JP3979812B2 - 濃縮酸素供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿度の低い酸素富化空気(または酸素)に適度な湿気を加え供給するための加湿器を備えた濃縮酸素供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、呼吸器疾患患者に対して酸素を供給する酸素療法が知られている。この酸素療法では、鼻カニューラ等の酸素吸入手段を用いて酸素ボンベや濃縮酸素供給装置等の酸素発生手段から発生する呼吸用気体を患者の鼻空内に供給している。
【0003】
この種の酸素発生手段から供給される呼吸用気体には殆ど水分が含まれないため、この呼吸用気体を直接患者に供給すると、患者の鼻腔内が乾燥してしまうので、これを防止するため、酸素発生手段に加湿機能を備えた装置(加湿器)を接続し呼吸用気体に湿気を含有させている。
【0004】
この種の濃縮酸素供給装置は本体とこの本体に接続され別体の加湿器とを備えている。図6は従来の濃縮酸素供給装置の本体と加湿器との連結部分を示す平面説明図である。
【0005】
図6において、濃縮酸素供給装置61の本体内部61Aには、湿度の低い酸素富化空気を生成させる生成部63が配設され、本体64には、生成された酸素富化空気を吐出する吐出シャフト65、加湿された酸素富化空気を取り込む取込シャフト66、及びこの取込シャフト66に連通されカニューラ(図示せず)に接続可能な酸素供給口67とが突設されている。
【0006】
前記加湿器62は加湿水を収納するボトル形状の収納容器であり、加湿水の補充や洗浄などのために本体61Aから取り外し及び取り付けを行うものである。この加湿器62の側面には、前記吐出シャフト65及び取込シャフト66に外嵌して連結する吐出シャフト連結部68及び取込シャフト連結部69が設けられている。そして、取込シャフト連結部(吐出シャフト連結部でも良い)69には、加湿器62を本体61Aに結合させる接合保持機構(図示せず)と、本体61Aから加湿器を取り外す解除機構(図示せず)とを備えている。この接合保持機構は取込シャフト66に設けられた凹部に取込シャフト連結部69に設けられたフックを係止するものであり、解除機構は取込シャフト連結部69に突設された開放ノブ70を押圧することにより、フックが外れ加湿器62の保持状態を開放(解除)するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、濃縮酸素供給装置61は昼夜を問わず長期間にわたって使用される場合、加湿器62は加湿水の補充等のため着脱頻度が高くなる。さらに、今後、高齢者等の患者の取り扱いが多くなると予想されるため、患者の体力、取り扱い上の不慣れ等を考慮すると、加湿器62の着脱の操作性向上が望まれている。
【0008】
本発明は、上述のような従来の課題に鑑み、患者にとって加湿器の着脱を簡便かつ確実に取り扱える濃縮酸素供給装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、本体に酸素富化空気を生成させる生成部を内蔵させ、この本体に対して着脱自在な加湿器でこの生成部から吐出された酸素富化空気を加湿して再び本体に戻し、その後再度本体外に吐出させるようにした濃縮酸素供給装置において、本体の前面には箱形の凹部を形成してこの凹部を前記加湿器の収納部とし、この収納部の奥壁には前記生成部からの酸素富化空気を吐出する吐出シャフトと、前記加湿器で加湿された酸素富化空気を取り込む取込シャフトとを突設させ、一方、前記加湿器には前記吐出シャフトが挿入される連結部と前記収納部に設けられた前記取込シャフトに挿入される送出部とを備え、この連結部の連結保持機構は前記凹部に位置し吐出シャフトに設けられた外周溝とこの外周溝に係止する弾性力を有するフックとから構成され、このフックは内径が前記吐出シャフトの中央部外形より大きいリング形状であり且つこのリング部分の上下には夫々突起片が形成され、この連結保持機構の解除を行なう解除機構は、弾性力を有するこのフックから外周溝を離間させるためにフックに設けた前記突起片を押圧する開放ノブとこの開放ノブの上端を押圧し前記連結部の上部に突設された固定軸に枢着されたレバーとから構成され、このレバーの下方移動により開放ノブ並びにフックの突起片を介してこのリング状のフックが撓んで、このフックが外周溝から外れるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の濃縮酸素供給装置において、前記レバーは加湿器を持ち運ぶための取っ手を兼用することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1〜2に記載の濃縮酸素供給装置において、前記連結部には吐出シャフトの挿入を案内する案内部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3に記載の濃縮酸素供給装置において、前記連結部と吐出シャフトとの間にはバネ体が介設され、前記連結保持機構が解除された際、バネ体が加湿器を本体から押し出すことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態における濃縮酸素供給装置の正面図、図2は図1の濃縮酸素供給装置に備えられた加湿器の本体取付時の断面図、図3は図2のA−A断面図、図4は加湿器の本体取外し時の断面図、図5は図4のB−B断面図である。
【0017】
図1において、本発明の濃縮酸素供給装置1は、例えば一般家庭の居室に設置されるものであり、容易に持ち運び可能な寸法の本体2と、この本体2に着脱自在に取り付けられる加湿器3とを有している。
【0018】
この本体2の前面にはスリット状の空気吸込口4、装置1を運転操作するためのスイッチ類が配置された操作部5、及び加湿器3の収納部6が形成されている。
【0019】
前記空気吸込口4の内側にはエアフィルタが取り付けられ、このエアフィルタの更に内側(本体内部)には湿度の低い酸素富化空気を生成するための生成部7が配設されている。この生成部7には、例えば、ゼオライト等の吸着剤を封入し空気中の窒素を吸着するための吸着塔8、及びこの吸着塔8に空気を圧送するためのエアコンプレッサ9等を備えている。なお、この生成部は酸素ボンベ、液体酸素等の高濃度の酸素を供給する酸素供給手段であっても良い。
【0020】
前記操作部5には、装置1の運転及び停止を行う運転スイッチ12、弁等により供給される酸素の流量を調節する流量調節つまみ13が配置され、さらに、接続用チューブを介して鼻カニューラ(図示せず)に接続可能な酸素供給口14が突設されている。
【0021】
前記加湿器3の収納部6は、加湿器3を収納可能に設置する箱形の凹部であり、この凹部の入口部には開閉自在に枢着された扉15が設けられている。この収納部6の後板には生成部7で生成された酸素富化空気を吐出する吐出シャフト16、及び加湿器3で加湿された酸素富化空気を取り込む取込シャフト17が貫通し上下に配置され、かつ前方に突出して設けられている。吐出シャフト16は、円筒形をして内部に通気路が形成され、その外径は先端部が小さく中央部にかけてテーパがかかり、基端部が一段大きくなっている。中央部の外周には外周溝18が形成されている。取込シャフト17は、円筒形をして内部に通気路が形成され、内側にパッキン21が設けられている。そして、本体2内で配管に接続されて前記酸素供給口14に連通している。
【0022】
前記加湿器3は容器部22と蓋部23とから構成され、容器部22は、図2に示すように、加湿水45を収納し上方に開口するとともに、容器部22の側面に加湿された酸素富化空気を送出する送出部24を有し、この送出部24が前記収納部6に設けられた取込シャフト17に挿入され連結される。
【0023】
また、蓋部23は、容器部22の上方開口を気密に封口する基部25と、この基部25の上方から横に90度湾曲させて形成された連結部26とを有し、基部25と連結部26とが外装ケース27で覆われている。基部25と連結部26の内部にはこれらを連通する通気孔28が形成され、この通気孔28の一端部が開口し他端部が導入管43に接続されている(この導入管43には他端部に多孔質フィルタ44が付設されて容器部22内の加湿水45に没入される)。連結部26には吐出シャフト16が挿入されるようになっており、先端部から順に、吐出シャフト16を案内する案内部31、吐出シャフト16に挿入するバネ体30を押止するバネ押止部32(バネ体30の他端部は吐出シャフト16の基端部で押止される)、連結部26と吐出シャフト16とを係止する連結保持機構、及びこの連結保持を解除する解除機構が設けられている。
【0024】
前記連結保持機構は前記吐出シャフト16に設けられた外周溝18とこの外周溝18に係止するフック35で構成されている。このフック35は、弾性を有する素材で作られ、図3に示すように、内径が吐出シャフト16の中央部外形より大きいリング形状をしている。リング部分の上下には突起片36a、36bが一体に形成され、下突起片36bは連結部26の外装ケース27下部内側に当接し、上突起片36aは外装ケース27上部を貫通して上方に突出しており、その端面に開放ノブ37が形成されている。
【0025】
