JP3973138B2 - 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents
光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3973138B2 JP3973138B2 JP2002010995A JP2002010995A JP3973138B2 JP 3973138 B2 JP3973138 B2 JP 3973138B2 JP 2002010995 A JP2002010995 A JP 2002010995A JP 2002010995 A JP2002010995 A JP 2002010995A JP 3973138 B2 JP3973138 B2 JP 3973138B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- resin composition
- optical semiconductor
- less
- epoxy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/0001—Technical content checked by a classifier
- H01L2924/0002—Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物で封止された光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信情報機器の小型化、集積密度の向上及び製造プロセスの簡略化をねらい、半導体産業において従来の実装方法にかわり、表面実装方法の要求が急速に高まっている。さらにオプトエレクトロニクスの分野に着目すると、従来の半導体封止樹脂の機能に加えて、透明性が非常に重要な要因となっている。すなわち、フォトセンサー、LED、発光素子等のオプトデバイスにおいては、表面実装におけるIRリフロー等の実装方式を行っても、透明性が損なわれることなく、その上、熱衝撃によるパッケージクラックの発生や、チップやリードフレームと樹脂間に剥離を生じない、高い信頼性のある封止用樹脂が求められている。
【0003】
光半導体封止用の樹脂としては、これまでに数多く示されている。例えば、特許第2970214号公報では、特定構造のエポキシ樹脂を用いることで耐熱性と透明性が得られることが示されているが、組み合わせる硬化剤に酸無水物を用いている。確かに、硬化剤に酸無水物を用いた場合、高い透明性が得られ、可視光領域でも高い透過率が得られる。しかしながら、酸無水物硬化剤型のエポキシ樹脂組成物は、酸無水物基が親水性が高いため、樹脂組成物の吸水率が高くなり、表面実装型の光半導体パッケージを、IRリフロー等で実装すると、熱衝撃によるパッケージクラックや、チップ又はリードフレームと樹脂との間に剥離が生じる問題がある。
【0004】
上記の問題点を解決するために、充填材を添加することが代表的な手法であることは当業者間では公知のことである。これは、シリカなどの無機質充填材を、樹脂組成物中に高い比率で充填することで、封止樹脂組成物の吸水率、線膨張係数を低下させ、高温時の変形やクラックなどを抑止できるものであるが、このようにして得た樹脂組成物は、シリカ粒子と樹脂の界面で起こる光の反射や屈折の影響により、樹脂硬化物の光透過性は極端に低いものとなる。樹脂組成物の硬化物中を光線が透過する際、樹脂と充填材との界面において反射・屈折する光線の量は、界面前後での屈折率の差に比例する事が知られており、一般的なシリカ粒子の屈折率は、1.4前後であるのに対し、エポキシ樹脂の硬化物は、1.5前後であり、充填材種を変えない限り、この点を解消することは難しい。
【0005】
これを解消するために、特開平6−65473号公報では、シリカ以外の充填材として、SiO2、CaO及びAl2O3を主成分とするガラス粒子を、光半導体封止用樹脂組成物の充填材として用いる技術が述べられている。この技術によれば、各成分の組成を変化させることや、金属元素類を添加することで、ガラス粒子の屈折率を容易に変化させることができる。しかし、本発明者らが光半導体封止用樹脂組成物の充填材として、該技術によるガラス粒子を用いたところ、確かに透明性は高くなるが、光半導体封止用樹脂組成物としては、未だ不十分な透明性であった。また、本発明者らが、耐半田性の試験を行ったところ、パッケージクラック等の不良が発生することを確認した。前述の通り該充填材を用いることにより、ある程度の透明な硬化物を得ることは可能であるが、充填材種やその添加量のみで耐半田性を得ることは難しいのが現状である。
【0006】
一方、外部からの紫外線等や光半導体素子自体から発生する光線や受光する光線により封止樹脂が着色したり、封止樹脂が脆くなってクラックが生じる場合がある。これを解消するために特開2001−123048号公報では、紫外線吸収剤、ラジカルトラップ剤を光半導体用エポキシ樹脂組成物中に添加する技術が述べられている。この技術によれば、紫外線や光半導体素子自体から発生するエネルギーによる着色を防止することができる。しかし、本発明者らが光半導体封止用樹脂組成物の添加剤として、紫外線吸収剤、特にベンゾトリアゾール化合物と、ラジカルトラップ剤としてヒンダードアミン化合物を用いたところ、確かに、紫外線等による樹脂の着色は少なくなるものの、波長400nm付近の光透過率が低下し、樹脂硬化物に薄黄色の着色があり、紫外線による劣化防止と高い透明性の両立に至るには不十分である。樹脂硬化物の着色の原因はベンゾトリアゾール化合物の光吸収が波長400nm付近にも影響し、着色したものと考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、透明性及び耐半田性に優れた光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物で封止された光半導体装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の無機充填材を用い、また特定の紫外線吸収剤を添加し、吸水率を低減し、かつ高い光透過率を付与させることにより、透明性及び耐半田性を両立し、さらに耐紫外線劣化性に優れた樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、
