JP3979009B2 - 制御情報出力装置及び情報システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、個々の状況に対応させて各種機器を動作させるための制御情報を出力する制御情報出力装置及び情報システムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、コンピュータシステムの発達に伴い、コンピュータ制御される機器は多岐に渡るようになってきた。例えばテレビジョン受像機・ビデオレコーダ・電気冷蔵庫・電気炊飯器・エアコン・オーディオ機器・ゲーム機など、家庭用電気器具のほとんどがマイコン等のコンピュータシステムを搭載しており、このコンピュータシステムにて実行されるプログラムで動作する。また、自動車内を考えても、ナビゲーション装置によるルート案内をはじめ、インターネットを用いた施設検索まで可能となっている。
【0003】
このようなコンピュータ制御によって、生活の各部で自動化が推進され、ユーザの有効な時間利用が促進される。例えば午前7時に朝食を摂りたいと思えば、電気炊飯器の炊きあがり時刻を午前7時にセットしておくだけで、その時刻に丁度炊けるように電源が入り動作するという具合である。
【0004】
しかしながら現状、このようなコンピュータ技術の進歩により、ユーザの有効な時間利用が促進されているとは言えない状況がある。それは、操作自体は簡単になってきているが、ユーザ自らが個々の状況に対して要求・設定などを行わなければならないためである。上述した例で言えば、炊きあがり時刻を午前7時にするように、ユーザ自らが設定を行う必要があった。つまり、いくらコンピュータシステムを搭載していると言っても、電気炊飯器自体が、ユーザに先回りして炊きあがり時刻を自動設定することはない。
【0005】
一方、このように炊きあがり時刻が7時になるように電気炊飯器を動作させたいといったユーザ要求は種々の要因から決定できるものであり、このようなユーザ要求がある程度の確率で決定できれば、電気炊飯器に限らず、上述したような家庭電気器具を総合的に、しかも、半自動的にセットアップして使用することができる。
【0006】
例えば特許第2695542号公報には、ユーザに関する情報を管理し、ユーザの特質に沿った情報処理を行う装置が開示されている。また、特開平7−261994号公報には、現象と行動とを対応付けてソフトウェアをカスタマイズする方法が開示されている。前者はメッセージパターンのマッチングを行うというパターン化の手法であり、後者は現象・行動を類型化するという、これもパターン化の手法である。
【0007】
ところが、上述した例では、ユーザの操作対象となる機器が多岐に渡り、また、それら機器に対するユーザ要求が様々な要因から生じるため、公報記載の技術を適用することは困難である。ユーザ行動などのパターン化には限界があるためである。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、操作対象となる機器、及び当該機器に対してユーザ要求を発生させる種々の要因を統括的に捉え、対象機器を総合的に、しかも、半自動的にセットアップして動作させるための構成を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の制御情報出力装置は、記憶手段に依存情報を記憶している。この依存情報は、対象機器にて実行されるアプリケーションプログラムと前記アプリケーションプログラムのそれぞれに対するユーザの要求がどの要因に依存して変化するかを示す依存性要因とを対応付けた情報である。そして、制御情報出力手段は、この依存情報に基づき、制御情報を出力する。
【0010】
ここで「対象機器にて実行されるアプリケーションプログラム」とは、上述したような各種機器などに搭載されるアプリケーションプログラムや対象機器としてのパーソナルコンピュータ等に搭載されるアプリケーションプログラムを意味する。つまり、本発明では、対象機器をそれらに搭載されたプログラムの単位で捉えるのである。なお、対象機器がパーソナルコンピュータに相当する場合には、本装置がこのパーソナルコンピュータ内部に設けられる構成であってももちろんよい。
【0011】
対象機器をそれらに搭載されたプログラムの単位で捉えることを、例えば電気炊飯器とビデオレコーダとが対象機器となる場合を例に挙げて説明する。このとき、電気炊飯器にA及びBの2つのアプリケーションプログラムが搭載されており、ビデオレコーダにC〜Eの3つのアプリケーションプログラムが搭載されているとすれば、対象機器にて実行されるアプリケーションプログラムは、A〜Eの5つのアプリケーションプログラムとなる。なお、アプリケーションプログラムという表現を用いたのは、コンピュータシステムの基本動作を実現するオペレーティングシステムなどのプログラムと区別する意図である。また、ここでいう「アプリケーションプログラム」には、大規模のものから、上述した家庭用電気器具に組み込まれるマイコンにて実行される、スイッチ等のハードウェアに対してオン/オフ動作などを行う小規模なものまで含まれる。
【0012】
また、「依存性要因」は、例えば、ユーザ要因・システム要因・メディア要因の少なくとも一つを含むものとすることが考えられる(請求項2)。
ユーザ要因とは、ユーザに関連する要因であり、ユーザの置かれた環境・状況やユーザの要求・状態などに関連するものである。例えば環境・状況には、時刻、場所、仕事内容、雑音の有無といった周囲条件などが挙げられる。また例えば要求・状態には、「食べたい」、「休憩したい」といった生活ニーズ、趣味などが挙げられる。その他ユーザに関連する要因としては、ユーザの嗜好性などが考えられる。
【0013】
システム要因とは、制御情報によって制御されるシステムに関連する要因であり、例えば次のようなものが含まれる。メモリ容量、並行して実行可能なアプリケーションプログラムの数、処理能力、動作環境をはじめ、通信を行うことを前提とし、通信条件、通信コスト、また、ディスプレイなどの表示機器を備えることを前提とし、画面サイズといった表示デバイス条件などを挙げることができる。ここで「システム」としたのは、上述した対象機器の要因だけでなく、本装置側の要因も、また対象機器を制御する制御装置が存在する場合には、その制御装置の要因をも含める意図である。
【0014】
メディア要因とは、アプリケーションプログラムの処理対象となるメディアに関する要因である。これには、DVD,CD−ROMといったメディアのタイプ、メディアに格納されるコンテンツに関する情報、例えばジャンル、製作者、日時、場所などが含まれる。
【0015】
本発明では、上述したようなアプリケーションプログラムと、アプリケーションプログラムのそれぞれに対するユーザの要求がどの要因に依存して変化するかを示す依存性要因とを対応付けた依存情報記憶しておく。例えば、上述した電気炊飯器の自動炊飯アプリケーションはユーザ要因である時刻、生活ニーズに依存するという具合である。そして、このような依存情報に基づく制御情報を出力する。より具体的には、ユーザからの指示情報または外部の状況を示す状況情報を取得し、取得した指示情報または状況情報に基づき、依存情報を参照して、対象機器の動作・設定に利用される制御情報を生成して出力する。
【0016】
つまり、ユーザの操作対象となる様々な機器をアプリケーションの単位で捉え、これらアプリケーションプログラムと、これらアプリケーションプログラムへの要求を生じさせる各種要因との間に依存性という概念を導入した。これによって、操作対象となる機器、及び当該機器に対してユーザ要求を発生させる種々の要因を統括的に捉えることができる。そして、制御情報に基づき対象機器がそれに応じた動作を行うように構成すれば、対象機器を総合的に、しかも、半自動的にセットアップして動作させることができる。電気炊飯器の例で言えば、ユーザ要因である時刻に自動炊飯アプリケーションが依存することを示す制御情報に基づき、ユーザが炊飯時刻を一度設定した後には、その炊飯時刻を記憶しておき、ユーザが単に炊飯動作の開始を指示するだけで、炊きあがり時刻を前回の予約時刻に設定するか否かをユーザに問い合わせるように動作させることができる。
【0017】
なお、依存情報は、アプリケーションプログラムと依存性要因とを対応付ける2次元テーブルとして記憶することが考えられる。例えば横の欄に依存性要因を記述し、縦の欄にアプリケーションプログラムを記述した2次元テーブルとして記憶するという具合である。このとき、アプリケーションプログラムと依存性要因とがクロスする欄に、依存しているか否かの情報を記述する。例えば、依存している場合には「D」を記述し、依存していない場合には空白にすることが考えられる。また、依存していることを示す「1」と依存していないことを示す「0」で記述してもよい。このような数値を用いてテーブルを記述すれば、依存情報をブール行列として計算上用いることもできる。
【0018】
さらにまた、依存しているか否かという2値の情報だけでなく、依存度合いである依存度を表現できるようにしてもよい。例えば依存度合いが最も高い「10」から依存していないことを示す「0」までといった多値の情報をテーブルに記述できるようにするという具合である。このようにすれば、各種の依存性要因に重み付けを行うことができ、ユーザ要求を細かく決定することができる。したがって、ユーザのフィーリングにより合った機器制御を行えることになる。
【0019】
ところで、「依存する」という状態をどのように定義するかが問題となるが、例えば請求項に示すようにして定義すればよい。
ここでいう依存性要因値とは、例えばユーザ要因である時刻を1日の単位で考えれば、依存性要因値は、午前0時から午後12時までの時刻となる。また、ユーザ要因である場所を考えれば、依存性要因値は、レストラン、公園、スポーツ施設、会社、自宅、車内などという値となる。前者は連続的なものとして、後者は離散的なものとして考えることができる。
【0020】
例えば文書作成を行うためのアプリケーションプログラムは、勤務時間内にはその要求度が高くなり、勤務時間外では要求度が低くなるという具合に、時刻という要因に対して要求度が相対的に大きく変動するという状況が考えられる。したがってこの場合、文書作成アプリケーションは、ユーザ要因である時刻に依存するものといえる。
【0021】
要求度が依存性要因値に対して相対的に大きく変動する場合を、さらに具体的に定義すれば、例えば請求項に示すような場合とすることが考えられる。
ここでは、要求度の変動を定量的に判断する。また、依存性要因値と要求度との対応関係である依存特性が時間経過に対して一定又は規則性を有することを条件とした。例えば1日の中で時刻に対して要求度が大きく変動するアプリケーションプログラムであっても、要求度の変動が日々異なる場合には、時間に対する依存性があるとは言えないからである。
【0022】
なお、制御情報出力手段が依存情報に基づいて制御情報を出力することは既に述べた。
この制御情報は、依存情報そのものであることが考えられる。この場合、依存情報の一部を出力する場合も含まれる。また、依存情報に加えあるいは代え、依存性要因値と要求度との対応関係である依存特性を制御情報として出力することが考えられる。このような依存特性に基づけば、ユーザ個々に依存特性が異なる場合にも、各ユーザに合わせた細かな制御が可能となる。
【0023】
さらに、上述した情報に加え又は代え、依存性要因リストを制御情報として出力してもよい。相対的に有効であると想定される依存性要因のリストを出力すれば、対象機器側で有効な依存性要因に基づく制御が可能となるためである。このように相対的に有効であると想定される依存性要因のリストを出力するのは、依存情報によって判断できる依存性要因であっても、周囲条件などによって依存性要因値の信頼度が低くなり、依存性要因が不適切なものとなる可能性があるためである。また、依存特性から算出される要求度が低い場合にも、有効な依存性要因ということはできない。
【0024】
このような依存性要因リストは、依存性要因の有効度合いに応じて複数レベルに階層化して出力することが考えられる(請求項)。
なお、相対的に有効であると想定される依存性要因は、周囲条件や要求度など応じて判断することが考えられる。また、依存性要因値を取得する依存性要因値取得手段を備える構成とし、この依存性要因値取得手段にて取得される依存性要因値に基づいて判断してもよい。例えば依存性要因値が所定の範囲内の値となっていない場合を判断するという具合である。
【0025】
依存性要因値取得手段を備える構成を前提とすれば、依存性要因値を制御情報として出力するようにしてもよい。この依存性要因値の出力においても、上述した依存性要因リストと同様に、相対的に有効であると想定される依存性要因に対応する依存性要因値を制御情報として出力することが考えられる。
【0026】
さらにまた、上述した情報に加え又は代え、制御情報出力手段は、相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラム判断し、アプリケーションリストを制御情報として出力することが考えられる。このようなアプリケーションリストを出力すれば、対象機器側において、アプリケーションプログラムを迅速に起動したり、起動準備、例えばメニューの最初にそのアプリケーションプログラムに関するメニューを表示するといった制御ができる。
【0027】
なお、このようなアプリケーションリストは、直接的なユーザ要求に基づいて作成してもよい
具体的には、依存性要因値及び依存特性を用い依存性要因に対する要求度を求め、当該要求度に基づいて相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラムを判断することが考えられる。要求度が所定値以上となったアプリケーションプログラムを、実行要求の高いものと判断するという具合である。このアプリケーションプログラムへの要求度は、依存性要因に対して個々に求められるものである。したがって、実行確信度に基づいて相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラムを判断するようにしてもよい。例えば、各依存性要因に対する要求度を平均し、この平均に基づき、相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラム判断するという具合である。
【0028】
このようにして得られる実行確信度が相対的に高いアプリケーションプログラムは確かにユーザ要求に沿ったものである可能性が高いが、所定のアプリケーションプログラムへのユーザ要求は実行中のアプリケーションプログラムに多分に関連していることがある。したがって、記憶手段に記憶されたアプリケーションプログラム間の従属関係を参照して補正した実行確信度に基づき、相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラムを判断する構成を採用することが好ましい。例えば文書作成アプリケーションと共に表計算アプリケーションが使用される可能性が高いという事実があれば、表計算アプリケーションが文書作成アプリケーションに従属するという従属関係を記憶しておく。このようにすれば、より適切なアプリケーションプログラムの起動・起動準備が実現される。
【0029】
ところで、相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラムを判断すれば、依存性要因値が確定していない依存性要因に対する要求度が推定できる。そこで、請求項の構成を採用することが考えられる。確定した依存性要因値に対しては要求度が算出可能であるため、それら算出された要求度と同様の要求度であるとして、未知の依存性要因値を推定することができる。ここで相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラムには、ユーザが直接的に選択したアプリケーションプログラムも含まれる。
【0030】
なお、以上のようなアプリケーションリストは、依存性要因リストと同様に、実行要求度合いに応じて複数レベルに階層化して出力することが考えられる(請求項)。
ところで、依存特性や依存情報は、一度作成された後は固定的な情報として用いてもよいが、ユーザからのアプリケーションプログラムの選択状況などから動的に学習されることが望ましい。
【0031】
そこで、請求項に示すように、依存特性を統計的に学習変更するようにするとよい。これによって、ユーザの行動パターンが変わっても、依存性要因から常に適切な要求度を算出することができる。また、制御情報出力手段は、依存特性の学習変更に応じて依存情報をも学習変更することが考えられる(請求項)。すなわち、依存特性の変化によって、アプリケーションプログラムが依存するとされていた依存性要因に依存しなくなる可能性がある。逆に依存しないとされていた依存性要因に依存するようになる可能性がある。そこで、上述したような依存性の定義に照らし合わせ、自動的に依存情報を学習変更するようにする。これによって、情報処理装置側では、ユーザの行動パターンが変わっても、適切な処理が実行可能となる。
【0032】
なお、制御情報出力手段は、制御情報を通信手段を介して外部装置へ出力することが考えられる(請求項10)。また、制御情報を着脱可能な記録媒体に出力するようにしてもよい(請求項11)。例えば小型のメモリカードなどの記録媒体に出力するという具合である。また、特に記憶容量の限られた記録媒体に出力する場合などを考えると、制御情報を符号化して出力するようにすることが望ましい。
【0033】
以上は、制御情報出力装置の発明として説明してきたが、本発明は、上述した制御情報出力装置と、制御情報出力手段によって出力される制御情報に基づく処理を行う情報処理装置とを備えていることを特徴とする情報システムの発明として実現することもできる(請求項12)。なお、符号化した制御情報が出力される場合、情報処理装置は、制御情報を復号化する復号化手段を備える構成とする(請求項13)。
【0034】
