JP3978049B2 - 誘導型位置トランスデューサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は誘導型位置トランスデューサ、特に読み取りヘッドとスケールとを備え、スケールに対する読み取りヘッドの絶対位置(ABS)を検出する位置トランスデューサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、誘導電流を用いた位置トランスデューサ(あるいは磁気エンコーダ)が知られている。位置トランスデューサは対向配置した読み取りヘッドとスケールとを備える。読み取りヘッド側に送信コイル及び受信コイルを備え、スケール側にも受信コイル及び送信コイルを備える。読み取りヘッド側の送信コイルから磁界を発生させ、この磁界によりスケール側の受信コイルに誘導電流を生じさせる。スケール側の送信コイルと受信コイルは接続され、生じた誘導電流により送信コイルから磁界が生じる。読み取りヘッド側の受信コイルは、スケール側の送信コイルから発生した磁界を検出し、検出信号として出力する。検出信号の位相は、読み取りヘッドとスケールとの位置関係に応じて変動するから、検出信号の位相に基づき読み取りヘッドのスケール上の基準ポイントからの位置、すなわち絶対位置を検出することができる。
【0003】
通常、スケール側には、互いに異なるピッチ(波長)λ1及びλ2を有する送信コイルをスケールの幅方向に並設し、λ1とλ2の位相差に基づき絶対位置を検出する。すなわち、λ1のコイルのみではλ1毎に検出信号の位相が同一となるため、λ1を超える絶対位置を一義的に決定することができない。そこで、λ1とλ2の位相差に基づき、λ1が何周期目かを検出することで絶対位置を検出する。λ1をλfineとし、λ1とλ2の位相差の1周期をλmedと定義し、λmed内にλfineが含まれる数をnとすると以下の式が成り立つ。
【0004】
【数1】
λmed=n・λfine ・・・(1)
nはλ1とλ2の波長差により決定される値であり、波長差が小さいほどnは大きくなり絶対位置を検出できる長さ(測定範囲)は増大する。λ1とλ2の位相差の値が、360度をn等分した範囲のうちどの範囲に入っているかを判定することでλ1の周期数がわかり、(λ1の周期)×(λ1の周期数)+(λ1の位相)により絶対位置が算出される。
【0005】
このように2波長型位置トランスデューサでは測定範囲が拡大されるが、同様に3波長型、つまりスケール側にλ1、λ2及びλ3の異なる3波長を有する送信コイルを配置した位置トランスデューサも提案されている。
【0006】
図7には、このような3波長型位置トランスデューサの構成が示されている。図7(a)はスケール側の構成であり、図7(b)は読み取りヘッド(グリッド)側の構成である。実際には、スケールと読み取りヘッドは互いに重なるように対向配置されるが、図では説明の都合上、両者をそれぞれ並べて示している。
【0007】
スケール側には、波長λ1のコイルが形成されるとともに、波長λ2及びλ3のコイルも形成される。波長λ1のコイルは、中央の送信コイル10と当該中央送信コイル10を挟むようにその両側に配置された受信コイル11から形成される。また、波長λ2及びλ3のコイルは、それぞれ送信コイルと受信コイルを兼用する。すなわち、波長λ2とλ3のコイルは接続され、波長λ2の送信コイル12にとっての受信コイルは波長λ3の送信コイル14であり、波長λ3の送信コイル14に生じた誘導電流で波長λ2の送信コイル12は磁界を発生させる。波長λ3の送信コイル14にとっての受信コイルは波長λ2の送信コイル12であり、波長λ2の送信コイル12に生じた誘導電流で波長λ3の送信コイル14は磁界を発生させる。
【0008】
一方、グリッド側には、波長λ1の受信コイル11に向けて磁界を発生する送信コイル20及び波長λ1の送信コイル10から発生する磁界を検出する受信コイル30が設けられる。また、λ2の受信コイルに向けて磁界を発生する送信コイル22及びλ2の送信コイル12からの磁界を検出する受信コイル32が設けられる。さらに、λ3の受信コイルに対し磁界を発生する送信コイル24及び波長λ3の送信コイル14からの磁界を検出する受信コイル34が設けられる。グリッドの送信コイル20はスケールの受信コイル11に対向し、受信コイル30は送信コイル10に対向して磁気結合する。同様に、送信コイル24は送信コイル12(波長λ3の送信コイル14にとっての受信コイル)に対向し、受信コイル32は送信コイル12に対向して磁気結合する。送信コイル22は送信コイル14(波長λ2の送信コイル12にとっての受信コイル)に対向し、受信コイル34は送信コイル14に対向して磁気結合する。
