JP3973451B2 - 配向異方性ポリマー素子及びその形成方法 - Google Patents

配向異方性ポリマー素子及びその形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー材料の高機能化・高性能化のためのレーザーによる加工に関する技術分野に属しており、さらには超短パルスのレーザーの照射によりポリマーの配向方向が変化した配向変化部を有する配向異方性ポリマー素子及びその形成に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリマー構造体(部品)の表面や内部を高機能化する要求が高まってきている。このような高機能化の要求に対して、ポリマー構造体自身をポリマーアロイ化又は複合化する材料面での技術対応と、要求に合わせて機能部位を組み込んだり、構造の制御を行ったりする加工面での技術対応との2つの面での取り組みが行われている。例えば、ポリマー構造体の内部(バルク)の高機能化・高性能化では、電気や光の伝導性、光の透過性又は遮断性、水分やガスの透過性又は遮断性、熱・光・応力等の外部刺激に対する応答性又は記憶性などの様々な特性の要求に対応して、材料・加工面の両面から種々の技術的な取り組みがなされている。具体的には、ポリマー構造体の内部に、元のポリマー内部の構造と異なった構造部位を形成する方法(技術)として、熱を加えることにより相分離(組成変化)、再結晶化(密度や結晶化度の変化)や熱反応を生じさせる方法、圧力や応力を加えることにより分子配向(配向度、光学的・機械的異方性)を促進したり電気的・光学的変化を促進したりする方法、光を照射することにより光反応(電気的化学結合反応)・光架橋(架橋や硬化)・光分解(結合の開裂)などを生じさせる方法が検討されてきている。このような方法(技術)の中で、熱や圧力などは、ポリマー構造体全体に作用させる場合が多く、ポリマー構造体内部における任意の場所(部位)に限定して作用させ、元のポリマー構造体内部と異なる構造を形成するのは不向きである。一方、光は、本質的に、ポリマー構造体内部の任意の場所への作用させることに適した手段であり、より微細な構造制御による高機能化・高性能化の技術のトレンドに貢献できる可能性がある。
【0003】
一方、レーザー光源に対する技術進歩は著しく、特に、パルスレーザーでは、ナノ秒(10-9秒)のオーダーのパルス幅から、ピコ秒(10-12秒)のオーダーのパルス幅へと超短パルス化が進んでおり、更に最近では、チタン・サファイア結晶などをレーザー媒質とするフェムト秒(10-15秒)のオーダーのパルス幅を有するパルスレーザーなども開発されてきている。パルス幅が10-12秒以下である(例えば、パルス幅がフェムト秒のオーダーである)超短パルスレーザー又はそのシステムは、通常のレーザーが持つ、指向性、空間的・時間的なコヒーレントなどの特徴を有するとともに、パルス幅が極めて狭いことから、同じ平均出力であっても、単位時間・単位空間当たりの電場強度が極めて高いという特徴を有している。そのため、この高い電場強度を利用して、超短パルスレーザーを物質中に照射して新たな構造(誘起構造)を形成させる試みが、無機ガラス材料を主な対象物として行われてきている。
【0004】
また、高分子材料であるアモルファス構造を有しているポリマー等は、無機ガラス材料と比較して、ガラス転移温度が低い。これは、無機ガラス材料が共有結合で三次元的に結合してアモルファス構造が形成されているのに対して、高分子材料は、一次元的に共有結合で繋がった高分子鎖が三次元的に絡み合ってアモルファス構造が形成されていることを反映した結果である。従って、無機ガラス材料に対しては、大きな照射エネルギーで照射しないと、誘起構造が形成されないが、高分子材料では、高いエネルギーの照射は材料の劣化を引き起こす虞があるので、高いエネルギーの照射は回避する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高分子材料は、熱伝導性が低いという特徴を有している。従って、高分子材料は熱伝導性が低いので、蓄熱し易い傾向がある。すなわち、高分子材料は熱運動が無機ガラス材料に比べて容易に起こり、運動や反応に必要な熱量が少なくて済むので、無機ガラス材料に比べて、比較的低い照射エネルギーでも誘起構造が形成される可能性がある。しかし、高分子材料であるポリマー構造体に関して、パルス幅が10-12秒以下である(例えば、パルス幅がフェムト秒のオーダーである)超短パルスレーザーの照射による誘起構造形成の検討は、現在まで、無機ガラス材料ほどには行われていなかった。