JP3981769B2 - 重合反応生成物の精製方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は揮発成分を含む重合反応生成物の精製方法に関するものであり、さらに詳しくは溶液重合プロセスにおいて、重合工程後の重合反応生成物から効率よく未反応単量体、溶媒などの揮発成分を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明性・耐候性・表面光沢において特に優れた性質を有するメタクリレート系重合体は、近年、自動車・弱電部品や光学材料をはじめ照明、看板、ディスプレイなど多くの用途に幅広く使用されている。従来よりメタクリレート樹脂成形材料の製造方法として一般的な懸濁重合法は懸濁剤によるポリマーの汚染、水洗及び廃水処理工程の煩雑さなどの問題点を伴うことから、近年、溶液重合法が経済性や製品品質の点で優れたプロセスとして注目されている。
【0003】
この溶液重合法においては、重合終了後に重合液中に残存する未反応単量体あるいは溶媒等の揮発成分を除去する脱揮工程が不可欠である。このような重合反応生成物から揮発成分を除去する方法としては、重合反応生成物を高温に加熱して減圧雰囲気下に導き揮発成分を蒸発分離することが一般的に行われており、一度に大量の重合反応生成物を処理できるので商業的規模での大量生産に適している。この方法の一例として特公昭48−29797号公報に重合体溶液を多管熱交換器を用いて加熱し、発泡等を伴いながら減圧にした脱揮槽にフラッシュして揮発成分を除去する方法が報告されている。
【0004】
この方法では得られる重合体中の残存揮発分濃度を減少させるために予め重合反応生成物を十分高温に加熱する必要がある。また脱揮槽内にフラッシュされた重合反応生成物は揮発成分の蒸発により発泡し、このときの蒸発潜熱による冷却によって粘度が増大して揮発成分の分離が不十分となり易いので脱揮槽内で再加熱して流動性を維持しながら底部よりギヤポンプ等により連続的に重合体を排出する。このフラッシュ操作や排出操作において重合体の一部が飛散して脱揮槽壁面へ付着したり脱揮槽底部に滞留することが避けられない。以上のような操作条件から重合体は高温下に長時間曝されることになり熱劣化を招き易いことに加えて、ギヤポンプの接液部からのダストやメカニカルシール用オイル等による汚染も問題となる。特に透明性を特長とするメタクリレート系重合体ではわずかな変質劣化や汚染も着色等を引き起こし品質低下の原因となり易い。
【0005】
特開平1−172401号公報等に示されているようにメタクリレート系重合体の溶液重合では溶媒として一般にトルエン等のアルキルベンゼンが用いられることが多いが揮発性の点から脱揮槽を約150mmHg以下の絶対圧に保持しないと重合後の重合反応生成物からの揮発分の除去は困難である。この減圧度を維持するため蒸発分離した揮発成分の蒸気を急速に脱揮槽から排出しなければならないことやこの排気ガスから低圧の揮発分蒸気を熱交換器により凝縮して効率よく回収する必要があり、真空装置と冷凍設備にかかる負荷量が増大して経済的に不利な面も多い。
【0006】
特開平3−281504号公報では特定の形状の排出用ギヤポンプを備えた脱揮槽を用い、その回転数を制御しながら重合反応生成物をその歯車の噛み合い部に供給することで効率的な脱揮操作を目指しているが、大量の重合反応生成物を処理するためには大型の特殊なギヤポンプが必要となり、設備費用が嵩む上、接液面積や滞留部も増大するので汚染や熱劣化の影響も無視できない。
【0007】
また特公昭51−29914号公報には、重合反応生成物を高温に加熱してベント押出機の供給部スクリューに直接吹付けて揮発成分を蒸発させる方法が報告されているが、この方法でも大型のベント押出機が必要となり設備費用が増加するほか、蒸発部の容積が小さいので重合反応生成物の処理能力に限界があると考えられ、大量生産には必ずしも適していない。
【0008】
さらに特開昭62−89710号公報には、メタクリレート系重合反応生成物を高温に加熱し、上部に空間をもつ脱揮タンクに流延落下して揮発成分を除去後ベント押出機に供給して残存揮発分を1重量%以下に下げる方法が示されているが、予め重合反応生成物を200℃以上の高温度に加熱するとともに脱揮性能の高いベント押出機を使用する必要があり、重合体の熱劣化と設備費用増加の問題が解決された訳ではない。
【0009】
特願平05−279862号公報には、メタノール等の特定の溶媒を使用した溶液重合で得られたメタクリレート系重合反応生成物を加熱して加圧下に細孔または狭い間隙を通して大気圧付近の雰囲気中に放出し揮発分を蒸発分離した後、冷却して固化させることによるメタクリレート系重合体の製造方法が報告されている。