JP3979327B2 - 吸着ヒートポンプ用吸着材、吸着ヒートポンプ及び吸着ヒートポンプの運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の吸着材、それを用いた吸着ヒートポンプ及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸着ヒートポンプは補助動力を用いることなく、低質熱エネルギーを熱源として作動させうる最も優れた排熱回収再生法のひとつであり、環境共生型熱エネルギー利用システムへの導入有力候補とされている。この作動過程においては、吸着質、例えば水を吸着した吸着材を再生するために、吸着材を加熱して吸着質を脱着させ、乾燥した吸着材を吸着質の吸着に使用する温度まで冷却して再度吸着質の吸着に使用する。
【0003】
これまで、比較的高温(120℃以上)の排熱・温熱を、吸着材の再生熱源として利用する吸収式ヒートポンプが、熱電併給プラント(コジェネレーションシステム)の一部として導入されるといった形で既に実用化されている。しかし一般にコジェネレーション機器、燃料電池では最終的に排熱・温熱の温度が100℃以下、現実的には80℃以下と比較的低温とであるため、現在実用化されている吸収式ヒートポンプの駆動熱源としては利用できない。またこの低温熱エネルギーはエネルギー密度が小さく、そのため回収利用がコスト高となるなどの点で現状ではほとんどが未利用のまま環境へ廃棄されているが、この廃棄される低温熱エネルギーの総熱量は全排熱の90%以上を占め、このことが総合的なエネルギー利用率向上を妨げていることから、100℃以下、更には60℃〜80℃の低温排熱の有効利用が求められていた。
一方、除湿空調装置、加湿空調装置等の調湿空調装置も、吸着ヒートポンプと同様、排熱回収再生法のひとつとして有望であるが、その駆動熱源として低温熱エネルギーを利用した例は知られていない。
【0004】
吸着ヒートポンプや調湿空調装置においては、それぞれ動作原理が同じでも利用可能な熱源温度によって吸着材に求められる吸着特性が異なる。例えば、高温側の熱源として用いられるガスエンジンコージェネレーションや固体高分子型燃料電池の排熱温度は60℃〜80℃である。これらの高温熱源を用いる際に使用する冷却側の熱源温度は、装置の設置可能な場所温度の制約によって決まる。例えば、工場や住宅などでは建物の外気温度となる。つまり、吸着ヒートポンプや調湿装置の操作温度範囲は、ビルなどに設置する場合には低温側が30℃〜35℃、高温側が60℃〜80℃程度である。また冷熱需要が増大する夏季には、外気温度の上昇が予想され、低温側の温度は上記以上となる可能性が高い。従って排熱を有効利用するためには、適用場の低温側熱源と高温側熱源の温度差が小さく、かつ低温側熱源が30℃以上、高温側熱源が80℃以下でも駆動できる装置が望まれている。
【0005】
これを可能とするためには、以下の吸着特性を有する材料が求められる。すなわち、(1)吸着時の相対蒸気圧と脱着時の相対蒸気圧の差が小さい範囲で吸着量差を持ち、また装置の小型化のためには、(2)上記(1)の範囲での吸着量差が大きく、さらに(3)高い相対圧で容易に脱着する吸着材である。
【0006】
吸着ヒートポンプ又は調湿空調装置に用いる吸着材として、各種の吸着材の使用が検討されているが、諸種の問題点があり、その解決が望まれている。
吸着ヒートポンプや調湿空調用吸着材として従来より検討されているY型ゼオライトは相対蒸気圧がほぼ0に近い値であっても吸着物質を吸着するので、吸着物質を脱着させるには、相対蒸気圧をほぼ0にするために150℃〜200℃以上の高温が必要となる。したがって、Y型ゼオライトは、上述した低温廃熱を利用した吸着ヒートポンプや調湿装置に用いることが難しいという問題がある。
【0007】
同様に検討されているA型シリカゲルは低い相対蒸気圧での吸着特性が充分でなく、また、界面活性剤のミセル構造を鋳型として合成したメソポーラスシリカ(FSM−10など)(特許文献1参照)は低い相対蒸気圧で吸着しないので、上述したコジェネレーション機器、燃料電池等の冷却水や太陽熱等により得られる熱を利用した吸着ヒートポンプや調湿空調装置を構成できないという問題がある。
【0008】
さらに、従来の吸着材の中でもメソポーラスシリカは、その吸着特性の改善の要求のみならず、その構造が壊れやすく、しかも工業的に製造しにくくコストがかさむという問題も指摘されていた。Y型ゼオライトやA型シリカゲルは低コストで壊れにくいが性能が不十分である。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−178292号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、吸着質を低温側熱源が30℃以上、高温側熱源が80℃以下でも駆動できる比較的低相対蒸気圧域で吸脱着しうる吸着ヒートポンプ用に適した吸着材、それを用いた効率の良い吸着ヒートポンプ、及びこの吸着ヒートポンプの運転方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、吸着質の吸脱着を装置の駆動源とする吸着ヒートポンプに適した吸着材を見いだした。
すなわち本発明の要旨は、吸着質を吸脱着する吸着材であって下記の特性を有するものを備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の蒸発を行う蒸発部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の凝縮を行う凝縮部とを備えた吸着ヒートポンプの運転方法であって、該吸脱着部に100℃以下の熱媒を供給して吸着している吸着質を脱着させることを特徴とする方法に存する。
