JP3975067B2 - パターン形成体の検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを検査する方法に関するものであり、特に濡れ性パターンを有するカラーフィルタ用基板を用いてカラーフィルタを製造する際の検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無色透明の濡れ性の異なるパターンの欠陥を検査するのは困難であり、例えば、別の加工を施した後で検査する等の方法を用いなければ、濡れ性の異なるパターンの欠陥を発見することができなかった。
【0003】
このような濡れ性の異なるパターンを有する基材としては、基板上に光触媒含有層を塗布し、パターン状に露光することにより濡れ性の異なるパターンを形成する方法を挙げることができる(例えば、特開2001−74928号公報等参照)。この際用いられる光触媒含有層は、一般的に無色透明であるため、上述したように、その濡れ性の異なるパターンの検査方法の確立が望まれていた。
【0004】
一方、カラーフィルタの製造方法としては、フォトリソグラフィー法を用いる方法が一般的であったが、特開平11−337726号公報に開示されるように、濡れ性の異なるパターンが形成された基材上の親液性の領域に、インクジェット方式によりインクを噴射して付着させることで画素部を形成し、カラーフィルタを得る方法が提案されている。このような方法を用いると、フォトリソグラフィー法では、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の着色パターンを順次着色する必要があるのに対し、同時に上記3原色を着色することができ、工程を簡略化することができるという利点があることから、カラーフィルタの製造方法としては、効率的であり有用であるといえる。
【0005】
しかしながら、上記製造工程においては、無色透明の濡れ性の異なるパターンを形成する必要があるが、このようなパターンの検査法は上述したように未だ確立されておらず、よって、着色層を形成した後でなければ、欠陥を発見することができないといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、濡れ性の異なるパターンを形成した場合に適用することができ、かつ従来の検査装置を適用することが可能であることから容易に濡れ性の異なるパターンの欠陥を検出することができるパターン形成体の検査方法を提供することを主目的とするものである。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、基材表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを有するパターン形成体を準備する工程と、上記親液性領域のパターン状に非汚染性の検査液を液膜で付着させる工程と、上記親液性領域に付着した検査液を検査する工程とを有することを特徴とするパターン形成体の検査方法を提供する。
【0008】
本発明においては、濡れ性パターンを検査するに当り、検査液を親液性領域に付着させて検査するものであるので、親液性領域を検査液の付着の有無で検査することが可能となる。したがって、従来の光学的な検査方法を適用することが可能であることから、比較的容易に濡れ性パターンの欠陥の検出を行うことができるという利点を有するものである。
【0009】
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記パターン形成体は、基板と、上記基板表面に形成された濡れ性可変層とを有するものであり、上記濡れ性可変層が、エネルギーの照射に伴う光触媒の作用により水との接触角が低下するように濡れ性が変化する層であることが好ましい。
【0010】
エネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性の異なるパターンが形成される層は、例えばフォトマスク等を用いてエネルギーをパターン照射することにより高精細な濡れ性パターンを形成することが可能となる。したがって、このような濡れ性可変層において、本発明の有用性をより効果的に発揮することができるからである。
【0011】
上記請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記濡れ性可変層が、YnSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオ巨アルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nはO〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンを含有する濡れ性変化層であることが好ましい。
【0012】
このような組成の濡れ性変化層は、光触媒を含有する光触媒層と接触させてエネルギーをパターン状に照射させることにより、濡れ性の異なる高精細なパターンを形成することが可能である。したがって、本発明の濡れ性パターンの検査方法が有用となる。
【0013】
上記請求項2に記載された発明においては、請求項4に記載するように、上記濡れ性可変層が、光触媒とバインダとを有する光触媒含有層であることが好ましい。
【0014】
この場合も、エネルギーのパターン照射を行うことにより、高精細な濡れ性のパターンを形成することができ、この濡れ性のパターンの欠陥の検出に本発明が有用であるからである。
【0015】
上記請求項4に記載された発明においては、請求項5に記載するように、上記光触媒が、醗化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、および酸化鉄(Fe2O3)から選択される1種または2種以上の物質であることが好ましく、中でも請求項6に記載するように酸化チタン(TiO2)であることが好ましい。これは、酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易であることから、酸化チタンを用いる濡れ性可変層が好適に用いられるため、この濡れ性のパターンの欠陥を検出する必要性が高いからである。
【0016】
上記請求項4から請求項6までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項7に記載するように、上記バインダが、YnSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。このようなバインダが濡れ性可変層に好適に用いられることから、この濡れ性のパターンの欠陥の検出の有用性が高いからである。
【0017】
上記請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項8に記載するように、上記検査液が、20mN/m以上の表面張力の表面張力を有する非汚染性の液体であることが好ましい。上記数値に満たない場合、検査に際して十分な接触角を得ることができない可能性があり、正確な検査ができない場合があるからである。また、汚染性の液体の場合は、検査後の除去工程において、完全に検査液の除去を行うと濡れ性のパターンを破壊する可能性があるからである。
【0018】
上記請求項8に記載された発明においては、請求項9に記載するように、検査液が水であることが好ましい。水は表面張力が十分に高く、かつ非汚染性であるため検査液として好ましいからである。
【0019】
