JP3975095B2 - 内燃機関の圧縮比可変装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の圧縮比可変装置に関し,特に,ピストンを,コンロッドにピストンピンを介して連結されるピストンインナと,このピストンインナに連結されて外端面を燃焼室に臨ませながら,ピストンインナ寄りの低圧縮比位置及び燃焼室寄りの高圧縮比位置間を移動し得るピストンアウタとで構成し,ピストンアウタを低圧縮比位置に作動して機関の圧縮比を下げ,高圧縮比位置に作動して同圧縮比を高めるようにしたものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,かゝる内燃機関の圧縮比可変装置として,(1)ピストンアウタをピストンインナの外周に螺合して,ピストンアウタを正,逆転させることによりピストンインナに対して進退させ,低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動するようにしたもの(例えば特開平11−117779号公報参照)と,(2)ピストンアウタをピストンインナの外周に軸方向摺動可能に嵌合し,これらピストンインナ及びアウタ間に,上部油圧室及び下部油圧室を形成し,これら油圧室に交互に油圧を供給することにより,ピストンアウタを低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動するようにしたもの(例えば特公平7−113330号公報参照)とが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上記(1)の装置では,ピストンアウタを低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動するために,ピストンアウタを回転させる必要があるので,ピストンアウタの頂面の形状を,燃焼室の天井面形状や吸気及び排気弁の配置に対応して自由に設定することができず,高圧縮比位置で機関の圧縮比を充分に高めることが困難である。また上記(2)の装置では,特にピストンアウタが高圧縮比位置にあるとき,機関の膨張行程でピストンアウタが受ける大なるスラスト荷重を上部油圧室の油圧で支えるので,上部油圧室には高圧に耐えるシールが必要となり,その上,上部油圧室に気泡が発生するとピストンアウタの高圧縮比位置が不安定になるから,そのような気泡の除去手段を施す必要もあり,全体としてコスト高となるを免れない。
【0004】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,ピストンアウタを回転させることなく簡単,的確に低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動し得る,内燃機関の圧縮比可変装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明の内燃機関の圧縮比可変装置は,コンロッドにピストンピンを介して連結されるピストンインナと,このピストンインナを覆うようにその外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合して外端面を燃焼室に臨ませながら,前記ピストンインナ寄りの低圧縮比位置及び燃焼室寄りの高圧縮比位置間を移動し得るピストンアウタとでピストンを構成し,前記ピストンインナ及びアウタ間に嵩上げ部材を,これがピストンの軸線周りに非嵩上げ位置及び嵩上げ位置間を回動し得るように介裝し,この嵩上げ部材と前記ピストンアウタとの軸方向対向面に,それぞれ頂面を平坦面とした凸状で且つ環状に配列される複数の第1カム及び第2カムを形成し,これら第1及び第2カムは,前記嵩上げ部材が非嵩上げ位置に回動したとき互いに噛み合って前記ピストンアウタの低圧縮比位置への移動を許容し,前記嵩上げ部材が嵩上げ位置に回動したとき互いに頂面を当接させて前記ピストンアウタを高圧縮比位置に保持するように配置され,前記嵩上げ部材に連接されるアクチュエータを,前記ピストンインナにおいて前記嵩上げ部材の回動方向に沿う同一軸線上でそれぞれ摺動可能に配設されて前記嵩上げ部材の受圧部を挟んで互いに対向する作動部材及び戻し部材より構成し,これら作動部材及び戻し部材を交互に作動することにより前記嵩上げ部材を非嵩上げ位置及び嵩上げ位置へ交互に回動するようにしたことを第1の特徴とする。
【0006】
この第1の特徴によれば,アクチュエータにより嵩上げ部材を非嵩上げ位置に回動すると,嵩上げ部材が,ピストンアウタの低圧縮比位置への移動を許容するので,ピストンアウタが燃焼室側からの高圧により低圧縮比位置に移動することができる。またアクチュエータにより嵩上げ部材を非嵩上げ位置から嵩上げ位置へと回動すると,ピストンアウタを高圧縮比位置に保持することができる。