吸着材=骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトであって、そのフレームワーク密度が16.0T/1 , 000Å 3 より大きく、20.0T/1 , 000Å 3 以下の範囲であり、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1以上0.25以下の範囲に、相対蒸気圧が0.1変化したときに水の吸着量変化が0.12g/g以上の領域を有するゼオライト。
また、本発明の他の要旨は、吸着質を吸脱着する吸着材を備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の蒸発を行う蒸発部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の凝縮を行う凝縮部とを備えており、且つ該吸脱着部における吸着質の脱着を100℃以下の熱媒を用いて定常的に行わせることのできる吸着ヒートポンプ用吸着材であって、骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトからなり、そのフレームワーク密度が
16.0T/1 , 000Å 3 より大きく、20.0T/1 , 000Å 3 以下の範囲であり、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において相対蒸気圧が0.1以上0.25以下の範囲に、相対蒸気圧が0.1変化したときに水の吸着量変化が0.12g/g以上の領域を有しており、かつ骨格構造に含まれるアルミニウム、リン及び鉄が下記式(7)、(8)および(9)を満足するものであることを特徴とする吸着材に存する。
0.005≦x≦0.1 …(7)
0.3 ≦y≦0.6 …(8)
0.3 ≦z≦0.6 …(9)
(式中、x、yおよびzは、それぞれ骨格構造に含まれるアルミニウム、リンおよび鉄の原子の合計に対するアルミニウム、リンおよび鉄の原子の割合を示す)
本発明の更に他の要旨は、この吸着材を備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の蒸発を行う蒸発部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の凝縮を行う凝縮部とを備えており、且つ吸脱着部における吸着質の脱着を100℃以下の熱媒を用いて定常的に行わせることのできる吸着ヒートポンプに存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
<吸着ヒートポンプと吸着特性>
吸着ヒートポンプの操作蒸気圧範囲は、高温熱源温度Thigh、低温熱源温度Tlow1、低温熱源温度Tlow2および冷熱生成温度Tcoolから求められる脱着側相対蒸気圧φ1と吸着側相対蒸気圧φ2によって決定される。
【0013】
φ1とφ2は次式脱着側相対蒸気圧φ1=平衡蒸気圧(Tlow1)/平衡蒸気圧(Thigh)吸着側相対蒸気圧φ2=平衡蒸気圧(Tcool)/平衡蒸気圧(Tlow2)により算出でき、φ1とφ2との間が操作可能な相対蒸気圧範囲である。
ここで、高温熱源温度Thighは吸着材から吸着質を脱着して吸着材を再生する際に加熱する熱媒の温度を、低温熱源温度Tlow1は凝縮部の吸着質の温度を、低温熱源温度Tlow2は再生後の吸着材を吸着に共する際に冷却する熱媒の温度を、冷熱生成温度Tcoolは蒸発部の吸着質の温度すなわち生成した冷熱の温度を意味する。平衡蒸気圧は吸着質の平衡蒸気圧曲線を用いて、温度から求めることができる。
【0014】
以下、吸着質が水である場合の操作蒸気圧範囲を例示する。吸着側相対蒸気圧φ2は、冷熱生成温度(Tcool)が10℃、低温熱源温度(Tlow2)が35℃の場合は0.22となり、冷熱生成温度(Tcool)が8℃、低温熱源温度(Tlow2)が30℃の場合は0.25となる。脱着側相対蒸気圧φ1は、低温熱源温度(Tlow1)が30℃、高温熱源温度(Thigh)が70℃の場合は0.14となり、低温熱源温度(Tlow1)が35℃、高温熱源温度(Thigh)が80℃の場合は0.12となり、低温熱源温度(Tlow1)が32℃、高温熱源温度(Thigh)が80℃の場合は0.10となる。
【0015】
以上より、ガスエンジンコージェネレーション、固体高分子型燃料電池または工場排熱を利用して吸着ヒートポンプを駆動する場合、操作相対水蒸気圧範囲はφ1〜φ2=0.10〜0.25、好ましくは、0.12〜0.25、さらに限定すればφ1〜φ2=0.14〜0.22となると考えられる。つまり、この操作湿度範囲の中で吸着量の変化が大きい材料が好ましい。
【0016】
次に吸着剤に求められる特性について説明する。
吸着ヒートポンプにより、5.0kW(=18,000kJ)の冷房能力を得る場合を想定する。ここで、5.0kWは木造南向き和室16畳程度の冷房能力である。水の蒸発潜熱量は約2500kJ/kgであり、吸脱着の切り替えサイクルを10分(6回/時間)とすると、吸着量が0.12g/gである場合、吸着材は10.0kg必要となる。吸着材必要量Xkg=18000kJ/(2500kJ×0.12kg/kg×6回/hr)=10.0kg。同様に吸着量が0.15g/gであると8kg必要となる。また、切り替えサイクルが6分(10回/時間)となると0.12g/gである場合6.0kg、0.15g/gである場合4.8kgとなる。吸着量は多い程良いが、吸着材の重量および容積は少ない程良い。これは一般的に、設置に必要な場所面積に制約を受ける場合が多いため、より小さな装置でより大きな性能を持つ装置が求められるからである。この相反する要求を両立させるためには吸着量を増すことが必要であるため、吸着量が0.12g/g以上であり、好ましくは0.15g/g以上の吸着材が良い。吸着量変化が小さい場合には、必要とする吸着材の容積が大となり、装置が大型となり好ましくない。吸着量変化の上限は特に制限はないが、材料の制約から通常、0.3g/g程度以下である。
