JP3976635B2 - キット製剤用注射器、注射器型キット製剤用中間摺動弁、及び、注射器型キット製剤、並びにx線造影剤キット製剤 - Google Patents

キット製剤用注射器、注射器型キット製剤用中間摺動弁、及び、注射器型キット製剤、並びにx線造影剤キット製剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に中間摺動弁を摺動可能に有し、かつ該中間摺動弁のプランジャ操作側の注射筒内に他の摺動弁(プランジャ摺動弁あるいは他の中間摺動弁)とともに形成する空間にあらかじめ充填された薬液を有する注射器型キット製剤、そのようなキット製剤を可能とするキット製剤注射器及び注射器型キット製剤用中間摺動弁、及び、X線造影剤用キット製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
注射器型キット製剤は必要な薬液が予め注射筒内に充填されているため、迅速な操作が可能であるのみならず、従来の注射のようにアンプルやバイアルから薬液を注射筒内へ吸い上げる必要がないため、ガラス粉やゴム片などの夾雑物の混入のおそれが全くなく、また、感染などの医療事故を予め防止できるなどの利点を多く持つ優れた技術である。
【0003】
ここで、例えば、治療には物理的、化学的あるいは薬理学的特性の異なる2種類以上の薬剤が必要であるが、これらの薬剤が安定性確保等の問題で混合液とすることができないもの(例えば酸性薬剤とアルカリ性薬剤との組み合わせ等)、あるいは、治療薬(第2の薬液)の注射の際に投与部位にはげしい痛みを与えるため、その除痛の目的で第2の薬液の投与の前に予め局所麻酔剤を第1の薬液として投与するものなどが知られている。
【0004】
このうち、後者の例として変形性膝関節症、肩関節周囲炎などの、第1の薬液が例えば塩酸リドカインなどの局所麻酔剤と、注射針の太さの影響、pHや浸透圧比が体液と大きく異なり、また、医師の拙劣手技等の理由により患者の患部に激痛を与えるおそれのあるヒアルロン酸ナトリウムなどの治療剤などと、あるいは、世界中で汎用されているものの、静脈血管に激痛を与えることが知られている導入麻酔剤(プロポフォール)などとの組み合わせがその典型的な事例として考えられる。
【0005】
このような注射器型キット製剤として、本発明者等による、1回の注射操作で2種類以上の薬剤を混合することなく、順次注射することができる直列順次分注型注射器を用いた注射器型キット製剤について説明する。
【0006】
図1(a)は2種類の薬剤を1回の操作で注射することができる直列順次分注型注射器を用いた注射器型キット製剤の例を示すモデル図である。
【0007】
ここに示されたキット製剤の注射器は一端に注射針接続部1aを有し、他端のプランジャ操作側端に開口を有する注射筒1内に、1個の中間摺動弁3及び1個のプランジャ摺動弁2とが収められ、注射筒1内部はこれら摺動弁2及び3によりその前後で水密に区画されている。さらに、注射筒1の注射針装着部1aがエラストマー性を有する素材からなるキャップ4により密栓され、前記中間摺動弁3の注射筒針側空間には第1の薬液5が、中間摺動弁3とプランジャ摺動弁2との間の空間には第2の薬液6がそれぞれ充填されている。この例ではプランジャ摺動弁2には取り外し可能なプランジャ操作部2aが取り付けられている。
【0008】
この注射器の注射筒1の側面の注射筒針側端付近には側面壁の一部が注射筒軸に対して放射方向に突出してなる連通通路1cが設けられている。
【0009】
中間摺動弁3’は図2(a)に進行方向前方側から、図2(b)に進行方向後方側から見た図を示すように、略円柱状であって、その側面のプランジャ操作側(進行方向後側)には周方向を一周する環状リップ3a’が1つ設けられ、この環状リップ3a’は注射筒1の内壁に当接し、その注射筒内前後の空間を水密に区画している。一方、中間摺動弁3’側面の注射筒針側(進行方向側)には注射筒1の内壁に当接し、略円柱状の中間摺動弁3’の摺動の際にもその軸線を注射筒1の軸線と一致させるよう保持部3b’が設けられている。この保持部3b’は環状リップ3a’とは異なり、中間摺動弁3’の側面を一周するものではなく、中間摺動弁3’の側面の環状リップ3a’と保持部3b’との間の空間は、中間摺動弁3’の注射筒針側空間へ連通して一体となっているため、注射筒針側空間と中間摺動弁とプランジャ摺動弁との間の空間と同様に第1の薬液5が充填されている。
【0010】
ここで、このような形状の中間摺動弁ではなく、環状リップを2つ以上有する中間摺動弁を用いた場合にはそれら中間摺動弁と注射筒1内壁とで形成される密閉空間に空気が閉じこめられ、注射操作により対象者の体内に注射される可能性があるが、このような環状リップを1つだけ有する中間摺動弁によりそのような不都合が回避できる。さらにこの中間摺動弁3’の進行方向底面には凸部3c’が設けられている。
