後、印字ヘッドを摘んでキャリッジから取り外す必要がなく、カートリッジ部材の取り外し作業を簡素化することができるという効果がある。しかも、印字ヘッドをキャリッジから取り外す際に印字ヘッドを手で摘む必要がないので、インクで手が汚れてしまうことを防止することができるのである。
【0175】
また、印字ヘッドはカートリッジ部材に往復移動可能に配設され、かつ、着色剤供給手段はカートリッジ部材の所定位置に配設されているので、駆動手段は印字ヘッドとともに着色剤供給手段を往復移動させる必要がない。よって、着色剤供給手段を往復移動させるために必要となる駆動力が不要となるので、その分、駆動手段に加わる駆動負荷を低減して、駆動手段の消費電力等を低減することができるという効果がある。
【0176】
更に、カートリッジ部材は装置本体に着脱自在に形成されているので、同一種類の別のカートリッジ部材と容易に交換することができる。よって、印字ヘッドの劣化による印字品質の低下や着色剤供給手段の劣化が生じた場合に、印字ヘッドや着色剤供給手段の交換作業を容易に行うことができるという効果がある。特に、一のカートリッジ部材と、他のカートリッジ部材とを必要に応じて交換する場合に、各カートリッジ部材は印字ヘッドおよび着色剤供給手段をそれぞれ備えているので、着色剤の色替えによる異なる色の着色剤同士の混色を防止することができるという効果がある。
また、カートリッジ部材の装置本体からの離脱方向と、印字ヘッドのキャリッジからの離脱方向とが同方向に構成され、装置本体からカートリッジ部材を離脱方向に移動させると、カートリッジ部材の装置本体からの離脱が完了すると共に印字ヘッド離脱手段による印字ヘッドのキャリッジからの離脱が完了するので、カートリッジ部材の装置本体からの離脱および印字ヘッドのキャリッジからの離脱を短時間で且つ簡単に行なうことができるという効果がある。
【0177】
請求項9に記載の画像形成装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置の奏する効果に加え、カーリッジ部材を装置本体の上方へ向けて移動させることにより、印字ヘッドに突設された突起部材とカートリッジ部材に形成された係合溝とを係合することができる。しかも、カートリッジ部材を更に上方へ移動させることにより、印字ヘッドの突起部材がカートリッジ部材の係合溝に掛止され、印字ヘッドがカートリッジ部材とともに持ち上げられるので、例えば、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷装置本体から取り外した後、印字ヘッドを摘んでキャリッジから取り外す必要がなく、カートリッジ部材の取り外し作業を簡素化することができるという効果がある。しかも、印字ヘッドをキャリッジから取り外す際に印字ヘッドを手で摘む必要がないので、インクで手が汚れてしまうことを防止することができるのである。また、印字ヘッドに突設された突起部材とカートリッジ部材に形成された係合溝とを係合させて、印字ヘッドをカートリッジ部材の係合溝に掛止することにより、カートリッジ部材に往復移動可能に配設された印字ヘッドをカートリッジ部材の所定位置に駐止することができるという効果がある。
【0178】
一方、カートリッジ部材を装置本体に装着すると、係合溝は印字ヘッドの突起部材の下端より下方に配設されて、両者の係合は解除される。よって、係合溝によって妨害されることなく、キャリッジに搭載された印字ヘッドを画像形成装置内で往復移動させることができるという効果がある。
【0179】
請求項10に記載の画像形成装置によれば、請求項9に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、突起部材の縁部分のうち係合溝に対向する部分には、曲面または面取りが形成されているので、かかる曲面または面取りを介して、印字ヘッドの突起部材をカートリッジ部材の係合溝へ容易に填め込むことができるという効果がある。
【0180】
請求項11に記載の画像形成装置によれば、請求項9または10に記載の画像形成装置の奏する効果に加え、印字ヘッドの突起部材はカートリッジ部材の係合溝と略等しい大きさに形成されているので、突起部材を係合溝にガタつかせることなく填め込むことができるという効果がある。
【0181】
