JP3977338B6 - 血液試料採取器具 - Google Patents

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本出願は、2002年2月21日に出願されたドイツ特許出願番号DE10208575.7、2002年9月24日に出願されたドイツ特許出願番号DE10245721.2、および2002年2月21日に出願されたドイツ特許出願番号DE20213607.8への優先権を主張し、それらの出願の内容が、ここに参照として全体で組込まれる。
本発明は、一般に医療用試料採取器具に関し、特に、検出と分析のために血液および/または他の体液を最小の侵襲性で試料採取する多用途器具に関する。
人間または他の動物の分析のために、血液および他の体液を試料採取する種々の器具が知られている。たとえば、米国特許第5,971,941号は、スライダによる載置のために検査帯片を有するカセットを示すのが分かる。ランセットが、血液を分析のために得ることができるように、皮膚表面を突き通す。ランセットは、検査帯片上に一体化され、かつ検査帯片と共に位置決めされる。他の実施例は、ランセットと、およびランセット用の開口を有する検査膜とを有する使い捨て円筒形挿入部材を示すのが分かる。その挿入部材は、プランジャまたはピストンの取付け空洞内に挿入され、それにより、ランセットが外側へ押されて血液が引出される。DE19819407A1は、分析器具中に挿入するために一体のランセットを有する多数の検査帯片を示すのが分かる。
米国特許第4,787,398号は、ランセットを外側へ向けるプランジャを有する器具を示し、かつ評価システムと表示システムを有するのが分かる。取換自在なユニットが、それぞれの測定のために、その器具へ適用される。取換自在なユニットは、ランセットと検査帯片を備え、かつ血液で濡らされる。この取換自在なユニットは、それぞれの使用後に投棄される。EP0449525A1は、血液引出しシステムを示すのが分かり、そのシステムにおいて、それぞれの使用前に、新しいランセットが離脱器具中に手操作で挿入される。次いで検査帯片がその器具に挿入される。米国特許第4,627,445号は、一体の血液引出しユニットを有する、血糖を測定する器具を示すのが分かる。新しい取換自在のランセットと検査部材を、検査のためにその器具へ設置し、その後に取外さなければならない。米国特許第5,951,492号は、毛細管と、および試料採取された血液が付けられる検査帯片とを有する使い捨てユニットを示すのが分かる。その毛細管はランセットを備える。新しい使い捨てユニットが、それぞれの測定の前と後に装着および取外される。
EP0877250A2、EP0949506A2およびEP811843A2は、回転自在のディスクキャリア上に配置される多数の検査部材を有する器具を示すのが分かる。それらの検査部材は、作動位置に順次導入され、次いでハウジングから押出されて、血液で濡らされる。米国特許第6,228,100号および米国特許第4,794,926号は、ハウジングに関して回転されるキャリア上に配置されるランセットを示すのが分かる。
ドイツ出願DE10057832C1は、既知の形態のランセット切開器具を示すのが分かる。複数のランセットを有する他のランセット切開器具は、たとえば、米国特許出願番号2002/0087056A1およびWO02/36010A1に示されるのが分かる。EP0589186B1は、着脱自在の保護キャップを有するランセットを示すのが分かる。WO01/66010A1は、突通し工程で貫通される弾性材で閉じられるチャンバの開口部を有するマガジン内に多数のランセットを備えるのが分かる。
しかしながら、既知の試料採取器具は、種々の理由のために、全ての使用者を十分に満足することを立証していない。したがって、本発明が主として指向することは、改良された試料採取器具の提供である。
簡単に言えば、本発明は改良された試料採取器具を提供し、その器具が、本発明の種々の態様を表す典型的な実施例により説明される。1つの態様において本発明は、血液、間質流体、および/または他の体液(複数の流体)の試料を得るために、人間または動物の対象物の皮膚または他の組織を突き通す際に順次使用されるように配置される複数の貫通部材またはランセットを有するランセット切開器具である。別の実施例において本発明は、体液の試料を採取するための、および/または試料採取された体液の1つ以上の検体または他の特性を分析するための採取および/または分析の機能を任意選択的に備える。幾つかの実施例は、携帯用の個人用途に好都合なようにサイズがコンパクトであり、たとえば、標準的な腕時計の形態をとる。約20μl未満、より好ましくは約10μl未満、最も好ましくは5μl未満の試料量を最小の侵襲性で採取および分析することは、本発明の実施例により実施可能である。
ランセット切開器具の典型的な実施例は好ましくは、ハウジングと、およびキャリアまたはカセット上に配置され、かつカセットと共にハウジング中に挿入自在である多数のランセットとを備える。ピストンまたはプランジャが、特定のランセットが作動位置において配向されるときに、そのランセットへ作用する。作動ランセットの鋭い先端部が、ハウジングを通してランセット切開開口部上に位置決めされた使用者の皮膚表面中に突き入れられる。カセットは好ましくは、取換のために使用後にハウジングから離脱自在である。
他の態様において本発明は、血液および/または他の体液の試料を得るために、人間または動物対象物の皮膚表面または他の生体部分を貫通する複数のランセットを備えるカセットである。
一般的に言えば、本発明の1実施例は、血液または他の体液(複数の流体)の試料を得るために、人間または動物の対象物の皮膚または他の組織を突き通す複数の貫通部材またはランセットを有するランセット切開器具である。別の実施例において本発明は、体液の試料を採取するための、および/または試料採取された体液の1つ以上の検体または他の特性を分析するための採取および/または分析の機能を任意選択的に備える。たとえば、対象物の血液におけるフラクトサミン、乳酸塩、コレステロールおよび/またはブドウ糖のような検体を、対象物の皮膚をランセットで突き通し、血液試料を検査部材上に、またはその中に採取し、試料を分析するために電子評価システムのような評価システムを使用し、および分析結果を表示システム上に表示することにより、最小の侵襲性の仕方で分析できる。
典型的な実施例において本発明は、ハウジングに内蔵される単一のコンパクトな器具から構成される。ハウジング内のランセットの作動位置は、使用者の皮膚表面へ当てられる突き通し位置に対応し、およびハウジング内の別の位置における供給位置は、先に突き通された皮膚表面から検査部材へ浸出する最小量の血液を供給するようになっている。複数の検査部材とランセットとのそれぞれは、器具内の作動位置中に順次動かされて、複数の試料採取動作を実施する。ランセットは、その作動位置に位置決めされると、突き通し位置において使用者の皮膚表面中に突き込まれる。皮膚表面から浸出する血液は、皮膚表面を、検査部材の作動位置である供給位置へ当てることにより検査部材へ付与される。
本発明の種々の実施例では、「多機能一体型」器具が提供され、その器具は、コンパクト、すなわち省スペースであり、および使用者と操作者に優しい。使用済み検査部材またはランセットは好ましくは、取外されて、簡単な方法で未使用の検査部材またはランセットと交換される。検査部材を、たとえば、膜の形態に設計でき、その膜は、採取された血液の試料で濡らされる測定領域を形成し、および実施される特定の分析のために選択された検査試薬を含有する。この分析システムは、たとえば、好ましくは反射率計的に、または電気化学的に、もしくは他の分析手段に従って任意選択的に操作できる。典型的な実施例において検査部材および/またはランセットが、キャリアまたはカセット中に、またはそれらの上に配置され、キャリアまたはカセッを試料採取器具中に挿入でき、かつハウジングに関して回転できるか、または移動できるので、検査部材および/またはランセットを、たとえば、キャリアまたはカセッをハウジング内で回転することにより、互いに隣接または離間して位置決めされる作動位置にまで動かすことができる。したがって検査部材およびランセットの両方は好ましくは、回転自在のキャリア上に配置され、および回転移動により作動位置まで移動できる。ランセットは、突き通し工程を実施する突き通し位置を通し離れて移動できるならば、その作動位置にある。検査部材は、作動位置において血液の試料で濡らすことができるならば、その作動位置にある。ランセットと検査部材の作動位置を、互いに隣接または離間することができる。たとえば、ランセットの作動位置を3時の位置にでき、および検査部材の位置を6時の位置にできる。代わりに、検査部材およびランセットの作動位置は、たとえば、突き通し位置をハウジング上に放射状に設け、かつ供給位置をハウジング上に軸方向に設けることにより、ランセットを放射状に配置させ、かつ検査部材を軸方向に配置させて、キャリアの単一回転位置に位置決めされる。
回転自在のキャリアの使用により好都合には、ハウジング用のコンパクトな構造を実現できるので、使用済み検査部材およびランセットは、それらのキャリアを回転することにより作動位置から動かされる。このようにして、それらは、他の別個の移行工程を設ける必要なく、使い捨て位置へ自動的に達する。別の実施例においてランセットと検査部材が、同一のキャリア上に配置されるので、それらを、たとえば、組立体から単一の手動操作自在なユニットとして取外し、および単一の手順で分析器具中に挿入できる。他の実施例において器具は、ランセットだけを備え、試料採取と検査の機能無しにランセット切開器具として機能する。さらに他の実施例において器具は、検査部材だけを備え、ランセット切開機能無しに検査器具として機能する。さらに別の実施例において本発明は、複数のランセットおよび/または複数の検査部材を備えるカセットから構成され、そのカセットは、器具ハウジング内で取外し自在で、かつ取換自在であるようになっている。
別の実施例においてキャリアは、検査部材用の第1のキャリア部分とランセット用の第2のキャリア部分を有し、全体として器具に挿入され、次いで使用後に取外しできるユニットに組込むことができる。他の実施例において、第1のキャリア上の検査部材と別個の第2のキャリア上のランセットは、使用者により2つの別個の挿入ステップで器具中に個別に挿入できる。検査部材およびランセット用に別個のキャリア部分が設けられるならば、2つのキャリア部分は、単一の駆動により両方のキャリアを操作するように互いに関して回転できないように係合できるのが好ましい。代わりに、2つの駆動システムが分析器具に設けられる。
本発明の1つの好ましい実施例によれば、キャリアまたはキャリア部分またはキャリア部分の1つは、中央窪みを有し、その窪み内に血液引出し器具用の駆動手段が設けられる。好ましくはキャリアまたはキャリア部分またはキャリア部分の1つは、リングの形態であり、かつリングの中心にある軸の回りに回転できるように配置される。キャリア用の駆動手段またはキャリアは好ましくは、コンパクトな構造のものである。たとえば、駆動機構は、電気モータ、もしくはレバーまたは摺動機構のような機械的駆動手段から構成できる。キャリアまたはキャリア部分は好ましくは、たとえば、引掛け部、段部または停止部を設けることにより、もしくは駆動手段の適切な構造により、個別の回転停止位置を有する。たとえば、駆動歯車が噛み合う1つ以上の内歯車の方法によりキャリアまたはキャリア部分を回転するために駆動手段を収納する中央窪みをキャリアまたはキャリア部分が形成することは、比較的コンパクトな構造を生じるので好都合であることが判明している。
本発明は、ランセットが、それらの作動位置において、キャリアの回転性に関して放射状に突き通し移動を実施するように、キャリアまたはカセット上に配置される実施例を含むが、ランセットが軸方向に突き通し移動を実施する実施例も含む。ランセットは、本発明の種々の実施例において種々の方法でキャリア上に配置される。1実施例によれば、ランセットは、カートリッジまたはカセット内に形成される円筒形案内路内で移動するピストンにより保持される。そのランセットは好ましくは、ピストンにより係合される射出成形プラスチック片である。
そのランセットは好ましくは、突き通し工程が対象物に実施される前に無菌遮断層により取り囲まれる。上述の実施例において無菌遮断層は、一方の側でカートリッジにより、かつ他方の側でピストンにより形成される。ピストンから離れた方向のカートリッジの端部は好ましくは、特別に封止されたフィルムにより覆われる。ピストンと円筒形空間の壁との間の要件に合致するシールを形成するために、そこに他の封止手段が設けられる。これは、たとえば、突き通し工程が実施されるときに覆われる、その壁とピストン手段との間に接続部を備えることができる。そこに封止配合物を使用することも可能であろうし、または、たとえば、環状突起部および段部、肩部、またはそれらと他の部分において相互作用する窪みを設けることが可能であろう。幾つかのカートリッジが好ましくはリボンの形態で互いに封止され、またリボンの端部は、円形でリング状の仕方で互いに接続される。カートリッジを、セグメントに分割される無端リボンとして形成でき、またセグメントの端部は接合されてリング状カセットを形成する。代わりに、カートリッジは、円の円弧に沿ってだけ形成するリボンの形態で配置されるか、または一般に直線状ベルト内に配置される。