【0007】
この間,ピストンアウタは,ピストンインナに対して回転することがないから,燃焼室に臨むピストンアウタの頂面形状を燃焼室の形状に対応させて,ピストンアウタの高圧縮比位置での圧縮比を効果的に高めることができる。しかもピストンアウタの高圧縮比位置では,機関の膨張行程時,ピストンアウタが燃焼室から受ける大なる推力は嵩上げ部材で受け止められる。したがって,上記推力のアクチュエータへの作用も回避されることになるから,アクチュエータの小容量化,延いては小型化が可能となる。またアクチュエータを油圧式に構成する場合でも,これに前記推力が作用しないことから高圧シールは不要であり,また油圧室に多少の気泡が発生してもピストンアウタの高圧縮比位置を不安定にさせることもない。
【0008】
またアクチュエータを,前記ピストンインナにおいて前記嵩上げ部材の回動方向に沿う同一軸線上でそれぞれ摺動可能に配設されて前記嵩上げ部材の受圧部を挟んで互いに対向する作動部材及び戻し部材より構成したことから,アクチュエータの小型化が可能となり,ピストンの狭小な内部へのアクチュエータの配設が容易となる。
【0009】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記作動部材及び戻し部材を,ピストンインナに形成される同一のシリンダ孔に摺動可能に嵌装されて前記受圧部を挟んで互いに対向する作動プランジャ及び戻しプランジャで構成したことを第2の特徴とする。
【0010】
この第2の特徴によれば,作動プランジャ及び戻しプランジャのシリンダ孔の共通化により,加工の単純化と構成の簡素化を図ることができる。
【0011】
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記受圧部の中心を通る前記嵩上げ部材の半径線に対して略直角に交わる同一軸線上に前記作動部材及び戻し部材を配置したことを第3の特徴とする。
【0012】
この第3の特徴によれば,作動部材の作動力及び戻し部材の戻し力を受圧部 を介して嵩上げ部材に効率良く伝達することができ,したがってアクチュエータの小容量化,小型化を図ることができる。
【0013】
さらにまた本発明は,第1〜第3の何れかの特徴に加えて,前記アクチュエータを,嵩上げ部材の周方向に沿って複数組,等間隔に配設したことを第4の特徴とする。
【0014】
この第4の特徴によれば,複数組のアクチュエータの作動により,嵩上げ部材に偏荷重を加えることがなく,該部材をスムーズに回動することができる。
【0015】
さらにまた本発明は,第4の特徴に加えて,前記アクチュエータを,前記ピストンピンを挟んで2組配設したことを第5の特徴とする。
【0016】
この第5の特徴によれば,ピストンピンに干渉されることなく,2組のアクチュエータを嵩上げ部材の周方向等間隔に配設することができ,ピストンの狭小な内部へのアクチュエータの配設をより簡単に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1実施例に係る圧縮比可変装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図,図2は図1の2−2線拡大断面図で低圧縮比状態を示す。図3は図2の3−3線断面図,図4は図2の4−4線断面図,図5は図2の5−5線断面図,図6は図2の6−6線断面図,図7は図2の7−7線断面図,図8は高圧縮比状態を示す,図2との対応図,図9は図8の9−9線断面図,図10は図8の10−10線断面図,図11は嵩上げ部材の作用説明図,図12は本発明の第2実施例を示す,図10との対応図である。
【0019】
先ず,図1〜図11に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
【0020】
図1及び図2において,内燃機関Eの機関本体1は,シリンダボア2aを有するシリンダブロック2と,このシリンダブロック2の下端に結合されるクランクケース3と,シリンダボア2aに連なる燃焼室4aを有してシリンダブロック2の上端に結合されるシリンダヘッド4とからなり,シリンダボア2aに摺動可能に嵌装されるピストン5にはコンロッド7の小端部7aがピストンピン6を介して連結され,コンロッド7の大端部7bは,左右一対のベアリング8,8′を介してクランクケース3に回転自在に支承されるクランク軸9のクランクピン9aに連結される。
【0021】
前記ピストン5は,ピストンピン6を介してコンロッド7の小端部7aに連結されるピストンインナ5aと,このピストンインナ5aの外周面及びシリンダボア2aの内周面に摺動自在に嵌合し,頂面を燃焼室4aに臨ませるピストンアウタ5bとからなっており,ピストンアウタ5bの外周に,シリンダボア2aの内周面に摺動自在に密接する複数のピストンリング10a〜10cが装着される。