【0009】
グリッド側の送信コイル20、22、24には順次駆動電流が時分割で供給され、受信コイル30、32、34はそれぞれの駆動電流によりスケールの送信コイル10、12、14で順次発生した磁界を検出して信号を出力する。λ1でλfine、λ1とλ2の位相差でλmed、λ2とλ3の位相差でλcoaを形成する。λcoa内に含まれるλmedの数をmとすると、
【数2】
λcoa=m・λmed=m・n・λfine=m・n・λ1 ・・・(2)
となる。測定範囲はm・nで決定されるので、2波長λ1、λ2を用いた位置トランスデューサに比べて測定範囲が増大する。
【0010】
図8には、上述したλfine、λmed、λcoaの位置精度が示されている。図において、横軸はスケールの基準ポイントからの位置であり、縦軸は位相である。λfine、λmed、λcoaの順で精度が低く(粗く)なり、これらを組み合わせることでλcoaの範囲内で絶対位置を一義的に決定できる。
【0011】
なお、λfine、λmed、λcoaは、具体的には以下のように定義される。
【0012】
【数3】
λfine=λ1
λmed=λ2λ1/(λ2−λ1)=nλfine
λcoa=λ3λ2/(λ3−λ2)=mλmed ・・・(3)
ここで、m及びnは正の整数である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、3波長λ1、λ2、λ3を用いることで測定範囲を増大させることが可能であるが、図7に示されるように、λ2とλ3について送信コイルと受信コイルを共通化したとしてもスケールの幅方向に合計5列のコイル群が形成されることとなり、スケールサイズ、ひいては位置トランスデューサのサイズが増大してしまう問題があった。近年、特にNC等においては装置の小型化が図られており、これらの装置に取り付けて位置データを出力する位置トランスデューサにおいても一層の小型及び高精度化が要求されている。
【0014】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、小型かつ高精度の3波長型位置トランスデューサを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、磁界発生手段及び磁界検出手段を有する読み取りヘッドと、前記読み取りヘッドに対向配置され、前記磁界発生手段からの磁界により誘導電流を発生する受信コイルと前記誘導電流により磁界を発生させる送信コイルからなる磁気結合コイルが測定方向に沿って所定ピッチλで形成されたスケールとを備え、前記スケールの前記送信コイルからの磁界を前記磁界検出手段で検出して得られる検出信号の位相に基づき前記読み取りヘッドの前記スケールに対する位置を検出する誘導型トランスデューサであって、前記磁気結合コイルは、 第1のピッチλ1で前記測定方向に沿って形成された第1送信コイルと、前記第1のピッチλ1と異なる第2のピッチλ2で前記測定方向に沿って形成され、前記第1送信コイルの片側に形成された第2送信コイルと、前記第1のピッチλ1及び第2のピッチλ2と異なる第3のピッチλ3で前記測定方向に沿って形成され、前記第1送信コイルを挟んで前記第2送信コイルの反対側に形成された第3送信コイルと、を有し、前記第1送信コイルは、前記第2送信コイルに接続されるコイルと、前記第2送信コイルに接続されるコイルに隣接して設けられるコイルであって前記第3送信コイルに接続されるコイルと、から構成され、前記第2送信コイル及び前記第3送信コイルは前記第1送信コイルに接続された受信コイルとして機能し、前記第1送信コイルは前記第2送信コイルあるいは前記第3送信コイルに接続された受信コイルとして機能し、前記第1のピッチλ1、第2のピッチλ2、第3のピッチλ3は、λ2<λ3<λ1またはλ3<λ2<λ1なる大小関係を満たすことを特徴とする。
【0016】
ここで、前記第1送信コイル、第2送信コイル及び第3送信コイルは、前記スケールの幅方向に並んで形成され、前記第1送信コイルは第2送信コイルと前記第3送信コイルの間に形成されることが好適である。
【0018】