そして、前記吐出シャフト16にバネ体30を挿入して吐出シャフト16を案内部31に差し入れると、図5に示すように、リング部の下部内側が外周溝18に係止される。これにより、吐出シャフト16と加湿器3との連結が保持される。
【0026】
また、前記解除機構は前記開放ノブ37とこの開放ノブ37の上方に設けられたレバー38とで構成される。レバー38は連結部26の上部に突設された固定軸39に枢着され手前(加湿器3を収納部6に設置した状態で)に延びている。レバー38の開放ノブ37に対応する位置に押圧部41が形成され、レバー38は固定軸39を中心に上下に回動するので、レバー38を下方に移動すると、押圧部41が開放ノブ37の上端を押圧し、図5に示すように、フック35のリング部及び上下の突起片36a、36bが撓んで吐出シャフト16の外周がフック35の内周に入る。そして、フック35が外周溝18から外れる。
【0027】
以上のように構成された加湿器3において、加湿器3を収納部6に設置する場合には、吐出シャフト16にバネ体30を挿入した後、連結部26の開口を吐出シャフト16に向けて水平に移動することにより、連結部26の通気孔28に吐出シャフト16が挿入され、フック35が吐出シャフト16の外周溝18に係止され、加湿器3の連結部26と吐出シャフト16とが連結される。このとき、加湿器3の送出部24も取込シャフト17に挿入されて連結される。
【0028】
加湿器3を本体2に取り付け濃縮酸素供給装置1を運転すると、生成部7から吐出された酸素富化空気が吐出シャフト16を経て導入管43に流入し、多孔質フィルタ44を介して水中に放出されて気泡となる。この気泡が水中を上昇する間に加湿され、この加湿された酸素富化空気が送出部24、取込シャフト17を経て酸素供給口14に供給される。そして、酸素供給口14に接続されたカニューラを通して適度に加湿された酸素が患者の鼻腔内に供給される。
【0029】
加湿器3を収納部6から取り外す場合には、レバー38を下方に移動し開放ノブ37を押圧することによりフック35が外周溝18から外れ連結保持が解除される。連結保持が解除されると、吐出シャフト16に挿入され吐出シャフト16の基端部とバネ押止部32との間に置かれたバネ体30がバネ押止部32を押し出し加湿器3が本体2の反対側へ押し出して確実に連結を外すことができる。このとき、加湿器3の送出部24も押し出され取込シャフト17から外れる。加湿器3の連結が外れるので、使用者は加湿器3収納部6から加湿器3を水平に移動して取り出すことができる。
【0030】
以上説明したように、本発明の濃縮酸素供給装置1は、本体2に連結する加湿器3とこの加湿器3を収納する収納部6を備え、この収納部6に設けられた吐出シャフト16及び取込シャフト17に対して加湿器3に設けられた連結部26及び送出部24を合わせて押し込むことで連結保持機構が働いて簡単に取り付けることができる。
【0031】
また、この加湿器3を取り外す場合には、開放ノブ37を押圧して連結保持を解除するレバー38を設けたことにより、弱い力で操作でき、かつ、手前の位置でレバー38を操作できるので、連結保持機構を簡単にかつ確実に解除することができる。
【0032】
また、レバー38は加湿器3の上部に設けられているので、持ち運ぶための取っ手にすることもできる。
【0033】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の濃縮酸素供給装置は、本体に酸素富化空気を生成させる生成部を内蔵させ、この本体に対して着脱自在な加湿器でこの生成部から吐出された酸素富化空気を加湿して再び本体に戻し、その後再度本体外に吐出させるようにした濃縮酸素供給装置において、本体の前面には箱形の凹部を形成してこの凹部を前記加湿器の収納部とし、この収納部の奥壁には前記生成部からの酸素富化空気を吐出する吐出シャフトと、前記加湿器で加湿された酸素富化空気を取り込む取込シャフトとを突設させ、一方、前記加湿器には前記吐出シャフトが挿入される連結部と前記収納部に設けられた前記取込シャフトに挿入される送出部とを備え、この連結部の連結保持機構は前記凹部に位置し吐出シャフトに設けられた外周溝とこの外周溝に係止する弾性力を有するフックとから構成され、このフックは内径が前記吐出シャフトの中央部外形より大きいリング形状であり且つこのリング部分の上下には夫々突起片が形成され、この連結保持機構の解除を行なう解除機構は、弾性力を有するこのフックから外周溝を離間させるためにフックに設けた前記突起片を押圧する開放ノブとこの開放ノブの上端を押圧し前記連結部の上部に突設された固定軸に枢着されたレバーとから構成され、このレバーの下方移動により開放ノブ並びにフックの突起片を介してこのリング状のフックが撓んで、このフックが外周溝から外れるようにしたので、この収納部に設けられた吐出シャフト及び取込シャフトに対応する位置に設けられた加湿器の連結部及び送出部を押し込むことで連結保持機構が働いて簡単に取り付けることができる。