情報処理装置は、具体的に、請求項14に示すようなサーバ装置であることが考えられる。このときは、制御情報として依存性要因リスト、依存特性などを出力する前提の下、適切な範囲でデータベース検索を行うことができる。
また、情報処理装置は、記録媒体へ出力された制御情報を読み込んで動作する対象機器であることが考えられる(請求項15)。例えば記録媒体から制御情報を読み出して動作するテレビジョン受像機として実現されるという具合である。この場合は、ユーザ要因である時刻にテレビジョン受像機の電源オン/オフアプリケーションやチャンネル設定アプリケーションが依存するといった依存情報及び、時刻に係る依存特性を制御情報として出力する。これによってテレビジョン受像機側では、計時手段によって時刻を取得し、取得した時刻に基づいて、自動的に電源のオン/オフを行ったり、あるいは、自動的にチャンネルの切り替えを行ったりすることができる。そして、記録媒体に出力するようにすれば、別のテレビジョン受像機も、その記録媒体を差し込むことによって同様に動作させることができる。例えばユーザは自己の情報を記録媒体に記録して持参すれば、旅行先のテレビジョン受像機を自分の生活パターンに合わせて自動的に動作させるといったこともできる。
【0035】
さらにまた、情報処理装置は、制御情報を読み込んで複数の対象機器を制御する制御装置であってもよい(請求項16)。この制御装置は、例えば車室内などにおける対象機器としてのナビゲーション機器、オーディオ機器、検索機器、通信機器などを総合的に制御するものであることが考えられる。例えば、オーディオ機器のCD再生アプリケーションが、混雑しているか否かという周囲状況に依存し、検索機器のレストラン検索アプリケーションが、時刻に依存するという制御情報が出力されるとする。このとき制御装置は、例えば、混雑時にオーディオ機器にてCDの自動再生を行い、昼時になったらレストラン検索が即座に行えるようにレストラン検索アプリケーションを自動的に起動するという具合に動作する。
【0036】
また、複数の対象機器を制御情報出力装置からの制御情報で動作させることを考えると、制御情報出力装置は、複数の対象機器を操作するリモートコントロール端末(以下「リモコン」という。)であり、情報処理装置は、リモコンから送信される制御情報を読み込んで動作する対象機器であることが考えられる(請求項17)。
【0037】
なお、請求項14に示したようなデータベース検索を行うシステムを考える場合、プログラムだけでなく映像データなどのコンテンツを含めて「アプリケーション」として捉え、依存情報に基づくアプリケーション検索を行うことが考えられる。
【0038】
すなわち、請求項18に示すように、依存情報に基づく制御情報を出力する制御情報出力装置と、出力された制御情報に基づきアプリケーションを検索するサーバ装置とを備える情報システムの発明として実現してもよい。
具体的には、上述の情報システムは、請求項1〜9のいずれかに記載の制御情報出力装置と、前記制御情報出力手段によって出力される前記制御情報を利用して、アプリケーションの検索を行う検索手段を有したサーバ装置とを備えていることを特徴とする。
例えば映像データなどのアプリケーション検索を行おうとすると、内容記述データであるメタデータを用いることが考えられるが、メタデータのデータサイズが1Kバイトを超えてしまう場合も存在する。したがって、検索対象が数百万件を超えるオーダーになる場合は、Gバイトオーダーのメタデータ通信が必要になる。さらに、ユーザ自信も数百万人を超えるとなると、通信インフラやデータベースサイトの通信トラフィック量から、現状の最高性能の計算機を持ってしてもリアルタイム処理が困難な状況が発生する。
【0039】
これに対して、依存情報に基づくアプリケーション(コンテンツ)検索を行えば、依存性という概念によってアプリケーションやユーザ要求などを総括的にまた簡単に表現でき、しかも、データ量が抑えられるため、高速検索が可能になり、膨大な数のコンテンツが複数のデータベースサイトにわたって分散して存在する状況下においても、効率的な検索が可能になる。
【0040】
なお、この情報システムにおける制御情報出力装置を、請求項2〜のいずれかに示した制御情報出力装置と同様に構成できることは言うまでもない。また、このような検索処理の効率化を図るために、制御情報出力装置やサーバ装置は、依存性要因のとり得る依存性要因値を量子化できる構成としてもよい(請求項19)。ここでいう量子化は、例えば連続的な依存性要因値としての時間情報を「朝」、「昼」、「夜」や、「春」、「夏」、「秋」、「冬」という依存性を表すのに有効な時間情報として捉えるための処理をいう。この量子化に係る情報は、例えば量子化テーブルとして用意しておくことが考えられる。
【0041】
ところで、アプリケーション検索は具体的には次のようにして行うことが考えられる。例えば、予め定められた依存性要因にアプリケーションが依存するか否かを示すアプリ依存情報をサーバ装置が記憶しており、このアプリ依存情報に基づいて検索するという具合である(請求項20)。ここで特に、ユーザ要求としての依存ベクトルが制御情報出力装置から出力される前提の下、アプリ依存情報に含まれる特性ベクトルとの内積演算によって検索を行うことが考えられる(請求項21)。このようなベクトルの内積演算によって検索を行えば、検索処理に要する時間のさらなる短縮が実現できる。
【0042】
なお、特性ベクトルは、アプリケーションの詳細データから自動生成できる構成にするとよい(請求項22)。アプリケーションの詳細データとは、例えばアプリケーションが映像データといったコンテンツである場合、そのコンテンツに含まれるメタデータであることが考えられる。そして、このように生成された特性ベクトルは、テーブル形式などで記憶しておくことが望ましい(請求項23)。一度生成した特性ベクトルを記憶するようにすれば、次の検索時にその特性ベクトルを再利用できるからである。
【0043】
また、依存ベクトルや特性ベクトルは、依存の度合いである依存度も表現可能にするとよい(請求項24)。このようにすれば、依存するか否かだけでなく、依存のレベルが判断できるため、より詳細な検索が可能になる。
このようなベクトルを用いてより詳細な検索を行うためには、依存ベクトル及び特性ベクトルの成分が、依存性要因のとり得る依存性要因値に対する依存具合を表現するようにしてもよい(請求項25)。例えば図15に示すように、依存性要因である時間Tsに対する要求度の高まりを「0」又は「1」で表現する。そして、図中で12月〜翌年11月までの要求度の変化を示す「1010」を2進表現と考えてベクトルの成分とすれば、依存性要因に依存するか否かだけでなく、その依存具合を表現することができる。もちろん、要求度(図中の縦軸)についても多値表現すれば、より高度な検索が可能になる。
【0044】
ただし、検索処理時間の短縮という観点からは、依存ベクトル及び特性ベクトルを、その成分が「0」又は「1」の2値で表現される依存性符号として実現することが望ましい(請求項26)。
そしてさらに検索効率を向上させるために、上述した内積演算において、検索に係る依存性要因の中の所定要因に対する成分のみの演算を行うことが考えられる(請求項27)。これに加え又は代え、検索に係る依存性要因に対する成分に優先順位を付けて計算し、各成分毎に予め定められた基準を満たさない場合、演算を途中で停止するようにしてもよい(請求項28)。予め定められた基準を満たすか否かは、各成分の演算終了時に、アプリケーションの詳細データを考慮して判断するという具合である。これらの構成を採用すれば、内積演算に要する時間を短縮することができ、その結果、コンテンツ数が膨大になる場合には特に、検索効率を向上させることができる。
【0045】
以上のように、依存性を用いた検索を行えば、高速検索に寄与できる。そして、アプリケーション(コンテンツ)の相互運用性を向上できる。つまり、別のジャンルに分類されたアプリケーションをも容易に検索することができる。例えば、カラオケ映像に類した映像を取得したいとのユーザ要求に対し、例えば広告・宣伝映像などがその検索条件にマッチして取得されるという具合である。また、アプリケーションの特性が明確に記述されていなくても、検索対象を絞り込める。さらに、アプリケーションの特性を一意的な代表値に自動的に置きかえることが困難な場合にも有効である。例えばある映像データが様々な時間帯や場所にわたるシーンで構成されている場合など、時間と場所とを自動的に代表値で記述することは難しいためである。
【0046】
そして、このようにして絞り込まれたアプリケーションに対して、アプリケーションの詳細データに基づく2次検索を行うことが考えられる(請求項29)。このように依存情報による1次検索で絞り込んだアプリケーションに対して2次検索を行えば、より適切な検索結果が得られると共に、検索処理全体の効率を向上させることができる。
【0047】
なお、上述した発明は、アプリケーションを依存情報を用い表現することによって、アプリケーションの検索を効率化するものである。このように、依存性という概念でアプリケーションを捉えれば、種々のアプリケーションを普遍的に表すことができる。
【0048】
すなわち、請求項30に示すように、ユーザ側のアプリケーションをユーザ側依存情報によって表現し、サーバ側のアプリケーションをサーバ側依存情報で表現することが考えられる。この場合、サーバ装置は、ユーザ側とサーバ側のアプリケーションとを関連付けて動作する。
具体的には、上述の情報システムは、請求項1〜9のいずれかに記載の制御情報出力装置であって、前記依存情報のうちユーザ側で予め定められた依存性要因に依存するか否かを示すユーザ側依存情報によってユーザ側のアプリケーションを表現し、前記ユーザ側依存情報に基づき制御情報を出力する制御情報出力装置と、サーバ側で予め定められた依存性要因に依存するか否かを示すサーバ側依存情報によってサーバ側のアプリケーションを表現し、前記制御情報に基づき、前記ユーザ側のアプリケーションと前記サーバ側のアプリケーションとを関連付けて動作するサーバ装置とを備えたことを特徴とする。
【0049】
アプリケーションは時代とともに変化し、国や文化によっても異なる。一方、相互運用性のあるデータベースは継続して使用され得る。したがってアプリケーション名でコンテンツを分類することは特定サービスを想定して作ったコンテンツ以外では困難である。しかしながら、たとえば芸能界アイドル、渋滞情報、ニュース、観光情報などを考える場合、それらを扱うアプリケーションやコンテンツに対するユーザの視点は変わりうるが、基本的な評価属性としては一定かつ普遍的なものが存在すると考えられる。
【0050】
そこで、上述したように、ユーザ側及びサーバ側依存情報を、例えば普遍的な依存性要因で表現すれば、普遍的なアプリケーション記述を行うことができる。
このとき、上述した依存性符号でアプリケーションを表現してもよい(請求項31)。また、次々にアップロードされる映像データであるアプリケーションに対応させてサーバ側依存情報を記憶するために、アプリケーションを特定する言語表現と前記サーバ側依存情報との対応関係テーブルを用意し、入力情報に従い、サーバ側依存情報を自動的に付加するようにしてもよい(請求項32)。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照して説明する。
[第1実施例]
図1は、第1実施例の制御情報出力装置1の構成を示すブロック図である。
【0052】
制御情報出力装置1は、制御部10と、この制御部10に接続された入力部20、状況取得部30、出力部40、メモリ部50及び表示部60を備えている。
制御部10は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えたいわゆるコンピュータシステムである。
【0053】
入力部20は、ユーザからの指示情報を入力するための構成であり、キーボードやマウス等のポインティングデバイスで構成されている。
状況取得部30は、時々刻々変化する状況をデータとして取得するための構成である。具体的には、外部装置から送信される様々な状況情報を取得する通信デバイスとして構成したり、様々な状況情報を取得する複数のセンシングデバイスで構成したり、あるいは、その両方のデバイスで構成したりすることが考えられる。
【0054】
出力部40は、制御部10にて生成される制御情報を外部出力する構成である。出力部40から出力される制御情報は、対象機器70の動作・設定に利用される。したがって、対象機器70への送信を行うための通信デバイスとして構成することが考えられる。また、複数の対象機器70を制御する制御装置71への送信を行う通信デバイスとしてもよい。さらに、最終的に対象機器70の動作・設定に制御情報が利用できればよいため、所定フォーマットのプロファイルとしてファイル出力する構成としても、また、記録媒体への書き込みを行う構成としてもよい。
【0055】
メモリ部50は、情報記憶のための構成であり、例えばハードディスク装置として実現することが考えられる。また、半導体メモリ装置として実現してもよい。このメモリ部50には、「依存情報」としての依存性テーブル50a、「依存特性」としての依存特性情報50b及び「従属関係」としての従属性テーブル50cが記憶されている。
【0056】
表示部60は液晶やCRTを用いたディスプレイ装置であり、この表示部60によってユーザに対する情報表示がなされる。
このような構成の下、制御部10は、入力部20及び状況取得部30から入力される情報に基づき、メモリ部50に記憶された依存性テーブル50a・依存特性情報50b・従属性テーブル50cを参照し、対象機器70の動作・設定に利用される制御情報を生成し出力部40を介して出力する。
【0057】
この制御部10を機能ブロックで示したのが、図2である。
制御部10にて生成される制御情報は、アプリケーション情報と依存性情報とからなっている。アプリケーション情報は、実行要求が高いアプリケーションプログラムを示すアプリケーションリストである。一方、依存性情報は、依存ベクトル、依存特性、及び依存性要因リストからなる。
【0058】
アプリケーションリストとして具現化されるアプリケーション情報は、少なくとも状況情報、依存性テーブル50a、依存特性情報50b及び従属性テーブル50cに基づいて、アプリケーション情報生成ブロック11にて作成される。少なくともとしたのは、対象機器70に実行させるアプリケーションプログラムを入力部20を介してユーザが選択指示できるようになっており、アプリケーションプログラムの選択指示があった場合は、このアプリケーション選択指示も考慮してアプリケーション情報が作成されるためである。一方、依存性情報は、状況情報、依存性テーブル50a及び依存特性情報50bに基づいて、依存性情報生成ブロック12にて生成される。
【0059】
アプリケーション情報生成ブロック11、依存性情報生成ブロック12にてそれぞれ生成されたアプリケーション情報及び依存性情報は、制御情報生成ブロック13へ出力されて制御情報としてまとめられ、その後、符号化ブロック14へ出力される。符号化ブロック14では、制御情報の符号化を行う。そして、符号化された制御情報が、記録媒体、プロファイル、対象機器70あるいは複数の対象機器70を制御する制御装置71などへ出力される。
【0060】
本第1実施例の制御情報出力装置1は、このような制御情報の生成に特徴を有するものである。そこで次に制御情報生成について詳細に説明する。
まず最初に、制御情報生成にあたって参照される依存性テーブル50a、依存特性情報50b及び従属性テーブル50cについて説明し、さらに続けて制御情報としてのアプリケーションリスト、依存性要因リスト、依存ベクトルについて説明する。そしてその後に、制御情報生成動作の説明を行う。
【0061】
(1)依存性テーブル
依存性テーブル50aは、対象機器70にて実行される各種アプリケーションプログラムに対するユーザ要求が、どのような要因(以下「依存性要因」という。)に依存するか、という依存関係を示すテーブルである。依存性テーブル50aの一例を、図3に示した。図3に示した2次元の依存性テーブル50aは、ビデオメディアに関連するアプリケーションプログラムに係るものである。
【0062】
(1−1)アプリケーションプログラムの記述
図3中の最も左側の欄に示されるのが、対象機器70にて実行されるアプリケーションプログラムである。「オフィス応用」アプリケーションは、文書作成、表計算などを実現するものである。「医療記録」アプリケーションは、映像を利用して歩行具合などの医療記録を行うものである。「ビデオ編集」アプリケーションは、ビデオ映像の途中をカットしたり、映像の順番を入れ替えたりするものである。また、「テレビ電話」アプリケーションは、いわゆるテレビ電話に搭載されるものであり、通話音声と共に通話者の映像をやり取りするためのものである。「家庭用AV」アプリケーションは、ビデオレコーダなど映像関連情報を取り扱う家庭用電気器具に搭載されたものである。「電子化カタログ」アプリケーションは、いわゆるカタログショッピングを可能にするものであり、映像を用いて商品の案内・販売を行うものである。
【0063】
図3中のハッチング部分以降のアプリケーションプログラムは、映像メディアに関連するアプリケーションプログラムの中でも特に、ナビゲーション装置や携帯情報端末に搭載されるアプリケーションプログラムである。
「ルートガイダンス」アプリケーションは、目的地を設定すると、当該目的地までの案内経路を設定してルート案内を行うものである。また、「施設案内」アプリケーションは、施設検索を行うアプリケーションプログラムであり、さらに、「天気情報」、「交通情報」、「カラオケ」、「スポーツ情報」、「ゴルフ情報」、「スキー情報」、「レストラン情報」、「ショッピング情報」、「旅行情報」、「景観情報」、「ニュース情報」、「音楽情報」、「緊急情報」のアプリケーションは、それぞれの情報を取得し、映像を利用してユーザに提示するものである。
【0064】
(1−2)依存性要因の記述