【0017】
さらに吸着材は、狭い相対蒸気圧範囲で吸着量の変化が大きい材料が好ましい。狭い相対蒸気圧範囲で吸着量の変化が大きいと、同じ条件で同等の吸着量を得るために必要な吸着材の量を減らし、冷却熱源と加熱熱源の温度差が小さくても吸着ヒートポンプを駆動できるからである。この点から、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において相対蒸気圧が0.1以上0.25以下の範囲で相対蒸気圧が0.1変化したときに水の吸着量変化が0.12g/g以上の相対蒸気圧域を有する必要がある。
【0018】
また、吸着性能の点で示すと、上記の操作湿度範囲において、相対蒸気圧0.25において吸着量が0.12g/g以上、好ましくは0.15g/g以上であり、上限は特に限定されないが、通常0.3g/g以下であり、一方、脱着性能の点で示すと、相対蒸気圧0.1において吸着量が0.05g/g以下、好ましくは0.03g/g以下であり、下限はできるだけ0に近いのが良いが、通常0.00001g/g以上の吸着材が好ましい。
【0025】
本発明の特徴の1つは上記特性を有する吸着材を、吸着ヒートポンプの、吸着質の吸脱着部の吸着材として使用することである。即ち、比較的低相耐圧側の、狭い範囲の相対蒸気圧変化で大きな吸着量変化を得られることから、低温熱源の温度下限に制限がある吸着ヒートポンプ、例えば工場の空調装置等に適している。
【0026】
吸着ヒートポンプは、吸着材が吸着質を吸脱着する能力を駆動源として利用している。吸着ヒートポンプにおいては吸着質は蒸気として吸着材に吸着される。吸着質には、水、エタノールおよびアセトンなどが使用できるが、中でも安全性、価格、蒸発潜熱の大きさから、水が最も好ましい。
【0027】
<吸着材>
本発明の特徴であるヒートポンプ用吸着材は、骨格構造に少なくともアルミニウムとリンと鉄を含む結晶性鉄アルミノフォスフェートであるゼオライトで、そのフレームワーク密度が16.0T/1,000Å3より大きく、20.0T/1,000Å3以下であり、好ましくは16.2T/1,000Å3以上であり、一方、19.0/1,000Å3以下、さらには18.0/1,000Å3以下の範囲のゼオライトが好ましい。
【0028】
かかるゼオライトを選択することで、上記の吸着性能を達成することができる。フレームワーク密度が小さすぎると吸着量差は大きくなる傾向があるが、適当な相対湿度範囲で吸脱着を起こさなかったり、構造が不安定である傾向があり耐久性に問題が生じる事が考えられるため不適当であり、大きすぎると吸着量差が小さ過ぎるため不適当となる。ここでフレームワーク密度とは、ゼオライトの1,000Å3あたりの酸素以外の骨格を構成する元素の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。なおフレームワーク密度とゼオライトの構造との関係は、ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWARK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIERに示されている。
【0029】
このようなゼオライトの構造としては、International Zeolite Assiciation(IZA)が定めるコードで示すと、ABW、AEL、AEN、AET、AFI、AFN、AFO、AHT、ANA、APC、APD、AST、ATN、ATO、ATS、ATT、BPH、BRE、CON、CZP、DFT、EDI、FER、LAU、LTL、MAZ、MEL、MFI、MOR、MWW,OSI,SAT、SOD、STT、TER、VNI、VSV、ZONが挙げられ、好ましくは、AEL、AET、AFI、AST、ATSであり、さらに好ましくはAFIである。
【0030】
フレームワーク密度は細孔容量と相関があり、一般的に、より小さいフレームワーク密度のゼオライトがより大きい細孔容量を有し、したがって吸着容量が大きくなる。フレームワーク密度の小さいものは、全体的な吸着量の観点からは好ましいが、より低湿度での吸着材として適しており、より高湿度での本発明における相対蒸気圧範囲における吸着性能の観点では、むしろ不適で、本発明ではむしろフレームワーク密度の大きいものの方が適している。これらの兼ね合いから、上記のフレームワーク密度が好ましい。
【0031】
本発明の吸着材は、骨格構造に少なくともアルミニウムとリンと鉄とを含む結晶性鉄アルミノフォスフェートであるゼオライトで、結晶性鉄アルミノフォスフェートの鉄は骨格内のアルミニウム、及び/又はリンと置換されている。
本発明で吸着材として用いるゼオライトとしては、骨格構造にアルミニウムとリンと鉄を含むゼオライトであって、下記式(1)、(2)および(3)で表される原子の存在割合を有するものが好ましい。
【0032】
【数7】
0.001≦x≦0.3 ・・・(1)
(式中、xは骨格構造のアルミニウムとリンと鉄の合計に対する鉄のモル比を示す)
【0033】
【数8】
0.3≦y≦0.6 ・・・(2)
(式中、yは骨格構造のアルミニウムとリンと鉄の合計に対するアルミニウムのモル比を示す)
【0034】
【数9】
0.3≦z≦0.6 ・・・(3)
