JP3972727B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、リーン空燃比のもとで燃焼が継続される内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、NO触媒に還元剤を供給するための還元剤供給弁をNO触媒上流の排気通路内に配置し、NO触媒内に蓄えられているイオウ分の量を減少させるべきときには還元剤供給弁からNO触媒に還元剤を供給してNO触媒内に流入する排気ガスの空燃比を一時的に理論空燃比又はリッチに切り替えるようにした内燃機関の排気浄化装置が知られている。
【0003】
ところが、NO触媒内を多量の排気ガスが流通しているときにこの排気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチに切り替えるためには多量の還元剤が必要となる。
【0004】
そこで、NO触媒を迂回してNO触媒上流の排気通路とNO触媒下流の排気通路とを互いに接続するバイパス通路を設け、開弁されると排気ガスがバイパス通路内を流通してNO触媒内を流通する排気ガスの量が減少するバイパス制御弁をバイパス通路内に配置し、バイパス制御弁を閉弁状態に保持すると共に、NO触媒内に蓄えられているイオウ分の量を減少させるべきときに一時的に開弁するようにした内燃機関の排気浄化装置が公知である(特開2001−336418号公報参照)。このようにすると、NO触媒内に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比又はリッチに切り替えるために必要な還元剤の量を低減することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなNO触媒内に蓄えられているイオウ分の量の減少作用は例えばNO触媒内に蓄えられているイオウ分の量が許容最大量を越えたときに行われる。ところが、排気ガス中に含まれるイオウ分の量はNOに比べるとかなり少なく、このためこの減少作用が行われる頻度はかなり低くなっている。このことはバイパス制御弁が長時間にわたって閉弁状態に保持されるということを意味しており、その結果バイパス制御弁が閉弁位置に固着する恐れがあるという問題点がある。バイパス制御弁が閉弁位置に固着するとNO触媒内に蓄えられているイオウ分の量を減少させるために必要な還元剤の量をもはや低減することができなくなる。
【0006】
そこで本発明の目的は、NO触媒内に蓄えられているイオウ分の量を減少させるために必要な還元剤の量を確実に低減することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために1番目の発明によれば、リーン空燃比のもとで燃焼が継続される内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、NO触媒を迂回してNO触媒上流の排気通路とNO触媒下流の排気通路とを互いに接続するバイパス通路を設け、開弁されると排気ガスがバイパス通路内に流入してNO触媒内に流入する排気ガスの量が減少するバイパス制御弁をバイパス通路内に配置した内燃機関の排気浄化装置において、バイパス制御弁が閉弁状態に保持されており、バイパス通路の流入端が接続されている部分とバイパス通路の流出端が接続されている部分との間の排気通路内に、機関減速運転が行われると一時的に閉弁される排気絞り弁を配置し、一時的に閉弁されている排気絞り弁を開弁すべきときには排気絞り弁を閉弁状態に保持しつつバイパス制御弁を一時的に開弁し、次いで排気絞り弁を開弁するようにしている。
【0008】
また、2番目の発明によれば1番目の発明において、バイパス通路の流入端が接続されている部分とNO触媒との間の排気通路内に、NO触媒に還元剤を供給するための還元剤供給弁を配置し、一時的に閉弁されている排気絞り弁を開弁すべきときにバイパス制御弁が一時的に開弁されているときに還元剤供給弁からNO触媒に還元剤を供給するようにしている。
【0009】
また、3番目の発明によれば1番目の発明において、前記NO触媒内に蓄えられているイオウ分を還元して蓄えられているイオウ分の量を減少させるべきときに、バイパス制御弁が一時的に開弁される。
【0010】
また、4番目の発明によれば1番目の発明において、前記NO触媒が排気ガス中に含まれる微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタ上に担持されている。
【0011】
なお、本明細書では排気通路の或る位置よりも上流の排気通路、燃焼室、及び吸気通路内に供給された空気の量と、炭化水素HC及び一酸化炭素COのような還元剤の量との比をその位置における排気ガスの空燃比と称している。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。なお、本発明は火花点火式内燃機関にも適用することもできる。