上記請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項10に記載するように、上記パターン形成体が、カラーフィルタ形成用基材であることが好ましい。濡れ性パターンを利用してカラーフィルタの画素部を形成することにより、顔料分散法等と比較して簡便な工程でカラーフィルタを形成することが可能であるが、この際、濡れ性パターンが形成されたパターン形成体の検査が必要となるからである。
【0020】
本発明においては、請求項11に記載するように、請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載されたパターン形成体の検査方法により検査を行う検査工程と、上記検査工程で付着した検査液を除去する除去工程と、パターン形成体の親液性領域に画素部形成用塗工液をノズル吐出法により塗布する画素部形成工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0021】
このようなカラーフィルタの製造方法においては、濡れ性のパターンの欠陥を検出することが可能であることから、歩留まりの良好な製造方法であるという利点を有する。
【0022】
上記請求項11に記載された発明においては、請求項12に記載するように、上記除去工程の後、欠陥が検出されたパターン形成体に対し、上記濡れ性可変層を除去する工程と、上記濡れ性可変層が除去された基板上に再生濡れ性可変層を形成する工程と、上記再生濡れ性可変層に対し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを形成し、再生パターン形成体を形成する工程とを有する再生工程を施した後、再度上記検査工程を行うことが好ましい。このような再生工程を行うことにより、歩留まりを向上させることが可能となるからである。
【0023】
本発明はさらに、請求項13に記載されるように、基材表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを有するパターン形成体の親液性領域に対し、上記親液性領域のパターン状に非汚染性の検査液を液膜で付着させる検査液付着手段と、上記親液性領域に付着した検査液を検査する検査手段とを有することを特徴とするパターン形成体検査装置を提供する。
【0024】
このようなパターン形成体検査装置を用いることにより、透明な濡れ性パターンであっても、濡れ性パターンの欠陥の検出を行うことができるからである。
【0025】
上記請求項13に記載された発明においては、請求項14に記載されるように検査液付着手段をが、ディップコーティング装置またはスピンコーティング装置とすることが好ましい。検査液を濡れ性パターン上に付着させる装置として、好ましいからである。
【0026】
上記請求項13または請求項14に記載された発明においては、請求項15に記載するように、上記検査手段が、CCD素子を用いた検査装置であることが好ましい。システムに組み込んで自動化することが容易だからである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、まず本発明のパターン形成体の検査方法について説明し、次いでパターン形成体の製造装置、さらにはカラーフィルタの製造方法について説明する。
【0028】
A.パターン形成体の検査方法
本発明のパターン形成体の検査方法は、基材表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを有するパターン形成体を準備する工程と、上記親液性領域に検査液を付着させる工程と、上記親液性領域に付着した検査液を検査する工程とを有することを特徴とするものである。
【0029】
このようなパターン形成体の検査方法の一例を、図面を用いて具体的に説明する。
【0030】
図1および図2は、本発明におけるパターン形成体を準備する準備工程を説明するためのものであり、この例では、基板1表面に光触媒含有層2が形成されており、この光触媒含有層2表面には、親液性領域3および撥液性領域4とからなる濡れ性パターンが形成されている。このように、まず濡れ性パターンを有する光触媒含有層2と基板1とからなるパターン形成体5を準備する準備工程が行われる。
【0031】
ここで、親液性領域とは、水等の液体との接触角が小さい領域であり、検査液に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、水等の液体との接触角が大きい領域であり、検査液に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0032】
なお、この例では濡れ性変化層が光触媒含有層である態様を示したが、後述するように必ずしも濡れ性変化層に光触媒が含有されている必要はない。
【0033】
次いで、図3に示すように、上記親液性領域3上にのみ検査液6を付着させる。
パターン形成体5の光触媒含有層2表面上は、上述したように親液性領域3と撥液性領域4との濡れ性パターンが形成されていることから、例えばディップコーティング等を行なうことにより、図3に示すように、撥液性領域4上には検査液が付着せず、容易に親液性領域3上にのみ検査液を付着させることができるのである。
【0034】
次いで、このように親液性領域3にのみ付着した検査液6のパターンを検査することにより、濡れ性パターンに欠陥が無いかを検査する検査工程が行われる。この検査工程としては、例えば図4に示すように、レーザ光発光装置7からレーザ光8を発光させ、このレーザ光8が光触媒含有層2で反射した後に受光し得る位置に受光素子9を配置し、この受光素子9で反射光を受光する。検査液の有無により反射光の強度が異なることから、受光素子9は、検査液の有無を検出することができ、結果的に親液性領域および撥液性領域の濡れ性パターンを光の強弱により検出することができる。よって、受光素子を予め親液性領域および撥液性領域の正確なパターンが記憶された制御手段と接続しておき、この制御手段に対して検出された光の強弱のデータを送り、正確なパターンとの比較を行うことにより、濡れ性パターンの欠陥の検査を行うことができるのである。
【0035】
また、図5には、一般的な光源を用いた検査方法の一例を示す。この例では、パターン形成体5の光触媒含有層2側に通常の光源10を配置する。そして、光触媒含有層2側のさらに上方には、受光手段11を配置する。そして光源10から光触媒含有層2上に光を照射する。ここで、上記親液性領域3上には検査液6が付着しているので、容易に例えばCCD素子等の受光手段により検査液のパターン、すなわち親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを判別することが可能となる。これを、正確な濡れ性パターンと比較することにより、濡れ性パターンの欠陥を検出することができるのである。
【0036】
本発明における濡れ性パターンの欠陥とは、例えば上述したように基板上に光触媒含有層が形成されたようなパターン形成体の場合は、光触媒含有層の膜厚ムラ、欠如によるホール、露光ムラ、光触媒膜上の異物等が挙げられるが、これらに限定されることなくあらゆる欠陥検査に用いることが可能である。
【0037】
本発明の特徴は、濡れ性パターンが形成されたパターン形成体のみでは、検出しにくかった濡れ性のパターンの欠陥を、検査液を付着させることにより容易に検出できるようにしたところにあり、従来法では検出することができなかった欠陥を発見することが可能となった点にある。
【0038】
以下、本発明のパターン形成体の検査方法について、各工程毎に詳細に説明する。
【0039】
1.パターン形成体準備工程