この場合、前記第1送信コイルからの磁界の検出信号の位相と、前記第1送信コイルからの磁界の検出信号の位相と前記第2送信コイルからの磁界の検出信号の位相との位相差と、前記第1送信コイルからの磁界の検出信号の位相と前記第3送信コイルからの磁界の検出信号の位相との位相差に基づいて前記位置を検出することが好適である。
【0019】
このように、本発明の位置トランスデューサ(磁気エンコーダ)では、λ1、λ2、λ3の3ピッチ(3波長)のコイルを用いるが、スケール側のコイル配置として送信コイルと受信コイルを互いに兼用させることでスケール幅方向のコイル数を削減し、サイズを縮小化する。すなわち、第1送信コイル(λ1コイル)と第2送信コイル(λ2コイル)を接続してλ2コイルをλ1コイルの受信コイルとして機能させる。すなわち、読み取りヘッド側の送信コイルから生じた磁界はλ2コイルに誘導電流を生じさせ、その誘導電流がλ1コイルに供給されてλ1コイルから磁界を発生させる。同様に、λ1コイルをλ2コイルの受信コイルとして機能させる。第1送信コイルと第3送信コイルとの関係も同様である。このように、3つの送信コイルがそれぞれ接続された送信コイルの受信コイルとしても機能することで、コイル数を削減して小型化することができる。なお、第1送信コイル(λ1コイル)、第2送信コイル(λ2コイル)、第3送信コイル(λ3コイル)は時分割で駆動されるため、送受信を兼用しても問題は生じない。
【0020】
また、それぞれピッチ(波長)の異なる第1送信コイルと第2送信コイルを接続し、第1送信コイルと第3送信コイルを接続する場合、第1送信コイルのピッチを最小とすると第1送信コイルで接続不能の「浮きコイル」あるいは「歯抜け」が生じ得、このような浮きの部分では位置を検出できないため精度が低下する。そこで、λ1の周期数を検出するにすぎない第2送信コイルあるいは第3送信コイルに浮きあるいは歯抜けを生じさせることで、浮きあるいは歯抜けが精度に与える影響を抑制することができる。λ1の浮きあるいは歯抜けの防止は、λ1のピッチが最大となる波長構成を採用することで得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1には、本実施形態に係る3波長型位置トランスデューサ(磁気エンコーダ)の構成が示されている。図1(a)はスケール側の構成であり、図1(b)は読み取りヘッド(グリッド)側の構成である。なお、実際にはスケールとグリッドは所定距離だけ離間して対向配置されることは従来装置と同様である。まず、スケール側の構成について説明する。
【0023】
スケール側には、波長(ピッチ)λ1の送信コイル10、波長λ2の送信コイル12、及び波長λ3の送信コイル14がスケールの幅方向に並んで形成される。波長λ1の送信コイル10は、波長λ2の送信コイル12と波長λ3の送信コイル14との間に配置される。波長λ1の送信コイル10は波長λ2の送信コイル12に接続されるコイルと、当該送信コイル12に接続されるコイルに隣接して設けられるとともに波長λ3の送信コイル14に接続されるコイルと、から構成される。波長λ2の送信コイル12は波長λ1の送信コイル10にとって受信コイルとして機能する。また、波長λ1の送信コイル10は波長λ2の送信コイル12にとっての受信コイルとして機能する。同様に、波長λ3の送信コイル14は波長λ1の送信コイル10にとっての受信コイルとして機能し、波長λ1の送信コイル10は、波長λ3の送信コイル14にとっての受信コイルとして機能する。
【0024】
一方、グリッド側の構成は以下の通りである。すなわち、送信コイル20、22、24が設けられ、送信コイル20は波長λ2の送信コイル12及び波長λ3の送信コイル14に対向して配置され、送信コイル22及び24は波長λ1の送信コイル10に対向して配置される。また、送信コイル10に対向して受信コイル30が配置され、送信コイル12に対向して受信コイル32が配置され、送信コイル14に対向して受信コイル34が配置されてそれぞれ磁気結合する。
【0025】
送信コイル20に駆動電流を供給することで、送信コイル20から波長λ2の送信コイル12(波長λ1の送信コイル10にとっての受信コイル)及び波長λ3の送信コイル14(波長λ1の送信コイルにとっての受信コイル)に向けて磁界が発生し、波長λ2の送信コイル12で生じた誘導電流は送信コイル10を構成するコイルのうち送信コイル12に接続されたコイルに、波長λ3の送信コイル14で発生した誘導電流は送信コイル10を構成するコイルのうち送信コイル14に接続されたコイルに、それぞれ供給される。波長λ1の送信コイル10に供給された誘導電流により磁界が生じ、この磁界は波長λ1の送信コイル10に対向して配置された受信コイル30で受信され検出信号として出力される。