[1]1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)、酸無水物硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、SiO2、CaO、及びAl2O3を含む、平均粒径5μm以上、100μm以下の球状のガラス粒子(D)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(E)を必須成分とし、該1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)が、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂、及び複素環式エポキシ樹脂であり、該ガラス粒子(D)が1mmの光路長で波長400nmにおいて80%以上の光透過率を有し、且つ、該ガラス粒子(D)が、それ以外の成分からなる組成物の硬化物と0.01以下の光屈折率差を有し、又、全エポキシ樹脂組成物中に5重量%以上、70重量%以下の割合で配合され、さらに当該エポキシ樹脂組成物が、硬化物において2%以下の吸水率及び80%以上の1mm光路長、波長400nm光透過率を有することを特徴とする光半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
【0010】
【化2】
(但し、式中、RはC(CH3)2またはCH2を表し、それぞれ少なくとも1個以上有する。nは1以上、7以下である。)
【0011】
[2]複素環式エポキシ樹脂が、トリグリシジルイソシアヌレートである、第[1]項記載の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[3]硬化促進剤(C)が、双環式アミジン類、及びイミダゾール類からなる群より選ばれる少なくとも1つである、第[1]項記載の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
[4]第[1]項〜第[3]項のいずれかに記載の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された光半導体装置、
である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有していれば、何ら制限されなるものではなく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートのなどの多官能複素環式エポキシ樹脂、ポリ(エポキシ化シクロヘキセンオキサイド)などの多官能脂環式エポキシ樹脂等の3個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂などが好ましく挙げられる。これらのうち、透明性の観点から着色の少ない、ビスフェノール型エポキシ樹脂や複素環式エポキシ樹脂を用いることが好ましく、複素環式エポキシ樹脂の中でもトリグリシジルイソシアヌレートがより好ましい。これらエポキシ樹脂は、単独もしくは2種以上用いても何ら差し支えない。
【0013】
本発明の樹脂組成物には、ビスフェノール型エポキシ樹脂として、一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を用いることもできる。該エポキシ樹脂は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の溶融粘度の低い特長と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の色調安定性の両者の特長を兼ね備えるためより好ましい。このエポキシ樹脂が、十分に優れた流動性を発揮するためには、nは1以上、7以下であることが好ましい。
また、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂とトリグリシジルイソシアヌレートを併用しても良い。
【0014】
本発明に用いる酸無水物硬化剤(B)としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、あるいは3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸などが例示されるが、特にこれらに限定されるものではなく、単独もしくは2種以上用いても差し支えない。
【0015】
本発明に用いる硬化促進剤(C)としては、通常、エポキシ樹脂のアニオン硬化に用いられるものは、すべて使用可能であるが、例示するならば、3級アミン、4級アンモニウム塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの双環式アミジン類とその誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、ホスフィン、ホスホニウム塩などが一般的であるが、硬化性がよく、着色がないものであれば、何ら限定されるものではなく、単独でも2種以上用いても差し支えない。特に1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの双環式アミジン類、及びイミダゾール類は、少量の添加量でもエポキシ樹脂に対して高い活性を示し、比較的低い硬化温度でも短時間で、例えば、150℃程度でも90秒位で硬化することができ、より好ましい。
【0016】
本発明には充填材として、SiO2、CaO、及びAl2O3を含む、平均粒径5μm以上、100μm以下の球状のガラス粒子(D)を用いる。形状を球状とすることにより、比表面積が最小になり、光の散乱損失が小さく抑えることができる。また、平均粒径が下限値未満の場合、ガラス粒子が凝集して透明性を低下し、平均粒径が上限値を越える場合、成形時の成形不良が生じる。ここで、成形不良とは金型のゲート部で樹脂詰まりが発生し、未充填となることなどである。また、ガラス粒子(D)の粒径測定には、公知の方法を用いればよいが、レーザー光散乱法で粒子の体積粒径分布を測定し、粒子の真密度の値を用いて重量粒径分布に換算する方法を用いるのが好適である。
