JP3983785B2 - 電解コンデンサ用アルミニウム箔 - Google Patents
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静電容量はエッチング後の表面積に比例するため、電解エッチングにおける電解条件の選定が重要である。特に、低電圧用に用いられるエッチング箔は、その表面積を高めるため、交流電流を用いた電解を行っている。
一方、陰極に用いられる箔の一部では、アルミニウム純度を99%程度に低下させ、化学溶解性の高い箔を用い、無電解で表面積拡大が行われている。これは、陰極箔では、低純度によって問題を引き起こす化成工程を必要としないため、上記のように低純度のアルミニウム箔を用いて化学溶解性を高めることが可能になるからである。
しかし、陽極箔に用いられるエッチング箔では、アルミニウム純度を低下させて化学溶解性を高めた場合、その後の化成工程において、化成皮膜中の不純物が多くなり、漏れ電流の増加等に見られる皮膜劣化が生じるため、著しく品質が低下してしまう。このため陽極箔では、化成皮膜の劣化を避けるために99.9%以上のアルミ箔を用いる必要があり、その結果、化学溶解性が低くて無電解溶解が困難で、電解法でのエッチングが不可欠である。
Feは、Alと金属間化合物を生成し、化学溶解性を高める元素である。ただし、下限未満では上記作用が十分に得られず、一方、上限を超えると析出物が大きくなり化成皮膜の欠陥となる。したがって、Fe含有量を5〜50ppm未満に定める。なお、同様の理由で下限を20ppm、上限を40ppmとするのが望ましい。
Siは、Feと同様にAlと金属間化合物を生成し、化学溶解性を高める元素である。ただし、下限未満では上記作用が十分に得られず、一方、上限を超えると析出物が大きくなり化成皮膜の欠陥となる。したがって、Si含有量を5〜40ppmに定める。なお、同様の理由で下限を20ppmとするのが望ましい。
Cuも化学溶解性を高める元素であるが、Cuを含む金属間化合物周辺を集中的に溶解させて均一溶解性を低下させるため、本願発明では積極的には添加せず、その含有量を15ppm未満に規制する。望ましくは10ppm以下である。
これら元素は、Alと金属間化合物を生成し電位的に貴な状態を作るため、バルクのアルミニウムとの間で局部電池反応を起こし化学溶解性を高めることができる。さらにその化合物は、nmオーダーであるため、エッチング後の化成における皮膜欠陥にならないため、高品質が保てるものである。ただし、その合計含有量が40ppm以下では、上記作用が十分に得られず化学溶解性が低くなりすぎる。一方、500ppmを越えると、μmサイズの析出物が生成され化成皮膜の欠陥となる。したがって、これら元素の合計量を40超〜500ppmに定める。なお、これら元素は、1種以上を含有していればよく、その組合せは、上記合計量を満たす限りは1種〜7種の間で任意に定めることができる。
なお、上記合計量は、同様の理由で下限を50ppm、上限を200ppmとするのが望ましい。
なお、本発明のアルミニウム箔を電解エッチングに供することも可能であり、その場合、高い化学溶解性によって粗面化率、反応速度が向上し、また、低電力での電解を行うことも可能になる。
好適には純度99.9%以上で、本発明の成分となるように調製されたアルミニウム材は、常法により得ることができ、本発明としては特にその製造方法が限定されるものではない。例えば、半連続鋳造によって得たスラブを熱間圧延したものを用いることができる。その他に連続鋳造により得られるアルミニウム材を対象とするものであってもよい。上記熱間圧延または連続鋳造圧延によって例えば数mm厚程度のシート材とする。このシート材に対し冷間圧延を行い、例えば50μmから120μmのアルミニウム箔を得る。なお、冷間圧延の途中で1回以上の中間焼鈍を行うことも可能であり、本発明としては、該中間焼鈍の条件が特に限定されるものではない。例えば、200〜270℃、1〜6時間のバッチ炉での処理や、250〜300℃、30秒〜10分の連続炉での処理を示すことができる。又、冷間圧延途中又は、圧延後に薬液による表面洗浄を行っても良い。
上記冷間圧延後には、最終焼鈍を行って軟質箔とすることができる。また、本発明のアルミニウム箔は、上記冷間圧延後に、最終焼鈍を行うことなく硬質箔として提供されるものであってもよい。
なお、通常、エッチング処理前には、表面の清浄化などを目的としてアルカリや酸などを用いた化学的な前処理がなされる。本発明としては、エッチング前処理における処理内容が特定のものに限定されるものではない。
エッチング処理においては、無電解においてもピットが高密度で形成され、高い粗面化率が得られる。この箔を化成処理し、必要な耐電圧を得た後、常法により電解コンデンサに電極として組み込むことにより静電容量の高いコンデンサが得られる。
表1、2に示す組成(各成分量はppm、残部:99.9%以上Al+不可避不純物)のアルミニウム材を常法により溶製し、熱間圧延、冷間圧延を経て、厚さ100μmのアルミニウム箔を得た。
表1に示す供試材のアルミニウム箔は、そのまま硬質箔と、表2に示すアルミニウム箔には、300℃×4hrの最終焼鈍を行って軟質箔とした。それぞれの箔について引張強度を測定し、その結果を各表1、2に示した。
Claims (1)
- エッチングに供される電解コンデンサ低圧用または陰極用アルミニウム箔であって、質量比で、Fe:5〜50ppm未満、Si:5〜40ppmを含有し、さらにMn、Zn、Ni、Sn、Ag、Pt、Auの内、一種又は二種以上を合計で40超〜500ppm含有し、残部が99.9%以上のAlと不可避不純物よりなり、該不可避不純物中のCu量が15ppm未満に規制されていることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔。
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