JP3977369B2 - ロボットプログラム生成装置及び解析装置 - Google Patents
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Description
このように、計測箇所あるいは計測方法を適正に定めるには、ワークの大きさ、形状、それらのばらつき、視覚センサの精度、ハンド機構の特性等、多くの条件を考慮しなければならず、これまでは現場でシステムを立ち上げる際に試行錯誤の繰り返しを要しているのが実態である。また、ユーザがこれら考慮が必要な条件と計測箇所あるいは計測方法の関係を正確に理解せずにシステムを立ち上げた場合、最初は運良くうまくいったとしてもその後トラブル(例えば1日に1度位システムが停止するなど)が発生し、そのトラブルの原因の特定が困難であるといったことが起る。このような問題が、ユーザに負担をかけ、視覚センサ−ロボットシステムの導入促進を阻む要因となっている。
本発明は、従来技術のこのような問題を解決できるロボットシプログラム生成装置あるいは解析装置を提供することを目的としている。即ち、本発明は、例えばロボットシミュレータのようなロボットの教示プログラムの生成や解析を行える装置に、視覚センサを使用する際のノウハウを盛り込み、ワーク寸法、計測位置や計測条件、補正方法等について提案と判定を行えるようにすることで、ユーザの教示負担を軽減しようとするものである。
講求項5に係るロボットプログラム解析装置には、前記視覚センサによるワークに対する計測実行命令を含むロボットプログラムを入力し、解析する解析手段と、ワークのモデルを表示するモデル表示手段と、該モデル表示手段によって表示されたモデル上で、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて、前記視覚センサによる計測箇所を求め、前記モデルとともに表示する計測箇所表示手段と、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて、前記計測箇所に対する計測方法が2次元計測と3次元計測のいずれとされているかを求めて表示する計測方法表示手段と、前記ワークに関する少なくとも1つの事項の情報を数値又は種別で指定するワーク情報指定手段と、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて求められる前記計測箇所及び前記計測方法のそれぞれの良否を、前記数値又は種別に関連付けて判別するための、予め定められたルールを記憶するルール記憶手段と、前記ワーク情報指定手段によって指定された前記ワークに関する少なくとも1つの事項と前記ルール記憶手段に記憶されたルールとに基づいて、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて求められた前記計測箇所及び前記計測方法のそれぞれの良否を判定する判定手段が設けられる。
請求項6に係るロボットプログラム解析装置には、前記視覚センサによるワークに対する計測実行命令を含むロボットプログラムを入力し、解析する解析手段と、予め撮像したワークの画像を表示する画像表示手段と、該画像表示手段によって表示された画像上で、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて、前記視覚センサによる計測箇所を求め、前記モデルとともに表示する計測箇所表示手段と、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて、前記計測箇所に対する計測方法が2次元計測と3次元計測のいずれとされているかを表示する計測方法表示手段と、前記ワークに関する少なくとも1つの事項の情報を数値又は種別で指定するワーク情報指定手段と、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて求められる前記計測箇所及び前記計測方法のそれぞれの良否を、前記数値又は種別に関連付けて判別するための、予め定められたルールを記憶するルール記憶手段と、前記ワーク情報指定手段によって指定された前記ワークに関する少なくとも1つの事項と前記ルール記憶手段に記憶されたルールとに基づいて、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて求められた前記計測箇所及び前記計測方法のそれぞれの良否を判定する判定手段が設けられる。
また、ロボットプログラムのシミュレーションを実行する機能を備えているロボットシミュレータをロボットプログラム解析装置として採用することができる(請求項8)。
本発明に従ったロボットプログラム生成装置(請求項1〜請求項4)は、ワークのモデル図、あるいは、ワークを撮像した画像を表示し、その上で、ワークの計測方法や計測箇所を指定し、更にワークに関する情報を指定することにより、ワークの計測方法や計測箇所が適切かを判断する。更に、それらが適切であれば、計測する命令を含んだロボットプログラムを生成する。