請求項12に記載の画像形成装置によれば、請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置の奏する効果に加え、着色剤は、カートリッジ部材の所定位置に配設された着色剤カートリッジ部材に充填され、その着色剤カートリッジ部材から着色剤移送手段を介して、駆動手段により往復移動されるキャリッジに搭載される印字ヘッドへ移送される。よって、駆動手段は印字ヘッドとともに着色剤カートリッジ部材を往復移動させる必要がなく、駆動手段に加わる駆動負荷が低減されるので、駆動手段の消費電力などを低減することができるという効果がある。
【0182】
請求項13に記載の画像形成装置によれば、請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置の奏する効果に加え、着色剤カートリッジ部材はカートリッジ部材に着脱自在に装着されているので、印字ヘッドが正常に機能する場合に、着色剤カートリッジ部材のみを交換することができる。よって、例えば、着色剤カートリッジ部材内の着色剤がなくなった場合に、使用済みの着色剤カートリッジ部材をカートリッジ部材から取り外して、未使用の着色剤カートリッジ部材に交換することができるので、カートリッジ部材の全体を交換する場合に比べて、交換コストを低減することができるという効果がある。
【0183】
請求項14に記載のカートリッジ部材によれば、印字ヘッドは印字ヘッド装着手段によってケース体の画像形成装置本体への装着に連動してキャリッジに装着されるので、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷装置へ装着した後、印字ヘッドを手で摘んでキャリッジへ装着する必要がなく、カートリッジ部材の装着作業を簡素化することができるという効果がある。しかも、印字ヘッドをキャリッジへ装着する際に印字ヘッドを摘む必要がないので、インクで手が汚れてしまうことを防止することができるのである。
【0184】
また、印字ヘッドはケース体に往復移動可能に配設され、かつ、着色剤供給手段はケース体の所定位置に配設されているので、キャリッジは印字ヘッドとともに着色剤供給手段を往復移動させる必要がない。よって、着色剤供給手段を往復移動させるために必要となる駆動力が不要となるので、その分、キャリッジに加わる駆動負荷を低減して、画像形成装置の消費電力等を低減することができるという効果がある。
【0185】
更に、カートリッジ部材のケース体は、画像形成装置本体に着脱自在に形成されているので、同一種類の別のカートリッジ部材と容易に交換することができる。よって、印字ヘッドの劣化による印字品質の低下や着色剤供給手段の劣化が生じた場合に、印字ヘッドや着色剤供給手段の交換作業を容易に行うことができるという効果がある。特に、一のカートリッジ部材と、他のカートリッジ部材とを必要に応じて交換する場合に、各カートリッジ部材は印字ヘッドおよび着色剤供給手段をそれぞれ備えているので、着色剤の色替えによる異なる色の着色剤同士の混色を防止することができるという効果がある。
【0186】
また、着色剤供給手段がケース体の所定位置に配設されているので、キャリッジに加わる負荷が着色剤の消費に伴って変動しない。よって、印字ヘッドが搭載された印字ヘッドの往復移動速度の変動が防止されるので、均一かつ良好な印字品質を得ることができるという効果がある。また、着色剤の消費量の変化に応じて印字ヘッドの移動速度を制御する制御手段が不要となるので、画像形成装置本体の製造コストを低減することができるという効果がある。
また、印字ヘッドは、ケース体が画像形成装置本体から離脱されている状態では、キャリッジが印刷終了時に停止する第2所定位置に対応した位置に掛止されており、ケース体の画像形成装置本体への装着方向と、印字ヘッドのキャリッジへの装着方向とが同方向に構成されている。また、画像形成装置本体に対してケース体を装着方向に押し込むと、ケース体の画像形成装置本体への装着が完了すると共に印字ヘッド装着手段による印字ヘッドのキャリッジへの装着が完了するので、ケース体の画像形成装置本体への装着および印字ヘッドのキャリッジへの装着を短時間で且つ簡単に行なうことができるという効果がある。
【0187】
請求項15に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14に記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、ケース体に往復移動可能に配設された印字ヘッドは、ケース体が画像形成装置本体から取り外される場合に、押止部材によってケース体の所定位置に押止される。よって、画像形成装置本体から取り外されたカートリッジ部材を持ち運んだりする場合、そのケース体内で印字ヘッドが移動してしまうことを防止することができるという効果がある。また、印字ヘッドは押止部材によってケース体の所定位置に押止されるので、ケース体を画像形成装置本体に装着して印字ヘッドをキャリッジに装着する場合に、前もって、操作者が印字ヘッドを手で摘んで所定の位置へ移動する必要がなく、インクによる手の汚れを防止することができるという効果がある。