本発明のパターン形成体の検査方法においては、まず、基材表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを有するパターン形成体を準備する工程が行われる。
【0040】
ここで、本発明のパターン形成体は、基材表面に上述したような濡れ性パターンを有するものであれば、その層構成は特に限定されるものではない。具体的には、基材が濡れ性可変層の単一の層であり、その表面にパターン状に表面処理が施されて親液性領域と撥液性領域の濡れ性パターンが形成されたものであってもよく、また基材が基板上に濡れ性可変層が形成されたものであり、その表面、すなわち濡れ性可変層表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性のパターンが形成されたものであってもよい。
【0041】
以下、本発明において用いられる濡れ性可変層および必要に応じて用いられる基板について説明する。
【0042】
(濡れ性可変層)
本発明において用いられる濡れ性可変層は、その表面の濡れ性を、外からの刺激、例えば物理的刺激、化学的刺激等により変化させることができる層であれば特に限定されるものではない。例えば、酸またはアルカリ等により表面の粗さの状態が変化し、濡れ性が変化する層等であってもよいし、また紫外線や可視光、さらには熱等のエネルギーの照射により濡れ性可変層内の物質が変化して濡れ性が変化する層等であってもよいが、好ましくは、エネルギーの照射に伴う光触媒の作用により濡れ性可変層の濡れ性が変化する層であることが望ましい。
【0043】
本発明における濡れ性可変層としては、基板上に形成されたものであってもよく、濡れ性可変層が自己支持性を有するものであれば、濡れ性可変層単独で用いてもよい。
【0044】
上述したように、本発明における濡れ性可変層は、光触媒の作用により濡れ性の変化する層であることが好ましいが、このような濡れ性可変層のタイプとして、光触媒を含有するタイプと、光触媒を含有しないタイプとに分けることができる。光触媒を含有するタイプは濡れ性可変層が光触媒含有層であり、この光触媒含有層にパターン状にエネルギーを照射することにより、親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンが形成されるものである。一方、光触媒を含有しないタイプは、別に設けられた光触媒層と接触させ、この状態でパターン露光することにより親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンが形成される。以下、濡れ性可変層が光触媒を含有する層である場合を、光触媒含有層とし、光触媒を含有しない場合を、濡れ性変化層として、それぞれ説明する。
【0045】
▲1▼ 濡れ性変化層
まず、濡れ性変化層について説明する。本発明における濡れ性変化層は、光触媒を有する光触媒層と接触させた状態で露光(ここで、本発明における露光とはエネルギー照射を含めた概念とする。またエネルギー照射のエネルギーとは、濡れ性変化層もしくは光触媒含有層の濡れ性を変化させることができる紫外線等のエネルギーを示すものである。)することにより、その表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンが形成される層である。
【0046】
この濡れ性変化層は、エネルギー照射により液体の接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層である。これにより、パターン露光等を行えば、容易に濡れ性を変化させ、液体との接触角の小さい親液性領域のパターンを形成することができる。したがって、この濡れ性変化層上の親液性領域としたい部分、カラーフィルタであれば、画素部を形成する領域のみ露光することにより容易に親液性領域とすることが可能となり、この部分に、例えば上記カラーフィルタであれば画素部形成用塗工液を付着させることにより、容易に画素部を有するカラーフィルタを形成することができる。したがって、効率的にカラーフィルタを製造でき、コスト的に有利となる。
【0047】
ここで、親液性領域とは、液体の接触角が小さい領域であり、検査液や機能性部用組成物、例えば画素部形成用の塗工液等に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液体の接触角が大きい領域であり、検査液や機能性部用組成物、例えば画素部形成用の塗工液等に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0048】
本発明に用いられる濡れ性変化層表面に形成される撥液性領域および親液性領域の濡れ性としては、以下の範囲であることが好ましい。すなわち撥液性領域においては、表面張力40mN/mの液体との接触角が10度以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10度以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10度以上であることが好ましい。これは、撥液性領域、すなわち露光していない部分は、本発明においては撥液性が要求される部分であることから、液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、検査液等が残存する可能性が生じるため好ましくないからである。
【0049】
また、親液性領域は、表面張力40mN/mの液体との接触角が9度以下、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10度以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10度以下であることが好ましい。親液性領域における液体との接触角が高いと、この部分での検査液等の広がりが劣る可能性があるからである。
【0050】
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
【0051】
本発明に用いられる濡れ性変化層は、上述したように表面の濡れ性が光触媒の作用により変化し得る材料で形成されたものであれば特に限定されるものではなく、例えば後述するように基板上に塗布されるものであってもよいが、そのもの自体が自己支持性を有するもの、例えばフィルム状のものを用いることも可能である。
【0052】
なお、本発明でいう自己支持性を有するとは、他の支持材無しで有形な状態で存在し得ることをいうこととする。
【0053】
このような本発明に用いられる濡れ性変化層の材料として、具体的には、光触媒含有層をその表面に接触させてエネルギーを照射させることにより、その後塗布する機能性部用組成物が有する表面張力と同等の表面張力の液体に対する接触角が、少なくとも1°以上、好ましくは5°特に10°以上変化する材料を挙げることができる。
【0054】
このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルフロライド、アセタール樹脂、ナイロン、ABS、PTFE、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリ弗化ビニリデン、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン等を挙げることができる。
【0055】
一方、基材上に塗布して濡れ性変化層とする材料としては、上述した濡れ性変化層の特性、すなわち露光により接触する光触媒含有層中の光触媒の作用により濡れ性が変化する材料で、かつ光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0056】
