JP3986564B2 - 合成樹脂組成物 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、特定の形態を有する花弁状多孔質ヒドロキシアパタイト粒子からなる合成樹脂添加剤を配合してなる合成樹脂組成物に関し、その目的とするところは、例えば、優れた耐スクラッチ性能と良好なブロッキング防止能を有する合成樹脂フィルム、優れた染色性を有する合成樹脂繊維、透明性の高い合成樹脂組成物を与えることのできる合成樹脂添加剤を配合してなる合成樹脂組成物を提供することにある。
背景技術
合成樹脂は各種工業用途に広く利用されている。中でも工業的に製造されているポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)は優れた物理的、化学的特性を有しており、繊維、フィルム、その他の成形品として広く使用されている。例えばフィルム分野においては、オーディオテープ、ビデオテープ等の磁気テープ、コンデンサー用、写真用、包装用、OHP用、プリペイドカード用等に用いられている。ポリエステルフィルムにおいては、その滑り性や耐削れ性がフィルムの製造工程及び各用途における加工工程の作業性の良否、さらにはその製品品質の良否を左右する大きな要因となっている。これら滑り性や耐削れ性が不十分な場合、例えば、ポリエステルフィルム表面に磁性層を塗布し磁気テープとして用いる場合には、磁性層塗布時におけるコーティングロールとフィルム表面との摩擦が激しく、また、これによるフィルム表面の摩耗も激しく、極端な場合はフィルム表面へのしわ、擦傷等が発生する。また磁性層塗布後のフィルムをスリットしてオーディオ、ビデオ、またはコンピューター用テープ等に加工した後でも、リールやカセット等からの引出し、巻き上げその他の操作の際に、多くのガイド部、再生ヘッド等との間で著しく摩耗が生じ、擦傷、歪が発生したり、さらにはポリエステルフィルム表面の削れ等による白粉状物質を析出させる結果、磁気記録信号の欠落、即ちドロップアウトの大きな原因となることが多い。
従来、ポリエステルの摩擦係数を低下させる方法としては、ポリエステル中に無機微粒子を含有せしめ、成形品の表面に微細で適度な凹凸を与えて成形品の表面滑性を向上させる方法が数多く提案されているが、微粒子とポリエステルとの親和性が充分でなく、フィルムの透明性、耐摩耗性がいづれも満足すべきものではなかった。
また、例えばポリオレフィンも各種用途の工業製品として広く利用されており、特にポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムは各種の包装用材料として最も汎用されている。この種のポリオレフィンフィルムは周知のように粘着性があるためブロッキングを起こし易く、そのためにフィルムの製造及び更にその高次加工における作業性を損なうのみならず、他方そのフィルムを使用して例えば梱包や包装する場合には袋の口開き不良などのトラブルを生じ易い。従って、通常この種のフィルムは耐ブロッキング処理がなされており、ブロッキング防止剤としては微粉末珪酸、ゼオライト、炭酸カルシウム、あるいはカオリンクレーが代表的に知られ、かつ使用されている。
一方、ポリオレフィンフィルムの品質特性として透明性の優れていること、及び良好な耐スクラッチ性(例えばフィルム相互の接触によるフィルム表面の傷付きにくさ)が要求されるが、この透明性、耐スクラッチ性と、耐ブロッキング性とは相矛盾する品質特性であり、ポリオレフィンフィルムの耐ブロッキング性を良好化せしめるために多量のブロッキング防止剤を使用した場合、使用量の増加にともないポリオレフィンフィルムの耐スクラッチ性及び透明性が低下するという関係にあって、これら相反する耐ブロッキング性、耐スクラッチ性と透明性とを共に効果的に満足しうるための改質用添加剤としては、従来の無機粉末はいずれも欠点があった。
例えば、従来から使用されているカオリンクレーは、粒子形状が板状構造を有しているため、ポリオレフィンフィルムのブロッキング防止剤として使用した場合、ポリオレフィンフィルム表面に充分な凹凸を形成することが出来ず、とのため多量に使用しないと良好な耐ブロッキング性を得ることが出来ず、その結果透明性において不十分なポリオレフィンフィルムしか得られなかった。
同様に微粉末珪酸を用いた場合、その基本粒子が極めて微小であるため、透明性及び耐スクラッチ性の観点からは良好なポリオレフィンフィルムが得られるものの、多量に使用してもポリオレフィンフィルム表面に充分な凹凸を形成することが出来ないため、ブロッキング防止機能の観点からは充分なポリオレフィンフィルムが得られなかった。