他の実施例によれば、キャリアは、それぞれの中にランセットが取付けられる複数の窪みを備える。それらのランセットは好ましくは、キャリアの回転性に関して軸方向に配置される。窪みに隣接する壁の1つの少なくとも一部分は好ましくは変形自在であるので、ランセットを、ランセット切開工程を実施するために駆動手段により外方へ反らすことができる。変形性を増加するために、弱化ゾーンが好ましくは、窪みに隣接する壁中にも構成される。その窪みは好ましくは、凹んだクラムシェルの形状の、ほぼドーム形である。ランセット先端部を封入する、窪み上に封止されるフィルム上カバーを備える無菌遮断層が、好ましくは設けられる。そのカバーは、ランセット切開前に取外されるか、または代わりに、ランセット切開中にランセットにより貫通されるに足るように薄い。
本発明のさらに他の実施例においてランセットは、偶発的な固着から保護するために、かつ無菌性を保全するために、その自由端部において着脱自在なキャップを有する。ランセットは、その保護キャップ覆い手段を通して押し入れることができる。しかしそれは、その保護キャップ覆い手段を、突き通し工程の実施直前に特定のランセットから取外しできるならば、好都合であるとみなされるであろう。これは、保護キャップ覆い手段を停止部または同様なものによりランセットと共に移動するのを防止して、突き通し工程の実施直前に特定のランセットを僅かに引き戻すことにより好都合な仕方で達成できる。次いで、特定の保護キャップ覆い手段を、特定のランセットから取外された後にランセットの移動経路から取外しでき、かつ保持空間へ移動できるならば、好都合であることが分かる。その目的のために、たとえば、重力またはバネを使用できるであろう。
キャリア上の検査部材は、キャリアの回転性に関して軸方向に配向されるように、または放射状に配向されるように配置することもできる。好ましい実施例において検査部材は、通常は使用者の指である皮膚表面用の適用位置が、軸方向に通常配向されるように、そうでないならば、毛細管流路が、適用位置と作動位置における検査部材との間の中間位置に配置されるように、軸方向に配向される。一般に平面状であるか、または部位を通して広がる測定領域を有する軸方向または軸方向配向の検査部材の場合、検査部材がディスク状、特にリング状キャリア部分上に設けられるならば、その平面は、キャリアの回転軸と直交するように配向され、かつ好ましくは、その特定の検査部材の平面と一致するのが好都合であることが分かる。
本発明の他の実施例によれば、ハウジング本体上の適用位置が、その位置が必要でないときに、分析が実施されるならば開放できる移動自在のカバー部分により覆われることが好都合であることが分かる。他の実施例において、適用位置を開放するような方向にカバー部分を動かすと、血液引出し器具の駆動手段が作動され、すなわち、それが起動する圧力を生成するならば、電圧を発生するか、または電気モータを作動さへもする。他の実施例において血液引出し器具の駆動手段は、バネを伸張することにより作動される。
本発明の別の実施例によれば、血液引出し器具には、手動で移動自在な制御部材が設けられ、その制御部材は、ランセット用の駆動手動と、および回転自在のキャリアとに連結されるので、ランセットを作動位置に動かすと、ランセット用の駆動手段が作動され、かつキャリアが回転される。この手動で移動自在な制御部材は、たとえば、ホイールまたはスライドの形態にでき、または好ましい仕方で、上述のカバー部分から形成できる。制御部材と駆動手段またはキャリアとの間の連結は、駆動手段の作動とキャリアの回転が同時に生じるように構成できる。代わりに、1つの事象が順々に生じる。特に、制御部材と駆動手段またはキャリアとの連結は、キャリアの回転を生じる第1の位置決め方向での移動の第1の段階を実現する一方、たとえば、第1の位置決め方向と反対方向の移動の第2の
段階は、駆動手段の駆動を生じる。
キャリアの段階的なさらなる回転を達成するために、制御部材を、第1の位置決め方向にキャリアとの駆動接続部の状態にすること、および位置決め方向と反対方向の移動の第2の段階中、すなわち制御部材をその初期位置へ戻す間に、制御部材をその駆動接続部から分離することは、好都合である。制御部材のこの戻り移動により、ランセット用駆動手段が初期位置または休止位置に戻されるならば、さらに好都合である。作動手段が、人間工学的に適切に作動できるハウジングの位置に載置されることも好都合である。
典型的な実施例において、制御部材とキャリアとの間の連結が、歯車駆動により好都合に達成される。たとえば、移行移動または回動移動でも、単純な仕方で歯状中間手段を通して回転移動に変換される。次いでこの回転移動を、キャリアを動かすのに容易に利用できる。代わりに、制御部材とキャリアとの間の連結が、切欠きの配置の形態での中間手段によるように、別の仕方で達成される。
典型的な実施例において、ランセット用駆動手段には、好ましくは重ね板バネまたはコイルバネの形態のバネが備えられ、そのバネは、引っ張られ、次いで緩められてランセット切開作用を生成する。バネを引っ張るために、制御部材は、たとえば、歯車駆動を通してバネ用の保持手段に作用して、バネの曲げ平面内でこの保持手段を回動するか、またはバネを圧縮または引っ張るために回動することにより、ランセット用駆動手段が作動される。好ましくはバネが、死点を通して安定した引張り位置まで動かされるので、駆動手段は、自動的に作動された状態のままである。したがって離脱自在の引掛け機構は必要とされない。
他の実施例によれば、ランセットの駆動手段用の起動手段は、皮膚表面を突き通し位置に当てることにより作動される。起動手段は、たとえば、接触センサまたは押込むことができるボタンにできる。別の実施例において起動手段は、容易にかつ人間工学的に作動できるハウジング上の位置、たとえば、突き通し位置とほぼ反対側の位置に載置される。別の実施例は、起動手段を突き通し位置に位置決めし、および突き通しされる皮膚表面を器具へ押付けることにより作動される。これに関して、起動手段が、突き通し工程を実施するためにランセットが通過できる切欠きを有する実施例が好ましい。
別の実施例は、突き通し工程の直後に特定のランセットを引出す引込み機構を提供するので、使用者の皮膚表面が、非常に短い時間だけ貫通される。この引込み機構は、たとえば、皮膚のランセット切開後にランセット上に引込み力を加えるバネを備えることができる。たとえば、ランセットが渦巻きバネまたは帯状バネを通して貫通できるので、このバネは、突き通し工程が実施されるときに引っ張られる。他の実施例において引込み機構は、ランセットへ連結される駆動手段の拘束力により、またはその手段のモータ駆動の前後移動などにより、血液引出し器具の駆動手段内に設けられる。たとえば、ランセットがピストンで保持されるならば、バネをピストンに組込むことにより引込み機構を形成できる。その引込み機構は、ランセットを直接に保持する弾性的に変形自在な壁領域によっても設けることができる。
好ましい実施例において本発明の血液引出し器具は、ほぼ円形であるか、または一般に円形の外輪郭を有するハウジングを備える。たとえば、そのハウジングは、一般に標準的な時計ケースのように、特に腕時計ケースのようにサイズと形状を決めることができ、また時間指示表示器も備えることができる。そのような場合にハウジングは、着用者の腕の回りに固定される時計バンドの手段により使用者により任意選択的に着用される。
他の実施例において本発明は、器具が作動すると自動的に取外される保護キャップを備えた少なくとも1つのランセットを有するランセット切開器具である。ランセットが保持手段内に少なくとも部分的に内蔵され、また鋭いランセット切開先端部を形成する、そのランセットの端部セクションは、無菌にするために、かつ偶然の固着から保護するために着脱自在の保護キャップ覆い手段により取り囲まれる。保持手段と保護キャップ覆い手段を有するランセットの縦方向寸法は好ましくは、ランセット走行方向において15mm以下である。保護キャップ覆い手段は、突き通し工程の実施前に、変位手段により、ランセットから取外され、かつランセットの移動経路から外れて、好ましくは突き通し方向に直交して動かされる。
ランセットは好ましくは、ランセット切開走行経路に沿う寸法が相対的に小さく、たとえば、約15mmよりも大きくなく、好ましい実施例においては14mmよりも大きくはなく、および特に好ましい実施例においては約13mmよりも大きくはない。何故ならば、特定のランセットは、特に、射出成形プラスチック部材にできる保持手段内に保持されるからである。保護キャップ覆い手段は好ましくは、突き通し工程が実施される直前にランセット切開器具内側のランセットの移動経路から取外される。たとえば、当該の保護キャップ覆い手段は、突き通し方向にランセットから最初に引出されるので、突き通し工程を実施できるように変位手段により自動的に、ランセットの自由端部から外され、次いで横へ、好ましくは突き通し方向に直交して動かされる。代わりに、特定の保護キャップ覆い手段は最初にその位置のままであり、一方、ランセットは、突き通し方向と反対方向に僅かに引き戻されるので、ランセットの自由端部が、保護キャップ覆い手段から外される。
保護キャップ覆い手段を、保持手段の製造とは関係なくランセットの自由先端部上に載置することができる。代わりに、保護キャップ覆い手段は、好ましくは保持手段と共に同一の工程でランセット上に射出成形される。そのような場合、保護キャップ覆い手段は、弱化部位または所定の破壊箇所を形成するセグメントにわたる一体形として保持手段中に連続する。これにより、ランセットの製造と直接関係してランセットの操作が一般に単純化される。
弱化部位または所定の破壊箇所を形成するセグメントを、保護キャップ覆い手段を取外すためにねじりまたは回して分離できる。代わりに、弱化部位または所定の破壊箇所を形成するセグメントは、特定のランセットの縦方向に、すなわち突き通し方向に引張り力を受けて分離される。保護キャップ覆い手段を、プランジャ状またはカートリッジ状変位手段のような変位手段により突き通し方向にランセットから引出しできる。または最初に述べたように、ランセットは、突き通し方向と反対方向に引き戻されて、保護キャップ覆い手段から外される。本発明の1つの好ましい実施例によれば、保護キャップ覆い手段は、プランジャシステムが引っ張られるときにランセットから取外しできる。したがって保護キャップ覆い手段を取外す動きは、プランジャシステムが引っ張られるときに実施される。特に、その工程においてランセットは、突き通し方向と反対方向に引き戻される。
他の実施例によれば、ランセット用保持手段は、ランセットを保持し、かつ突き通し工程中に案内機能を果たす。保持手段の外形は好ましくは、ランセットが経路に沿って摺動により移動できるようにランセットの配置のために、案内壁の形態のように、案内手段へ相補的であるようになっている。別の実施例において保持手段は、たとえば、下方へ延びるピンの形態で、保持手段を所定位置に固定する少なくとも1つの保留手段を有する。そのようなピンは、保持手段の平面内の位置に保持手段を、したがってランセットを維持するので、特に突き通し工程中に縦方向軸回りのランセットの回転が防止され、かつランセットキャリアまたはカセットがハウジング内で取換えられているときにランセットが引出されるのが防止される。しかしながら特定の保持手段には、弾性的な仕方で広げることができるピンを任意選択的に備えることができ、そのピンは、ランセットへ引込み力を加えることができるので、保持手段は全てのランセットと共に、ハウジング本体上の適用部位の背後に再び引き戻される。
突き通し工程を実施するために、典型的な実施例には、バネを備えたプランジャシステムが設けられ、そのバネは、事前に張力を付与でき、かつ突き通し方向に保持手段の、または特定のランセットの端部に当り、打撃によるように突き通し方向にランセットを動かす。他の実施例において保持手段は、突き通し手段と相互作用する後部掴み手段を有する。特定の保持手段が、この後部掴み手段を通して突き通し手段へ連結され、かつ突き通し手段が引っ張られると作動位置に動かされる。保護キャップ覆い手段は、特にランセットの移動経路に直交して、確実にかつ迅速に動かされるように、特にランセットの移動経路に直交して位置決めされるのが好ましい。事前張力付与手段は好ましくは、保護キャップ覆い手段と直接的にまたは間接的に接触する。保護キャップ覆い手段と変位手段との間の相対的移動を避けるために、それぞれの保護キャップ覆い手段は好ましくは、対応する変位手段へ、すなわち特定の作動位置の外側へも永久的に割当てられる。