具体的には、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
【0057】
上記の(1)の場合、一般式:
YnSiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。また、特にフルオロアルキル基を含有するポリシロキサンが好ましく用いることができ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
【0058】
具体的な材料等に関しては、本発明者等の出願に係る特開2000−249821公報に詳細に記載されている。
【0059】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0060】
【化1】
【0061】
ただし、nは2以上の整数であり、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0062】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
【0063】
このような濡れ性変化層は、上述した成分を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基板上に塗布することにより形成することができる。本発明において、この濡れ性変化層の厚みは、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.001μmから1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0064】
本発明において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、所定の間隔をおいて配置された光触媒層中の光触媒の作用により、上記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、露光部の濡れ性を変化させて親液性とし、非露光部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。よって、検査液や機能性部用組成物、例えば画素部形成用塗工液等との受容性(親液性)および反撥性(撥液性)を高めることによって、品質の良好でかつコスト的にも有利なカラーフィルタ等とすることができる。
【0065】
このような濡れ性変化層上に親液性領域および撥液性領域とからなる濡れ性パターンを形成する方法は、上述したように光触媒層と接触させてパターン露光することによるものである。
【0066】
この光触媒層としては、後述する光触媒含有層を好適に用いることができるが本発明はこれに限定されるものではなく、例えば真空製膜法等により光触媒のみから形成された層であってもよい。
【0067】
また、この接触の態様も、実際に接触させてもよく、また、0.2μm〜10μmの範囲内、好ましくは1μm〜5μmの範囲内の空隙を、上記濡れ性変化層と光触媒層との間に形成し、この状態で露光するようにしてもよい。
【0068】
▲2▼ 光触媒含有層
次に、濡れ性可変層が光触媒を含有する場合について説明する。この場合、上述したように、濡れ性可変層を光触媒含有層と称することとする。
【0069】
この光触媒含有層上の親液性領域および撥液性領域の定義および濡れ性の範囲等に関しては、上記濡れ性変化層の項での説明と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0070】
本発明に用いられる上記光触媒含有層は、少なくとも光触媒とバインダとから構成されていることが好ましい。このような層とすることにより、エネルギー照射によって光触媒の作用によりバインダ中の成分が変化することにより、臨界表面張力を高くすることが可能となり、その結果濡れ性パターンを容易に形成することができるからである。
【0071】
このような光触媒含有層における、後述するような酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。
【0072】
本発明において濡れ性可変層として光触媒含有層を用いた場合、光触媒により、バインダの一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、エネルギー照射部の濡れ性を変化させて親液性とし、未照射部との濡れ性に大きな差を生じさせることができる。
【0073】
また、本発明においてこのような光触媒含有層を用いた場合、この光触媒含有層が少なくとも光触媒とフッ素とを含有し、さらにこの光触媒含有層表面のフッ素含有量が、光触媒含有層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有層が形成されていてもよい。
【0074】
エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域におけるフッ素含有量は、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下であることが好ましい。
【0075】
このような光触媒含有層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
【0076】
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、および酸化鉄(Fe2O3)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0077】
本発明においては、特に酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0078】
このようなアナターゼ型酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0079】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径は50nm以下が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の撥液性が低下し、また露光部の親液性の発現が不十分となるため好ましくない。
【0080】
本発明に用いられる光触媒含有層は、上記光触媒とバインダとを主たる成分とするものである。ここで、使用するバインダは、上記濡れ性変化層の項で説明した、基材上に塗布する態様のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0081】
本発明において光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOLBL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0082】
また、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0083】
光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0084】
上記光触媒含有層は、光触媒とバインダを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することかできる。
【0085】
(基板)