【0017】
また、樹脂組成物の高い透明性を得るために、ガラス粒子が、1mmの光路長で波長400nmにおいて80%以上の光透過率を有することが必須である。光透過率の測定は、分光光度計等の光透過率を測定できる装置によるものであれば何ら制限されるものではない。分光光度計としては、島津自記分光光度計UV−3100(積分球装置設置型)で測定することが簡便でより好ましい。測定サンプルは、ガラスの塊状のものを用いれば良く、例えば、10×30×1mmの直方体の板を作り、表面を平滑にして1mmの厚みで光透過率を測定すればよい。ガラスの波長400nmの光透過率が80%未満の場合、エポキシ樹脂組成物に配合しても高い透明性を得ることができない。
【0018】
更に本発明では、ガラス粒子(D)が、それ以外の成分からなる樹脂組成物の硬化物との屈折率差の絶対値が、0.01以下のものを用いる。屈折率差の絶対値が0.01を越えると、ガラス粒子(D)の表面で光の散乱損失が生じ、透明性が低下する。屈折率の差の調整方法としては、前記ガラスの3成分の成分比を調整することで、屈折率を変化させることができる。屈折率を上げるにはAl2O3成分を増やせばよく、逆に屈折率を下げるにはSiO2成分を増やせばよい。本発明の樹脂組成物に、ガラス粒子(D)の屈折率を整合させるためには、ガラス粒子(D)の成分を、SiO2を30〜70重量%、CaOを1〜50重量%、Al2O3を5〜40重量%、合計で100重量%となるように調整するのが好ましい。また、調整において、ガラス粒子(D)の特性を損ねない範囲で、他の成分を加えても良い。更に、ガラス粒子(D)を製造する方法は、通常の長石、珪石、硼砂を調し、加熱溶融混合を行い、冷却後、乾燥工程を経て粉砕する方法が適用できるが、更に、ガラスの製造工程中に、減圧脱泡する方法や、ガラスの溶融時に空気や窒素などのガスを吹き込んでバブリングし、微細な気泡を大きな気泡に吸着させることで、気泡が容易に除去できるようにする方法が利用でき、また、必要に応じて消泡材などの添加剤を利用することもできる。
【0019】
またガラス粒子(D)の配合量は、エポキシ樹脂組成物中に5重量%以上、70重量%以下である必要がある。配合量が、下限値未満の場合、吸水率の低減効果が僅かであり、耐半田性が向上しない場合がある。一方、上限値を超える場合、流動性や透明性が低下し、成形時に成形不良が生じる場合がある。
【0020】
本発明で用いるベンゾフェノン系紫外線吸収剤(E)としては、波長400nmよりも長波長側に吸収のないものであれば、すべて使用可能であるが、例示するならば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデキロキシ−2−オクチロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが例示されるが、特にこれらに限定されるものではなく、単独もしくは2種以上用いても差し支えない。また、樹脂硬化物の光透過率、つまり透明性の低下に影響のない程度に、ベンゾエート系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤あるいは酸化チタン、酸化亜鉛などの無機系紫外線吸収剤を添加することは何ら差し支えない。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加量としては、0.01〜3重量%となるように添加することが好ましい。下限値未満の場合、添加量が少なく耐紫外線劣化の効果を有することができず、上限値を超える場合は、樹脂硬化物が黄色に着色し光透過率の低下につながり好ましくない。
【0021】
本発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記成分以外に、必要に応じて、他のエポキシ樹脂、酸化防止剤、離型剤、カップリング剤、ガラス粒子以外の無機充填材等の当業者にて公知の添加剤、副資材を組み合わせることは何らさしつかえない。
【0022】
本発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、上記の各成分を適宜配合するが、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤の当量比、すなわち、エポキシ樹脂のエポキシ基と酸無水物硬化剤の酸無水物基のモル比を、0.8〜1.4、より好ましくは1.0〜1.2とし、エポキシ樹脂及び硬化剤の総重量を100重量部とした時、硬化促進剤の添加量を0.5〜2重量部とするのが好ましい。
【0023】
本発明の樹脂組成物は、成分(A)〜(E)、及びその他の添加剤を、ミキサー等を用いて混合後、加熱ニーダや加熱ロール、押し出し機等を用いて加熱混練し、続いて冷却、粉砕することで得られる。また、成分(A)、(B)を予め反応釜等で加熱混合し、Bステージ状態の樹脂組成物を得た後に、前述工程を経ることでも得られる。
【0024】
本発明のエポキ樹脂組成物は、硬化物において、2%以下の吸水率及び80%以上の1mm光路長、波長400nm光透過率を有することで、高い透明性と耐半田性を示す。吸水率が上限値を越えると、樹脂自体の膨潤や界面の劣化から、耐半田性の試験で剥離やクラックが発生する。吸水率の試験方法としては、直径50mm、厚み3mmの円板状の試験片を、85℃、湿度85%に設定した高温高湿槽に168時間放置し、吸湿処理前後の硬化物の重量変化率から算出して得られる。また、光透過率が下限値を下回ると、一般的な形状の半導体装置を封止した際に、その発光効率を著しく損なう。
【0025】
このようにして得られた光半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いての封止は、一般的な方法でできるが、例えば、トランスファー成形法等により、光半導体素子を封止して、エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された光半導体装置を得ることができる。
【0026】
【実施例】
以下に、本発明について更に詳細に説明するため実施例を示すが、これらに本発明が限定されるものではない。