依存性テーブル50aに記述される依存性要因は、大きく3つに分類できる。ユーザ要因、システム要因及びメディア要因である。
(1−2−1)ユーザ要因
ユーザ要因とは、ユーザに関連する要因であり、ユーザの置かれた環境・状況やユーザの要求・状態などに関連するものである。例えば環境・状況には、時刻、場所、仕事内容、雑音の有無といった周囲条件などが挙げられる。また例えば要求・状態には、「食べたい」、「休憩したい」といった生活ニーズ、趣味などが挙げられる。その他ユーザに関連する要因としては、ユーザの嗜好性などが考えられる。
【0065】
このユーザ要因には、特開平12−20090号公報や特開平11−351901号公報などに開示される、本出願人の提示したプロファイルシステムにおける「ユーザの環境・状況・要求・状態」の項目が含まれる。これら公報に開示される項目は特に自動車内における要因を示しているが、本明細書中でいうユーザ要因は車内の要因に限定されるものではない。
【0066】
(1−2−2)システム要因
システム要因とは、制御情報によって制御されるシステムに関連する要因であり、例えば次のようなものが含まれる。メモリ容量、並行して実行可能なアプリケーションプログラムの数、処理能力、動作環境をはじめ、通信を行うことを前提とし、通信条件、通信コスト、またディスプレイなどの表示機器を備えることを前提とし、画面サイズといった表示デバイス条件などを挙げることができる。
【0067】
(1−2−3)メディア要因
メディア要因とは、アプリケーションプログラムの処理対象となるメディアに関する要因である。これには、DVD,CD−ROMといったメディアのタイプ、メディアに格納されるコンテンツに関する情報、例えばジャンル、製作者、日時、場所などが含まれる。
【0068】
図3に示す依存性テーブル50aには、ユーザ要因及びメディア要因に属する諸項目を例示した。
ユーザの環境・状況の要因には、「時刻」、「場所」、「仕事」、「周囲条件」、「周囲の人々」の項目が示されている。「周囲条件」とは、周囲が騒がしいか否か、混雑しているか否かなどの条件をいう。また、「周囲の人々」は、子供であったり、大人であったり、また、家族であったり、友人であったりという区別をいう。
【0069】
ユーザの要求・状態の要因には、「生活ニーズ」、「フィーリング」、「面白さ」という項目が示されている。「生活ニーズ」は、上述したように「食べたい」、「休みたい」というユーザの要求に近いものであり、これに対して「フィーリング」、「面白さ」は、ユーザの状態に近いものである。例えば「疲れた」、「気分最高」といったユーザ状態がフィーリングとされ、「面白さ」は、ユーザの趣味などの情報とすることが考えられる。また、「嗜好性」の項目は、好きな番組であったり、好きな俳優であったりする。
【0070】
メディア要因として、図3には、コンテンツに関連する項目を例示した。「時間」、「場所」、「行為者」、「製作者」、「ジャンル」の項目である。「時間」はコンテンツの再生時間等である。「場所」は、撮影場所のことである。「行為者」は、俳優であったり、医療記録などでは患者であったりする。
【0071】
そして、このような依存性要因は、図1中に示した状況取得部30にて取得されるデータに基づいて確定される。依存性要因がとり得る値を、以下「依存性要因値」という。
例えば、ユーザ要因の「時刻」は、時計からの信号出力に基づき、取得することが考えられる。例えば、午前0時から午後12時までの時刻として取得されるという具合である。また、ユーザ要因の「場所」は、レストラン、公園、スポーツ施設、会社、自宅、車内といった依存性要因値をとることが考えられる。このような依存性要因値は、例えばGPS受信機により取得される位置情報と地図データとのマッチングで確定することができる。さらに、ユーザ固有の情報については、例えばプロファイルという形式で管理するようにしておき、このプロファイルを参照して確定することが可能である。このプロファイルは、制御情報出力装置1の内部に記憶する構成であってもよい。また、外部の別の装置に記憶しておき、この装置から状況取得部30を介して取得するようにしてもよい。
【0072】
また例えば、図3に示すメディア要因に関しては、アプリケーションプログラムの処理対象となるメディアのヘッダー情報として記録しておくことが考えられる。従来より、音楽CDなどには、各曲の再生時間などが記録されている。したがって、映像メディアに所定のフォーマットで「時間」、「場所」、「行為者」、「製作者」、「ジャンル」を記録しておくことが考えられる。そして、対象機器70側からこれらの情報を状況取得部30を介して取得する。なお、このようなメディア要因も、プロファイルという形式で予め記録しておくようにし、プロファイルから読み出して使用するようにしてもよい。
【0073】
(1−3)依存性の記述
そして、依存性テーブル50aには、各アプリケーションプログラムが、上述した依存性要因のいずれに依存するかが記述されている。図3で言えば、「D」という記述が「依存」することを示している。例えば「オフィス応用」アプリケーションは、ユーザ要因の「場所」、「仕事」、メディア要因の「時間」、「場所」、「行為者」、「製作者」、「ジャンル」に依存することが、図3より分かる。
【0074】
(2)依存特性
依存性テーブル50aに示される各アプリケーションプログラムがいずれの依存性要因に依存するかという情報は、依存特性情報50bに基づき決定されたものである。
【0075】
依存特性情報50bは、依存性要因のとり得る依存性要因値と、アプリケーションプログラムへのユーザの統計的な要求度(以下「要求度」という。)との対応関係を示す情報である。依存性要因値は、ユーザ要因の「時刻」であれば、午前0時から午後12時までの時刻というような連続的な値として、一方、「場所」であれば、レストラン、公園、スポーツ施設、会社、自宅、車内といった離散的な値として確定されることは既に述べた。
【0076】
例えば連続的な依存性要因値と要求度との対応関係を、図4に示した。ここでは、横軸に依存性要因値Xをとり、縦軸にアプリケーションプログラムへの要求度Rを示した。ここで、依存性要因値Xに対し、要求度Rが相対的に大きく変動する場合に、アプリケーションプログラムがその依存性要因に依存すると定義する。
【0077】
具体的に本第1実施例では、次に示す▲1▼〜▲3▼の3つの条件を満たす場合を、要求度Rが相対的に大きく変動する場合とする。
▲1▼要求度Rの依存性要因値Xに対する最大変動幅が第1の閾値DRthを上回っていること
▲2▼要求度の最大値Rmaxが第2の閾値Rthを上回っていること
▲3▼依存特性の曲線が時間に対して一定であること、あるいは、規則性が見られること
例えば図4には、2つの依存特性を示した。実線で示した記号Aの依存特性(以下「依存特性A」と記述する。)と、一点鎖線で示した記号Bの依存特性(以下「依存特性B」と記述する。)である。
【0078】
依存特性Aは、依存性要因値Xに対する要求度Rの最大変動幅がα−βとなっており、要求度Rの最大値Rmaxがαとなっている。したがって、図4から分かるように、α−β>DRthで、かつ、α>Rthである。したがって依存特性Aが時間に対して一定又は規則性を有するならば、依存特性Aを有するアプリケーションプログラムは、その依存性要因に依存するとされる。
【0079】
一方、依存特性Bは、依存性要因値Xに対する要求度Rの最大変動幅がγ−δとなっており、要求度Rの最大値Rmaxがγとなっている。したがって、図4から分かるように、γ−δ<DRth,γ<Rthである。そのため、依存特性Bを有するアプリケーションプログラムは、依存性要因に依存しないとされる。
【0080】
なお、上記▲3▼の条件を設定するのは、例えば1日の中の時刻Xに対して要求度Rが大きく変動するアプリケーションプログラムであっても、要求度Rの変動が日々異なる場合には、時刻Xに対する依存性があるとは言えないからである。また、依存性要因値が離散的な値となる場合は、例えばテーブル形式で依存性要因値と要求度とを対応させることが考えられる。この場合も、上述したのと同様の方法で依存するか否かを定義できる。
【0081】
このような依存特性情報50bは、図3に示した各依存性要因と各アプリケーションプログラムとを関係付けるものであり、依存性テーブル50aの各升目にそれぞれ対応付けられるものである。
このような依存特性情報50bが決定されれば、上述した依存性の定義を用いて、依存特性情報50bから依存性テーブル50aが確定できる。そのため、このような依存特性情報50bは、ユーザ要求を予め統計処理して記憶しておくことが考えられる。ただし、入力部20を介してユーザからアプリケーションプログラムの選択指示を入力できる構成であるため、このアプリケーションプログラムの選択指示に基づいて学習変更するようにしてもよい。また、依存特性情報50bの学習変更に伴い、依存性の定義を用い、依存性テーブル50aをも学習変更する構成とすることが望ましい。
【0082】
(3)従属性テーブル
従属性テーブル50cは、アプリケーションプログラム間の従属関係を示すものである。あるアプリケーションプログラムへのユーザ要求は、別のアプリケーションプログラムに関連して大きくなることがある。例えば文書作成アプリケーションと共に表計算アプリケーションが使用される可能性が高いという具合である。したがって、表計算アプリケーションが文書作成アプリケーションに従属するというような従属関係を従属性テーブル50cとして記憶しておく。
【0083】
さらに続けて制御情報としてのアプリケーションリスト、依存性要因リスト及び依存ベクトルについて説明する。
(4)アプリケーションリスト
アプリケーションリストは、実行要求の度合いに応じて階層化されたアプリケーションプログラムの一覧である。本第1実施例では以下▲1▼〜▲4▼に示す4つのレベルに階層化したアプリケーションリストを生成する。
【0084】
▲1▼完全アプリケーションリスト(以下「F−ALST」という。)
登録されているすべてのアプリケーションプログラムのリストであり、制御情報出力装置1と対象機器70側とでアプリケーションプログラムを対照させるためのリストである。
【0085】
▲2▼ユーザアプリケーションリスト(以下「U−ALST」という。)
ユーザが要求する可能性のあるアプリケーションプログラムのリストであり、F−ALSTのサブセットになる。
▲3▼要求アプリケーションリスト(以下「R−ALST」という。)
ユーザが要求すると推定されるアプリケーションプログラムのリストであり、U−ALSTのサブセットになる。
【0086】
▲4▼実行アプリケーションリスト(以下「E−ALST」という。)
実行が確定したアプリケーションプログラムのリストであり、R−ALSTのサブセットになる。
(5)依存性要因リスト
依存性要因リストは、依存性要因を有効度合いに応じて階層化した依存性要因の一覧である。本第1実施例では、以下▲1▼〜▲4▼に示す4つのレベルに階層化された依存性要因リストを生成する。
【0087】
▲1▼完全依存性要因リスト(以下「F−DLST」という。)
登録されているすべての依存性要因のリストであり、制御情報出力装置1と対象機器70側とで依存性要因を対照させるためのリストである。
▲2▼ユーザ依存性要因リスト(以下「U−DLST」という。)
ユーザの要求を判定する上で必要な依存性要因のリストであり、依存性要因値が確定される可能性のある依存性要因のリストである。これは、F−DLSTのサブセットになる。
【0088】
▲3▼アクティブ依存性要因リスト(以下「A−DLST」という。)
依存性要因値の確定した依存性要因のリストであり、U−DLSTのサブセットになる。
▲4▼最重要依存性要因リスト(以下「P−DLST」という。)
実行が確定したアプリケーションプログラムに関する依存性要因を示すリストであり、最重要のリストである。これは、A−DLSTのサブセットになる。
【0089】
(6)依存ベクトル
依存ベクトルとは、依存性テーブル50aを行単位で取り出したものであり、これも「依存情報」に相当する。依存ベクトルは、あるアプリケーションプログラムが、いずれの依存性要因に依存しているかを示すものである。例えば図3に示す依存性テーブル50aにおいて、「オフィス応用」アプリケーションの依存ベクトルは、依存を示す記号Dを論理値「1」で置き換え、依存しないことを示す空白欄を論理値「0」で置き換えて、依存ベクトルDP=(0,1,1,0,0,0,0,0,0,1,1,1,1,1)と表すことができる。したがって、依存ベクトルと上述したF−DLSTを対照させれば、あるアプリケーションプログラムがどの依存性要因に依存しているかを判断することができる。
【0090】
次に制御情報生成動作の説明を行う。ここでは、制御部10にて実行される制御情報出力処理を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。この制御情報出力処理は、入力部20を介した制御情報の出力指示があると実行される。なお、ここでは、依存性テーブル50aを模式的に示す図6及び図7を適宜参照して説明する。
【0091】
まず最初のステップ(以下、ステップを単に記号Sで示す。)100において、依存性要因値を取得する。これは、上述したような各種依存性要因の値を確定する処理である。具体的には、状況取得部30にて取得されるデータに基づき、依存性要因値を取得する。
【0092】
続くS110では、依存性要因の有効度合いを判断し、依存性要因値の確定を判断する。このように依存性要因の有効度合いを判断するのは、周囲条件などによって依存性要因値の信頼度が低くなり、依存性要因が不適切なものとなる可能性があるためである。例えば、依存性要因値が所定範囲内の値となっていない場合に、依存性要因値が確定していないものとする。
【0093】
次のS120では、アプリケーションプログラムの選択指示がユーザからあったか否かを判断する。本第1実施例の制御情報出力装置1では、表示部60を介して対象機器70で実行可能なアプリケーションプログラムをメニュー表示する。ユーザは、このメニューからアプリケーションプログラムの選択指示を行うことができる。ここでアプリケーションプログラムの選択指示があったと判断された場合(S120:YES)、S130へ移行する。一方、アプリケーションプログラムの選択指示がなかったと判断された場合(S120:NO)、S170へ移行する。
【0094】
アプリケーションプログラムの選択指示があった場合に移行するS130では、アプリケーションプログラムを選択する。この処理は、ユーザによる選択指示がなされたアプリケーションプログラムを選択し、このアプリケーションプログラムの実行確信度を「1」にセットするものである。実行確信度は、正規化された情報であり、「1」に近いほどユーザによる実行要求が高いことを示す。
【0095】
例えば図6に示すように、アプリケーションAlがユーザから指示された場合、このアプリAlの実行確信度を「1」にする。
次のS140では、S130にて選択したアプリケーションプログラムが依存する依存性要因の中で依存性要因値が確定しており、さらに、その依存性要因値から算出した要求度が所定値よりも大きくなる依存性要因を、依存性テーブル50a及び依存特性情報50bに基づき探索する。
【0096】
例えば図6では、依存性テーブル50aのアプリAlの行を順に探索し(探索方向を矢印Aで示した)、依存を示す「D」が記述された依存性要因Xi,Xj,Xkの中で、依存性要因値の確定した依存性要因Xi,Xjを探索する。そしてさらに、依存特性情報50bに基づき、依存性要因Xi,Xjに対する要求度Rli,Rljを算出し、それぞれの所定値R1th,R2thと比較する。要求度Rli>R1thならば、依存性要因Xiを有効なものとして選択する。同様に要求度Rlj>R2thならば、依存性要因Xjを有効なものとして選択する。なお、ここで依存性要因Xi,Xjが有効なものとして選択されたとして、以下の説明を続ける。
【0097】
続くS150では、関連アプリを選択する。この処理は、確定しており有効であると判断された依存性要因に依存するアプリケーションプログラムを、依存性テーブル50aに基づき、選択するものである。
例えば図6で言えば、選択された依存性要因Xi,Xjに依存している関連アプリAm,Anを選択することになる。詳しくは、依存性要因Xiの列を矢印B方向に探索し、依存を示す「D」が記述された行のアプリケーションAnを関連アプリとして選択する(矢印E参照)。同様に、依存性要因Xjの列を矢印C方向に探索し、依存を示す「D」が記述された行のアプリケーションAmを関連アプリとして選択する(矢印D参照)。
【0098】
そして次のS160では、要求度を算出する。この処理は、確定しており有効であると判断された依存性要因について、関連アプリへの要求度を算出するものである。
例えば図6では、関連アプリAmへの依存性要因Xjに対する要求度Rmjと、関連アプリAnへの依存性要因Xiに対する要求度Rniを算出することになる。
【0099】
そしてS160の処理終了後、S200へ移行する。
一方、アプリケーションプログラムの選択指示がなかった場合に移行するS170では、確定要因を探索する。この処理は、S110にて依存性要因値の確定した依存性要因を依存性テーブル50aの中でマーキングするものである。そして、ここで探索した依存性要因を、上述した依存性要因リストの中のA−DLSTに加える。
【0100】
例えば図7では、2つの依存性要因Xi,Xjが確定しているため、これらがマーキングされてA−DLSTに加えられる。
続くS180では、要求度を算出する。この処理は、確定した依存性要因、すなわちA−DLSTに入っている依存性要因に対する要求度を、依存特性情報50bを用いて算出するものである。
【0101】
図7で言えば、依存性要因Xi,Xjに対するアプリケーションプログラムへの要求度Rli,Rlj,Rmj,Rniを算出する。詳しくは、依存性要因Xiの列を矢印G方向に探索し、依存を示す「D」が記述された行のアプリケーションAl,Anに対する要求度Rli,Rniを算出する。同様に、依存性要因Xjの列を矢印H方向に探索し、依存を示す「D」が記述されたアプリケーションAl,Amに対する要求度Rlj,Rmjを算出する。