本発明において、上記濡れ性可変層は、強度との関係等の理由から基板上に形成されていることが好ましい。この際用いられる基板としては、パターン形成体の用途に応じて変化するものであり、具体的には、ガラス、アルミニウム、およびその合金等の金属、プラスチック、織物、不織布等を挙げることができる。
【0086】
後述するように本発明のパターン形成体は、カラーフィルタ形成用基材としての用途が想定されている。このような場合の基板としては、透明基板であることが好ましく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適している。本発明において、透明基板は通常透明なものを用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも用いることは可能である。また、透明基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施したものを用いてもよい。
【0087】
2.検査液付着工程
本発明においては、次いで上記親液性領域に検査液を付着させる検査液付着工程が行なわれる。
【0088】
この検査液付着工程における検査液の付着方法は、例えばスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。本発明においては、中でも簡便な装置で行なうことができる等の理由によりディップコート法により行なうことが好ましい。
【0089】
以下、本発明に用いられる検査液について詳細に説明する。
【0090】
(検査液)
本発明に用いられる検査液は、パターン形成体上の濡れ性パターンの親液性領域のみに付着することができるものであれば、特に限定されるものではないが、表面張力が所定の値より高く、かつ非汚染性である検査液が好適に用いられる。
【0091】
すなわち、本発明においては、検査液を撥液性領域と親液性領域との濡れ性の差異に基づき親液性領域のみに付着させ、これにより濡れ性のパターンを検査するものである。ここで、撥液性領域の臨界表面張力よりも小さい表面張力の検査液を用いると、検査液との接触角が親液性領域および撥液性領域のいずれもが0°となってしまい、親液性領域のみに検査液を付着させることができなくなってしまう。また、検査液が、親液性領域の臨海表面張力よりも小さい表面張力の検査液を用いると、検査液の親液性領域に対す接触角と撥液性領域に対する接触角との差が十分にとれない場合がある。したがって、本発明においては、所定の表面張力以上の表面張力を有する検査液であることが好ましいのである。
【0092】
具体的には、20mN/m以上,特に30mN/m以上、中でも50mN/m以上の表面張力を有する検査液を用いることが好ましい。なお、この検査液の表面張力の上限に関しては、特に限定されるものではないが、75mN/m以下であることが好ましいといえる。
【0093】
また、本発明で用いる検査液は非汚染性であることが好ましい。これは、検査に際しては、検査に供したパターン形成体をそのまま製品として用いることが望ましいが、パターン形成体を汚染する検査液を用いた場合は、完全に除去することが困難であり、そのまま製品として用いることができない場合があるからである。またこのような汚染性の検査液を用いて検査した後、検査液を完全に除去するためには、除去に際して何等かの処理を行う必要がある。このような処理を施すと、パターン形成体上の濡れ性パターンを破壊する可能性があるからである。
【0094】
このような非汚染性の検査液としては、水、水とアルコールの混合溶液、グリセリンやN−メチル−2−ピロリドン等の水と相溶性のある溶剤と水との混合溶液等が挙げられる。水を含む系以外の溶液においても前記表面張力を有しパターン形成が可能なものであれば用いることが可能である。
【0095】
また、視認性を向上させることを目的として上記溶液を溶媒として染料等の着色剤を溶解した溶液を用いても良い。但し染料等の着色材料を混合する場合、検査基板の非汚染性を考慮した濃度とすることが必要となる。
【0096】
着色染料としてはアゾ系染料、アントラキノン系染料、インジコイド系染料、フタロシアニン系染料、カルボニウム系染料、キノンイミン系染料、メチン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、ナフタルイミド系染料、ペリノン系染料、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム系染料、スクアリリウム塩系染料等が挙げられるがこれに限定されず、基板の非汚染性の条件を満たすものであれば用いることができる。
【0097】
本発明においては、中でも水を用いることが最も好ましい。水は表面張力が高く、かつ非汚染性であり、さらには安価であり、コスト的に有利だからである。本発明においては、検査液として用いる水に対して、必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。
【0098】
3.検査工程
本発明においては、次いで、親液性領域に付着した検査液を検査する検査工程が行われる。この工程においては、上記親液性領域に付着した検査液の形状を検査することにより、パターン形成体上の濡れ性パターンの欠陥を検査するものである。
【0099】
この検査工程では、特に限定されるものではないが、光学的な検査方法により検査が行われることが好ましく、具体的には、目視による検査、光源とCCD素子を用いた検出系、レーザー光と受光素子から構成されるレーザー干渉を用いた検出系、モアレ画像をビデオモニタに取り込み解析する手法等を挙げることができる。
【0100】
本発明においては、自動化が容易な点等の理由からCCD素子を用いて検査を行うことが好ましい。
【0101】
この目視による検査もしくはCCD素子を用いた検査は、例えば図5に示すように光をパターン形成体の検査液が付着した側の面から光を照射して、その反射光を目視もしくは受光素子としてのCCD素子で捕らえ、検査に供する方法であっても良いし、検査液が付着した側の面、もしくはその反対側の面から光を当て、その透過光を目視もしくはCCD素子で捕らえ、検査に供する方法であってもよい。しかしながら、本発明においては、親液性領域上に付着する検査液の形状を検出することにより、濡れ性パターンの欠陥を検出することができるので、形状の判別が容易な反射光を用いる検査方法が好ましいといえる。
【0102】
本発明は、このように検査方法に従来から用いられているCCD素子による方法を利用することができることから、従来より用いられている制御方法等をそのまま用いることが可能であるという利点を有するものである。
【0103】
4.その他
本発明のパターン形成体の検査方法に供されるパターン形成体は、濡れ性パターンを有するパターン形成体であれば、いかなる用途に用いられるパターン形成体であってもよい。しかしながら、このパターン形成体上に形成された濡れ性パターン自体が高精細であり、かつその上に何等かの機能性層が形成されるパターン形成体は、濡れ性パターンに小さな欠陥があった場合でも、性能上大きな問題とされる場合が多く、したがって、本発明のパターン形成体の検査方法を用いる際の有用性が高い。
【0104】
このような観点から、本発明のパターン形成体の検査方法に供されるパターン形成体としては、高精細な濡れ性のパターンを必要とする機能性素子形成用の基材、具体的にはカラーフィルタ形成用基材であることが好ましい。
【0105】
B.パターン形成体検査装置