図1(b)は図1(a)のLLにおける断面図(モデル図)である。
【0011】
このようなキット製剤は使用に先立ち、図1(c)に示すよう注射筒1の注射針接続部1aに注射針7が装着される。
【0012】
このとき、第1の薬液5の部分に注射針装着操作等で気泡が生じた場合、注射針側を上にしてプランジャ操作部2aを操作することによりその気泡を除去することができる。なお、第1の薬液5の注射量を特に少なくする場合には、この段階でプランジャ操作部2aを操作して第1の薬液5の量を減らす。
【0013】
次いで注射針7を要注射部位に刺し、その後プランジャ操作部2aを注射筒1針装着側に移動させる操作を行って第1の薬液5を注射する(図3(a)参照)。
【0014】
その後、さらにプランジャ操作部2aの操作を続けると、今度は第2の薬液6が要注射部位に注射される。このとき中間摺動弁3’が注射筒針側に移動して注射筒先端部に達するが、中間摺動弁3’に設けられた前述の凸部3c’が注射筒底部1bに当接するため、中間摺動弁3’は注射筒底部1bに密着することがなく、さらに連通通路1cがバイパスとなるので、これら摺動弁が注射筒底部1b側に移動しても、第2の薬液6の注射針7への供給通路が確保される。
【0015】
図3(b)はプランジャ操作部2aの操作が終了し第2の薬液6の注射が終了した状態(注射完了状態)を示す。通常、この状態で要注射部位から注射針を抜くが、第2の薬液6の注射量を少なくする場合には、第2の薬液6が注射筒1内に残った状態で注射針を注射部位から抜いても良い。
【0016】
このような直列順次分注型注射器型キット製剤において、第1の薬液が局所麻酔剤であって第2の薬液が治療薬の場合、第1の薬液5が注射された部位に第2の薬液6が確実に注射されるため、第2の薬液6が体液に比して、pH、浸透圧、温度などが大きく異なっていても、痛みのない、あるいは、痛みの少ない注射が可能となる。
【0017】
しかしながら、このような直列順次分注型注射器にも欠点があった。
すなわち、中間摺動弁の側面と注射筒内面との間の空間はデッドボリュームとなりこの空間に存在する薬液は注射に寄与しない。ここで、注射剤の中には1mlあたり数千円〜数万円するような高価なものもあり、その価格を無視できない場合がある。このことは特にX線造影剤のように一回の注射量が100mlにもなるような場合、大口径の注射器を使う場合に顕著である。
【0018】
しかしながら、デッドボリュームを小さくするために、保持部3b’を大きくすると、注射筒内壁との接触面積が大きくなり、その結果中間摺動弁の摺動抵抗が大きくなり操作性が著しく劣化する。あるいは、保持部3b’を大きくすることなくデッドボリュームを減らすために、中間摺動弁側面と注射筒内面との間に形成される空間の厚さを薄くすると、キット製剤製造の際の薬液充填時にその空間に空気などの充填時雰囲気ガスが泡となって閉じこめられて容易には除去できず、注射時にそのガスが注射されるおそれが生じ、結果として、不良品が多発し、生産性が低下するのみならず、医薬品であるキット製剤としての信頼性も著しく低下する。
【0019】
ここで、注射器自体は従来の通常のもの(連通通路を有しないもの)を用い、但し、中間摺動弁に中空部を設け、前液の注射操作が終了したときに後液の圧力によって中間摺動弁の一部が変形して、その側面と注射筒内壁との間に通液路が形成されると云う技術が提案されている(特開平10−57486号公報、特開平10−80485号公報)。
【0020】
しかし、このような中間摺動弁の変形による通液路の形成条件は中間摺動弁に加わる動圧力及び中間摺動弁を形成する材料の柔軟性に依存するため、通液路形成は酷暑地や極寒地での使用時はもちろん、操作者の力のかけ方、薬剤の粘度・温度、あるいは、用いる注射針の太さなどの条件にも左右され、常に誤動作の危険が伴い、その信頼性は著しく低く、1回の注射操作で複数の薬剤を確実に順次注射するという要求性能に充分に対応することができないものであった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、1回の注射操作で複数の薬剤を確実に順次注射可能で、操作性が良好であり、薬液充填時での泡の混入の可能性が低く、かつ、注射に寄与しない薬液の原因となるデッドボリュームがきわめて小さいキット製剤用注射器、そのようなキット製剤用注射器を可能とする中間摺動弁を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明のキット製剤用注射器は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、略円柱状であって、その側面に注射筒内に挿入された際に注射筒内壁とともに水密に区画された空間を形成する凹部を有する中間摺動弁であって、該凹部とは独立して、該中間摺動弁が注射筒内に挿入された際に形成される該中間摺動弁プランジャ操作側の注射筒内空間から、中間摺動弁側面の注射筒内壁に接する面の、上記凹部のうち中間摺動弁進行方向の最も先頭側の凹部よりもさらに先頭側に至る後方薬液用通路を備えた中間摺動弁を注射筒内部に摺動可能に有し、かつ、