最初に、ロボットシミュレータにロボットプログラムをロードする(101)。このロボットプログラムは、例えば上記の処理を経て作成されたプログラム、あるいは、実際のシステムで使用してみたがシステムにトラブルが発生したようなプログラムである。
次に、ロードされたプログラムから、ロボットシミュレータは、ワークのどの箇所を、どの計測方法で計測したかを解析する(102)。次に、モニタ画面上にワークをモデル化したものを表示し、解析した計測位置、計測箇所を、表示したモデル上に表示する(103)。表示するモデルは、(201)同様、例えばCADなどの設計データをモデル化したものが考えられる。モデルの代わりにビデオカメラで撮像したものを表示しても良い。モデルと解析した位置をうまく重ねるには、例えば、このプログラムをロボットシミュレータで作成したときの画面を、別途記憶しておけば良い。
[計測誤差に関する診断]
ここでのチェック項目は、積載状態に適した計測方法が選択されているか、と、見積もられている計測誤差と、設定された許容誤差に対して、適切な箇所が計測箇所となっているかであるとする。ワークモデル(または画像;以下、同じ)の具体例としては図3に示したものを考える。図3において、画面表示されるワークモデル全体は符号Wで示されており、符号Mで示す測定箇所(ここではビデオカメラ2による撮像部位)は、上記ステップ202で指定した点あるいはステップ103における「解析した測定箇所」に相当する。点M0は測定箇所Mを代表する点(例えば画像重心)である。
ワークの把持方法については、視覚センサによる位置検出について許容できる位置誤差(例えば図3における点M0 の検出位置の誤差)の限界、あるいは許容できる傾き誤差(例えば図3におけるワークWの傾きの検出誤差)の限界があればその数値を操作者が入力する。なお、数値は、ハンド機構の性能等によって決まり、十分大きな誤差吸収能力でワークの位置決めが可能であればここに例示されているように「ハンド位置決め」の種別を指定する。
積載状態の設定が「許容誤差以上の2次元的なずれ」であれば(303)、予め見積もられている計測の精度とワークの寸法から把持誤差を計算する(305)。ここでは、位置誤差のみ考慮すれば良い。計算方法の例は、[別項1]で後述する。把持誤差を、把持方法の設定の中で設定した許容誤差と比較する(306)。許容誤差より把持誤差が大きくなければそのまま終了する(319)。そうでなければ、ステップ307へ進み、2点目の計測箇所がなければ、エラーフラグ2を立ててから(318)、処理を終了する(319)。
以上により、計測誤差に関する診断が終了する。エラーフラグ1、2のいずれも立っていなければ診断結果は「良」ということになり、そうでなければ診断結果は「否」ということになる。
把持した後にワークとハンドがずれて、正しく掴めたにも関わらず次工程に搬送したときにはトラブルが発生する可能性が高まる。そこで、図6のフローチャートに示した手順でその診断を行う。即ち、把持方法の「ハンドに位置決め機構あり」が設定されているかどうかを判断し(401)、設定されていれば、そのまま処理を終了する(403)。設定されていなければ、エラーフラグ3を設定してから(402)、処理を終了する(403)。
例えば薄い板金のような素材でたわみやすいワークは、周辺部がたわみやすく、そのたわみが毎回の計測で予測できない誤差を生むことがある。そこでは、図7のフローチャートに示した手順でそうしたたわみの影響が出る可能性に関して診断を行う。
最初に全エラーフラグをクリアする(601)。次に予め見積もられている計測の精度のデータをロードする(602)。続いて、前述した計測誤差に関する診断(603)、把持ずれに関する診断(604)、計測箇所(たわみの影響)に関する診断(605)を行う。これらの診断の内容については、既に説明済みなので繰り返さない。
また、エラーフラグ2が立っていれば、現在の計測箇所では、許容精度を満たしていないことを意味しているので、例えば「計測箇所をもっと離してください。」といったメッセージを表示する。
そして、エラーフラグ54が立っている時には、計測している箇所が、たわみの影響で毎回予測不能な誤差を生む可能性があることを意味しているので、例えば「計測箇所をもっと周辺部から離してください」といったメッセージを表示する。
[別項1]
図9に示したように、ワーク寸法の設定で、縦、横の値のうち大きい方をaとする。見積もられている計測誤差は、位置の誤差Ep,回転(傾き)の誤差Erから成るものとする。計測誤差によって生じる把持誤差は、実際には、計測箇所と把持箇所に依存するが、ここでは問題を単純化し、計測箇所がワークの片側であったとして、ハンドでワークの反対側の端を掴むことを仮定した場合にどれくらいの誤差になるかを見積もるとする。この仮定の下で求めた誤差は、ほとんどの場合、実質的な把持誤差より大きいものであり誤差許容量の比較をするための値と使用するのは問題ない。なお、ここでは2次元だけの誤差に言及しているので、傾きの誤差は無関係である。