(式中、zは骨格構造のアルミニウムとリンと鉄の合計に対するリンのモル比を示す)
そして、上記原子の存在割合のなかで、鉄の存在割合が、下記式(4)
【0035】
【数10】
0.003≦x≦0.2 ・・・(4)
(式中、xは上記と同義である)
で表されるものが好ましく、下記式(5)
【0036】
【数11】
0.005≦x≦0.1 ・・・(5)
(式中、xは上記と同義である)で表されるものが更に好ましい。
【0037】
本発明における結晶性鉄アルミノフォスフェートの骨格構造内には、Fe、AlおよびP以外の他の元素が含まれていても良い。他の元素としては、例えば、ケイ素、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などがあげられる。通常、他の元素(M)と鉄(Fe)のモル比(M/Fe)は3以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは0.5以下である。M/Feがこの範囲にない場合は、本発明における吸着性能が十分あらわれない。
【0038】
上記の原子の各モル比は、元素分析により決定するが、通常、元素分析は試料を塩酸水溶液で加熱溶解させ、ICP分析により決定できる。
更に、本発明で用いる吸着材は、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において相対蒸気圧0.1以上0.25以下の範囲で相対蒸気圧が0.1変化したときに水の吸着量変化が0.12g/g以上、好ましくは0.15g/g以上の相対蒸気圧領域を有する吸着材であり、好ましくは相対蒸気圧0.14以上0.22以下の範囲で相対蒸気圧が0.08変化したときに水の吸着量変化が0.12g/g以上、好ましくは0.15g/g以上の吸着材である。かかる吸着特性を持つことにより、前記の如く、30℃以上の低温側熱源と、80℃以下の高温側熱源で吸着ヒートポンプが駆動可能で、吸着量差が大であることにより、吸着ヒートポンプをコンパクトにできる。
上記の相対蒸気圧が0.1変化したときに水の吸着量変化上限は、高いほど好ましいが、材料の制限から通常、0.3g/g以下であり、相対蒸気圧が0.08変化したときの吸着量変化の上限は、通常0.29g/g以下である。
【0039】
また、本発明で用いる吸着材は、上記の条件に加え、水蒸気吸着等温線において本発明の下限の相対蒸気圧0.1での吸着量が0.05g/g以下、上限の相対蒸気圧0.25で0.15g/g以上であるものが更に好ましい。
本発明の吸着ヒートポンプ用吸着材は、基本的に上記ゼオライトからなるものであるが、その性能を損なわない範囲で、他の吸着材と併用或は吸着材として使用するに当り必要に応じて他の成分を含んでもよい。
【0040】
<鉄アルミノフォスフェートの製造>
本発明における結晶性鉄アルミノフォスフェートの製造条件は特に限定さないが、通常、アルミニウム源、鉄源、リン源およびテンプレートを混合した後、水熱合成して製造される。以下、その一例を説明する。
【0041】
先ず、アルミニウム源、鉄源、リン源、および、テンプレートを混合する。
アルミニウム源:アルミニウム源は特に限定されず、通常、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウムなどが挙げられるが、擬ベーマイトが取り扱い易い、反応性が高いの点で好ましい。
【0042】
鉄源:鉄源も特に限定されず、通常、硫酸鉄、硝酸鉄、リン酸鉄、塩化鉄、臭化鉄等の無機酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄等の有機酸鉄、鉄ペンタカルボニル、フェロセン等の鉄有機金属化合物などが挙げられる。これらのうち、無機酸鉄、有機酸鉄が水に溶けやすい点で好ましく、なかでも硝酸第二鉄、硫酸第一鉄などの無機酸鉄化合物がより好ましい。場合によってはコロイド状の鉄水酸化物等を用いても良い。
【0043】
リン源:リン源としては通常リン酸が用いられるが、リン酸アルミニウムを用いてもよい。
その他の元素:鉄アルミノフォスフェートの骨格構造内には、上述の吸脱着特性を損なわない限りにおいて、他の元素が含まれていてもよい。他の元素としては、ケイ素、リチウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などが挙げられる。
【0044】
テンプレート:テンプレートとしては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、モルホリン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−イソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン、2−メチルピリジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、コリン、N,N‘−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、N−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、キヌクリジン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)オクタンイオン、ジ−n−ブチルアミン、ネオペンチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ピロリジン、2−イミダゾリドン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミン、ヘキサメチレンイミン、等の1級アミン、2級アミン、3級アミン、ポリアミンが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。このなかでも、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジ−n−イソプロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドが反応性の点で好ましく、工業的にはより安価なトリエチルアミンがより好ましい。これらは単独で使用しても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