そのため、レーザー加工用ポリマー材料において、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部を形成する方法として、パルス幅が10-12秒以下のレーザーを照射する方法の検討はほとんど行われていなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、パルス幅が10-12秒以下の超短パルスレーザーの照射により、劣化を生じさせずに、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部を精密に制御して形成された配向異方性ポリマー素子及びその形成方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに、配向変化部が微小な構造の部位であっても、精密に制御され、しかも優れた作業性で容易に形成された配向異方性ポリマー素子及びその形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、レーザー加工用ポリマー材料に対して、パルス幅が10-12秒以下のレーザー(「超短パルスレーザー」と称する場合がある)の照射を行うと、レーザー加工が円滑に行われ、且つクラックなどの劣化を生じさせず、しかも任意の部位にポリマーの配向方向が変化した配向変化部が精密に制御されて形成されている配向異方性ポリマー素子が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、パルス幅が10-12秒以下のレーザーの照射により、下記式(1)で表される構造単位を有しているポリシラン系ポリマーを含有しているレーザー加工用ポリマー材料の任意の部位にポリマーの配向方向が変化した配向変化部を有するとともに、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部とポリマーの配向方向が変化しておらず元の状態を保持している配向未変化部とを有し、配向変化部が、該配向変化部のポリマーがいずれの方向にも配向していない未配向部であり、配向未変化部が、該配向未変化部のポリマーが一方向に配向している配向部である組み合わせであることを特徴とする配向異方性ポリマー素子である。
【化3】
Figure 0003973451
(式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、炭化水素基、ハロゲン原子、ポリシラン骨格を示す。)
【0010】
本発明は、下記式(1)で表される構造単位を有しているポリシラン系ポリマーを含有しているレーザー加工用ポリマー材料の任意の部位に、パルス幅が10-12秒以下のレーザーを照射することにより、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部を形成して、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部とポリマーの配向方向が変化しておらず元の状態を保持している配向未変化部とを有し、配向変化部が、該配向変化部のポリマーがいずれの方向にも配向していない未配向部であり、配向未変化部が、該配向未変化部のポリマーが一方向に配向している配向部である組み合わせである配向異方性ポリマー素子を作製することを特徴とする配向異方性ポリマー素子の形成方法である。
【化4】
Figure 0003973451
(式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、炭化水素基、ハロゲン原子、ポリシラン骨格を示す。)
【0011】
【発明の実施の態様】
以下に、本発明を必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材については、同一の符号を付している場合がある。
[ポリマー材料]
レーザー加工用ポリマー材料(単に「ポリマー材料」と称する場合がある)は、特に制限されず、有機系高分子や無機系高分子などの各種ポリマー成分により構成されていてもよい。ポリマー成分は単独で又は2種以上組み合わせられていてもよい。前記有機系高分子としては、特に制限されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂など種々の有機系の樹脂を用いることができる。具体的には、レーザー加工用ポリマー材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのメタクリレート系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリアミド;ポリカーボネート(PC);ポリアセタール;ポリフェニレンエーテルなどのポリアリーレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド;ポリアリレート;ポリスルホン(ポリサルホン);ポリエーテルスルホン(PES)(ポリエーテルサルホン);ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルケトンケトンなどのポリエーテルケトン類;ポリイミド;ポリエーテルイミド(PEI);ポリアミドイミド;ポリエステルイミド;ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸エチルなどのポリアクリル酸エステル類;ポリブトオキシメチレンなどのポリビニルエステル類;ポリアリール;ポリノルボルネン;エポキシ系樹脂;ポリイソプレンやポリブタジエンなどのポリジエン類;ポリイソブチレンなどのポリアルケン類;ポリウレタン;ポリシロキサン;ポリサルファイド類;ポリフォスファゼン類;ポリトリアジン類;ポリカーボラン類などが挙げられる。