【0013】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。吸気ダクト13内にはステップモータ16により駆動されるスロットル弁17が配置され、更に吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置18が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置18内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。
【0014】
一方、排気ポート10は排気マニホルド19及び排気管20を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン21に連結され、排気タービン21の出口は上流側排気ダクト22を介し、パティキュレートフィルタ23を収容したケーシング24に接続される。このケーシング24には下流側排気ダクト25が接続される。上流側排気ダクト22内にはアクチュエータ26によって駆動される排気絞り弁27と、パティキュレートフィルタ23に還元剤を供給するための電気制御式還元剤供給弁28とが配置される。この還元剤供給弁28には電気制御式の還元剤ポンプ29から還元剤が供給される。還元剤には液体又は気体の炭化水素のほか水素や尿素などを用いることができるが、本発明による実施例では還元剤として燃料即ち軽油が用いられている。
【0015】
排気絞り弁27は通常運転時には開弁状態に維持されており、即ち排気絞り弁27の開度はその最大開度に保持されている。機関減速運転が行われると、即ち例えばアクセルペダルの踏み込み量がゼロになりこのとき機関回転数が予め定められた許容下限値よりも高ければ、排気絞り弁27が閉弁され即ち排気絞り弁27の開度が例えば小さな一定値まで減少される。その結果、機関背圧が上昇し、機関制動力が得られることになる。次いで、アクセルペダルが踏み込まれるか又は機関回転数Nが許容下限値N1以下になると排気絞り弁27が開弁される。排気絞り弁27が閉弁されると、内燃機関から排出された全ての排気ガスがパティキュレートフィルタ23内に流入する。
【0016】
一方、排気絞り弁27上流の上流側排気ダクト22と下流側排気ダクト25とはバイパス管30を介して互いに接続され、バイパス管30内にはアクチュエータ31により駆動されるバイパス制御弁32が配置される。このバイパス制御弁32は通常運転時には閉弁状態に維持されており、即ちバイパス管30が閉塞されている。バイパス制御弁32が開弁されると、排気絞り弁27が開弁されていても排気ガスがバイパス管30内に流入し、パティキュレートフィルタ23内に流入する排気ガスの量がわずかばかりの量まで減少する。
【0017】
なお、排気絞り弁27を下流側排気ダクト25内に配置することもでき、この場合には上流側排気ダクト22と排気絞り弁27下流の下流側排気ダクト25とがバイパス管30を介して互いに接続される。
【0018】
更に図1を参照すると、排気マニホルド19とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路34を介して互いに連結され、EGR通路34内には電気制御式EGR制御弁35が配置される。また、EGR通路34周りにはEGR通路34内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置36が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置36内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
【0019】
一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール37に連結される。このコモンレール37内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ38から燃料が供給され、コモンレール37内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール37にはコモンレール37内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ39が取付けられ、燃料圧センサ39の出力信号に基づいてコモンレール37内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ38の吐出量が制御される。
【0020】
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45及び出力ポート46を具備する。パティキュレートフィルタ23にはパティキュレートフィルタ23の温度を検出するための温度センサ49aが接続され、ケーシング24にはパティキュレートフィルタ23の前後の差圧、即ちパティキュレートフィルタ23の圧損を検出するための圧損センサ49bが接続される。これらセンサ49a,49b及び燃料圧センサ39の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。また、アクセルペダル50にはアクセルペダル50の踏み込み量を検出するための負荷センサ51が接続され、負荷センサ51の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。更に入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ52が接続される。