【0035】
また、この連結保持の解除機構は、レバーを設け、弱い力で、かつ、取り外すための奥側にある開放ノブを手前の位置で操作できるので、簡単に操作することができる。
【0036】
加湿器の着脱が簡便かつ確実に行うことができるので、加湿水の補充や加湿器の洗浄が簡単に行え、体力の弱い患者や取り扱いに不慣れな使用者の作業を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における濃縮酸素供給装置の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態における加湿器の本体取付時の断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】加湿器の本体取外し時の断面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】従来の加湿器の濃縮酸素供給本体との連結を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1 濃縮酸素供給装置
3 加湿器
6 収納部
16 吐出シャフト
17 取込シャフト
18 外周溝
24 送出部
26 連結部
31 案内部
35 フック
37 開放ノブ
38 レバー
Claims (4)
- 本体に酸素富化空気を生成させる生成部を内蔵させ、この本体に対して着脱自在な加湿器でこの生成部から吐出された酸素富化空気を加湿して再び本体に戻し、その後再度本体外に吐出させるようにした濃縮酸素供給装置において、本体の前面には箱形の凹部を形成してこの凹部を前記加湿器の収納部とし、この収納部の奥壁には前記生成部からの酸素富化空気を吐出する吐出シャフトと、前記加湿器で加湿された酸素富化空気を取り込む取込シャフトとを突設させ、一方、前記加湿器には前記吐出シャフトが挿入される連結部と前記収納部に設けられた前記取込シャフトに挿入される送出部とを備え、この連結部の連結保持機構は前記凹部に位置し吐出シャフトに設けられた外周溝とこの外周溝に係止する弾性力を有するフックとから構成され、このフックは内径が前記吐出シャフトの中央部外形より大きいリング形状であり且つこのリング部分の上下には夫々突起片が形成され、この連結保持機構の解除を行なう解除機構は、弾性力を有するこのフックから外周溝を離間させるためにフックに設けた前記突起片を押圧する開放ノブとこの開放ノブの上端を押圧し前記連結部の上部に突設された固定軸に枢着されたレバーとから構成され、このレバーの下方移動により開放ノブ並びにフックの突起片を介してこのリング状のフックが撓んで、このフックが外周溝から外れるようにしたことを特徴とする濃縮酸素供給装置。
- 前記レバーは加湿器を持ち運ぶための取っ手を兼用することを特徴とする請求項1に記載の濃縮酸素供給装置。
- 前記連結部には吐出シャフトの挿入を案内する案内部を設けたことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の濃縮酸素供給装置。
- 前記連結部と吐出シャフトとの間にはバネ体が介設され、前記連結保持機構が解除された際、バネ体が加湿器を本体から押し出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の濃縮酸素供給装置。
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Family Applications (1)
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JP2001277616A Expired - Lifetime JP3979812B2 (ja) | 2001-09-13 | 2001-09-13 | 濃縮酸素供給装置 |
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2001
- 2001-09-13 JP JP2001277616A patent/JP3979812B2/ja not_active Expired - Lifetime
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