【0022】
図2及び図3に示すように,ピストンインナ及びアウタ5a,5bの摺動嵌合面には,ピストン5の軸方向に延びて互いに係合する複数のスプライン歯11a及びスプライン溝11bがそれぞれ形成され,ピストンインナ及びアウタ5a,5bは,それらの軸線周りに相対回転できないようになっている。
【0023】
図2及び図6において,ピストンインナ5aの上面には,その上面に一体に突設された枢軸部12に回動可能に嵌合する円環状の嵩上げ部材14が載置される。枢軸部12は,コンロッド7の小端部7aを受容すべく,複数(図では4個)のブロック12a,12a…に分割される。
【0024】
嵩上げ部材14は,その軸線周りに設定される第1及び嵩上げ位置A,B間を回動し得るもので,その往復回動に伴いピストンアウタ5bをピストンインナ5a寄りの低圧縮比位置L(図2参照)と,燃焼室4a寄りの高圧縮比位置H(図7参照)とに交互に保持するカム機構15が嵩上げ部材14及びピストンアウタ5b間に設けられる。
【0025】
図7及び図10に明示するように,カム機構15は,嵩上げ部材14の上面に形成される環状配列の複数の凸状第1カム16と,ピストンアウタ5bの頂壁下面に形成される環状配列の複数の凸状第2カム17とからなっており,これら第1及び第2カム16,17は,嵩上げ部材14が非嵩上げ位置Aにあるときは,周方向に交互に並んでピストンアウタ5bの低圧縮比位置L又は高圧縮比位置Hへの移行を許容するようになっている。
【0026】
これら第1カム16及び第2カム17の,嵩上げ部材14の周方向に並ぶ両側面は,各カム16,17の根元から略垂直に起立する絶壁面16a,17aとなっており,両絶壁面16a,17aの上縁間を接続する平坦な頂面16b,17bは,嵩上げ部材14が嵩上げ位置Bに到達したとき互いに当接してピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに保持するようになっている。このように,第1及び第2カム16,17の両側面を絶壁面16a,17aとしたことで,周方向に並ぶ各カム16,17の隣接間隔を狭くすることが可能となり,また各カム16,17の頂面16b,17bの総合面積を大きく設定することができる。
【0027】
ピストンアウタ5bが高圧縮比位置Hに達したときは,ピストンアウタ5bが高圧縮比位置Hを越えて燃焼室4a側へ移動することを阻止するための規制手段として,ピストンインナ5aの下端面に当接する止環18がピストンアウタ5bの下端部内周面に係止される。
【0028】
ピストンインナ5a及び嵩上げ部材14間には,嵩上げ部材14を非嵩上げ位置A又は嵩上げ位置Bへ回動させるアクチュエータ20が設けられる。このアクチュエータ20について図2,図5及び図6を参照しながら説明する。
【0029】
ピストンインナ5aには,ピストンピン6を挟んでそれと平行に延びる一対の有底のシリンダ孔21,21と,各シリンダ孔21,21の中間部の上壁を貫通する長孔54,54とが設けられ,嵩上げ部材14の下面に一体的に突設されて,その直径線上に並ぶ一対の受圧ピン14a,14aがこれら長孔54,54を通してシリンダ孔21,21に臨ませてある。長孔54,54は,受圧ピン14a,14aが嵩上げ部材14と共に非嵩上げ位置A及び嵩上げ位置B間を移動することを妨げないようになっている。
【0030】
シリンダ孔21,21には,対応する受圧ピン14a,14aを挟んで作動プランジャ23,23及び有底円筒状の戻しプランジャ24,24が摺動可能に嵌装される。その際,作動プランジャ23,23同士及び戻しプランジャ24,24同士は,それぞれピストン5の軸線に関して点対称に配置される。
【0031】
各シリンダ孔21内には,作動プランジャ23の内端が臨む第1油圧室25が画成され,該室25に油圧を供給すると,その油圧を受けて作動プランジャ23が受圧ピン14aを介して嵩上げ部材14を嵩上げ位置Bへ回動するようになっている。
【0032】
嵩上げ部材14の非嵩上げ位置Aは,各シリンダ孔21,21の底面に当接する作動プランジャ23,23の先端に受圧ピン片14a,14aが当接することにより規定され(図5参照),嵩上げ部材14の嵩上げ位置Bは,ばね保持環52のスカート部52aに当接する戻しプランジャ24の先端に受圧ピン14aが当接することにより規定される(図10参照)。こうすることにより,嵩上げ部材14の非嵩上げ位置Aでは,隣接する第1及び第2カム16,17の側面接触を回避して(図11(a)参照),ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hへのスムーズな移動が可能となる。
【0033】
