JP3986702B2 - 光記録媒体及び光記録媒体用基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報領域以外の領域にグルーブまたはピットが形成されている光記録媒体に関し、更に詳細には、情報領域に設けたグルーブまたはピットでのみトラッキングがかかる光記録媒体及びそれに用いられる基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像や音声、文字などの多種多様な情報データを記録再生することが可能な情報記録媒体として、MO(光磁気ディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)などの光ディスクが利用されている。光ディスクでは、規格によって定められた情報領域に情報が記録され、この情報領域には、通常、トラッキング用の案内溝(グルーブ)や、フォーマット情報または記録情報としてのピットが形成されている。情報領域の範囲は光ディスクの種類よって異なっており、例えば、直径120mmサイズで4.7GB(ギガバイト)の記録容量を有するDVD−ROMにおいては、半径R22.6mmからR58.5mmまでの領域が規格によって定められた情報領域である。また、直径130mmサイズ5.2GBの記録容量を有するMO(ISO/IEC 15286)は、半径R29.OmmからR62.5mmまでの領域が規格によって定められた情報領域である。
【0003】
情報領域以外の領域(以下、非情報領域という)は、通常、グルーブやピットが形成されていないミラー領域となっている。例えば、上記130mmサイズ5.2GBのMOにおいては、内周R27.OmmからR29.Ommまでの領域がグルーブやピットが形成されていないミラー領域(reflective zone)である。一方、このミラー領域にグルーブまたはピットを形成した記録媒体が知られている。例えば、特開平4−195832号公報には、情報記録面の全面にグルーブまたはピットを形成した光ディスク基板が開示されており、情報記録面の全面にグルーブまたはピットを形成したことにより、スタンパと基板との離型時の不均一離型を防止して基板に生じる応力を小さくしている。
【0004】
また、特開平2−66749号公報には、射出成形法の冷却過程において生じる溶融樹脂の成形ひけを防止するために、記録領域以外の外周部及び/または内周部にダミーパターンを形成した光ディスクが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平4−195832号公報や特開平2−66749号公報に開示されているような、凹凸パターンを非情報領域に有する光記録媒体を、記録再生装置で記録または再生しようとしたとき次のような問題が生じることがわかった。すなわち、非情報領域に一定の凹凸パターンが存在しているために、記録再生するドライブ装置は、非情報領域からトラッキング信号を検出してしまい、トラッキングがかかってしまう恐れがあった。非情報領域においてトラッキングがかかってしまうと、ドライブ装置側は、その領域を情報が記録される情報領域であると誤って認識し、情報の記録または再生を実行しようとするが、実際には規格で定められていない形状になっているためエラーとなる。このように、非情報領域に凹凸パターンを有する光記録媒体に対して、記録再生装置が誤作動を起こすという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、非情報領域に存在するグルーブまたはピットによって記録再生装置がトラッキングの誤作動を起こすことのない光記録媒体及びその基板を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、ディスク状基板の半径方向にわたって均一な光学特性を有するとともに、情報領域に均一な形状のグルーブまたはピットを有する光記録媒体及びそれに好適な基板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に従えば、情報が記録される情報領域に波長λの光を開口数NAのレンズで集光させて照射することによって情報を記録または再生する光記録媒体において、
上記情報領域以外の領域にグルーブ及びピットの少なくとも一方を同心円状またはスパイラル状に有し、当該グルーブまたはピットにより画成されるトラックのトラックピッチが0.5λ/NA以下であることを特徴とする光記録媒体が提供される。
【0009】