該注射筒の内壁の注射針側端付近に、該中間摺動弁が注射筒内の最も注射針側に達したときに上記中間摺動弁の後方薬液用通路に接続し、かつ、後方薬液用通路に接続したときに、中間摺動弁をバイパスして、中間摺動弁のプランジャ操作側の薬液を該中間摺動弁の注射筒内注射針側に供給可能な連通通路を有するキット製剤用注射器である。
【0023】
このような構成により、中間摺動弁側面に形成された凹部により摺動抵抗を低減しながら、該凹部と注射筒内壁とによって形成された水密に区画された空間には薬液が充填されないので無駄とならず、さらに、後方薬液用通路は凹部とは独立して設けられているので、この通路内に空気等が混入するおそれがない。
【0024】
また、この後方薬液用通路の先端は中間摺動弁側面の注射筒内壁に接する面に設けられているので、摺動弁自体が注射筒内を摺動して注射針側端付近に達して後方薬液用通路が注射筒の内壁の注射針側端付近に設けられた連通通路に接続しない限りはこの中間摺動弁進行方向後方の薬液が中間摺動弁の進行方向の前方に供給されることはなく、信頼性が極めて高い。さらに、後方薬液用通路は凹部のうち中間摺動弁進行方向の最も先頭側の凹部よりもさら先頭側箇所に至っているため、連通通路と凹部とが接続しない状態での連通通路と後方薬液用通路との接続の確保が可能であり、そのとき、凹部と注射筒内壁との空間に存在するガスと連通通路とが接続することがないので、薬液内にガスが混入することが防止されている。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明における中間摺動弁とは、プランジャによって直接駆動される摺動弁ではなく、進行方向後側の薬液によって間接的に駆動される摺動弁であり、略円柱状であって、その側面に注射筒内に挿入された際に注射筒内壁とともに水密に区画された空間を形成する凹部を有する中間摺動弁であって、該凹部とは独立して、該中間摺動弁が注射筒内に挿入された際に形成される該中間摺動弁プランジャ操作側の注射筒内空間から、中間摺動弁側面の注射筒内壁に接する面の、上記凹部のうち中間摺動弁進行方向の最も先頭側の凹部よりもさらに先頭側に至る後方薬液用通路を備えていることが必要である。
【0026】
このような本発明に係る中間摺動弁の一例αを図4(a)〜図4(c)に示す。
図4(a)は側面図、図4(b)は摺動弁進行方向後方からの斜視図、図4(c)は摺動弁進行方向前方からの斜視図である。この中間摺動弁αは後方薬液用通路として、この中間摺動弁αが注射筒内に挿入された際に形成されるプランジャ操作側の注射筒内空間に開口する後方薬液入口α1、中間摺動弁側面の注射筒内壁に接する面の、上記凹部のうち中間摺動弁進行方向の最も先頭側の凹部α4(この例では1つだけであるが複数ある場合もある)よりもさらに先頭側箇所に開口する後方薬液出口α2、及び、これら後方薬液入口α1と後方薬液出口α2とを連通する、摺動弁α自体に穿たれた連通孔α3により構成されている。この後方薬液用通路は中間摺動弁の摺動性を向上させる目的で設けられた凹部α4とは独立して設けられている。この例では後方薬液用通路は略円柱状の中間摺動弁αに対して互いに等角度(120°)となるように3つ設けられている。なお、後方薬液用通路の断面積は、用いる注射針の内径の断面積に対して同等以上であれば通常充分であり、小さいほど残留する薬液の量は少なくてすむ。
【0027】
図4(d)〜図4(f)には本発明に係る他の中間摺動弁の例βを示す。
図4(d)は側面図、図4(e)は摺動弁進行方向後方からの斜視図、図4(f)は摺動弁進行方向前方からの斜視図である。
【0028】
この中間摺動弁βでは、後方薬液用通路β1は、中間摺動弁βの側面に溝状に設けられていて、中間摺動弁の摺動性を向上させる目的で設けられた凹部β2とは独立して設けられており、後方薬液用通路β1の摺動弁β進行方向の先端は凹部β2よりもさらに先頭側に位置している。この例でも後方薬液用通路は略円柱状の中間摺動弁βに対して互いに等角度(120°)となるように3つ設けられている。なお、後方薬液用通路の断面積は、用いる注射針の内径の断面積に対して同等以上であれば通常充分であり、小さいほど残留する薬液の量は少なくてすむ。
