JP3975270B2 - アパタイト複合体の製造方法、その複合体及び環境浄化材料 - Google Patents

アパタイト複合体の製造方法、その複合体及び環境浄化材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体表面にリン酸カルシウムを強固に付着させたアパタイト複合体に関するものであり、更に詳しくは、物質吸着機能及び分解機能に優れ、環境浄化に利用可能なリン酸カルシウム複合体の製造方法、該製造方法により得られたアパタイト複合体及び環境浄化材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外壁用建材や自動車や電車の車両など屋外で長期間使用するものは、大気の汚染や、油分が雨で流された跡などの汚れが目立ち1、2ヶ月で汚れてしまうため,定期的な洗浄、ペンキの塗り替えなどが欠かせず、コストがかさみ,メンテナンスフリーで汚れない材料が求められている。特に窓枠などの下では油や樹脂成分の流れた跡が残る場合が多い。これらの汚れは洗剤による洗浄等で容易に落ちるものではない。室内や車内では、建築材料や家具から発生するホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの化学物質,たばこの煙や室内で飼われている犬などのペットの臭いの原因となるアンモニアや硫化水素、メチルメルカプタンなどの有機化学物質がシックハウス症候群やアトピーの原因になる。
【0003】
そこで、二酸化チタンを含んだ塗料を壁紙や内装材、家具等に塗布することで有害化学物質を分解することが試みられている。しかし、有機系のバインダーは使用できないし、光がなくては作用しないので夜間や暗い室内ではほとんど効果が得られなかった。またこのような光触媒を自動車や列車などの車内で使用した例はない。二酸化チタンは、光触媒機能を持ち、有機系化学物質を光の存在下で分解することができる。しかし、物質を吸着することができないため、表面に接触した物質しか処理できず建材に塗布しても十分な効果が得られなかった。例えば、先行文献には、光触媒機能を有する粉末をシリカ塗料中に含有させる技術が開示されている(特許文献1)。そして、光触媒機能を有する粉末として、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ビスマスが記載され、実施例によれば、酸化チタンを塗膜中に含有させることにより、脱臭、抗菌等の効果が得られることが記載されている。
【0004】
また、先行文献には、二酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄から選ばれる平均粒子径5μm以下の無機物質及びシリカを含有する膜の上に、更に少なくともシリカを含有する膜を有する親水性被膜が記載されている(特許文献2)。
また、先行文献には、二酸化チタン、ZnO、SnO2 、SrTiO3 、WO3 、Bi23 及びFe23 から選ばれた光触媒性材料とシリカとを含む光触媒性親水性被膜が記載されている(特許文献3)。
また、先行文献には、結晶性酸化チタン粒子、塩化タングステン及びテトラヒドロフランを含む溶液からなる光触媒性親水性コーティング組成物が記載されている(特許文献4)。
また、疎水性表面を形成するものとして、先行文献には、酸化チタン等の光触媒性酸化物粒子、シリコーン及びはっ水性フッソ樹脂を含有するはっ水性材料が記載されている(特許文献5)。
【0005】
しかしながら、これら文献に記載の光触媒を塗膜中に含有させても、脱臭、抗菌,防汚等の作用が不十分な場合もあり、更に高い耐久性及び長期間の美観保持性能を有する塗料の開発が望まれている。また、塗料成分として有機塗料を用いた場合には、有機塗料成分が直接二酸化チタン等と接触するために、塗膜の劣化が起こるという問題もある。更に、二酸化チタンはその強い光触媒活性のため、紙や樹脂、有機系バインダーと混合したり塗布すると、媒体自身を分解して変色や剥離、ぼろぼろにしてしまうなどの問題があった。従来は、無機系バインダーを使って塗料にし、更に下地コートを行った後、二酸化チタン粉を含んだ塗料をトップコートするなど2度塗りを余儀なくされ、工期が2日以上かかるなど、特に道路脇の建物や、高速道路の防音壁では実質的に施工できなかった。また、タイルなどのセラミックスや金属への塗布しかできず樹脂や紙,繊維への塗布はできなかった。また、有機系の塗料により、表面を親水性にして汚れを防止するなどの方法も検討されているが十分な防汚効果はなかった。