図1に本発明に従う光記録媒体の一例を示す。光記録媒体の中心部分には、記録再生装置のスピンドルに光記録媒体を固定するためのセンター孔が形成されている。光記録媒体の大部分の領域は、規格によって定められた、情報が記録される情報領域1が存在する。情報領域1は、通常、リードインエリア、データエリア、リードアウトエリアなどで構成されているが、図1ではそれらの図示を省略した。本発明の光記録媒体10は、情報が記録される情報領域1以外の領域、すなわち情報領域1の外周側の領域2及び内周側の領域3の少なくとも一方の領域に、グルーブまたはピットを、それらにより画成されるトラックのトラックピッチが0.5λ/NA以下になるようにスパイラル状または同心円状に有する。ここで、λは光の波長を、NAはレンズの開口数を示しており、λ/NAは光スポット径を表す。すなわち、本発明では、光スポット内に2以上のグルーブが含まれるようにグルーブを形成するか、またはピットの場合には、光スポット内に、トラック幅方向で2以上のピットが含まれるようにピットを形成する。これにより、ピットやグルーブが形成された非情報領域を光スポットが走査してもトラッキングがかかることはない。以下にその理由を説明する。
【0010】
トラッキング信号を検出する方法としてプッシュプル法を例に図4を参照しながら説明する。図4はプッシュプル法の概念図であり、対物レンズ41によって絞り込まれたレーザ光42をディスク10に照射すると、ディスク10上に形成された案内溝(グルーブ)43またはピットが回折格子の役割を果たして0次回折光及び1次回折光が発生する。プッシュプル法では、光スポット内に存在するグルーブまたはピットから反射回折した1次回折光をトラック幅方向の中心に対して対称に配設させた2分割フォトダイオードディテクター44で受光して、各光検出部44a、44bでの出力の差を検出する。光スポットの中心が、グルーブまたはピットの中心と一致している場合は、光検出部44a、44bの出力差は等しくなり、トラッキングエラー信号は検出されない。一方、光スポットの中心が、グルーブまたはピットの中心からトラック幅方向にずれると回折光の光強度分布が変化してトラッキングエラー信号が検出される。
【0011】
本発明の光記録媒体では、図2に示したように、光スポット内に2以上のグルーブまたはピットが含まれるように非情報領域のグルーブまたはピットのトラックピッチを調整している。これにより、非情報領域では、光スポット内の2以上のグルーブまたはピットからの1次回折光が2分割フォトダイオードディテクターに入射する。それゆえ、トラック幅方向に光スポットがずれたとしても、光スポット内には最低2つのグルーブまたはピットが常に含まれ、ディテクターで検出される回折光の総和は一定となる。したがって、非情報領域からトラッキング信号を検出することができず、トラッキングがかかることはない。すなわち、非情報領域に形成されたグルーブまたはピットは光スポットの再生分解能以下となるため、ドライブ装置はミラー領域を走査している場合と同じ反応しか示さない。それゆえ、非情報領域をデータ領域と誤認することはない。
【0012】
本発明において、非情報領域にピットを形成する場合には、形成したピットからトラッキング信号が検出されないようにするために、図2の右側に示したように、ピットのトラック幅方向の間隔を0.5λ/NA以下にすると共に、ピット長と、トラック方向において隣り合うピット同士の間隔、すなわちピット同士で画成されるスペースの長さ(以下、スペース長という)との合計の長さが0.5λ/NA以下になるように構成することが好ましい。これにより、光スポット径の中に少なくとも2以上のピットが含まれて再生分解能以下となるため、ドライブ装置は非情報領域でトラッキング動作を行ってもトラッキングをかけることができない。
【0013】
また、本発明では、上記条件を満足するのであれば、ピット長とスペース長は任意の組み合わせにすることが可能である。例えば、ピット及びスペースのどちらか一方が長くなるように形成しても良く、互いに同じ長さになるように形成しても良い。
【0014】
更に、上記説明で用いた図2には、非情報領域に形成されるグルーブの例として、ランドがグルーブよりも広いタイプを示したが、これに限ることはなく、光スポット内に2以上のグルーブが含まれるのであれば、グルーブがランドよりも広いタイプでもよい。また、ランドとグルーブとが同じ幅を有するランド/グルーブ型でもよい。また、非情報領域には、グルーブだけを形成しても、ピットだけを形成しても良いし、グルーブとピットとを混在させて形成することも可能である。