【0102】
次のS190では、関連アプリを選択する。この選択は、S180にて算出された要求度に応じて行われる。具体的には、各要求度が、対応する所定値よりも大きいか否かで判断する。要求度が所定値を上回るアプリケーションプログラムは、上述したアプリケーションリストのR−ALSTに加えられる。一方、要求度が所定値以下であれば、R−ALSTは変更しない。
【0103】
図7で言えば、要求度Rli>R1th、又は、要求度Rlj>R2thのとき、アプリケーションAlが関連アプリとして選択される(矢印I参照)。また、要求度Rmj>R3thのとき、アプリケーションAmが関連アプリとして選択される(矢印J参照)。同様に、要求度Rni>R4thのとき、アプリケーションAnが関連アプリとして選択される(矢印K参照)。なお、関連アプリとしてAl,Am,Anが選択されたものとして、以下の説明を続ける。
【0104】
そしてS190の処理終了後、S200へ移行する。
S200では、実行確信度を算出する。これはS160又はS180で算出した要求度に基づき算出する。例えば複数の依存性要因に対して算出された要求度を平均したものを実行確信度とすることが考えられる。具体的に示すと、例えば依存性テーブル50aのあるアプリケーションプログラムApについての実行確信度Cpは、依存性要因Xq(q=1,2,3,・・・,Q)に対する要求度をRpqで示し、依存性要因XqにアプリケーションApが依存する場合をdpq=1とし、一方、依存しない場合をdpq=0とすれば、次の式1で示される。
Cp = (1/SR)Σ(Rpq・dpq) …式1
ここでSR=Σdpqであり、Σは、q=1〜Qまでの和記号である。なお、要求度Rpqは正規化されているものとする。
【0105】
次のS210では、実行確信度を補正する。この処理は、上述した従属性テーブル50cを用い、実行確信度を補正するものである。
アプリケーションプログラムが選択指示されている場合は(図6参照)、実行確信度が「1」となっている選択指示されたアプリAlへの従属関係を用い、アプリケーションプログラムが選択指示されていない場合は(図7参照)、R−ALSTに属するアプリケーションプログラムの中で最も実行確信度の大きなアプリケーションプログラムへの従属関係を用いる。例えば図7において関連アプリAlの実行確信度が最も大きくなっている場合は、関連アプリAlへの従属関係を用いて実行確信度を補正する。
【0106】
続くS220では、確定していない依存性要因値を推定する。これは、実行要求が相対的に高いアプケーションを基にして、依存性要因値を推定する処理である。
例えば図6では、アプリAl,関連アプリAm,Anの依存性要因Xkに対する要求度Rlk,Rmk,Rnkを最初に推定する。これらアプリケーションAl,Am,Anへの確定した依存性要因Xi,Xjに対する要求度は相対的に大きくなっているため、Rlk,Rmk,Rnkも相対的に大きな値、例えば対応する所定値を上回る値として推定できる。したがって、推定した要求度Rlk,Rmk,Rnkを満たす依存性要因値を推定でき、さらに、それら推定した依存性要因値を平均して、依存性要因Xkの依存性要因値とすることが考えられる(矢印F参照)。なお、単に平均をとってもよいが、依存度合いを考慮して荷重係数を用いた平均をとってもよい。また、この荷重係数は、各アプリケーションプログラムの実行確信度で代用することができる。図7においても同様であり、関連アプリAl,Am,Anの依存性要因Xkに対する要求度を推定して依存性要因値を推定する(矢印L参照)。
【0107】
この推定処理を具体的に示すと、次のようになる。すなわち、実行要求の高いアプリケーションApの依存性要因Xqに対する要求度Rpqが所定値Rpqthを上回る(Rpq>Rpqth)として、各アプリケーションApに対する依存性要因値XESTpqを推定する。そして、次の式2により、依存性要因値XESTpqを平均して、依存性要因Xqの依存性要因値XESTqを推定する。
XESTq = (1/SA)Σ(ap・XESTpq) …式2
ここで、SA=Σapであり、apはアプリケーションApに対する荷重係数、また記号Σは、p=1〜pmaxまでの和記号を示している。荷重係数apは、上述したようにアプリケーションApの実行確信度Cpで代用してもよい。
【0108】
そして次のS230では、制御情報を生成する。すなわち、アプリケーション情報としてのアプリケーションリスト、依存性情報としての依存性要因リスト、依存ベクトル、依存特性を生成する。
具体的には、S210で補正された実行確信度に基づき、アプリケーションリストを再構成する。すなわち、実行確信度Cが第1の閾値C1thよりも大きい場合、その関連アプリをE−ALSTに入れる。一方、実行確信度Cが第1の閾値C1th以下で、かつ、第2の閾値C2thよりも大きい場合、その関連アプリをR−ALSTに入れる。実行確信度Cが第2の閾値C2th以下であれば、その関連アプリをR−ALSTから除外する。
【0109】
また、依存性要因リストを再構成する。S170にてA−DLSTに入れられた依存性要因の中でE−ALSTに入れられた関連アプリに係る依存性要因をP−DLSTに入れる。
さらに、R−ALST,E−ALSTに属するアプリケーションプログラムに対する依存ベクトル及び依存特性をそれぞれ、依存性テーブル50a及び依存特性情報50bから作成する。
【0110】
次のS240では、アプリケーションリスト、依存性要因リスト、依存ベクトル及び依存特性を符号化する。そして、S250にて、符号化した制御情報を出力する。このS250の出力処理終了後、本制御情報出力処理を終了する。
ところで、このようにして制御情報生成出力することによって、制御情報に基づき対象機器70がそれに応じた動作を行うように構成すれば、対象機器70を総合的に、しかも、半自動的にセットアップして動作させることができる。
【0111】
そこで次に、対象機器70側で実行される対象機器側処理について、図8のフローチャートに基づき説明する。この対象機器側処理は、対象機器70にて実行されることが考えられる。また、複数の対象機器70を制御する制御装置71にて実行されることが考えられる。
【0112】
まず最初のS300において、制御情報の復号化を行う。本第1実施例では、上述したように制御情報として、アプリケーションリスト、依存性要因リスト、依存ベクトル、依存特性を符号化して出力する。したがってここでは、これらの情報を順次復号化していく。
【0113】
続くS310では、復号化した制御情報を読み出す。
そして次のS320ではアプリケーションの設定を行い、その後、本対象機器側処理を終了する。
S320におけるアプリケーションの設定には、アプリケーションプログラムに関する様々な設定処理が含まれる。したがってここで、アプリケーション設定について説明する。
【0114】
(7)アプリケーション設定
(7−1)アプリケーション情報による設定
アプリケーション情報としてのアプリケーションリストに基づき、ユーザ要求に合わせたアプリケーションプログラムの起動・起動準備を行う。
【0115】
例えば実行の確定したE−ALSTに属するアプリケーションプログラムに関してはスタンバイ状態にし、ユーザが要求すると推定されるR−ALSTに属するアプリケーションプログラムに関してはアクセス可能状態にする。スタンバイ状態とは、アプケーションプログラムをメモリ展開して起動しておき、即座に使用できる状態にすることをいう。また、アクセス可能状態とは、直ぐに選択起動できるように、メニューに入れたり、また、メニューの最初に表示したりすることをいう。
【0116】
(7−2)依存性情報による設定
依存性要因リスト、依存ベクトルに基づき、アプリケーションプログラムがどのような依存性要因に基づいて要求されているのかを判断する。さらに、依存特性によって個々の依存性要因に対する要求度を判断する。そして、ユーザ要求に合わせたカスタマイズを行う。
【0117】
例えば「施設検索」アプリケーションの実行確信度が高くなり、実行が確定した場合を考える。このとき、その検索アプリケーションが、「生活ニーズ」という依存性要因から要求されたのか、あるいは、ユーザの「嗜好性」という依存性要因から要求されたのかを判断する。依存性要因リスト及び依存ベクトルに基づけば、いずれの依存性要因が有効となっているかを判断できる。また、両方の依存性要因が有効である場合には、依存特性を用いて要求度を算出する。これによって、検索範囲を有効に限定できる。
【0118】
なお、ユーザ要求に合わせたカスタマイズには、上述したような検索条件の設定だけでなく、アプリケーションプログラムに関連する様々なものが含まれる。例えば、アプリケーションプログラムが実行される対象機器70の設定、アプリケーションプログラムの処理対象となるメディアコンテンツの選択、さらには、アプリケーションプログラムで参照されるユーザの属性記述の最適化などが挙げられる。対象機器70の設定には、画面表示形態などをユーザの好みに合わせて変更する設定などが考えられる。また、メディアコンテンツの選択には、例えば「家庭用AV」アプリケーションを起動するとき、ユーザからの指定がなければ、ユーザの好みのメディアコンテンツを自動的に選択して再生したりすることが一例として挙げられる。さらにまた、従来より、XML(eXtensible Markup Language)文書などに用いられているようなタグと属性値による項目記述を複数個組み合わせて、ダイナミックかつ階層的に構成することでユーザやメディア、システムを柔軟に記述することが提案されている。このような記述に従ってシステムは様々な知的処理を行うことが可能になる。ユーザ属性記述の最適化とは、このようなXMLのタグ記述に代表される階層的属性記述を上述した制御情報を用いて最適化することを意味する。
【0119】
つまり、以上のことをまとめると、制御情報に基づくアプリケーション設定処理によって、対象機器70の状況に応じた動作、アプリケーションプログラムに応じた動作が可能になる。
(8)状況に応じた動作
状況に応じた動作の代表例として、以下▲1▼〜▲5▼が考えられる。
【0120】
▲1▼状況に応じて、選択するアプリケーションプログラムまたは選択できるアプリケーションプログラムセットを変更する。
▲2▼状況に応じて、アプリケーションプログラムの設定パラメータを変更する。
▲3▼状況に応じて、プロファイル内の検索属性の構成を動的に変更する。
【0121】
▲4▼ユーザ不在のときもスケジュールに応じた準備をする。
▲5▼ユーザ不在のときもユーザの依存特性に合わせた動作をする。
(9)アプリケーションプログラムに応じた動作
アプリケーションプログラムに応じた動作の代表例として、以下▲1▼〜▲4▼が考えられる。
【0122】
▲1▼アプリケーションプログラムに応じて、対応する入出力デバイスと処理プログラムを選択する。
▲2▼メディア記述属性の組み合わせを変更する。
▲3▼問い合わせプロファイルにおける検索属性の組み合わせを変更する。
【0123】
▲4▼各属性値のデータ形式を必要に応じて変更する。
アプリケーションプログラムに応じた動作を家庭用電気器具を例に挙げ、テレビジョン受像機やエアコンなどを集中管理する場合で説明する。このとき、上述したような属性情報の変更によって、テレビが選択された場合、リモートコントロール機能を実現する設定を行い、電子番組ガイド、番組選択、音量調整、ビデオ予約、画面設定、言語設定の機能をスタンバイさせたり、エアコンが選択された場合、季節や時間帯、温度に応じて動作させたりすることができる。
【0124】
次に、本第1実施例の制御情報出力装置1を用いたシステムの構成例について、図9を参照して説明する。
図9(a)では、制御情報出力装置1としての情報端末から通信I/Fを介して、データベース検索を行う対象機器70としてのサーバ装置へ制御情報を出力するシステムとして構成した。この場合、対象機器70としてのサーバ装置は、上述したように、出力される依存性情報に基づき、効率的に検索範囲を限定して検索を行う構成にすることができる。
【0125】
また、図9(b)では、制御情報出力装置1としての情報端末から記録媒体へ制御情報を出力する構成とした。この場合、対象機器70は、記録媒体から制御情報を読み取り、この制御情報に基づく動作を行う。例えばユーザは自己の情報を記録媒体に記録して持参すれば、旅行先のテレビジョン受像機などの対象機器70を自分の好みに合わせて自動的に動作させることができる。
【0126】
図9(c)では、制御情報出力装置1としての情報端末から複数の対象機器70を制御する制御装置71へ制御情報を出力するシステムの例である。このようなシステムは、車両に搭載して用いることが考えられる。その場合、対象機器70は、ナビゲーション装置をはじめとする車両搭載機器である。図9(d)は、図9(c)と同様に、複数の対象機器70を制御する制御装置71を備えるシステムであるが、制御装置71が、記録媒体を介して制御情報を読み込んで、動作する構成である。
【0127】
また、図9(e)では、本制御情報出力装置1をリモコンとして実現し、複数の対象機器70へ制御情報を送信するシステムである。家庭用電気器具が対象機器70になる場合、このようなシステムが有効である。
以上説明してきたような本第1実施例の制御情報出力装置1では、対象機器70を対象機器70にて実行されるアプリケーションプログラムの単位で捉え、これらアプリケーションプログラムとユーザ要求を生じさせる各種要因とに依存性という概念を導入した。具体的には、各アプリケーションプログラムと予め定められた依存性要因との間に依存特性情報50bなるアプリケーションプログラムへの要求度と依存性要因値との対応関係を用意し、この対応関係を用いて、アプリケーションプログラムがいずれの依存性要因に依存するかを示す依存性テーブル50aを用意した。そして、状況取得部30にて取得されるデータに基づき確定される依存性要因値を用い、依存性テーブル50a及び依存特性情報50bに基づいて、相対的に実行要求が高いアプリケーションプログラムを示すアプリケーションリストをアプリケーション情報として出力する。また、ユーザ要求を生じさせる依存性要因を示す依存性要因リスト、及び依存性テーブル50aに基づく依存ベクトル、さらには、依存特性情報50bに基づく依存特性を出力する。これによって、複数の対象機器70、及びそれら複数の対象機器70に対してユーザ要求を発生させる種々の要因を統括的に捉え、対象機器70を総合的に、しかも、半自動的にセットアップして動作させることができる。
【0128】
例えばアプリケーションリストを出力することによって、対象機器70側でユーザ要求に応じたアプリケーションプログラムの起動・起動準備を行うことができる。
また、依存性要因リスト及び依存ベクトルを出力することによって、対象機器70側でアプリケーションプログラムの様々なカスタマイズを行うことができる。加えて、依存性情報に含めて依存特性を出力するようにしたため、対象機器70側で各依存性要因に対する要求度を算出することが可能であり、ユーザのフィーリングに極力合わせて対象機器70を動作させることができる。
【0129】
さらにまた、本第1実施例の制御情報出力装置1では、制御情報を符号化して出力する構成とした。このため、制御情報のデータ量を抑えることができ、特に、記録媒体やプロファイルへ出力する構成に有効である。
なお、本第1実施例のメモリ部50が「記憶手段」に相当し、入力部20が「入力手段」に相当し、状況取得部30が「依存性情報取得手段」に相当する。また、制御部10が「制御情報出力手段」に相当し、図5に示した制御情報出力処理が制御情報出力手段としての処理に相当する。
【0130】
上記第1実施例では、依存性テーブル50a(図3参照)に記述される情報は、「依存する(「D」)」又は「依存しない(空白)」という2値の情報であった。これに対して、例えば図3で示す依存性テーブル50aの各升目に依存度合いを示す多値の情報(依存度)を記述するようにしてもよい。例えば依存度合いが最も高い場合を「10」とし、依存していない場合を「0」として11段階で示すという具合である。このようにすれば、ユーザのフィーリングにより合った対象機器70の動作が可能になるという点で有利である。依存性要因間に重み付けができるためである。
【0131】
この場合、アプリケーションプログラムに対する依存ベクトルDPは、依存性要因Xq(q=1,2,3,・・・,Q)に対する依存度をdqとして、DP=(d1,d2,d3,・・・,dQ)と示すことができる。さらに、この場合は、依存度がある閾値以上のもののみ符号化し、(依存性要因番号、依存度)という二項組の列、すなわち(i1,di1),(i2,di2),・・・で表現してもよい。
【0132】
また、上記第1実施例では、依存性情報として依存性要因リスト、依存ベクトル、依存特性を出力する構成であったが、「依存情報」としての依存ベクトルのみを出力する構成にすることもできる。この場合は、依存ベクトルと依存性要因との対応付けが対象機器70側で可能となればよい。ただし、依存性要因リストがあれば相対的に有効な依存性要因を判断できるため、依存性要因リストを共に出力する構成がより好ましい。
【0133】
さらにまた、対象機器70側で要求度を算出しないのであれば、依存特性を出力する必要はない。一方、依存特性情報50bを、対象機器70側に記憶しておき、要求度を算出することも考えられる。ユーザ間で依存特性がほぼ同様になる場合があるためである。しかし、依存特性を出力する構成とすれば、ユーザ毎の要求度を対象機器70側で把握できるため、ユーザ毎の要求に合わせた適切な制御を実現できる点で有利である。
【0134】
また、確定された依存性要因値を依存性情報に含めて出力することも考えられる。このようにすれば、対象機器70側で依存性要因値を取得する構成が必要なくなるためである。
[第2実施例]