【0012】
本発明では、ポリマー材料としては、ポリシラン系ポリマーを含有していることが好ましい。該ポリシラン系ポリマーは、他のポリマー(以下、「併用ポリマー」と称する場合がある)と併用されていてもよい。ポリマー材料において、ポリシラン系ポリマーの含有割合としては、例えば、ポリマー成分全量に対して10重量%以上(好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上)であることが好ましい。ポリシラン系ポリマーの含有割合が少ないと(例えば、10重量%未満であると)、配向するポリマー(ポリマー分子)の数が少なくなり、配向の効果が低下する。また、配向変化部を精密に制御することが困難になる。
【0013】
なお、ポリマー材料において、ポリシラン系ポリマーを含有している場合、該ポリシラン系ポリマーの含有割合の上限は、特に制限されず、すべてのポリマー成分がポリシラン系ポリマー(含有割合が100%)であってもよく、また、例えば、ポリマー成分全量に対して90重量%以下(好ましくは85重量%以下、さらに好ましくは80重量%以下)の範囲から選択することもできる。ただし、ポリシラン系ポリマーの含有割合が多いと(例えば、90重量%を越えると)、ポリマー材料が脆くなり、パルス幅が10-12秒以下の超短パルスレーザーによる加工時のハンドリング性が低下し、また、ポリマー材料をフィルム状に加工することができなくなる場合がある。
【0014】
(ポリシラン系ポリマー)
ポリシラン系ポリマーは、ケイ素−ケイ素結合を有する主鎖から構成されているポリマーである。主鎖のケイ素原子に置換している置換基としては、特に制限されず、例えば、水素原子、有機基、ハロゲン原子などが挙げられる。ポリシラン系ポリマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0015】
より具体的には、ポリシラン系ポリマーとしては、例えば、前記式(1)で表される構造単位を有するポリマーを用いることができる。前記式(1)において、R1、R2は、同一又は異なっていてもよい。R1又はR2のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基などの炭素数が1〜20程度のアルコキシ基が挙げられる。
【0016】
炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などの炭素数1〜20程度のアルキル基が挙げられる。シクロアルキル基には、シクロヘキシル基などの炭素数5〜10程度のシクロアルキル基が含まれる。また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基や、ビフェニル基、クメニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。炭化水素基は、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子、炭化水素基などの置換基を有していてもよい。
【0017】
ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素原子が含まれる。
【0018】
ポリシラン骨格は、前記式(1)で表される構造単位を有するポリシランの骨格を示している。
【0019】
ポリシラン系ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよい。なお、ポリシラン系ポリマーがコポリマーの場合、ポリシラン系ポリマーとしては、例えば、前記式(1)で表される複数種(2種以上)の構造単位を有するコポリマーが挙げられる。コポリマーは、ランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれであってもよい。
【0020】