計測に誤差がない場合の把持位置をP(ベクトル;以下、同様)、誤差を含んだ場合をP’(ベクトル;以下、同様)として、回転誤差Erはごく小さい量であることを考慮すれば、
|P−P’|=|Ep|+a|Er|
が求める値となる。なお、記号||は絶対値を表わす。
複数箇所のうち、その間の距離が最も大きい組を選び、その距離をDとする。上記(1)の場合と同様に、計測に誤差がない場合の把持位置をP、誤差を含んだ場合をP’とすれば、ここではEpのみ関係し、
|P−P’|=|Ep|(2a/D−1)又は|P−P’|=|Ep|
のうちの大きい方が求める値となる。
図10に示す如く、ワークの寸法の設定で、縦、横の値のうち大きい方をaとする。見積もられている計測誤差は、位置の誤差Ep,傾きの誤差Ei,回転の誤差Erから成るものとする。別項1で述べたと同様に、計測誤差によって生じる把持誤差は、実際には、計測箇所と把持箇所に依存するが、ここでは問題を単純化し、計測箇所がワークの片側であったとして、ワークの反対側の端を掴む場合にどれくらいの誤差になるかを見積もるとする。この誤差は、ほとんどの場合で、実質的な把持誤差より大きいものであり誤差許容量の比較をするための値と使用するのは問題ない。
傾きの誤差は、例え位置が正確でも、ワークの面に垂直に把持しないとうまく掴めない場合に関係する。傾きの誤差は上記の定義から|Ei|である。
計測に誤差がない場合の把持位置をP、誤差を含んだ場合をP’として、傾き誤差Ei,回転誤差Erはごく小さい量であることを考慮すれば、
|P−P’|=|Ep|+a{(Er)2+(Ei)2}1/2
が求める値となる。
複数箇所のうち、その間の距離が最も大きい組を選び、その距離をDとする。計測に誤差がない場合の把持位置をP、誤差を含んだ場合をP’とすれば、ここではEp のみが求める最大把持誤差に関係し、
|P−P’|=|Ep|(2a/D−1)又は|P−P’|=|Ep| のうちの大きい方が求める値となる。
2 ビデオカメラ
3 コンピュータ(パーソナルコンピュータ;ロボットシミュレータ)
4 ロボットコントローラ
5 ネットワーク回線
6 ハンド
M 計測箇所
M0 計測箇所の代表点
Claims (8)
- ロボットと、ワークに対して2次元計測または3次元計測を行う視覚センサとを含むシステムにおける前記ロボットの動作プログラムを生成する、ロボットプログラム生成装置であって、
ワークのモデルを表示するモデル表示手段と、
前記モデル表示手段により表示されたワークのモデル上で、前記視覚センサによる計測箇所を指定する計測箇所指定手段と、
前記計測箇所指定手段によって指定された計測箇所に対する計測方法を2次元計測と3次元計測のいずれとするかを指定する計測方法指定手段と、
前記ワークに関する少なくとも1つの事項の情報を数値又は種別で指定するワーク情報指定手段と、
前記計測箇所指定手段によって指定される計測箇所の良否、及び前記計測方法指定手段によって指定される計測方法の良否を、前記数値又は種別に関連付けて判別するための、予め定められたルールを記憶するルール記憶手段と、
前記ワーク情報指定手段によって指定された前記ワークに関する少なくとも1つの事項と前記ルール記憶手段に記憶されたルールとに基づいて、前記計測箇所指定手段によって指定された計測箇所の良否、及び前記計測方法指定手段によって指定された計測方法の良否を判定する判定手段と、
該判定手段により良と判定された計測箇所の計測を、前記判定手段により良と判定された計測方法によって実行する計測命令を含むロボットプログラムを生成する手段とを有することを特徴とする、ロボットプログラム生成装置。 - ロボットと、ワークに対して2次元計測または3次元計測を行う視覚センサとを含むシステムにおける前記ロボットの動作プログラムを生成する、ロボットプログラム生成装置であって、
予め撮像したワークの画像を表示するワーク画像表示手段と、
該ワーク画像表示手段により表示された画像上で、前記視覚センサによる計測箇所を指定する計測箇所指定手段と、
該計測箇所指定手段によって指定された計測箇所に対する計測方法を2次元計測と3次元計測のいずれとするかを指定する計測方法指定手段と、
前記ワークに関する少なくとも1つの事項の情報を数値又は種別で指定するワーク情報指定手段と、
前記計測箇所指定手段によって指定される計測箇所の良否、及び前記計測方法指定手段によって指定される計測方法の良否を、前記数値又は種別に関連付けて判別するための、予め定められたルールを記憶するルール記憶手段と、