また、ゼオライト粉末を用いた場合、カオリンクレーや微粉末珪酸と比較し、比較的良好な透明性,耐ブロッキング性を有するポリオレフィンフィルムが得られるものの、耐スクラッチ性において良好なフィルムを得ることができず、さらにゼオライトは周知のように結晶水を有するために、合成樹脂の成形、フィルム化の際の加熱条件において、結晶水の離脱に伴う発泡現象がしばしば生じて欠陥商品を与えることがある。この欠陥はゼオライトを加熱処理していわゆるゼオライト水を除いて無水の活性化ゼオライトにした場合でも容易に再吸着してしまうので、実質的には、フィルム化工程における際における水の影響を取り除くことは不可能であった。
さらにまた、炭酸カルシウムを使用した場合、炭酸カルシウムには結晶水が無いため結晶水の離脱に伴う発泡現象は皆無であるものの、炭酸カルシウムは元来凝集力が強く一次粒子が多数凝集した二次粗大粒子を形成しやすいため、良好な耐ブロッキング性、透明性及び耐スクラッチ性を共に具備するポリオレフィンフィルム用のブロッキング防止剤として改善すべき問題点があった。
また、合成樹脂繊維において、特に染色が困難であるポリエステル繊維の染色性改良を目的として、繊維表面に凹凸を形成させる検討が行われているが、染色性を重視すると繊維自体の強度が低下し、ポリエステル繊維本来の優れた物性を損なってしまう問題があった。
本発明者らは、このような上記の事実に鑑み、ポリエステル、ポリオレフィンに代表される合成樹脂、特にそのフィルム、繊維等に良好な耐ブロッキング性、耐スクラッチ性と良好な透明性を付与し、且つ合成樹脂との親和性が良好な合成樹脂添加剤を配合した合成樹脂組成物に関し鋭意検討を重ねた結果、特定の粒子組成、特定の粒子径と分散度、特定の比表面積を有する花弁状多孔質ヒドロキシアパタイト粒子からなる合成樹脂添加剤を配合してなる合成樹脂織物が所期の目的を満足するものであることを見いだし、本発明を完成した。
発明の開示
すなわち、本発明は、化学式Ca10(PO46(OH)2で表され花弁状多孔質構造を有するヒドロキシアパタイトからなり、下記の式(a)〜(d)を満足する粒子からなる合成樹脂用添加剤を合成樹脂に配合したことを特徴とする合成樹脂組成物を内容とする。
(a)0.1≦dx1≦20(μm)
(b)1≦α≦2.0 但し α=d50/dx1
(c)0≦β≦1.7 但し β=(d90−d10)/d50
(d)50≦Sw1≦400
但し、
dx1:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)
α :分散係数
d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の50%平均粒子径(μm)
β :シャープネス
d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径(μm)
d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径(μm)
Sw1:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g)
【図面の簡単な説明】
図1は、A粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(1000倍)である。
図2は、A粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(10000倍)である。
図3は、市販のヒドロキシアパタイト粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(1000倍)である。
図4は、市販のヒドロキシアパタイト粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(10000倍)である。
図5は、フィルムの摩擦係数を測定するための装置を示す概略図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の合成樹脂組成物に配合する合成樹脂用添加剤の最も重要な特徴は、単にヒドロキシアパタイト粒子からなるのではなく、花弁状構造を有する多孔質ヒドロキシアパタイト粒子からなることにある。
本発明の合成樹脂組成物に配合する合成樹脂用添加剤(以下、単に添加剤と記す場合がある)は花弁状構造を有するヒドロキシアパタイト粒子からなり、その花弁状構造が自己崩壊性(外部から応力が粒子に作用した場合、粒子の一部が破壊又は崩壊変形することにより、外部からの応力を粒子自身が自己吸収又は自己分散し、その結果粒子外部に対する粒子からの反発力が低下する性質)を有している。従って、例えば該粒子を合成樹脂フィルムに多量に添加した場合においても、フィルム相互の接触の際、フィルム表面に存在する花弁状構造の粒子が自己崩壊するため、フィルム相互の接触により発生する応力を大きく軽減させることができ、自己崩壊性を有しない他の粒子を用いた場合と比較して、フィルムの表面がお互いに損傷する度合いは著しく低下し、その結果良好な耐スクラッチ性を有する合成樹脂フィルムを得ることができる。