【0006】
以上のようなことから、アパタイトなどのリン酸カルシウムを被覆した二酸化チタン粉末や、塗料が開発されている。アパタイトはタンパク質やアルデヒド類などの物質吸着能に優れているため、光を照射して分解しなくても物質を吸着しておくことができる。更にこの複合材料は、アパタイトを被覆することにより二酸化チタンが直接有機系のバインダーと接しないため、光が当たっても分解することがなく有機系塗料を可能にするなど光触媒の欠点を克服した。吸着量を多くするためアパタイトの被覆量を多くしたいが限界があること、アパタイトに吸着した物質が二酸化チタンへ移動して分解することで半永久的に使用できる触媒となる。
【0007】
生体模倣反応は、ヒト体液に等しいイオン濃度を有する水溶液(疑似体液)に、CaOとSiO2 とを主成分とするガラス粒子を浸し、次いで、有機高分子材料を浸漬し、有機高分子材料の表面に多数のアパタイト核を生成させた後、この有機高分子材料のみを疑似体液の1.5倍のイオン濃度を有する水溶液に浸漬させて反応させる方法である。この生体模倣反応によれば、アパタイト核が有機高分子材料上で自然に成長し、緻密で均質な骨類似のHAp層が任意の厚さだけ形成されることが報告されている(非特許文献1)。しかし、この生体模倣反応は、HApの生成速度が遅く、2週間以上の長期間反応させても、有機高分子材料上に、人工骨に使用し得る程度のHApを生成させることができないのが実状である。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−259891号公報
【特許文献2】
特開平5−305691号公報
【特許文献3】
WO96/29375号公報
【特許文献4】
特開平10−237357号公報
【特許文献5】
特開平10−237431号公報
【非特許文献1】
J.Biomed.Mater.Res. vol.29、p349−357(1995)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この擬似体液を用いたこれらの生体模倣反応は、アパタイトの生成速度が遅く、10分から1時間以上反応させないと、アパタイトを生成させることができないのが実状である。本発明は、上記従来技術の諸問題に鑑みて開発されたものであって、本発明の目的は、二酸化チタン等の基体に、リン酸カルシウムを極めて速い生成速度で効率良く、かつ強固に付着させることができるリン酸カルシウム複合体の製造方法、該方法により得られる複合体及び環境浄化材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カルシウムイオンを含み、且つ実質的にリン酸イオンを含まないカルシウム溶液と、リン酸イオンを含み、且つ実質的にカルシウムイオンを含まないリン酸溶液に、基材の二酸化チタンを交互に連続的に接触させて、表面にリン酸カルシウムを生成・固定させる工程を含む光触媒作用を有するアパタイト二酸化チタン複合体の製造方法を提供する。また本発明は、上記製造方法により得られた、基体の二酸化チタン表面にアパタイトを強固に付着させたことを特徴とする光触媒作用を有するアパタイト二酸化チタン複合体を提供する。
基体をカルシウム溶液に最初に混合する場合は、そのカルシウムイオンがCa/Pで1.76以下であることを特徴とする上記方法を提供する。
基体をリン溶液に最初に混合する場合は、リンイオンの量がCa/Pで1.5以上であることを特徴とする上記方法を提供する。
【0011】