(実施例1〜4、比較例1〜8)
成分(A)〜(E)に相当する成分、及びその他添加剤を、表1、2に示した配合割合で混合し、2本ロールを用いて50〜90℃で5分間混練し、得られた混練物シートを冷却後粉砕して樹脂組成物を得た。
なお、本実施例、比較例において用いたガラス粒子は、すべてSiO2、CaO、及びAl2O3からなる球状ガラスであり、且つ、ガラス粒子とガラス以外の成分の硬化物の屈折率差の絶対値については、予め、ガラス粒子以外の硬化物の屈折率を確認し、表1及び表2の値になるように前記ガラスの成分比を調整した。
【0027】
評価方法は以下の通りであり、結果は表1、2にまとめて示す。
[光透過率の測定]
上記の樹脂組成物タブレットを、金型温度150℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間90秒の条件でトランスファー成形し、30×10×1mmの成形品を得た。この成形品を、積分球を搭載した分光光度計(島津製作所製自記分光光度計UV−3100)を用いて、波長400nm、厚み1mmの光透過率を測定した。
【0028】
[ガラス転移温度の測定]
上記の樹脂組成物タブレットを、金型温度150℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間90秒の条件でトランスファー成形し、この成形品を、温度150℃の熱風オーブンで2時間ポストキュアした後、熱膨張計(セイコー電子社製TMA120)を用い、5℃/分の昇温速度で昇温して、テストピースの伸び率が急激に変化する温度をガラス転移温度として測定した。
【0029】
[吸水率の評価]
上記の樹脂組成物タブレットを、金型温度150℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間90秒の条件でトランスファー成形し、直径50mm、厚み3mmの円板状の成形品を得た。この成形品を、温度150℃の熱風オーブンで2時間ポストキュアした後、温度85℃、相対湿度85%に設定した恒温恒湿槽に168時間放置し、保管前後の重量変化率を吸水率として測定した。
【0030】
[流動性の評価]
成形前の樹脂組成物を、EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、成形温度175℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間120秒の条件で成形し、充填した長さが60cmを上回るものを○、そうでないものを×として評価した。
【0031】
[耐半田性の評価]
上記の樹脂組成物タブレットを、メラミン樹脂クリーニング材によりクリーニング済みの表面実装用パッケージ(12ピンSOP、4×5mm、厚み1.2mm、チップサイズは1.5mm×2.0mm、リードフレームは42アロイ製)金型を用いて、金型温度150℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間90秒でトランスファー成形し、温度150℃の熱風オーブンで、2時間後硬化させた。得られた光半導体パッケージを、温度85℃、相対湿度60%の環境下で、168時間放置し、その後240℃のIRリフロー処理を行った。処理したパッケージを顕微鏡及び超音波探傷装置で観察し、クラック、チップと樹脂との剥離の有無を確認した。
【0032】
[耐紫外線劣化性の評価]
上記の樹脂組成物タブレットを、金型温度150℃、注入圧力6.86MPa、硬化時間90秒の条件でトランスファー成形し、30×10×1mmの成形品を得た。この成形品を、温度150℃の熱風オーブンで2時間ポストキュアした後、紫外線照射装置(ウシオ電機製 電源部HB−25103BY−C、本体ML−251A/B、レンズPM25C−75、超高圧水銀ランプUSH−250BY)を用いて成形品に紫外線を照射した。紫外線の強度は、照度計を用いて波長365nmで40mW/cm2に設定した。照度計はUIT101、センサーはUVD−365PDを使用した。紫外線を2時間照射した後、上記の光透過率の測定方法と同様に、波長400nmの光透過率を測定し、初期値に対する割合を算出し、90%を上回るものを○、そうでないものを×として評価した。
【0033】
尚、表1、表2に記載された商品名、及び各種ガラス粒子等の内容は、下記の通りである。
・エピコート1001:油化シェルエポキシ製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量475)
・エポミックR364PD:三井化学製ビスフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量950、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂で、R=C(CH3)2が70%、CH2が30%含み、n=6)
・TEPIC−S:日産化学製トリグリシジルイソシアヌレート(エポキシ当量100)
・EOCN−102S−75:日本化薬製オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210)
・セロキサイド2021P:ダイセル化学製脂肪族環状エポキシ樹脂(エポキシ当量132)
・リカシッドMH−700:新日本理化製ヘキサヒドロ無水フタル酸とメチルヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物
・リカシッドTH:新日本理化製テトラヒドロ無水フタル酸
・フェノールノボラック樹脂:水酸基当量103、軟化点95℃のフェノールノボラック樹脂
・U−CAT SA−102:サンアプロ製1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−ウンデセン−7とオクチル酸との塩
・ガラスA:SiO2:CaO:Al2O3:添加剤=54:24:17:5の比率で調合、添加剤はMgO、平均粒径12μm、1mmの光路長で波長400nmにおいて89%の光透過率を有する球状ガラス(脱泡処理あり)
・ガラスB:SiO2:CaO:Al2O3:添加剤=37:25:28:10の比率で調合、添加剤はMgO、平均粒径24μm、1mmの光路長で波長400nmにおいて86%の光透過率を有する球状ガラス(脱泡処理あり)