上述したパターン形成体の検査方法を行うための装置としては、基材表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを有するパターン形成体の親液性領域に対し、検査液を付着させる検査液付着手段と、上記親液性領域に付着した検査液を検査する検査手段とを有することを特徴とするパターン形成体検査装置を用いることができる。
【0106】
このようなパターン形成体検査装置を用いることにより、透明な濡れ性パターンを有するパターン形成体であっても、濡れ性パターンの欠陥の検出を行うことができる。
【0107】
このパターン形成体検査装置における検査液付着手段としては、パターン形成体全面に検査液を塗布することにより、親液性領域のみに検査液を付着させる手段であってもよく、また親液性領域に選択的に検査液を塗布するノズル吐出装置等の手段であってもよい。このいずれの手段をもちいるかは、親液性領域および撥液性領域の濡れ性の程度、およびその差の大きさ等により選択して用いればよいが、一般的には全面に塗布する手段を用いることが好ましく、具体的には、ディップコーティング装置またはスピンコーティング装置とすることが好ましい。
【0108】
また、検査手段としては、検査液を親液性領域に付着させた状態での形状を検出することにより、検査を行うものであるので、光学的な検査手段であることが好ましく、具体的には目視もしくはCCD素子を用いた検査装置を挙げることができる。本発明においては、中でもCCD素子を用いた検査装置が、自動化を可能とする点で好ましい。
【0109】
C.カラーフィルタの製造方法
次に、上述したパターン形成体の検査方法を製造工程に有するカラーフィルタの製造方法について説明する。
【0110】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述したようなパターン形成体の検査方法によりパターン形成体の検査を行う検査工程と、
上記検査工程で付着した検査液を除去する除去工程と、
上記親液性領域に画素部形成用塗工液をノズル吐出法により塗付する画素部形成工程とを有することを特徴とするものである。
【0111】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、このように濡れ性パターンを有するパターン形成体の検査工程を有するものであるので、画素部形成後に濡れ性パターンの欠陥が検出される従来の製造方法より、コスト面で大幅に有利な製造方法であるといえる。
【0112】
以下、このようなカラーフィルタの製造方法について説明する。
【0113】
1.検査工程
このパターン形成体の検査工程については、上記「A.パターン形成体の検査方法」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0114】
2.除去工程
本発明においては、次いで、上記検査工程で検査されたパターン形成体に対して、上記検査工程で付着した検査液を除去する除去工程が行われる。
【0115】
この除去工程に用いられる除去方法等は、付着する検査液をパターン形成体上の濡れ性パターンを傷つけることなく除去することができる方法であれば特に制限されるものではない。
【0116】
具体的には、検査液が容易に蒸発するものであれば、加熱する方法、スピンコーティング法に用いられるようなスピン装置上に取り付けて高速回転により除去する方法、高圧エアーにより吹き飛ばす方法等を挙げることができる。
【0117】
また、検査液が着色している場合等においては、例えば同じ物質等の相溶性を有する洗浄液で洗浄する方法等を挙げることができる。
【0118】
3.画素部形成工程
このようにして検査液を除去した後、上記親液性領域に画素部形成用塗工液をノズル吐出法により塗布する画素部形成工程が行われる。具体的には、図6に示すように、濡れ性可変層としての光触媒含有層2上に形成された新液性領域3上に画素部12を形成する工程である。
【0119】
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既にパターン形成体の検査工程が行われていることから、このような画素部形成工程を行っても、濡れ性パターンの欠陥に起因する不良は生じることがない。
【0120】
上記画素部形成工程においては、画素部が通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成されることから、この三原色の画素部を形成するための画素部形成用塗工液が用いられる。なお、この画素部における着色パターン、着色面積は任意に設定することができる。
【0121】
以下、この画素部形成工程に用いられる画素部形成用塗工液および吐出法について説明する。
【0122】
(画素部形成用塗工液)
本発明において用いられる画素部形成用塗工液としては、後述するノズル吐出法に用いることができる画素部形成用塗工液であれば特に限定されるものではない。しかしながら、後述するようにノズル吐出法の中でもインクジェット法によるものが好ましいことから、このインクジェット方式に用いられる画素部形成用塗工液が好適に用いられる。
【0123】
このようなインクジェット方式に用いられる画素部形成用塗工液としては、大きく水性、油性に分類される。本発明においてはいずれの画素部形成用塗工液であっても用いることができるが、表面張力の関係から水をベースとした水性の画素部形成用塗工液が好ましい。
【0124】
本発明で用いられる水性の画素部形成用塗工液には、溶媒として、水単独または水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒を用いることがきる。一方、油性の画素部形成用塗工液には、へッドのつまり等を防ぐために高沸点の溶媒をベースとしたものが好ましく用いられる。このようなインクジェット方式の画素部形成用塗工液に用いられる着色剤は、公知の顔料、染料が広く用いられる。また、分散性、定着性向上のために溶媒に可溶・不溶の樹脂類を含有させることもできる。その他、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などの界面活性剤;防腐剤;防黴剤;pH調整剤;消泡剤;紫外線吸収剤;粘度調整剤:表面張力調整剤などを必要に応じて添加しても良い。
【0125】
また、通常のインクジェット方式の画素部形成用塗工液は適性粘度が低いためバインダ樹脂を多く含有できないが、塗工液中の着色剤粒子を樹脂で包むかたちで造粒させることで着色剤自身に定着能を持たせることができる。このような塗工液も本発明においては用いることができる。さらに、所謂ホットメルトインクやUV硬化性の画素部形成用塗工液を用いることもできる。
【0126】
本発明においては、中でもUV硬化性の画素部形成用塗工液を用いることが好ましい。UV硬化性の塗工液を用いることにより、インクジェット方式により着色して画素部を形成後、UVを照射することにより、素早く塗工液を硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることができる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造することができるからである。
【0127】
このようなUV硬化性の塗工液は、プレポリマー、モノマー、光開始剤及び着色剤を主成分とするものである。プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアクリレート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレート、シリコンアクリレート等のプレポリマーのいずれかを特に限定することなく用いることができる。