保護キャップ覆い手段の分離後に、ランセットの移動経路は好ましくは空いている。典型的な形態において、変位手段には、たとえば、一般にU形を有する弾性ループが備えられ、そのループは、キャップ覆い手段がランセットから分離されると保護キャップ覆い手段をランセットの移動経路から押出す。このループ構造の理由で、変位手段は、変位工程後でも保護キャップ覆い手段と接触でき、ランセットが、ループの脚部間に形成される開口部を通して移動できる。キャリアは好ましくは、ランセットから分離後に保護キャップ覆い手段を受容するために、処分チャンバまたは箇所を備える。たとえば、ランセットから分離後に保護キャップ覆い手段を受容するために、1つ以上の保持空洞が好ましくは、キャリア中に形成される。
別の実施例において、取外された保護キャップ覆い手段は、処分位置内のクランプ止め位置に保持されるので、器具の使用中にガラガラ鳴らない。たとえば、取外された保護キャップは好ましくは、好ましくは保護キャップ覆い手段に対して変位手段により加えられる圧力により、事前張力または荷重を受けてキャリアの壁へ押付けられる。器具のコンパクトな構造を形成するために、保護キャップ覆い手段は好ましくは、特にかつ好ましくは変位手段により、ランセットの自由端部における初期位置において、かつその処分位置において同一の手段により事前に張力が付与される。変位手段は好ましくは、キャリア上に取付けられるので、キャリアと共にハウジング中に挿入できる。別の好ましい実施例において変位手段が、ランセットをその保持手段と保護キャップ覆い手段と共に保持するようにキャリア上に設けられるので、それらは、紛失されないが、同時に、変位手段がそれらをキャリア上に保持するので、それらは摺動できる。たとえば、変位手段は好ましくは、保護キャップ覆い手段に対して力を加えるバネ部材を備える。ランセット用キャリアが回転自在のときに、変位手段は好ましくは、放射状に突出る凸縁部を有するリング状バネである。
好ましい形態において突き通し手段は、ピストン手段またはプランジャ手段を有するプランジャシステムを備え、突き通し工程を実施するために張力を受けて載置される。プランジャ手段は、保持手段またはランセットの自由端部と接触して、打撃により自由端部を加速できるようにする。代わりに、プランジャシステムのプランジャ手段はプランジャ工程が実施される前に保持手段へ接続される。その目的のために、プランジャ手段は好ましくは、ランセット用保持手段へ連結できる連結領域を有するので、プランジャ手段とランセットが、ランセット切開工程が実施される前に係合され、かくして特に、プランジャ手段が保持手段と共に引張り移動を実施できる。
プランジャ手段と保持手段またはランセットが互いに嵌る連結は、適切なクランプ止め手段、引掛けループまたは同様な着脱自在な接続部により達成できる。しかし別の実施例において、プランジャ手段と保持手段の連結領域は互いに連結される。何故ならば、それらの手段は、互いに関して、突き通し方向に直交して、互いに嵌められかつ係止される位置にまで移動できるからである。そのような場合、弾性爪部、引掛け部またはクランプ止め手段を使用する必要はない。特に、放射状に向けられるランセットを有する同心で回転自在の手段の場合、保持手段とおよびプランジャ手段の連結領域とは、回転自在手段の周辺方向に回転自在に係合できる。
プランジャ手段が引張り力に抗して突き通しシステムを引っ張ることができるので、突き通し手段は好ましくは、突き通し方向に直交する引張りカムを備える。このようにして、引張りカムは、プランジャ手段用引張り機構を並列平面において移動できる。したがって引張りカムは好都合には、調整自在または作動自在の引張り手段の湾曲した経路に沿って向けられる。湾曲した経路に沿う引張りカムの移動中に、当然ながらそのカムと共に担持される直線状プランジャ手段は、張力を受けた作動状態にされる。上述の湾曲した経路は、任意の実際の形態で、好都合にはクランク経路またはカム案内経路にできる。
引張り手段が、引張り方向にその移動を実施後にバネ力の制御を受けて引出されるならば、さらに好都合であることが分かる。ここで、たとえば、回動されるか、または回転できるように取付けられる、ディスク形状のレバーが設けられ、引張り方向のその移動は、引込みバネを引っ張る。たとえば、引張り手段は好ましくは、突き通し手段のハウジングの外側へ突出るレバーを備え、次いで手動で引張り方向に動かされ、および外されると、その初期位置に自動的に戻る。
プランジャシステムを引っ張るか、または作動する引張り手段は好ましくは、ランセットを作動位置に動かし、かつ使用済みランセットを処分位置へ動かす位置決め手動を同時に形成する。したがってランセットを有するキャリアは好ましくは、特にさらに回転されるステップにより動かされる。キャリアのさらなる移動の代わりに、キャリアに関してのプランジャシステムの別の位置決めが好ましくは実施される。したがって1つおよび同一の位置決め移動により、プランジャシステムが作動され、かつ新しい未使用のランセットまたはプランジャシステムが作動位置まで動かされる。
位置決め手段または位置決め機構は好ましくは、第1の移動段階においてランセット用キャリアと駆動接続され、および第2の移動段階においてプランジャ手段と駆動接続されるように配置される。そのような場合、引張り手段とキャリアとの間の駆動接続は、第1の移動段階の最後に、傾斜部手段に対して摺動する、引張り手段または引張り手段のアームにより分離される。作動が同一の引張り手段により実施されても、この分離は、第1の段階におけるキャリアのさらなる移動により、新しいランセットの作動位置への移動およびプランジャ手段との連結を達成し、次いで第2の移動段階において、プランジャ手段は、特にそれと連結されるランセットと共に、引張り方向に動かされる。
本発明のランセット切開器具により、人間または動物の対象物から血液または他の体液の最小量を引出しかつ採取する方法が可能になる。任意選択的に、ランセット切開器具は、試料採取された体液の特性または検体を評価および表示できる、たとえば、単一の「多機能一体型」器具として取扱いできる血液分析器具として機能する少なくとも1つの検査部材をさらに備える。そのような場合、それらの検査部材は好ましくは、作動位置に順次移動自在であり、その位置において、先に突き通された使用者の皮膚表面からの必要最小量を、特定の検査部材(または複数の部材)へ移行できる。検査部材(または複数の部材)は、たとえば、検査試薬を含有する膜を備え、その膜の手段により、既知の仕方で任意選択的に、電気化学的に、または電気物理的に分析を実施できる。たとえば、フラクトサミン、乳酸塩、コレステロールまたは特にブドウ糖のような検体を、定性的に、および好ましくは定量的に求めることができる。
本発明の典型的な実施例によれば、ランセットおよび/または検査部材は、回転箇所の回りに同心で配置されるので、それらの個別の作動位置中に回転できる。その目的のために、ランセット用の第1のキャリア、および検査部材用の別個の第2のキャリアが設けられる。器具の小型化を容易にするために、ランセットは、キャリア上に放射状に配置されるとき、好ましくは円形開口のセグメントを残すので、プランジャシステムがその円形セグメント中に延びるように、キャリアをハウジング中に挿入できる。ランセットが1つの円形セグメント(たとえば、周辺方向に10°乃至20°覆うことができるケーキの一切れのような)内に載置されないので、プランジャシステムは、円形セグメントのこの領域中に放射状に貫通できる。かくしてプランジャシステムは、ハウジング中へのランセットと共にキャリアの挿入を妨げない。これは、最初に述べたように、特定のランセットとプランジャシステムのプランジャ手段が互いに関して連結された接続部中に回転されるならば、好都合であることがさらに分かる。
他の態様において本発明は、ハウジングと、およびハウジング内に着脱自在に取付けられるカセットとを備えるランセット切開器具である。カセットは好ましくは、ランセット本体と保護キャップを有する少なくとも1つのランセットを備える。ランセット切開器具には、走行経路に沿ってランセットを推進するピストンがさらに備えられ、そのピストンは、ランセットと離脱自在に係合し、かつランセットの走行経路の少なくとも一部分に沿ってランセット本体と保護キャップを分離させる。
他の態様において本発明は、鋭い先端部およびその鋭い先端部を覆う保護キャップを有する少なくとも1つのランセットと、少なくとも1つのランセットを第1の位置から第2の位置まで動かすバネと、およびバネを押圧して、単一の連続起動動作で少なくとも1つのランセットから保護キャップを取外す起動機構とを備えるランセット切開器具である。
さらに他の態様において本発明は、保護キャップを有する少なくとも1つのランセットと、少なくとも1つのランセットに係合し、かつ保護キャップをランセットから分離するピストンと、および保護キャップをランセットの走行経路から動かす偏向部材とを備えるランセット切開器具である。
他の態様において本発明は、複数のランセットと、複数のランセットそれぞれを走行経路に沿って動かす偏向部材と、および連続するランセットに順次係合し、かつ偏向部材を起動する起動機構とを備えるランセット切開器具である。
さらに他の態様において本発明は、走行経路に沿って移動自在な少なくとも1つのランセットと、少なくとも1つのランセットから保護キャップを取外す手段と、および取外された保護キャップを、偏向手段を通して延びるランセットの走行経路から動かす偏向部材とを備えるランセット切開器具である。
他の態様において本発明は、複数のランセットを備えるランセット切開器具であり、それぞれのランセットは、中に取付けられる細長いランセット切開先端部を備えた本体を有し、それぞれのランセット本体は、ランセット切開先端部の軸と一般に同軸で引張り力を加えるように形状が決められ、かつ位置決めされる起動機構と協働する少なくとも1つの掴みフランジを有する。
他の態様において本発明は、それぞれのランセットは、ランセット本体と、ランセット本体の一端部から延びるランセット先端部と、および鋭いランセット先端部を覆う保護キャップを備える複数のランセットと、複数のランセット用の走行経路を形成するキャリアと、および複数のランセットそれぞれを形成された走行経路上に保持する保留手段とから構成されるランセット切開カセットである。
さらに他の態様において本発明は、上に取付けた保護キャップを有する少なくとも1つのランセットと、ランセットのそれぞれから保護キャップを離すように動かすバネと、およびバネの作用を受けて、走行経路に沿って保護キャップを制約する少なくとも1つの案内手段とから構成されるランセット切開カセットである。
他の態様において本発明は、キャリアと、上述のキャリアへ取付けられる保留手段と、および上述のキャリアと上述の保留手段との間に保持される少なくとも1つのランセットとから構成されるランセット切開カセットである。
さらに他の態様において本発明は、ランセット切開器具内に着脱自在に挿入されるランセット切開カセットである。カセットは好ましくは、複数のランセットと、およびランセット切開器具の前送り機構と協働係合する一連の係合歯とを備える。
他の態様において本発明は、キャリアへ取付けられる複数のランセットを備えるランセット切開カセットであって、複数のランセットのそれぞれは、引込んだ位置と伸張した位置との間でキャリアに沿って移動自在であり、キャリアとランセットの少なくともいずれかは、引込んだ位置と伸張した位置の少なくともいずれかを越えるランセットの移動を制限する停止部を有するランセット切開カセットである。
さらに他の態様において本発明は、標準の既知のランセットと比較して小さいランセット(ここでは、「マイクロランセット」と呼ばれることがある)であって、ランセット本体と、ランセット本体の第1の端部から延びる鋭いランセット先端部と、および鋭いランセット先端部を覆い、かつ外部案内部と係合する少なくとも1つの窪みを形成する保護キャップとから構成されるランセットである。
他の態様において本発明は、第1の端部と第2の端部を有する重合体のランセット本体と、およびランセット本体を通して延び、かつランセット本体の第1の端部から突出る鋭い先端部を有する針とから構成されるマイクロランセットである。鋭い先端部と反対側にある針の端部は好ましくは、ランセット本体の第2の端部とほほ面一になるように切断される。
他の態様において本発明は、第1の端部と第2の端部を有するランセット本体と、ランセット本体の第1の端部から突出る鋭いランセット切開先端部を有する針と、および鋭いランセット切開先端部を覆う保護キャップとから構成されるマイクロランセットである。保護キャップは好ましくは、ランセット本体と一体で形成され、かつ針の両側で離間する素材の少なくとも1つのウエブ、および好ましくは2つのウエブによりランセット本体へ接続される。
さらに他の態様において本発明は、第1の端部と第2の端部を有するランセット本体と、ランセット本体の第1の端部から突出る鋭いランセット切開先端部と、およびランセット本体の第2の端部から横方向外側へ突出るフランジとから構成されるマイクロランセットである。
他の態様において本発明は、複数のランセットと、およびランセットそれぞれと順次係合して、そのランセットを移行軸に沿って第1の位置と第2の位置との間に駆動する駆動機構を備えるランセット切開器具であり、そこにおいて駆動機構は、駆動されるランセットの移行軸と同軸である軸に沿って移動自在なピストンを備える。
