JP3975681B2 - 振動片の製造方法、振動片、振動子、発振器及び携帯用電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、例えば水晶等からなる振動片の製造方法、この製造方法により製造された振動片、この振動片を有する振動子、この振動子を備える発振器や携帯電話装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
振動片である音叉型水晶振動片10は、例えば図10に示すように構成されている。
すなわち、音叉型水晶振動片10は、基部11と、この基部11から突出して形成されている2本の振動腕部12,13を有している。そして、この2本の振動腕部12,13には、図10に示すように、溝12a,13aが表面及び裏面に形成されている。
このため、図10のA−A’断面図である図11に示すように振動腕部12,13は、その断面形状が略H型に形成されている。
【0004】
このような音叉型水晶振動片10は、水晶を一定の角度で切り出すことで形成される。この切り出し角度によりATカット、BTカット等と呼ばれ、カットの角度によって特有の振動特性を発揮することになる。
そして、このように特有の振動特性を有する音叉型水晶振動片10は、発振周波数が非常に安定しているため、広く利用されている。
しかし、水晶からなる音叉型水晶振動片10は、周囲温度の影響を受け周囲温度の変化により発振周波数が微妙に変化することになり、これが周波数温度特性といわれている。
この周波数温度特性は、例えば特定の温度で周波数が最も高くなるという放物線を描くため、最も周波数が高くなる温度が存在し、この点を頂点温度として周波数温度特性の一つの基準としている。
【0005】
同じカットアングルで切り出された音叉型水晶振動片10は同じ、前記頂点温度を有する。しかし、カットアングルの相違により図12に示すように頂点温度が変化してしまい、カットアングルが異なる音叉型水晶振動片は周波数温度特性が相違してしまう。これは、振動片によって周波数が大きく異なってしまうことを意味する。
したがって、従来より、同じ振動特性を有する音叉型水晶振動片を多数製造する場合は、水晶から切り出すカットアングルを常に同じにする必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の振動片の製造において、同じ振動特性を有する多数の音叉型水晶振動片10を正確に、同じカットアングルで水晶から切り出すことは困難であるという問題があった。
このため、カットアングルの相違により生じる上述の頂点温度の相違は、他の補正回路等により調整をしていたため、生産コストの上昇等を招くという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、生産コストを上昇させることなく、水晶の切り出し角度の誤差による頂点温度のばらつきを押さえ、決められた頂点温度に合わせることで、振動片毎の周波数温度特性を精度よく調整することができる振動片の製造方法、この製造方法により製造された振動片、この振動片を有する振動子、この振動子を備える発振器や携帯電話装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の振動片の製造方法は、水晶を所定のカットアングルで切り出して、基部と前記基部から突出して形成されている振動腕部とを形成する工程と、前記振動腕部の表面部及び/又は裏面部に溝部を形成する工程と、前記振動腕部の側面部及び前記溝部に励振電極を形成する工程とを有する振動片の製造方法であって、該水晶が切り出された前記カットアングルと、カットアングル毎の振動片の溝深さと周波数温度特性の頂点温度との対応関係のデータとに基づいて、前記カットアングルの振動片における周波数温度特性の頂点温度が所望の温度となるように、前記溝部の深さを変化させることにより、該振動片の周波数温度特性を調整してなることを特徴とする。
本発明の振動片の製造方法は、水晶を切り出し、水晶ウェハを形成する工程と、切り出された前記水晶ウェハのカットアングルを測定する工程と、この測定したカットアングルを制御部へ格納する工程と、振動片の基部及び振動腕部の外形を形成する工程と、前記振動腕部の表面及び/又は裏面部に前記制御部の指示に従い、所定の深さで溝部を形成する工程と、前記振動腕部の側面部及び前記溝部に励振電極を形成する工程とを有する振動片の製造方法であって、前記制御部は、水晶のカットアングル毎の、振動片の溝深さと周波数温度特性の頂点温度との対応関係のデータを備え、前記測定したカットアングルと前記データとに基づき、前記測定したカットアングルの振動片における周波数温度特性の頂点温度が所望の温度となるように溝深さを決定することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法により製造された振動片である音叉型水晶振動片100を示す図である。