具体的には、ポリシラン系ポリマーとしては、例えば、ポリシラン;ポリ(ジメチルシラン)、ポリ(メチルエチルシラン)、ポリ(メチルプロピルシラン)、ポリ(メチルブチルシラン)、ポリ(メチルヘキシルシラン)、ポリ(ジヘキシルシラン)、ポリ(ジドデシルシラン)等のポリ(アルキルアルキルシラン);ポリ(メチルシクロヘキシルシラン)等のポリ(アルキルシクロアルキルシラン);ポリ(メチルフェニルシラン)等のポリ(アルキルアリールシラン);ポリ(ジフェニルシラン)等のポリ(アリールアリールシラン);ポリフェニルシリン、ポリメチルシリン等のケイ素原子の3次元構造を有する(ケイ素原子が3次元的に結合された構造を有する)ケイ素原子含有ポリマーなどのホモポリマーや、ポリ(ジメチルシラン−メチルシクロヘキシルシラン)、ポリ(ジメチルシラン−メチルフェニルシラン)などのコポリマーなどが挙げられる。
【0021】
なお、ポリシラン系ポリマーに対して、パルス幅が10-12秒以下の超短パルスレーザーを照射すると、シロキサン結合やシラノール基(Si−OH)が生成されて、ポリシラン系ポリマーの配向方向に変化が生じ、配向変化部を形成することができる。
【0022】
(併用ポリマー)
前記併用ポリマー(ポリシラン系ポリマーと併用可能なポリマー)としては、特に制限されず、レーザー加工用ポリマー材料として前記例示の種々の樹脂(例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂など)から適宜選択することができる。なお、ポリシラン系ポリマーとともに併用ポリマーを用いることにより、ポリマー材料の機械的特性などを適宜調整することができる。併用ポリマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0023】
ポリマー材料における高分子の分子量(重量平均分子量など)は特に制限されず、目的とする配向異方性ポリマー素子に応じて、例えば、1,000〜500,000程度の範囲から選択することができる。なお、ポリシラン系ポリマーの分子量(重量平均分子量など)としては、例えば、1,000〜50,000程度であることが好ましく、また、ポリシラン系ポリマーと併用可能な併用ポリマーの分子量(重量平均分子量など)としては、10,000〜500,000程度であることが好ましい。
【0024】
なお、ポリマー材料は、無機化合物や金属化合物などの他の材料を分散状態で含んだ複合体や他の材料を層状の状態で含んだ積層体であってもよい。また、必要に応じて架橋剤、滑剤、静電防止剤、可塑剤、分散剤、安定剤、界面活性剤、無機あるいは有機の充填剤などを含有していてもよい。
【0025】
(超短パルスレーザー)
超短パルスレーザーとしては、パルス幅が10-12秒以下であれば特に制限されず、パルス幅が10-15秒のオーダーのパルスレーザーを好適に用いることができる。パルス幅が10-15秒のオーダーであるパルスレーザーには、パルス幅が1×10-15秒〜1×10-12秒であるパルスレーザーが含まれる。より具体的には、超短パルスレーザーとしては、パルス幅が10×10-15秒〜500×10-15秒(好ましくは50×10-15秒〜300×10-15秒)程度であるパルスレーザーが好適である。
【0026】
パルス幅が10-12秒以下である超短パルスレーザーは、例えば、チタン・サファイア結晶を媒質とするレーザーや色素レーザーを再生・増幅して得ることができる。
【0027】
超短パルスレーザーにおいて、その波長としては、例えば、可視光の波長領域(例えば、400〜800nm)であることが好ましい。また、超短パルスレーザーにおいて、その繰り返しとしては、例えば、1Hz〜80MHzの範囲から選択することができ、通常、10Hz〜500kHz程度である。
【0028】
なお、超短パルスレーザーの平均出力又は照射エネルギーとしては、特に制限されず、目的とする配向変化部の大きさ等に応じて適宜選択することができ、例えば、500mW以下(例えば、1〜500mW)、好ましくは5〜300mW、さらに好ましくは10〜100mW程度の範囲から選択することができる。前述のように、ポリマー材料は、無機ガラス材料に比べて熱伝導性やガラス転移温度が低く、無機ガラス材料と同じような励起構造を形成するのに必要な超短パルスレーザーの照射エネルギーとしては、無機ガラス材料に必要な照射エネルギーの1/10〜1/100程度に低くすることができる。
【0029】
また、超短パルスレーザーの照射スポット径としては、特に制限されず、目的とする配向変化部の大きさ、レンズの大きさや開口数又は倍率などに応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜10μm程度の範囲から選択することができる。
【0030】
なお、ポリマー材料に対して内部における単位体積当たりに照射されるエネルギーは、超短パルスレーザーの照射エネルギー、超短パルスレーザーの焦点の移動速度、焦点の深さ(照射の位置)、焦点の絞り(対物レンズの開口数)などを調整することによりコントロールすることができ、その結果として形成される配向変化部の形状などをコントロールすることができる。
【0031】