而して,嵩上げ部材14及びアクチュエータ20は,ピストンアウタ5bの慣性力や,ピストンアウタ5bがシリンダボア2aの内面から受ける摩擦抵抗,ピストンアウタ5bに作用する吸気負圧等,ピストンインナ及びアウタ5a,5bにそれらを互いに軸方向に離間させたり近接させようと作用する自然外力により,ピストンアウタ5bが低圧縮比位置L及び高圧縮比位置H間で移動することを許容する。
【0034】
またピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間には,ピストンアウタ5bが低圧縮比位置Lに来たとき,このピストンアウタ5bをピストンインナ5aに対して係止するピストンアウタ係止手段30が設けられる。このピストンアウタ係止手段30について,図2及び図4を参照しながら説明する。
【0035】
ピストンインナ5aの内周面には,周方向に延びる複数の係止溝31が等間隔置きに形成され,ピストンアウタ5bが低圧縮比位置Lに来たとき,これら係止溝31に係合,離脱し得るように複数の係止レバー32がピストンインナ5aにピボット軸33を介して揺動自在に取り付けられる。即ち,係止レバー32は,係止溝31に係合する作動位置C(図4参照)と,係止溝31から離脱する後退位置D(図9参照)との間を揺動することができる。
【0036】
各係止レバー32は,係止溝31に係合,離脱する長腕部32aと,ピボット軸33を挟んで長腕部32aと反対側に延びる短腕部32bとからなっており,長腕部32aを係止溝31との係合方向へ付勢する作動ばね34が長腕部32a及びピストンインナ5a間に縮設される。その際,長腕部32aには,作動ばね34の内周に嵌合してそれを定位置に保持する位置決め突起35が形成される。一方,ピストンインナ5aには,各短腕部32bに対応して複数のシリンダ孔36が形成され,これらシリンダ孔36の摺動自在に嵌装される複数のピストン38の先端が短腕部32bの先端に当接配置される。各シリンダ孔36には,対応するピストン38の内端が臨む第2油圧室37が画成され,この第2油圧室37に油圧を供給すると,その油圧を受けてピストン38が係止レバー32を作動ばね34の力に抗して係止溝31から離脱させるようになっている。
【0037】
図4及び図5に示すように,前記ピストンピン6と,その中空部に圧入されたスリーブ40との間に筒状の油室41が画成され,この油室41を前記第1及び第2油圧室25,37に接続する第1及び第2分配油路42,43がピストンピン6及びピストンインナ5aに渡り設けられる。また油室41は,図1に示すように,ピストンピン6,コンロッド7及びクランク軸9に渡り設けられる油路44に接続され,この油路44は,電磁切換弁45を介して油圧源たるオイルポンプ46と,油溜め47とに切換可能に接続される。
【0038】
次に,この第1実施例の作用について説明する。
【0039】
例えば内燃機関Eの急加速運転に際して,ノッキングを回避すべく低圧縮比状態を得るには,電磁切換弁45を図1に示すように非通電状態にして,油路44を油溜め47に連通する。こうすれば,第1油圧室25及び第2油圧室37は,何れも油室41及び油路44を通して油溜め47に開放されるので,アクチュエータ20では,図5に示すように,戻しプランジャ24が戻しばね27の付勢力で受圧ピン14aを押圧して,嵩上げ部材14を非嵩上げ位置Aまで回動する。その結果,図10(a)に示すように,カム機構15の,それぞれ環状配列された複数の第1カム16及び第2カム17は互いに頂部をずらした配置となるから,機関の膨張行程又は圧縮行程で燃焼室4a側の圧力でピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対して押圧されたときや,ピストン5の上昇行程でピストンリング10a〜10c及びシリンダボア2a内面間に生ずる摩擦抵抗によりピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対して押圧されたときや,ピストン5の下降行程の後半でピストンインナ5aの減速に伴いピストンアウタ5bがその慣性力によりピストンインナ5aに対して押圧されたときに,ピストンアウタ5bは第1カム16及び第2カム17を相互に噛み合せながら,ピストンインナ5aに対して下降し,低圧縮比位置Lに下がることができる。このとき,ピストンアウタ係止手段30では,ピストンインナ5aに軸支される係止レバー32と,ピストンアウタ5bの係止溝31とが互いに対向するため,係止レバー32は作動ばね34の付勢力をもって長腕部32aを係止溝31に係合させるように揺動し,それら長腕部32a及び係止溝31の係合により,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置Lは保持される。かくして,カム機構15での遊びは無くなり,ピストンインナ及びアウタ5a,5bは,圧縮比を下げながら一体となってシリンダボア2a内を昇降することができる。