更に本発明は、上記複合体から実質的になる塗料組成物が提供される。更に本発明は、カルシウム及びリン酸イオンを含む溶液を含有する上記複合体を塗布し、乾燥固化して膜状もしくは複合材料を点在させて固定した環境浄化材料、製品、複合材料を塗料化して塗布した、もしくは混合した環境浄化材料もしくは製品を提供する。更に本発明は、上記複合体の溶液を塗布し、乾燥固化して膜状もしくは複合材料を点在させて固定した環境浄化材料、製品、基材が二酸化チタン、抗菌材料、ゼオライト、木炭、調湿材料であることを特徴とする上記材料、製品を提供する。更に本発明は、従来の方法ではアパタイトを析出させることは出来なかったナノサイズからミクロンサイズの孔を有する多孔質材料の内部にも、カルシウムもしくはリン酸溶液のどちらかを浸み込ませておき、その後、他方を浸み込ませることでアパタイトを生成させる方法、多孔質材料の内部へのアパタイトの生成方法もしくはアパタイトが内部に生成した多孔質材料、シリカゲルやゼオライト、活性炭、調湿材料、珪藻土など多孔質材料、あらかじめ二酸化チタンを内部に担時させた多孔質材料、を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を更に詳細に説明する。本発明のリン酸カルシウム複合体の製造方法では、特定のカルシウム溶液と、特定のリン酸溶液に、基体を連続的に混合して、基体の少なくとも表面にリン酸カルシウムを生成・固定させる工程を必須の工程としている。前記カルシウム溶液は、カルシウムイオンを含み、且つ実質的にリン酸イオンを含まない水溶液である。リン酸イオンが存在する場合は、リン酸カルシウムの生成速度が低下する恐れがあるので、カルシウム溶液は、通常、カルシウムイオンを含み、且つリン酸イオンを全く含まない水溶液である。
【0013】
カルシウム溶液としては、例えば、塩化カルシウム水溶液、酢酸カルシウム水溶液、塩化カルシウムのトリス緩衝溶液、酢酸カルシウムのトリス緩衝溶液又はこれらの混合物等が挙げられる。Co、Ni、Cu、Al、La、Cr、Fe、Mg、Ag、Ptイオンなどを生成する化合物をカルシウム溶液に添加することで光触媒活性や抗菌性にすぐれたアパタイトを生成させることができる。それらの硝酸塩や塩化物、酢酸塩などが用いられる。カルシウム溶液において、カルシウムイオンと他の金属イオンの濃度は、アパタイトの生成速度及び生成効率を考慮した場合、好ましくはCa2+0.5〜5000mM、特に好ましくはCa2+0.5〜1000mMである。カルシウム溶液のpHは特に限定されないが、トリス緩衝溶液を用いる場合には、好ましくはpH6〜10、特に好ましくはpH7.4である。
【0014】
前記リン酸溶液は、リン酸イオンを含み、且つ実質的にカルシウムイオンを含まない水溶液である。カルシウムイオンが存在する場合は、アパタイトの生成速度が低下する恐れがあるので、リン酸溶液は、通常、リン酸イオンを含み、且つカルシウムイオンを全く含まない水溶液である。リン酸溶液としては、リン酸水素ナトリウム水溶液、リン酸二水素ナトリウムアンモニウム水溶液、リン酸水素ナトリウムのトリス緩衝溶液、リン酸二水素ナトリウムアンモニウムのトリス緩衝溶液又はこれらの混合物等が挙げられる。リン酸溶液において、リン酸イオン濃度は、アパタイトの生成速度及び生成効率を考慮した場合、好ましくはHPO4 2-1〜5000mM、特に好ましくはHPO4 2-1〜2000mMである。リン酸溶液のpHは特に限定されないが、トリス緩衝溶液を用いる場合には、好ましくはpH6〜10、特に好ましくはpH7.4である。
【0015】
前記カルシウム溶液及びリン酸溶液の組合わせは特に限定されず、例えば、塩化カルシウム水溶液とリン酸水素ナトリウム水溶液の組合わせ、酢酸カルシウム水溶液とリン酸二水素ナトリウムアンモニウム水溶液との組合せ等が挙げられる。前記カルシウム溶液及びリン酸溶液には、本発明の所望の目的が損なわれない範囲において他のイオンが存在していても良い。本発明の製造方法に用いる基体としては、あらゆる種類の無機材料、有機材料が適用され、例えば、少なくとも表面が親水化された基体であって、高分子材料の表面に、カルボニル基、エステル、カルボキシル基、水酸基等の親水性基を所望量有する基体が例示される。上記無機材料としては、例えば、酸化チタン等の可視光ないし紫外光応答型の光触媒作用を有する化合物が例示される。また、少なくとも表面が親水化されたとは、表面の一部若しくは全部が親水化されている他、内部が親水化された状態を含む意味である。