音叉型水晶振動片100は、例えば所謂水晶Z板となるように水晶の単結晶を特定の切り出し角度(カットアングル)で切り出して形成されている。
また、図1に示す音叉型水晶振動片100は例えば32.768kHzの周波数で発振する振動片であるため、極めて小型の振動片となっている。
このような音叉型水晶振動片100は、図1に示すように、基部110を有している。そして、この基部110から図において上方向に突出するように振動腕部である音叉腕121,122が2本配置されている。
【0021】
また、この音叉腕121,122の表面と裏面には、溝部123,124が図1に示すように形成されている。この溝部123,124は、図1に示されていない音叉腕121,122の裏面側にも同様に形成され、図2に示すように、F−F’線断面図では、この溝123,124が形成されている音叉腕121,122の断面は、略H型に形成されている。
ところで、図1に示す音叉腕121、122に形成されている溝部123,124には、図1に示すように、励振電極123a,124aがそれぞれ形成されている。また、この励振電極123a,124aは、図2に示すように、音叉腕121,122の側面にも配置されている。
また、音叉型水晶振動片100の基部110等には、給電等を行う給電電極112も配置されている。
【0022】
このように励振電極123a,124aが溝部123,124に配置され、音叉腕121,122の側面にも励振電極123a,124aが配置されているため、励振電極123a,124aに電圧を印加すると、音叉腕123,124内に効率良く電界が生じ、音叉腕123,124の振動損失が低くCI値(クリスタルインピーダンス又は等価直列抵抗)も低い状態で振動が生じることになる。特に、上述にように図1に示す音叉型水晶振動片100は、周波数が32.768kHzの小型の振動片であるが、このような振動片でも、振動損失が低く、CI値も低い高性能な振動片となっている。
【0023】
ところで、上記音叉型水晶振動片100の基部110は、図1に示すように、その全体が略板状に形成されている。
そして、この基部110には、図1に示すように基部110の両側に切り込み部125が2箇所設けられている。
この切り込み部125の位置は、図1に示すように音叉腕121,122の溝123,124の下端部より下方に配置されるので、この切り込み部125の存在が、音叉腕部121、122の振動を阻害等することがない。
【0024】
また、音叉型水晶振動片100をパッケージにおいて固定する際に実際に固定される領域が図1の固定領域113である。
図1に示すように、切り込み部125の下端部は、固定領域113より図1の上方に配置されるので、切り込み部125が固定領域113に影響を及ぼすことがなく、音叉型水晶振動片100のパッケージに対する固定状態に悪影響を与えることがないように構成されている。
【0025】
このような位置に切り込み部125が配置されているため、音叉腕121,122の振動により、溝123,124から漏れてきた漏れ振動は、切り込み部125により、基部110の固定領域113に伝わり難くなる。
このように、漏れ振動が固定領域113に伝わり難くなることで、エネルギー逃げが生じ難くなる。具体的には、従来のCI値の振動片素子間のばらつきは、標準偏差で10kΩ以上発生していたが、切り込み部125を設ける本実施の形態の振動片では、標準偏差は1kΩに激減した。
【0026】
ところで、このような音叉型水晶振動片100は、その発振周波数が非常に安定しているため、各種の電子機器等に広く用いられている。しかし、この音叉型水晶振動片100は水晶により成っているため、その周囲温度の影響を受けることになる。
この影響は、具体的には、音叉型水晶振動片100の周波数と周囲温度との関係となる。すなわち、本実施の形態の音叉型水晶振動片100は、図3に示すような周波数温度特性を示す。
図3に示すように温度変化によって周波数は放物線状の2次曲線となる。本実施の形態のように切り込み部125が形成されている音叉型水晶振動片100はすべて2次曲線となる。
【0027】
したがって、図3に示すように周波数は一定の温度、例えば22.3°Cで最も周波数が高くなる。この周波数が最も高くなる部分を頂点温度と呼ぶ。
図3における頂点温度は22.3°Cであり、そのときの周波数は約33.107kHz程度となっている。
このような周波数温度特性は、水晶から切り出されるときの切り出し角度、であるカットアングルによって大きく異なる。
すなわち、上述したように、図12に示すグラフによれば、例えばカットアングルが1°の水晶ウエハで同じ深さにした場合、頂点温度が15°Cに変化することになる。
この頂点温度の変化は、図3の周波数の2次曲線がその分だけズレることになり、これにより、その周波数温度特性が変わることになる。
【0028】
実際の製造現場においては、多数の音叉型水晶振動片100を製造するため、カットアングルが振動片毎に多少ずれることは、避けがたいことなので、以下、カットアングルが多少ずれても、頂点温度、ひいては周波数温度特性を振動片毎に揃える方法を音叉型水晶振動片100の製造方法と共に以下、説明する。