【0015】
本発明の第2の態様に従えば、情報が記録される情報領域に、波長λの光を開口数NAのレンズで集光させて照射することによって情報を記録または再生する光記録媒体に用いられる光記録媒体用基板おいて、
上記情報領域以外の領域にグルーブ及びピットの少なくとも一方を同心円状またはスパイラル状に有し、当該グルーブまたはピットにより画成されるトラックのトラックピッチが0.5λ/NA以下であることを特徴とする光記録媒体用基板が提供される。
【0016】
本発明の基板は、情報が記録される情報領域以外の領域、すなわち非情報領域にもグルーブまたはピットを設けており、そのグルーブまたはピットのトラック幅方向の間隔、すなわちトラックピッチが0.5λ/NA以下になるように調整されている。このため、本発明の基板を用いて光記録媒体を作製しても、非情報領域においてトラッキングがかかることもなく、非情報領域がデータ領域と誤認されることもない。更に、本発明の基板は、非情報領域にグルーブまたはピットを設けているので、基板を製造する際に生じる以下に示すような不都合を解消することができる。
【0017】
従来の光記録媒体用の基板は、情報が記録される情報領域以外の領域、すなわち非情報領域は、グルーブまたはピットが存在しないミラー領域であった。このため、例えば、光ディスクの原盤を製造するときの露光工程において、情報領域に相当する領域に全周にわたって均一なグルーブやピットを形成するために同じ露光強度で露光を行っても、露光した原盤を現像する現像工程において、情報領域とミラー領域との境界部分で現像液の流れが変化するため所望の形状のグルーブまたはピットが得られないことがあった。このため、かかる原盤に基づいて製造される基板の情報領域には、均一なグルーブまたはピットが形成されにくかった。
【0018】
また、基板を射出成形により製造する際においても、射出成形用の金型に装填されるスタンパには、成形される基板と同様に、グルーブまたはピットが形成されている情報領域とグルーブまたはピットの形成されていないミラー領域とが存在することになるために、金型内に溶融樹脂を射出充填したときに情報領域とミラー領域との境界部分で溶融樹脂の流動性が変わり、金型内の最外周部と最内周部とで樹脂の充填具合が変化するという問題があった。このため、成形される基板の光学特性が最外周部と最内周部とにおいて変化してしまい、複屈折によるリターデーションが生じることになる。
【0019】
一方、本発明の光記録媒体用基板は、非情報領域にグルーブまたはピットを設けているので、かかる基板を製造するための原盤の現像工程において、情報領域と非情報領域との境界部分で現像液の流れが変化することはなく、良好に現像を行うことができる。それゆえ、基板の情報領域には均一なグルーブまたはピットが形成される。また、基板を射出成形により製造する際においても、射出成形用スタンパの非情報領域には情報領域と同様にグルーブまたはピットが存在するために、最外周部と最内周部とで溶融樹脂の流動性を一定にしつつ溶融樹脂を充填させることができる。したがって、本発明の基板は、最外周部から最内周部にわたって均一な光学特性を有している。
【0020】
本発明の光記録媒体用基板には、光透過性を有する任意の材料を用いることができる。例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペンテン、エポキシなどの透明樹脂材料を用いることができる。基板は、例えば、情報領域以外の領域にグルーブまたはピットを同心円状またはスパイラル状に有するスタンパを装着した射出成形機を用いて、上記透明樹脂材料を射出成形して製造することができるが、この製造方法に限らず、2P(Photo-Polymerization)法により製造してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光記録媒体の実施例について、図面を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
【実施例1】
本実施例1では、本発明に従う光記録媒体の一例としてDVD−ROMを作製した。DVD−ROMは、直径120mmのディスク形状を有し、半径22.6mmから58.5mmまでの領域が規格によって定められた情報領域である。図5にDVD−ROMの概略断面図を示す。DVD−ROM100は、一組の光透過性基板21上にそれぞれ光反射層22及び保護層23を順次積層してなる積層体110及び120を、保護層23側が内側になるように、接着層24を介して互いに貼り合わせた構造を有する。かかる構造を有するDVD−ROM100の製造方法について以下に説明する。