【0029】
なお、図4(g)〜図4(i)には、通常のプランジャ摺動弁(プランジャにより直接駆動される摺動弁)γを示した。
図4(g)は側面図、図4(h)は摺動弁進行方向後方からの斜視図、図4(i)は摺動弁進行方向前方からの斜視図である。
【0030】
このプランジャ摺動弁には、上記摺動弁α及びβ同様に摺動抵抗軽減のために凹部γ1が設けられているが、後方薬液用通路は設けられていない。なお、γ2はプランジャ操作部(図示しない)の注射針側先端の嵌合部に嵌合する嵌合孔である。
【0031】
上記のような本発明に係る中間摺動弁は図5(a)にその断面を、図5(b)にその先端側を斜視図で示すような注射筒1に摺動可能に収納される。
注射筒1はその一端の注射針側底面の中央に注射針接続部1aを有し、他端のプランジャ操作側端に開口を有する。
【0032】
注射筒1の内壁の注射針側端付近に、本発明に係る中間摺動弁が注射筒内の最も注射針側に達したときに上記中間摺動弁の後方薬液用通路に接続し、かつ、後方薬液用通路に接続したときに、中間摺動弁をバイパスして、該中間摺動弁のプランジャ操作側の薬液を該中間摺動弁の注射筒内注射針側に供給可能な連通通路1cが設けられている。この例では連通通路1cは注射筒1内壁周方向を一周するように設けられているが、上述の本発明に係る摺動弁αあるいはβのように、後方薬液用通路1dが略円柱状の中間摺動弁に対して互いに等角度(120°)となるように3つ設けられている場合には周方向120°超(例えば130〜140°)となるように設けられていれば充分である。
【0033】
さらにこの注射筒1底面には中間摺動弁が最も注射針側に位置した場合において、後方薬液用通路に接続した連通通路1cによって中間摺動弁の注射筒内注射針側(中間摺動弁進行方向前方)に供給された中間摺動弁のプランジャ操作側(中間摺動弁進行方向後方)の薬液を、さらに注射針への液導入孔1a1に供給するための溝状の注射針側面液通路1dが注射筒1注射針側底面に、略円筒形の注射筒1に対して等角度(90°)ずつ4つ設けられている。ただし、注射針注射針側面液通路1dは1つ設けられていれば通常充分で、またその通路の断面積は用いる注射針の内径の断面積に対して同等以上(好ましくは1.5倍〜2倍程度)であれば通常充分であり、小さいほど残留する薬液の量は少なくてすむ。
【0034】
図6(a)〜図6(c)には併用するプランジャ摺動弁の例2を示した。
図6(a)は側面図、図6(b)は摺動弁進行方向後方からの斜視図、図6(c)は摺動弁進行方向前方からの斜視図である。
【0035】
プランジャ摺動弁進行方向前面は用いる中間摺動弁の進行方向後面の形状に適合させることにより、これら摺動弁の間に残留する薬液の量を少なくすることができる。なお、図6(b)の中間摺動弁の進行方向後面中央に見えるのはプランジャ操作部(図示しない)の注射針側先端の嵌合部に嵌合する嵌合孔(モデル的に示す)である。
【0036】
上記のような中間摺動弁α、注射筒1及びプランジャ摺動弁2を用いて作製した本発明に係る直列順次分注型注射器を用いた注射器型キット製剤の例を図7(a)にモデル断面図で示す。
【0037】
図7に示されたキット製剤は一端に注射針接続部1aを有し、他端のプランジャ操作側端に開口を有する注射筒1内に、1個の中間摺動弁α及び1個のプランジャ摺動弁2とが摺動可能に収められ、注射筒1内部はこれら摺動弁α及び2によりその前後で水密に区画されている。さらに、注射筒1の注射針装着部1aがエラストマー性を有する素材からなるキャップ4により密栓され、前記中間摺動弁αの注射筒針側空間には第1の薬液5が、中間摺動弁αとプランジャ摺動弁2との間の空間には第2の薬液6がそれぞれ充填されている。
【0038】
このようなキット製剤は使用に先立ち、図7(b)に示すよう注射筒1の注射針接続部1aに注射針7が装着される(なお注射針7の代わりに、チューブ、活栓類などのアクセサリー類が接続されていても良い)。またプランジャ摺動弁2にはプランジャ操作部2aが取り付けられる。
【0039】
このとき、第1の薬液5の部分に注射針装着操作等で気泡が生じた場合、注射針側を上にしてプランジャ操作部2aを操作することによりその気泡を除去することができる。なお、第1の薬液5の注射量を特に少なくする場合には、この段階でプランジャ操作部2aを操作して第1の薬液5の量を減らす。
【0040】
次いで注射針7を要注射部位に刺し、その後プランジャ操作部2aを注射筒1注射針側に移動させる操作を行って第1の薬液5を注射する(図7(c)参照)。
【0041】