本発明では、レーザーの光線の焦点を絞って合わせるためにレンズを用いることができる。該レンズの開口数(NA)は、特に制限されず、対物レンズの倍率に応じて変更することができ、通常は、倍率としては10〜50倍、開口数としては0.3〜0.8程度の範囲から選択される。
【0032】
(ポリマー素子)
本発明の配向異方性ポリマー素子(単に「ポリマー素子」と称する場合がある)は、ポリマー材料にパルス幅が10-12秒以下のレーザーを照射することにより、ポリマー材料の表面又は内部の任意の部位に、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部を形成して作製される。従って、ポリマー素子は、その表面や内部の任意の部位にポリマーの配向方向が変化した配向変化部と、ポリマーの配向方向が変化しておらず元の状態を保持している配向未変化部とを有している。ポリマー素子において、配向変化部および配向未変化部としては、以下の(A)〜(C)の組み合わせが挙げられる。
(A)配向変化部が、該配向変化部のポリマーがいずれの方向にも配向していない未配向部であり、配向未変化部が、該配向未変化部のポリマーが一方向(又は一軸方向)に配向している配向部である組み合わせ
(B)配向変化部が、該配向変化部のポリマーが一方向(又は一軸方向)に配向している配向部であり、配向未変化部が、該配向未変化部のポリマーがいずれの方向にも配向していない未配向部である組み合わせ
(C)配向変化部が、該配向変化部のポリマーが一方向(又は一軸方向)に配向している配向部であり、配向未変化部が、該配向未変化部のポリマーが配向変化部のポリマーの配向している方向と異なる一方向(又は一軸方向)に配向している配向部である組み合わせ
【0033】
本発明では、ポリマー素子における配向変化部および配向未変化部としては、前記(A)の組み合わせが好適である。すなわち、本発明のポリマー素子としては、予めポリマーが一方向に配向しているポリマー材料に、パルス幅が10-12秒以下のレーザーを照射することにより、ポリマー材料の表面又は内部の任意の部位に、ポリマーがいずれの方向にも配向していない未配向部である配向変化部を形成して作製されていることが好適である。
【0034】
このようなポリマー素子において、未配向部としての配向変化部と配向部としての配向未変化部とを有するポリマー素子としては、例えば、図1に示される配向異方性ポリマー素子などが挙げられる。図1は本発明の配向異方性ポリマー素子の一例を示す概略鳥瞰図である。図1において、1は配向異方性ポリマー素子(「光学素子」と称する場合がある)、21、22、・・、2xは、それぞれ、配向変化部(配向転換部)[配向変化部(21,22,・・,2x)を配向変化部2と総称する]、3は配向未変化部(配向未転換部)、4は基板である。光学素子1は、配向変化部2と配向未変化部3とを有している薄膜状の光学素子であり、基板4上に形成されている。配向変化部2は、配向しているポリマーを有するポリマー材料の表面に、パルス幅が10-12秒以下の超短パルスレーザーの焦点を合わせて照射することにより、前記ポリマーの配向が転換されて、配向方向がランダムとなり未配向となっている部位である。従って、配向変化部2は、超短パルスレーザーが照射された(レーザーの焦点が合わせられた)レーザー照射部である。一方、配向未変化部3は、超短パルスレーザーが照射されていない(レーザーの焦点が合わせられていない)レーザー未照射部である。
【0035】
本発明では、1つのポリマー素子において、配向変化部の数は、特に制限されず、単数であってもよく、図1で示されているように複数であってもよい。複数の配向変化部が設けられている場合、複数の配向変化部の三次元的な配置は特に制限されない。複数形成されている配向変化部の位置関係は、例えば、互いに平行な位置関係であってもよく、隣接する配向変化部の間隔が一方の側から他方の側にかけて変化している位置関係であってもよく、また、各配向変化部が交差する位置関係であってもよい。さらにまた、複数の配向変化部が設けられている場合、各配向変化部のポリマーの配向方向は、全部が同一又は異なる方向であってもよく、一部が同一の方向であってもよい。
【0036】
なお、図1では、光学素子1および配向変化部2は、説明を容易にするために、両者とも直方体(又はシート状)として表現しているが、それぞれ、如何なる形状のものであってもよく、またその大きさや厚みなども特に制限されない。また、配向変化部は、光学素子の表面及び/又は内部における任意の部位に設けることができる。
【0037】
(ポリマー素子の作製方法)