この方法によると重合体を高温下に長時間滞留させることがないので熱劣化を伴わずに処理できるが、得られた重合体を成形材料として使用するためには押出機等による最終的な揮発分除去や添加物調合などの工程が必要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重合反応生成物から着色等の変質劣化を伴うことなく効率的に揮発成分を除去する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の低沸点溶媒を含む重合反応生成物を加熱した後、実質的に大気圧下に放出することにより、放出口付近において高表面積の液膜が形成され、大きな蒸発面積が確保される結果、効率よく重合反応生成物中の揮発成分の大部分が除去でき、さらにこの重合体組成物をベント押出機に供給して押し出すことで着色等の変質を伴うことなく成形材料として使用可能な高品質の重合体を製造し得ることを見いだし、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち本発明は、単量体、溶媒および/または副生成物からなる揮発成分を含む重合反応生成物から揮発成分を分離除去し、重合反応生成物を精製する方法において、(A)メタノールおよびアセトンから選ばれた少なくとも一種以上の溶媒を含む重合反応生成物を温度120〜270℃に加熱した後、(B)0.3〜1.9気圧に保持されたタンク内に放出して揮発成分を分離除去して得た重合反応生成物を、(C)温度160〜280℃、ベント部圧力1〜400Torrに設定したベント押出機に供給して押し出すことにより
重合体組成物の残存揮発分含量を1重量%以下にすることを特徴とする重合反応生成物の精製方法に関する発明である。
【0013】
本発明において重合反応生成物に含まれる溶媒は、メタノールまたはアセトンであればよいが、特に好適なものはメタノールである。これらは単独で、もしくは2種組み合わせて用いることもできるが、これらの溶媒が重合反応生成物中に含まれない場合は所望の量配合して調整するたとができる。これらの溶媒は以下の特徴を有することから揮発成分の効率的な分離操作が可能となった。
(1)低沸点で蒸発し易く、加熱することにより重合反応生成物を高圧に維持し放出時の発泡を促進する。
(2)メタクリレート系及びアクリレート系の単量体に対して共沸混合物のような低沸点混合物を形成するため単量体成分の蒸発を促進する。
(3)重合体に対しては加熱時には広範な濃度範囲で重合反応生成物の均一性を維持できる程の十分な溶解性を示す。
(4)これらの溶媒を含んだ重合反応生成物を冷却すると重合体に対する揮発成分の溶解性が急激に低下するため重合体と分離しやすく、重合体が装置や配管の内壁に付着し難くなる。
【0014】
重合反応生成物は、加熱器の出口からタンク内に直接放出することも可能であるが通常、吐出口にノズル等が設置される。これらのフラッシュノズルとしては各種のバルブや押出成形機等に用いられるダイが用いられる。例えば、バルブでは、ニードル弁、パージ弁、ベントプラグ及び重合器からの重合体の排出に用いられるダイヘッドバルブ等の各種バルブがあげられ、ダイとしては、造粒用のストランドダイのほか、マニホールドダイ、フィッシュテールダイ、コートハンガーダイ及びスクリューダイ等のシート用各種フラットダイ(Tダイ)、あるいはストレート型ダイ、クロスヘッド型ダイおよびオフセットダイ等のチューブ用各種サーキュラダイが挙げられる。これらは単独で、もしくは2種組み合わせて用いてもよい。
【0015】
これらのフラッシュノズルは加熱器側からタンク側にかけての圧力差を生み出すことで加熱器内を加圧下に保持し、急激な発泡脱揮が加熱器内まで及ぶのを防止して加熱器の熱交換能力を高めるとともにフラッシュされた重合反応生成物の表面積を拡大して揮発成分の蒸発分離を促進する。またこれらのフラッシュノズルにより放出された重合反応生成物はタンク内を一定の流速で速やかに垂直に流下するため発泡飛散してタンク内壁に付着することもなくなり、一定の断面形状に賦形されて押出機への安定した供給が可能となる。ストランドダイやバルブ類を用いる場合、細孔あるいはオリフィスの開口径は0.5〜15mmの範囲で選ばれ、好ましくは1〜10mmであり、その他のダイのスリット乃至間隙の幅は0.3〜8mmの範囲が好ましい。開口径が小さすぎると加熱器等の耐圧限度を越えるほどの圧力差が生じて危険であるし、開口径が大きすぎるとを発泡脱揮が加熱器内まで及んで安定したフラッシュ操作が困難になる。
【0016】
重合反応生成物の放出量に応じて最適の脱揮効果と経済性を考慮してフラッシュノズルの系列数が決定される。またフラッシュノズルはタンクの上部フランジ及び内部のいずれの位置に設置しても良いが、加熱器の出口に出来るだけ近接して取付け十分に保温される必要がある。タンクの内部に取り付ける場合はタンク下部に設置した押出機の供給部に接近させて押出機のスクリューにフラッシュされた重合反応生成物を直接吹き付けることが可能である。
【0017】
重合反応生成物は、タンク内で0.5〜1.9気圧の範囲の大気圧付近の雰囲気中に放出される。この場合、1.9気圧を越える加圧雰囲気では重合反応生成物に含まれるメタクリレート系単量体や溶媒等の揮発成分の蒸発速度が低く分離が不十分となり、0.5気圧未満の減圧雰囲気では低沸点の揮発成分の回収し、タンクの減圧度を維持するするために大がかりな真空装置や冷凍機が必要になり経済的でない。
重合体の変質や劣化を避けるためには窒素ガス等の不活性ガスおよび/または重合反応生成物を構成する揮発成分の蒸気から成る雰囲気が望ましく、揮発成分蒸気の排出を促進する目的で不活性ガスをタンク内に導入し流通させることができる。
【0018】
この場合、窒素や二酸化炭素等の不活性ガスが用いられるが特に窒素が好適である。重合反応生成物より蒸発分離した揮発成分は通常エジェクター、ブロワー、真空ポンプ等の排気装置でタンク内から排気し、コンデンサー等により、冷却・凝縮されて回収することが可能である。また、このとき導入した不活性ガス等の非凝縮性ガスの大部分も排気装置を経て回収されブロワー等によりタンクに戻され循環使用することができる。