上記第1実施例のシステム構成例を図9に示したが、図9(a)に示すようなサーバ装置を対象機器とする検索システムの構成例を、以下第2実施例として説明する。そして特に、本第2実施例では、依存情報を応用した検索処理を説明し、検索処理の効率化とアプリケーションの普遍化について述べる。
【0135】
図10は、第2実施例の「情報システム」としての検索システムの構成を示すブロック図である。
検索システムは、「制御情報出力装置」としてのユーザ端末100と、サーバ装置200とを備えている。
【0136】
ユーザ端末100は、制御部110、入力部120、状況取得部130、通信部140、メモリ部150、表示部160、問い合わせ情報生成部170、アプリケーション180とを有している。ユーザ端末100の構成は、上記第1実施例の制御情報出力装置1と基本的に同様である。ここでは特に、サーバ装置200とのデータ通信を行うための通信部140、検索のための問い合わせ情報を生成する問い合わせ情報生成部170、さらに、ユーザ端末にて実行されるアプリケーション180を有している。
【0137】
一方、サーバ装置200は、図1中の対象機器70に相当し、ユーザ端末と同様に構成された制御部210、入力部220、状況取得部230、通信部240、メモリ部250、及び情報出力部260を有している。そしてさらに、検索処理実行のための検索情報生成部270、コンテンツリスト281、コンテンツデータベース282、評価関数計算部290及び検索リスト記憶部291を有している。
【0138】
コンテンツデータベース282には、種々の映像データ、音楽データなど検索対象となるコンテンツが記憶されている。コンテンツリスト281は、コンテンツ検索のために利用される情報のリストである。検索情報生成部270は、ユーザ端末100からの問い合わせ情報に基づき、検索処理に利用可能な検索情報を生成する。そして、この検索情報に基づく評価関数の計算を行うのが評価関数計算部290である。評価関数計算部290による計算結果に従い、検索リスト記憶部291に検索結果のコンテンツのリストである検索リストが記憶される。
【0139】
なお、各装置100,200の制御部110、210は、インターフェースを介したシステム制御を行い、エージェントと呼ばれる。また、依存性テーブル150a,250aや依存特性情報150b,250bなど基本構成については、上記第1実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0140】
上記第1実施例では、アプリケーションプログラムを依存情報に基づいて総括的に捉え、アプリケーションプログラムを半自動的にセットアップ、動作させる構成について述べた。これを応用しプログラムに限らず映像データなどのコンテンツまでを含め「アプリケーション」という位置付けで捉えれば、コンテンツの依存性という概念によって、コンテンツを検索することができる。例えば図3示した2次元の依存性テーブル50aはビデオメディアに関連するアプリケーションプログラムに係るものであり、「天気情報」、「交通情報」、「カラオケ」、「スポーツ情報」、「ゴルフ情報」、「スキー情報」、「レストラン情報」、「ショッピング情報」、「旅行情報」、「景観情報」、「ニュース情報」、「音楽情報」、「緊急情報」のアプリケーションは、それぞれの情報を取得し映像を利用してユーザに提示するプログラムとしたが、これらのアプリケーションを各情報に関連する映像データ(コンテンツ)として定義することができる。
【0141】
次に図11の説明図に基づき、本第2実施例における検索処理の概要を最初に説明する。
図11において、記号Aで示す車両に搭載されるナビゲーション装置、記号Bで示すパーソナルコンピュータ、そして、記号Cで示す携帯電話機が、それぞれユーザ端末100に相当する。そして、これら各装置との間でデータ通信を行う記号Dで示したセンタ装置が、サーバ装置200に相当する。この例は、アプリケーションとしての映像情報(コンテンツ)を検索するシステムであり、各映像情報は、映像データ本体と、映像内容の記述データであるメタデータを有している。メタデータは、例えばメディア記述形式に関する国際標準案ISO/MPEG7 において規格化が進められているものとすることが考えられる。
【0142】
本第2実施例は、このメタデータに依存情報を含めておき、各ユーザ端末100からの依存情報との比較演算を行い、映像データを検索しようとするものである。この比較演算は、評価関数を用いて行われ、演算対象となるのは、依存性符号である。ここで依存性符号について説明する。
【0143】
(10)依存性符号
依存性符号は、例えば図3に例示したような依存性テーブルを行単位で取り出して符号化したものであり、アプリケーションがいずれの依存性要因に依存しているかを示すものである。これは上記(6)で説明した依存ベクトルを「1」又は「0」で符号化記述したものに他ならない。また依存性要因がユーザ要因、システム要因、メディア要因に大別できることは、既に述べた(上記(1−2)参照)。本第2実施例では、ユーザ要因に対応する依存性符号の部分をユーザ依存性符号(以下「DCU」(Dependency Code for User)と適宜記述する。)と定義し、メディア要因に対応する依存性符号の部分をメディア依存性符号(以下「DCM」(Dependency Code for Media )と適宜記述する。)と定義する。なお、これらDCU及びDCMを区別しない場合は、単に「DC」と記述することもある。また、メディアに付された依存性符号(DC)は「DC−M」と示し、ユーザ要求として生成された依存性符号は「DC−U」と示す。また、検索エージェント、すなわちサーバ装置200の制御部210にて検索用に変換された依存性符号は、DC−Uと区別するために、「DC−A」(Aはエージェントによる変換を意味する)と示す。図11では、問い合わせプロファイル等の形式で送信されたDC−Uが、検索エージェントによってDC−Aに変換され、メタデータ中のDC−Mと比較演算される様子を示している。
【0144】
次に、このような依存性符号を用いた検索処理をさらに詳細に説明する。
まず検索処理を実行するサーバ200は、映像データなどのコンテンツを作成者などが登録するためのコンテンツ登録処理を実行可能に構成されている。このコンテンツ登録処理を、図12のフローチャートに基づき説明する。
【0145】
まず処理が開始されると、コンテンツ作成者による入力がなされ(S400)、次に作成状況の情報が取得される(S410)。コンテンツ作成者による入力は、サーバ装置200の入力部220を介してなされ、一方、作成状況情報は、状況取得部230を介して取得される。
【0146】
続くS420では、アプリケーションの識別がなされる。ここでいうアプリケーションは、図3に例示されるような「天気情報」、「交通情報」、「カラオケ」、「スポーツ情報」、「ゴルフ情報」、・・・という分類をいう。つまり、ここでは、コンテンツ作成者による入力情報や状況情報から、そのコンテンツが例えば「天気情報」であるのか「交通情報」であるのかといった識別を行う。
【0147】
ここで識別されたアプリケーションに基づき、依存性テーブル250aが参照される(S430)。次に新規アプリケーションか否かが判断される(S440)。新規のアプリケーションであれば(S440:YES)、アプリケーション名と依存性符号を依存性テーブル250aに追加し(S450)、その後、S460へ移行する。一方、新規のアプリケーションでなければ(S440:NO)、S450の処理を実行せずに、S460へ移行する。
【0148】
S460では依存性符号を生成して依存性テーブル250aの更新を行い、その後、S470にて、生成した依存性符号や関連情報をコンテンツリスト281に追加して、本コンテンツ登録処理を終了する。
次にユーザ端末100にて実行される問い合わせ処理について、図13のフローチャートに基づき説明する。
【0149】
まず最初のS500では、ユーザ入力がなされる。この処理は、ユーザ端末100の入力部120を介して行われる。そして続くS510では、状況取得部130にて状況情報を取得する。次のS520では、必要に応じてアプリケーション180を起動する。
【0150】
その後、依存性テーブル150a、依存特性情報150b、及び量子化テーブル150cを順に参照し(S530,S540,S550)、S560にて、依存性符号を生成する。この依存性符号がDC−Uである。
そして、S570では、生成した依存性符号(DC−U)を用いて問い合わせ情報を生成し、送信する。これに対して、サーバ装置200は、問い合わせ情報に基づく検索処理を実行し、検索結果を送信してくる。
【0151】
したがって次のS580では検索結果を受信し、その後、S590にて、検索結果の認識や表示を行い、本問い合わせ処理を終了する。
次に、サーバ装置200における検索処理を、図14のフローチャートに基づいて説明する。
【0152】
まず最初のS600では、問い合わせ情報を受信する。この処理は、図13中のS570に対応するものである。続いて量子化テーブル250cを参照し(S610)、検索情報生成部270にて検索情報を生成する(S620)。この検索情報には、検索用の依存性符号(DC−A)が含まれる。
【0153】
次のS630では、検索情報がコンテンツリスト281にあるか否かを判断する。例えば上述したようなコンテンツ登録処理(図12参照)によってリストへの登録がなされている場合にはコンテンツリスト281に依存性符号(DC−M)や関連情報などの検索情報が存在するが、コンテンツデータベース282の全てのコンテンツについての検索情報がコンテンツリスト281に存在するとは限らない。ここでコンテンツリスト281に検索情報があると判断された場合(S630:YES)、コンテンツリスト281を参照して依存性符号(DC−M)を獲得し(S640)、その後、S660へ移行する。一方、コンテンツリスト281に検索情報がないと判断された場合(S630:NO)、メタデータ解析を行って依存性符号(DC−M)を獲得し(S650)、その後、S660へ移行する。
【0154】
S660では依存性符号に基づく評価関数を計算し、その後、ある評価基準を満たすコンテンツの一覧を1次検索リストとして生成する(S670)。この評価関数によるコンテンツ評価については後述する。
そして、S680では、1次検索を完了したか否かを判断する。ここで1次検索を完了したと判断された場合(S680:YES)、メタデータによる2次検索を行い(S690)、最終的な検索結果としてのコンテンツ(ターゲットコンテンツ)を選択する。S700にて検索結果を配信し、その後、本検索処理を終了する。
【0155】
このように本第2実施例の検索処理では、依存性符号(DC)に基づくコンテンツ評価を行うことを特徴としている。そこで次にコンテンツ評価の手法を説明する。
(11) コンテンツの評価
(11−1) 評価関数
ユーザ端末100からの要求仕様をあらわす荷重ベクトルWとサーバー装置200に格納されるコンテンツClの内容特性を表す依存特性SClの内積演算としてコンテンツの評価関数を定義する。次の式3、式4に示す如くである。
JCl = Σ Wk・SClk(Nk) …式3
Nk = Int(Xk/Qk) …式4
なお、ここでΣは、k=1〜Nまでの和記号であるとする。また、各変数は、次に示す如く定義されるものである。
【0156】
Xk : k番目の要因値
Qk : k番目の要因値に対する量子化係数
Nk : k番目の要因値を量子化した値
Cl : データベース上のl番目のコンテンツ
JCl : 要因群{X1,…,Xk}について要求に対するコンテンツClの適合性を示す評価値
Wk : 状況(ユーザ要求、ユーザ・通信・端末・メディアの環境)に応じて切り替える荷重係数
SClk(Nk): 要因Xkに関してClの適合度を示す依存特性
ここでSClkは、アプリケーションへの要求度Rnに等しい。したがって、Rn(Xk)と記述してもよい。ここでRn(Xk)とは、要因値Xkに関するアプリケーションAnへの要求度である。
【0157】
また、要因値の量子化とは、例えば連続的な時間情報を、「朝」、「昼」、「夜」や、「春」、「夏」、「秋」、「冬」という情報として捉えるための処理をいう。この量子化に係る情報を記述したのが、ユーザ端末100やサーバ装置200の備える量子化テーブル150c,250cである。
【0158】
(11−2) 評価関数の簡略化
上記(11−1)では、評価関数を一般的に示した。すなわち、荷重ベクトルWは、各成分が多値をとり得る依存ベクトルの一般形となっている。また、SClは、依存特性であり、依存性要因値に対する要求度の高まりを示すグラフ(図4参照)で表現できる。
【0159】
しかし、コンテンツの数が非常に大きい場合、例えば100万というオーダーでコンテンツが存在する場合には、式1に示した評価関数を用いると、短時間のうちにユーザ端末100に検索結果を返すことは困難となる。そこで、評価関数を下記のように簡略化して記述することが考えられる。
【0160】
▲1▼例えば荷重係数Wを依存性符号d(上述したDC−A)で置き換えることが考えられる。次の式5に示す如くである。
JCl = Σ dk・SClk(Nk) …式5
これによって、dkは「1」又は「0」であるため、1コンテンツあたりK回の乗算を省くことができる。
【0161】
▲2▼同様に、SClk(Nk)を、依存性符号dClk(上述したDC−M)で置き換えることが考えられる。次の式6に示す如くである。
JCl = Σ Wk・dClk …式6
▲3▼もちろん、両方を依存性符号で置き換えてもよい。すなわち、次の式7に示す如くである。
JCl = Σ dk・dClk …式7
▲4▼さらに、評価値JClが「0」又は「1」の2値をとるようにすることも考えられる。次の式8に示す如くである。
Figure 0003979009
なお、後述するコンテンツ評価処理では、上記式7に示す評価関数を用いた場合について説明する。
【0162】
(11−3) 多値表現による依存特性の符号化
コンテンツの依存特性の記述に際して、SClk(Nk)とdClkの中間レベルの表現として、図15のように属性要因(横軸)と要求度(縦軸)を量子化して多値表現することが考えられる。この場合、0000、1111以外のすべて(14種類)のケースで依存性があると判定される。ここで量子化段階が十分小さければ、多値を取りうる1個の数値dClkで依存特性、すなわち依存性要因値に対する要求度を符号化できる。したがって、依存性の有無のみならず問い合わせ属性の値にマッチするかどうかさえも同時に(メタデータの解析をすることなく)判定できる。その場合は、評価関数を計算する前にdClkを復号してやればよい。例えば、図15の依存特性を表現する符号は2値表現で「1010」、10進表現で「6」であるが、評価関数計算時にはNk=N1TS(春)に対して対応する数値「0」を依存特性の値として代入する。このようにすれば、依存性があることも判定できる上に依存特性値SClk(1)= 0も同時に得ることができ、「春らしい映像」という検索要求に対して、『依存性はあるが検索対象ではない』という2次検索結果と同等の結果を1回の評価計算で得ることができる。ここではNjTS = 0/1(j=0,1,2,3)だが、当然ながら、縦軸の要求度も多値化できる。
【0163】
一方この場合、上記式1の場合と同様に、コンテンツ毎に特性を定義する作業が発生するという難点がある。これに対しては、後述するように「春らしい」という言語表現を多値依存性符号dClkに一意的に置きかえるテーブルを定義しておけばこの作業は大幅に軽減される。
【0164】
(11−4) コンテンツ評価の効率化
▲1▼優先順序付け
上記式3〜8に示した評価関数計算のΣ演算の中で、依存性要因間の優先順序付けを行う。たとえば、時間、場所、および最優先属性の要求ベクトル成分が「0」でないときは、評価関数計算を完了する以前に属性値を参照し、そこで、属性値が要求と異なっていればその時点で評価関数計算を打ち切ることが考えられる。これは特に、コンテンツの数が多い場合の検索効率向上に有効である。
【0165】
▲2▼範囲限定
上記式3〜8に示した評価関数計算のΣ演算の中で、状況やアプリケーションの種類に応じて計算する要因を最初から限定することが考えられる。
▲3▼DC管理テーブルを利用
DC管理テーブルとは、生成した依存性符号のテーブルである。これは図16に示すように、一度生成された依存性符号DC−MをDC管理テーブルに登録しておき、このDC管理テーブルから依存性符号DC−Mをロードして検索に使用するものである。例えばDC管理テーブルのデータセットは、次のように表現できる。
【0166】
[コンテンツ番号、アプリケーション名、依存性符号、アクセス履歴]
上述したコンテンツ登録処理によってコンテンツリスト281が作成され、このコンテンツリスト281には、依存性符号などの検索情報が記憶されることは上述した。DC管理テーブルを用いるという思想は、登録時だけではなく、メタデータ解析によって検索処理中に獲得された依存性符号(DC−M)をも登録しようというものである。したがって、DC管理テーブルは、コンテンツリスト281の一構成要素として位置付けることができる。
【0167】
次にDC管理テーブルを用いた、1次検索処理と、メタデータ解析で行う2次検索処理をさらに具体的に説明する。また続けて、コンテンツ評価処理の具体例を説明する。
図17は、DC管理テーブルを用いた1次検索処理を詳細に示すフローチャートである。この1次検索処理は、図14中のS630〜S680の処理に相当するものである。
【0168】
まず最初のS800では、DC管理テーブルがあるか否かを判断する。DC管理テーブルが既に作成されている場合には、ここで肯定判断される。DC管理テーブルがあると判断された場合(S800:YES)、S810へ移行する。一方、DC管理テーブルがないと判断された場合(S800:NO)、図18のS890へ移行する。
【0169】
S810では、DC管理テーブルを参照する。これによって依存性符号(DC−M)が読み出される。