【0040】
また例えば内燃機関Eの高速運転時,出力向上を図るべく高圧縮比状態を得るには,電磁切換弁45に通電して,油路44をオイルポンプ46に接続する。こうすると,オイルポンプ46の吐出油圧が油路44及び油室41を通して第1油圧室25及び第2油圧室37に供給されるので,先ず,ピストンアウタ係止手段30において,図9に示すように,ピストン38が第2油圧室37の油圧を受けて係止レバー32を作動ばね34の付勢力に抗して後退位置Dへと揺動させ,長腕部32aをピストンアウタ5bの係止溝31から離脱させる。係止レバー32が係止溝31から離脱すると,ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hへの移動が可能となる。
【0041】
そこで,ピストンアウタ5bは,次のような自然外力の作用で高圧縮比位置Hへの移動する。即ち,機関の吸気行程で吸気負圧によりピストンアウタ5bが燃焼室4a側に引き寄せられたときや,ピストン5の下降行程でピストンリング10a〜10c及びシリンダボア2a内面間に生ずる摩擦抵抗によりピストンアウタ5bがピストンインナ5aから置き去りにされようとしたときや,ピストン5の上昇行程の後半でピストンインナ5aの減速に伴いピストンアウタ5bがその慣性力によりピストンインナ5aから浮き上がろうとしたときに,ピストンアウタ5bはピストンインナ5aから上昇し,高圧縮比位置Hに容易に到達することになる(図10(b)参照)。
【0042】
こうしてピストンアウタ5bが高圧縮比位置Hに到達すると,既に,アクチュエータ20では,作動プランジャ23が第1油圧室25の油圧を受けて受圧ピン14aを嵩上げ位置Bに向かって押圧しているので,その押圧力により嵩上げ部材14を図10に示すように非嵩上げ位置Aから嵩上げ位置Bへと回動するので,図10(c)に示すように,嵩上げ部材14の環状配列の複数の第1カム16とピストンアウタ5bの環状配列の複数の第2カム17とは互いに平坦の頂面16b,17bを当接させることになり(図10(c)参照),ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに保持することができる。
【0043】
このとき,ピストンアウタ5bの止環18がピストンインナ5aの下端面に当接して,ピストンアウタ5bの燃焼室4a側へのそれ以上の移動が阻止される。したがって,ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hは,両カム16,17の頂面16b,17bの当接と,止環18のピストンインナ5a下端面への当接とにより保持される。かくして,カム機構15での遊びは無くなり,ピストンインナ及びアウタ5a,5bは,圧縮比を高めながら一体となってシリンダボア2a内を昇降することができる。
【0044】
而して,ピストンアウタ5bは,低圧縮比位置L及び高圧縮比位置H間を移動する際,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの嵌合面に形成されて互いに摺動自在に係合するスプライン歯11a及びスプライン溝11bにより,ピストンインナ5aに対する回転が拘束されているから,燃焼室4aに臨むピストンアウタ5bの頂面形状を燃焼室4aの形状に対応させて,ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hでの圧縮比を効果的に高めることができる。しかもピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hでは,機関の膨張行程時,ピストンアウタ5bが燃焼室4aから受ける大なる推力は,環状配列の複数の第1カム16及び第2カム17の互いに当接する平坦な頂面16b,17bに垂直に作用するので,該推力により嵩上げ部材14が回動されることはなく,したがって第1油圧室25に供給する油圧は,前記推力に抗する程の高圧を必要とせず,また第1油圧室25に多少の気泡が存在しても,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに安定的に保持し得るから,支障はない。
【0045】
しかもピストンアウタ5bの低圧縮比位置L及び高圧縮比位置H間での回動は,ピストン5の往復動中,ピストンインナ及びアウタ5a,5bに,それらを軸方向に離間させたり近接させようと作用する自然外力を利用するものであるから,アクチュエータ20は嵩上げ部材14を,単に非嵩上げ位置A及び嵩上げ位置B間で移動させるだけの出力を発揮すれば足りることになり,アクチュエータ20の小容量化及び小型化を図ることができる。
【0046】