その後、さらにプランジャ操作部2aの操作を続けると、今度は第2の薬液6が要注射部位に注射される。このとき中間摺動弁αが注射筒注射針側に移動して注射筒先端部(最も注射針側)に達する(図8(a)参照)。
【0042】
このとき、中間摺動弁αの後方薬液用通路の後方薬液出口α2は、注射筒1の内壁の注射針側端付近に設けられた連通通路1cに接続し、さらに連通通路1cは注射筒1注射針側底面に設けられた注射針側面液通路1dに接続しているため、中間摺動弁αのプランジャ操作側空間の後方薬液6は後方薬液用通路の後方薬液入口α1から連通孔α3及び後方薬液出口α2、連通通路1c、注射針側面液通路1dを経て注射針へ導入される。なお、中間摺動弁αが注射筒1先端部に達していないときには後方薬液出口α2は注射筒1内面によって密封されているために中間摺動弁αのプランジャ操作側空間の後方薬液6の中間摺動弁の注射筒内注射針側への移動は生じない。
【0043】
図9はプランジャ操作部2aの操作が終了し第2の薬液6の注射が終了した状態(注射完了状態)を示す。通常、この状態で要注射部位から注射針を抜くが、第2の薬液6の注射量を少なくする場合には、第2の薬液6が注射筒1内に残った状態で注射針を注射部位から抜いても良い。
【0044】
このような直列順次分注型注射器型キット製剤において、第1の薬液が局所麻酔剤であって第2の薬液が治療薬の場合、第1の薬液5が注射された部位に第2の薬液6が確実に注射されるため、第2の薬液6が体液に比して、pH、浸透圧、温度などが大きく異なっていても、痛みのない、あるいは、痛みの少ない注射が可能となる。
【0045】
なお、上記では本発明に係る中間摺動弁αを用いた例を説明したが、本発明に係る中間摺動弁βを用いた場合であっても操作は同様であり、ただし図8(a)を用いた説明での、中間摺動弁αのプランジャ操作側空間の後方薬液6は後方薬液用通路の後方薬液入口α1から連通孔α3及び後方薬液出口α2、連通通路1c、注射針側面液通路1dを経ての注射針へ導入が、図8(b)に示すように、この中間摺動弁βの側面に設けられた溝状の後方薬液用通路β1、連通通路1c、注射針側面液通路1dを経ての注射針への導入となる。
【0046】
また、本発明に係る中間摺動弁αにより後方薬液用通路として中間摺動弁自体を穿った連通孔による中間摺動弁の後方液の導入の例、本発明に係る中間摺動弁βでは後方薬液用通路として中間摺動弁側面に設けられた溝による中間摺動弁の後方液の導入の例をそれぞれ示したが、例えば図10(a)及び図10(b)に示すような、後方薬液用通路として溝と連通孔との併用(溝と連通孔との順序は逆であっても良い)による中間摺動弁の後方液の導入を行っても良く、その場合も当然本発明に含まれる。
【0047】
本発明において中間摺動弁の注射筒内の移動はその後方薬液を介して加えられる圧力によって生じるが、後方薬液用通路が注射筒内壁の注射針側端付近に設けられた連通通路に接続した瞬間にその圧力が急激に低下するため、後方薬液用通路と連通通路との接続箇所の断面積が用いる注射針の内断面積に比べ同程度以上に大きくならない前に中間摺動弁の移動が止まってしまい、それ以降のプランジャの操作にはきわめて大きな力が必要となる場合がある。
【0048】
このような不都合を解消するために、後方薬液用通路の中間摺動弁進行方向の最も先頭側に、その後方薬液用通路を摺動弁側面周方向に拡大する拡大部を設けることが望ましい。
【0049】
このような中間摺動弁の例を図11(a)〜(f)に示す。
図11(a)〜図11(c)に本発明に係る中間摺動弁の一例αに後方薬液用通路を摺動弁側面周方向に拡大する拡大部α5’を設けたα’を、図11(d)〜図11(f)に本発明に係る中間摺動弁の一例βに後方薬液用通路を摺動弁側面周方向に拡大する拡大部β3’を設けたβ’を示す。これら図中符号は「’」を付けない図4(a)〜図4(f)中の符号にそれぞれ対応する。
【0050】
また、上記で用いた注射筒1にはその注射針側底面に溝状の注射針側面液通路1dが設けられていたが、溝状の注射針側面液通路を注射筒の注射針側底面に設けず、例えば、中間摺動弁の進行方向前方側面に溝状の注射針側面液通路を設けても良く、そのような中間摺動弁の例を図12(a)〜(f)に示す。
【0051】
図12(a)〜図12(c)に本発明に係る中間摺動弁の一例αに中間摺動弁の進行方向前方側面に溝状の注射針側面液通路α6”を設けたα”を、図12(d)〜図12(f)に本発明に係る中間摺動弁の一例βに中間摺動弁の進行方向前方側面に溝状の注射針側面液通路β4”を設けたβ”を示す。これら図中符号は「”」をつけない図4(a)〜図4(f)中の符号にそれぞれ対応する。
【0052】