【0026】
また、送信コイル22に駆動電流を供給することにより、送信コイル22から波長λ1の送信コイル10に向けて磁界が発生し、波長λ1の送信コイル10に誘導電流が生じる。この誘導電流は波長λ2の送信コイル12に供給され、波長λ2の送信コイル12から磁界が発生して受信コイル32で受信され検出信号として出力される。
【0027】
さらに、送信コイル24に駆動電流を供給することにより、送信コイル24から波長λ1の送信コイル10に向けて磁界が発生し、送信コイル10に誘導電流が生じる。この誘導電流は送信コイル14に供給される。送信コイル14は、この誘導電流により磁界を発生し、送信コイル14に対向して配置された受信コイル34で受信され検出信号として出力される。送信コイル20、22、24は従来装置と同様に順次駆動される。
【0028】
スケール側の3波長のコイルは互いに送信コイル及び受信コイルとして機能するため、図7と異なりスケール幅方向に3列だけコイルを形成すればよく、スケールの幅を縮小させることができる。
【0029】
以下、本実施形態の3波長型位置エンコーダの作用についてより詳細に説明する。
【0030】
図2〜図4には、送信コイル20、22、24を順次駆動する場合のスケールとグリッドの作用説明図が示されている。図2は、送信コイル20を駆動する場合の作用説明図である。グリッド側の送信コイル20はスケール側の送信コイル12と14に対向配置し、グリッド側の受信コイル30はスケール側の送信コイル10に対向配置する。グリッド側の送信コイル20を駆動することでスケール側の送信コイル10から磁界が生じ、この磁界を受信コイル30で受信し検出信号を出力する。スケール側の送信コイル10には、送信コイル12に接続されたコイルには送信コイル12からの誘導電流が、送信コイル14に接続されたコイルには送信コイル14からの誘導電流がそれぞれ供給される。この送信コイル12に接続されたコイルの周囲に形成される磁界と、送信コイル14に接続されたコイルの周囲に形成される磁界と、が互いに干渉して強め合うため、送信コイル10で生じた磁界を検出する受信コイル30では強度の大きな検出信号が得られる。すなわち、ノイズに強い測定を行うことができる。検出信号の周期はλ1である。
【0031】
図3は、送信コイル22を駆動する場合の作用説明図である。グリッド側の送信コイル22はスケール側の送信コイル10に対向配置され、グリッド側の受信コイル32はスケール側の送信コイル12に対向配置される。送信コイル22を駆動することにより、送信コイル10を介して送信コイル12から磁界が生じ、この磁界を受信コイル32で検出する。受信コイル32からの検出信号は、周期λ2の検出信号である。
【0032】
図4は、送信コイル24を駆動する場合の作用説明図である。グリッド側の送信コイル24はスケール側の送信コイル10に対向配置され、グリッド側の受信コイル34はスケール側の送信コイル14に対向配置される。送信コイル24を駆動することにより送信コイル10を介してスケール側の送信コイル14から磁界が生じ、この磁界を受信コイル34で検出する。受信コイル34からの検出信号は、周期λ3の検出信号である。
【0033】
したがって、従来装置と同様に、λ1でλfine、λ1とλ2の位相差でλmed、λ2とλ3の位相差でλcoaを構成し、これらλfine、λmed、λcoaを用いて絶対位置を検出することができる。
【0034】
一方、このように3波長λ1、λ2、λ3の送信コイルと受信コイルを兼用してスケールに形成することで、いわゆるコイルの「歯抜け」が生じる問題がある。これは、3つのコイルがそれぞれλ1、λ2、λ3と異なる波長を有するため、λ1のコイルとλ2のコイル、及びλ1のコイルとλ3のコイルを接続する際に、両コイルの位置関係が次第にずれていくためあるところではもはや接続することができず、接続の「飛び」が生じるからである。
【0035】