本発明のこれらの、および他の態様、特徴および利点は、図面および詳細な説明を参照すれば分かり、かつ特に付属の請求項において指摘された種々の部材と組合せにより理解される。上述の一般的な説明と、および図面の本発明の下記の簡単な説明と詳細な説明との両方は、本発明の好ましい実施例の代表的かつ説明的なものであり、および請求されるように本発明を制約するものではないことも分かる。
本発明は、本開示の一部を形成する、添付図面と連係してなされる本発明の下記の詳細な説明を参照すれば、一層容易に理解できる。本発明は、ここで説明および/または図示される特定の器具、方法、条件またはパラメータに限定されないこと、およびここで使用される用語は、特定の実施例を例としてだけ説明するためであり、本発明を限定しようとするものではないことが分かる。また、特定の数値は、少なくともその特定の値を含む。範囲は、「約」または「ほぼ」の1つの特定の値から、および/または「約」または「ほぼ」の他の特定の値までとして、ここで表すことができる。そのような範囲が表示されるとき、他の実施例は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」を使用して近似値として表示されるとき、その特定の値は他の実施例を形成することが分かる。
それぞれ透視図および平面図としての図1および2には、本発明の1つの典型的な実施例に従う血液分析器具が示され、その器具は全体として参照数字2により表示される。血液分析器具は、少なくとも1つの、好ましくは複数のランセット8を備える血液引出しシステム6を内蔵するハウジング4と、および少なくとも1つの、好ましくは複数の検査部材10とから構成される。未使用のランセット8および検査部材10は、ハウジング4内に保管され、使用され、および使用後に再び取外されて投棄または処分される。血液分析器具2は、好ましくは電子評価システムと表示器14を有する評価システム12を好ましくはさらに備え、その表示器は好ましくは、たとえば、血糖含有量のような検体量の表示のような、評価の結果を表示するために目視読取り自在な表示器の形態である。具体的に示されるこの実施例は、「多機能一体型」器具であり、ランセット切開機能および試料の採取と分析の機能を備える。本発明の別の実施例において本発明は、ほぼ述べたようにランセット切開機能だけを備え、および試料の採取と分析の機能を省略したランセット切開器具である。他の別の実施例において本発明は、試料の採取と分析の機能だけを備え、およびランセット切開機能を省略した試料採取器具である。
血液分析器具2のハウジング4は好ましくは、腕時計のハウジングの一般的なサイズ、形状および外観を有する一般に円形のディスクを備える。そのハウジングは、通常の時計バンドのピンを保持するために互いに整合する2つの開口部18の形態の一対の相互の対向する取付け部材16も備えるので、その器具を、腕時計の仕方で使用者の腕に着用できる。使用者の指のような皮膚表面へ押付けられる突き通し位置22が、ハウジング4の壁20に設けられる。突き通し位置22は好ましくは、スロット切りされた開口部26を形成する摺動傾斜部24を備え、その開口部を通してランセット8が駆動され、使用者の皮膚表面を突き通して血液の試料を得る。傾斜部24は、ランセット8の貫通の深さを調整するために壁20に沿って摺動自在である。図1におけるランセット8は、その最大伸張位置にあるのが示され、突き通し工程中に非常に短い時間だけ作動する。血液引出し器具6の非作動状態において、ランセット8はハウジング4内に完全に入れられる。
図1および2から分かるように、ハウジング4の凸状セグメント28を、ハウジング4から部分的に移動できるので、セグメント28は、ディスク状範囲の平面へ軸方向に配向される適用位置30を開放露出する。この適用位置30において、最小量の血液が、この適用位置の真下の検査部材10へ付与される。検査部材10が、ハウジング4上の適用位置30の真下に位置決めされると、そこにおいて検査部材は、血液の試料で濡らすことができるので、作動位置にあると名付けられる。それに対応して、ランセット8が突き通し位置22にあるとき、そこにおいてランセットは、使用者の皮膚表面に貫通することができるので、作動位置にあると名付けられる。カバーセグメント28は好ましくは、摺動レール案内部38上に保持されるので、ハウジングの側面36に沿って移動でき、ハウジングの残りの部分上の後部掴み部の手段により内側に関して凸状に湾曲される。セグメント28は好ましくは、血液引出し器具6の非作動状態において適用位置30を覆うので、好ましくはリブを付けた掴み面、または他の掴み面40を有する他の凸状に湾曲された側面42が、ハウジング4の外周の連続した部分を形成する。
試料分析を実施するとき、使用者はカバーセグメント28を図1に示される開放位置まで摺動するので、適用位置30が露出される。この移動は、ピストンまたはプランジャ機構が駆動バネを機械的に引張りまたは圧縮することにより起動されるので、ハウジング4内の血液引出し器具6を同時に起動または作動する。次いで使用者は、指または他の試料採取箇所をハウジングの突き通し位置22へ押付け、および引金ボタン46を作動して血液引出し器具を解放する。駆動機構44のピストンまたはプランジャ48が、半径方向外側へ駆動されてランセットを作動位置34中に推進するので、ランセットは、スロット切りされた開口部26を通して使用者の皮膚表面中に貫通する。使用者は、指を突き通し位置22から取外し、血液または他の体液の少量の試料を傷部分から浸出させ、次いでその試料を適用位置30に押付けるので、体液の試料が、作動位置32において検査部材10へ移行される。次いで分析の評価が開始され、その結果が表示手段により表示される。
図4乃至6は、ハウジング4内の血液引出し器具6とプランジャ機構44に関連する本発明に従うランセット8と検査部材10の配置の典型的な実施例を示す。図4は、複数のランセット8と複数の検査部材10から構成され、本発明の実施例に従うキャリアまたはカセット50の透視図を示す。カセット50は、ランセット8と検査部材10用のマガジン状保持器であり、器具に挿入するために、使用後に取出し取換えるために、および使用後に処分するために手で操作される。カセット50は好ましくは、検査部材10を保持する一般に平坦な円形ディスク54の形態の第1のキャリア部分52、および周辺の回りに離間した箇所に放射状に固定されるランセット8を有する円形リングに形成された帯板またはベルト58の形態の第2のキャリア部分56から構成される。第2のキャリア部分56は好ましくは、他のリング状の第3のキャリア部分60上に取付けられ、その平面が、第1のキャリア部分52の平面にほぼ平行に延びる。第2のキャリア部分56と第3のキャリア部分60は好ましくは、一方では窪み62、かつ他方では突出し部64の係合により連結される。第1のキャリア部分52は好ましくは、同様な仕方で第2のキャリア部分56へ連結されるので、窪み62と突出し部66が相互に係合する。
検査部材10は、第1のキャリア部分52の窪み68内に同心で取付けられる。検査部材10は好ましくは、軸方向に(すなわち、キャリア50の回転軸70の方向に)アクセスされるように配向される。接点69が、第1のキャリア部分52の上端部に検査部材10それぞれについて示される。図示されない電極システムが好ましくは、たとえば、既知の電気化学的検査部材作動の仕方で評価システムの電子機器と通信するために接点69において検査部材と接触する。
第2のキャリア部分56上に放射状に配置されるランセット8それぞれは、対応するバネ部材74を通過し、そのバネを、ランセット切開器具を起動および作動するために放射状に引張り状態にすることができる。ランセット8は、バネ部材74を通過できない厚くしたヘッド76を、半径方向内側に有する。ランセット8が放射状に外側へ駆動されると、バネ部材74が圧縮されるので、ほぼ図4に示されるように、ランセット8をハウジング4の内側の平衡位置に引き戻すバネ力を生成する。かくしてバネ部材74は、ランセット8用の引込み手段78として機能する。
3つのキャリア部分52、56および60は好ましくは、リングの形状に形成され、および図3から分かるように、ピストンまたはプランジャ機構44が中に位置する中央開口部80を有する。他のキャリア部分60は好ましくは、駆動歯車84と相互作用する内歯車系82を備える。駆動歯車84は、電気モータによるように、もしくは器具のハウジング上の摺動部の作動、または手動操作自在なホイールの回転による手操作によるように、順次の作動位置を通してカセット50を前送りするように駆動される。カセット50は、図3に示されるように、好ましくは、開口部80中に延びるハウジングの突出し部85上に回転自在に取付けられる。このようにして、平面の軸方向表面87が、軸方向支承表面を形成し、その表面にキャリア部分60の他の部分が押付けられるので、それらの部分は、内歯車系82に直ぐ隣接する表面領域上で摺動できる。
図5の断面図において、その断面の平面が検査部材10の作動位置32を通過する。1つのランセット8が、断面図で分かる。しかしながら、それはランセット用の作動位置にはない。ランセット用作動位置は、図6の断面平面に示され、そこにおいてランセットは、その最大伸張位置にあるのが示される。図3に示されるプランジャ機構44は、図6の断面図には示されない。ランセット8と検査部材10と共にキャリア50を、取換自在のカセットとして、血液分析器具のハウジング4の内部にどのようにして挿入し、かつ取出しできるかが、図3、5および6から分かる。ハウジング4は好ましくは、底部においてカバー部材86により、かつ上端部において回転軸70に直交して設けられる壁88により仕切られる。この壁上には、電子評価手段12と関連する表示器の構成部材を収納する空間90がある。図7には、血液分析器具2′の平面図が示され、その器具は、ハウジング4の目視側に通常の時計面の形態で時間表示手段92が設けられる点で上述のものと異なる。この時間表示手段は、機械的指針の形態、または、たとえば、1つ以上のLCD表示素子を使用するデジタル表示の形態にできる。使用者が、時間表示と、血液分析結果を表示する作動モードとの間で選択できるように、スイッチが好ましくは設けられる。
カセット50の具体的な実施例は、単一の取換自在なカセット上に、ランセット切開部材と、および試料の採取および分析の部材とを組合せる。しかしながら、本発明は、ランセット切開部材だけを備え、かつ試料の採取および分析の部材を省略するカセット、ならびに試料の採取および分析の部材だけを備え、かつランセット切開部材を省略するカセットも含むことが分かる。別個のランセット切開カセットと試料の採取および分析カセットを、多機能一体型のランセット切開と試料分析器具において直列に使用できるし、または代わりに、ランセット切開器具または試料の採取および分析器具に個別に使用できる。
図8および9は、本発明の他の実施例に従うランセット切開カセットを示す。複数のランセット部材がバンドまたはベルト102上に取付けられる。この具体的な実施例においてランセットは、閉じた円の形態で連続するリング状ベルト102の周辺の周りの離間した箇所に放射状に配置される。代わりに、複数のランセット部材が、帯状ベルトの長さ方向に沿って取付けられる。それぞれのランセット部材は、シリンダまたはスリーブ100内に平行移動的に取付けられるピストン106を備える。このピストン106は、一端部に鋭いランセット先端部114を担持する。少なくとも1つの弾性凸縁部108(2つが示される)が、ピストンの他端部に取付けられる。作動されると、ランセット部材のピストン106は、矢印110の方向に下方へ駆動される。ランセットの鋭い先端部114がスリーブ100の外側へ突出て、その試料採取箇所において皮膚を突き通す。弾性凸縁部(または複数の凸縁部)108が変形され、それにより、ランセット切開後にランセット先端部114をスリーブ100内に遮蔽するに足る距離だけ、ピストン106を引込む引込み力を生じる。ランセット切開カートリッジには好ましくは、たとえば、薄いフィルムのセクションの形態のカバー112がさらに備えられ、そのカバーは、使用前にランセット先端部114の無菌を維持し、かつ偶然の固着を防止するためにスリーブ100の開放端部を封止する。カバー112を、ランセット切開中にランセットにより貫通できるか、またはランセット切開工程が実施される直前に部分的にまたは完全に取外すことができる。
図9は、図8の実施例に従うランセット部材の拡大した断面図を示す。スリーブ100の円筒形内壁116とピストン106との間には好ましくは、壁116からの環状突出し部118と、およびピストン106からの当接突出し部120との形態のシールがある。ピストン手段106が、矢印100の方向に外側へ駆動されると、環状突出し部120は、円筒形壁116の弾性作用を受けて環状突出し部118上を摺動する。ランセット切開工程が実施される前に、2つの環状突出し部118、120は、スリーブ内に円筒形空間用のシールを形成するので、ランセット先端部114は、無菌かつ封止された状態に保持される。他の側において円筒形空間は、フィルム112により封止される。