本発明の配向異方性ポリマー素子1において、図1で示されるような未配向部としての配向変化部と配向部としての配向未変化部とを有するポリマー素子[すなわち、配向変化部および配向未変化部の組み合わせが前記(A)の組み合わせであるポリマー素子]としては、例えば、図2で示されるように、既にポリマーが一方向に配向されているポリマー材料11における特定の部位に、パルス幅が10-12秒以下の超短パルスレーザー5の焦点を合わせてポリマー材料11の外部から照射することにより、配向変化部2を形成させて作製することができる。図2は本発明の配向異方性ポリマー素子を作製する一例を示す概略図である。図2において、1、2、3、4は、それぞれ、図1と同様である。また11はレーザー加工用ポリマー材料、1aはポリマー材料11(又は光学素子1)の上面、5はパルス幅が10-12秒以下である超短パルスレーザー(単に「レーザー」と称する場合がある)、Lはレーザー5の照射方向であり、6はレンズである。
【0038】
レーザー加工用ポリマー材料11は、ポリマーが一方向に配向され且つ基板4上に形成された薄膜であり、ポリシラン系ポリマーを含有するポリマー材料(ポリシラン系ポリマー材料)から構成されている。このような薄膜状であり且つ一方向に配向したポリシラン系ポリマー材料11としては、例えば、次のようにして作製することができる。ポリシラン系ポリマー材料を高温(例えば、150℃以上)に加熱した基板4(例えば、ガラス板など)に押しあてて一方向(一軸方向)に滑らせることにより、基板4上に一方向に配向したポリシラン系ポリマー材料からなる薄膜状のポリマー材料が得られる。なお、本発明では、ポリマーが一方向に配向しているポリマー材料の作製方法としては、特に制限されず、公知乃至慣用の作製方法[例えば、フィルム又はシート状のポリマー材料を一方向(一軸方向)に延伸して配向させる方法、バフ布等で表面をラビング処理する方法など]を採用することができる。
【0039】
レーザー5は、ポリマー材料11に向けて、照射方向Lの向きで、すなわちZ軸と平行な方向で、照射している。なお、レーザー5はレンズ6を用いることにより焦点を絞って合わせることができる。従って、レーザーの焦点を絞って合わせる必要が無い場合等では、レンズを用いる必要はない。
【0040】
7aはレーザー5の照射をし始めたときの焦点を合わせた最初の位置又はその中心位置(「照射開始位置」と称する場合がある)、7bはレーザー5の照射を終えたときの焦点を合わせた最終の位置又はその中心位置(「照射終了位置」と称する場合がある)であり、7cはレーザー5の照射の焦点又はその中心位置(単に「焦点位置」と称する場合がある)が照射開始位置7aから照射終了位置7bに移動する移動方向である。7はレーザー5の照射の焦点位置又は焦点の中心位置が移動した軌跡(「焦点位置軌跡」と称する場合がある)である。すなわち、図2では、レーザー5の焦点位置を、照射開始位置7aから照射終了位置7bにかけて、焦点位置の移動方向7cの方向で、連続的に直線的に移動させており、該移動した焦点位置の軌跡が焦点位置軌跡7である。該焦点位置軌跡7において、焦点位置が移動した方向7cは、レーザー5の照射方向Lと垂直な方向(図2では、X軸と平行な方向)である。
【0041】
具体的には、ポリマー材料11にレーザー5が照射方向Lの方向で照射されて、レーザー5の照射方向Lとは垂直な方向である移動方向7cの方向に、照射開始位置7aから照射終了位置7bに移動させている。この際、前記レーザー5の焦点位置軌跡7上の各焦点位置及びその周辺部(近辺部)において、ポリマー材料11のポリマーの配向に変化が生じる。特に、ポリマー材料11は、ポリシラン系ポリマー材料が用いられているので、主として、シロキサン結合やシラノール基(Si−OH)の生成により、ポリシラン系ポリマーの配向方向に変化が生じていると思われる。
【0042】
また、レーザー5の照射に際して、その焦点の位置を連続的に移動させているので、ポリマー材料11のポリマーの配向が変化している部位も焦点位置の移動に応じて連続的に移動して、移動方向に延びて配向が変化した部位(「変化部位」と称する場合がある)からなる配向変化部2が形成されている。すなわち、図2に示すように、レーザー5の照射方向Lに対して垂直な方向(X軸と平行な方向)に沿って形成された配向変化部2が形成されている。従って、配向変化部2の長手方向は、移動方向7cの方向である。
【0043】
なお、配向変化部2は配向方向がランダムな方向に変化されて(転換されて)未配向となった部位である。一方、配向未変化部3はレーザー5の照射による影響を受けておらず、配向が変化されて(転換されて)おらず元のまま一方向に配向している部位(元の状態又は形態を保持している部位)である。
【0044】
本発明では、未配向部としての配向変化部と、配向部としての配向未変化部とを有するポリマー素子の作製方法としては、超短パルスレーザーを照射することにより、レーザー照射部において、ポリマーの配向方向をランダムな方向に転換することができる方法であれば特に制限されず、例えば、前述のように、ポリシラン系ポリマー材料を用いてシロキサン結合やシラノール基の生成の反応を生じさせることによりポリマーの配向方向をランダムな方向に転換する方法であってもよく、また、このような反応を生じさせずに単に超短パルスレーザーの照射によりポリマー材料のポリマー分子の熱運動を促進させて、ポリマーの配向方向をランダムな方向に転換する方法であってもよい。