【0188】
更に、ケース体が画像形成装置本体に装着され印字ヘッドがキャリッジに装着された場合に、押止解除部材によって、印字ヘッドの押止部材による押止が解除される。よって、カートリッジ部材が画像形成装置本体に装着される場合に、キャリッジに搭載された印字ヘッドを押止部材により妨害されることなく、画像形成装置内で往復移動させることができるという効果がある。
【0189】
請求項16に記載の画像形成装置によれば、請求項14または15に記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、ケース体を画像形成装置本体に装着すると、支持部材およびリンク部材によって、押止部材の付勢部により下方へ付勢された延在部は上方へ向けて押し上げられ、押止部材による印字ヘッドの押止が解除される。よって、押止部材に妨害されることなく、キャリッジに搭載された印字ヘッドを画像形成装置内で往復移動させることができるという効果がある。
【0190】
一方、ケース体を画像形成装置本体の上方へ向けて移動させることにより、リンク部材および支持部材による押止部材の延在部の押し上げが解除されて、延在部が付勢部により下方へ付勢され、印字ヘッドがケース体の下方へ向けて押し付けるられる。よって、ケース体に往復移動可能に配設された印字ヘッドをケース体の所定位置に押止することができるという効果がある。
【0191】
請求項17に記載のカートリッジ部材によれば、請求項16に記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、押止部材の延在部は、押止部材の取着部近傍に当接するリンク部材によって上方へ押し上げられる。よって、押止部材の取着部近傍における延在部の上方への移動量に対して、延在部の先端側の上方への移動量を大きくすることができる。よって、リンク部材の略垂直方向への僅かなスライドで、押止部材の延在部を印字ヘッドの上方へ確実に押し上げることができるという効果がある。
【0192】
請求項18に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14から17のいずれかに記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、係止爪および係止溝によって、ケース体に往復移動可能に配設された印字ヘッドを画像形成装置本体に配設されたキャリッジへ固定することができるという効果がある。また、印字ヘッドをキャリッジに押し込んで係止爪を係止溝に係止させる場合、押止部材の付勢部により下方へ向けて付勢された押止部材の延在部によって、印字ヘッドは下方へ向けて押さえ付けられているので、係止爪を容易に弾性変形させて係止溝に係止させることができるという効果がある。
【0193】
請求項19に記載のカートリッジ部材によれば、請求項18に記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、第2係止爪は、印字ヘッドまたはキャリッジの一方に配設された係止爪の反対側の略同一位置に配設され、印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設された第2係止溝に係止されるので、係止爪および係止溝が係止されるのと、略同時に、第2係止溝により第2係止爪を係止することができる。よって、係止爪または第2係止爪のいずれか一方が係止溝または第2係止溝によって先に係止されることによる印字ヘッドの傾きを防止することができる。従って、印字ヘッドがキャリッジに装着される場合に、印字ヘッドが傾いた状態でキャリッジへ無理に装着されることを防止することができるという効果がある。即ち、カートリッジ部材と画像形成装置本体との装着が繰り返し行われる場合にも、その耐久性を向上させることができるという効果がある。
【0194】
請求項20に記載のカートリッジ部材によれば、印字ヘッドは印字ヘッド離脱手段によってケース体の画像形成装置本体からの取り外しに連動してキャリッジから離脱されるので、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷画像形成装置本体から取り外した後、印字ヘッドを摘んでキャリッジから取り外す必要がなく、カートリッジ部材の取り外し作業を簡素化することができるという効果がある。しかも、印字ヘッドをキャリッジから取り外す際に印字ヘッドを手で摘む必要がないので、インクで手が汚れてしまうことを防止することができるのである。