本発明で使用する添加剤は、本発明者らが先に出願し未公開の状態である日本国特願平7−200504号に記載の花弁状多孔質ヒドロキシアパタイト被覆粒子とは異なり、粒子全体が花弁状多孔質ヒドロキシアパタイトからなるため、自己崩壊性が一層顕著になり、ブロッキング、スクラッチ性能、透明性において、より良好なフィルムが得られる。
また、本発明で使用する添加剤は、その比表面積が非常に大きい花弁状構造のヒドロキシアパタイト粒子からなり、ポリエステル、ポリオレフィン及びその他の合成樹脂と良好な親和性を有するため、透明性に優れた合成樹脂組成物を調製することが可能であり、さらに例えばフィルム等のブロッキング防止剤として使用しても、添加剤粒子のフィルムからの脱落が極めて少ない合成樹脂フィルムを得ることが可能となる。
更に本発明で使用する添加剤は、高い比表面積と空隙率を有することから、粒子の見掛け比重が低く、従来の添加剤が十分に耐ブロッキング性を有するのに必要とする添加量と同体積分添加した場合、その時の添加重量は従来の添加剤と比べ小さくなり、少量添加で優れた耐ブロッキング性を付与させることが可能である。更に該粒子は優れた粒子径の均一性を有することから、樹脂内に埋没し、耐ブロッキング性に関与しない微粒子の割合が極めて少ないため、より少量添加で優れたブロッキング性を有する合成樹脂組成物が得られる。また、少量添加で良好なブロッキング性が得られることにより、より透明性を向上させることが可能である。
更にまた、本発明で使用する添加剤は、高い比表面積と空隙率を持ち、優れた吸着、担持性能を有する粒子からなるため、例えば染色が困難とされるポリエステル繊維においてすぐれた染色性能を発揮し、また良好な均一性を有するため、粗大粒子混入による繊維の断糸等の問題もない。
本発明で使用する合成樹脂用添加剤は、Ca10(PO46(OH)2で表され花弁状多孔質構造を有するヒドロキシアパタイトからなり、該粒子のdx1は、0.1≦dx1≦20(μm)であり、好ましくは0.2≦dx1≦10(μm)、より好ましくは0.5≦dx1≦8(μm)である。
dx1が0.1μm未満の場合、合成樹脂中での分散が容易でないばかりでなく、例えば合成樹脂繊維、フィルムに使用した場合、充分なブロッキング防止効果が発揮できない。また、dx1が20μmを超える場合、合成樹脂の透明性を損なうことになるばかりではなく、例えば合成樹脂繊維、フィルムに使用した場合、糸切れの原因となったり粗大突起の一因となる。
本発明で使用する添加剤のα及びβは、1≦α≦2.0,0≦β≦1.7であり、好ましくは1≦α≦1.5,0≦β≦1.0である。αが2を超える場合、合成樹脂成形物の性能の設計の観点から好ましくなく、例えばフィルム分野においては、このような添加剤によって得られるフィルム表面の凹凸の大きさも不均一となり、充分な耐ブロッキング性を有するフィルムが得られない。また、オーディオ、ビデオ用等の磁気テープ等のより高度の物性を要求される分野においては、1.5以下が特に好ましい。αが1未満の場合、粒子の凝集が起こり不均一になる。
本発明で使用する添加剤の粒度構成に関する関数であるβが1.7を超える場合、粒度分布幅がブロードになり、合成樹脂組成物にとって不必要な微小粒子及びフィルム等合成樹脂成形物表面の粗大突起の原因となる粗大粒子の含有率が多くなるため、充分な耐ブロッキング性と良好な透明性を有する合成樹脂フィルム等の合成樹脂組成物は得られなくなる。
本発明で使用する添加剤のSw1は、50≦Sw1≦400であり、好ましくは100≦Sw1≦350である。Swlが50未満の場合、合成樹脂との親和性が充分でないため、合成樹脂の透明性を阻害したり、フィルム及び繊維等に用いた場合に添加剤の脱落が発生したり、さらに添加剤の自己崩壊性が充分でないため、耐スクラッチ性の良好な合成樹脂組成物が得られない。またSw1が400を超える場合、添加剤の自己崩壊性が強すぎ、フィルム、繊維等に用いた場合、耐スクラッチ性は良好である反面、良好な耐ブロッキング性の合成樹脂組成物は得られない。
さらに又、例えばポリエステルの製造時において、ポリエステルの原料であるエチレングリコール中にSwlが400を超える添加剤を懸濁させポリエステルを重合した場合、添加剤の表面積が大きく活性度が極めて高いため、添加剤自身が重合中に凝集し粗大粒子を形成したり、添加剤自身から発生するCaイオンにより粗大有機粒子が生成する場合がある。
本発明で使用する添加剤の花弁状構造は、電子顕微鏡写真観察により添加剤表面にバラの花のような花弁状構造が確認されれば、その他には特に制限はないが、添加剤が充分な自己崩壊性を有し且つ充分な耐スクラッチ性を有すると共に、少量添加で良好な耐ブロッキング性を有する合成樹脂組成物を得るためには、
0.01≦dx2≦1(μm)、90≦ω1≦99、60≦ω2≦95を満たすことが好ましく、さらには
0.01≦dx2≦1(μm)、95≦ω1≦99、70≦ω2≦95を満たすことが一層好ましい。