【0016】
このような表面が親水化された基体としては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)、シリコーン系エラストマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリ−γ−グルタミン酸、コラーゲン、グルコシルエチルメタクリレート(GEMA) 、部分硫酸化GEMAや、ムコ多糖( ヒアルロン酸等) 、セルロース、キチン、キトサン、プルラン等の多糖類、フィブロネクチン等の合成又は天然の高分子材料表面を、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、酸処理又は塩基処理により基体表面を親水化した基体;高分子材料表面に、親水性の重合性化合物をグラフト重合させた基体、若しくは基体表面に親水性重合体及び/又は親水性オリゴマーをグラフトさせた基体;あるいは上記高分子材料表面を、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、酸処理又は塩基処理により親水化した基体表面に、更に上記グラフト処理を施した基体等が挙げられる。
【0017】
前記親水性の重合性化合物、親水性重合体及び親水性オリゴマーとしては、カルボキシル基等の親水性基を有するものであれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ) アクリル酸、(メタ) アクリル酸のアルキルエステル、(メタ) アクリル酸のアルキドアミド、ウレタン結合を有する(メタ) アクリル酸、ウレア結合を有する(メタ) アクリル酸等の構成単位を含むオリゴマー等が挙げられる。グラフト化は通常のグラフト方法により行なうことができ、グラフト量は特に限定されないが、緻密な層状のHApが生成するように、一定量以上のグラフト量とすることが好ましく、特に、グラフト量が23〜43μg/cm2 、特に30μg/cm2 前後が適当である。前記コロナ放電処理、プラズマ放電処理、酸処理又は塩基処理は、公知の方法で行なうことができ、基体表面が親水化する条件であれば特に限定されない。前記基体の分子量粒径は特に限定されず、また形態も特に限定されず、粉末状、板状、フィルム状、膜状、筒状、メッシュ状、繊維状等が例示される。
【0018】
本発明の製造方法において、カルシウム溶液とリン酸溶液とに前記基体を混合する方法としては、(1)カルシウム溶液に前記基体を混合した後に、リン酸溶液を混合する方法、(2)リン酸溶液に前記基体を混合した後に、カルシウム溶液を混合する操作を行う方法等が挙げられる。この際、前記各操作を繰り返して行うことにより、アパタイトの生成量を増大させることができる。前記操作の繰り返し回数は、通常1〜5回である。前記操作を繰り返す場合、前記(1)の方法において、必ずしも最終的に、リン酸溶液に基体を浸漬させることにより終了させる必要はなく、カルシウム溶液に基体を浸漬させて終了させても良い。同様に、前記(2)の方法において、必ずしも最終的に、カルシウム溶液に基体を浸漬させることにより終了させる必要はなく、リン酸溶液に基体を浸漬させて終了させても良い。
【0019】
カルシウム溶液を最初に混合する場合は、そのカルシウムイオンがCa/Pで1.76以下となる量であることが好ましい。これ以上であると、後から加えるリンイオンが足りないため部分的に反応が終了してしまう。リン溶液を最初に混合する場合は、リンイオンの量がCa/Pで1.5以上となる量であることが好ましい。これ以下であると、後から加えるカルシウムイオンが足りないため部分的に反応が終了してしまう。この際、カルシウム溶液と、リン酸溶液とに、基体を交互に混合するにあたり、混合前に、乾燥することが好ましい。乾燥方法としては、30から100℃で加熱を5分から5時間程度行っても良いし、乾燥空気や熱風をドライヤーなどにより当てても良いし、真空加熱もしくは真空中で乾燥しても良い。もしくは基体表面に残存するカルシウムイオン又はリン酸イオン等を水等により洗浄して除去した後に、次の溶液を混合することが好ましい。シリカゲルなどの多孔質材料でも同様に行えば良い。例えば、カルシウム溶液にシリカゲルを浸漬し、5から10分程度放置し染みこませてからリン酸イオンに漬ければ良い。他の調湿材料や活性炭などでも同様である。