ところで,上記自然外力のうち,ピストンリング10a〜10c及びシリンダボア2a内面間の摩擦抵抗と,ピストンアウタ5bの慣性力が特に効果的である。また上記摩擦抵抗は機関回転数の変化に対して変化が比較的少ないのに対して,ピストンアウタ5bの慣性力は機関回転数の上昇に応じて2次曲線的に増大するものであるから,ピストンアウタ5bの位置切り換えに対して,機関の低回転域では上記摩擦抵抗が支配的であり,機関の高回転域ではピストンアウタ5bの慣性力が支配的である。
【0047】
また各アクチュエータ20は,第1油圧室25の油圧で作動して嵩上げ部材14を非嵩上げ位置Aから嵩上げ位置Bへ回動し得る作動プランジャ23と,第1油圧室25の油圧解放時,戻しばね27の付勢力で作動して嵩上げ部材14を嵩上げ位置Bから非嵩上げ位置Aへ戻し得る戻しプランジャ24とで構成されるので,1組のアクチュエータ20につき油圧室25が1室で足り,その構成の簡素化を図ることができる。
【0048】
またピストンアウタ係止手段30は,ピストンインナ5aに軸支されてピストンアウタ5bの係止溝31に係合する作動位置C及び係止溝31から離脱する後退位置D間を移動する係止レバー32と,この係止レバー32を作動位置Cへ付勢する作動ばね34と,第2油圧室37の油圧で作動して係止レバー32を後退位置Dへ作動するピストン38とで構成されるので,この係止手段30においても油圧室37が1室で足り,その構成の簡素化を図ることができる。
【0049】
さらに第1及び第2油圧室25,37には,共通の電磁切換弁45を介してオイルポンプ46及び油溜め47に切換可能に接続されるので,共通の油圧をもってアクチュエータ20及びピストンアウタ係止手段30を合理的に作動することができ,油圧回路の簡素化をも図ることができ,圧縮比可変装置を安価に提供し得る。
【0050】
またアクチュエータ20は,嵩上げ部材14の周方向に複数組等間隔に配設されるので,嵩上げ部材14に偏荷重を与えることなく,これを枢軸12周りにスムーズに回動することができ,しかも複数組のアクチュエータ20の総合出力は大きいことから,各組のアクチュエータ20の小容量化,延いては小型化を図ることができる。
【0051】
また各組のアクチュエータ20の構成要素である作動プランジャ23及び戻しプランジャ24は,ピストンインナ5aに形成された共通のシリンダ孔21に嵌装されるので,構造が簡単であると共に,孔加工が単純でコストの低減に寄与し得る。
【0052】
またアクチュエータ20を2組,配設する場合には,それぞれのシリンダ孔21,21がピストンインナ5aにピストンピン6と平行に形成されるので,ピストンピン6に干渉されることなく,ピストンインナ5aの狭小な内部において2組のアクチュエータ20,20を嵩上げ部材14の周方向等間隔に配設することができる。
【0053】
また作動及び戻しプランジャ23,24の軸線は,各受圧ピン14aの軸線を横切る,枢軸12の半径線に対して略直角に交差するように配置されるので,作動及び戻しプランジャ23,24の押圧力を受圧ピン14を介して嵩上げ部材14に効率良く伝達することができ,アクチュエータ20のコンパクト化に寄与し得る。
【0054】
また作動及び戻しプランジャ23,24の各端面と,受圧ピン14aの円筒状外周面とは線接触で接触するので,その接触面積は比較的広く,面圧の低減を図り,耐久性の向上に寄与し得る。
【0055】
次に図12に示す本発明の第2実施例について説明する。
【0056】
この第2実施例は,嵩上げ部材114及びピストンアウタ105bにそれぞれ形成される第1カム116及び第2カム117に,嵩上げ部材114が非嵩上げ位置Aから嵩上げ位置Bへ回動するとき互いに軸方向に離反するように滑る斜面116a,117aを形成した点を除けば,前実施例と同様の構成であり,図12中,前実施例と対応する部分には,前実施例の参照符号の数字に100を加算した参照符号を付して,その説明を省略する。
【0057】
この第2実施例では,各カム116,117の一側面を斜面116a,117aとしたたことで,前実施例に比して,各カム116,117の隣接間隔が広がり,嵩上げ部材114の作動ストローク角度が増加し,また各カム116,117の頂面116b,117bの面積が減少することになるが,ピストンアウタ105bを高圧縮比位置Hに移動させる自然外力が弱い場合でも,図示しないアクチュエータにより嵩上げ部材114に嵩上げ位置Bへの回動力を付与すれば,斜面116a,117a相互のリフト作用によりピストンアウタ105bを高圧縮比位置Hへ押し上げることができる。