・ガラスC:SiO2:CaO:Al2O3:添加剤=45:24:22:9の比率で調合、添加剤はMgO、平均粒径72μm、1mmの光路長で波長400nmにおいて84%の光透過率を有する球状ガラス(脱泡処理あり)
・ガラスD:SiO2:CaO:Al2O3=50:42:8の比率で調合、添加剤はMgO、平均粒径18μm、1mmの光路長で波長400nmにおいて85%の透過率を有する、屈折率を整合していない球状ガラス(脱泡処理あり)
・ガラスE:ガラスBと同様の組成で、平均粒径25μmの、1mmの光路長で波長400nmにおいて62%の透過率を有する球状ガラス(脱泡処理なし)
・ガラスF:ガラスBと同様の組成で、平均粒径120μm、1mmの光路長で波長400nmにおいて86%の透過率を有する球状ガラス(脱泡処理あり)
・ガラスG:ガラスBと同様の組成で、平均粒径1.5μm、1mmの光路長で波長400nmにおいて86%の透過率を有する球状ガラス(脱泡処理あり)
・破砕状結晶シリカ:平均粒径10μm、屈折率1.462の破砕状結晶シリカ
・2,6−ジ−t−ブチル−メチルフェノール:住友化学製フェノール系酸化防止剤
・A−187:日本ユニカー製シラン系カップリング剤
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
表に示された結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物は透明性に優れ、良好な耐半田性かつ耐紫外線劣化性に優れる特性を有していることがわかる。
【発明の効果】
本発明の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、透明性及び耐半田性、耐紫外線劣化性に優れており、高い信頼性を有したオプトデバイスを提供することができる。
Claims (4)
- 1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)、酸無水物硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、SiO2、CaO、及びAl2O3を含む、平均粒径5μm以上、100μm以下の球状のガラス粒子(D)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(E)を必須成分とし、該1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)が、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂、及び複素環式エポキシ樹脂であり、該ガラス粒子(D)が1mmの光路長で波長400nmにおいて80%以上の光透過率を有し、且つ、該ガラス粒子(D)が、それ以外の成分からなる組成物の硬化物と0.01以下の光屈折率差を有し、又、全エポキシ樹脂組成物中に5重量%以上、70重量%以下の割合で配合され、さらに当該エポキシ樹脂組成物が、硬化物において2%以下の吸水率及び80%以上の1mm光路長、波長400nm光透過率を有することを特徴とする光半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 複素環式エポキシ樹脂が、トリグリシジルイソシアヌレートである、請求項1記載の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 硬化促進剤(C)が、双環式アミジン類、及びイミダゾール類からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1記載の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された光半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002010995A JP3973138B2 (ja) | 2002-01-21 | 2002-01-21 | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002010995A JP3973138B2 (ja) | 2002-01-21 | 2002-01-21 | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003213079A JP2003213079A (ja) | 2003-07-30 |
JP3973138B2 true JP3973138B2 (ja) | 2007-09-12 |
Family
ID=27648582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002010995A Expired - Fee Related JP3973138B2 (ja) | 2002-01-21 | 2002-01-21 | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3973138B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102408679A (zh) * | 2011-08-29 | 2012-04-11 | 天威新能源控股有限公司 | 一种环氧树脂复合材料 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006111823A (ja) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Nitto Denko Corp | 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 |
JP4909581B2 (ja) * | 2005-01-20 | 2012-04-04 | 三井化学株式会社 | 有機el素子のシール方法 |
JP5556133B2 (ja) * | 2009-03-31 | 2014-07-23 | 日立化成株式会社 | 電子部品用液状樹脂組成物及び電子部品装置 |