図10乃至13は、本発明に従うランセット切開カセットの他の実施例を示し、そこにおいて複数のランセット122が、ディスク状キャリア部分126における半球形窪み124に保持され、かつ図14に具体的に示されるように、ランセット切開器具の作動を受けて軸方向に(すなわち、キャリア126の回転軸70に平行に)駆動される。キャリア126は好ましくは、1つの面128に沿う歯のリング130を備えて、ランセット切開器具内でキャリア126を回転する端部歯車として機能する。代わりに、内歯車系を形成する窪みが、キャリアの面128に形成される。図13の詳細図から分かるように、それぞれのランセット122が、射出成形または注封などにより、キャリッジ突起部132中に取付けられ、その突起部は、ドーム状窪み124を形成する半球形壁133の材料と一体で形成される。窪み124が好ましくは、フィルム134により覆われ、そのフィルムは、周囲のランセット先端部122に対して取り囲まれた空間を密封して、無菌を保全し、かつ偶然の針固着を防止する。半球形窪みの壁は好ましくは、変形自在の弾性の材料から形成され、および任意選択的に、壁の弾力性を増加するために環状弱化スロット136をさらに備える。図14は、ランセット切開カートリッジの実施例に使用されるランセット切開器具用の典型的な駆動機構を示す。横方向に駆動されるプランジャ138が、ランセット切開カートリッジに関して放射状に配置される。プランジャ138は、ランセット先端部122を軸方向に駆動するために、キャリッジ突起部132を打撃し、かつドーム状窪みを反らせるくさび状傾斜部140を備える。ランセット切開後に傾斜部140が引込み、かつキャリア126の弾性壁が、そのドーム形状に戻るので、ランセット先端部は試料採取箇所から引出される。
図15および16は、本発明に従うランセット切開器具、および/または組合せたランセット切開と試料分析の器具と連係して使用されるランセット切開カートリッジの他の実施例の透視図および分解図それぞれを示す。複数のランセット部材が、回転自在のキャリアディスク142上に配置される。ランセット部材それぞれは、ランセット先端部140とランセット本体144を備え、および好ましくは、キャリアディスク上に一般に放射状に配置され、かつ好ましくは、射出成形されたプラスチックから形成される。2つ以上の弾性凸縁部146(2つが示される)がランセット本体144から延びて、ランセット先端部140を、ランセット切開後に試料採取箇所から引込み、かつ起動後にランセットの前送りを防止する。キャリアディスク142には好ましくは、その面から突出る案内突出し部が備えられ、その突出し部は、ランセット切開操作中に引込み位置と伸張位置との間の経路を横断するときに、ランセット本体144の放射状摺動移動のために案内支承部として保持しかつ作用する。ランセット先端部140は好ましくは、ランセット本体144中に射出成形され、かつ好ましくは保護キャップ147により封入されて、そのキャップが、ランセット先端部140用の無菌で安全な遮断層を形成する。
バネ部材148がキャリアディスク142へ装着されて、ランセット本体144を半径方向前後に移行させる案内部として機能するが、カセットからの紛失または離脱を防止する。バネ部材148の伸張アーム150が、それぞれの保護キャップ147上を延び、かつキャリアディスク142へ向けて保護キャップ147上で軸方向に下方の圧力を加える。ランセット本体144は、図17bに示されるように、たとえば、起動ステップにおいてランセット切開操作を作動する前に半径方向内側へ引込まれる。保護キャップ147は、キャリアディスク142の案内突出し部により制約されて、ランセットキャップの起動位置からの円滑な走行を確実にし、かつキャップの半径方向引込みを防止するので、キャップ147がランセット本体144から分離され、かつランセット先端部140が露出される。図17cおよび17dに示されるように、次いでバネ部材148の伸張アーム150は、キャリアディスク142に形成される窪み152中に分離された保護キャップ147を圧入して、ランセットの移動経路から押出す。ランセット切開操作中にランセット先端部140は、伸張アーム150内の通路を通して、外側へ駆動されて、試料採取箇所において皮膚を突き通し、次いで駆動機構における弾性凸縁部146と引込みバネにより、試料採取箇所から引込まれる。
図18は、本発明の典型的な実施例に従うランセット切開器具を作動する方法を概略示す。駆動機構44は、ランセットの中心線と好ましくは一般に同軸であるピストンまたはプランジャ154を備え、そのランセットを、ディスク状ランセット切開カートリッジに関して半径方向にかつ縦方向に駆動でき、および引張りと圧縮のバネ156の手段により再び引込むことができる。プランジャ機構を、放射状に突出るカム160を備える回動自在の起動手段158を作動することにより起動できる。カム160がピストン154上の協働突出し部161と係合するので、ピストンは、駆動バネ156の圧縮力に抗して動かされて、駆動バネを引張り状態に保持する引掛け機構または引き金162により起動状態に保持される。カム160を有する位置決め手段158は、次いで、たとえば、バネ力を受けてその開始位置まで戻ることができる。次いで引き金の引掛けが手動で外されて、ピストン154は、バネの力を受けて半径方向にかつ縦方向に駆動されるので、ピストンの自由端部が、ランセットの自由端部、またはランセットを担持しかつ同様に外側へ突出る保持器の自由端部を打撃する。代わりに、ピストン154の端部は、ランセットを係合する留め具または他の係合機能を備え、およびランセットは、起動および離脱されると、ピストンの横移動に沿って運ばれる。次いでピストンは、バネ156の作用を受けて図18に示される開始位置まで戻され、および/またはランセットは、上述のように弾性凸縁部(または複数の凸縁部)の作用を受けてハウジング中に引込まれる。
図19乃至29は、本発明に従うランセット切開器具の典型的な実施例を具体的に示す。図19には、ランセットカセットの分解図が示され、そのカセットは、図20において上端部から、および図21において底部から見て組立状態にある。ランセットカセットには、複数のランセット部材172が上に放射状に配置されるキャリアディスクが備えられ、それぞれのランセットは、図15の実施例と同様な仕方で保護キャップ174により覆われる鋭い先端部を有する。そのカセットは、図17a乃至17dと連係してほぼ上述されるように、それぞれの保護キャップ174と相互作用するリング状バネ手段176をさらに備える。これらの構成部材は、上方に延びる円筒形壁領域180を有するハウジング機構ベース中に挿入される。この機構ベースには、その中央に開口部182が設けられ、その開口部は、内部に突出し、中で放射状に移動自在なプランジャまたはピストン184用のハウジングを形成する。プランジャ184の半径方向内端部とハウジングを形成する開口部182の壁との間には、第1の駆動バネ188がある。戻りバネ192が、プランジャ184のリング環状部材190と開口部182との間に設けられる。
プランジャ184は、好ましくは円形スロットの形態の保持具194も、その周辺に有し、その手段によりプランジャ184が、バネ188を引張った状態で開口部182内に保持される。クランプ止めバネ196のような引掛機構が好ましくは、保持具と相互作用する。プランジャ184には、その半径方向外端部に後部掴み部材198が設けられ、その掴み部材は、保護キャップ174を取外すためにランセット部材172を引き戻すように機能する。この後部掴み部材198は、ランセット部材172の協働セクション200と離脱自在に係合する。この後部保持自在のセクションには、たとえば、ランセット部材172の拡大された表面機能部201を備えることができ、その表面機能部は、プランジャ184の協働表面機能部を受容し、かつそれと離脱自在に係合する。
キャリア部分178の外側に、制御レバー202が、キャリア部分170の回転軸70の回りに回動自在に取付けられる。制御レバー202は好ましくは、キャリア部分178のベースにおける切欠き208を通して軸方向に延びるプランジャ184のカム手段206と相互作用するカム制御表面204を有する。制御レバー202が時計方向(図21に示される方向)に回動されると、カム制御表面204はカム206に有効に接触し、また制御レバー202がさらに回転すると、プランジャ184によりカム206が半径方向内側へ押されるので、駆動バネ188が押圧される。ほぼ上述したように保持または引掛機構は、制御レバーが図21に示される初期位置に戻されるときでも、プランジャ184をバネ188により押圧された状態に保持する。
制御レバー202は、切欠きを付けたレバー212の形態のキャリア210も有し、その手段によりキャリア部分170、およびそれと共にランセットの部材が、連続するランセット切開操作のために回転自在に前送りされる。この目的のために、切欠きを付けたレバー212は、湾曲したスロット付き開口部214を通して突出し、キャリア部分178のベースにおいて周辺方向に沿って延び、次いでキャリア部分170の協働部材と係合する。この目的のために、図21に示されるように、キャリア部分が、ラチェット動作する歯付き端部引掛手段216を有するのが好都合である。制御レバー202が、図21に示される位置から時計方向に回されると、切欠きを付けたレバー212によりキャリア部分170がさらに回転するので、未だ使用されていない新しいランセットが、その作動位置に動かされる。この工程において特定のランセット部材172の後部掴み自在のセクション200は、摺動してプランジャ184の後部掴み手段198と係合する。この位置決め端部係合を単純化するために、後部掴み手段198が、図20または19において分かるように、接近傾斜部または前置き傾斜部218を備えることは好都合である。好ましくは半径方向内側および半径方向外側に対面する表面上に形成される接近傾斜部218の手段により、プランジャ184を位置決めする際の誤差を補償できる。
特定のランセットが、ランセット用作動位置に正確に位置決めされ、かつその位置を越して偶然に運ばれていないことを確実にするために、中断機構220が、所要の回転位置に位置決めされる。この中断機構220は好ましくは、切欠きを付けたレバー212の軸方向外方のたわみを生成するので、キャリア210が、歯付き端部引掛手段216ともはや相互作用できない。この目的のために、切欠きを付けたレバー212は、キャリア部分178の外側を横断して摺動する放射状突出し部222を有する。キャリア部分178のこの外側は、接近傾斜部224を適切な箇所に有し、次いで制御レバー202が回転して接近傾斜部224に達すると、上述のような意味において、切欠きレバーを軸方向に持ち上げる。制御レバー202が回し戻されると、切欠きレバー212のキャリア210は、キャリア部分170を後方へ回転することなく、歯付き端部引掛手段の斜め縁部上を摺動する。キャリア部分170の逆移動を確実に防止するために、ラチェット機構のような逆転防止手段226が好ましくは、設けられる。それは、たとえば、図19において分かるように、キャリア部分178の内側に適切に配向された端部引掛歯車228により好都合には形成できる。この端部引掛手段228は、第1のキャリア部分の端部引掛手段と相互作用するように形成および配向されるので、キャリア部分170を、移送方向であるが、反対方向ではなく回転できる。キャリア部分170は、この作用を容易にするために、他のキャリア部分178に関して片持ちアーム171の手段により僅かにたわみ自在である。
図22乃至28は、上述のようなランセット手段の作動サイクルを示す。それぞれの図の左側A図は、ランセットカセットの底面図であり、およびそれぞれの図の右側B図は、平面図である。図22は、端末停止部230に抗して、開始位置にある制御レバー202を示す。図22の右側において、保護キャップ174を有するランセット部材172が、ランセットの作動位置の前方位置にあるのが強調して示される。図23は、時計方向の制御レバー202の回転移動を具体的に示す。この移動において、片持ちキャリアアーム210の歯212は、ラチェット動作する端部引掛手段216の協働歯と係合して、上述のランセット部材172が図23の右側に示される作動位置に達するまで、キャリア部分170を前送りし、およびキャリア部分170と、その上に配置されるランセットを時計方向に移送または回転する。図23は、プランジャ手段の後部掴み手段198において上述の接近または前置き傾斜部218も示す。制御レバー202が、図24に示されるように、さらに回されると、キャリアアームの半径方向突出し部222は、接近傾斜部224により軸方向にゆがめられ、またキャリアアーム210の歯212は、キャリア部分170から離脱されるので、キャリア部分170は、さらに回されない。同時に、制御レバー202のカム案内表面204は、カム206を半径方向内方へ押し、かつそれと共にプランジャ手段184を押すので、プランジャバネ188が引っ張られ、かつ起動機構が起動される。後部掴み手段198とランセット部材172の後部掴み自在のセクション200との相互作用を通して、ランセットが半径方向内側に送られるので、図24の右側に初めて示されるランセット先端部232は、保護キャップ174から離脱される。また、キャリアアーム210がキャリア部分170との係合から反らされると、ハウジング178のベース内側の歯226は、キャリア170上のラチェット動作手段の歯216と係合して、キャリアが、反時計方向に回し戻られるのを防止する。