【0023】
最初に、光透過性基板21を作製する際に用いるガラス原盤を次のようにして製造した。まず、研磨した平坦なガラス基板を用意し、ガラス基板上に紫外線に感光するフォトレジストを所定の膜厚で均一に塗布した。次いで、不図示の原盤露光装置のターンテーブル上にガラス基板を載置し、ガラス基板を回転させながらフォトレジスト上にレーザー光を照射して露光を行った。このとき、情報領域に相当する領域に、記録情報及びトラッキング用のプリピットに対応する凹凸パターンが形成されるように、レーザー光をオンオフさせて露光した。一方、非情報領域に相当する領域、すなわち半径58.5mmより外周側の領域及び半径22.6mmより内周側の領域には、ピットとスペースが交互に且ついずれも270nm以下の一定の長さでが形成されるようにレーザー光をオンオフさせて露光した。またこのピットにより区画されているトラックのトラックピッチが540nm以下になるように、原盤の半径方向の位置の露光を制御した。つぎに、現像液を用いて、露光したフォトレジストを現像した。ガラス基板上のフォトレジストには、プリピットに相当する凹凸が形成されていた。こうして、情報領域及び非情報領域にそれぞれ所望のプリピットを有するガラス原盤を作製した。
【0024】
次いで、かかるガラス原盤にニッケル電鋳を行うことにより、ニッケルからなるスタンパを作製した。そして、作製したスタンパを射出成形機の金型に装着し、この金型内にポリカーボネート樹脂を射出充填することにより光透過性基板1を作製した。作製した光透過性基板21は、その情報領域に、記録情報用のピット及びトラッキング用のピットをスパイラル状に有していた。基板半径方向におけるピット同士の間隔、すなわちトラックピッチは740nmであり、最短ピット長は400nmであった。また、規格外である半径58.5mmより外周側の領域及び半径22.6mmより内周側の領域に、トラックピッチ540nm以下で、デューティ50%のピット列を最短ピット長270nm以下でスパイラル状に有していた。
【0025】
かかるピットを有する光透過性基板21上に、不図示のスパッタリング装置を用いてアルミニウムからなる光反射層22を膜厚35nm〜50nmの範囲内で成膜した。次いで、反射層22上に紫外線硬化型樹脂からなる保護層23を膜厚6μm〜10μmの範囲内で形成した。こうして、光透過性基板21上に光反射層22及び保護層23を有する積層体10を作製した。更に、積層体10と同じ積層構造を有する積層体20を用意し、それら積層体10及び20をそれらの保護層23が貼り合わせ面になるように、紫外線硬化型カチオン重合型エポキシ樹脂または紫外線硬化型ラジカル重合型アクリル樹脂からなる接着剤を用いて貼り合わせることによってDVD−ROM100を製造した。
【0026】
こうして製造したDVD−ROM100は不図示のDVD−ROM再生装置を用いて再生することができる。DVD−ROM再生装置の光学系は、再生光波長λが650nm、レンズの開口数が0.60であり、光スポットサイズは1080nmとなる。情報領域において、光スポット径に対するトラックピッチの割合は68.5%であり、光スポット径に対する最短ピット長の割合は37.0%であった。DVD−ROMの非情報領域では、ピット列のトラックピッチは540nm以下であり、デューティ50%におけるピット長が270nm以下となっているので、光スポット内に2以上のピットが含まれてトラッキングがかかることはなく、誤ってデータと認識されることはない。一方、情報領域におけるピットは、トラックピッチが740nm、最短ピット長と最短スペース長との合計の長さが800nmであるため、非情報領域に形成したピットと十分に区別して再生することができる。
【0027】
【実施例2】
本実施例では、本発明に従う光記録媒体の別の例として5.2GBの光磁気ディスク(ISO/IEC 15286)を作製した。かかる光磁気ディスクは、直径130mmのディスク形状を有し、半径29mmから62.5mmまでの領域が規格によって定められた情報領域である。図6に、光磁気ディスク200の概略断面図を示す。光磁気ディスク200は、光透過性基板31上に、第1誘電体層32、記録層33、第2誘電体層34、反射層35及び保護層36を順次積層した構造を有する。かかる構造を有する光磁気ディスク200の製造方法について以下に説明する。
【0028】