【0019】
特定の溶媒を含み十分な圧力と流動性を有する温度に加熱された重合反応生成物を、フラッシュノズルを通して大気圧付近の雰囲気中に放出すると、重合反応生成物中の溶媒が先ず吐出口付近で急激に蒸発し、重合体は発泡しながら噴出する。このとき大きな蒸発面積が確保されることにより重合反応生成物中の他の揮発成分、主に単量体も同時に蒸発し、効果的に分離除去できる。特に加熱器内の加圧状態がフラッシュ時の揮発分分離に大きな影響を及ぼし、加熱器のフィード口圧力を3〜60Kg/cm2 、好ましくは7〜40Kg/cm2 維持することで重合体組成物が効率的に脱揮される。
【0020】
タンク内に放出された重合反応生成物は揮発成分の蒸発潜熱や流通する不活性ガスにより冷却されて発泡したまま高粘度状態になる。このときタンク内の温度は50〜260℃、好ましくは80〜170℃の範囲に維持される。温度50℃以下では発泡した重合体が急激に固化して揮発成分が分離しにくくなる上、分離した揮発成分がタンク内で凝縮して除去が困難になり、260℃以上では重合体が熱劣化を起こし易くなる。
【0021】
重合体はその性状と加熱温度に応じてタンク内で固体から溶融状態までを種々の形態をとり得るがタンクからの排出及び押出機への供給が安定して可能であればいずれの形態でも差し支えない。但し重合体が完全に固化するとタンク下部でブリッジを形成して閉塞し易くなり押出機への供給に支障をきたすこともある一方、流動性の高い溶融状態ではタンク下部や押出機の供給部の内壁上に流延して滞留し易くなり熱劣化や汚染の原因ともなるので、適当な柔軟性・可塑性を有し且つ内壁等に付着し難い形態が好ましい。
タンク内の重合反応生成物、不活性ガス及び揮発成分の導入量と排出量の熱バランスをとることにより特別に外部からの加熱冷却を行わずとも自然にこの好適な温度範囲に保持することも可能である。タンクから排出される重合反応生成物の残存揮発分濃度は0.5〜12重量%、好ましくは1〜8重量%に維持され、通常直接、ベント押出機に供給されるが、タンク内に破砕機を組み込むことで破砕した後導入することも可能である。
【0022】
用いられる押出機としてはフロントベントを少なくとも1個備えた一般的な仕様のベント押出機が選択され、例えば単軸及び二軸のベント押出機が好適であるが目的に応じて多段のフロントベント乃至リヤベントを備えた押出機も用いられる。押出機のL/Dは20〜40程度が好ましい。ベント押出機各部の温度は製造される重合体の品種・銘柄に応じて賦形に適した温度に設定されるが、通常ベント部やバレルの温度は160〜280℃、好ましくは180〜250℃に保たれる。
【0023】
また、ベント部の圧力は1〜400Torr、特に50〜200Torrが好ましい。タンク中で大半の揮発成分が分離除去されているのでベント部を特に高真空に保つ必要はない。ベント押出機内の重合反応生成物の滞留時間が1〜30分、好ましくは2〜15分になるようにスクリュー回転数が決定される。さらに同時にこの押出機により重合体中への紫外線吸収剤、滑剤、安定剤、着色剤乃至ブルーイング剤等の添加物の調合も可能である。このようにして押し出された重合体はペレタイザー、ホットカットペレタイザー等により細断され、残存揮発分1重量%以下、通常0.5重量%以下の成形材料として使用可能な重合体が得られる。
【0024】
重合反応生成物の加熱温度は、重合反応生成物中の揮発成分の組成や蒸発潜熱に依存するが、一般的には温度120〜280℃の範囲で選択され、該重合反応生成物の粘度や熱安定性も考慮して150〜260℃が好ましく、さらに好ましくは170〜250℃である。また加熱器内の圧力は重合反応生成物中の揮発成分組成、重合反応生成物の加熱温度並びに供給速度、不活性ガスの導入量、また加熱器とフラッシュノズルによる圧力損失等に依存するが加熱器、ダイ及び配管等の耐圧限度を越えなければ差し支えない。
【0025】
重合反応生成物を加熱するには熱交換器が一般的に使用され、多管式熱交換器、プレートフィン型熱交換器及びスタティックミキサー型熱交換器等が好適であるが、攪拌槽あるいはスクリューや攪拌機を備えた横型反応機等を使用してもよい。重合反応生成物の熱変性を避けるため出来る限り短時間で所定温度まで均一に昇温する必要があり、効率的に熱交換される構造が望ましい。
この加熱器はタンクの上部フランジ上あるいは内部のいずれの位置に設置しても良いが、加熱した重合反応生成物は速やかにフラッシュされるように出来るだけタンクと接近させる。
【0026】
本発明の方法は以上のように従来の重合反応生成物を高温のタンク内で溶融させてギヤポンプ等により排出する方法に比べて設備が簡略化され操作温度も緩和になり、熱履歴の短縮や汚染原因となる機器との接触面積の縮少によって、特に熱劣化や汚染を嫌う重合体であっても着色を抑えて外観を損なわずに処理できるという利点がある。加えて揮発成分の減圧回収、タンクの真空保持及び重合反応生成物の流動性維持にかかわるエネルギー消費量が節減されるとともに真空装置、凝縮器及び押出機等の設備能力も低くて済む。
この結果ユーテイリティー原単位や設備コストが低減され、経済的に有利に重合体を製造することが可能となる。
【0027】
本発明の重合体とは、メチルメタクリレート単独またはメチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートと共重合可能な下記単量体からなる単量体混合物の重合により生成した共重合体をいう。該重合反応生成物は、組成物中重合体90〜30重量%に対して未反応の単量体成分5〜55重量%を含む。
メチルメタクリレートと共重合される単量体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、スチレン、N−フェニルマレイミド等が挙げられるが、上記の中でもメチルメタクリレートとメチルアクリレート、メチルメタクリレートとn−ブチルアクリレート、メチルメタクリレートとスチレンの組み合わせが特に好適である。
【0028】
メタクリレート系重合体の特長である透明性や耐候性等の樹脂特性を損なわないためにもメチルメタクリレートを50重量%以上、特には75〜100重量%含む重合体が望ましいがメチルメタクリレートとスチレンの共重合体については5〜74重量%のメチルメタクリレートと26〜95重量%のスチレンから構成される重合体であってもよい。
【0029】
本発明の揮発成分の除去方法は連続的な溶液重合法あるいは塊状重合法によるポリマー製造プロセスに重合体の分離工程として適用することが可能であるが、その場合、重合反応生成物の連続的な調製方法としては、例えば(1)メチルメタクリレート乃至スチレンを主成分とする単量体成分とメタノール等の前記溶媒との混合物を重合開始剤及び連鎖移動剤の存在下、連続的に溶液重合を行う方法、および(2)メチルメタクリレート乃至スチレンを主成分とする単量体成分単独あるいは共重合用の単量体成分と少量のメタノール等の前記溶媒との混合物を重合開始剤及び連鎖移動剤の存在下、塊状重合を行った後、反応物に対してメタノール等の前記溶媒を追添加・混合する方法が考えられる。
【0030】
いずれの方法でも重合体が製造可能であるが単量体成分及び生成する重合体の物理化学的特性やプロセス上の利点を考慮して最適な組成及び方法が選択されれば良い。また、その他の各種の方法で得られる重合反応生成物の処理にも本法は適用できる。
【0031】
本発明における重合反応生成物は重合体、単量体成分及び溶媒を主成分とし重合時に添加した重合開始剤、連鎖移動剤及び添加剤に由来する成分を含む。また、上記のメタノール等を溶媒として用いた溶液重合法の重合液をそのまま処理してもよいし、また塊状重合法あるいは溶液重合法の重合液にメタノール等の溶媒を添加して調製してもよい。重合体組成は、30〜90重量%であり、重合体が90重量%を越えると重合反応生成物が高粘度になり配管中や加熱器内の移動・流通が困難になる。
また重合体濃度が30重量%未満では得られる重合体中の残存揮発分も多くなり、更に生産効率も低下するので実用的でない。重合反応生成物は単量体成分を5〜55重量%、望ましくは10〜40重量%の範囲で含む。
【0032】
単量体成分が5重量%未満の重合反応生成物を得るのは現実的に困難であり、単量体成分が55重量%を越えると得られる重合体中の残存量が増加し実用的でない。さらに溶媒は重合反応生成物中に5〜65重量%、望ましくは6〜35重量%の範囲で含まれることが必要である。該溶媒濃度が5重量%未満の場合は重合体中の残存揮発分も多くなり、該溶媒濃度が65重量%を越えると生産性が低下し非効率である。またこの重合反応生成物は均一で流動性のある粘度を有する温度に保持される必要があり、特にメタノール等を用いた溶液重合を行う場合は重合温度付近に維持するのが好ましい。
【0033】
本発明において重合反応生成物は単量体成分の溶媒に対する重量比が0.3〜8であることが好ましく、特には0.5〜4が好ましい。単量体成分の溶媒に対する重量比が上記範囲の場合に、揮発成分の除去が効率的に行うことができる。
【0034】
本発明をさらに具体的に例示するが、これらに限定されるものではない。
図1は、本発明の方法の実施に用いた装置の概略のフローシートである。
重合反応生成物を攪拌槽1内で調製し、定量ポンプ2により所定の流量で加熱器3に供給し、所定温度まで加熱する。加熱器の出口はタンク6に直結されている。コントロールバルブ4により加熱器内圧及び吐出流量を調整しながら、フラッシュノズル5を通して重合反応生成物をタンク6内にフラッシュする。このとき窒素ガスをタンク下部の導入口7よりも導入して槽内を流通させる。
【0035】
蒸発した揮発成分はタンク上部の排気口8より窒素ガスとともに排出されコンデンサー10で凝縮し受器11に捕集される。窒素ガスは一部は系外に排気されるが、大部分はブロワー13によりタンク6に戻され系内で回収・循環使用される。噴出する発泡した重合体はタンク6内を流下し底部に直結されたベント押出機9の供給部に導入され連続的に押し出され、ペレタイザー15にて各種成型機への使用に適したペレットに加工される。ベント押出機9中で分離した揮発成分は排気装置によってベント口から吸引され蒸留搭14により高沸点成分を除去した後、コンデンサーにより揮発成分を回収し排気装置へ送られる。窒素ガスはバルブ12より補給され系内は所定の圧力に維持される。
【0036】
図2は、本発明の方法を適用した連続溶液重合法によるポリマー製造プロセスの概略のフローシートである。この場合、調合槽17において単量体成分、メタノール等の前記溶媒、重合開始剤及び連鎖移動剤等を調合し原料液を調製した後、定量ポンプ18により一定の流量で完全混合重合反応器16に供給し連続的に重合させる。この重合液を定量ポンプ2により抜出し加熱器3に導入して以下図1と同様に処理し重合体を連続的に製造する。
【0037】
図3は、連続塊状重合法によるポリマー製造プロセスにおいて抜き出された重合液にメタノール等の前記溶媒を追添加・混合した例である。この場合は図2と同様に調合槽17において単量体成分、重合開始剤及び連鎖移動剤等を調合し原料液を調製した後、定量ポンプ18により一定の流量で完全混合重合反応器16に供給し重合させる。この重合液を定量ポンプ2により抜出し、メタノール等の前記溶媒を注入口20より連続的に追添加し、混合器19により均一に混合した後、加熱器3に導入して以下図1と同様に処理し重合体を連続的に製造する。
各部の温度及び圧力は外部加熱装置や圧力調整弁により変更可能であり、各部における重合反応生成物及び揮発成分の温度及び圧力が測定される。供給する重合反応生成物の流量及び組成は任意に変更可能である。
【0038】
図4に使用したフラッシュノズルの一例としてベントプラグの断面積を示す。
【0039】
【実施例】
次に実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。ここで記された「部」及び「%」は全て重量部及び重量%を示す。
以下の実施例において重合体の物性測定は次の方法によった。
(1)重合体に含まれる揮発成分はガスクロマトグラフィーにより分析し、含有量を定量した。
(2)成形品の全光線透過率(%)はASTM D1003に準じて測定した。
【0040】
実施例で用いた主要装置の仕様は以下の通りである。
攪拌槽及び重合槽:実容量6リットルの熱媒循環ジャケット、マックスブレンド翼を装備
移送用定量ポンプ:イワキ(株)製、型式:LD−112型
加熱器 :ノリタケカンパニー(株)製、スタティックミキサーN60型,ジャケット付き
タンク :ジャケット、コンデンサーおよび貯槽付き
抜出用ギヤポンプ:ゼニス(株)製、型式:HPB型
【0041】
フラッシュノズルとしては以下のバルブ及びダイを使用した。
(A) ベントプラグ:オリフィス径4.0mm
(B) ダイヘッドバルブ:オリフィス径6.0mm
(C) ストランドダイ:開口径2.5mm
(D) Tダイ:フィッシュテール型,幅25mm×間隙1.5mm
(E) サーキュラダイ:スパイダー型,φ18mm×φ20mm
押出機:単軸、φ40mm、L/D=29、フロントベント1ヶ付き
【0042】
表1〜4中に使用した記号の略号を以下に説明する。
MMA:メチルメタクリレート ME :メタノール
MA :メチルアクリレート ST :スチレン
EA :エチルアクリレート TOL:トルエン
BA :n-ブチルアクリレート AC :アセトン
ND:ガスクロマトグラフィーの検出限界(0.01%)以下を示す。
【0043】
参考例3
図1の装置を用いポリメチルメタクリレート60.0部、メチルメタクリレート25.6部、メチルアクリレート1.1部、メタノール13.3部を含むメタクリレート系重合反応生成物(供給液)5kgを攪拌槽1内に添加し、150℃に保って定量ポンプ2により1kg/hの流量で加熱器3に供給し、フラッシュノズル5(ベントプラグ)を通して窒素ガス雰囲気下のタンク6内に放出した。重合反応生成物は加熱器内で200℃まで昇温され、このとき加熱器導入部の圧力は25kg/cm2であった。発生する揮発成分蒸気はタンク上部の排気口9
より排出し、コンデンサー11を通して揮発分を凝縮させ貯槽12に捕集した。揮発分は理論量の93%の0.37kg/hで回収され、メチルメタクリレート63%、メチルアクリレート2.5%及びメタノール32.5%が含まれた。非凝縮性のガスはブロワー14によってタンク6に戻し系内を循環させながら、系内圧力を0.9〜1.1気圧に維持した。
【0044】
フラッシュされた重合体はタンク6内で約80℃まで冷却され、外径約3mmの発泡したストランド状に流下した。この重合体中には残存揮発分としてメチルメタクリレート3.3%、メチルアクリレート0.14%及びメタノール0.03%が含まれた。この重合体を直接タンク6の排出口に直結されたベント押出機10の供給部に供給し、バレル温度230℃、ベント真空度150Torrで、さらに揮発成分を除去しペレタイザー16によりペレット状重合体を得た。
ベント押出機10のベント口から排気された揮発成分蒸気は蒸留搭15に導かれ高沸点成分を分離除去し、コンデンサーにより単量体成分を回収した。得られた重合体中の残存揮発成分はメチルメタクリレート0.22%、メチルアクリレート0.01%及びメタノールは検出限界以下であり、総揮発分濃度0.23%であった。また全光線透過率は93%であり、無色透明で良好な外観を呈した。
【0045】
実施例5、参考例4〜7
参考例3と同一組成の重合反応生成物(供給液)を調製し、同様の方法により各種条件で脱揮処理し、ベント押出機によりペレット状の重合体を取得した。表1に重合反応生成物の組成、加熱温度及び供給速度、脱揮条件、脱揮・押出処理により得られた重合体の残存揮発成分及び全光線透過率を示す。
【0046】
参考例8〜11
参考例3と同一組成の重合反応生成物(供給液)を調製し、各種のフラッシュノズルを用いて参考例3と同様の方法により脱揮処理し、ベント押出機によりペレット状の重合体を取得した。結果は同様に表2に示されている。
【0047】
参考例12〜20
各種組成の重合反応生成物(供給液)を調製し、参考例3と同様の方法により脱揮処理し、ベント押出機によりペレット状の重合体を取得した。結果は同様に表2〜表4に示されている。
【0048】
比較例1
実施例1と同様の装置を用いポリメチルメタクリレート60部、メチルメタクリレート25.6部、メチルアクリレート1.1部及びトルエン13.3部を含む重合反応生成物(供給液)を調製し150℃に保って1kg/hの流量で加熱器3に供給した。 これから実施例1と同様の条件で脱揮したが、このときの加熱器3の内圧は8kg/cm2 であった。外径約4mmのストランド状に分離された重合体中には残存揮発分としてメチルメタクリレート8.3%、メチルアクリレート0.35%及びトルエン6.3%が含まれ、発泡の程度は少なかった。この重合体を同様に押出機により処理したところ、得られたペレット状重合体はメチルメタクリレート0.62%、メチルアクリレート0.03%及びトルエン0.65%を含み、総揮発分濃度1.3%であった。
【0049】
比較例2
実施例1と同様の装置を用いポリメチルメタクリレート71部、メチルメタクリレート27.8部及びメチルアクリレート1.2部を含む重合反応生成物(供給液)を調製し150℃に保って1kg/hの流量で加熱器3に供給した。
これから実施例1と同様の条件で脱揮したところ、このときの加熱器3の内圧は7kg/cm2 であった。外径約4mmのストランド状に分離された重合体中には残存揮発分としてメチルメタクリレート8.5%及びメチルアクリレート0.35%が含まれた。この重合体を同様に押出機により処理したところ、得られたペレット状重合体は残存揮発成分としてメチルメタクリレート1.05%及びメチルアクリレート0.04%を含み、総揮発分濃度1.09%であった。
【0050】
参考例1
図2の装置を用いて連続溶液重合を行った。メチルメタクリレート83.2部、メチルアクリレート3.5部、メタノール13.3部、ジ-tert-アミルパーオキサイド0.01部及びn−ドデシルメルカプタン0.23部を調合槽15において窒素雰囲気下に混合し原料液を調製する。重合槽17に予めこの原料液4.6kgを添加して密閉し、150℃に昇温して単量体転化率69%及び重合体濃度60%に到達するまで重合させ、次に原料液を1kg/hの流量で重合反応器17に連続的に供給する。重合反応器17における反応温度を150℃、平均滞留時間を4.6時間にすることにより重量平均分子量約10万のポリメチルメタクリレート系重合体60部、メチルメタクリレート25.6部、メチルアクリレート1.1部及びメタノール13.3部を含む重合反応生成物が生成された。
【0051】
参考例21
図2の装置を用いて参考例1で生成される重合反応生成物(供給液)を連続的に定量ポンプ2により1kg/hの流量で加熱器3に供給し、その後参考例3と同様の条件で脱揮し、このときの加熱器3の内圧は25kg/cm2 であった。
タンク内で外径約8mmの発泡ストランド状に分離された重合体中には残存揮発成分としてメチルメタクリレート3.4%、メチルアクリレート0.14%及びメタノール0.03%が含まれた。この重合体を参考例3と同様の条件でベント押出機で処理して得られたペレット中の残存揮発成分はメチルメタクリレート0.36%及びメチルアクリレート0.01%を含み、総揮発分濃度0.37%であった。メタノールは検出限界以下であった。また全光線透過率は93%であり、無色透明で良好な外観を呈した。
【0052】
参考例2
図3の装置を用いて連続塊状重合を行った。メチルメタクリレート96部、メチルアクリレート4部、ジ-tert-ブチルパーオキサイド0.018部及びn−ドデシルメルカプタン0.2部を調合槽15において窒素雰囲気下に混合し原料液を調製する。重合槽17に予めこの原料液4.6kgを添加して密閉し、150℃に昇温して単量体転化率60%に到達するまで重合させ、次に原料液を1kg/hの流量で重合槽17に連続的に供給する。重合槽17における反応温度を150℃、平均滞留時間を4.6時間にすることにより重量平均分子量10万のポリメチルメタクリレート系重合体60部、メチルメタクリレート38.4部及びメチルアクリレート1.6部を含む重合反応生成物が生成された。
【0053】
参考例22
図3の装置を用いて参考例2で生成される重合反応生成物(供給液)を定量ポンプ2により1kg/hの流量で連続的に抜出した後、メタノールを注入口21より0.153kg/hの流量で追添加して混合器20により均一に混合しポリメチルメタクリレート52.0部、メチルメタクリレート33.3部、メチルアクリレート1.4部及びメタノール13.3部を含む重合反応生成物を調製した。この重合反応生成物を1.153kg/hの流量で連続的に加熱器3に供給し、これから参考例3と同様の条件で脱揮した。このときの加熱器3の内圧は24kg/cm2 であった。
【0054】
タンク内で外径約7mmの発泡ストランド状に分離された重合体中には残存揮発成分としてメチルメタクリレート4.1%、メチルアクリレート0.17%及びメタノール0.03%が含まれた。この重合体を実施例1と同様の条件でベント押出機で処理して得られたペレット中の残存揮発成分はメチルメタクリレート0.35%及びメチルアクリレート0.01%を含み、総揮発分濃度0.36%であった。メタノールは検出限界以下であった。また全光線透過率は93%であり、無色透明で良好な外観を呈した。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、メタノール等の所定の溶媒を含む重合反応生成物を加熱・加圧し、大気圧付近の雰囲気中に放出することにより、揮発成分が分離しながら重合体が取り出され、容易に重合体が分離・精製でき、着色等の変質を伴うことなく高品質の重合体を製造することが可能となる。低廉な設備費用で,脱気効率の向上と長期にわたる装置の安定運転が可能となる。