これら中間摺動弁の進行方向前方側面に設けられた溝状の注射針側面液通路により、上記中間摺動弁が注射筒内の最も注射針側に達し、その注射針側面が注射筒注射針側底面に密着した際にも、注射筒の内壁の注射針側端付近に設けられた上記連通通路と注射筒注射針側底面に設けられた注射針への液導入孔との間の液流が確保される。なお、注射針側面液通路の断面積は用いる注射針の内径断面積と同等以上であることが望ましいが、大きすぎると薬液が無駄になるので注射針の内径断面積の同等以上2倍以下で充分であり、また上記例ではそれぞれ注射針側面液通路が3つあるが、1つあれば通常は充分である。
【0053】
また、溝状の注射針側面液通路の代わりに、中間摺動弁が最も注射針側に移動した場合であっても、注射筒の注射針側底面に密着せず、連通通路から注射針への液流が確保されるように中間摺動弁の進行方向前方側面に凸部を設けても良く、そのような例を図13(a)〜(c)に示す。中間摺動弁β”’は記中間摺動弁が注射筒内の最も注射針側に達したときにも注射筒注射針側底面への密着を防止する密着防止凸部β5”’が上記中間摺動弁βの中間摺動弁の進行方向前方側面に設けてある。しかし、密着防止凸部による液通路確保は上記の他の例よりもデッドボリュームが大きくなりやすく、そのとき無駄となる薬液量が多くなる。
【0054】
ここで、上記のようなキット製剤用注射器の応用例として、X線造影剤用キット製剤が挙げられる。
すなわち、注射筒内に挿入された中間摺動弁あるいはプランジャ摺動弁によって水密に区画された2つ以上の空間にあらかじめそれぞれ薬液が充填され、該薬液がプランジャの操作によって混合されることなく順次排出される直列順次分注型注射器を用いるキット製剤において、1つの薬液がX線造影剤を有する薬液であり、かつ、該X線造影剤を有する薬液の排出後にX線造影剤を有しない薬液が排出されるX線造影剤キット製剤である。
【0055】
このとき上記X線造影剤を有しない薬液が生理食塩水、生理食塩水以外の血液代用剤、ビタミン剤、蒸留水から選ばれる1種、または2種以上の混合物であることにより様々な効果が得られる。
【0056】
例えば、図7に示されたキット製剤において、第1の薬液5としてX線造影剤を70mL充填し、第2の薬液として生理食塩水、生理食塩水以外の血液代用剤、ビタミン剤、蒸留水から選ばれる1種、または2種以上の混合物30mLを充填する。ここで、血液代用剤として、例えば、生理食塩水、塩化ナトリウム注射液、デキストラン注射液、塩化アンモニウム注射液、塩化カリウム注射液、ヒドロキシエチルデンプン注射液、リン酸二カリウム注射液、開始液(塩化ナトリウム・ブドウ糖剤等)、ブドウ糖・デキストラン剤、維持液(乳酸ナトリウム・無機塩類・糖類剤)、術後回復液、脱水補給液、酢酸リンゲル液、リンゲル液、マンニトール配合剤などが挙げられる。すなわち、第2の薬剤としては医薬・生理学的に大きな効果は必要はなく、その主たる目的は、以下の3つである。
【0057】
1.X線造影剤はエクステンションチューブやカテーテルを介して対象者の体内に導入されることが多い。そのチューブ、カテーテルの内容積がデッドボリュームとなり、薬液が残留する。そのため、キット製剤の場合には体内に導入する必要量にデッドボリューム分を加えた量を充填する必要が出てくる。しかしながら、X線造影剤は100mlあたり約2万円と非常に高価であり、余分に充填することは経済的ではない。ここで第1の薬液のX線造影剤として、対象者体内に導入する必要量のみを充填し、第2の薬液として体内(あるいは血管内)に導入されたとしても医薬・生理学的に差し支えないものを選択し、チューブ内に残留する第1液を含めた必要量全部を対象者体内に「押し出す」ことが可能となる。
【0058】
なお、X線造影剤の導入のためのプランジャ操作は、X線撮影室での操作であるために自動注入器による自動・遠隔制御で行われるが、例えば上記で説明したような直列順次分注型注射器を用いることで、従来の自動注入器による操作が可能であり、新規の自動注入器を購入しなくても良い。
【0059】
さらに、上記のようにキット製剤であるために薬剤容器の開封、注射筒への吸引等の操作が不要であり、これら操作につきまとう、異物混入、細菌・ウィルス汚染などの心配がなく、また活栓の併用も必要がないので活栓による細菌・ウィルス汚染や、操作ミスなどがあらかじめ防止される。
【0060】
2.X線造影剤導入後に静脈内や静脈弁に残留した造影剤が凝固することがあり、血栓性静脈炎を引き起こすおそれがあるが、X線造影剤導入に速やかに上記のような第2液を導入することによりこれら造影剤の残留を防止する。
【0061】