最初に、光透過性基板31を作製する際に用いるガラス原盤を次のようにして製造した。まず、研磨した平坦なガラス基板を用意し、ガラス基板上に紫外線に反応するフォトレジストを所定の膜厚で均一に塗布した。次いで、不図示の原盤露光装置のターンテーブル上にガラス基板を載置し、ガラス基板を回転させながらフォトレジスト上にレーザー光を照射して露光を行った。このとき、情報領域に相当する領域では、フォーマット情報としてのプリピット及びトラッキング用のグルーブに対応する凹凸パターンが形成されるようにレーザー光をオンオフさせて露光した。一方、非情報領域に相当する領域半径62.5mmよりも外周側の領域では、グルーブにより区画されるトラックのトラックピッチが625nm以下になるように原盤の半径方向の位置を制御して露光を行った。つぎに、現像液を用いて、露光したフォトレジストを現像した。ガラス基板上のフォトレジストには、プリピットやグルーブに相当する凹凸が形成されていた。こうして、情報領域に所望のプリピットとプリグルーブとを有し、非情報領域に所望のグルーブを有するガラス原盤を作製した。
【0029】
次いで、かかるガラス原盤にニッケル電鋳を行うことにより、ニッケルからなるスタンパを作製した。そして、作製したスタンパを射出成形機の金型に装着し、この金型内にポリカーボネート樹脂を射出充填することにより光透過性基板1を作製した。作製した光透過性基板21は、その情報領域に、プリフォーマット情報としてのプリピット及びトラッキング用のグルーブをトラックピッチ850nmでスパイラル状に有していた。プリピットの最短ピット長は540nmであった。また、規格外である半径62.5mmより外周側の領域(非情報領域)に、トラックピッチ625nm以下のグルーブをスパイラル状に有していた。
【0030】
かかる光透過性基板31上に、不図示のスパッタリング装置を用いて、SiNからなる第1誘電体層32を膜厚85nm〜100nmの範囲内で、Tb23Fe60Co14Nbからなる記録層33を膜厚20nmで、SiNからなる第2誘電体層34を膜厚20nmで、Al(アルミニウム)からなる光反射層35を膜厚100nmで順次成膜した。次いで、反射層35上にUV系保護樹脂からなる保護層36を膜厚6μm〜10μmの範囲内で形成した。こうして図6に示した積層構造を有する光磁気ディスク200を製造した。
【0031】
得られた光磁気ディスク200は不図示の光磁気ディスク再生装置を用いて再生することができる。光磁気ディスク再生装置の光学系は、再生光波長λが685nm、レンズの開口数が0.55であり、光スポットサイズは1250nmとなる。光磁気ディスク200の情報領域においては、光スポット径に対するトラックピッチの割合は68.0%となり、光スポット径に対する最短ピット長の割合は43.2%となる。光磁気ディスク200の非情報領域では、グルーブのトラックピッチは625nm以下となっているので、光スポット内に2以上のグルーブが含まれてトラッキングがかかることはなく、誤ってデータと認識されることはない。
【0032】
【実施例3】
情報領域におけるグルーブ及びプリピットによって区画されるトラックのトラックピッチを370nm、プリピットの最短ピット長を250nmにし、非情報領域におけるグルーブによって区画されるトラックのトラックピッチを360nm以下にした基板を用いた以外は、実施例2と同様にして高密度光磁気ディスクを製造した。かかる高密度光磁気ディスクは、再生光波長λ=430nm、レンズの開口数NA=0.60の光学系を有する再生装置(不図示)を用いて再生することができ、再生装置の光スポットサイズは720nmとなる。高密度光磁気ディスクの情報領域においては、光スポット径に対するトラックピッチの割合は51.4%となり、光スポット径に対する最短ピット長の割合は34.7%となる。かかる高密度光磁気ディスクの非情報領域では、グルーブのトラックピッチが360nm以下となっているので、光スポット内に2以上のグルーブが含まれ、非情報領域でトラッキングがかかることはない。
【0033】
なお、実施例1〜3で製造した各光記録媒体のトラックピッチ等の諸寸法及び使用した再生装置の光学系の性能について図3の表にまとめて示す。
【0034】