JP2010265415A (ja) * | 2009-05-15 | 2010-11-25 | Sekisui Chem Co Ltd | エポキシ樹脂組成物及び積層体 |
CN109651760A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-04-19 | 汕头市骏码凯撒有限公司 | 一种固化后无色透明的耐高温高压蒸煮的环氧模塑料及其制备方法 |
-
2002
- 2002-01-21 JP JP2002010995A patent/JP3973138B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102408679A (zh) * | 2011-08-29 | 2012-04-11 | 天威新能源控股有限公司 | 一种环氧树脂复合材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003213079A (ja) | 2003-07-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7307286B2 (en) | Epoxy resin composition for encapsulating optical semiconductor element and optical semiconductor device using the same | |
JP3891554B2 (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
EP1914811B2 (en) | Light-emitting device, method for manufacturing same, molded body and sealing member | |
JP2001261933A (ja) | 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物および光半導体装置 | |
JP5942445B2 (ja) | 光反射用熱硬化性樹脂組成物、これを用いた光半導体素子搭載用基板及びその製造方法、並びに光半導体装置 | |
US7311972B2 (en) | Filled epoxy resin compositions | |
JP2005089607A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP3973138B2 (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP4570547B2 (ja) | 充填剤入りエポキシ樹脂組成物及びその製造法 | |
JP2001323135A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物および光半導体装置 | |
JP2002080698A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP5242530B2 (ja) | 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物および光半導体装置 | |
JP2003003043A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
US7381359B2 (en) | Method for making filled epoxy resin compositions | |
JP2005015622A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP2002105291A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP3897282B2 (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP5544819B2 (ja) | エポキシ基含有接着剤樹脂組成物及びそれを用いた光半導体用接着剤 | |
JP2001342325A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP2002234990A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP2004269754A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP2005272543A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
JP2005239912A (ja) | 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び光半導体装置 | |
CN105493302A (zh) | 光半导体装置用环氧树脂组合物及使用其得到的光半导体装置用引线框、封装型光半导体元件以及光半导体装置 | |
JP2015227390A (ja) | 光半導体封止用樹脂組成物および光半導体装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20041130 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070111 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070319 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20070608 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070608 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100622 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |