JP3981301B2 - メタルハライドランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルハライドランプの発光管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、セラミック製の発光管を用いたメタルハライドランプは、石英製の発光管を用いたメタルハライドランプに比較して、高効率で高演色性であり、また長寿命であることから、主に店舗などの屋内照明用として普及が進んでいる。
【0003】
図5および図6のそれぞれは、従来のセラミック製の発光管を用いたメタルハライドランプの構成である。発光管28の構成としては、発光管容器29が多結晶体アルミナセラミック材料からなる放電発光管部30とその両端部に焼結された一対の細管部31、32から構成されている。発光管28の両端には一対のタングステンコイル電極33、34が設けられている。また、前記発光管細管部31、32にはニオブあるいは導電性サーメットからなる給電体35、36がフリット37により気密封着され、前記給電体35、36のそれぞれに前記タングステン電極33、34が接続されている。発光管28内には金属ハライドからなる発光物質38と、緩衝ガスとしての水銀およびアルゴンなどの始動補助用希ガスがそれぞれ封入されている。前記発光管28を備えたランプ39の全体構成としては、図6に示すように、発光管28が石英あるいは硬質ガラスからなる外管バルブ40の内部に設置され、外管バルブ40には口金41が装着されている。外管バルブ40の内部には窒素主体のガスが約50kPa封入されている。なお、前記ランプ39は、通常始動装置内蔵の電子形安定器あるいは銅鉄形インダクタンス安定器で点灯される。
【0004】
また、従来から一般屋内および屋外照明用メタルハライドランプに適用できる発光物質として、例えば特開昭57-92747号公報、米国特許第5973453号明細書などにおいて、セリウム沃化物・ナトリウム沃化物との組合せでセリウム沃化物の有用性が提案されている。このセリウム沃化物の発光物質としての特徴は、セリウムの発光スペクトルの多くが人間の目の比視感度の高い領域に分布しており、それだけより高いランプ効率が得られることである。この場合、白色光源色が得られる適正なNaI/CeI3のモル組成比として、例えば米国特許第5973453号明細書、特表2000-501563号公報では3〜25(CeI3組成比12.2〜53.7wt%に相当)の範囲が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の発光物質としてセリウム沃化物とナトリウム沃化物が封入されたメタルハライドランプでは、点灯時間の経過とともに、光束維持率が著しく低下するという問題とともに、ランプ色温度が大きく変化するという問題があった。
【0006】
本発明者らは、上記問題が起こる原因について調べたところ、封入したセリウムハロゲン化物とセラミック材料とが反応し、発光に寄与するセリウムハロゲン化物が著しく減少してしまうことを見い出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のメタルハライドランプは、外囲器が酸化物透光性セラミック材料からなる発光管を備え、前記発光管内には、発光物質としてセリウムハロゲン化物、および前記セリウムハロゲン化物に比べて前記セラミック材料と反応し易い希土類元素のハロゲン化物がそれぞれ封入されており、
前記セリウムハロゲン化物の封入量を100モル部としたとき、前記希土類元素のハロゲン化物の封入量が、1.5モル部以上100モル部以下の範囲であり、
前記発光管には、さらにタリウムハロゲン化物およびインジウムハロゲン化物が封入されており、
前記タリウムハロゲン化物の封入量が金属ハロゲン化物全体に対し1 . wt% 以上7 . wt% 以下の範囲であり、前記タリウムハロゲン化物と前記インジウムハロゲン化物の封入量の比が、
0.6≦TlX wt% /InX wt% ≦4 . 0(ただし、Xはハロゲン)
の範囲であることを特徴とする。
【0008】
前記メタルハライドランプにおいては、希土類元素のハロゲン化物が、スカンジウムハロゲン化物、ガドリニウムハロゲン化物、テルビウムハロゲン化物、ディスプロシウムハロゲン化物、ホルミウムハロゲン化物、エルビウムハロゲン化物、ツリウムハロゲン化物、イッテルビウムハロゲン化物、ルテチウムハロゲン化物、サマリウムハロゲン化物、イットリウムハロゲン化物およびユウロピウムハロゲン化物から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。また、ハロゲンは臭素(Br)もしくは沃素(I)が好ましい。前記希土類元素のハロゲン化物においては、とくにセリウム沃化物(CeI3)を用いるのが好ましい。
【0009】
また、前記セリウムハロゲン化物の封入量を100モル部としたとき、前記希土類元素のハロゲン化物の封入量が、1.5モル部以上100モル部以下の範囲である。これにより、酸化物系透光性セラミック材料とセリウムハロゲン化物以外の希土類元素のハロゲン化物とが優先的に反応し、酸化物系透光性セラミック材料とセリウムハロゲン化物との反応を抑制することができる。その結果、発光に寄与するセリウムハロゲン化物が減少するのを抑制することができるとともに、ランプ色温度の変化を低減させることができる。
【0010】
また前記発光管には、さらにタリウムハロゲン化物およびインジウムハロゲン化物が組み合されて封入されていることが好ましい。
【0011】
また、前記タリウムハロゲン化物の封入量が金属ハロゲン化物全体に対し、1.0wt%以上7.0wt%以下の範囲であり、前記タリウムハロゲン化物と前記インジウムハロゲン化物の封入量の比が0.6≦TlXwt%/InXwt%≦4.0(ただし、Xはハロゲン)の範囲であることが好ましい。これにより、放電アークの広がり効果が得られ、局所的な発光管温度の上昇を抑制することができる。その結果、ハロゲン化物と酸化物系透光性セラミック材料の反応を抑制し、ランプ寿命を改善できる。
【0012】
また本発明のメタルハライドランプは、定格寿命時間が12000hrs以上、および初期状態でランプ効率が117 lm/W以上であることが好ましい。ここで、「初期状態」とは、エージング時間100時間経過時点の状態をいう。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のメタルハライドランプ発光管それ自体の構造は、従来と同一であってもよいし、応用したものであってもよい。本発明は、光束維持率を高く維持し、かつランプ色温度を大きく変化させないため、セリウムハロゲン化物に比べてセラミック材料と反応し易い封入物を見い出した点に特徴がある。
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図1および図2を用いて説明する。
【0015】
図1および図2のそれぞれは、本発明の実施の形態であるランプワット200Wのアルミナセラミック管メタルハライドランプの発光管構成およびランプ全体構成を示す。
【0016】
発光管1は、発光管容器2が多結晶体アルミナセラミックからなる放電発光管部3とその両端部に焼結された一対の細管部4,5を含んで構成されている。前記発光管容器2としては、多結晶体アルミナセラミック以外に、酸化物系の透光性セラミックであれば同様に使用できる。例えばAl23(アルミナ),Y3Al53(YAG),BeO,MgO,Y23,Yb23,ZrO2等も使用できる。
【0017】
発光管1の両端には一対のタングステンコイル電極6,7が設けられており、タングステンコイル電極6、7はそれぞれタングステン電極棒8、9とタングステンコイル10、11の2つの部品からなっている。電極間距離は18.0mmとした。また、前記発光管細管部4,5には導電性サーメットからなる給電体12、13が、フリット14により気密封着され、前記給電体12、13のそれぞれ一方の端部には前記タングステン棒8、9が溶着されており、それぞれ他方の端部にニオブからなる外部リード線15、16が溶着されている。発光管1内には、セリウムハライド系の発光物質17と、緩衝ガスとしての水銀およびアルゴンガスからなる始動補助用希ガスが封入されている。
【0018】
前記発光管1を備えたランプ18の全体構成としては、図2に示すように、発光管1は、硬質ガラスからなる外管バルブ19の内部に設置されている。また、ランプ始動開始電圧を一層低下させるために、発光管容器2の放電発光管部3に沿ってモリブデン線からなる始動補助導体20が付設されている。ここで、外管バルブ19の内部には不活性ガス、例えば窒素ガス50kPaが封入されている。なお、外管内は真空であってもよい。21は口金である。
【0019】
(実施の形態1)
発光物質17として、CeI3:35wt%(14モル%)と、NaI:60wt%(83.5モル%)と、ScI3:5wt%(2.5モル%)からなる物質を6mg採取して封入した発光管1からなるランプ18を準備して、エージングにおける寿命特性を調べた。その結果、図3のCe/Sc/Naの線に示すように、ランプの光束維持率はエージング時間約12000hrsにおいて65%と大幅に改善された。また、エージング中の色温度変化については−150K以内であり、ScI3を封入していないものに比べて良好であった。
【0020】
そして、前記と同じエージング時間5000hrs後のランプの分析では、管内にはCeI3が当初封入量の80〜90%とまだ十分残存しており、他方ScI3はアルミナセラミックと比較的多く反応しており、20〜30%しか残存していないこともわかった。
【0021】
また、本実施の形態のランプ18の初期ランプ特性は、光束が22800lm、効率が117lm/Wとほぼ維持され、他方で光色温度・一般演色評価数Raも改善されて、光色温度は初期で4300Kと高色温度が得られ、一般演色評価数Raについては70と目標値65を上回り、光源色的にも改善の効果があった。
【0022】
(比較例1)
従来技術にもとづき、発光物質17としてセリウム・ナトリウム沃化物(CeI3:36wt%(13.9モル%)+NaI:64wt%(86.1モル%))6mgが封入された発光管1からなるランプ18を準備した。なお、従来技術によるかかるNaI/CeI3組成比により、3500〜4000K近傍の白色光源色が得られる。
【0023】
最初に、ランプのエージング時間100hrsにおける初期特性を測定したところ、色温度4100Kの白色光源色でランプ光束23600lm、 効率118lm/W(いずれもランプ4灯の平均値)が得られ、ここでランプ効率は目標値117lm/Wをぎりぎりながら達成できることがわかった。但し、一般演色評価数は目標値Ra65に未逹の60であった。
【0024】
次いで、ランプエージング試験を行い、その光束維持率を測定したところ、図3のCe/Naの線に示すように、その光束維持率はエージング時間約6800hrsにおいてすでに50%まで低下した。通常メタルハライドランプの寿命時間は光束維持率50%のエージング時間で規定されている。ランプ光色については、初期で4100Kあったものが、5000hrsの寿命中に3700Kまで徐々に低下することもわかった。
【0025】
次いでエージング後のアルミナセラミック発光管の分析から、セリウムとの反応により発光管内壁が侵蝕されており、特に発光管上側での侵蝕が比較的強いことがわかった。また、例えばエージング時間5000hrsにおいて管内に残存しているNaIの量は当初封入量の90%が残存しているのに対して、CeI3量は当初封入量の40〜60%と大幅に低減されていることが判明した。
【0026】
(分析)
上記の結果から、(CeI3+NaI)封入のランプ18のエージングによる光束維持率・光色の大きい低下は、
(a)管内のセリウム沃化物CeI3が発光管材料であるアルミナセラミック(Al23)と反応して消滅し、
(b)また放電アークが絞られて発光管管壁方向へ湾曲されると発光管の温度が局所的に上昇して、上記のようなセリウム沃化物のアルミナセラミックとの反応による消滅が加速される、
という2つの現象の複合によることがわかった。これは、寿命中に、高効率・高色温度を呈するCeI3の比率がNaIに対して加速的に減少し、光束・光色が低下したものと判明した。
【0027】
(検討)
前記実施の形態1および比較例の分析から、とくに発光管内にセリウムハロゲン化物よりも酸化物生成の標準ギブスエネルギーがより小さく、アルミナと反応しやすい希土類金属ハロゲン化物を付加して、ランプエージング当初にかかる物質を管内壁と反応させておくことで問題の寿命中におけるセリウムの反応を抑制する、という基本的手段が有効に機能することが確認された。そして、かかる具体的物質として、希土類金属沃化物であるスカンジウム沃化物ScI3,ガドリニウム沃化物GdI3,テルビウム沃化物TbI3,ディスプロシウム沃化物DyI3,ホルミウム沃化物HoI3,エルビウム沃化物ErI3,ツリウム沃化物TmI3,イッテルビウム沃化物YbI3、ルテチウム沃化物LuI3、サマリウム沃化物SmI2(2価のSm)、ユウロピウム沃化物EuI2(2価のEu)、イットリウム沃化物が特定の効果を示し,特にそのうちでもスカンジウム沃化物ScI3が最適であることがわかった。
【0028】
(実施の形態2)
実施の形態1と同様な条件において、CeI3を100モル部としたとき、スカンジウム沃化物ScI3の封入量を0〜200モル部の範囲で変えたランプのエージング試験を行った。その結果、スカンジウム沃化物ScI3の封入量が100モル部を越えるとタングステン電極6、7が変形・損耗して発光管が黒化し、これにより光束維持率が逆に低下することが判明した。また、スカンジウム沃化物ScI3の封入量が1.5モル部未満のときはアルミナとセリウムハロゲン化物との反応を抑制する効果は顕著に発現しなかった。
【0029】
この試験結果から、CeI3を100モル部としたとき、スカンジウム沃化物ScI3の有効な封入量は1.5〜100モル部の範囲が好ましいことがわかった。この場合、ScI3を150モル部以上封入したランプのなかには、エージング後の分析で管内に微量なアルミニウムAlが検出された。これは、下記式(化1)のスカンジウム沃化物ScI3とアルミナセラミックAl23との反応式により、沃化アルミニウムAlI3が生成されたものとわかる。
【0030】
【化1】
Figure 0003981301
【0031】
また、この生成されたAlI3が上記電極損耗および発光管の黒化に関与しているといえる。
【0032】
以上のように、主要な発光物質としてセリウム沃化物CeI3およびナトリウム沃化物NaIが封入されたアルミナセラミック管メタルハライドランプにおいて、CeI3を100モル部としたとき、スカンジウム沃化物ScI3の有効な封入量は1.5〜100モル部の範囲(封入物全体からみると、0.5〜20モル部の範囲)であると、定格寿命時間12000hrs以上でランプ効率117lm/W以上のレベルを併せて達成することができ、より光色・一般演色評価数も高いことが確認できた。このようなランプは、一般屋内および屋外用の高ワットタイプで高効率・長寿命といえる。
【0033】
また、スカンジウム沃化物ScI3以外の金属沃化物として、特にガドリニウム沃化物GdI3,テルビウム沃化物TbI3,ディスプロシウム沃化物DyI3,ホルミウム沃化物HoI3,エルビウム沃化物ErI3,ツリウム沃化物TmI3,イッテルビウム沃化物YbI3、ルテチウム沃化物LuI3、サマリウム沃化物SmI2(2価のSm)、ユーロピウム沃化物EuI2(2価のEu)、イットリウム沃化物のそれぞれを2〜200モル部の範囲で付加した同様のランプを準備して、エージングにおける寿命特性を調べた。その結果を図3のCe/希土類沃化物/Naの線に示す。この図から明らかなとおり、初期のランプ効率および一般演色評価数Ra関しては目標レベルがほぼ達成された。
【0034】
但し、12000hrsの光束維持率は、スカンジウム沃化物ScI3のレベルには到達しなかったが、ScI3封入と同様の寿命改善効果が確認された。
【0035】
(実施の形態3)
次に、上記分析(b)に関連する検討として、特に上記従来技術のセリウムハライド発光物質による放電アークの絞り・湾曲を抑制して光束維持率を改善し、併せてもう一つの目標であるランプ効率をも向上できる手段を探索した。この結果、特に発光物質として新たにタリウムハロゲン化物TlXおよびインジウムハロゲン化物InXを組み合わせて封入することが有効であることがわかった。
【0036】
具体的には、上記本発明による(CeI3+NaI+ScI3)に、更にそれぞれ0〜10wt%の範囲で組成を変えたTlIおよびInIを封入したランプ18を準備し、その初期特性およびエージングにおける光束維持率を測定した。
【0037】
その結果、基本的にTlIおよびInIの封入につれて放電アークが広がり、発光管管壁方向への湾曲も抑制されることが観測された。そして、本実施ランプ18のエージングにおける光束維持率は一層改善され、12000hrsで光束維持率の60%以上の定格寿命時間が達成できた。これは、基本的にタリウムTlおよびインジウムInの平均励起電圧Veが電離電圧Viに比べて比較的高いゆえに(Ve>0.585Vi)、かかる放電アークの広がり効果が得られ、管壁の局所的な温度上昇が抑制されたといえる。ここで、TlIおよびInIの封入量としては、(TlI+InI)合計組成が3.0wt%以上と比較的小さい範囲から放電アークの比較的顕著な広がりが観測され、寿命時間12000hrsが達成された。
【0038】
更に、初期ランプ効率の向上に関しては、特に比視感度の高い546nm緑色発光を放射するタリウム沃化物TlIの封入が有効であることが確かめられた。但し、この場合、効率向上に有効であるTlIの封入は、他方でランプ発光色を緑色方向へシフトさせるので、これを補正するために450nm青色発光を放射するインジウム沃化物InIが封入されている。つまり、一般屋内および屋外照明に相応しい白色光源色を得るには、発光色が過度に緑色方向にシフトするのを防ぐためにTlI封入量を適量範囲に抑えて、かつ妥当な範囲の組成比からなるTlIとInIを組合せて封入することが必要である。本発明者らによる上記測定結果から、目標値117lm/Wを超えた効率向上と一般屋内および屋外用として適用できる白色光源色が併せて得られるTlIとInIの封入量は、1.0≦TlIwt%≦7.0、かつ0.6≦TlIwt%/InIwt%≦4.0の範囲に規定すればよいことがわかった。
【0039】
前記した本実施の形態の好ましい組成範囲を図4に示す。
【0040】
上記本発明による典型的な実施発光物質17として、(CeI334wt%(14.1モル%)+NaI55wt%(79.0モル%)+ScI35wt%(2.5モル%)+TlI3.5wt%(2.3モル%)+InI2.5wt%(2.1モル%))を封入した200Wタイプのランプ18は、初期特性として色温度4340Kの白色光源色で光束約24100lm、効率123.3lm/Wという一般屋内および屋外用として優れたレベルが達成された(いずれもランプ4灯の平均値)。一方、図3のCe/Sc/Na/Tl/Inの線に併せて示すように、エージングにおける光束維持率は12000hrsにおいても73%と高いレベルを維持して、従来石英発光管ランプの定格寿命時間9000hrsを超えて12000hrsのレベルも十分達成された。また、一般演色評価数Raもより改善されて、目標値Ra65に対して75のレベルが達成された。
【0041】
また、セリウム・ナトリウム系沃化物にScI3以外のガドミウム沃化物GdI3,テルビウム沃化物TbI3,ディスプロシウム沃化物DyI3,ホルミウム沃化物HoI3,エルビウム沃化物ErI3,ツリウム沃化物TmI3,イッテルビウム沃化物YbI3、ルテチウム沃化物LuI3、サマリウム沃化物SmI2(2価のSm)、ユウロピウム沃化物EuI2(2価のEu)、イットリウム沃化物のそれぞれを付加し、更にTlIおよびInIを付加した同様のランプを準備して、エージングにおける寿命特性を調べた。その結果、ランプの光束維持率は同様に一層改善されて、12000hrs以上の定格寿命時間が達成されることがわかった。また、ランプ効率および一般演色評価数Raに関しても目標値が得られた。
【0042】
以上の結果をまとめると、主要な発光物質としてセリウム沃化物CeI3が封入され、かつランタノイド金属沃化物、特にそのなかでもセリウム沃化物を100モル部としたとき、1.5〜100モル部(封入金属ハロゲン化物全体からみると0.5〜20モル%)の範囲に規定されたスカンジウム沃化物ScI3が封入されたアルミナセラミック管メタルハライドランプにおいて、併せて1.0≦TlIwt%≦7.0および0.6≦TlIwt%/InIwt%≦4.0の組成範囲に規定されたタリウム沃化物TlIおよびインジウム沃化物InIを封入することにより、ランプの光束維持率が一層改善されて、併せてランプ効率も向上されて、定格寿命時間12000hrs以上、およびランプ効率117lm/W以上の値を共に十分超えた特性が達成されて、目的とする一般屋内および屋外用の高ワットタイプで高効率・長寿命のアルミナセラミック管高圧放電ランプが得られた。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明は、ランプエージングにおける光束維持率・色温度低下が改善され、これにより一般屋内および屋外用として白色光源色の高ワットタイプで長寿命であり、かつ高効率であり、より高い光色温度・一般演色性評価指数をもつメタルハライドランプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるメタルハライドランプの発光管構成図。