但し
dx2:水銀圧入法により測定した細孔分布により求めた粒子の平均細孔径(μm)
ω1 :JISK5101−91 20.1 顔料試験方法の静置法による見掛け比容(ml/g)を測定し、下記の式(m)により計算した静置空隙率(%)
Figure 0003986564
ω2:試料0.5gを断面積2cm2の円筒に充填、30kg/cm2の圧力で30秒間加圧、その厚みをノギスで測定し、下記の式(n)より計算した30kg/cm2の加圧空隙率(%)
Figure 0003986564
本発明で使用する添加剤は、例えば炭酸カルシウムの水懸濁液と燐酸の希釈水溶液をCa/Pの原子比率が1.62〜1.72となる割合で水中で下記の混合条件で混合反応させた後、更に下記の熟成条件で熟成を行い、しかる後、脱水を行うか又は脱水せずに700℃以下の乾燥雰囲気下で乾燥後、解砕仕上げを行うことにより製造することができる。
混合条件:
炭酸カルシウムの水懸濁液固形分濃度 1〜15%
燐酸の希釈水溶液濃度 1〜50%
撹拌羽根の周速 0.5〜50m/秒
混合時間 0.1〜150時間
水懸濁液温度 0〜80℃
水懸濁液pH 5〜9
熟成条件:
Ca濃度 0.4〜5%
熟成時間 0.1〜100時間
水懸濁液温度 20〜80℃
水懸濁液pH 6〜9
撹拌羽根の周速 0.5〜50m/秒
上記の合成樹脂用添加剤が配合される合成樹脂及び合成樹脂成形品としては特に制限は無く、熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が、また熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ケイ素樹脂等が例示できるが、中でも特にポリオレフィンや飽和ポリエステルのフィルム組成物及び繊維組成物に好適である。
ポリオレフィンとしては透明かつ結晶性の自己支持性フィルム形成能を有するものであれば特に限定されないが、例えば炭素数2〜12程度のα−オレフィンの結晶性単独重合体あるいは2種以上の結晶性共重合体、具体的には例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−プロピレンランダムまたはブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキセン共重合体などを挙げることができる。中でも、ポリプロピレンや50重量%以上のプロピレンと他のα−オレフィンとの重合体が好ましく、特にエチレン含量が0〜6重量%のプロピレン重合体が良い。
また、これらのポリオレフィンは結晶性であり、アイソタクティックインデックス(II)が通常40以上、中でも60以上、特に90以上のものが適する。更に、成形できるものである限り用いられるが、通常はメルトフローレート(MFR)が0.01〜100g/10分、中でも0.1〜50g/10分、0.5〜10g/10分のものが好ましい。
また、ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルであれば特に制限はない。かかるポリエステルは実質的に線状であり、そしてフィルム形成性特に溶融成形によるフィルム形成性を有する。芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。
脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコールあるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。
本発明において、ポリエステルとしては、例えばアルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられる。かかるポリエステルのうちでも、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好ましい。
その際、全酸成分の20モル%以下はテレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸以外の上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であることができる。また全グリコール成分の20モル%以下は、エチレングリコール以外の上記グリコールであることができ、あるいは例えばハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンの如き芳香族を含む脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)等であることもできる。