図5には、λ1のコイルを中央に配置し、λ2及びλ3のコイルを両側に配置した場合の歯抜けの様子が示されている。例えば、λ1=1.024mm、λ2=1.092mm、λ3=1.028mmとすると、λ2のコイルと接続できないλ1コイル、及びλ3と接続できないλ1コイルが生じている(図中「浮きコイル」と示される部分)。このような浮きコイル(あるいは歯抜け)が存在すると、その部分で磁界の周期的分布が乱れてしまい、特に最も高精度の送信コイルである波長λ1の送信コイル10に生じると検出精度に大きな影響がある。
【0036】
そこで、本実施形態では、単にλ1<λ2<λ3(あるいはλ1<λ3<λ2)とするのではなく、波長構成を変更して精度低下を抑制する。
【0037】
具体的には、スケールの中央に位置するλ1送信コイル10の波長λ1を最大とし、
λ2<λ3<λ1
あるいは
λ3<λ2<λ1
とする。このような波長構成とすることで、λ1ではなくλ2あるいはλ3に歯抜けを生じさせることができる。λ2及びλ3はλmed及びλcoaを算出するためだけのものであるから、許容される誤差はλ1に比べて格段に大きく、したがって歯抜けによる精度低下を抑制することが可能である。具体的には、例えばλ1=1.024mm、λ2=0.963mm、λ3=1.020mmとすればよく、これによりλ2の送信コイル12のみに歯抜けを生じさせることが可能である。図6には、λ2<λ3<λ1とした場合のスケール側のコイル構成が示されている。
【0038】
なお、歯抜けを防止するためにλ1を大きくすると、その分だけ分解能が低下することとなるが、λ1の検出信号はその強度が大きいため十分な検出精度を確保できる。
【0039】
また、例えばλ2<λ3<λ1としてλ2に歯抜けが生じた場合、λ1で定義されるλfineには影響がないものの、λ1とλ2の位相差で定義されるλmedやλ2とλ3で定義されるλcoaの精度が低下する。特に、λcoaに関しては精度の低いλ2とλ3を用いているためその影響が大きいと考えられる。そこで、λ2あるいはλ3に歯抜けを生じさせた場合、λcoaはλ2とλ3の位相差で定義するのではなく、λ1とλ3の位相差で定義することが好ましい。具体的には、以下のように定義される。
【0040】
【数4】
λfine=λ1
λmed=λ2λ1/(λ2−λ1)
λcoa=λ3λ1/(λ3−λ1) ・・・(4)
このように、本実施形態では、3波長型位置トランスデューサで、スケール側のコイル配置としてスケール幅方向にコイルが3列に並ぶような構成としたので、スケールサイズ、ひいては位置トランスデューサ全体のサイズを縮小化することができる。
【0041】
また、本実施形態では、3列コイル構成とした場合の、コイルの浮きあるいは歯抜けを最も精度の高いλ1のコイルに生じさせるのではなく、λmedあるいはλcoaを精製するためだけのコイルλ2あるいはλ3に生じさせるような波長構成とし、かつ、λcoaをλ2とλ3ではなくλ1とλ3で定義しているため、浮きあるいは歯抜けによる精度低下を効果的に抑制することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば検出範囲を増大させるとともに小型かつ高精度の位置トランスデューサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る位置トランスデューサのスケールとグリッド構成図である。
【図2】 図1において送信コイル20を駆動した場合の作用説明図である。
【図3】 図1において送信コイル22を駆動した場合の作用説明図である。
【図4】 図1において送信コイル24を駆動した場合の作用説明図である。
【図5】 λ1送信コイルの歯抜け(浮き)説明図である。
【図6】 λ2送信コイルの歯抜け(浮き)説明図である。
【図7】 従来の3波長型位置トランスデューサのスケールとグリッド構成図である。
【図8】 図7の3波長型位置エンコーダのλfine、λmed、λcoaの説明図である。
【符号の説明】
10,12,14 送信コイル(スケール側)、20,22,24 送信コイル(グリッド側)、30,32,34 受信コイル(グリッド側)。
Claims (4)
- 磁界発生手段及び磁界検出手段を有する読み取りヘッドと、
前記読み取りヘッドに対向配置され、前記磁界発生手段からの磁界により誘導電流を発生する受信コイルと前記誘導電流により磁界を発生させる送信コイルからなる磁気結合コイルが測定方向に沿って所定ピッチλで形成されたスケールと、