【0020】
前記カルシウム溶液に前記基体を混合してから保持させる浸漬時間は、アパタイトの生成速度及び生成効率を考慮して適宜選択できる。通常、トータルの浸漬時間は、10秒間〜1時間、好ましくは1分間〜10分間である。一方、前記リン酸溶液に前記基体を浸漬させる浸漬時間もアパタイトの生成速度及び生成効率を考慮して適宜選択できる。通常、トータルの浸漬時間は、10秒間〜1時間、好ましくは1分間〜10分間である。カルシウム溶液及びリン酸溶液に基体を混合する操作を繰り返す場合の各1回あたりの浸漬時間は、前記好ましいトータルの浸漬時間を考慮して適宜選択することができる。前記各溶液に基体を浸漬させる際の各溶液の液温は、アパタイトの生成速度及び生成効率を考慮して適宜選択することができ、通常、0〜90℃、好ましくは30〜60℃である。
【0021】
上述の製造方法により、本発明のアパタイト複合体を得ることができる。この複合体が有するアパタイトは、その結晶形態が、リボン状、板状等の種々の形態のアパタイトを形成できる。また、この複合体におけるアパタイトは、基材に強固に付着しており、分子レベルで複合化していると考えられる。複合体の形状は、基体の形状を適宜選択することにより、また複合体を所望形状に加工することによって様々な形状とすることができる。本発明の複合体には、用途に応じて公知の焼結工程、表面処理工程等を行うことができる。焼成は100℃から700℃で10分から120分程度行うことでアパタイトの結晶性や基材への固着力を強固にすることができる。
【0022】
本発明の複合材料を塗布した壁紙、建材、天井材、床材、ソファー、テーブル、いす、障子、ふすま、ドア、家庭電化製品、本棚などの家具に用いられる紙、繊維、樹脂、木材、セラミックス、金属からなる建築物の内装材や、タイル、木材、金属、セラミックス、樹脂製等の外装材、自家用車やタクシー、バス等の自動車や列車、飛行機、船などの車両の内部のいすや床材、網棚等の繊維や樹脂、紙、タイル等のセラミックス、金属、木材、更に繊維や樹脂、紙、タイル等のセラミックス、金属、木材などの外装材が環境浄化やセルフクリーニングに効果がある。
塗布する方法はいかなる方法でも良い。粉末をそのまま吹き付けても良いし、水等に溶かして塗布しても良い。
【0023】
有機系バインダーや無機系バインダーなどに混合して塗布すれば付着力が強力になる。通常、二酸化チタンは有機系のバインダーに混合するとバインダー自身を分解してしまうため変色したり、ぼろぼろになってしまうが、上記複合体は、二酸化チタンとバインダーが、直接、接しないため、有機系バインダーを用いてもこれらの問題がない。次に、本発明で用いる塗料成分について説明する。本発明において、塗料成分としては公知の水系あるいは溶剤系の有機塗料又は無機塗料の如何なるものをも用いることができる。例えば、水系有機塗料としては、ビニル系合成樹脂エマルションが挙げられる。ビニル系合成樹脂は、特に限定されるものではなく、乳化重合可能なビニル系モノマーの重合体であれば良く、例えば、アクリル樹脂、アクリル共重合樹脂、スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。また、各種樹脂のうち溶剤に可溶なものは、溶剤系の有機塗料として用いることができる。
【0024】
本発明に用いられる無機塗料としては、ゾル−ゲル法によって塗膜を形成するための加水分解重合性金属アルコキシドを含む溶液が挙げられる。金属アルコキシドの金属としては、特に制限されるものではないが、例えばAl、Ti、Zr、Siなどが挙げられる。これらの金属のうち、Al、Siが好ましく、Siが特に好ましい。また、無機塗料の作製の際には、水の他に、適当な有機溶媒を用いることも可能である。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、ベンゼン等が挙げられる。あるいはこれらの混合溶媒とすることもできる。