【0045】
また本発明では、配向部としての配向変化部と、未配向部又は配向部としての配向未変化部とを有するポリマー素子[すなわち、配向変化部および配向未変化部の組み合わせが前記(B)又は(C)の組み合わせであるポリマー素子]の作製方法としては、超短パルスレーザーを照射することにより、レーザー照射部において、未配向のポリマーを配向させたり、一方向に配向しているポリマーを他の一方向に配向させたりすることができる方法であれば特に制限されず、例えば、延伸等により一方向(一軸方向)に応力を賦加しながらや電場や磁場などを付与しながら、超短パルスレーザーをポリマー材料に照射する方法などが挙げられる。
【0046】
このように、本発明では、レーザー5をポリマー材料11の表面又は内部における任意の部位に焦点を合わせ、必要に応じて、図2で示されるようにその焦点を移動させて照射することにより、配向変化部2を形成することができる。レーザー5の焦点の位置を移動させることにより、焦点位置の移動方向に連続的に配向が変化して形成された配向変化部2を形成させることができる。レーザー5の移動方向は、特に制限されず、如何なる方向であってもよい。例えば、レーザー5の照射方向Lに対して、垂直な方向、平行な方向(レーザー5の照射方向と同一の方向又は反対の方向)、斜めの方向などが挙げられる。レーザー5の焦点位置は、何れかの方向のみに直線的に移動させることもでき、種々の方向に曲線的に移動させることもできる。また、レーザー5の焦点位置は、連続的又は間欠的に移動させることもできる。
【0047】
レーザー5の焦点位置を移動させる速度(移動速度)は、特に制限されず、ポリマー材料11の材質やレーザー5の照射エネルギーの大きさ等に応じて適宜選択することができる。なお、前記移動速度をコントロールすることにより、配向変化部の大きさ等をコントロールすることも可能である。
【0048】
本発明では、配向変化部は、超短パルスレーザーの焦点位置又は照射位置を起点にし、照射方向側に配向方向が変化した配向変化部位が連続して、焦点位置の移動方向(長手方向)に向かって形成されているような状態又は形態として作製することができる。
【0049】
また、本発明では、配向変化部において、配向の変化の程度は、均一であってもよく、不均一であってもよい。従って、配向変化部は、変化した程度が均一的であるように配向が変化しているような構成であってもよく、また、配向未変化部側の端部から内部又は焦点位置若しくはその中心に向かって、変化した程度が徐々に連続的に増加するように配向が変化しているような構成であってもよい。従って、配向変化部と、配向未変化部との界面(又は境界)は、明瞭又は不明瞭となっていてもよい。
【0050】
本発明では、配向変化部の大きさ、形状、配向の変化の程度は、レーザーの照射時間、レーザーの焦点位置の移動方向やその速度、ポリマー材料の材質の種類、レーザーのパルス幅の大きさや照射エネルギーの大きさ、レーザーの焦点を調整するためのレンズの開口数等により適宜調整することができる。
【0051】
特に本発明では、配向変化部の大きさが、直径又は1辺の長さが1mm以下(好ましくは500μm以下)の極めて小さなものであっても、精密に配向変化部を制御して作製することができる。
【0052】
本発明では、配向異方性ポリマー素子は、そのままポリマー部材として用いてもよく、他の部材と組み合わせて用いてもよい。
【0053】
本発明の配向異方性ポリマー素子は、配向異方性を有しているので、例えば、拡散板や散乱素子などの光機能部材;精密に制御された空間や精密に制御された化学反応の場などとして好適に利用することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、パルス幅が10-12秒以下の超短パルスレーザーの照射により、劣化を生じさせずに、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部を精密に制御して形成された配向異方性ポリマー素子が得られる。さらに、配向変化部が微小な構造の部位であっても、精密に制御され、しかも優れた作業性で容易に形成された配向異方性ポリマー素子が得られる。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