3.造影剤の速やかな体内への押し出し(フラッシュ)が可能となって、主要血管係の造影効果の向上や静脈周辺のアーチファクト(虚像)の出現を軽減することが可能となり、これら効果により必要とする造影剤量を減らすことができ、コスト的に有利となるとともに、対象者身体への負担を減少させることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明のキット製剤用注射器は、1回の注射操作で複数の薬剤を確実に順次注射可能で、操作性が良好であり、薬液充填時での泡の混入の可能性が低く、かつ、注射に寄与しない薬液の原因となるデッドボリュームがきわめて小さい優れたキット製剤用注射器である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)2種類の薬剤を1回の操作で注射することができる直列順次分注型注射器を用いた注射器型キット製剤の従来例を示すモデル図である。
(b)図1(a)のLLにおける断面図(モデル図)である。
(c)注射針が装着された状態を示す図である。
【図2】従来技術に係る中間摺動弁3’を示す図である
(a)進行方向前方側から見た斜視図
(b)進行方向後方側から見た斜視図
【図3】(a)第1の薬液5の注射が終了した状態を示す図である。
(b)プランジャ操作部2aの操作が終了し第2の薬液6の注射が終了した状態(注射完了状態)を示す図である。
【図4】本発明に係る中間摺動弁α及びβと従来技術に係るプランジャ摺動弁γを示す図である。
(a)中間摺動弁αの側面図
(b)中間摺動弁αを進行方向後方側から見た斜視図
(c)中間摺動弁αを進行方向前方側から見た斜視図
(d)中間摺動弁βの側面図
(e)中間摺動弁βを進行方向後方側から見た斜視図
(f)中間摺動弁βを進行方向前方側から見た斜視図
(g)プランジャ摺動弁γの側面図
(h)プランジャ摺動弁γを進行方向後方側から見た斜視図
(i)プランジャ摺動弁γを進行方向前方側から見た斜視図
【図5】本発明のキット製剤用注射器で用いる注射筒の例を示す図である。
(a)断面図
(b)注射針装着側から見た部分斜視図
【図6】本発明のキット製剤用注射器で用いるプランジャ摺動弁の例を示す図である。(a)側面図
(b)進行方向後方側から見た斜視図
(c)進行方向前方側から見た斜視図
【図7】(a)2種類の薬剤を1回の操作で注射することができる本発明に係る直列順次分注型注射器を用いた注射器型キット製剤を示すモデル図である。
(b)注射針7とプランジャ操作部2aとが装着された状態を示す図である。
(c)第1の薬液5の注射が終了した状態を示す図である。
【図8】(a)本発明に係る中間摺動弁αを用いたときの第2の薬液の流れの様子を示す部分拡大断面図である。
(b)本発明に係る中間摺動弁βを用いたときの第2の薬液の流れの様子を示す部分拡大断面図である。
【図9】(a)プランジャ操作部2aの操作が終了し第2の薬液6の注射が終了した状態(注射完了状態)を示す図である。
【図10】本発明に係る別の摺動弁を示す図である。
(a)側面図
(b)進行方向後方側から見た斜視図
【図11】後方薬液用通路の中間摺動弁進行方向の最も先頭側に該後方薬液用通路を摺動弁側面周方向に拡大する拡大部を有する本発明に係る中間摺動弁α’及びβ’を示す図である。
(a)中間摺動弁α’の側面図
(b)中間摺動弁α’を進行方向後方側から見た斜視図
(c)中間摺動弁α’を進行方向前方側から見た斜視図
(d)中間摺動弁β’の側面図
(e)中間摺動弁β’を進行方向後方側から見た斜視図
(f)中間摺動弁β’を進行方向前方側から見た斜視図
【図12】中間摺動弁の進行方向前方側面に溝状の注射針側面液通路を設けた中間摺動弁α”及びβ”を示す図である。
(a)中間摺動弁α”の側面図
(b)中間摺動弁α”を進行方向後方側から見た斜視図
(c)中間摺動弁α”を進行方向前方側から見た斜視図
(d)中間摺動弁β”の側面図
(e)中間摺動弁β”を進行方向後方側から見た斜視図
(f)中間摺動弁β”を進行方向前方側から見た斜視図
【図13】注射筒内の最も注射針側に達したときにも注射筒注射針側底面への密着を防止する密着防止凸部を有する中間摺動弁β”’を示す図である。
(a)側面図
(b)進行方向後方側から見た斜視図
(c)進行方向前方側から見た斜視図
【符号の説明】
1 注射筒
1a 注射針接続部
1c 連通通路
2 プランジャ摺動弁
2a プランジャ操作部
α、β 本発明に係る中間摺動弁
4 キャップ
5 第1の薬液
6 第2の薬液
7 注射針

Claims (10)

  1. 略円柱状であって、その側面に注射筒内に挿入された際に注射筒内壁とともに水密に区画された空間を形成する凹部を有する中間摺動弁であって、該凹部とは独立して、該中間摺動弁が注射筒内に挿入された際に形成される該中間摺動弁プランジャ操作側の注射筒内空間から、中間摺動弁側面の注射筒内壁に接する面の、上記凹部のうち中間摺動弁進行方向の最も先頭側の凹部よりもさらに先頭側に至る後方薬液用通路を備えた中間摺動弁を注射筒内部に摺動可能に有し、かつ、