続くS820では、変数Jを「1」に初期化する。この変数Jは、検索対象となるコンテンツを計数するための変数である。
【0170】
次のS830では、コンテンツ評価を行う。詳しくは後述するが、ここではDC−MとDC−Aとが比較される。
S830による比較処理にて検索対象とする/しないの判断がなされるため、検索対象とする場合は(S840:YES)、1次検索リストにそのコンテンツを追加し(S850)、S860へ移行する。検索対象としない場合は(S840:NO)、S850の処理を実行せず、S860へ移行する。
【0171】
S860では、変数Jが定数N1に等しいか否かを判断する。この定数N1は、DC管理テーブルに依存性符号が記憶されているコンテンツの数を示す。ここでJ=N1である場合(S860:YES)、N1に「1」を加えたものを変数kに代入して(S870)、図18中のS890へ移行する。一方、J≠N1である場合(S860:NO)、変数Jをインクリメントして(S880)、S830からの処理を繰り返す。
【0172】
図18のS890では、メタデータを解析することによって、k番目のコンテンツの依存性符号(DC−M)を抽出する。そして続くS900では、コンテンツ評価を行う。この処理は、図17中のS830と同様のものである。したがって、検索対象とする場合は(S910:YES)、1次検索リストにそのコンテンツを追加し(S920)、S930へ移行する。一方、検索対象としない場合は(S910:NO)、S920の処理を実行せず、S930へ移行する。
【0173】
このようにしてメタデータの解析により抽出された依存性符号(DC−M)は、S930にてDC管理テーブルへ追加される。この依存性符号(DC−M)の追加に伴い、上述した定数N1もインクリメントされる。
次のS940では、変数Jが定数NAに等しいか否かを判断する。この定数NAは、検索対象のコンテンツの総数である。ここでJ=NAである場合(S940:YES)、すなわち、1次検索を完了した場合には、本1次検索処理を終了する。一方、J≠NAである場合(S940:NO)、すなわち、1次検索を完了していないうちは、変数k及び変数Jをインクリメントして(S950)、S890からの処理を繰り返す。
【0174】
次に、メタデータ解析による2次検索処理を具体的に説明する。
図19は、DC管理テーブルを用いた2次検索処理を詳細に示すフローチャートである。この2次検索処理は、図14中のS690及びS700の処理に相当する。
【0175】
まず最初のS1000では、変数mを「0」に初期化し、変数m2を「1」に初期化する。
続くS1010ではコンテンツCmのメタデータMmをアクセスし、次のS1020では、解析の深さを決定する。そして続くS1030では、S1020で決定されたレベルの解析を行い、検索適合度RMを算出する。このようなメタデータの解析手法には種々のものがあるが、特徴部分の説明に不要であるため、ここでの解説は割愛する。
【0176】
次のS1040では、検索適合度RMが閾値RMth以上であるか否かを判断する。ここでRM≧RMthである場合(S1040:YES)、変数m2をインクリメントし(S1050)、検索リストにコンテンツCmを追加して(S1060)、S1070へ移行する。一方、RM<RMthである場合(S1040:NO)、S1050及びS1060の処理を実行せず、S1070へ移行する。
【0177】
S1070では、変数mが定数NMよりも小さいか否かを判断する。この定数NMは、1次検索リストに記憶されたコンテンツ数である。ここでm<NMである場合(S1070:YES)、すなわち1次検索リストに記憶されたコンテンツのメタデータ全てを解析をしていないうちは、変数mをインクリメントし(S1080)、S1010からの処理を繰り返す。一方、m=NMである場合(S1070:NO)、すなわち1次検索リストに記憶されたコンテンツのメタデータの全てを解析している場合には、図20中のS1090へ移行する。
【0178】
S1090からは、検索リストに追加されたコンテンツの配信に係る処理の具体例である。ここではコンテンツ毎に、要約動作の有無及び符号化方式を決定して、コンテンツに合わせた、また、ユーザ要求に合わせた配信処理を行う。
図20のS1090では、変数m3を「1」に初期化する。続くS1100では、コンテンツの表示時間を計算する。ここでは映像データを検索対象にすることを前提にして、その映像データの表示時間を計算する。
【0179】
そして次のS1110では、指定時間内に表示可能か否かを判断する。ここで指定時間内に表示不可能な場合(S1110:NO)、S1120にて要約動作を実行し、その後、S1130へ移行する。一方、指定時間内に表示可能な場合(S1110:YES)、S1120の処理を実行せずに、S1130へ移行する。
【0180】
S1130では、選択されたコンテンツに合わせた符号化方式を選択する。そして次のS1140では、現在ソースの符号化方式とS1130で選択された符号化方式とが異なるか否かを判断する。ここで符号化方式が異なっていると判断された場合(S1140:YES)、符号化方式を変換し(S1150)、ユーザ端末100への配信処理を行い(S1160)、その後、S1170へ移行する。一方、符号化方式が同一であると判断された場合(S1140:NO)、S1150の処理を実行せずそのまま、ユーザ端末100への配信処理を行い(S1160)、その後、S1170へ移行する。
【0181】
S1170では、変数m3が変数m2よりも小さいか否かを判断する。変数m2は、検索リストに記載されたコンテンツ数である。ここでm3<m2である場合(S1170:YES)、すなわち配信していないコンテンツがあるうちは、変数m3をインクリメントして(S1180)、S1100からの処理を繰り返す。一方、m3=m2である場合(S1170:NO)、全てのコンテンツを配信した場合には、S1190へ移行する。
【0182】
S1190では新規に作成された項目をDC管理テーブルへ記憶し、その後、本2次検索処理を終了する。
続いて、コンテンツ評価処理を、図21のフローチャートに基づいて説明する。このコンテンツ評価処理は、図17中のS830及び図18中のS900にてコールされるものである。
【0183】
まず最初のS1200では、変数RIDXに「0」を代入して初期化する。続くS1210では、変数iを「0」に初期化する。
続くS1220では、依存性符号(DC−A)のi番目要素と依存性符号(DC−M)のi番目要素との論理積が「1」であるか否かを判断する。ここで(DC−Ai)AND(DC−Mi)=1である場合(S1220:YES)、S1230へ移行する。一方、(DC−Ai)AND(DC−Mi)≠1である場合(S1220:NO)、S1280へ移行する。
【0184】
S1230では変数RIDXをインクリメントする。続くS1240では、依存性符号(DC)のi番目要素(DCi)は、最重要属性か否かを判断する。DCiが最重要属性であれば(S1240:YES)、この時点でメタデータを解析して属性Aiの値を判定し(S1250)、S1260へ移行する。一方、DCiが最重要属性でなければ(S1240:NO)、S1280へ移行する。
【0185】
S1260では、S1250で判定された属性Aiの値に基づき、検索条件に適合しているか否かを判断する。ここで検索条件に適合していると判断された場合(S1260:YES)、S1280へ移行する。一方、検索条件に適合していないと判断された場合(S1260:NO)、検索対象にしないものとして(S1270)、本コンテンツ評価処理を終了する。すなわち、最重要属性の属性値が要求に合致していない場合には、コンテンツ評価を途中で打ち切る。これによってコンテンツ評価の効率化が図られる。
【0186】
S1280では、変数iが定数Nに等しいか否かを判断する。この定数Nは、依存性要因の数である。ここでi=Nである場合(S1280:YES)、すなわち全ての依存性要因について論理積を計算している場合には、S1300へ移行する。一方、i≠Nである場合(S1280:NO)、すなわち、論理積を計算していない依存性要因が存在する場合には、変数iをインクリメントして(S1290)、S1220からの処理を繰り返す。
【0187】
S1300では、変数RIDXが閾値Rth以上であるか否かを判断する。ここでRIDX≧Rthである場合(S1300:YES)、検索対象にするものとして(S1310)、本コンテンツ評価処理を終了する。一方、RIDX<Rthである場合(S1300:NO)、検索対象にしないものとして(S1320)、本コンテンツ評価処理を終了する。
【0188】
なお、ここで説明したコンテンツ評価処理において、次に示すようなバリエーションを考えることができる。
(a)上述した処理では、各成分が「0」又は「1」の値をとる依存性符号(DC−A,DC−M)を用いて計算したが、上記式3に示したような荷重ベクトルW及び依存特性SClを用いた計算を行ってもよい。これにより、各成分(属性)の重要性のレベルを表現できる。
【0189】
(b)また、変数iをインクリメントしていくことによって1番目の成分から順に演算していたが、演算順序を変数iで規定するのではなく、優先順序を取り入れて、i番目に演算する成分を番号J(i)で規定してもよい。例えば、J(1)=3,J(2)=6、J(3)=1、・・・とすれば、3番目、6番目、1番目、・・・という順序で論理演算がなされることになる。これによって重要度の高い属性を先に計算することができる。
【0190】
次に、以上のような処理で選択される検索対象のコンテンツを具体化し、依存性符号を用いた検索処理における本提案の有効性を示す。
(14) コンテンツ
(14−1) コンテンツの価値
例えばコンテンツとして映像データを例に挙げれば、サーバー装置200側でコンテンツを表現する依存性符号(DC−M)は、次のような依存性要因に対するものとすることができる。
【0191】
dCl = (dTs,dXs,… )
dA : このコンテンツの価値が依存性要因Aに依存するかどうかを示す符号。「1」ならば依存、「0」ならば依存しない。
Ts : シーン時間。対象とするコンテンツが表すシーンの時間情報
Xs : シーン場所。対象とするコンテンツが表すシーンの場所情報
(14−2) 映像検索におけるコンテンツの価値
上記(14−1)で示したような依存性符号(DC−M)が表現する映像データとしてのコンテンツ評価を行う場合、次に示すような価値判断を行うことが考えられる。
【0192】
例えば、<4月12日、田園風景>のシーンの価値をシーンの撮影日時で判断すると、「春のシーン」として価値がある(要求に合致する)。この場合、時間に対する依存性は4月を中心とする要求度の高まりとして表現される。一方、「冬のシーン」としては価値が低い。これをグラフを用いて表現すると、図22の如くとなる。
【0193】
また、<8月、軽井沢>のシーンの価値をシーンの撮影場所と季節で判断すると、例えば「夏の軽井沢近辺の観光地シーン」として価値がある(要求に合致する)。この場合、時間に対する依存性は8月を中心とする要求度の高まりとして表現される。これは「冬らしいシーン」や「春らしいシーン」としては価値が低い。また、場所に関する依存性は軽井沢近辺でなおかつ避暑地、観光地を彷彿とさせるスポットを中心とした要求度の高まりとして表現される。
【0194】
さらに、春に作られた「機械のビデオマニュアル」や「航空機内の緊急避難用具の説明映像」はいわゆる「春らしい風景」には該当しない。
これらの例において、言語表現「春らしい」は図22に示すような依存特性R(Ts)の数値表現を高能率符号化していると考えられる。
【0195】
これらの例を見ると、厳密に映像検索を行うには、シーン時間といった依存性要因に依存するか否かだけでなく、依存性要因値に対する要求度の高まり具合を示す依存特性R(Ts)を各コンテンツ毎に表現しておくことが望ましい。
しかし、実際は膨大なデータベースに対してすべてそれを行うことは困難である。人間の主観では、言語表現(「春らしい」など)でパターン化されている。この言語表現はコンテンツのメタデータ中に記述可能であるが、あらゆる計算機や機器、大容量のコンテンツデータベースに対して共通に、自動的かつ高速かつ誤りなく意味を判別することは容易ではない。例えば、(春、パリ)という風景に対する要求は時間値Tsに対して α<Ts<β という季節判定を行った後、空間座標値に対しても同様な不等式判定が必要と考えられるが、その不等式の上限、下限、成立条件をすべてのユーザ、すべてのアプリケーションに対して厳密に定義することは容易ではないからである。
【0196】
そこで、理想的には依存特性の数値表現や言語表現で記述されるコンテンツのメタデータを最初から深く検索するのではなく、各属性についての依存性の有無を符号表現することで1次検索の効率を高めようとするのが本提案の考え方である。例えば、図23に示すように、シーンのアプリケーション、つまり「観光情報・ホテル情報」、「機械修理マニュアル」、「観光情報・渋滞情報」、「アイドル映像・コマーシャル」と分類できるアプリケーションが、「時間」、「場所」、「天気」というユーザ要因や、「シーン時間」、「シーン場所」、「シーンのアクター」、「シーンのフィーリング」というメディア要因に対しどのような要求度の高まりを有するかを、図23中の各升目に示すような依存特性のグラフや言語表現で詳細に規定することは難しい。また、検索に要する時間が膨大になってしまう。そこで、これも各升目に示したが、依存する場合を「1」、依存しない場合を「0」、不定の場合を「X」とした依存性符号で価値判断を行うのである。
【0197】
この基本方針は、映像以外のアプリケーションにも共通して採用することができることは言うまでもない。
(14−3) 音楽検索におけるコンテンツの価値
例えば映像検索以外の音楽検索について説明する。
【0198】
音楽を検索する場合は、時々刻々と変化するユーザのフィーリングへの適合性の評価が必要となる。このフィーリングへの依存性は、次のような依存性要因に基づいて考えることができる。これはフィーリングの定義として一般化することができる。
【0199】
Fu : ユーザのフィーリング
{さわやかな、楽しい、暗い、悲しい、元気な、etc.}
Fm : 音楽の持つフィーリング
{静かな、激しい、ポップな、明るい、etc.}
このような依存性要因を用い、ある音楽が検索された際のFuとFmを対応付けることで「この音楽はどういうフィーリングのユーザが好むか?」という傾向を知ることができる。
【0200】
その他、ユーザ時間Tu、ユーザ場所Xu、アーティストArなどが、音楽検索における依存性要因として考えられる。
(14−4) コンテンツの自動分類
コンテンツの代表値を一意に決定することは困難である。しかし、依存性という概念でコンテンツを捉えれば、コンテンツの価値判断の基準となる特性を半自動的に付与することができ、例えばサイトにアップロードされるコンテンツなども分類することができる。サイト上に依存性テーブルがあれば、テーブル中の依存性符号と比較することで、関連アプリケーションを識別することもできる。
【0201】
例えば上述したようなコンテンツ登録処理(図12参照)によって依存性符号を生成してコンテンツを登録することもその一例として考えられる。これと同様に、ユーザ端末100からアップロードされるコンテンツについても自動分類する構成とすれば、データベースに蓄積されるあらゆるコンテンツを管理することが可能になる。
【0202】
例えば図24に示すようなコンテンツ追加処理を実行できるようにサーバ装置200を構成することが考えられる。
ここでは処理が開始されるとまず、アプリケーション名の入力を促す(S1400)。アプリケーション名が入力されると、次に、依存性テーブル250aに記載された代表語彙とインデックスに変換し(S1410)、依存性テーブル250aを参照して依存性符号を獲得する(S1420)。例えば、アプリケーション名「店の映像情報」などが入力されると、依存性テーブル250aにある「レストラン情報」という代表語彙で置き換え、これに関する依存性符号を獲得するという具合である。アプリケーション名から代表語彙・インデックスへの変換は、例えばテーブルなどの対応関係を用意して行えばよい。
【0203】
次のS1430では、アプリケーション名の入力が終了したか否かを判断する。ここで入力が終了したと判断されると(S1430:YES)、S1440へ移行する。一方、入力が終了していないうちは(S1430:NO)、S1400からの処理を繰り返す。これにより、複数のアプリケーション名が入力された場合は、依存性テーブル250aから複数の依存情報が参照され、新規のアプリケーションに対しても依存情報の適切な類推が可能になる。
【0204】
S1440では最終的な依存情報の生成を行い、S1450にてメタデータに依存情報を格納して、本コンテンツ追加処理を終了する。
次に、ナビゲーション装置などの車両情報機器としてユーザ端末100を実現した場合の依存性符号(DC−U,DC−A,DC−M)における依存性要因の具体例を説明する。
【0205】
図25に示すように、DC−Uにおける依存性要因としては、ユーザの「名前」、「性別」、「年齢」、「住所」、「家族構成」、「仕事」、「好きな料理」、「好きな場所」、「好きな音楽」、「好きなスポーツ」、「趣味」、「メモリアルデイ」などのユーザの個人情報、「現在地」、「現在時刻」、「目的地」、「経由地」、「状況」、「現在地の天気」、「目的地の天気」、「目的」、「現在状態(フィーリングなど)」、「予測状態」、「現在要求」、「予測要求」、「温度(車内、車外、希望)」、「話題」、「走行道路(高速道路/一般道路)」、「乗員構成」などの状況情報、そして、「端末能力」、「画面サイズ」、「ビットレート」などのシステム情報が挙げられる。検索に直接的に利用されるDC−Aは、「ユーザ現在地」、「ユーザ現在時刻」、「シーン場所」、「シーン時刻」、「アクター」、「移動速度」などの依存性要因に係るものとすることが考えられる。DC−Mでは、「シーン場所」、「シーン時刻」といったメディア要因が依存性要因となっている。