【0045】
(水性ゲルの調製)
上述のアルミニウム源、鉄源、リン源およびテンプレートを混合して水性ゲルを調合する。混合順序は条件により異なるが、通常は、先ず、リン酸源、アルミニウム源を混合し、これに鉄源と、テンプレートとを混合する。
鉄アルミノフォスフェートに係る水性ゲルの組成は、酸化物のモル比で表して、0.01≦FeO/P2O5≦1.5であり、さらに合成のしやすさの観点からは0.02≦FeO/P2O5≦1.0が好ましく、0.05≦FeO/P2O5≦0.5がより好ましい。また、P2O5/Al2O3の比は、0.6以上1.7以下であり、さらに合成のしやすさの観点からは0.7以上1.6以下が好ましく、0.8以上1.5以下がより好ましい。また、水の割合の下限としては、Al2O3に対して、モル比で3以上であり、合成のしやすさの観点からは5以上が好ましく、10以上がより好ましい。水の割合の上限としては、200以下、合成のしやすさ、生産性の高さの観点からは150以下が好ましく、120以下がより好ましい。水性ゲルのpHは、4〜10であり、合成のしやすさの観点からは5〜9が好ましく、5.5〜8.5がより好ましい。
【0046】
なお、各水性ゲル中には、所望により、上記以外の成分を共存させても良い。このような成分としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や塩、アルコール等の親水性有機溶媒が挙げられる。
(水熱合成)
水熱合成は、水性ゲルを耐圧容器に入れ、自己発生圧下、または結晶化を阻害しない気体の加圧下で、攪拌または静置状態で所定温度を保持することにより、行われる。水熱合成の条件は、100〜300℃であり、 合成のしやすさ の観点からは150〜250℃が好ましく、170〜220℃がより好ましい。
【0047】
反応時間は、3時間〜30日であり、合成のしやすさの観点からは5時間〜15日が好ましく、7時間〜7日がより好ましい。水熱合成後、生成物を分離し、水洗、乾燥し、焼成等の方法により、含有する有機物の一部、又は全部を空気などを用いる焼成により除去し、係る結晶性鉄アルミノフォスフェートを得る。
本発明の特徴の1つは上記特性を有する吸着材を、吸着ヒートポンプの吸着質の吸脱着部の吸着材として、使用することである。即ち、比較的低相耐圧側の、狭い範囲の相対蒸気圧変化で大きな吸着量変化を得られることから、低温熱源の温度下限に制限がある吸着ヒートポンプ例えば工場の空調装置等に適している。
【0048】
<吸着ヒートポンプの作用>
以下、上記した吸着材を用いる本発明の吸着ヒートポンプの作用について、図1に記載した機器構成の吸着ヒートポンプにより具体的に説明するが、本発明の吸着ヒートポンプはこれに限定されるものではない。
本発明の吸着ヒートポンプの一例の概念図を図1に示す。図1に示す吸着ヒートポンプは、吸着質を吸脱着可能な吸着材と、吸着材が充填され吸着質の吸脱着により発生した熱を熱媒に伝達する吸脱着部である吸着塔1および2と、吸着質の蒸発により得られた冷熱を外部へ取り出す蒸発器4と、吸着質の凝縮により得られた温熱を外部へ放出する凝縮器5から構成されている。なお、吸着ヒートポンプを操作する場合には運転に必要な吸脱着量を得られるように環境温度における吸着等温線から操作条件を求め、通常は装置を運転する上で最大の吸脱着量を得られるように決定する。
【0049】
図1に示すごとく、吸着材が充填された吸着塔1及び2は、吸着質配管30により相互に接続され、該吸着質配管30には制御バルブ31〜34を設ける。ここで、吸着質は吸着質配管内で吸着質の蒸気または吸着質の液体及び蒸気との混合物として存在する。
吸着質配管30には蒸発器4及び凝縮器5が接続されている。吸着塔1及び2は蒸発器4、凝縮器5の間に並列に接続されており、凝縮器5と蒸発器4の間には凝縮器にて凝縮された吸着質を蒸発器4に戻すための戻し配管3を設ける。なお、符号41は蒸発器4からの冷房出力となる冷水の入口、符号51は凝縮器5に対する冷却水の入口である。符号42及び52はそれぞれ冷水及び冷却水の出口である。また、冷水配管41及び42には、室内空間(空調空間)と熱交換するための室内機300と、冷水を循環するポンプ301が接続されている。
【0050】
また、吸着塔1には熱媒配管11が、吸着塔2には熱媒配管21がそれぞれ接続され、該熱媒配管11及び21には、それぞれ切り替えバルブ115及び116並びに215及び216が設けてある。また、熱媒配管11及び21はそれぞれ吸着塔1及び2内の吸着材を加熱または冷却するための加熱源または冷却源となる熱媒を流す。熱媒は、特に限定されず、吸着塔内の吸着材を有効に加熱・冷却できればよい。
【0051】