【0128】
モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル等のビニルモノマー;n−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー;ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ヒドロキシピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレート等の多官能アクリルモノマーを用いることができる。上記プレポリマー及びモノマーは単独で用いても良いし、2種以上混含しても良い。
【0129】
光重合開始剤は、イソブチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェニル−l,2−プロパジオン−2−オキシム、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、クロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、塩素置換ベンゾフェノン、ハロゲン置換アルキル−アリルケトン等の中から所望の硬化特性、記録特性が得られるものを選択して用いることができる。その他必要に応じて脂肪族アミン、芳香族アミン等の光開始助剤;チオキサンソン等の光鋭感剤等を添加しても良い。
【0130】
(ノズル吐出法)
本発明における画素部形成工程においては、上述したような画素部形成用塗工液を、ノズル吐出法により親液性領域に塗布するものである。
【0131】
本発明でいうノズル吐出法としては、例えばマイクロシリンジ、ディスペンサー、インクジェット、針先より画素部形成用塗工液を電界などの外部刺激により飛ばす方法、外部刺激により振動するピエゾ素子などの振動素子を用いて素子より画素部形成用塗工液を飛ばす方法、針先に付着させた画素部形成用塗工液を基材表面に付着させる方法等を挙げることができる。
【0132】
本発明では、上述した吐出法の中でも、塗布の正確性および迅速性等の観点からインクジェット方式で画素部を形成することが好ましい。この場合用いられるインクジェット装置としては、特に限定されるものではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的に噴射する方法等の各種の方法を用いたインクジェット装置を用いることができる。
【0133】
4.再生工程
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上記除去工程の後、欠陥が検出されたパターン形成体に対し、
上記濡れ性可変層を除去する工程と、
上記濡れ性可変層が除去された基板上に再生濡れ性可変層を形成する工程と、上記再生濡れ性可変層に対し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを形成し、再生パターン形成体を形成する工程と、
を有する再生工程を行うことが好ましい。
【0134】
このように、欠陥が検出されたパターン形成体を廃棄処分とした場合は、用いる基板等のコストにもよるが、一般にコスト高となる。したがって、このように再度濡れ性可変層を形成し、濡れ性パターンを形成する再生工程を行うことにより、基板を有効利用し、これによりコストおよび廃棄物の低減を図ることができるからである。
【0135】
本発明においては、上記再生工程を行った後、上述した検査工程を再度行い、再生されたパターン形成体の濡れ性パターンの欠陥の有無を検査することが好ましい。
【0136】
以下、上記再生工程に含まれる各工程について説明する。
【0137】
▲1▼濡れ性可変層除去工程
この再生工程においては、まず欠陥のあった濡れ性可変層の除去工程が行われる。この際の濡れ性可変層は、上述したように濡れ性変化層もしくは光触媒含有層であり、いずれも通常はオルガノポリシロキサンを主成分とする層である。したがって、このような層を除去する方法としては、主にアルカリ現像法を用いることが好ましい。使用するアルカリ性溶液としては、有機アルカリおよび無機アルカリの水溶液を上げることができる。好ましいアルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液および水酸化カリウム水溶液を挙げることができる。
【0138】
このようなアルカリ性溶液のpHとしては、pH7〜14の範囲内が好ましく、特にpH10〜14の範囲内、中でもpH12〜14の範囲内が好ましい。
【0139】
現像液を塗布する手段としては、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、ビードコート、スリットコート、ロールコート等各種のコーティング手法により塗布することができる。
【0140】
▲2▼再生濡れ性可変層形成工程
このように濡れ性可変層を除去した後、基板表面を必要に応じて洗浄・乾燥した後、再生濡れ性可変層、すなわち、濡れ性変化層もしくは光触媒含有層を形成する。これらの層についての説明は、上記「A.パターン形成体の検査方法」における濡れ性可変層の説明と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0141】
▲3▼再生パターン形成体形成工程
次いで、上記再生濡れ性可変層に対し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを形成し、再生パターン形成体を形成する。この濡れ性パターンの形成方法に関しても、上記「A.パターン形成体の検査方法」における濡れ性可変層の説明と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0142】
5.その他
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、その他必要に応じて種々のカラーフィルタを構成する部材を製造する工程を有するものであってもよい。
【0143】
(遮光部形成工程)
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、遮光部(ブラックマトリックス)を形成する遮光部形成工程を有するものであってもよい。この遮光部形成工程は、上述した画素部形成工程より前に行われてもよいし、画素部形成工程が行われた後に行われてもよい。
【0144】
このような遮光部形成工程としては、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成される方法であってもよく、このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
【0145】
また、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた遮光部を形成する方法であってもよい。用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このよう樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0146】
(保護層形成工程)
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、さらに画素部上に保護層を形成する保護層形成工程を行ってもよい。この保護層は、カラーフィルタを平坦化するとともに、画素部、あるいは、画素部と濡れ性可変層に含有される成分の液晶層への溶出を防止するために設けられるものである。