【0206】
次に代表的な依存性要因とその依存性要因がとり得る依存性要因値の例を示すことによって、依存性要因に対する理解を深める。
(15) 依存性要因と依存性要因値の例
Figure 0003979009
(16) 依存性符号の記述例
上記(15)では、依存性要因のとり得る依存性要因値の例をまとめた。そこで次に、このような依存性要因への依存性の有無を示す依存性符号の記述例を示す。ここでは、コンテンツの依存性要因が上述したシーンの時間(Ts)、シーン場所(Xs)、アクター(As)、フィーリング(Fs)であるものとして、様々な記述例を示す。上述したように「0」は依存していないこと、「1」は依存していること、「X」は不定であることを示すものとする。
【0207】
シーン1 : 軽井沢のホテル (1,1,0,X)
これを一般化すると「観光地のホテル映像」には依存性符号(1,1,0,X)を付与できると考えられる。
シーン2 : 機械の修理マニュアル映像 (0,0,0,0)
これを一般化すると「ビデオマニュアル類」には依存性符号(0,0,0,0)を付与できると考えられる。類似例として「航空機内の緊急災害時の対応マニュアル映像」などがある。
【0208】
シーン3 : 猿投グリーンロードの状況 (1,1,0,0)
▲1▼渋滞状況としての要求度 (1,1,0,0)
▲2▼ルートガイド映像としての要求度 (0,1,0,0)
シーン4 : 愛知健康の森までのルートガイド映像(0,1,0,0)
シーン5 : 8月の沖縄、本○真奈美の映像 (1,1,1,X)
本○真奈美がアイドルであれば、アイドル映像の要求が高くなるという事実を前提として、主要な依存性要因はAs=1である。したがって、情報の与えられ方によっては、次のケースもありうる。要求度がシーンのアクターにのみ依存する場合は(0,0,1,X)、要求度がシーンの場所とアクターに依存する場合は(0,1,1,X)であり、要求度がシーンの時間とアクターに依存する場合(1,0,1,X)となる。
【0209】
シーン6 : オモチャのコマーシャル映像 (0,0,1,1)
これは要求度がアクターおよびフィーリングに依存すると考えられるためである。
シーン7 : スキー場の観光案内 (1,1,0,X)
依存性符号は「観光地のホテル案内」と類似する。
【0210】
シーン8 : ニュース映像 (X,X,X,0)
この場合、上記4つの依存性要因は、上述した1次検索に対してあまり有効でないことが分かる。したがって、コンテンツにニュース映像などが含まれてくる場合には、別の依存性要因、例えばニュース属性などを設定する必要があると考えられる。
【0211】
このような依存性要因に対する依存性符号の記述がなされていることを前提とした場合、例えば上述した依存性符号(DC−A)が(0,1,0,X)であるとすると、1次検索処理によって、シーン{1,3,4,5,7}がヒットする。また、依存性符号(DC−A)が(0,0,1,X)であれば、シーン{5,6}がヒットする。
【0212】
以上のように構成された本第2実施例の検索システムの発揮する効果を説明する。なお、ここでの説明に対する理解を容易にするため、最初に従来の問題点を簡単に説明する。
インターネットにおいても顕著なように、今後膨大な数のコンテンツが複数のデータベースサイトにわたって分散して存在し、それらに対する効率的な検索手法が望まれている。特にモバイル端末においては、即座にユーザの要求に即したコンテンツが検索・配送されることが望まれる。しかるに、現状ではあらかじめ規定したサイト以外のデータベースも探索してリアルタイムかつ低コストの計算量で情報提供できるシステムはまだない。
【0213】
従来の検索システムで例えば映像データなどのコンテンツ検索を行おうとすると、規格化が進められているメディア記述形式に関する国際標準案ISO/MPEG7 において作成されるメタデータ(内容記述データ)を用いることができるが、メタデータのデータサイズが1Kバイトを超えてしまう例も存在する。したがって、端末側での検索対象が数百万件を超えるオーダーになる場合は、Gバイトオーダーのメタデータ通信が必要になる。さらに、ユーザ自信も数百万人を超えるとなると、通信インフラやデータベースサイトの通信トラフィック量から、現状の最高性能の計算機を持ってしてもリアルタイム処理が困難な状況が発生する。
【0214】
これに対して、本第2実施例では、プログラムに限らず映像データなどのコンテンツを含めた検索対象情報をアプリケーションとして総合的に捉え、依存情報によるアプリケーションの検索を提案した。
具体的には、上記第1実施例で定義した依存ベクトルの成分を「0」又は「1」で表現した依存性符号(DC)を用い、依存性符号の内積演算で評価関数を定義して1次検索を行う。つまり、代表値で記述することが困難な映像データなどのアプリケーションを依存性符号(DC)という形式で捉えるという技術思想によって、ありとあらゆるジャンルに属するコンテンツに対する迅速な検索を簡単な演算で可能にしたのである。
【0215】
依存性符号(DC)を用いた1次検索によれば、高速検索に寄与できる。そして、コンテンツの相互運用性を向上できる。つまり、従来は別のジャンルに分類されていたコンテンツをも容易に検索することができる。例えば、カラオケ映像を取得したいとのユーザ要求に対し、例えば広告・宣伝映像などがその検索条件にマッチして取得されるという具合である。また、コンテンツの特性が明確に記述されていなくても、検索対象を絞り込める。さらに、コンテンツの特性を一意的な代表値に自動的に置きかえることが困難な場合にも有効である。例えばある映像データが様々な時間帯や場所にわたるシーンで構成されている場合など、時間と場所とを自動的に代表値で記述することは難しいためである。
【0216】
また、アプリケーションを依存性要因への依存情報で捉えるようにすれば、アプリケーションの普遍的記述が達成される。これを次に説明する。
(18) アプリケーションの普遍的記述
(18−1) 依存性符号の獲得
たとえば撮影した映像に内容記述を付加できるカメラがあるとすれば、それは上述したような(Ts,Xs,As,Fs)を自動的に映像音声に付与できることが望ましい。Ts,Xsは自動的に取得可能である。一方、As,Fsは人手を会した入力が必要である。そこで、ユーザから自然にメタデータ作成に関する情報を聞き出すための質問対話シナリオを用意することが考えられる。例えば、コンテンツ作成時に「観光、渋滞、ルートガイド」と音声入力、キー入力、アノテーション、メニュー選択などで入力し、その後のガイダンスプログラムに従って入力していけばよい。これによって、ユーザはただエージェントからの質問に答えるだけでよく、あれこれと悩むことなく記述を半自動的に付与することができる。
【0217】
(18−2) 依存情報の更新
▲1▼メディアに付与される依存情報の更新
(97年3月2日、横浜中華街、…)という映像コンテンツCxに写っている一群の女性のうちの一人『田○花子』が、今をときめくアイドル歌手『本○真奈美』であることがわかった、とする。
【0218】
このような場合、映像コンテンツCxへの要求度はアクター(As)の要因に依存するように変化すると考えられる。その場合、その依存性符号の中のアクター(As)に関する成分は「0」から「1」に更新される。
▲2▼ユーザ要求に応じてエージェントが作成する依存情報の更新
ユーザの検索履歴や他ユーザの検索履歴に応じて上記式3や式6の荷重ベクトルWを修正することが考えられる。
【0219】
(18−3) アプリケーションの普遍的表現
アプリケーションは時代とともに変化し、国や文化によっても異なる。一方、相互運用性のあるデータベースは継続して使用され得る。したがってアプリケーション名でコンテンツを分類することは特定サービスを想定して作ったコンテンツ以外では困難である。
【0220】
しかしながら、たとえば芸能界アイドル、渋滞情報、ニュース、観光情報などを考える場合、それらを扱うアプリケーションやコンテンツに対するユーザの視点は変わりうるが、基本的な評価属性としては一定かつ普遍的なものが存在すると考えられる。そこで、依存情報を普遍的な依存性要因で表現し、依存性テーブルにおいて依存性要因とアプリケーションとを関連付けることにより、普遍的なアプリケーション記述ができると考えられる。
【0221】
(18−4) ユーザ側のアプリケーションからの符号化
ユーザ端末100で選択できるアプリケーション180の集合を
Ac = {Ac1,Ac2,…,AcN}
とする。この中からユーザがあるアプリケーションAciを選択した場合、そのアプリケーションに相当する識別情報がサーバ装置200のコンテンツデータベース282にあれば、AciとコンテンツClとの対応を取ることが可能である。しかし、現実には全世界のアプリケーションを統一的にしかも長期にわたって表現するような識別情報は存在しない。そこで、アプリケーションAciを標準的なメディア属性やユーザ属性に変換するための依存性テーブル150aを用い、アプリケーションを依存性符号などの依存情報で表現する。
【0222】
(18−5) サーバ側のアプリケーションからの符号化
同様に、データベースに蓄えられるコンテンツの作成者は、端末ユーザの選択するアプリケーションの集合を
Am = {Am1,Am2,…,AmM}
とする。この中から該当するアプリケーションAmjを選択し、サーバー装置200の依存性テーブル250aを用いて登録するコンテンツに適した依存性符号でAmjを表現する。これにより、AcとAmがまったく異なるアプリケーション集合であっても、依存性符号による普遍的表現を通じて、コンテンツの相互運用性が保証され、いかなる問い合わせに対しても安定した検索動作を実行することができる。
【0223】
なお、ユーザ端末100のメモリ部150が「記憶手段」に相当し、サーバ装置200のメモリ部250が「サーバ側記憶手段」に相当する。また、制御部110及び問い合わせ情報生成部170が「制御情報出力手段」に相当し、サーバ装置200の制御部210、検索情報生成部270及び評価関数計算部290が「検索手段」に相当する。
【0224】
また、図14に示した検索処理の変形例を図26に示した。図14に示す検索処理では、評価関数計算(S660)の後、1次検索リストを生成し(S670)、1次検索を完了したと判断すると(S680:YES)、メタデータによる2次検索を行っていた(S690)。これに対して、図26に示すように、評価関数計算(S1560)の後、1次評価をパスしたか否かを判断し(S1570)、パスしていれば即座に、メタデータによる2次検索を行うようにしてもよい(S1570:YES,S1580)。
【0225】
また、別の変形例を図27及び図28に示した。この場合、図27に示す検索処理の前半部分は図14に示した処理とほぼ同様であるが、2次検索を完了した後(S1790:YES)、図28のS1800へ移行し、コンテンツリスト281にないメタデータがあれば(S1800:YES)、メタデータ解析による評価関数計算を行い(S1820)、ここで1次評価をパスすれば(S1830:YES)、2次検索を行う(S1840)。
【0226】
このように検索処理もコンテンツリスト281の構造等によって種々のバリエーションで実現することができる。
以上、本発明はこのような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
[その他]
(イ)依存性要因について
依存性要因としてユーザ要因、システム要因、及びメディア要因が考えられることは既に述べた。そして、このような依存性要因に対する依存性要因値は、状況取得部30,130,230で取得されるデータに基づき確定されることも、上述したところである。ここでは、さらに、依存性要因として設定される、時間依存性、空間依存性、及び場面に関する依存性についての獲得方針等についての説明を加える。
【0227】
(ハ−1)時間依存性
ある属性の属性値又はアプリケーションの選択された時刻を時間軸上で記録し、1日、1週間、1ヶ月、1年といった各レベルの周期で出る傾向を分析する。特に各周期で一定したスペクトルが出なければ、依存性は判定できない。スペクトルが一定以上の大きさのものは時間周期への依存性があると判断する。
【0228】
(ハ−2)空間依存性
ある属性の属性値又はアプリケーションの選択された空間を空間リスト上で記録する。ここで、空間リストとは、駅前、飛行機内、レストラン、自動車内、公園、オフィス、・・・といった場所のカテゴリリスト、GPS情報などから得られる位置情報リスト、あるいは、地名リストに相当する。特定の個人に依存しない空間依存性は、多数のユーザからのプロファイルや依存性要因の計測情報を集計して容易に作成できる。これによって、場所に付随して起動されるアプリケーションを予測することができる。
【0229】
また、カテゴリ別の空間リストを元に集計した空間依存性を用いると、物理的に異なる未知の空間でも、すでに依存特性が獲得されているカテゴリの空間であれば、あるアプリケーションプログラムへの要求度が高いかどうかを十分な計測データが集計される以前に予測できる。
【0230】
(ハ−3)場面への依存性
場面への依存性は、上述した時間や空間を含む様々な状況情報の組み合わせとして定義される。上述した依存性要因には状況情報も含まれるので、依存性要因の多元的組み合わせとして場面を表現できる。ただし、ユーザのためのシステム制御の観点から見た場合、意味のある場面の数は、複数の依存性要因のランダムな組み合わせに比べて、はるかに少ないと考えられる。したがって、定型的な場面は独立した依存性要因として定義するほうが効率的である。
【0231】
また、このような場面への依存性は、全くブランクの状態から学習させるのではなく、予めユーザやシステム開発者の手で入力しておくほうが使いやすい。したがって現在ある場面定義に対して新たな場面の追加や修正を半自動的に行える機能が必要である。これは依存性テーブル50a上で最終的に実行されたアプリケーションに対応する依存ベクトルを記録しておき、クラスタリングした後に、クラスタ中に含まれるベクトル数が多いもの(発生頻度の高い場面)を記号化して登録しておくことにより達成される。
【0232】
(ニ)応用例
上記第1実施例の制御情報出力装置1は、家庭用電気器具を対象機器70とする場合を含めて説明した。また、上記第2実施例では、検索システムとしての構成を示し、ナビゲーション装置あるいは携帯情報端末としてユーザ端末100が構成できることを示した。
【0233】
さらに、例えば車両内に実施例の制御情報出力装置1(ユーザ端末100)が搭載された場合を含め、制御情報(依存情報)を用いた制御動作の応用例を以下に述べる。
(ニ−1)ユーザカスタマイズ
▲1▼ユーザの好みに応じて景観スポットのメニューを表示する。
【0234】
▲2▼ユーザの好みに応じたインターネットホームページを検索する。
▲3▼ユーザの生活する地域に応じた情報検索を実行する。
▲4▼ディスプレイ上で状況に応じたキー配置やメニュー構成を提供する。
(ニ−2)表示形態の制御
▲1▼時間帯でポップアップメニューを変更する。
【0235】
▲2▼通信する相手に応じて通信データ形式を変更する。
▲3▼運転状況、周囲環境に応じて画面構成を適応的に変更する。
(ニ−3)音声出力の制御
▲1▼交差点に近づいたり、あるいは、低速走行になったりしたときは自動的にボリュームを下げる。
【0236】
▲2▼状況に応じて音を鳴らさない構成を提供する。例えばコンサートホール内という状況を判断して着信音を鳴らさないという具合である。音を鳴らすというアプリケーションプログラムへの要求度は、場所への依存性が高いためである。
(ニ−4)モーダルの変更
▲1▼音声応答が不適当の場合は画像や文字で表示する。
【0237】
▲2▼画像や文字が不適当な場合は音声で伝達する。
▲3▼音声のみでは不十分の場合は画像・文字を同時に表示する。
▲4▼画像・文字のみで不十分な場合は音声を併用する。
(ニ−5)通信環境の適応化
例えば、上記第2実施例中で説明した図20中のS1100〜S1160では、検索されたコンテンツに合わせて要約動作の有無や符号化方式を決定して配信処理を行っている。データ検索の効率化を達成するには、検索面だけでなく通信面も含めて考える必要がある。つまり、通信環境の適応化を行う必要がある。
【0238】
▲1▼通信システムの適合性
あるコンテンツClにとって最適な通信環境は依存性要因Xkに依存する。したがって、例えば、ある局面(端末の移動速度、場所、チャネルビットレート)における通信システムの適合性の評価を行うことができる。具体的には、複数システムについて評価を実施し、最適なものを選択したり、単一システムについて評価を実施し、最適なパラメータを推定したりすることができる。
【0239】
▲2▼通信システムの選択
トンネルなどで通信が切れやすい状況では通信検索からローカルメディア検索または路車間通信などに切り替える。ここで、この通信制御アプリケーションの要求度は場所、移動速度、天候などに対して依存性が高いと判断できる。すなわち、山が多くてトンネルや斜面の影響で電波がとぎれやすい場所ではこの通信制御アプリケーションの重要性が高まる。また、場所に応じて高速ダウンロードできる基地局を移動端末に割り当てる。さらに、複数の通信路が使用可能である場合、コストテーブルに基づき、もっとも低価格の通信路を選択する。
【0240】
▲3▼適応通信システム概要
適応通信システムの概要を図29に示した。
図29には、ユーザ環境・端末環境、メディア環境、通信環境という3つの環境を統合的に判断し、制御対象を制御する適応通信システムを示した。
【0241】
ユーザ・端末環境には、時間、場所、移動速度、周囲の渋滞状況、予定経路、ドライバー/非ドライバーの区別、希望するアプリケーション、要求コンテンツの内容・品質、ユーザの要求コスト、要求の緊急度などが含まれる。また、メディア環境には、人気度・アクセス集中度、サイトの種類、ジャンル、映像・音楽・文字・データの区別、記述形式、データ量などが含まれる。また、通信環境には、選択可能な通信レート、トラフィックの混み具合などが含まれる。このような種々の環境に基づき、適応通信システムは、伝送時期、伝送場所、通信システム、通信レート、通信方式、通信プロトコル・暗号化手段、通信プロファイル形式、多重化方法、検索・フィルタリング・処理方式、記述方式・符号化方式を制御する。