【0029】
図4は、この製造方法の全体の工程を示すフローチャートである。
図4に示すように、先ず、ST1に示す水晶切り出し工程で、水晶を所定の角度で切り出す。すなわち、所定のカットアングルでウエハを切り出すことになる。
このように切り出されるウエハは、多数切り出されるため、上述のように、すべてのウエハが同一の所定のカットアングルで正確に切り出されていない可能性が高いため、図4のST2に示すように、各ウエハのカットアングルを測定することになる。
このウエハの測定されたカットアングルは、切り出されたウエハ毎に、その角度が図4の制御装置に入力される。
【0030】
ここで、制御装置内には、図5に示すような溝深さと頂点温度に関するデータがカットアングル毎に備えられている。
また、この制御装置内には、図5に示す溝深さと頂点温度に関するデータも備えられている。
すなわち、図5は、図2の音叉腕121,122の溝部123,124の溝深さによって製造される音叉型水晶振動片の上記頂点温度が変化することを示している。
【0031】
つまり、水晶から切り出された多数のウエハのカットアングルが微妙に相違し、ウエハ毎の周波数温度特性が相違する場合は、ウエハ毎の図3に示すような頂点温度も相違することになる。したがって、頂点温度を補正して変更できれば、ウエハ毎の周波数温度特性も補正され、同じ特性を有するウエハとすることができることになる
そこで、図4の制御装置内では、ウエハ毎のカットアングルの測定データをカットアングル毎の図5に示すようなデータにあてはめ、図2に示す溝部123,124の溝深さを特定する。
【0032】
このように算出された溝深さのデータが図示しないエッチング装置に送信される。
一方、図4のST4に示すように、水晶から切り出されたウエハは、図示しないエッチング装置で、図1に示すような基部110及び音叉腕121,122の外形が形成される。
このように振動片の外形が形成された後、図4のST5に示すように音叉腕121,122に溝部123,124がエッチングで形成される。
このとき、図4の制御装置から送られてきた当該ウエハに関する溝深さデータに基づきエッチングが行われる。
【0033】
したがって、溝深さは各ウエハのカットアングルの相違量によって異なることになる。
溝部123,124が形成されたウエハ(振動片)は、図4のST6に示すように電極が形成される。
具体的には、図1の励振電極123a,124aが溝部123,124や音叉腕121,122の側面等に配置され、基部110等には給電電極112が配置される。また、音叉腕121,122の先端部には、図1に示すように周波数調整電極114が配置される。
【0034】
このようにして、各電極が形成された後、その他所定の工程を経て、図4のST7に示すように、音叉腕121,122に形成されている周波数調整電極114にレーザ等を照射することで、周波数調整を行う。
以上のようにして図1に示すような音叉型水晶振動片100が製造されるが、この音叉型水晶振動片100が水晶から切り出される際に、カットアングルが多少ずれても、溝部123,124の深さを調整すれば、振動片毎の頂点温度を揃えることができ、これにより振動片毎の周波数温度特性を揃えることができる。したがって、従来のように、周波数温度特性の相違する振動片毎に補正するための回路等を特別に設けることなく、低コストで容易に振動片毎の頂点温度、ひいては周波数温度特性を補正することができる。
【0035】
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る振動子であるセラミックパッケージ音叉型振動子200を示す図である。
このセラミックパッケージ音叉型振動子200は、上述の第1の実施の形態の音叉型水晶振動片100を用いている。したがって、音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を用いて、その説明を省略する。
図6は、セラミックパッケージ音叉型振動子200の構成を示す概略断面図である。図6に示すようにセラミックパッケージ音叉型振動子200は、その内側に空間を有する箱状のパッケージ210を有している。
このパッケージ210には、その底部にベース部211を備えている。このベース部211は、例えばアルミナ等のセラミックス等で形成されている。
【0036】
ベース部211上には、封止部212が設けられており、この封止部212は、ベース部211と同様の材料から形成されている。また、この封止部212の上端部には、蓋体213が載置され、これらベース部211、封止部212及び蓋体213で、中空の箱体を形成することになる。
このように形成されているパッケージ210のベース部211上にはパッケージ側電極214が設けられている。このパッケージ側電極214の上には導電性接着剤等を介して音叉型水晶振動片100の基部110の固定領域113が固定されている。