【0056】
表1
実施例、参考例番号 参3 参4 参5 参6 実5 参7
使用コモノマー MA MA MA MA MA MA
共重合体中の組成(モル%) 4 4 4 4 4 4
使用溶媒 ME ME ME ME ME ME
供給液の組成(%)
重合体 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0
MMA 25.6 25.6 25.6 25.6 25.6 25.6
コモノマー 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1 1.1
溶媒 13.3 13.3 13.3 13.3 13.3 13.3
供給液温度(℃) 150 150 150 150 150 150
供給速度(kg/hr) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
加熱器出口温度(℃) 200 200 200 200 180 220
加熱器導入部内圧(kg/cm2) 25 35 23 20 20 30
使用フラッシュノズル (A) (A) (A) (A) (A) (A)
タンク内圧(気圧) 1.0 1.0 1.2 0.6 1.0 1.0
脱揮後の残存揮発成分(%)
MMA 3.30 3.60 5.10 1.80 4.00 2.20
コモノマー 0.14 0.15 0.21 0.08 0.17 0.09
溶媒 0.03 0.02 0.03 0.03 0.03 0.03
押出機バレル温度(℃) 230 230 230 230 230 230
押出機ベント真空度(Torr) 150 150 150 150 150 150
押出ペレット中の残存揮発成分(%)
MMA 0.22 0.24 0.34 0.12 0.27 0.15
コモノマー 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01
溶媒 ND ND ND ND ND ND
全光線透過率(%) 93 93 93 93 93 93
【0057】
表2
参考例番号 8 9 10 11 12 13
使用コモノマー MA MA MA MA MA MA
共重合体中の組成(モル%) 4 4 4 4 4 4
使用溶媒 ME ME ME ME ME ME
供給液の組成(%)
重合体 60.0 60.0 60.0 60.0 50.0 70.0
MMA 25.6 25.6 25.6 25.6 35.2 20.5
コモノマー 1.1 1.1 1.1 1.1 1.5 0.9
溶媒 13.3 13.3 13.3 13.3 13.3 8.6
供給液温度(℃) 150 150 150 150 150 150
供給速度(kg/hr) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
加熱器出口温度(℃) 200 200 200 200 200 200
加熱器導入部内圧(kg/cm2) 26 20 25 25 27 15
使用フラッシュノズル (B) (C) (D) (E) (A) (A)
タンク内圧(気圧) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
脱揮後の残存揮発成分(%)
MMA 3.20 3.50 3.40 2.60 5.20 2.10
コモノマー 0.13 0.15 0.14 0.11 0.22 0.09
溶媒 0.03 0.02 0.02 0.01 0.03 0.03
押出機バレル温度(℃) 230 230 230 230 230 230
押出機ベント真空度(Torr) 150 150 150 150 150 150
押出ペレット中の残存揮発成分(%)
MMA 0.21 0.23 0.23 0.17 0.35 0.14
コモノマー 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01
溶媒 ND ND ND ND ND ND
全光線透過率(%) 93 93 93 93 93 93
【0058】
表3
参考例番号 14 15 16 17 18 19
使用コモノマー MA MA MA MA EA BA
共重合体中の組成(モル%) 4 9 13 4 4 4
使用溶媒 ME ME ME AC ME ME
供給重合反応生成物の組成(%)
重合体 40.6 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0
MMA 28.2 24.3 23.2 25.6 25.6 25.6
コモノマー 1.2 2.4 3.5 1.1 1.1 1.1
溶媒 30.0 13.3 13.3 13.3 13.3 13.3
供給液の温度(℃) 150 150 150 150 150 150
供給速度(kg/hr) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
加熱器出口温度(℃) 200 200 200 200 200 200
加熱器導入部内圧(kg/cm2) 30 25 26 20 25 25
使用フラッシュノズル (A) (A) (A) (A) (A) (A)
タンク内圧(気圧) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