【0195】
また、印字ヘッドはケース体に往復移動可能に配設され、かつ、着色剤供給手段はケース体の所定位置に配設されているので、キャリッジは印字ヘッドとともに着色剤供給手段を往復移動させる必要がない。よって、着色剤供給手段を往復移動させるために必要となる駆動力が不要となるので、その分、キャリッジに加わる駆動負荷を低減して、画像形成装置の消費電力等を低減することができるという効果がある。
【0196】
更に、カートリッジ部材のケース体は、画像形成装置本体に着脱自在に形成されているので、同一種類の別のカートリッジ部材と容易に交換することができる。よって、印字ヘッドの劣化による印字品質の低下や着色剤供給手段の劣化が生じた場合に、印字ヘッドや着色剤供給手段の交換作業を容易に行うことができるという効果がある。特に、一のカートリッジ部材と、他のカートリッジ部材とを必要に応じて交換する場合に、各カートリッジ部材は印字ヘッドおよび着色剤供給手段をそれぞれ備えているので、着色剤の色替えによる異なる色の着色剤同士の混色を防止することができるという効果がある。
【0197】
また、着色剤供給手段がケース体の所定位置に配設されているので、キャリッジに加わる負荷が着色剤の消費に伴って変動しない。よって、印字ヘッドが搭載されたキャリッジの往復移動速度の変動が防止されるので、均一かつ良好な印字品質を得ることができるという効果がある。また、着色剤の消費量の変化に応じて印字ヘッドの移動速度を制御する制御手段が不要となるので、画像形成装置本体の製造コストを低減することができるという効果がある。
また、ケース体の画像形成装置本体からの離脱方向と、印字ヘッドのキャリッジからの離脱方向とが同方向に構成されており、画像形成装置本体からケース体を離脱方向に移動させると、ケース体の画像形成装置本体からの離脱が完了すると共に印字ヘッド離脱手段による印字ヘッドのキャリッジからの離脱が完了するので、ケース体の画像形成装置本体からの離脱および印字ヘッドのキャリッジからの離脱を短時間で且つ簡単に行なうことができるという効果がある。
【0198】
請求項21に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14から20のいずれかに記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、ケース体を画像形成装置本体の上方へ向けて移動させることにより、印字ヘッドに突設された突起部材とケース体に形成された係合溝とを係合することができる。しかも、ケース体を更に上方へ移動させることにより、印字ヘッドの突起部材がケース体の係合溝に掛止され、印字ヘッドがケース体とともに持ち上げられるので、例えば、従来の印刷装置のように交換ユニットを印刷画像形成装置本体から取り外した後、印字ヘッドを摘んでキャリッジから取り外す必要がなく、カートリッジ部材の取り外し作業を簡素化することができるという効果がある。
【0199】
しかも、印字ヘッドをキャリッジから取り外す際に印字ヘッドを手で摘む必要がないので、インクで手が汚れてしまうことを防止することができるのである。また、印字ヘッドに突設された突起部材とケース体に形成された係合溝とを係合させて、印字ヘッドをケース体の係合溝に掛止することにより、ケース体に往復移動可能に配設された印字ヘッドをケース体の所定位置に駐止することができるという効果がある。
【0200】
一方、カートリッジ部材のケース体を画像形成装置本体に装着すると、係合溝は印字ヘッドの突起部材の下端より下方に配設されて、両者の係合は解除される。よって、係合溝によって妨害されることなく、キャリッジに搭載された印字ヘッドを画像形成装置内で往復移動させることができるという効果がある。
【0201】
請求項22に記載のカートリッジ部材によれば、請求項21に記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、突起部材の縁部分のうち係合溝に対向する部分には、曲面または面取りが形成されているので、かかる曲面または面取りを介して、印字ヘッドの突起部材をケース体の係合溝へ容易に填め込むことができるという効果がある。
【0202】