【0025】
本発明の塗料組成物においては、アパタイトで一部被覆した光触媒作用を有する二酸化チタンを有機又は無機塗料に対して、固形分重量比で、一般に1−50重量%、好ましくは5−30重量%の配合割合で含む。この配合割合が1重量%未満であると光触媒効果が少なく、一方、配合割合が50重量%を超えるとコストが高くなる。配合割合は、塗料の種類によっても異なるが、光触媒効果とコストを考慮して当業者が適宜定めると良い。
【0026】
本発明の塗料組成物は、複合材料を有機又は無機塗料を混合することによって得られる。この混合の際に、造膜助剤を用いてもよい。また、塗料組成物には、必要に応じて、消泡剤、増粘剤、凍結安定剤、湿潤剤、顔料、水溶性樹脂、浸透助剤などの公知の添加剤を配合しても良い。塗料組成物の塗装対象物への塗布は、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレー等の通常の方法により行うことができる。本発明の塗料組成物によれば、従来の光触媒よりも高い環境保全機能を有するので、得られる塗料塗膜は、油分や水分の付着によっても黄ばみを生じたり劣化したりすることが非常に少なくなり、優れた耐久性と美観保持が得られる。また、塗料成分として有機塗料を用いた場合にも、有機塗料成分が直接二酸化チタンと接触しにくくなるために、塗膜が安定である。
【0027】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
平均粒径15から20nmの二酸化チタン粉末 (昭和電工社製) 5gを、200mMCaCl2 /Tris−HCl(pH7.4,液温37℃)溶液10mlに1分間浸漬し、続いて、粉末を純水で洗浄後、37℃で乾燥した。次に、120mMNa2 HPO4 溶液(液温37℃)10mlに1分間浸漬し、続いて、純水で洗浄後、乾燥し、アパタイト二酸化チタン複合体を調製した。電子顕微鏡(SEM) 写真及びX線回折( 理学電機社製、X線回折により生成した結晶層を観察した結果、得られた層は、アパタイト層であり、また、板状状の結晶により主に形成されていることがわかった。
【0028】
実施例2
平均粒径15から20nmの二酸化チタン粉末 (テイカ製) 5gを、50mM酢酸カルシウム(液温37℃)溶液10mlに1分間浸漬し、続いて、粉末を純水で洗浄後、37℃で乾燥した。次に、水1リットル中に、塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウム200mg、リン酸一水素ナトリウム1150mg、リン酸二水素カリウム200mg、塩化カルシウム200mgを含むものを作製した。この溶液10mlに1分間浸漬し、続いて、純水で洗浄後、乾燥し、アパタイト二酸化チタン複合体を調製した。電子顕微鏡(SEM) 写真及びX線回折(理学電機社製、X線回折により生成した結晶層を観察した結果、得られた層は、アパタイト層であり、また、板状状の結晶により主に形成されていることがわかった。
【0029】
実施例3
膜厚1ミクロンの二酸化チタン薄膜をゾルゲル法により塗布したスライドガラスを、1000mM酢酸カルシウム(液温37℃)溶液10mlに1分間浸漬し、続いて、純水で洗浄後、37℃で乾燥した。次に、水1リットル中に、塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウム200mg、リン酸−水素ナトリウム1150mg、リン酸二水素カリウム200mg、塩化カルシウム200mgを含むものを作製した。この溶液10mlに1分間浸漬し、続いて、純水で洗浄後、乾燥し、アパタイト二酸化チタン複合体を調製した。電子顕微鏡(SEM) 写真及びX線回折(理学電機社製、X線回折により生成した結晶層を観察した結果、得られた層は、アパタイト層であり、また、板状状の結晶により主に形成されていることがわかった。