【図2】本発明の一実施の形態であるメタルハライドランプのランプ全体構成図。
【図3】本発明の実施の形態1〜3のメタルハライドランプを用いたエージングにおける光束維持率を示すグラフ。
【図4】本発明の実施の形態3の好ましい組成範囲を示す図。
【図5】従来技術によるメタルハライドランプの発光管構成図。
【図6】従来技術によるメタルハライドランプの全体構成図。
【符号の説明】
1,28 アルミナセラミック発光管
2,29 発光管容器
3,30 放電発光管部
4,5,31,32 細管部
6,7 タングステン電極
8,9 タングステン電極棒
10,11 タングステンコイル
12,13,35,36 給電体
14,37 フリット
15,16 外部リード線
17,38 発光物質
18,39 ランプ
19,40 外管バルブ
20 始動補助導体
21,41 口金
33,34 タングステンコイル電極

Claims (7)

  1. 外囲器が酸化物透光性セラミック材料からなる発光管を備え、前記発光管内には、発光物質としてセリウムハロゲン化物、および前記セリウムハロゲン化物に比べて前記セラミック材料と反応し易い希土類元素のハロゲン化物がそれぞれ封入されており、
    前記セリウムハロゲン化物の封入量を100モル部としたとき、前記希土類元素のハロゲン化物の封入量が、1.5モル部以上100モル部以下の範囲であり、
    前記発光管には、さらにタリウムハロゲン化物およびインジウムハロゲン化物が封入されており、
    前記タリウムハロゲン化物の封入量が金属ハロゲン化物全体に対し1 . wt% 以上7 . wt% 以下の範囲であり、前記タリウムハロゲン化物と前記インジウムハロゲン化物の封入量の比が、
    0.6≦TlX wt% /InX wt% ≦4 . 0(ただし、Xはハロゲン)
    の範囲であることを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 前記希土類元素のハロゲン化物が、スカンジウムハロゲン化物、ガドリニウムハロゲン化物、テルビウムハロゲン化物、ディスプロシウムハロゲン化物、ホルミウムハロゲン化物、エルビウムハロゲン化物、ツリウムハロゲン化物、イッテルビウムハロゲン化物、ルテチウムハロゲン化物、サマリウムハロゲン化物、イットリウムハロゲン化物およびユウロピウムハロゲン化物から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のメタルハライドランプ。
  3. 酸化物透光性セラミック材料が、多結晶体アルミナセラミック、Al23(アルミナ),Y3Al53(YAG),BeO,MgO,Y23,Yb23,およびZrO2から選ばれる少なくとも一つのセラミックである請求項1に記載のメタルハライドランプ。
  4. 前記セリウムハロゲン化物、および前記希土類元素のハロゲン化物のハロゲンが、沃素である請求項1に記載のメタルハライドランプ。
  5. 前記発光管の外側には、さらに硬質ガラスからなる外管バルブが設けられており、前記外管バルブの内部には不活性ガスが封入されている請求項1に記載のメタルハライドランプ。
  6. 前記発光管容器の放電発光管部に沿って始動補助導体を付設し、ランプ始動開始電圧を低下させる請求項1に記載のメタルハライドランプ。
  7. 前記ランプの定格寿命時間が12000hrs以上、および初期状態におけるランプ効率が117 lm/W以上である請求項1に記載のメタルハライドランプ。
JP2002186807A 2001-06-27 2002-06-26 メタルハライドランプ Expired - Fee Related JP3981301B2 (ja)

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