【0058】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,電磁切換弁45の作動態様は,上記実施例の場合と逆であっても差し支えはない。即ち,該切換弁45の非通電状態で油路44をオイルポンプ46に接続し,通電状態で油路44を油溜め47に接続することもできる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,コンロッドにピストンピンを介して連結されるピストンインナと,このピストンインナを覆うようにその外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合して外端面を燃焼室に臨ませながら,前記ピストンインナ寄りの低圧縮比位置及び燃焼室寄りの高圧縮比位置間を移動し得るピストンアウタとでピストンを構成し,前記ピストンインナ及びアウタ間に嵩上げ部材を,これがピストンの軸線周りに非嵩上げ位置及び嵩上げ位置間を回動し得るように介裝し,この嵩上げ部材と前記ピストンアウタとの軸方向対向面に,それぞれ頂面を平坦面とした凸状で且つ環状に配列される複数の第1カム及び第2カムを形成し,これら第1及び第2カムは,前記嵩上げ部材が非嵩上げ位置に回動したとき互いに噛み合って前記ピストンアウタの低圧縮比位置への移動を許容し,前記嵩上げ部材が嵩上げ位置に回動したとき互いに頂面を当接させて前記ピストンアウタを高圧縮比位置に保持するように配置され,前記嵩上げ部材に連接されるアクチュエータを,前記ピストンインナにおいて前記嵩上げ部材の回動方向に沿う同一軸線上でそれぞれ摺動可能に配設されて前記嵩上げ部材の受圧部を挟んで互いに対向する作動部材及び戻し部材より構成し,これら作動部材及び戻し部材を交互に作動することにより前記嵩上げ部材を非嵩上げ位置及び嵩上げ位置へ交互に回動するようにしたので,アクチュエータにより嵩上げ部材を非嵩上げ位置と嵩上げ位置とへ交互に回動することにより,ピストンアウタを低圧縮比位置と高圧縮比位置との交互に保持することができこの間,ピストンアウタは,ピストンインナに対して回転することがないから,燃焼室に臨むピストンアウタの頂面形状を燃焼室の形状に対応させて,ピストンアウタの高圧縮比位置での圧縮比を効果的に高めることができる。しかもピストンアウタの高圧縮比位置では,機関の膨張行程時,ピストンアウタが燃焼室から受ける大なる推力は嵩上げ部材で受け止められることになり,上記推力のアクチュエータへの作用も回避されることになるから,アクチュエータの小容量化,延いては小型化が可能となる。またアクチュエータを油圧式に構成する場合でも,これに前記推力が作用しないことから高圧シールは不要であり,また油圧室に多少の気泡が発生してもピストンアウタの高圧縮比位置を不安定にさせることもない。
【0060】
またアクチュエータを,前記ピストンインナにおいて前記嵩上げ部材の回動方向に沿う同一軸線上でそれぞれ摺動可能に配設されて前記嵩上げ部材の受圧部を挟んで互いに対向する作動部材及び戻し部材より構成したことから,アクチュエータの小型化が可能となり,ピストンの狭小な内部へのアクチュエータの配設が容易となる。
【0061】
また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記作動部材及び戻し部材を,ピストンインナに形成される同一のシリンダ孔に摺動可能に嵌装されて前記受圧部を挟んで互いに対向する作動プランジャ及び戻しプランジャで構成したので,作動プランジャ及び戻しプランジャのシリンダ孔の共通化により,加工の単純化と構成の簡素化を図ることができる。
【0062】
さらに本発明の第3の特徴によれば,第1又は第2の特徴に加えて,前記受圧部の中心を通る前記嵩上げ部材の半径線に対して略直角に交わる同一軸線上に前記作動部材及び戻し部材を配置したので,作動部材の作動力及び戻し部材の戻し力を受圧部を介して嵩上げ部材に効率良く伝達することができ,したがってアクチュエータの小容量化,小型化を図ることができる。
【0063】
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第1〜第3の何れかの特徴に加えて,前記アクチュエータを,嵩上げ部材の周方向に沿って複数組,等間隔に配設したので,複数組のアクチュエータの作動により,嵩上げ部材に偏荷重を加えることがなく,該部材をスムーズに回動することができる。
【0064】
さらにまた本発明の第5の特徴によれば,第4の特徴に加えて,前記アクチュエータを,前記ピストンピンを挟んで2組配設したので,ピストンピンに干渉されることなく,2組のアクチュエータを嵩上げ部材の周方向等間隔に配設することができ,ピストンの狭小な内部へのアクチュエータの配設をより簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る圧縮比可変装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図。
【図2】 図1の2−2線拡大断面図で低圧縮比状態を示す。
【図3】 図2の3−3線断面図。
【図4】 図2の4−4線断面図。
【図5】 図2の5−5線断面図。
【図6】 図2の6−6線断面図。