温水は切り替えバルブ115、116、215、及び216の開閉により、入口113及び/又は213より導入され、各吸着塔1及び/又は2を通過し、出口114及び/又は214より導出される。冷却水も同様の切り替えバルブ115、116、215、及び216の開閉により、入口111及び/又は211より導入され、各吸着器1及び/又は2を通過し、出口112及び/又は212より導出される。また、熱媒配管11及び/又は21には、図示しないが外気と熱交換可能に配設された室外機、温水を発生する熱源、熱媒を循環するポンプが接続されている。熱源としては特に限定されず、例えばガスエンジンやガスタービンなどのコジェネレーション機器および燃料電池などが挙げられる。
【0052】
図1を用いて吸着式ヒートポンプの運転方法について説明する。第1行程では制御バルブ31及び34を閉鎖、制御バルブ32及び33を解放し、吸着塔1において再生工程を、吸着塔2において吸着工程を行う。また、切り替えバルブ115、116、215、及び216を操作し、熱媒パイプ11には温水を、熱媒パイプ21には冷却水を流通させる。
【0053】
吸着塔2を冷却する際には冷却塔等の熱交換器によって冷やされた冷却水を熱媒パイプ21を通して導入し、通常30〜40℃程度に冷却される。また、制御バルブ32の開操作により蒸発器4内の水は蒸発し、水蒸気となって吸着塔2に流れ込み、吸着材に吸着される。蒸発温度での飽和蒸気圧と吸着材温度(一般的には20〜50℃、好ましくは20〜45℃、更に好ましくは30〜40℃)に対応した吸着平衡圧との差により水蒸気移動が行われ、蒸発器4においては蒸発の気化熱に対応した冷熱、即ち冷房出力が得られる。吸着塔の冷却水の温度と蒸発器で生成する冷水温度との関係から吸着側相対蒸気圧φ2(ここでφ2は蒸発器で生成する冷水温度における吸着質の平衡蒸気圧を、吸着塔の冷却水の温度における吸着質の平衡蒸気圧で除すことにより求める)が決定されるが、φ2は本発明で規定した吸着材が最大に水蒸気を吸着する相対蒸気圧より大きくなるよう運転することが好ましい。φ2が本発明で規定した吸着材が最大に水蒸気を吸着する相対蒸気圧より小さい場合には、吸着材の吸着能を有効に利用できず、運転効率が悪くなるからである。φ2は環境温度等により適宜設定することができるが、φ2における吸着量が通常0.12以上、好ましくは0.15以上となる温度条件で吸着ヒートポンプを運転する。
【0054】
再生工程にある吸着塔1は通常40〜90℃、好ましくは50〜80℃、更に好ましくは60〜70℃の温水により加熱され、前記温度範囲に対応した平衡蒸気圧になり、凝縮器5の凝縮温度30〜40℃(これは凝縮器を冷却している冷却水の温度に等しい)での飽和蒸気圧で凝縮される。吸着塔1から凝縮器5へ水蒸気が移動し、凝縮されて水となる。水は戻し配管3により蒸発器4へ戻される。凝縮器の冷却水の温度と温水の温度との関係から脱着側相対蒸気圧φ1(ここでφ1は凝縮器の冷却水の温度における吸着質の平衡蒸気圧を、温水の温度における吸着質の平衡蒸気圧で除すことにより求める)が決定されるが、φ1は吸着材が急激に水蒸気を吸着する相対蒸気圧より小さくなるよう運転することが好ましい。もし、φ1が吸着材が急激に水蒸気を吸着する相対蒸気圧より大きいと、吸着材の優れた吸着量が有効に利用できないからである。φ1は環境温度等により適宜設定することができるが、φ1における吸着量が通常0.14以下、好ましくは0.10以下となる温度条件で吸着ヒートポンプを運転する。なお、φ1における吸着質の吸着量とφ2における吸着質の吸着量との差が、通常0.12g/g以上、好ましくは0.15g/g以上となるように運転する。以上が第1行程である。
【0055】
次の第2行程では、吸着塔1が吸着工程、吸着塔2が再生工程となるように、制御バルブ31〜34及び切り替えバルブ115、116、215、及び216を切り替えることで、同様に蒸発器4から冷熱、即ち冷房出力を得ることができる。以上の第1及び第2行程を順次切り替えることで吸着ヒートポンプの連続運転を行う。
【0056】
なお、ここでは2基の吸着塔を設置した場合の運転方法を説明したが、吸着材が吸着した吸着質の脱着を適宜おこなうことにより、いずれかの吸着塔が吸着質を吸着できる状態を維持できれば吸着塔は何基設置してもよい。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何等限定されるものではない。
[実施例1]
水38.4gと85%リン酸17.6gの混合物に、擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)9.5gをゆっくりと加えて攪拌した。これを3時間攪拌し、これに硫酸第一鉄7水和物6.78gを水36.6gに溶かした水溶液を加え、さらにトリエチルアミン10.8gを混合して3時間攪拌し、以下の組成を有する出発反応物を得た。
【0059】
0.32FeSO4:0.92Al2O3:P2O5:1.4トリエチルアミン:60H2O
上記の出発反応物をテフロン(登録商標)製内筒の入った200ccのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で200℃で12時間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて、沈殿物を回収した。その沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。こうして得られたテンプレートが含まれたサンプル3gを採取し、縦型の石英焼成管に入れ、200ml/分の空気気流下、1℃/分で550℃まで昇温し、そのまま550℃で6時間焼成を行った。こうして得られた結晶性鉄アルミノフォスフェートのXRDを測定したところ、AFI型のいわゆるFAPO−5であった。(フレームワーク密度:17.3T/1,000Å3)