請求項23に記載のカートリッジ部材によれば、請求項21または22に記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、印字ヘッドの突起部材はケース体の係合溝と略等しい大きさに形成されているので、突起部材を係合溝にガタつかせることなく填め込むことができるという効果がある。
【0203】
請求項24に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14から23のいずれかに記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、着色剤は、ケース体の所定位置に配設された着色剤カートリッジ部材に充填され、その着色剤カートリッジ部材から着色剤移送手段を介して、画像形成装置内を往復移動するキャリッジに搭載された印字ヘッドへ移送される。よって、キャリッジは印字ヘッドとともに着色剤カートリッジ部材を往復移動させる必要がなく、キャリッジに加わる駆動負荷が低減されるので、その分、画像形成装置の消費電力等を低減することができるという効果がある。
【0204】
請求項25に記載のカートリッジ部材によれば、請求項14から24のいずれかに記載のカートリッジ部材の奏する効果に加え、着色剤カートリッジ部材はケース体に着脱自在に装着されているので、印字ヘッドが正常に機能する場合に、着色剤カートリッジ部材のみを交換することができる。よって、例えば、着色剤カートリッジ部材内の着色剤がなくなった場合に、使用済みの着色剤カートリッジ部材をケース体から取り外して、未使用の着色剤カートリッジ部材に交換することができるので、カートリッジ部材の全体を交換する場合に比べて、交換コストを低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の第1類型であるインクジェットプリンタおよびプリンタカートリッジの概略構成を説明するための分解斜視概念図である。
【図2】 印字ヘッドのノズルの部分断面概念図である。
【図3】 インクカートリッジの分解斜視図である。
【図4】 積層構造フィルム材の厚さが異なるインクパッケージについて比較したグラフである。
【図5】 インク密封部における縦方向長さと横方向長さとの比率(縦横比)が異なるインクパッケージについて比較したグラフである。
【図6】 インク密封部の縦方向長さ又は横方向長さのうち一方の長さが異なるインクパッケージについて比較したグラフである。
【図7】 インク抽出部材の外径とインクパッケージに負荷される押圧力との関係を示した図である。
【図8】 本実施形態の第2類型におけるインクジェットプリンタおよびプリンタカートリッジの分解斜視図である。
【図9】 本実施形態の第3類型におけるインクジェットプリンタおよびプリンタカートリッジの分解斜視図である。
【図10】 本発明の一実施例であるインクジェットプリンタの正面図である。
【図11】 図10のXI−XI線におけるインクジェットプリンタの内部構造を概略的に示した側断面図である。
【図12】 図11のXII−XII線におけるインクジェットプリンタの内部構成を概略的に示した正面図である。
【図13】 本実施例におけるインクジェットプリンタの左側部分を拡大した概略的な側断面図である。
【図14】 本実施例における印字ヘッドがキャリッジに装着され、かつ、印字ヘッドが押圧バネ部材により押圧された状態を示したインクジェットプリンタの側断面図である。
【図15】 本実施例におけるインクジェットプリンタの部分的な分解断面図である。
【符号の説明】
1,100,200,300 インクジェットプリンタ(画像形成装置)
2,301 プリンタ本体(装置本体、画像形成装置本体)
3,103,203,302 プリンタカートリッジ(カートリッジ部材)
6,310 キャリッジ
7,320 CRモータ(駆動手段の一部)
7a 駆動プーリ(駆動手段の一部)
7b 従動プーリ(駆動手段の一部)
7c ベルト(駆動手段の一部)
17,313 ガイドバー(駆動手段の一部)
21,121 印字ヘッド
221,222,309 印字ヘッド
21a,309a ノズル
21b ノズル口
22 インク抽出部材(着色剤移送手段の一部、着色剤供給手段の一部)
23,312 インク供給チューブ(着色剤移送手段の一部、着色剤供給手段の一部)
24,25 取付部材(着色剤移送手段の一部、着色剤供給手段の一部)
26,302a カートリッジフレーム(ケース体、カートリッジ部材の一部)
30 インクパッケージ(着色剤カートリッジ部材の一部、着色剤供給手段の一部)
40,311 インクカートリッジ(着色剤カートリッジ部材の一部、着色剤供給手段の一部)