図25は、制御レバー202またはプランジャ184の最大回転位置を示し、そこにおいてプランジャ184が、保持機構により、この緊張された位置に保持され、この場合にその機構は、クランプバネ196とプランジャ手段184上の円形スロットから構成される。制御レバー202が、図26に示されるように回し戻されると、プランジャ184は引っ張られた状態のままである。ここで保護キャップ174は、軸方向に作用するバネ手段176によりランセット232の移動経路から動かされる。最後に図27は、完了した突き通し工程を示し、そこにおいてプランジャ184が、クランプバネ196の展開の形態での保持器の作動により、半径方向に急速に外側へ移動する。プランジャ184は、保持プランジャ172の端部を打撃して、ランセット232と共に、その端部を外側へ押す。次の瞬間に、引込みバネ192により、図28に示されるようにプランジャ184がその開始位置まで引き戻され、そこにおいてランセット先端部は、ハウジングの内側へ引込まれる。
図29乃至32は、本発明の他の実施例に従うランセット切開器具用の駆動手段またはプランジャ機構の詳細を示す。これらの図は、ランセット用駆動手段の作動(引張り)と、および、一例として、上述のカバー部材から形成される単一の制御部材238によるキャリアのさらなる回転とを説明する。(これは、回転自在のキャリア上のランセットの配置と形成には関係ない。)図29は、分析器具の本実施例のキャリア構成部材の透視図を示す。しかしながら、カバー部材28は、その内側に、図2に関連して述べた摺動案内レール38だけではなく、内側36に従う歯車ラックと同様な歯240の配置も有することが分かる。これらの歯240は、カバー部材28の移動平面内で第1の歯車ホイール242の歯車系と係合する。この第1の歯車ホイール242は、上述の平面に直交して延びるシャフト244に固定されるように配置される。そのシャフトは、その他端部である駆動端部に第2の歯車ホイール246を有する。この第2の歯車ホイールを、キャリア部分60の内歯車82と噛み合いかつ噛み外れるように動かすことができる。(図1乃至6の部材の対応する参照数字がここで使用される。)シャフト244を、規定された移動平面のスロット248内で動かすことができる。カバー部材28が、図1で述べた適用位置を開放する方向に回されると、シャフト244は、スロット248の一端部において図29に示されるに位置に押し入れられ、そこにおいて第2の歯車ホイール246が、キャリア部分60の内歯車82と噛み合うので、キャリア部分60の歯車とシャフトの手段が回転されると、ランセットの手段が時計方向に回される。カバー部材28が、その初期位置まで戻るように摺動または回されると、歯車ホイールとシャフトの構成部材は、スロット248の反対側端部へ押されるので、第2の歯車ホイール246の歯は、キャリア部分60の内歯車82との接触から外れ、それによりランセット8の構成部材の逆転が防止される。
作動位置におけるランセット用駆動機構は、参照数字250により表される。その機構は、特定のランセットに作用するプランジャ48を有するプランジャ機構44を備える。しかしながら駆動機構250は、また、この場合に第2の歯車ホイール246と重ね板バネ252から成る引張り機構と、およびレバー構成部材256を備える離脱機構254とを備える。重ね板バネ252の一端部が、第2の歯車ホイール246における重ね板バネ保持具258へ固定され、および他端部が、ハウジング4に関して回動できる部材262におけるにおける重ね板バネ保持具260へ固定される。この回動自在な部材262は、ハウジング4の突き通し位置22においてこの部材262をボタン264へ接続するレバー部材256の一部分である。
カバー部材28の、その後の外方への移動において、第2の歯車ホイール246は、キャリア部分60をさらに回すばかりではなく、重ね板バネ保持具258を回動するので、重ね板バネ252が引張り状態まで動かされる。ボタン264を作動することにより、他の重ね板バネ保持具260が、レバー部材256により同様に回動されるので、重ね板バネ252は、死点を通して安定した引張り状態から急に離脱され、またプランジャ48が急に半径方向外方へ突出る。次いでこのプランジャが、対応するランセットを半径方向外方へ急速に動かして、突き通し工程を実施する。この動きの推移は、図30、31および32に示される。これらの図のそれぞれは、ハウジング内における、ここで対象となる構成部材を上から見た図bと下から見た図aを示す。図30は、非作動の初期状態における血液引出し器具の駆動手段250を示す。重ね板バネ252は、重ね板バネ保持具258と260との間に曲げた形状を有する。ここで、図31において分かるように、カバー部材28が、適用位置30を開放するような方向に動かされるならば、キャリア部分30、シャフト244、および歯車ホイール248とキャリア部分30の内歯車82は、歯車ホイール242によりカバー部材と共に回される。同時に図31aに示されるように、第2の歯車ホイール246における重ね板バネ保持具258は、反時計方向に動き、また重ね板バネ252は、S形に曲がる形態を呈する。これが続く間は、重ね板バネ保持具260と、および回動自在の部材262の位置とは不変のままである。駆動手段250およびその重ね板バネ252は、ここで引張り作動状態にある。ここで使用者が、突き通し工程を開始するために、ボタン264を押して起動手段254を作動するならば、レバー部材256は、回動自在の部材262を図32aに示される位置にまで回る。かくして重ね板バネ252は、死点を通して動かされ、およびS形に引っ張られたバネ内に蓄えられたバネエネルギが急に解放される。そのバネは、図32aに示される曲げた形状であるが、図29aに示されるものと反対の反りを有する形状に再び戻される。重ね板バネ252とプランジャ機構244のプランジャ48との連結により、プランジャは同様に外方に急に突出る。
図33および34は、本発明の他の実施例に従う、分析のために人体または動物の生体から血液の試料を引出すランセット切開器具302の透視図を示す。図33に示される、好ましくは回動できるように接続されるカバー部材304は、図34においては省略される。ハウジング306の内側には、多数の同心で放射状に配置されたランセット308が示される。突き入れまたは突き通し方向312を確定するプランジャシステム310が、同心構成部材の中央に示される。
図35および36は、ハウジング306内に収納される構成部材の分解図を示す。以下で詳細に説明されるランセット308が示される。それらのランセットは、保護カバーまたはキャップを有する。図35は、それらの放射状の部材を示す。それらのランセット308は、キャリア314の案内路または案内スロット316において、好ましくは円形ディスクの形態のキャリア314上で半径方向に摺動できる。図35は、ランセット308の上方にあるバネ鋼の円形ディスク318を示す。そのディスクは、以下で詳細に説明される仕方で、キャリア314の案内スロット316内にランセット308を保持するので、ランセットは、紛失されることなく、放射状に摺動できる。
円形ディスク318の上方には、血液分析を実施するために、すなわち、血糖、乳酸塩、コレステロールまたはフラクトサミンのような幾つかの検体の存在と含有量を求めるために、接点322の周辺に設けられる検査部材324用に概略示される接点322を有する第2のキャリア320が示される。1実施例において検査部材324には、ランセット切開器具のカバー部材304にある供給開口部を通して血液の所要の試料が付けられる。別の実施例において分析検査帯片が、スロット状開口部328を通して通過されて、血液の試料で濡らされる。次いで分析が、接点322と分析システムを通して、既知の仕方で電流測定法または電位差計法により実施される。代わりに、個別の分析検査帯片が、担持されて、スロット状開口部328を通して、キャリア320上の接点322へ挿入される。好ましい実施例において第2のキャリア320は、ランセット308のものに対応する幾つかの検査部材324を担持する。図33に示されるカバー部材304の上に向けられた目視側には、好ましくは、表示器、たとえば、時間および/または試料分析結果を指示するデジタルまたはアナログの表示器がある。ランセット切開器具302は、典型的な腕時計の仕方でバンドを使用して使用者の腕の周りに任意選択的に固定される。
図36には、ハウジング306が示され、そのハウジングは、鍔状に上方へ突出る円筒形縁セクション334を備えたベースプレート332と、および円形周辺部338を備えたセクションの中央にあるディスク状またはドーム状突起部336とを有する。ベースプレート332の下側には、作動レバー340を有するディスク状部材342があり、そのレバーは、そこから半径方向外方へ突出し、かつ使用者が手動で回すことができる。そのディスク部材は、ベースプレート側にあるカバー部材344により、ハウジング306のベースプレート332の底側に保持されるので、回すことができる。戻りバネ346の形態の引込み手段も示される。ディスク状部材342は、プランジャシステム310用の引張り手段348を形成する。
駆動システムを構成しているプランジャシステム310が、ドーム状突起部336の中央に取付けられる。そのシステムは、以下にさらに詳細に説明されるプランジャピストン350、プランジャバネ352、および復元バネ354、離脱手段356とカバー358から構成される。プランジャシステム310は、作動レバー40を回転して、かくしてディスク状部材342を回転することにより作動され、プランジャバネ352の圧力に抗してプランジャ部材350を引っ張る。離脱手段356が作動すると、プランジャ部材350は、半径方向に急速に移動して、ランセット308と共に突き通し工程を実施する。この工程においてランセット308は、図33と34に示される、引込み位置から、対象物の指または他の試料採取箇所が位置決めされている伸張(またはランセット切開)位置まで、走行経路を通して動く。ランセット先端部が、皮膚表面を貫通するので、使用者は、その直後に、傷部分から血液の試料を絞り出すことができる。
図37は、保護被覆を有するランセット308の拡大した透視図を示す。この被覆は、好ましくは射出成形されて金属針ランセット308(鋭くされたランセット先端部365を備える)を被覆するプラスチックまたは同様な材料のランセット本体362と、および先端部365の領域における保護キャップ364とを対象とする。射出成形工程においてランセット308は好ましくは、本体362に開放されたままの開口部366を通して射出成形金型中に保持される。加えて、ランセット針シャフトを、射出成形工程による捕捉と保持を確実にするために、その長さ方向に沿って平らにするか、または変形することができる。本体362および保護キャップ364は好ましくは、単一工程で射出成形される。本体362および保護キャップ364は、弱化部位370を形成する薄肉の転移領域368において接合する。この弱化部位を、そのプラスチックの殆どを通してスリットを切るか、またはスリットを形成してさらに弱化できる。別の実施例において本体362および保護キャップ364は、別個の構成部材として形成される。開口部372が好ましくは、転移領域368に形成され、それにより、薄肉の弱化部位370の形成が促進される。この開口部372は、たとえば、ランセット308用の他の保持部材により射出成形工程中に形成できる。
弾性凸縁部またはピン374が、斜め角度で、たとえば、ランセット308の縦方向に対して約40°の角度で保持部材362から突出し、かつ好ましくは本体362と一体で形成され、および丸められた自由端部376を有する。凸縁部374を、ランセット308用の本体362に関して二重矢印378の方向に広げることができるか、または弾性的または弾力的に変形自在である。凸縁部374により、本体362用の適用平面を安定化でき、および、たとえば、縦方向の回りの傾斜が防止される。凸縁部374は、ランセットの揺動を最小にするようにも機能できる。突き入れ工程が実施された後に、その工程により、保持部材中への引込み力が起動されて、ランセット308が入れられて、引込まれる。ランセットがキャリア314の案内スロット316から外れないことも確保される。ポスト369が、キャリア上の協働突起部または突出し部に当接することにより、ランセットが使用後に内方に落下しないようにする。保護キャップ364は好ましくは、平面図でH形であり、両側に案内スロットを有し、それにより、ランセット308の縦方向に(すなわち、キャリア314上で半径方向に)不動に保持されるが、キャリアに関してランセット308の縦方向に直交して横方向に摺動できる。図39a至39c、保持部材と保護キャップを有するランセットのさらに詳細を示す。ランセットは、その縦方向に、保持部材362と保護手段364を含めて、長さが好ましくは約12.5mmである。図39a至39c、本体362により覆われるランセット308と保護キャップ手段364とを、製造中に分離する典型的な製造工程を示す。保護キャップ364から本体362の末端部は、本体の側面から横方向外方へ突出る少なくとも1つの肩部またはフランジ418を備え、かつ段部または窪み382を有する。より好ましくは、駆動機構と係合するために、本体362の両側から、一対の互いに反対側にあるフランジが突出して、起動中に心ずれを生じることなく、ランセットを、その縦方向軸に沿って引出すようになっている。ランセット針308は、図示される上側と下側のナイフ384、386により、一本のワイヤまたはチューブから切断される。上側ナイフ384は、段部382と殆ど接触して置かれるので、その位置を、保持部材362とランセット308に関して確定することができ、およびランセット針308が、ランセット本体362とほぼ面一で切断される。