【0021】
一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、ステップモータ16、アクチュエータ26,31、還元剤供給弁28、還元剤ポンプ29、EGR制御弁35、燃料ポンプ38にそれぞれ接続される。
【0022】
図2にパティキュレートフィルタ23の構造を示す。なお、図2において(A)はパティキュレートフィルタ23の正面図を示しており、(B)はパティキュレートフィルタ23の側面断面図を示している。図2(A)および(B)に示されるようにパティキュレートフィルタ23はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気ガス通路50,51を具備する。これら排気ガス通路は上流端が開放されかつ下流端がシール材52により閉塞されている排気ガス流入通路50と、下流端が開放されかつ上流端がシール材53により閉塞されている排気ガス流出通路51とにより構成される。なお、図2(A)においてハッチングを付した部分はシール材53を示している。これら排気ガス通路50,51は例えばコージェライトのような多孔質材から形成される薄肉の隔壁54を介して交互に配置される。云い換えると排気ガス通路50,51は各排気ガス流入通路50が4つの排気ガス流出通路51によって包囲され、各排気ガス流出通路51が4つの排気ガス流入通路50によって包囲されるように配置される。
【0023】
パティキュレートフィルタ23は例えばコージェライトのような多孔質材料から形成されており、従って排気ガス流入通路50内に流入した排気ガスは図2(B)において矢印で示されるように周囲の隔壁54内を通って隣接する排気ガス流出通路51内に流出する。
【0024】
また、パティキュレートフィルタ23の隔壁54の両側面及び細孔内壁面上には図3に示されるようにNO触媒60がそれぞれ担持されている。このNO触媒60は例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRh、イリジウムIrのような貴金属とが担持されている。
【0025】
NO触媒は流入する排気ガスの平均空燃比がリーンのときにはNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量を減少させる蓄積還元作用を行う。
【0026】
NO触媒の蓄積還元作用の詳細なメカニズムについては完全には明らかにされていない。しかしながら、現在考えられているメカニズムを、担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって簡単に説明すると次のようになる。
【0027】
即ち、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもかなりリーンになると流入する排気ガス中の酸素濃度が大巾に増大し、酸素OがO 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着する。一方、流入する排気ガス中のNOは白金Ptの表面上でO 又はO2−と反応し、NOとなる(NO+O→NO+O、ここでOは活性酸素)。次いで生成されたNOの一部は白金Pt上でさらに酸化されつつNO触媒内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硝酸イオンNO の形でNO触媒内に拡散する。このようにしてNOがNO触媒内に蓄えられる。
【0028】
これに対し、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ又は理論空燃比になると、排気ガス中の酸素濃度が低下してNOの生成量が低下し、反応が逆方向(NO →NO+2O)に進み、斯くしてNO触媒内の硝酸イオンNO がNOの形でNO触媒から放出される。この放出されたNOは排気ガス中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれらHC,COと反応して還元せしめられる。このようにして白金Ptの表面上にNOが存在しなくなるとNO触媒から次から次へとNOが放出されて還元され、NO触媒内に蓄えられているNOの量が次第に減少する。
【0029】
なお、硝酸塩を形成することなくNOを蓄え、NOを放出することなくNOを還元することも可能である。また、活性酸素Oに着目すれば、NO触媒はNOの蓄積及び放出に伴って活性酸素Oを生成する活性酸素生成触媒と見ることもできる。
【0030】
上述したように、通常運転時には排気絞り弁27が開弁状態に維持されており、バイパス制御弁32が閉弁状態に維持されており、内燃機関から排出された全ての排気ガスがパティキュレートフィルタ23内に流入する。
【0031】