またこの飽和ポリエステルには、例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸;ω−ヒドロキシカプリン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルブン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合或は結合するものも含有される。
さらにこのポリエステルには実質的に線状である範囲の量、例えば全酸性分に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリトール等を共重合したものも含有される。
他の合成樹脂としてナイロン66、ナイロン6の如きポリアミド、ポリ塩化ビニルの如きハロゲン含有重合体も適用可能である。
合成樹脂に配合される合成樹脂用添加剤の添加量は、用途によって一様ではないが、例えば合成樹脂フィルムの場合、合成樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部が適当で、特に0.01〜1重量部が好ましい。この理由は、下限値未満にあっては、添加量が少ないためブロッキング防止効果の発揮が不十分であると共に、合成樹脂に配合して均一に分散させる精度が低下するためであり、他方、上限値を越えると、フィルムの透明性を損なうと共に添加量の割には耐ブロッキング性が向上せず、またフィルムの延伸性も低下することになり好ましくない。
合成樹脂用添加剤を合成樹脂に含有させる方法については特に制限はなく、例えば、混練機を用いて合成樹脂中に練りこんでもよいし、また、例えばPET等のポリエステルにおいては、前述の添加剤粒子をポリエステルの原料となるエチレングリコール中に分散させ、これをエステル交換反応前またはエステル化反応前から重縮合反応前の間に添加してもよい。
本発明の合成樹脂組成物に配合される他の成分については特に制限はないが、ポリオレフィン、ポリエステル等の合成樹脂に使用される他の添加剤、例えば顔料、染料、紫外線吸収剤、各種安定剤、酸化防止剤、遮光剤(例えばカーボンブラック、二酸化チタン等)、加工助剤、帯電防止剤、抗菌剤、脱臭剤、農薬、香料等各種添加剤の1種又は2種以上と併用できることはもちろん、本発明で使用する合成樹脂用添加剤が、高い比表面積と空隙率を持ち、優れた吸着、担持性能を有することから、これら各種添加剤の1種又は2種以上を吸着又は担持させて使用することもできる。
例えば、抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の無機系抗菌剤や、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム等の第4アンモニウム系、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系、ホルマリン、グリオキザール等のアルデヒド系、クレゾール、キシレノール等のフェノール系、ソルビン酸、安息香酸等のカルボン酸系、クロルヘキシジン、n−ドデシルグアニジンアセテート等のグアニジン系、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のチアゾール系等、脱臭剤としては、タンニン酸、ショウ脳油、テレピン油等、農薬としては、ジメチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、インダロン、ジメチルカーバイト、イルガビリン、PCP剤(ペンタクロルフェノール)、MEP剤(ジメチルチオホスフェート)、ECP剤(ジエチルジクロルフェニルチオホスフェート)等、紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、フェニルサリシレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等、染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料をはじめとし、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料等、香料としては、じゃ香、アビエス油、ベルガモット油、ボロアーズ油、ローズウッド油、ローズマリー油、オレンジフラワー油等の天然香料、アセト酢酸エチル、アネトール、アミルシナミックアルデヒド、イソ吉草酸エチル、イソアミルアセテート等の合成香料、ローズ系、ジャスミン系、リラ系等の調合香料等が挙げられる。