この音叉型水晶振動片100は、図1に示すように構成されているため、周波数温度特性、頂点温度が揃った精度良い振動片である。
したがって、この振動片を搭載したセラミックパッケージ音叉型振動子200も小型で振動片の周波数温度特性、頂点温度が揃った精度が高い高性能な振動子となる。
【0037】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る携帯電話装置であるデジタル携帯電話300を示す概略図である。
このデジタル携帯電話300は、上述の第2の実施の形態のセラミックパッケージ音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100とを使用している。
したがって、セラミックパッケージ音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を用いる等して、その説明を省略する。
図7はデジタル携帯電話300の回路ブロックを示しているが、図7に示すように、デジタル携帯電話300で送信する場合は、使用者が、自己の声をマイクロフォンに入力すると、信号はパルス幅変調・符号化のブロックと変調器/復調器のブロックを経てトランスミッター、アンテナスイッチを開始アンテナから送信されることになる。
【0038】
一方、他人の電話から送信された信号は、アンテナで受信され、アンテナスイッチ、受信フィルターを経て、レシーバーから変調器/復調器ブロックに入力される。そして、変調又は復調された信号がパルス幅変調・符号化のブロックを経てスピーカーに声として出力されるようになっている。
このうち、アンテナスイッチや変調器/復調器ブロック等を制御するためのコントローラが設けられている。
このコントローラは、上述の他に表示部であるLCDや数字等の入力部であるキー、更にはRAMやROM等も制御するため、高精度であることが求められる。また、デジタル携帯電話300の小型化の要請もある。
このような要請に合致するものとして上述のセラミックパッケージ音叉振動子200が用いられている。
【0039】
このセラミックパッケージ音叉型振動子200は、図1に示す音叉型水晶振動片100を有するため、周波数温度特性、頂点温度が揃った精度良い振動片である。
したがって、このセラミックパッケージ音叉型振動子200を搭載したデジタル携帯電話300も小型で振動片の周波数温度特性、頂点温度が揃った精度が高い高性能なデジタル携帯電話となる。
【0040】
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る発振器である音叉水晶発振器400を示す図である。
このデジタル音叉水晶発振器400は、上述の第2の実施の形態のセラミックパケージ音叉型振動子200と多くの部分で構成が共通している。したがって、セラミックパケージ音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を用いて、その説明を省略する。
【0041】
図8に示す音叉型水晶発振器400は、セラミックパッケージ音叉振動子200の音叉型水晶振動片100の下方で、ベース部211の上に、集積回路410を配置したものである。
すなわち、音叉水晶発振器400では、その内部に配置された音叉型水晶振動片100が振動すると、その振動は、集積回路410に入力され、その後、所定の周波数信号を取り出すことで、発振器として機能することになる。
すなわち、音叉水晶発振器400に収容されている音叉型水晶振動片100は、図1に示すように構成されているため、周波数温度特性、頂点温度が揃った精度良い振動片である。
したがって、この振動片を搭載したデジタル音叉水晶発振器400も小型で振動片の周波数温度特性、頂点温度が揃った精度が高い高性能な発振器となる。
【0042】
(第5の実施の形態)
図9は、本発明に第5の実施の形態に係る振動子であるシリンダータイプ音叉振動子500を示す図である。
このシリンダータイプ音叉振動子500は、上述の第1の実施の形態の音叉型水晶振動片100を使用している。したがって、音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を用いる等して、その説明を省略する。
図9は、シリンダータイプ音叉振動子500の構成を示す概略図である。
図9に示すようにシリンダータイプ音叉振動子500は、その内部に音叉型水晶振動片100を収容するための金属製のキャップ530を有している。このキャップ530は、ステム520に対して圧入され、その内部が真空状態に保持されるようになっている。
【0043】
また、キャップ530に収容された音叉型水晶振動片100を保持するためのリード510が2本配置されている。
このようなシリンダータイプ音叉振動子500に外部より電流等を印加すると音叉型水晶振動片100の音叉腕121,122が振動し、振動子として機能することになる。
このとき、音叉型水晶振動片100は、図1に示すように構成されているため、周波数温度特性、頂点温度が揃った精度良い振動片である。