【0030】
実施例4
平均粒径15から20nmの二酸化チタン粉末 (テイカ製) 5gを、2mM硝酸カルシウム(液温37℃)溶液10mlに1分間浸漬し、続いて、粉末を純水で洗浄後、37℃で乾燥した。次に、水1リットル中に、リン酸一水素ナトリウム1150mg、リン酸二水素カリウム200mgを含むものを作製した。この溶液10mlに1分間浸漬し、続いて、純水で洗浄後、乾燥し、アパタイト二酸化チタン複合体を調製した。電子顕微鏡(SEM) 写真及びX線回折(理学電機社製、X線回折により生成した結晶層を観察した結果、得られた層は、アパタイト層であり、また、板状状の結晶により主に形成されていることがわかった。
【0031】
実施例5
平均粒径100nmの二酸化チタン粉末 (テイカ製) 5gを、500mM塩化カルシウム(液温37℃)溶液10mlに1分間浸漬し、続いて、粉末を純水で洗浄後、37℃で乾燥した。次に、水1リットル中に、リン酸一水素ナトリウム100mg、リン酸二水素カリウム20mgを含むものを作製した。この溶液50mlに1分間浸漬し、続いて、純水で洗浄後、乾燥し、アパタイト二酸化チタン複合体を調製した。電子顕微鏡(SEM) 写真及びX線回折(理学電機社製、X線回折により生成した結晶層を観察した結果、得られた層は、アパタイト層であり、また、板状状の結晶により主に形成されていることがわかった。
これらの実施例により得られた複合粉末を有機塗料に対し固形分重量比で10重量%の配合比で配合し、塗料化して塗料組成物を作製した。これを、自動車や車両、建材、タイル、家具、カーテンや衣類などの繊維、人工観葉植物などに塗布したところ室内のにおいや細菌、ウイルスを吸着、分解除去することができた。
【0032】
【発明の効果】
本発明の複合材料の製造方法によれば、1)基体と生成したアパタイトが強固に付着し、しかも結晶性を示す、2)複合体を速やかに、また容易に得ることができる、3)この方法により得られる複合体は、環境浄化材料として有用である、4)そのため、環境中の細菌やアルデヒド類を吸着する機能に優れる、5)塗料化したり樹脂に混合する場合に、アパタイトが基材から剥離することがない、6)従来法ではできなかった、ニーダーなどによる強い力を加える混合方法を採用することができ、材料との混合が理想的に行える、等の格別の効果が奏される。

Claims (6)

  1. 基体の二酸化チタン表面にリン酸カルシウムを強固に付着させた、光触媒作用を有するアパタイト二酸化チタン複合体を製造する方法であって、カルシウムイオン溶液とリン酸溶液とに、基体を交互に接触させる操作を繰り返して、基体表面にリン酸カルシウムを生成・固化させ、これらのうちカルシウムイオン溶液を最初に混合する場合は、カルシウムイオンがCa/Pで多くても1.76となる量のカルシウムイオンを含むカルシウム溶液を使用し、リン酸溶液を最初に混合する場合は、リン酸イオンがCa/Pで少なくても1.5となる量のリン酸イオンを含むリン酸溶液を使用して、基体を交互に接触させる操作を繰り返して、基体表面にリン酸カルシウムを生成・固化させ、任意に焼成することを特徴とする光触媒作用を有するアパタイト二酸化チタン複合体の製造方法。
  2. 基体を最初にカルシウム溶液に浸漬した後に、リン酸溶液に浸漬する、請求項1記載の方法。
  3. 基体を最初にリン酸溶液に浸漬した後に、カルシウム溶液に浸漬する、請求項1記載の方法。
  4. 基体として、少なくとも表面が親水化された基体を用いる、請求項1記載の方法。
  5. カルシウム溶液と、リン酸溶液とに、基体を交互に接触させる過程で、基体表面を乾燥させる、請求項1記載の方法。
  6. 請求項1から7のいずれかに記載の方法で作製された、基体の二酸化チタン表面にアパタイトを強固に付着させた、光触媒作用を有するアパタイト二酸化チタン複合体を、有機又は無機塗料に対して、固形分重量比で1−50重量%の配合割合で配合することを特徴とする塗料組成物の製造方法。
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