ポリシラン系ポリマーとしてのポリ(メチルフェニルシラン)を加圧成形してペレットを作製した。このペレットを200℃に加熱したガラス板に圧着して一方向に移動させることにより、ガラス板上に配向したポリシラン系ポリマーからなる薄膜(厚み0.2μm)を形成した(以下、「サンプルA」と称する)。このサンプルAの上面を焦点にして、チタン・サファイア・フェムト秒パルスレーザー装置及び対物レンズ(倍率:20倍)を使用して、超短パルスレーザー(照射波長:800nm、パルス幅:150×10-15秒、繰り返し:200kHz)を、照射エネルギー(平均出力):20mW、照射スポット径:約3μmの条件で、サンプルAを照射方向に垂直な方向に移動速度:約500μm/秒で移動させながら、照射サンプルAの上面側から照射したところ、サンプルAの超短パルスレーザーの照射を開始した焦点位置(照射開始位置)から、照射を止めた焦点位置(照射終了位置)にかけて、元のサンプルAとは異なる構造を有する部位が形成された。このレーザーの照射後のサンプルA上に液晶を薄層塗布し、偏光顕微鏡で観察したところ、レーザーの照射部と未照射部とに、液晶配向の違いが観察された。
【0056】
(実施例2)
重量平均分子量が約200,000のポリメチルメタクリレート(PMMA)5部とポリ(メチルフェニルシラン)95部をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、濃度が約20重量%の溶液を調製し、溶媒を乾燥後、ペレットを作製した。このペレットを用いたこと以外は実施例1と同様に薄膜を作製してレーザーの照射を行い、さらに実施例1と同様に液晶を薄層塗布した後に偏光顕微鏡で観察したところ、レーザーの照射部と未照射部とに液晶配向の違いが見られた。
【0057】
従って、実施例1〜2では、ポリシラン系ポリマーを含有するポリマー材料に、超短パルスレーザーを照射することにより、前記ポリマー材料の表面や内部に配向方向が変化した配向変化部が形成されたポリマー素子が容易に得られる。特に、該ポリマー素子の配向変化部には、クラックなどの劣化が生じていない。また、配向変化部を精密に制御して作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配向異方性ポリマー素子の一例を示す概略鳥瞰図である。
【図2】本発明の配向異方性ポリマー素子を作製する一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 配向異方性ポリマー素子
11 レーザー加工用ポリマー材料
1a レーザー加工用ポリマー材料11(又は光学素子1)の上面
2 配向変化部(配向転換部)
3 配向未変化部(配向未転換部)
4 基板
5 パルス幅が10-12秒以下である超短パルスレーザー
6 レンズ
L レーザー5の照射方向
7 レーザー5の焦点位置軌跡
7a レーザー5の照射開始位置
7b レーザー5の照射終了位置
7c レーザー5の焦点位置の移動方向

Claims (2)

  1. パルス幅が10-12秒以下のレーザーの照射により、下記式(1)で表される構造単位を有しているポリシラン系ポリマーを含有しているレーザー加工用ポリマー材料の任意の部位にポリマーの配向方向が変化した配向変化部を有するとともに、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部とポリマーの配向方向が変化しておらず元の状態を保持している配向未変化部とを有し、配向変化部が、該配向変化部のポリマーがいずれの方向にも配向していない未配向部であり、配向未変化部が、該配向未変化部のポリマーが一方向に配向している配向部である組み合わせであることを特徴とする配向異方性ポリマー素子。
    Figure 0003973451
    (式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、炭化水素基、ハロゲン原子、ポリシラン骨格を示す。)
  2. 下記式(1)で表される構造単位を有しているポリシラン系ポリマーを含有しているレーザー加工用ポリマー材料の任意の部位に、パルス幅が10-12秒以下のレーザーを照射することにより、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部を形成して、ポリマーの配向方向が変化した配向変化部とポリマーの配向方向が変化しておらず元の状態を保持している配向未変化部とを有し、配向変化部が、該配向変化部のポリマーがいずれの方向にも配向していない未配向部であり、配向未変化部が、該配向未変化部のポリマーが一方向に配向している配向部である組み合わせである配向異方性ポリマー素子を作製することを特徴とする配向異方性ポリマー素子の形成方法。
    Figure 0003973451
    (式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、炭化水素基、ハロゲン原子、ポリシラン骨格を示す。)
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