脱揮後の残存揮発成分(%)
MMA 1.50 3.40 3.20 3.60 1.20 1.00
コモノマー 0.06 0.34 0.48 0.15 0.05 0.04
溶媒 0.03 0.02 0.03 0.03 0.03 0.03
押出機バレル温度(℃) 230 210 180 230 230 230
押出機ベント真空度(Torr) 200 150 150 150 150 150
押出ペレット中の残存揮発成分(%)
MMA 0.32 0.30 0.33 0.31 0.34 0.32
コモノマー 0.01 0.01 0.08 0.08 0.08 0.08
溶媒 ND ND ND ND ND ND
全光線透過率(%) 93 93 93 93 93 93
【0059】
表4
参考例、比較例番号 参20 参21 参22 比1 比2
使用コモノマー ST MA MA MA MA
共重合体中の組成(モル%) 20 4 4 4 4
使用溶媒 ME ME ME TOL ME
供給液の組成(%)
重合体 50.3 60.0 60.0 60.0 71.0
MMA 29.1 25.6 25.6 25.6 27.8
コモノマー 7.3 1.1 1.1 1.1 1.2
溶媒 13.3 13.3 13.3 13.3 0.0
供給液の温度(℃) 150 150 150 150 150
供給速度(kg/hr) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
加熱器出口温度(℃) 200 200 200 200 200
加熱器導入部内圧(kg/cm2) 25 25 24 8 7
使用フラッシュノズル (A) (A) (A) (A) (A)
タンク内圧(気圧) 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
脱揮後の残存揮発成分(%)
MMA 4.10 3.40 4.10 8.30 8.50
コモノマー 1.03 0.14 0.17 0.35 0.35
溶媒 0.03 0.03 0.03 6.30 0.05
押出機バレル温度(℃) 220 230 230 230 230
押出機ベント真空度(Torr) 150 150 150 150 150
押出ペレット中の残存揮発成分(%)
MMA 0.32 0.36 0.35 0.62 1.05
コモノマー 0.08 0.02 0.01 0.03 0.04
溶媒 ND ND ND 0.65 ND
全光線透過率(%) 93 93 93 93 93
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜14で用いた装置のフローの概略図である。
【図2】 溶液重合法による重合体製造プロセスに本発明の方法を適用した実施例15のフローの概略図である。
【図3】 塊状あるいは溶液重合法による重合体製造プロセスにおいて重合液に前記溶媒を追添加・混合することにより本発明の方法を適用した実施例16のフローの概略図である。
【図4】 ベントプラグの断面図である。
【符号の説明】
1:攪拌槽
2:定量ポンプ
3:加熱器
4:コントロールバルブ
5:フラッシュノズル
6:タンク
7:導入口
8:排気口
9:ベント押出機
10:凝縮器(コンデンサー)
11:受器
12:バルブ
13:ブロワー
14:蒸留搭
15:ペレタイザー
16:完全混合重合反応器
17:調合槽
18:定量ポンプ
19:混合器
20:注入口
Claims (7)
- 単量体、溶媒および/または副生成物からなる揮発成分を含む重合反応生成物から揮発成分を分離除去し、重合反応生成物を精製する方法において、(A)溶媒であるメタノールを含む重合反応生成物を温度120〜180℃に加熱した後、(B)0.3〜1.9気圧に保持されたタンク内に放出して揮発成分を分離除去して得た重合反応生成物を、(C)温度160〜280℃、ベント部圧力1〜400Torrに設定したベント押出機に供給して押し出すことにより得られた、
重合体組成物の残存揮発分含量を1重量%以下にすることを特徴とする重合反応生成物の精製方法。 - 重合反応生成物が単量体5〜55重量%および溶媒であるメタノール5〜65重量%を含むものである請求項1記載の重合反応生成物の精製方法。
- 単量体および溶媒であるメタノールを含む重合反応生成物を温度150〜180℃に加熱し、フラッシュノズルを通して、0.5〜1.5気圧に保持されたタンク内に放出する請求項1記載の重合反応生成物の精製方法。
- 重合反応生成物に含まれる重合体が単量体成分として75〜100重量%のメチルメタクリレートによって構成されるかあるいは5〜74重量%のメチルメタクリレートと26〜95重量%のスチレンから構成されるものである請求項1記載の重合反応生成物の精製方法。
- 重合反応生成物を放出するフラッシュノズルがストランドダイ、ダイヘッドバルブ、ベントプラグ、フラットダイ(Tダイ)およびサーキュラダイから選ばれたものである請求項3記載の重合反応生成物の精製方法。
- 重合反応生成物が塊状重合体または溶液重合により得られる重合反応生成物に溶媒であるメタノールを添加混合して調製されたものである請求項1記載の重合反応生成物の精製方法。
- 重合反応生成物中の溶媒であるメタノールに対する単量体成分の重量比が0.3〜8である請求項1記載の重合反応生成物の精製方法。
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