【図7】 図2の7−7線断面図。
【図8】 高圧縮比状態を示す,図2との対応図。
【図9】 図8の9−9線断面図。
【図10】 図8の10−10線断面図。
【図11】 嵩上げ部材の作用説明図。
【図12】 本発明の第2実施例を示す,図10との対応図。
【符号の説明】
A・・・・・・・嵩上げ部材の非嵩上げ位置
B・・・・・・・嵩上げ部材の嵩上げ位置
H・・・・・・・ピストンアウタの高圧縮比位置
L・・・・・・・ピストンアウタの低圧縮比位置
5・・・・・・・ピストン
5a・・・・・・ピストンインナ
5b・・・・・・ピストンアウタ
6・・・・・・・ピストンピン
7・・・・・・・コンロッド
14・・・・・・嵩上げ部材
14・・・・・・嵩上げ部材
16・・・・・・第1カム
16b・・・・・頂面
17・・・・・・第2カム
17b・・・・・頂面
20・・・・・・アクチュエータ
21・・・・・・シリンダ孔
23・・・・・・作動部材(作動プランジャ)
24・・・・・・戻しプランジャ
105b・・・・ピストンアウタ
114・・・・・嵩上げ部材
116・・・・・第1カム
116b・・・・頂面
117・・・・・第2カム
117b・・・・頂面

Claims (5)

  1. コンロッド(7)にピストンピン(6)を介して連結されるピストンインナ(5a)と,このピストンインナ(5a)を覆うようにその外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合して外端面を燃焼室(4a)に臨ませながら,前記ピストンインナ(5a)寄りの低圧縮比位置(L)及び燃焼室(4a)寄りの高圧縮比位置(H)間を移動し得るピストンアウタ(5b)とでピストン(5)を構成し,前記ピストンインナ及びアウタ(5a;5b,105b)間に嵩上げ部材(14,114)を,これがピストン(5)の軸線周りに非嵩上げ位置(A)及び嵩上げ位置(B)間を回動し得るように介裝し,この嵩上げ部材(14,114)と前記ピストンアウタ(5b,105b)との軸方向対向面に,それぞれ頂面(16b,17b;116b,117b)を平坦面とした凸状で且つ環状に配列される複数の第1カム(16,116)及び第2カム(17,117)を形成し,これら第1及び第2カム(16,17;116,117)は,前記嵩上げ部材(14,114)が非嵩上げ位置(A)に回動したとき互いに噛み合って前記ピストンアウタ(5b,105b)の低圧縮比位置(L)への移動を許容し,前記嵩上げ部材(14,114)が嵩上げ位置(B)に回動したとき互いに頂面(16b,17b)を当接させて前記ピストンアウタ(5b,105b)を高圧縮比位置(H)に保持するように配置され,前記嵩上げ部材(14)に連接されるアクチュエータ(20)を,前記ピストンインナ(5a)において前記嵩上げ部材(14,114)の回動方向に沿う同一軸線上でそれぞれ摺動可能に配設されて前記嵩上げ部材(14,114)の受圧部(14a)を挟んで互いに対向する作動部材(23)及び戻し部材(24)より構成し,これら作動部材(23)及び戻し部材(24)を交互に作動することにより前記嵩上げ部材(14,114)を非嵩上げ位置(A)及び嵩上げ位置(B)へ交互に回動するようにしたことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記作動部材及び戻し部材を,ピストンインナ(5a)に形成される同一のシリンダ孔(21)に摺動可能に嵌装されて前記受圧部(14a)を挟んで互いに対向する作動プランジャ(23)及び戻しプランジャ(24)で構成したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  3. 請求項1又は2記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記受圧部(14a)の中心を通る前記嵩上げ部材(14,114)の半径線に対して略直角に交わる同一軸線上に前記作動部材(23)及び戻し部材(24)を配置したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記アクチュエータ(20)を,嵩上げ部材(14,114)の周方向に沿って複数組,等間隔に配設したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  5. 請求項4記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記アクチュエータ(20)を,前記ピストンピン(6)を挟んで2組配設したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
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