これらの添加量は特に制限はないが、合成樹脂に配合される合成樹脂用添加剤に対し、0.0001〜100重量%が好ましい。また、必要に応じ、他の組成のブロッキング防止剤、例えば合成球状シリカ、β,γ−アルミナ、珪酸アルミニウム、合成ゼオライト、酸化チタン、カオリン、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機粒子、また、花弁状構造を有しない非晶質リン酸カルシウム〔略号ACP、化学式Ca3(PO42・nH2O〕、フッ素アパタイト〔略号FAP、化学式Ca10(PO462〕、塩素アパタイト〔略号CAP、化学式Ca10(PO4612)、ヒドロキシアパタイト〔略号HAP、化学式Ca10(PO46(OH)2〕、リン酸八カルシウム〔略号OCP、化学式Ca82(PO46・5H2O〕、リン酸三カルシウム〔略号TCP、化学式Ca3(PO42〕、リン酸水素カルシウム(略号DCP、化学式CaHPO4)、リン酸水素カルシウム二水和物(略号DCPD、化学式CaHPO4・2H2O)等を目的に応じて1種又は2種以上配合してもさしつかえない。シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、テフロン粒子、ポリイミド粒子等の有機高分子粒子等を一部本発明の合成樹脂用添加剤に併用しても差し支えない。これらの添加量については特に制限はないが、本発明の合成樹脂用添加剤100重量部に対し通常0.01〜3重量部未満が好ましい。
本発明で使用する合成樹脂用添加剤は、分散性,安定性等をさらに高めるために、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤、有機酸、例えば脂肪酸,樹脂酸,アクリル酸,シュウ酸,クエン酸、酒石酸等の有機酸,フッ酸等の無機酸、それらのポリマー,それらの塩,又はそれらのエステル類等の表面処理剤、界面活性剤やヘキサメタリン酸ソーダ、ピロリン酸、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸、トリポリリン酸ソーダ、トリメタリン酸、ハイポリリン酸等の縮合リン酸塩及びその塩を常法に従い表面処理してもさしつかえない。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
調製例1〜4、比較調製例1〜7
下記の方法により、A〜Jの粒子を調製した。
炭酸カルシウムの水懸濁液とリン酸の希釈水溶液をCa/Pの原子比が1.67となる割合で水中で、表2及び表3に記載の混合条件で混合反応させた後、更に表2及び表3に記載の熟成条件で熟成を行い、しかる後、脱水し、700℃以下の乾燥雰囲気下で乾燥し、解砕仕上げを行い、粒子A〜Jを得た。
調製したA〜Jの粒子、市販のヒドロキシアパタイト(商品名:リン酸三カルシウム、米山化学工業株式会社製)との粉体物性を表1に示す。
また、粒子表面を比較するために、A粒子と市販のヒドロキシアパタイトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真をそれぞれ図1(1000倍)、図2(10000倍)及び図3(1000倍)、図4(10000倍)に示す。図1、図2より、A粒子は花弁状多孔質構造を有しており、また図3、図4より、市販のヒドロキシアパタイトは微細な粒子の凝集物であり、花弁状多孔質構造を有するものではないことがわかる。
Figure 0003986564
Figure 0003986564
Figure 0003986564
実施例1、2 比較例1〜10
実施例1、2はB、Dの粒子を、比較例1〜9は、E〜J粒子、市販のヒドロキシアパタイト(商品名:リン酸三カルシウム、米山化学工業株式会社製)、市販のA型ゼオライト(商品名:合成A型ゼオライト、水澤化学株式会社製)、市販の合成シリカ(商品名:アエロジル#130、日本アエロジル株式会社製)を、また比較例10は粒子を添加しないブランクとして、下記の方法でポリプロピレン組成物を調製し、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得、その品質を評価した。結果を表4に示す。
ポリオレフィンフィルムの製造:
メルトフローレートが1.9g/10分であるポリプロピレン樹脂100重量部に酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール 0.10重量部、イルガノックス1010(チバガイギー社の登録商標)0.02重量部、塩酸キャッチ剤としてステアリン酸カルシウム0.05重量部、及び合成樹脂用添加剤を添加し、スーパーミキサーで混合後押し出し機でペレット化した。
このペレットを押し出し機を用いてシート状フィルムにし、縦方向5倍、横方向10倍に延伸して最終的に厚さ30μmの延伸フィルムを得た。延伸フィルムの一面には、コロナ放電処理を施した。
得られた二軸延伸フィルムについて、透明性、耐ブロッキング性及び耐スクラッチ性を測定した。フィルム透明性はASTM−D−1003に準拠して、フィルムを4枚重ねて測定した。フィルムの耐ブロッキング性は、2枚のフィルムの接触面積が10cm2となるように重ねて2枚のガラス板の間におき、50g/cm2の荷重をかけて40℃の雰囲気中に7日間放置後、ショッパー型試験機を用いて、引っ張り速度500mm/分にて引き剥して、その最大荷重を読みとって評価した。この値が小さい程耐ブロッキング性が良好である。耐スクラッチ性は、ガラス板上に二軸延伸フィルム1枚を固定し、他方接触面積が50cm2の箱型の固定具にフィルムを固定し、4kgの荷重をかけてガラス板上のフィルムを6回擦り、擦る前後の該フィルムの透明性で評価した。この値が小さいほど耐スクラッチ性が良好である。