また、塩酸水溶液で加熱溶解させ、ICP分析により元素分析を行ったところ、骨格構造のアルミニウムとリンと鉄の合計に対する各成分の構成割合(モル比)は、鉄が4.0%、アルミニウムが46.7%、リンが49.3%であった。
【0060】
図4は、このゼオライトを吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により測定して得られた25℃における水蒸気吸着等温線である。なお、吸着等温線の測定は、空気高温槽温度50℃、吸着温度25℃、初期導入圧力3.0torr、導入圧力設定点数0、飽和蒸気圧23.76mmHg、平衡時間500秒で行った。
【0061】
図4から相対蒸気圧0.15〜0.20において急激に水蒸気を吸着しており、相対蒸気圧範囲0.10〜0.25で相対蒸気圧が0.1変化した時の最大吸着量変化量は0.17g/gであり、相対蒸気圧範囲が0.14から0.22での吸着量変化は0.17g/gであることがわかる。この様な特性を有するFAPO−5は、本発明で用いる吸着材のうち、最も好ましいものの一つである。
[比較例]
水38.4gと85%リン酸17.6gの混合物に、擬ベーマイト(25%水含有、コンデア製)10.3gをゆっくりと加えて攪拌した。これを3時間攪拌し、これに水36.6gを加え、さらにトリエチルアミン11.6gを混合して3時間攪拌し、以下の組成を有する出発反応物を得た。
【0062】
Al2O3:P2O5:1.5トリエチルアミン:60H2O
上記の出発反応物をテフロン(登録商標)製内筒の入った200ccのステンレス製オートクレーブに仕込み、静置状態で200℃で12時間反応させた。反応後冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて、沈殿物を回収した。その沈殿物を水で3回洗浄した後濾別し、120℃で乾燥した。こうして得られたテンプレートが含まれたサンプル3gを採取し、縦型の石英焼成管に入れ、200ml/分の空気気流下、1℃/分で550℃まで昇温し、そのまま550℃で6時間焼成を行った。こうして得られた結晶性アルミノフォスフェートのXRDを測定したところ、AFI型のいわゆるAlPO−5(骨格構造にAl、Pを含有)であった。
【0063】
図5は、このゼオライトを吸着等温線測定装置(ベルソーブ18:日本ベル(株))により測定して得られた25℃における水蒸気吸着等温線である。なお、吸着等温線の測定は、空気高温槽温度50℃、吸着温度25℃、初期導入圧力3.0torr、導入圧力設定点数0、飽和蒸気圧23.76mmHg、平衡時間500秒で行った。
【0064】
図5から、相対蒸気圧範囲0.10〜0.25の吸着量変化量は0.03g/gしかないことがわかる。この様な特性を有するAlPO−5は、本発明の吸着材に適しない。
上述のように、本発明で用いる吸着材は、従来のシリカゲルやゼオライトと比較して同じ相対蒸気圧範囲において吸着量がより多く変化するため、ほぼ同じ重量の吸着材を用いてより多くの除湿効果を発生できる。
【0065】
【発明の効果】
本発明の、相対蒸気圧0.10以上、0.25以下の範囲で大きな吸脱着量変化を示す吸着材を利用した吸着ヒートポンプは、吸着材の吸脱着による水分吸着量の差が大きく、低温度で吸着材の再生(脱着)が可能になるため、従来に比べて低温の熱源を利用して、効率よく吸着ヒートポンプを駆動することができる。すなわち、本発明の吸着材によれば、80℃以下の比較的低温の熱源で駆動する吸着ヒートポンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 吸着ヒートポンプの概念図である。
【図2】 実施例の吸着材(FAPO−5)の水蒸気吸着等温線である。
【図3】 比較例の吸着材(ALPO−5)の水蒸気吸着等温線である。
Claims (12)
- 吸着質を吸脱着する吸着材であって下記の特性を有するものを備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の蒸発を行う蒸発部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の凝縮を行う凝縮部とを備えた吸着ヒートポンプの運転方法であって、該吸脱着部に100℃以下の熱媒を供給して吸着している吸着質を脱着させることを特徴とする方法。
吸着材=骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトであって、そのフレームワーク密度が16.0T/1 , 000Å 3 より大きく、20.0T/1 , 000Å 3 以下の範囲であり、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1以上0.25以下の範囲に、相対蒸気圧が0.1変化したときに水の吸着量変化が0.12g/g以上の領域を有するゼオライト。 - 吸着質を吸脱着する吸着材であって下記の特性を有するものを備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の蒸発を行う蒸発部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の凝縮を行う凝縮部とを備えた吸着ヒートポンプの運転方法であって、該吸脱着部に80℃以下の熱媒を供給して吸着している吸着質を脱着させ、脱着した吸着質を30℃以上の熱媒で冷却されている凝縮部で凝縮させることを特徴とする方法。