このとき、排気ガス中に含まれる主に炭素の固体からなる微粒子はパティキュレートフィルタ23上に捕集される。図1に示される内燃機関はリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われており、即ちパティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスの空燃比がリーンに維持されており、また、NO触媒60は酸化能を有しているので、パティキュレートフィルタ23の温度が微粒子を酸化しうる温度、例えば250℃以上に維持されていれば、パティキュレートフィルタ23上で微粒子が酸化せしめられ除去される。
【0032】
ところが、パティキュレートフィルタ23の温度が微粒子を酸化しうる温度に維持されなくなるか又は単位時間当たりにパティキュレートフィルタ23内に流入する微粒子の量がかなり多くなるとパティキュレートフィルタ23上に堆積する微粒子の量が次第に増大し、パティキュレートフィルタ23の圧損が増大する。
【0033】
そこで本発明による実施例では、例えばパティキュレートフィルタ23上の堆積微粒子量が許容最大量を越えたときにはパティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスの空燃比をリーンに維持しつつパティキュレートフィルタ23の温度を600℃以上まで上昇し次いで600℃以上に維持する昇温制御が行われる。この昇温制御が行われるとパティキュレートフィルタ23上に堆積した微粒子が着火燃焼せしめられ除去される。図1に示される実施例では、圧損センサ49bにより検出されるパティキュレートフィルタ23の圧損が許容最大値を越えたときにパティキュレートフィルタ23上の堆積微粒子量が許容最大量を越えたと判断される。
【0034】
なお、パティキュレートフィルタ23の温度を上昇させる方法には種々の方法がある。例えばパティキュレートフィルタ23の端面に電気ヒータを配置して電気ヒータによりパティキュレートフィルタ23又はパティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスを加熱する方法や、パティキュレートフィルタ23上流の排気通路内に燃料を供給してこの燃料を燃焼させることによりパティキュレートフィルタ23を加熱する方法や、内燃機関から排出される排気ガスの温度を上昇させてパティキュレートフィルタ23の温度を上昇させる方法がある。
【0035】
一方、上述したようにパティキュレートフィルタ23内に流入する排気ガスの空燃比はリーンに維持されているので、排気ガス中のNOはパティキュレートフィルタ23上のNO触媒60内に蓄えられる。また、排気ガス中にはイオウ分が例えばSOの形で含まれており、NO触媒60内にはNOばかりでなくSOも蓄えられる。
【0036】
このSOのNO触媒60内への蓄積メカニズムはNOの蓄積メカニズムと同じであると考えられる。即ち、担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって簡単に説明すると、NO触媒60に流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには上述したように酸素OがO 又はO2−の形で白金Ptの表面に付着しており、流入する排気ガス中のSOは白金Ptの表面上でO 又はO2−と反応し、SOとなる。次いで生成されたSOは白金Pt上でさらに酸化されつつNO触媒60内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、硫酸イオンSO の形でNO触媒60内に拡散する。この硫酸イオンSO は次いでバリウムイオンBaと結合して硫酸塩BaSOを生成する。
【0037】
このようにしてNO触媒60内の蓄積NO量及び蓄積SO量が次第に増大する。本発明による実施例では、NO触媒60内の蓄積NO量がその許容最大量を越えたときにはNO触媒60内に蓄えられているNOを還元しNO触媒60内の蓄積NO量を減少させるようにし、NO触媒60内の蓄積SO量がその許容最大量を越えたときにはNO触媒60内に蓄えられているSOを還元しNO触媒60内の蓄積SO量を減少させるようにしている。このことを図4に示されるルーチンを参照して詳しく説明する。なお、図4に示されるルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。
【0038】
図4を参照すると、まず初めにステップ100ではNO触媒60の蓄積NO量QN及び蓄積SO量QSが例えば機関運転状態に基づいて算出される。即ち、単位時間当たりにNO触媒60内に蓄えられるNO及びSOの量は単位時間当たりに内燃機関から排出されるNO及びSOの量に依存し、単位時間当たりに内燃機関から排出されるNOの量は例えば機関負荷を表すアクセルペダルの踏み込み量及び機関回転数に依存し、単位時間当たりに内燃機関から排出されるSOの量は燃料噴射量に依存する。従って、アクセルペダルの踏み込み量及び機関回転数と燃料噴射量とから、単位時間当たりにNO触媒60内に蓄えられるNO及びSOの量がそれぞれ求められ、これらが逐次積算される。
【0039】