を備え、前記スケールの前記送信コイルからの磁界を前記磁界検出手段で検出して得られる検出信号の位相に基づき前記読み取りヘッドの前記スケールに対する位置を検出する誘導型トランスデューサであって、
前記磁気結合コイルは、
第1のピッチλ1で前記測定方向に沿って形成された第1送信コイルと、
前記第1のピッチλ1と異なる第2のピッチλ2で前記測定方向に沿って形成され、前記第1送信コイルの片側に形成された第2送信コイルと、
前記第1のピッチλ1及び第2のピッチλ2と異なる第3のピッチλ3で前記測定方向に沿って形成され、前記第1送信コイルを挟んで前記第2送信コイルの反対側に形成された第3送信コイルと、
を有し、
前記第1送信コイルは、前記第2送信コイルに接続されるコイルと、前記第2送信コイルに接続されるコイルに隣接して設けられるコイルであって前記第3送信コイルに接続されるコイルと、から構成され、
前記第2送信コイル及び前記第3送信コイルは前記第1送信コイルに接続された受信コイルとして機能し、前記第1送信コイルは前記第2送信コイルあるいは前記第3送信コイルに接続された受信コイルとして機能し、
前記第1のピッチλ1、第2のピッチλ2、第3のピッチλ3は、λ2<λ3<λ1なる大小関係を満たす
ことを特徴とする誘導型位置トランスデューサ。 - 磁界発生手段及び磁界検出手段を有する読み取りヘッドと、
前記読み取りヘッドに対向配置され、前記磁界発生手段からの磁界により誘導電流を発生する受信コイルと前記誘導電流により磁界を発生させる送信コイルからなる磁気結合コイルが測定方向に沿って所定ピッチλで形成されたスケールと、
を備え、前記スケールの前記送信コイルからの磁界を前記磁界検出手段で検出して得られる検出信号の位相に基づき前記読み取りヘッドの前記スケールに対する位置を検出する誘導型トランスデューサであって、
前記磁気結合コイルは、
第1のピッチλ1で前記測定方向に沿って形成された第1送信コイルと、
前記第1のピッチλ1と異なる第2のピッチλ2で前記測定方向に沿って形成され、前記第1送信コイルの片側に形成された第2送信コイルと、
前記第1のピッチλ1及び第2のピッチλ2と異なる第3のピッチλ3で前記測定方向に沿って形成され、前記第1送信コイルを挟んで前記第2送信コイルの反対側に形成された第3送信コイルと、
を有し、
前記第1送信コイルは、前記第2送信コイルに接続されるコイルと、前記第2送信コイルに接続されるコイルに隣接して設けられるコイルであって前記第3送信コイルに接続されるコイルと、から構成され、
前記第2送信コイル及び前記第3送信コイルは前記第1送信コイルに接続された受信コイルとして機能し、前記第1送信コイルは前記第2送信コイルあるいは前記第3送信コイルに接続された受信コイルとして機能し、
前記第1のピッチλ1、第2のピッチλ2、第3のピッチλ3は、λ3<λ2<λ1なる大小関係を満たす
ことを特徴とする誘導型位置トランスデューサ。 - 請求項1または2に記載の位置トランスデューサにおいて、
前記第1送信コイル、第2送信コイル及び第3送信コイルは、前記スケールの幅方向に並んで形成され、前記第1送信コイルは第2送信コイルと前記第3送信コイルの間に形成されることを特徴とする誘導型位置トランスデューサ。 - 請求項1から3のいずれかに記載の位置トランスデューサにおいて、
前記第1送信コイルからの磁界の検出信号の位相と、
前記第1送信コイルからの磁界の検出信号の位相と前記第2送信コイルからの磁界の検出信号の位相との位相差と、
前記第1送信コイルからの磁界の検出信号の位相と前記第3送信コイルからの磁界の検出信号の位相との位相差
に基づいて前記位置を検出することを特徴とする誘導型位置トランスデューサ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002052704A JP3978049B2 (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 誘導型位置トランスデューサ |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002052704A JP3978049B2 (ja) | 2002-02-28 | 2002-02-28 | 誘導型位置トランスデューサ |
Publications (2)
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