309b 突起部材(印字ヘッド離脱手段の一部)
309c 係止溝
309d 凹部(第2係止溝)
309e 突出部
310a 係止爪
310b 凸部(第2係止爪)
314 保持部材
314a 係合溝(印字ヘッド離脱手段の一部)
315 押圧バネ部材(押止部材、印字ヘッド装着手段の一部)
315a 押圧部(押止部材の延在部)
315b 当接部(押止部材の付勢部)
315c 取着部(押止部材の取着部)
317 リンク部材(押止解除部材の一部、印字ヘッド装着手段の一部)
318 ガイド部材(押止解除部材の一部、印字ヘッド装着手段の一部)
319 フレーム(フレーム体)
319a リンク押し部(支持部材)
A 縦方向長さ
B 横方向長さ
d 外径
h 縦横比
M メニスカス
PP 印刷用紙
w 厚さ

Claims (25)

  1. 着色剤を印刷用紙に付着して印刷を行う印字ヘッドを着脱可能に搭載して往復移動するキャリッジと、そのキャリッジを駆動して往復移動させる駆動手段とを備えた画像形成装置において、
    前記キャリッジおよび駆動手段が配設される装置本体と、
    その装置本体に着脱可能に形成されるとともに前記印字ヘッド及び、その印字ヘッドへ着色剤を供給する着色剤供給手段、前記装置本体への装着に連動して前記印字ヘッドを前記キャリッジに装着する印字ヘッド装着手段を有し、前記印字ヘッドを前記キャリッジに搭載した状態では、そのキャリッジの往復移動に伴って前記印字ヘッドを往復移動可能に配設するとともに、前記着色剤供給手段を第1所定位置に配設するカートリッジ部材とを備え、
    前記キャリッジは、前記印字ヘッドによる印刷終了時に第2所定位置に停止されると共に、前記印字ヘッドは、前記カートリッジ部材が前記装置本体から離脱されている状態では、前記第2所定位置に対応した位置に掛止され、
    前記カートリッジ部材の前記装置本体への装着方向と、前記印字ヘッドの前記キャリッジへの装着方向とが同方向に構成され、
    前記装置本体に対して前記カートリッジ部材を前記装着方向に押し込むと、前記カートリッジ部材の前記装置本体への装着が完了すると共に前記印字ヘッド装着手段による前記印字ヘッドの前記キャリッジへの装着が完了することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印字ヘッド装着手段は、前記カートリッジ部材が前記装置本体から取り外される場合に、前記印字ヘッドを前記カートリッジ部材の所定位置に押止する押止部材と、
    前記カートリッジ部材が前記装置本体に装着され前記印字ヘッドが前記キャリッジに装着される場合に、前記押止部材による前記印字ヘッドの押止を解除する押止解除部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記カートリッジ部材は、前記装置本体の略垂直方向に着脱可能に形成され、
    前記印字ヘッド装着手段は、前記印字ヘッドの上下方へ向けて揺動可能に延出された延在部と、その延在部を下方へ向けて付勢する付勢部と、その付勢部および延在部を前記カートリッジ部材に取着する取着部とを有する押止部材と、
    その押止部材の延在部を上方へ押し上げるため前記カートリッジ部材の着脱方向へスライド可能に前記カートリッジ部材に配設されるリンク部材と、そのリンク部材の下端に当接しつつ押し上げるため前記装置本体から略垂直方向へ向けて立設される支持部材とを有する押止解除部材とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記リンク部材は、前記押止部材の取着部近傍の下方に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記支持部材は、前記キャリッジの往復移動を案内するガイドバー等が横架されるフレーム体に形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  6. 前記印字ヘッドまたはキャリッジの一方に配設され弾性材料で形成された係止爪と、前記印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設され前記係止爪が係止される係止溝とを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記印字ヘッドまたはキャリッジの一方であって前記係止爪の反対側の略同一位置に配設された第2係止爪と、前記印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設され前記第2係止爪が係止される第2係止溝とを備えていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 着色剤を印刷用紙に付着して印刷を行う印字ヘッドを着脱可能に搭載して往復移動するキャリッジと、そのキャリッジを駆動して往復移動させる駆動手段とを備えた画像形成装置において、