【0147】
保護層の厚みは、使用される材料の光透過率、カラーフィルタの表面状態等を考慮して設定することができ、例えば、0.1〜2.0μmの範囲で設定することができる。保護層は、例えば、公知の透明感光性樹脂、二液硬化型透明樹脂等の中から、透明保護層として要求される光透過率等を有するものを用いて形成することができる。
【0148】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0149】
【実施例】
300×400mmの無アルカリガラス基板上に光触媒を含有する濡れ性可変層を形成し、紫外線を開口部90×270μm、100μmピッチのマスクパターンを介して照射することにより、濡れ性可変層上に同ピッチの親疎水性パターンを形成した。この状態では目視でパターンを認識することはできず、パターンの欠陥の有無を判断することはできなかった。
【0150】
この親疎水性パターンを有する基板に対し、濃度0.01wt%のメチレンブルー水溶液をディップコート方式にてコーティングした結果、100×300μmの親液性領域のみに水溶液が付着した。
【0151】
水溶液が付着した基板に対し、CCDカメラを用い300×300μmピッチにて画像を取り込む処理を基板全面に対し実施し、取りこんだ画像は紫外線露光用マスクパターンのパターンデータと画像処理により比較、相違を検出した。この結果、異物およびパターン形成不良による欠陥が100枚中7枚検出された。
【0152】
欠陥を有する基板については、pH13のアルカリ剥離用溶液をスプレーコート法により基板全面に塗布し、光触媒を含む濡れ性可変層を全面剥離し、洗浄のうえ再度同膜を再形成した。
【0153】
この7枚の再生基板に対し、再度上記の露光および検査を実施したところ、欠陥基板は0枚となり、全ての基板を損壊することなく次工程である色材塗布工程に送ることができた。
【0154】
【発明の効果】
本発明によれば、濡れ性パターンを検査するに当り、検査液を親液性領域に付着させて検査するものであるので、親液性領域を検査液の付着の有無で検査することが可能となる。したがって、従来の光学的な検査方法を適用することが可能であることから、比較的容易に濡れ性パターンの欠陥の検出を行うことができるという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面に濡れ性パターンを有するパターン形成体の一例を示す概略図である。
【図2】図1に示すパターン形成体の断面を示す概略断面図である。
【図3】図2に示すパターン形成体に検査液が付着した状態を示す概略断面図である。
【図4】本発明のパターン形成体の検査方法の一例を示す説明図である。
【図5】本発明のパターン形成体の検査方法の他の例を示す説明図である。
【図6】図2に示すパターン形成体の親液性領域に画素部が形成された状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 …… 基板
2 …… 光触媒含有層
3 …… 親液性領域
4 …… 撥液性領域
5 …… パターン形成体
6 …… 検査液
Claims (15)
- 基材表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを有するパターン形成体を準備する工程と、
前記親液性領域のパターン状に非汚染性の検査液を液膜で付着させる工程と、
前記親液性領域に付着した検査液を検査する工程と
を有することを特徴とするパターン形成体の検査方法。 - 前記パターン形成体が、基板と、前記基板表面に形成された濡れ性可変層とを有するものであり、前記濡れ性可変層が、エネルギーの照射に伴う光触媒の作用により液体との接触角が低下するように濡れ性が変化する層であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の検査方法。
- 前記濡れ性可変層が、YnSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nはO〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンを含有する濡れ性変化層であることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成体の検査方法。
- 前記濡れ性可変層が、光触媒とバインダとを有する光触媒含有層であることを特徴とする請求項2に記載のパターン形成体の検査方法。
- 前記光触媒が、醗化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、および酸化鉄(Fe2O3)から選択される1種または2種以上の物質であることを特徴とする請求項4に記載のパターン形成体の検査方法。
- 前記光触媒が酸化チタン(TiO2)であることを特徴とする請求項5に記載のパターン形成体の検査方法。
- 前記バインダが、YnSiX(4−n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンを含有する層であることを特徴とする請求項4から請求項6までいずれかの請求項に記載のパターン形成体の検査方法。
- 前記検査液が、20mN/m以上の表面張力を有する非汚染性の液体であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の検査方法。
- 前記検査液が水であることを特徴とする請求項8記載のパターン形成体の検査方法。
- 前記パターン形成体が、カラーフィルタ形成用基材であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の検査方法。
- 請求項3から請求項7までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の検査方法によりパターン形成体の検査を行う検査工程と、
前記検査工程で付着した検査液を除去する除去工程と、
前記親液性領域に画素部形成用塗工液をノズル吐出法により塗付する画素部形成工程と
を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記除去工程の後、欠陥が検出されたパターン形成体に対し、
前記濡れ性可変層を除去する工程と、
前記濡れ性可変層が除去された基板上に再生濡れ性可変層を形成する工程と、
前記再生濡れ性可変層に対し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを形成し、再生パターン形成体を形成する工程と、
を有する再生工程を施した後、再度前記検査工程を行うことを特徴とする請求項11記載のカラーフィルタの製造方法。 - 基材表面に親液性領域と撥液性領域とからなる濡れ性パターンを有するパターン形成体の親液性領域に対し、前記親液性領域のパターン状に非汚染性の検査液を液膜で付着させる検査液付着手段と、
前記親液性領域に付着した検査液を検査する検査手段とを有することを特徴とするパターン形成体検査装置。 - 前記検査液付着手段が、ディップコ一ティング装置またはスピンコーティング装置であることを特徴とする請求項13に記載のパターン形成体検査装置。
- 前記検査手段が、CCD素子を用いた検査装置であることを特徴とする請求項13または請求項14に記載のパターン形成体検査装置。
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