したがって、この振動片を搭載したシリンダータイプ音叉振動子500も小型で振動片の周波数温度特性、頂点温度が揃った精度が高い高性能な振動子となる。
【0044】
また、上述の各実施の形態では、32.768kHzの音叉型水晶振動子を例に説明したが、15kHz乃至155kHzの音叉型水晶振動子に適用できることは明らかである。
なお、上述の実施の形態に係る音叉型水晶振動片100は、上述の例のみならず、他の電子機器、携帯情報端末、さらに、テレビジョン、ビデオ機器、所謂ラジカセ、パーソナルコンピュータ等の時計内蔵機器及び時計にも用いられることは明らかである。
さらに、本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。そして、上記実施の形態の構成は、その一部を省略したり、上述していない他の任意の組み合わせに変更することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、生産コストを上昇させることなく、水晶の切り出し角度の誤差による頂点温度のばらつきを押さえ、決められた頂点温度に合わせることで、振動片毎の周波数温度特性を精度よく調整することができる振動片の製造方法、この製造方法により製造された振動片、この振動片を有する振動子、この振動子を備える発振器や携帯電話装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る振動片の製造方法により製造された音叉型水晶振動片の概略図である。
【図2】図1のF−F’線概略断面図である。
【図3】振動片の周波数温度特性を示すグラフである。
【図4】図1の振動片の製造工程を示すフローチャートである。
【図5】頂点温度と溝深さとの関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るセラミックパッケージ音叉型振動子の構成を示す概略断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るデジタル携帯電話の回路ブロックを示す概略図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る音叉水晶発振器の構成を示す概略断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るシリンダータイプ音叉振動子の構成を示す概略断面図である。
【図10】従来の音叉型水晶振動片を示す概略図である。
【図11】図10のA−A’線概略断面図である。
【図12】カットアングルと頂点温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100・・・音叉型水晶振動片
110・・・基部
112・・・給電電極
113・・・固定領域
114・・・周波数調整電極
121、122・・・音叉腕
123,124・・・溝部
123a,124a・・・励振電極
125・・・切り込み部
200・・・セラミックパッケージ音叉振動子
210・・・パッケージ
211・・・ベース部
212・・・封止部
213・・・蓋体
214・・・パッケージ側電極
300・・・デジタル携帯電話
400・・・音叉水晶発振器
410・・・集積回路
500・・・シリンダータイプ音叉振動子
510・・・リード
520・・・ステム
530・・・キャップ
Claims (2)
- 水晶を所定のカットアングルで切り出して、基部と前記基部から突出して形成されている振動腕部とを形成する工程と、
前記振動腕部の表面部及び/又は裏面部に溝部を形成する工程と、
前記振動腕部の側面部及び前記溝部に励振電極を形成する工程とを有する振動片の製造方法であって、
該水晶が切り出された前記カットアングルと、カットアングル毎の振動片の溝深さと周波数温度特性の頂点温度との対応関係のデータとに基づいて、前記カットアングルの振動片における周波数温度特性の頂点温度が所望の温度となるように、前記溝部の深さを変化させることにより、該振動片の周波数温度特性を調整してなることを特徴とする振動片の製造方法。 - 水晶を切り出し、水晶ウェハを形成する工程と、
切り出された前記水晶ウェハのカットアングルを測定する工程と、
この測定したカットアングルを制御部へ格納する工程と、
振動片の基部及び振動腕部の外形を形成する工程と、
前記振動腕部の表面及び/又は裏面部に前記制御部の指示に従い、所定の深さで溝部を形成する工程と、
前記振動腕部の側面部及び前記溝部に励振電極を形成する工程とを有する振動片の製造方法であって、
前記制御部は、水晶のカットアングル毎の、振動片の溝深さと周波数温度特性の頂点温度との対応関係のデータを備え、前記測定したカットアングルと前記データとに基づき、前記測定したカットアングルの振動片における周波数温度特性の頂点温度が所望の温度となるように溝深さを決定することを特徴とする振動片の製造方法。
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