    前記キャリッジおよび駆動手段が配設される装置本体と、
    その装置本体に着脱可能に形成されるとともに前記印字ヘッド及び、その印字ヘッドへ着色剤を供給する着色剤供給手段、前記装置本体からの取り外しに連動して前記印字ヘッドを前記キャリッジから離脱させる印字ヘッド離脱手段を有し、前記印字ヘッドを前記キャリッジに搭載した状態では、そのキャリッジの往復移動に伴って前記印字ヘッドを往復移動可能に配設するとともに、前記着色剤供給手段を第1所定位置に配設するカートリッジ部材とを備え、
    前記カートリッジ部材の前記装置本体からの離脱方向と、前記印字ヘッドの前記キャリッジからの離脱方向とが同方向に構成され、
    前記装置本体から前記カートリッジ部材を前記離脱方向に移動させると、前記カートリッジ部材の前記装置本体からの離脱が完了すると共に前記印字ヘッド離脱手段による前記印字ヘッドの前記キャリッジからの離脱が完了することを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記カートリッジ部材は、前記装置本体の略垂直方向に着脱可能に形成され、そのカートリッジ部材の前記装置本体からの取り外しに連動して、前記印字ヘッドを前記キャリッジから離脱させる印字ヘッド離脱手段を備えており、
    その印字ヘッド離脱手段は、前記印字ヘッドから外方へ向けて突設される突起部材と、前記カートリッジ部材に形成され前記突起部材の下端より下方に配設される係合溝とを備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記突起部材は、その縁部分のうち前記係合溝に対向する部分に、曲面または面取りが形成されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記突起部材は、前記係止溝と略等しい大きさに形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
  12. 前記着色剤供給手段は、前記カートリッジ部材の所定位置に配設され着色剤が充填される着色剤カートリッジ部材と、その着色剤カートリッジ部材と前記印字ヘッドとを連結し、前記着色剤カートリッジ部材から前記印字ヘッドへ着色剤を移送する着色剤移送手段とを備えていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 前記着色剤供給手段は、着色剤が充填される着色剤カートリッジ部材を備えており、
    その着色剤カートリッジ部材は、前記カートリッジ部材に着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 画像形成装置本体に配設されるキャリッジに着脱可能に搭載されるとともに、着色剤を印刷用紙に付着して印刷を行う印字ヘッドと、
    その印字ヘッドへ着色剤を供給する着色剤供給手段と、
    その着色剤供給手段を第1所定位置に配設し、かつ、前記印字ヘッドを前記キャリッジに搭載した状態では、そのキャリッジの往復移動に伴って前記印字ヘッドを往復移動可能に配設するとともに、画像形成装置本体に着脱可能に形成されたケース体と、
    そのケース体に配設され、そのケース体の画像形成装置本体への装着に連動して、前記印字ヘッドをキャリッジに装着する印字ヘッド装着手段とを備え、
    前記印字ヘッドは、前記ケース体が前記画像形成装置本体から離脱されている状態では、前記キャリッジが印刷終了時に停止する第2所定位置に対応した位置に掛止されており、
    前記ケース体の前記画像形成装置本体への装着方向と、前記印字ヘッドの前記キャリッジへの装着方向とが同方向に構成され、
    前記画像形成装置本体に対して前記ケース体を前記装着方向に押し込むと、前記ケース体の前記画像形成装置本体への装着が完了すると共に前記印字ヘッド装着手段による前記印字ヘッドの前記キャリッジへの装着が完了することを特徴とするカートリッジ部材。
  15. 前記印字ヘッド装着手段は、前記ケース体が画像形成装置本体から取り外される場合に、前記印字ヘッドを前記ケース体の所定位置に押止する押止部材と、