【0242】
従来の技術によっては、このような種々の環境を総括的に捉えることは容易でない。ところが、依存性という概念の導入によって、3つの環境を総括的に捉えることができ、適切な通信制御が可能になるのである。これは環境と表現される種々の要因を依存性で普遍的に記述できることを意味する。そして、この環境は、本実施例で示したようなアプリケーションという概念によって具体化できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の制御情報出力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】制御情報出力装置における制御部の機能ブロック図である。
【図3】依存性テーブルを例示する説明図である。
【図4】依存特性を例示する説明図である。
【図5】制御情報出力処理を示すフローチャートである。
【図6】依存性テーブルに基づく探索処理を示すための説明図である。
【図7】依存性テーブルに基づく探索処理を示すための説明図である。
【図8】対象機器側処理を示すフローチャートである。
【図9】制御情報出力装置を用いたシステム構成例を示す説明図である。
【図10】第2実施例の検索システムの構成を示すブロック図である。
【図11】検索処理の概要を示す説明図である。
【図12】コンテンツ登録処理を示すフローチャートである。
【図13】問い合わせ処理を示すフローチャートである。
【図14】検索処理を示すフローチャートである。
【図15】依存性要因値に対応する依存具合の表現手法を示す説明図である。
【図16】DC管理テーブルによる依存性符号の再利用を示す説明図である。
【図17】1次検索処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図18】1次検索処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図19】2次検索処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図20】2次検索処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図21】コンテンツ評価処理を示すフローチャートである。
【図22】シーン時間とシーンへの要求度との関係を示す説明図である。
【図23】シーンのアプリケーションと属性との関係を示す説明図である。
【図24】コンテンツ追加処理を示すフローチャートである。
【図25】車両情報機器における依存性要因を例示した説明図である。
【図26】検索処理の変形例を示すフローチャートである。
【図27】検索処理の別変形例の前半部分を示すフローチャートである。
【図28】検索処理の別変形例の後半部分を示すフローチャートである。
【図29】応用例としての適応通信システムの概要を示す説明図である。
【符号の説明】
1…制御情報出力装置
10…制御部
11…アプリケーション情報生成ブロック
12…依存性情報生成ブロック
13…制御情報生成ブロック
14…符号化ブロック
20…入力部
30…状況取得部
40…出力部
50…メモリ部
50a…依存性テーブル
50b…依存特性情報
50c…従属性テーブル
60…表示部
70…対象機器
71…制御装置
100…ユーザ端末
200…サーバ装置
110,210…制御部
120,220…入力部
130,230…状況取得部
140,240…通信部
150,250…メモリ部
150a,250a…依存性テーブル
150b,250b…依存特性情報
150c,250c…量子化テーブル
160…表示部
170…問い合わせ情報生成部
180…アプリケーション
260…情報出力部
270…検索情報生成部
281…コンテンツリスト
282…コンテンツデータベース
290…評価関数計算部
291…検索リスト記憶部

Claims (32)

  1. 対象機器にて実行されるアプリケーションプログラムと前記アプリケーションプログラムのそれぞれに対するユーザの要求がどの要因に依存して変化するかを示す依存性要因とを対応付ける依存情報を記憶する記憶手段と、
    ユーザからの指示情報または外部の状況を示す状況情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記指示情報または前記状況情報に基づき、前記記憶手段に記憶された依存情報を参照して、前記対象機器の動作・設定に利用される制御情報を生成して出力する制御情報出力手段とを備え
    前記依存情報は、依存の度合いである依存度も表現可能とし、前記アプリケーションプログラムと前記依存性要因とを対応付ける2次元テーブルとして前記記憶手段に記憶されており、
    前記制御情報出力手段は、次の(1)から(5)の何れかの情報を前記制御情報として出力し、このうち(5)のアプリケーションリストを前記制御情報として出力する際には、次の(6)から(10)の何れかの情報に基づき、相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラムを判断し、当該アプリケーションプログラムを示すアプリケーションリストを前記制御情報として、前記制御情報を符号化して出力すること
    を特徴とする制御情報出力装置。
    (1)前記依存情報
    (2)前記依存性要因が連続的又は離散的な値である依存性要因値と前記アプリケーションプログラムへのユーザの統計的な要求度合いである要求度との対応関係である依存特性
    (3)前記依存性要因の中で相対的に有効であると想定される依存性要因を示す依存性要因リスト
    (4)前記依存性要因値を取得する依存性要因値取得手段を備え、前記依存性要因値取得手段にて取得された前記依存性要因値の中の、前記相対的に有効であると想定される依存性要因に対応する依存性要因値
    (5)前記依存性要因値を取得する依存性要因値取得手段を備え、前記依存性要因値取得手段にて取得された前記依存性要因値及び前記依存特性に基づいて相対的に実行要求の高いと判断したアプリケーションプログラムを示すアプリケーションリスト
    (6)前記依存性要因値及び前記依存特性
    (7)入力手段を介して前記アプリケーションプログラムが選択指示されると、当該アプリケーションプログラムに依存する依存性要因を前記依存情報に基づき探索し、当該探索された依存性要因に対応して前記依存性要因値取得手段にて取得される依存性要因値及び前記依存特性
    (8)前記依存性要因値及び前記依存特性を用い前記依存性要因に対して求めた、前記アプリケーションプログラムへのユーザの統計的な要求度合いである要求度
    (9)前記各依存性要因に対する要求度に基づき前記アプリケーションプログラムの前記依存性要因に対して求めた実行確信度
    (10)前記記憶手段に記憶された前記アプリケーションプログラム間の従属関係を参照して補正した前記実行確信度
  2. 請求項1に記載の制御情報出力装置において、
    前記依存性要因は、ユーザに関連する要因であるユーザ要因、前記制御情報によって制御されるシステムに関連する要因であるシステム要因、又は、前記アプリケーションプログラムの処理対象となるメディアに関する要因であるメディア要因の少なくとも一つを含むものであり、
    前記ユーザ要因とは、ユーザの置かれた環境、ユーザの置かれた状況、ユーザの要求またはユーザの状態に関連する要因であり、前記ユーザの置かれた環境に関する要因としては、時刻、場所、仕事内容または雑音の有無が含まれ、前記ユーザの置かれた状況に関す る要因としては、時刻、場所、仕事内容または雑音の有無が含まれ、前記ユーザの要求に関する要因には生活ニーズまたは趣味が含まれ、前記ユーザの状態に関する要因には生活ニーズまたは趣味が含まれ、
    前記システム要因とは、前記制御情報によって制御されるシステムに関連する要因であり、その要因としては、メモリ容量、並行して実行可能なアプリケーションプログラムの数、処理能力、動作環境、通信条件、通信コスト、または表示デバイス条件が含まれ、
    前記メディア要因とは、前記アプリケーションプログラムの処理対象となるメディアに関する要因であり、その要因としては、メディアのタイプ、メディアに格納されるコンテンツに関する情報、ジャンル、製作者、日時、または、場所が含まれること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  3. 請求項1または2に記載の制御情報出力装置において、
    前記依存性要因が連続的又は離散的な値である依存性要因値をとることを前提として、前記アプリケーションプログラムへのユーザの統計的な要求度合いである要求度が前記依存性要因値に対して相対的に大きく変動する場合に、当該依存性要因に当該アプリケーションプログラムが依存すると定義したこと
    を特徴とする制御情報出力装置。
  4. 請求項に記載の制御情報出力装置において、
    前記要求度が前記依存性要因値に対して相対的に大きく変動する場合は、前記依存性要因のとり得る前記依存性要因値に対して、前記要求度の最大変動幅が第1の閾値を上回り、かつ、前記要求度の最大値が第2の閾値を上回り、かつ、前記依存性要因値と前記要求度との対応関係である依存特性が時間経過に対して一定又は規則性を有する場合であること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の制御情報出力装置において、
    前記依存性要因リストは、前記依存性要因の有効度合いに応じて複数レベルに階層化されていること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の制御情報出力装置において、
    前記制御情報出力手段は、前記相対的に実行要求の高いアプリケーションプログラムに対する要求度に基づき、未知の依存性要因値を推定すること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の制御情報出力装置において、
    前記アプリケーションリストは、前記実行要求度合いに応じて複数レベルに階層化されていること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の制御情報出力装置において、
    前記制御情報出力手段は、入力手段を介してユーザから入力されるアプリケーションプログラム選択指示に基づいて、前記依存特性を統計的に学習変更すること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  9. 請求項に記載の制御情報出力装置において、
    前記制御情報出力手段は、前記依存特性の学習変更に応じて前記依存情報も学習変更すること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の制御情報出力装置において、
    前記制御情報出力手段は、前記制御情報を外部装置へ通信手段を介して出力すること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の制御情報出力装置において、
    前記制御情報出力手段は、前記制御情報を着脱可能な記録媒体に出力すること
    を特徴とする制御情報出力装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の制御情報出力装置と、
    前記制御情報出力手段によって出力される前記制御情報に基づく処理を行う情報処理装置とを備えていること
    を特徴とする情報システム。
  13. 請求項12に記載の情報システムにおいて、
    前記情報処理装置は、前記制御情報出力手段によって符号化された前記制御情報が出力されることを前提として、前記制御情報を復号化する復号化手段を備えていること
    を特徴とする情報システム。
  14. 請求項12又は13に記載の情報システムにおいて、
    前記情報処理装置は、前記通信手段を介して送信される前記制御情報を利用してデータベース検索を行う前記対象機器としてのサーバ装置であること
    を特徴とする情報システム。
  15. 請求項12又は13に記載の情報システムにおいて、
    前記情報処理装置は、記録媒体へ出力された前記制御情報を読み込んで動作する前記対象機器であること
    を特徴とする情報システム。
  16. 請求項12又は13に記載の情報システムにおいて、
    前記情報処理装置は、前記制御情報を読み込んで前記複数の対象機器を制御する制御装置であること
    を特徴とする情報システム。
  17. 請求項12又は13に記載の情報システムにおいて、
    前記制御情報出力装置は、複数の対象機器を操作するリモートコントロール端末であり、
    前記情報処理装置は、前記リモートコントロール端末から送信される前記制御情報を読み込んで動作する対象機器であること
    を特徴とする情報システム。
  18. 請求項1〜9のいずれかに記載の制御情報出力装置と、
    前記制御情報出力手段によって出力される前記制御情報を利用して、アプリケーションの検索を行う検索手段を有したサーバ装置とを備えていること
    を特徴とする情報システム。
  19. 請求項18に記載の情報システムにおいて、
    前記制御情報出力装置又は前記サーバ装置の少なくともいずれか一方は、前記依存性要因のとり得る依存性要因値を量子化可能であること
    を特徴とする情報システム。
  20. 請求項18又は19に記載の情報システムにおいて、
    前記サーバ装置は、前記アプリケーションが予め定められた依存性要因に依存するか否かを示すアプリ依存情報を記憶するサーバ側記憶手段を有しており、
    前記検索手段は、前記サーバ側記憶手段に記憶された前記アプリ依存情報に基づく検索を行うこと
    を特徴とする情報システム。
  21. 請求項20に記載の情報システムにおいて、
    前記制御情報には、前記依存性要因に依存するか否かを示す依存ベクトルがユーザ要求として含まれ、
    一方、前記アプリ依存情報には、検索に係る依存性要因に前記アプリケーションが依存するか否かを示す特性ベクトルが含まれており、
    前記検索手段は、前記依存ベクトルと前記特性ベクトルとの内積演算によって検索を行うこと
    を特徴とする情報システム。
  22. 請求項21に記載の情報システムにおいて、
    前記特性ベクトルは、前記アプリケーションの詳細データから生成可能としたこと
    を特徴とする情報システム。
  23. 請求項22に記載の情報システムにおいて、
    前記アプリケーションの詳細データから生成された特性ベクトルは、前記サーバ側記憶手段に追加記憶されて再利用されること
    を特徴とする情報システム。
  24. 請求項2123のいずれかに記載の情報システムにおいて、
    前記依存ベクトル及び前記特性ベクトルは、依存の度合いである依存度も表現可能としたこと
    を特徴とする情報システム。
  25. 請求項2124のいずれかに記載の情報システムにおいて、
    前記依存ベクトル及び前記特性ベクトルの成分は、依存性要因のとり得る依存性要因値に対する依存具合を表現可能にしたこと
    を特徴とする情報システム。
  26. 請求項2123のいずれかに記載の情報システムにおいて、
    前記依存ベクトル及び前記特性ベクトルは、その成分が「0」又は「1」の2値で表現される依存性符号として実現されていること
    を特徴とする情報システム。
  27. 請求項2126のいずれかに記載の情報システムにおいて、
    前記内積演算では、前記検索に係る依存性要因の中の所定要因に対する成分のみの演算を行うこと
    を特徴とする情報システム。
  28. 請求項2127のいずれかに記載の情報システムにおいて、
    前記内積演算では、前記検索に係る依存性要因に対する成分に優先順位を付けて計算し、各成分毎に予め定められた基準を満たさない場合、演算を途中で停止すること
    を特徴とする情報システム。
  29. 請求項2128のいずれかに記載の情報システムにおいて、
    前記検索手段は、前記内積演算による1次検索に続けて、前記アプリケーションの詳細データに基づく2次検索を行うこと
    を特徴とする情報システム。
  30. 請求項1〜9のいずれかに記載の制御情報出力装置であって、前記依存情報のうちユーザ側で予め定められた依存性要因に依存するか否かを示すユーザ側依存情報によってユーザ側のアプリケーションを表現し、前記ユーザ側依存情報に基づき制御情報を出力する制御情報出力装置と、
    サーバ側で予め定められた依存性要因に依存するか否かを示すサーバ側依存情報によってサーバ側のアプリケーションを表現し、前記制御情報に基づき、前記ユーザ側のアプリケーションと前記サーバ側のアプリケーションとを関連付けて動作するサーバ装置とを備えたこと
    を特徴とする情報システム。
  31. 請求項30に記載の情報システムにおいて、
    前記ユーザ側依存情報及び前記サーバ側依存情報は、ベクトル成分が「0」又は「1」の2値で表現される依存性符号として実現されていること
    を特徴とする情報システム。
  32. 請求項30又は31に記載の情報システムにおいて、
    前記サーバ側依存情報は、前記アプリケーションの追加時点で入力される情報を用い、アプリケーションを特定する言語表現と前記サーバ側依存情報との対応関係テーブルに基づき生成されること
    を特徴とする情報システム。
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