図40乃至43は、キャリア314上の、本体362および保護キャップ364と共にランセット308の配置を示す。キャリア314は好ましくは、一般に円形ディスクであり、その上面で成形されて突出たパターンを有する。この具体的に示される実施例においてキャリアは、10箇所の放射状案内路を備え、それぞれの案内路は、ディスクの平面における支承壁388と、およびディスクに直交し、かつ放射状に配向される2つの横方向案内壁390とにより仕切られる。保持部材332と保護キャップ364を有するランセット308は、それぞれの放射状案内路内で平行移動的に摺動自在である。個別のランセット308は、上方から、すなわち軸方向に、その案内窪み中に挿入される。次いでランセットは、図34と42に示される位置を占める。キャリアの1つの円弧状セグメント391にはランセット308が無いことが分かる。キャリア314は、上方からハウジング306中に挿入されると、円弧状セグメント391がプランジャシステム310上に配向されるように位置決めされるので、プランジャシステム310の半径方向外端部が、この円形セグメント391中に延びる。次いでプランジャ手段350は、2つの隣接するランセット、すなわち最初のランセットと最後のランセットとの間にあたかもあるように、円形セグメント391内に配置される。円形ディスク318の矢印状輪郭形態の位置決め補助具が、設置を容易にするために、好ましくは設けられる。
好ましくは、バネ鋼の一般に円形リングの形態である抑留部材318が、ランセット308を、キャリア314の案内窪み316内の所定位置に保持する。この目的のために、円形ディスク318は、キャリア314の対応するピン394上に幾つかの開口部392を使用して挿入される。これらのピンは、たとえば、超音溶接などによりディスク318へ拡張または装着される。バネ鋼の円形ディスク318には、放射状に突出る凸縁部396が設けられ、その凸縁部は、支承壁388に平行に配向され、かつ特定のランセット308の特定のハウジング本体362を保持および案内する。U形ループとして形成される他の凸縁部398が、それぞれの凸縁部396の周りに延び、およびU形の2つの脚部が円形ディスク318へ接続される。このループ状凸縁部は、保護キャップ364用変位手段399を構成して、ランセット308の移動経路から保護キャップを動かす。周辺方向に設けられる凸縁部398の接続ピン400が、円形ディスク318の平面から上方へ僅かに傾斜し、かつ幾分弾性がある。かくしてそれぞれのピンは、円形ディスク318の平面に対して僅かに傾斜する装着平面を形成する。接続ピン400、およびピンそれぞれにより形成される平面は、特定の保護キャップ364の上部側面402に対しても傾斜している。同様に、特定の接続ピン400が、軽い圧力を受けて、対応する保護キャップ364の上部側面402上に載置される。射出成形されたランセット308を有する保持部材362が、半径方向内方へ引かれ、かつ保持部材362と保護キャップ364との間の弱化領域370が破断されるならば、ループ状凸縁部398は、接続ピン400と共に、ランセット308の突き通し方向または縦方向に直交して下方に保護キャップ覆い手段364を、図43に示される位置に押し入れる。この処分位置403においてバネ凸縁部398の接続ピン400の表面は、特定の保護キャップ覆い手段364の上端部へ押付けられる。(図43は、突き通し工程が実施された後のランセット308を示す。)
図40、42および43において、帯片状案内ポスト404が、特定の保護キャップ364の案内窪み380に入るのが分かる。特定の保護キャップ364を、軸方向に、すなわち半径方向に配向される突き通し方向に直交して、これらの案内ポスト404上を摺動できる。同時に、これらの案内ポスト404は、特定の保護キャップ364を半径方向に不動に保持するので、保持部材362が内方に引かれると、弱化領域370を破断できる。その後に、上述のように、特定の保護キャップ364がキャリア314内の窪み406に保持されて、保護キャップ用の処分位置403を形成する。次いでそれぞれの保護キャップは、ループ状凸縁部398により窪み406内に不動に保持されて、邪魔なガタガタ音が防止される。
図44乃至45は、駆動システム310に関連する構成部材を有するハウジング306と有しないハウジング306を示す。ハウジング306内のドーム状突起部位336は、プランジャ350と、プランジャバネ352と、および引込みバネ354とのための保持部材を形成するのが分かる。カバー358は、これらの構成部材を保持するので、これらの構成部材を、紛失できないし、かつ半径方向に、保持手段中に縦方向に摺動できる。図46は、一般に拡大された図で、ピストンまたはラムとして設計されるプランジャ350を示す。その外径は、段階的に減少するので、引込みバネ354の一端部を支承する軸方向段部408を有する。引込みバネ354の他端部は、ドーム状突起部位336の1つの面410に押付けられる。プランジャバネ352は、大きい径を有する端部412において支承され、他端部が、ドーム状突起部336の面412に押付けられる。プランジャ手段358は、プランジャの移動方向に、かつ周辺方向に開放する連結領域416をさらに備える。この連結領域416は、ランセット本体362の後部掴み領域418(図37参照)と相補的であり、かつその領域を保持できるので、本体362を、プランジャ350へ連結して、プランジャ350との確実な係合を形成できる。図45に示されるプランジャ手段350の配向のために、ランセット308用の保持部材362を、図34で分かるように、キャリア314を回転することにより、この連結領域316にまで回転できる。プランジャ350が、半径方向内側へ引き戻され、プランジャバネ352が引っ張られるように、ランセット308用のランセット本体362と共に係止されるならば、半径方向の動きに抗して制約される保護キャップ364は、それに追従できなくなり、それらの間の弱化領域370が破断される。ランセット308の自由な鋭い端部365が保護キャップ364から自由になると直ちに、キャップは、ループ状凸縁部398の作用を受けて、上述のように、処分位置403に動かされる。ランセット308は、本体362と共に、この作動中にプランジャ350の引張り移動に追従する。ここで突き通しシステム310は、作動または起動状態にあり、離脱部材356を押すことにより、突き通し工程を実施するように作動または起動できる。
図46から分かるように、プランジャ350は、突き通し方向に直交して突出る引張りカム420を有する。この引張りカム420は、ハウジング306のベースプレート332中に放射状に設けられる直線状の穴422を通して延びる。かくして引張りカム420は、ベースプレート332の下面を通して下方に突出る。そのカムは、半径方向に突出るレバー340を使用して、初めに述べたディスク状部材342の開口部424に入る。この開口部は、カム案内湾曲部426を形成するので、引張りカムが、ディスク状部材342の回転により、このカム案内湾曲部426に沿って半径方向内側へ変位される。半径方向に突出る作動レバー340を矢印428(図45)の方向に回転することにより、プランジャ350は、離脱部材356の引掛けアーム430が、プランジャ手段350の大きい径のセクションの引掛け切欠き432に引掛かるまで、カム案内湾曲部426と引張りカム420に沿ってプランジャバネ352の力に抗して半径方向内側に動かされて、最初にプランジャ手段350を引張り状態に保持する。作動レバー340は、解放されると、引込みバネ346の作用を受けて、その初期の位置へ戻る。上述のように、作動レバー340およびディスク状部材342は、プランジャシステム310用の引張り手段348を構成する。
弾性ピン434が、図48で分かるように、ディスク状部材342上で周辺方向に延びる。一般に周辺方向に延びるスロット切りされた分離部436のために、ピン434を、部材342の平面へ向けて軸方向(矢印438参照)に僅かに反らすことができる。ピン434の自由端部には、軸方向に延びる突出し部440がある。図45で分かるように、その突出し部は、ハウジング306のベース332の周辺に延びるスロット状切欠き442を通してハウジング306の内部に入る。部材342の作動レバー340が回動されると、突出し部440は、このスロット状切欠き442に沿って移動する。図44と45から分かるように、ピン434が、その突出し部440と共に、くさび状傾斜手段444上でハウジング306のベースプレート332の下側に沿って摺動するまで、突出し部440は、キャリア314へ回転自在に係止される。この摺動移動中に、ピンが下方へ反らされ、かつ突出し部440がベースプレート332中に引込まれるので、突出し部440は、キャリア314へもはや回転自在に係止されない。したがって、引張りカム420が内側へ動かないのは、この段階中だけである。傾斜手段444までの突出し部440の移動の第1の段階中に、キャリア314が回転すると、未だ使用されていないランセット308が作動状態にされる。この時点で、キャリア314は、離脱された歯440によりもはや位置決めされないで、ハウジング本体の内部ベースにおける一連の離間した精密整合溝331の1つと、片持ちラチェットレバー393の協働歯との間の相互作用により、ここで一層正確に位置決めされることになる。この工程において、半径方向内側に配置される後部掴み手段418と共に保持部材362は、プランジャ手段350の連結領域416中に回転される。ここで、ディスク状部材342の開口部424は、プランジャ手段350のカム420が、その瞬間に、カム案内路426と相互作用するように構成および配置され、そこにおいて次の連続する保持部材362が、プランジャ手段350の連結領域416に入っていて、その部材をさらに担持できない。この位置において、プランジャ手段350は、保持部材362とランセット308と共に、引掛けアーム430が、捕捉フックにより、プランジャ手段350の捕捉窪み432に引掛かるまで、カム案内湾曲部426に沿って摺動する引張りカム420により半径方向内側へ引かれる。上述したように、プランジャシステム310を引っ張るこの工程中に、ランセット本体362と保護キャップ364との間の弱化領域370が、破断され、保護キャップは、図43に示される処分位置に動かされて、ランセット308の移動経路を空けた状態にする。ここで、離脱部材356がプランジャシステム310を作動するならば、プランジャ350は、保持部材312とランセット308と共に、半径方向に急速に動き、かつ非常に短時間に、ランセット308の自由端部365は、適用位置360を越してハウジング306の外側まで動くので、非常に短時間に使用者の皮膚表面を貫通できる。この突き通し工程中に、引込みバネ354が引っ張られる。次いで引込みバネは、保持部材362をランセット308と共に、ハウジング306の内部に急速に引き戻す。次いで拡大自在なピン374は、キャリア314上に使用済みランセット308の適正位置も支承し、および使用済みキャリアカセットが新しいカセットにより取換えられるとき、そのピンは、保持部材362と共に使用済みランセットが、キャリア314内の案内窪み316から半径方向に滑り抜けるのを防止するので、使用済みランセットの確実な処分ができる。図49は、ハウジング306のベースプレート332の下側、すなわち、図36に示されるベースカバー部材344を取外した下側を示す。