    前記ケース体が画像形成装置本体に装着され前記印字ヘッドがキャリッジに装着される場合に、前記押止部材による前記印字ヘッドの押止を解除する押止解除部材とを備えていることを特徴とする請求項14に記載のカートリッジ部材。
  16. 前記ケース体は、画像形成装置本体の略垂直方向に着脱可能に形成され、
    前記印字ヘッド装着手段は、前記印字ヘッドの上下方へ向けて揺動可能に延出される延在部と、その延在部を下方へ向けて付勢する付勢部と、その付勢部および延在部を前記ケース体に取着する取着部とを有する押止部材と、
    その押止部材の延在部を上方へ押し上げるために、前記ケース体の着脱方向へスライド可能に前記ケース体に配設されるとともに、画像形成装置本体から略垂直方向へ向けて立設される支持部材により上方へ押し上げられるリンク部材とを備えていることを特徴とする請求項14または15に記載のカートリッジ部材。
  17. 前記リンク部材は、前記押止部材の取着部近傍の下方に配設されていることを特徴とする請求項16に記載のカートリッジ部材。
  18. 前記印字ヘッドまたはキャリッジの一方に配設され弾性材料で形成された係止爪と、前記印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設され前記係止爪が係止される係止溝とを備えていることを特徴とする請求項14から17のいずれかに記載のカートリッジ部材。
  19. 前記印字ヘッドまたはキャリッジの一方であって前記係止爪の反対側の略同一位置に配設された第2係止爪と、前記印字ヘッドまたはキャリッジの他方に配設され前記第2係止爪が係止される第2係止溝とを備えていることを特徴とする請求項18に記載のカートリッジ部材。
  20. 画像形成装置本体に配設されるキャリッジに着脱可能に搭載されるとともに、着色剤を印刷用紙に付着して印刷を行う印字ヘッドと、
    その印字ヘッドへ着色剤を供給する着色剤供給手段と、
    その着色剤供給手段を第1所定位置に配設し、かつ、前記印字ヘッドを前記キャリッジに搭載した状態では、そのキャリッジの往復移動に伴って前記印字ヘッドを往復移動可能に配設するとともに、画像形成装置本体に着脱可能に形成されたケース体と、
    そのケース体に配設され、そのケース体の画像形成装置本体からの取り外しに連動して、前記印字ヘッドをキャリッジから離脱させる印字ヘッド離脱手段とを備え、
    前記ケース体の前記画像形成装置本体からの離脱方向と、前記印字ヘッドの前記キャリッジからの離脱方向とが同方向に構成され、
    前記画像形成装置本体から前記ケース体を前記離脱方向に移動させると、前記ケース体の前記画像形成装置本体からの離脱が完了すると共に前記印字ヘッド離脱手段による前記印字ヘッドの前記キャリッジからの離脱が完了することを特徴とするカートリッジ部材。
  21. 前記ケース体は、画像形成装置本体の略垂直方向に着脱可能に形成され、そのケース体の画像形成装置本体からの取り外しに連動して、前記印字ヘッドをキャリッジから離脱させる印字ヘッド離脱手段を備えており、
    その印字ヘッド離脱手段は、前記印字ヘッドから外方へ向けて突設される突起部材と、前記ケース体に形成され前記突起部材の下端より下方に配設される係合溝とを備えていることを特徴とする請求項14から20のいずれかに記載のカートリッジ部材。
  22. 前記突起部材は、その縁部分のうち前記係合溝に対向する部分に、曲面または面取りが形成されていることを特徴とする請求項21に記載のカートリッジ部材。
  23. 前記突起部材は、前記係止溝と略等しい大きさに形成されていることを特徴とする請求項21または22に記載のカートリッジ部材。
  24. 前記着色剤供給手段は、前記ケース体の所定位置に配設され着色剤が充填される着色剤カートリッジ部材と、その着色剤カートリッジ部材と前記印字ヘッドとを連結し、前記着色剤カートリッジ部材から前記印字ヘッドへ着色剤を移送する着色剤移送手段とを備えていることを特徴とする請求項14から23のいずれかに記載のカートリッジ部材。
  25. 前記着色剤供給手段は、着色剤が充填される着色剤カートリッジ部材を備えており、
    その着色剤カートリッジ部材は、前記ケース体に着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項14から24のいずれかに記載のカートリッジ部材。
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