Figure 0003986564
実施例3、4 比較例11〜17
実施例3,4はA、C粒子の、比較例11,12はE、F粒子の、比較例13〜15はH〜J粒子の、比較例16,17は市販のA型ゼオライト、市販の合成シリカの各エチレングリコールスラリーをポリエステル化反応前に添加してポリエステル化反応を行い、粒子を0.1重量%含有した極限粘度数(オルソクロロフェノール,35℃)0.62dl/gのポリエチレンテレフタレートを調製した。該ポリエチレンテレフタレートを160℃で乾燥した後290℃で溶融押し出し、40℃に保持したキャスティングドラム上に急冷固化せしめて未延伸フィルムを得た。引き続き、該未延伸フィルムを加熱ローラーで70℃に予熱した後、赤外線ヒーターで加熱しながら縦方向に3.6倍延伸した。続いて90℃の温度で横方向に4.0倍に延伸した後200℃で熱処理を行い、厚さ15μmの二軸配向フィルムを得た。
このようにして得られたフィルムの品質を、以下に示す方法で評価し、その結果を表5に示す。
▲1▼ フィルム表面粗さ(Ra)
中心線平均粗さ(Ra)としてJIS−B0601で定義される値であり、本発明では株式会社小坂研究所の触針式表面粗さ計(SURFCORDER SF−30C)を用いて測定する。測定条件等は次の通りである。
(a) 触針先端半径:2μm
(b) 測定圧力:30mg
(c) カットオフ:0.25mm
(d) 測定長:0.5mm
(e) 同一試料について5回繰り返し測定し、最も大きい値を1つ除き、残り4つのデーターの平均値を表す。
▲2▼ フィルムの摩擦係数(μk)
図5に示した装置を用いて下記のようにして測定する。図5中、1は巻だしリール,2はテンションコントローラー,3,5,6,8,9及び11はフリーローラー,4はテンション検出機(入口),7はステンレス網SUS304製の固定棒(外径5mm),10はテンション検出機(出口),12はガイドローラー,13は巻取りリールをそれぞれ示す。
温度20℃,湿度60%の環境で、幅1/2インチに裁断したフィルムを、7の固定棒(表面粗さ0.3μm)に角度θ=(152/180)πラジアン(152°)で接触させて毎分200cmの速さで移動(摩擦)させる。入口テンションT1が35gとなるようにテンションコントローラーを調整したときの出口テンション(T2:g)をフィルムが90m走行した後に出口テンション検出機で検出し、次式で走行摩耗係数μkを算出する。
μk=(2.303/θ)log(T2/T1)
=0.86log(T2/35)
▲3▼ 摩耗性評価−I
1/2幅のフィルム表面を直径5mmのステンレス製固定ピン(表面粗さ0.58)に角度150°で接触させ、毎分2mの速さで約15cm程度往復移動,摩擦させる(この時入側テンションT1を60gとする)。この操作を繰り返し、往復40回後の摩擦面に生じたスクラッチの程度を目視判定する。この時スクラッチのほとんど生じないものをA、スクラッチの発生のわずかなものをB、スクラッチの発生が全面に多数生じたものをD、スクラッチの発生が前2者の中間のものをC、と4段階に判定する。
▲4▼ 摩耗性評価−II
フィルムの走行面の削れ性を5段のミニスーパーカレンダーを使用して評価する。カレンダーはナイロンロールとスチールロールの5段カレンダーであり、処理温度は80℃、フィルムにかかる線圧は200kg/cm、フィルムスピードは50m/分で走行させる。走行フィルムは全長4000m走行させた時点でカレンダーのトップロールに付着する汚れでフィルムの削れ性を評価する。
<4段階判定>
A:ロールの汚れが全く認められない。
B:ロールの汚れが殆ど認められない。
C:ロールの汚れがかなり認められる。
D:ロールの汚れが顕著に認められる。
▲5▼ フィルム表面の粗大突起数
フィルム表面にアルミニウムを薄く蒸着した後、二光束干渉顕微鏡を用いて四重環以上の粗大突起数(測定面積1mm2当りの個数)をカウントし、粗大突起数により次のランク付けで表す。
1級:16個以上 2級:12〜15個
3級:8〜11個 4級:4〜7個
5級:0〜3個
Figure 0003986564
実施例5,6 比較例18,19
実施例5,6はA、C粒子を、比較例18、19は、A型ゼオライト及び合成シリカを用いて、下記の方法にてポリエステル繊維を製造した。これらの繊維を3本引き揃えてマルチフィラメント糸とし、18ゲージの両面編機で編地を編成し、常法により精練、乾燥した後、これらの編地をDiamix BlackBG−FS13%owfで浴比1:30で130℃、60分の染色を行った。次いで、常法により還元洗浄、乾燥し、黒色織物を得た。これらの織物の染色性能を下記の方法にて評価した。評価結果を表6に示す。