本発明のこの実施例のランセット切開器具を、使用者の腕に着用できる腕時計の方式とサイズに製造できる。ランセット切開器具は、複数の(たとえば、5乃至12個の)ランセットを有し、それらのランセットが、カセットとして、ハウジング6のキャリア14上に挿入される。使用者は、駆動機構のピストン位置と最初に整合される指示手段397のような幾つかの配向マークの位置決めに留意して、カバー部材304を開けて、キャリアカセットをハウジングの内側に挿入する。次いでカバー部材304は閉じられ、第1のランセット308が、作動レバー340を操作して操作位置にまで動かされる。その工程においてランセット308またはその本体362は、プランジャ350と共に係合され、およびそれと連係して、半径方向内側へ引かれる。保護キャップ364は、それにより取外され、突き通し方向312に直交して、キャリア314上の処分位置403にまで動かされる。このようにして作動されるランセット切開器具310が離脱されると、プランジャ350は、本体362とランセット308と共に、打撃によるように、プランジャバネ352の離脱により、半径方向に加速される。プランジャは、引込みバネ354により、その初期位置へ再び戻される。作動レバー340を新たに作動することにより、キャリアは、キャリア314の突出し部440を通して1つの増分位置だけ前送りされる。すなわち、使用済みランセットが、操作位置から回され、また未だ使用されていないランセットが、操作位置まで動かされる等々である。全てのランセットが使用されると、回転停止部により、キャリア14がさらに移動するのが防止される。これは、さらに使用するために、新しいランセットを有するカセットを挿入しなければならないことを使用者へ知らせる。図45は、ランセットがピストンから取外されるときにランセットの移動を容易にさせるように、案内壁601が取除かれるか、または短くされるのを示す。
本発明を、好ましく、かつ典型的な実施例を参照して説明してきたが、種々の変更、追加および削除は、以下の特許請求の範囲により明示される本発明の範囲内であることが、当該技術に有能な者により理解される。
本発明の1つの典型的な実施例に従う試料採取器具の透視図である。 図1の試料採取器具の平面図である。 開放されたハウジングを有する図1の試料採取器具の分解図である。 図3の試料採取器具のランセットと検査部材を有するキャリアの分解図である。 図2の矢印A−Aを通る断面に沿う図である。 図2の矢印B−Bを通る断面に沿う図である。 本発明の他の典型的な実施例に従う試料採取器具の平面図である。 本発明の典型的な実施例に従う貫通部材のカセットの図とランセットの詳細図である。 本発明の典型的な実施例に従う貫通部材のカセットの図とランセットの詳細図である。 本発明の他の実施例に従うランセットのカセットの図である。 本発明の他の実施例に従うランセットのカセットの図である。 本発明の他の実施例に従うランセットのカセットの図である。 本発明の他の実施例に従うランセットのカセットの図である。 本発明の典型的な実施例に従う図10乃至13のランセット用の典型的な駆動機構の図である。 本発明のさらに他の実施例に従うランセットのカセットの図である。 本発明のさらに他の実施例に従うランセットのカセットの図である。 本発明の典型的な実施例に従う、ランセットから保護キャリアの取外し操作のシーケンス図である。 本発明の典型的な実施例に従う、ランセットから保護キャリアの取外し操作のシーケンス図である。 本発明の典型的な実施例に従う、ランセットから保護キャリアの取外し操作のシーケンス図である。 本発明の典型的な実施例に従う、ランセットから保護キャリアの取外し操作のシーケンス図である。 本発明の典型的な実施例に従う試料採取器具の作動と解除機構部分の図である。 本発明の実施例に従う試料採取器具とランセットの分解図および平面図と底面図である。 本発明の実施例に従う試料採取器具とランセットの分解図および平面図と底面図である。 本発明の実施例に従う試料採取器具とランセットの分解図および平面図と底面図である。 図19乃至21の試料採取器具の作動サイクルの操作シーケンス図である。 図19乃至21の試料採取器具の作動サイクルの操作シーケンス図である。 図19乃至21の試料採取器具の作動サイクルの操作シーケンス図である。 図19乃至21の試料採取器具の作動サイクルの操作シーケンス図である。 図19乃至21の試料採取器具の作動サイクルの操作シーケンス図である。 図19乃至21の試料採取器具の作動サイクルの操作シーケンス図である。 図19乃至21の試料採取器具の作動サイクルの操作シーケンス図である。 本発明の他の実施例に従う試料採取器具の部分的内部図である。 図29の器具の操作シーケンス図である。 図29の器具の操作シーケンス図である。 図29の器具の操作シーケンス図である。 本発明の試料採取器具の他の実施例の透視図である。 図33の試料採取器具の部分的内部図である。 図33の試料採取器具の構成部材の分解図である。 図33の試料採取器具の構成部材の分解図である。 本発明の試料採取器具のランセットの典型的な実施例の詳細図である。 本発明の試料採取器具のランセットの典型的な実施例の詳細図である。 本発明の典型的な実施例に従うランセットを製造する工程図である。 本発明の典型的な実施例に従うランセットを製造する工程図である。 本発明の典型的な実施例に従うランセットを製造する工程図である。 本発明の典型的な実施例に従うランセットキャリアの透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う抑留リングの透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う試料採取器具の使用前と使用後それぞれのキャリアとランセットの透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う試料採取器具の使用前と使用後それぞれのキャリアとランセットの透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う試料採取器具のハウジングの部分的透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う試料採取器具のハウジングの部分的透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う試料採取器具のピストンまたはプランジャ部材の透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う試料採取器具の離脱部材の透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う試料採取器具の引張りまたは起動ホイール部材の透視図である。 本発明の典型的な実施例に従う、下部カバーを取外した試料採取器具の底面図である。

Claims (31)

  1. ハウジングと、
    ランセット本体を有する少なくとも1つのランセットと保護キャップとを備える、前記ハウジング内に着脱自在に取付けられるカセットと、
    走行経路に沿って前記ランセットを推進するピストンであって、前記ランセットと離脱自在に係合し、かつ前記ランセットの走行経路の少なくとも一部分に沿って前記ランセット本体と前記保護キャップとを分離させるピストンを備えたランセット切開器具。
  2. カセットは、保護キャップをランセット本体から分離後に、前記ランセットの走行経路から前記保護キャップを移動する偏向構成部材を備える請求の範囲第1項のランセット切開器具。
  3. カセットは、保護キャップをランセットの走行経路から案内するために、前記保護キャップと係合する少なくとも1つの案内ポストを備える請求の範囲第2項のランセット切開器具。
  4. 保護キャップは、その両側に一対の窪みを備え、一対の案内ポストが、前記保護キャップをランセットの走行経路から案内するために、前記窪み内に摺動自在に係合される請求の範囲第3項のランセット切開器具。
  5. ピストンを作動する起動機構を備える請求の範囲第1項のランセット切開器具。
  6. カセットは、複数のランセットから成り、前記複数のランセットそれぞれをピストンの運動に連動して順次係合するようにカセットを、前進機構を介して前送りする起動機構を備えた請求の範囲第5項のランセット切開器具。
  7. 前記前進機構が、起動機構によって駆動される請求の範囲第6項のランセット切開器具。
  8. 起動機構の作動により、ピストンが引込まれ、ランセット本体が保護キャップから分離される請求の範囲第5項のランセット切開器具。
  9. カセットは、軸の回りに放射状に配置される複数のランセットを備える請求の範囲第1項のランセット切開器具。
  10. カセットは、ランセットの走行経路を形成する放射状に延びる案内部材をさらに備える請求の範囲第9項のランセット切開器具。
  11. 複数のランセットは、平面内に載置され、ピストンは、その平面内で走行経路に沿ってランセットを推進する請求の範囲第9項のランセット切開器具。
  12. 複数のランセットの1つがピストンと係合する位置を通して、カセットを順次前送りする起動機構を備える請求の範囲第9項のランセット切開器具。
  13. 起動機構の作動により、ピストンが駆動され、ランセット本体が保護キャップから分離される請求の範囲第12項のランセット切開器具。
  14. カセットは、該カセットから延びる複数のバネ部材を有する抑留手段を備え、バネ部材は、保護キャップをランセット本体から分離後に、ランセットの走行経路から前記保護キャップを移動するために、前記複数のランセットから離れて前記保護キャップと係合する請求の範囲第9項のランセット切開器具。
  15. 抑留手段は、ランセットの走行経路を形成する複数の案内凸縁部を備える請求の範囲第14項のランセット切開器具。
  16. バネ部材のそれぞれは、全体的にU形のループを備える請求の範囲第14項のランセット切開器具。
  17. ランセット本体とピストンには、相互に係合する連結部材が備えられ、前記相互に係合する連結部材は、前記ランセット本体と前記ピストンを係合のために整合するテーパ状の引込みセクションを備える請求の範囲第1項のランセット切開器具。
  18. それぞれのランセットは、ランセット本体から延びる弾性凸縁部を備える請求の範囲第1項のランセット切開器具。
  19. 前記ハウジングは、腕時計ケースに類似し、腕バンドをさらに備える請求の範囲第1項のランセット切開器具。
  20. 試料採取と分析の媒体を備える請求の範囲第1項のランセット切開器具。
  21. カセットは、設置したときに前記カセットのハウジングとの適正な整合を確認する整合表示手段を備える請求の範囲第1項のランセット切開器具。
  22. 鋭い先端部と前記鋭い先端部を覆う保護キャップとを有する少なくとも1つのランセットと、
    少なくとも1つのランセットを第1の位置から第2の位置まで動かすバネと、
    前記バネを押圧し、かつ単一の連続起動動作で前記少なくとも1つのランセットから保護キャップを取外す起動機構を備えたランセット切開器具。
  23. 保護キャップを有する少なくとも1つのランセットと、
    前記少なくとも1つのランセットと係合し、かつ前記保護キャップを前記ランセットから分離するピストンと、
    前記ランセットの走行経路から保護キャップを移動する偏向部材を備えたランセット切開器具。
  24. 走行経路に沿って移動自在な少なくとも1つのランセットと、
    前記少なくとも1つのランセットから保護キャップを取外す手段と、
    取外された保護キャップを前記ランセットの走行経路から移動する偏向手段とから構成されるランセット切開器具であって、
    前記走行経路は、前記偏向手段を通して延びているランセット切開器具。
  25. ランセットのそれぞれが、ランセット本体と、前記ランセット本体の一端部から延びるランセット先端部と、鋭いランセット先端部を覆う保護キャップとを備え、前記保護キャップが、ランセット本体及びランセット先端部から取り外し可能である複数のランセットと、
    前記複数のランセット用の走行経路を形成しかつ、ランセットから取り外された前記保護キャップを該ランセットの走行経路から外れた位置において係合する窪みを形成されたキャリアと、
    前記複数のランセットそれぞれを所定の走行経路上に保持する保留手段と、を備えたランセット切開カセット。
  26. キャリアは少なくとも1つの案内ポストを備え、ランセットの保護キャップは、前記案内ポストそれぞれに係合する窪みを備える請求の範囲第25項のランセット切開カセット。
  27. それぞれのランセットの保護キャップは、その両側に一対の窪みを備え、キャリアは、保護キャップを直線動作に制約するために、前記窪みのそれぞれと係合する案内ポストを備える請求の範囲第26項のランセット切開カセット。
  28. 抑留手段には、複数のバネ部材が備えられ、前記バネ部材は、ランセットの走行経路から複数のランセットの保護キャップを偏向する請求の範囲第25項のランセット切開カセット。
  29. 複数のバネ部材のそれぞれは、概ねU形のループを備える請求の範囲第26項のランセット切開カセット。
  30. 護キャップを取付けた少なくとも1つのランセットと、
    前記ランセットのそれぞれから保護キャップを離すように動かすバネと、
    前記バネの影響を受けて、走行経路に沿って保護キャップを制約する少なくとも1つの案内手段を備えたランセット切開カセット。
  31. バネは、ランセットそれぞれの保護キャップと係合する平坦なセクションを備える請求の範囲第30項のランセット切開カセット。
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