    該注射筒の内壁の注射針側端付近に、該中間摺動弁が注射筒内の最も注射針側に達したときに上記中間摺動弁の後方薬液用通路に接続し、かつ、後方薬液用通路に接続したときに、中間摺動弁をバイパスして、中間摺動弁のプランジャ操作側の薬液を該中間摺動弁の注射筒内注射針側に供給可能な連通通路を有することを特徴とするキット製剤用注射器。
  2. 上記中間摺動弁が注射筒内の最も注射針側に達したときにも注射筒注射針側底面への密着を防止する密着防止凸部を有することを特徴とする請求項1に記載のキット製剤用注射器。
  3. 上記中間摺動弁が注射筒内の最も注射針側に達し、その注射針側面が注射筒注射針側底面に密着した際にも、注射筒の内壁の注射針側端付近に設けられた上記連通通路と注射筒注射針側底面に設けられた注射針への液導入孔との間の液流を確保する注射針側面液通路が中間摺動弁に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキット製剤用注射器。
  4. 略円柱状であって、その側面に注射筒内に挿入された際に注射筒内壁とともに水密に区画された空間を形成する凹部を有する注射器型キット製剤用中間摺動弁において、該凹部とは独立して、該中間摺動弁が注射筒内に挿入された際に形成される該中間摺動弁プランジャ操作側の注射筒内空間から、中間摺動弁側面の注射筒内壁に接する面の、上記凹部のうち中間摺動弁進行方向の最も先頭側の凹部よりもさらに先頭側に至る後方薬液用通路を備えたことを特徴とする注射器型キット製剤用中間摺動弁。
  5. 上記後方薬液用通路の中間摺動弁進行方向の最も先頭側に該後方薬液用通路を摺動弁側面周方向に拡大する拡大部を有することを特徴とする請求項4に記載の注射器型キット製剤用中間摺動弁。
  6. 上記後方薬液用通路が、注射器型キット製剤用中間摺動弁が注射筒内に挿入された際に形成されるプランジャ操作側の注射筒内空間に開口する後方薬液入口、中間摺動弁側面の注射筒内壁に接する面の、上記凹部のうち中間摺動弁進行方向の最も先頭側の凹部よりもさらに先頭側箇所に開口する後方薬液出口、及び、これら後方薬液入口と後方薬液出口とを連通する、注射器型キット製剤用中間摺動弁に穿たれた連通孔により構成されることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の注射器型キット製剤用中間摺動弁。
  7. 上記後方薬液用通路が、上記注射器型キット製剤用中間摺動弁の側面に溝状に設けられてなることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の注射器型キット製剤用中間摺動弁。
  8. 略円柱状であって、その側面に注射筒内に挿入された際に注射筒内壁とともに水密に区画された空間を形成する凹部を有する中間摺動弁であって、該凹部とは独立して、該中間摺動弁が注射筒内に挿入された際に形成される該中間摺動弁プランジャ操作側の注射筒内空間から、中間摺動弁側面の注射筒内壁に接する面の、上記凹部のうち中間摺動弁進行方向の最も先頭側の凹部よりもさらに先頭側に至る後方薬液用通路を備えた中間摺動弁を注射筒内部に摺動可能に有し、かつ、
    該注射筒の内壁の注射針側端付近に、該中間摺動弁が注射筒内の最も注射針側に達したときに上記中間摺動弁の後方薬液用通路に接続し、かつ、後方薬液用通路に接続したときに、中間摺動弁をバイパスして、該中間摺動弁のプランジャ操作側の薬液を該中間摺動弁の注射筒内注射針側に供給可能な連通通路を有するキット製剤用注射器の、少なくとも注射筒の中間摺動弁のプランジャ操作側空間に薬液が充填されていることを特徴とする注射器型キット製剤。
  9. 注射筒内に挿入された中間摺動弁あるいはプランジャ摺動弁によって水密に区画された2つの空間にあらかじめそれぞれ薬液が充填され、該薬液がプランジャの操作によって混合されることなく順次排出される直列順次分注型注射器を用いるキット製剤において、1つの薬液がX線造影剤を有する薬液であり、かつ、該X線造影剤を有する薬液の排出後にX線造影剤を有しない薬液が排出されることを特徴とする請求項8に記載の注射器型キット製剤
  10. 上記X線造影剤を有しない薬液が生理食塩水、生理食塩水以外の血液代用剤、ビタミン剤、蒸留水から選ばれる1種、または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項9に記載の注射器型キット製剤
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