ポリエステル繊維の製造方法:
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを原料とし、粒子を生成ポリエステルに対して3重量%になるように添加し、常法により重合反応を行った後、チップ状で取り出しポリエチレンテレフタレートを得た。ポリエステル中での合成樹脂用添加剤の分散性は良好であった。このポリエステルを押出成形機に供給し、290℃で紡糸を行い、得られた未延伸糸を75℃及び96℃の水浴中の二段で3倍に延伸し、ポリエステル繊維を得た。
染色性能の評価方法:
▲1▼発色性の評価
デジタル測色色差計算機で織物のL値を測定した。L値は値が小さいほど濃色であることを示す。
▲2▼洗濯およびドライクリーニングによる変色の評価
JIS L0844及びL0860に定める方法で3回処理した後、処理前の織物と比較した色の変化を、JIS L0804に定める変退色用グレイスケールを用いて等級を判定した。等級は5に近いものほど変色の少ないことを示す。
Figure 0003986564
産業上の利用可能性
叙上の通り、特定の合成樹脂用添加剤を用いることにより、例えば、ポリオレフィンのフィルムに用いた場合は、良好なブロッキング防止機能と共に良好な透明性と耐スクラッチ性を有するポリオレフィンフィルムを得ることができ、またポリエステルに用いた場合においては、滑り性、耐摩耗性にすぐれ、粗大突起の少ない良好なフィルムや、染色性にすぐれた繊維が得られる。

Claims (8)

  1. 化学式Ca10(PO46(OH)2で表され花弁状多孔質構造を有するヒドロキシアパタイトからなり、下記の式(a)〜(d)を満足する粒子からなる合成樹脂用添加剤を合成樹脂に配合したことを特徴とする合成樹脂組成物
    (a)0.1≦dx1≦20(μm)
    (b)1≦α≦2.0 但し α=d50/dx1
    (c)0≦β≦1.7 但し β=(d90−d10)/d50
    (d)50≦Sw1≦400
    但し、
    dx1:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)
    α :分散係数
    d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の50%平均粒子径(μm)
    β :シャープネス
    d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径(μm)
    d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径(μm)
    Sw1:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g)
  2. 平均粒子径dx1が下記の式(e)を満足する請求項1記載の合成樹脂組成物
    (e)0.2≦dx1≦10(μm)
  3. 平均粒子径dx1が下記の式(f)を満足する請求項2記載の合成樹脂組成物
    (f)0.5≦dx1≦8(μm)
  4. 分散係数α及びシャープネスβが下記の式(g)及び(h)を満足する請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成樹脂組成物
    (g)1≦α≦1.5
    (h)0≦β≦1.0
  5. BET比表面積Sw1が下記の式(i)を満足する請求項1〜4のいずれか1項に記載の合成樹脂組成物
    (i)100≦Sw1≦350
  6. 下記の式(j)〜(l)を満足する請求項1〜5のいずれか1項に記載の合成樹脂組成物
    (j)0.01≦dx2≦1(μm)
    (k)90≦ω1≦99
    (l)60≦ω2≦95
    但し
    dx2:水銀圧入法により測定した細孔分布により求めた粒子の平均細孔径(μm)
    ω1 :JISK5101−91 20.1 顔料試験方法の静置法による見掛け比容(ml/g)を測定し、下記の式(m)により計算した静置空隙率(%)
    Figure 0003986564
    ω2:試料0.5gを断面積2cm2の円筒に充填、30kg/cm2の力で30秒間加圧、その厚みをノギスで測定し、下記の式(n)より計算した30kg/cm2の加圧空隙率(%)
    Figure 0003986564
  7. 下記の式(o)及び(p)を満足する請求項1〜6のいずれか1項に記載の合成樹脂組成物
    (o)95≦ω1≦99
    (p)70≦ω2≦95
  8. 合成樹脂組成物が合成樹脂繊維又は合成樹脂フィルムである請求項1〜7のいずれか1項に記載の合成樹脂組成物。
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