以上、本発明の光記録媒体について実施例1〜3により説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、それらの変形及び改良を含むことは言うまでもない。例えば上記実施例1では、非情報領域にピットを形成したが、ピットの代わりにグルーブを形成することもでき、ピットとグルーブを混在させて形成することもできる。また、上記実施例2及び3では非情報領域にグルーブを形成したが、これに限らず、グルーブの代わりにピットを形成してもよく、グルーブとピットを混在させて形成しても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明の光記録媒体は、規格によって定められた情報領域とは異なる非情報領域にグルーブ及びピットの少なくとも一方を設けるとともに、このグルーブ及びピットのトラックピッチが光スポット径の半分以下になるように調整している。それゆえ、ドライブ装置側は非情報領域でトラッキングをかけることができず、非情報領域を情報が記録されている情報領域として誤認識することはなくなる。
【0036】
また、本発明の光記録媒体用基板は、情報領域よりも外周側の領域及び内周側の領域の少なくとも一方の非情報領域にグルーブまたはピットを設けているので、かかる基板を製造する際に用いられる原盤を現像する際に、情報領域と非情報領域との境界部分で現像液の流れは良好になり、情報領域全体で均一なピットまたはグルーブを形成することができる。また、基板を射出成形により製造する場合、金型内において、情報領域と非情報領域との境界部分で溶融樹脂の流動が変化することが抑制されるので、最内周部から最外周部にわたって均一な光学特性を有する基板を得ることができる。また、非情報領域に形成されたグルーブまたはピットのトラックピッチは光スポット径の半分以下になるように調整されているので、かかる基板を用いて光記録媒体を製造しても、非情報領域でトラッキングがかかることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う光記録媒体の情報領域と非情報領域について説明するための模式図である。
【図2】本発明に従う光記録媒体の非情報領域に形成されるグルーブまたはピットが光スポット内に含まれている様子を示す図である。
【図3】本発明に従う光記録媒体の種類とそれら各光記録媒体を再生する再生装置の光学系との関係、及び各光記録媒体の情報領域及び非情報領域のグルーブまたはピットの寸法データを示す図である。
【図4】プッシュプル法におけるトラッキング信号の検出方法の槻念図である。
【図5】本発明に従うDVD−ROMの断面構造を概略的に示した図である。
【図6】本発明に従う光磁気ディスクの断面構造を概略的に示した図である。
【符号の説明】
1 情報領域
2 外周側の非情報領域
3 内周側の非情報領域
10 光記録媒体
41 対物レンズ
42 レーザー光
43 グルーブ
44 2分割フォトダイオードディテクター
44a、44b 光検出部
100 DVD−ROM
200 光磁気ディスク

Claims (5)

  1. 情報が記録される情報領域に波長λの光を開口数NAのレンズで集光させて照射することによって情報を記録または再生する光記録媒体において、
    上記情報領域以外の領域にグルーブ及びピットの少なくとも一方を同心円状またはスパイラル状に有し、当該グルーブまたはピットにより画成されるトラックのトラックピッチが0.5λ/NA以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 上記ピットのピット長と、トラック方向において隣り合うピット同士の間隔との合計の長さが0.5λ/NA以下であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 上記波長λが、390nm〜780nmの範囲内にあり、上記開口数NAが、0.55〜0.90の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 情報が記録される情報領域に、波長λの光を開口数NAのレンズで集光させて照射することによって情報を記録または再生する光記録媒体に用いられる光記録媒体用基板おいて、
    上記情報領域以外の領域にグルーブ及びピットの少なくとも一方を同心円状またはスパイラル状に有し、当該グルーブまたはピットにより画成されるトラックのトラックピッチが0.5λ/NA以下であることを特徴とする光記録媒体用基板。
  5. 上記ピットのピット長と、トラック方向において隣り合うピット同士の間隔との合計の長さが0.5λ/NA以下であることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体用基板。
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