前記ワーク情報指定手段によって指定された前記ワークに関する少なくとも1つの事項と前記ルール記憶手段に記憶されたルールとに基づいて、前記計測箇所指定手段によって指定された計測箇所の良否、及び前記計測方法指定手段によって指定された計測方法の良否を判定する判定手段と、
該判定手段により良と判定された計測箇所の計測を、前記判定手段により良と判定された計測方法によって実行する計測命令を含むロボットプログラムを生成する手段とを、有することを特徴とする、ロボットプログラム生成装置。 - 前記少なくとも1つの事項は、ワークの寸法、ワークの材質、ワークの把持方法、ワークの積載状態の内、少なくとも1つを含むものである、請求項1または請求項2に記載のロボットプログラム生成装置。
- ロボットプログラムのシミュレーションを実行する機能を備えているロボットシミュレータである、請求項1乃至請求項3の内、いずれか1項に記載のロボットプログラム生成装置。
- ロボットと、ワークに対して2次元計測または3次元計測を行う視覚センサとを含むシステムにおける前記ロボットの動作プログラムを解析するロボットプログラム解析装置であって、
前記視覚センサによるワークに対する計測実行命令を含むロボットプログラムを入力し、解析する解析手段と、
ワークのモデルを表示するモデル表示手段と、
該モデル表示手段によって表示されたモデル上で、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて、前記視覚センサによる計測箇所を求め、前記モデルとともに表示する計測箇所表示手段と、
前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて、前記計測箇所に対する計測方法が2次元計測と3次元計測のいずれとされているかを求めて表示する計測方法表示手段と、
前記ワークに関する少なくとも1つの事項の情報を数値又は種別で指定するワーク情報指定手段と、
前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて求められる前記計測箇所及び前記計測方法のそれぞれの良否を、前記数値又は種別に関連付けて判別するための、予め定められたルールを記憶するルール記憶手段と、
前記ワーク情報指定手段によって指定された前記ワークに関する少なくとも1つの事項と前記ルール記憶手段に記憶されたルールとに基づいて、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて求められた前記計測箇所及び前記計測方法のそれぞれの良否を判定する判定手段とを有することを特徴とする、ロボットプログラム解析装置。 - 予め撮像したワークの画像を表示する手段と、
前記ワークの画像上で、
ロボットと、ワークに対して2次元計測または3次元計測を行う視覚センサとを含むシステムにおけるロボットの動作プログラムを解析するロボットプログラム解析装置であって、
前記視覚センサによるワークに対する計測実行命令を含むロボットプログラムを入力し、解析する解析手段と、
予め撮像したワークの画像を表示する画像表示手段と、
該画像表示手段によって表示された画像上で、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて、前記視覚センサによる計測箇所を求め、前記モデルとともに表示する計測箇所表示手段と、
前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて、前記計測箇所に対する計測方法が2次元計測と3次元計測のいずれとされているかを表示する計測方法表示手段と、
前記ワークに関する少なくとも1つの事項の情報を数値又は種別で指定するワーク情報指定手段と、
前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて求められる前記計測箇所及び前記計測方法のそれぞれの良否を、前記数値又は種別に関連付けて判別するための、予め定められたルールを記憶するルール記憶手段と、
前記ワーク情報指定手段によって指定された前記ワークに関する少なくとも1つの事項と前記ルール記憶手段に記憶されたルールとに基づいて、前記解析手段による前記ロボットプログラムの解析結果に基づいて求められた前記計測箇所及び前記計測方法のそれぞれの良否を判定する判定手段とを有することを特徴とする、ロボットプログラム解析装置。 - 前記少なくとも1つの事項は、ワークの寸法、ワークの材質、ワークの把持方法、ワークの積載状態の内、少なくとも1つを含むものである、請求項5または請求項6に記載のロボットプログラム解析装置。
- ロボットプログラムのシミュレーションを実行する機能を備えているロボットシミュレータである、請求項5乃至請求項7の内、いずれか1項に記載のロボットプログラム解析装置。
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