吸着材=骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトであって、そのフレームワーク密度が16.0T/1 , 000Å 3 より大きく、20.0T/1 , 000Å 3 以下の範囲であり、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1以上0.25以下の範囲に、相対蒸気圧が0.1変化したときに水の吸着量変化が0.12g/g以上の領域を有するゼオライト。 - 骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトが、下記式(1)、(2)および(3)を満足するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方
法。
0.001≦x≦0.3 …(1)
0.3 ≦y≦0.6 …(2)
0.3 ≦z≦0.6 …(3)
(式中、x、yおよびzは、それぞれ骨格構造に含まれるアルミニウム、リンおよび鉄の原子の合計に対するアルミニウム、リンおよび鉄の原子の割合を示す) - 骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトが、下記式(4)、(5)および(6)を満足するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
0.005≦x≦0.1 …(4)
0.3 ≦y≦0.6 …(5)
0.3 ≦z≦0.6 …(6)
(式中、x、yおよびzは、それぞれ骨格構造に含まれるアルミニウム、リンおよび鉄の原子の合計に対するアルミニウム、リンおよび鉄の原子の割合を示す) - 骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトが、骨格構造に更に酸素以外の他の元素を含んでおり、かつ骨格構造に含まれる鉄に対するこれらの元素の合計の原子比が1.5以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法。
- 骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトが、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1での吸着量が0.05g/g以下であり、かつ相対蒸気圧が0.25での吸着量が0.15g/g以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
- 吸着質を吸脱着する吸着材を備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の蒸発を行う蒸発部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の凝縮を行う凝縮部とを備えており、且つ該吸脱着部における吸着質の脱着を100℃以下の熱媒を用いて定常的に行わせることのできる吸着ヒートポンプ用吸着材であって、骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトからなり、そのフレームワーク密度が16.0T/1 , 000Å 3 より大きく20.0T/1 , 000Å 3 以下の範囲であり、25℃で測定した水 蒸気吸着等温線において相対蒸気圧が0.1以上0.25以下の範囲に、相対蒸気圧が0.1変化したときに水の吸着量変化が0.12g/g以上の領域を有しており、かつ骨格構造に含まれるアルミニウム、リン及び鉄が下記式(7)、(8)および(9)を満足するものであることを特徴とする吸着材。
0.005≦x≦0.1 …(7)
0.3 ≦y≦0.6 …(8)
0.3 ≦z≦0.6 …(9)
(式中、x、yおよびzは、それぞれ骨格構造に含まれるアルミニウム、リンおよび鉄の原子の合計に対するアルミニウム、リンおよび鉄の原子の割合を示す) - 骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトが、骨格構造に更に酸素以外の他の元素を含んでおり、かつ骨格構造に含まれる鉄に対するこれらの元素の合計の原子比が1.5以下であることを特徴とする請求項7に記載の吸着材。
- 骨格構造にアルミニウムとリンと鉄とを含むゼオライトが、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1での吸着量が0.05g/g以下であり、かつ相対蒸気圧が0.25での吸着量が0.15g/g以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載の吸着材。
- 吸脱着部における吸着質の脱着を80℃以下の熱媒を用いて、かつ凝縮部における吸着質の凝縮を30℃以上の熱媒を用いて定常的に行わせることのできる請求項7ないし9のいずれかに記載の吸着材。
- 請求項7ないし9のいずれかに記載の吸着材を備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の蒸発を行う蒸発部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の凝縮を行う凝縮部とを備えており、且つ吸脱着部における吸着質の脱着を100℃以下の熱媒を用いて定常的に行わせることのできる吸着ヒートポンプ。
- 請求項10に記載の吸着材を備えた吸脱着部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の蒸発を行う蒸発部と、該吸脱着部に連結されていて吸着質の凝縮を行う凝縮部とを備えており、80℃以下の高温側熱媒と30℃以上の低温側熱媒とを用いて定常的に作動させることのできるヒートポンプ。
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