続くステップ101では蓄積SO量QSが予め定められた許容最大SO量QS1よりも多いか否かが判別される。QS≦QS1のときには次いでステップ102に進み、蓄積NO量QNが許容最大NO量QN1よりも多いか否かが判別される。QN≦QN1のときには処理サイクルを終了し、QN>QN1のときには次いでステップ103に進み、NO触媒60内に流入する排気ガスの空燃比がリッチになるように還元剤供給弁28から還元剤が一定時間だけ供給される。続くステップ104では蓄積NO量QNがクリアされる。
【0040】
一方、ステップ101においてQS>QS1のときには次いでステップ105に進み、パティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスの空燃比をリーンに維持しつつNO触媒60の温度を550℃まで上昇し次いで550℃以上に維持する昇温制御が行われる。続くステップ106ではバイパス制御弁32が開弁され、続くステップ107ではNO触媒60内に流入する排気ガスの空燃比がリッチ又は理論空燃比になるように還元剤供給弁28から還元剤が一定時間だけ供給される。即ち、上述したNO触媒60のSO蓄積メカニズムにおける硫酸塩BaSOは分解しにくく、NO触媒60内に流入する排気ガスの空燃比をただ単にリッチにしてもNO触媒60内の硫酸塩BaSOの量は減少しない。しかしながら、NO触媒60の温度を550℃以上に維持しつつNO触媒60に流入する排気ガスの空燃比をリッチ又は理論空燃比にすると、NO触媒60内の硫酸塩BaSOが分解してSOの形でNO触媒60から放出される。この放出されたSOは排気ガス中に還元剤即ちHC,COが含まれているとこれらHC,COと反応してSOに還元せしめられる。このようにしてNO触媒60内に蓄えられているSOの量が次第に減少し、このときNO触媒60からSOがSOの形で流出することがない。
【0041】
この場合、バイパス制御弁32が開弁されているので、NO触媒60内に流入する排気ガスの量が低減されており、従ってNO触媒60内に流入する排気ガスの空燃比をリッチ又は理論空燃比に切り替えるのに必要な還元剤の量を低減することができる。なお、NO触媒60内に蓄えられているイオウ分の量を減少させるべきときに、バイパス制御弁32を開弁しかつ排気絞り弁27を閉弁するようにしてもよい。
【0042】
続くステップ108ではバイパス制御弁32が閉弁状態に戻され、続くステップ109では蓄積SO量QSがクリアされる。次いで、ステップ104に進み、蓄積NO量QNがクリアされる。ステップ107においてNO触媒60内に流入する排気ガスの空燃比がリッチ又は理論空燃比に切り替えられると、NO触媒60内に蓄えられているNOも還元されNO触媒60内の蓄積NO量も減少するからである。
【0043】
上述したNO触媒60のNO及びSOの蓄積還元メカニズムによれば、NO触媒60内にNO及びSOが蓄えられるときにもNO及びSOが放出されるときにも活性酸素が生成される。この活性酸素は酸素Oよりも活性が高く、従ってパティキュレートフィルタ23上に堆積している微粒子を速やかに酸化する。即ち、パティキュレートフィルタ23上にNO触媒60を担持させると、パティキュレートフィルタ23内に流入する排気ガスの空燃比がリーンであろうとリッチであろうとパティキュレートフィルタ23上に堆積している微粒子が酸化される。このようにして微粒子が連続的に酸化される。
【0044】
このように図1に示される実施例では、バイパス制御弁32が開弁されるのはNO触媒60内に蓄えられたSOの量を減少させるべきときのみである。ところが、冒頭で述べたように、排気ガス中に含まれるSOの量はかなり少なく、このためバイパス制御弁32が長時間にわたって閉弁状態に保持されることになる。
【0045】
そこで本発明による実施例では、排気絞り弁27の開閉弁動作が行われる毎にバイパス制御弁32を一時的に開弁するようにしている。
【0046】
即ち、図5に示されるように、アクセルペダルの踏み込み量Lがゼロになりこのとき機関回転数Nが予め定められた許容下限値N1よりも高ければ、排気絞り弁27が閉弁される。次いで、アクセルペダルが踏み込まれるか又は機関回転数Nが許容下限値N1以下になると、排気絞り弁27を閉弁状態に保持しつつバイパス制御弁32が開弁される。次いで、バイパス制御弁32が閉弁されると共に排気絞り弁27が開弁される。
【0047】
このようにするとバイパス制御弁32が固着しなくなる。その結果、NO触媒60内の蓄積SO量を減少させるべきときにNO触媒60内に流入する排気ガスの量を確実に低減することができ、従ってNO触媒60内の蓄積SO量を減少させるために必要な還元剤の量を確実に低減することができる。また、このとき排気ガスの大部分がバイパス管30内を流通し、従って機関背圧が上昇しない。この場合、排気ガスの大部分がパティキュレートフィルタ23及びNO触媒60を迂回することになるけれども、この排気ガスの量はさほど多くない。
【0048】
更に、このようにバイパス制御弁32が開弁されるとNO触媒60内に流入する排気ガスの量が減少する。そこで本発明による実施例では、図5において矢印で示されるようにバイパス制御弁32が一時的に開弁されているときにNO触媒60に還元剤を一時的に供給するようにしている。即ち、NO触媒60内の蓄積NO量を減少させるためにNO触媒60内に流入する排気ガスの空燃比がリッチになるように還元剤が供給される。この場合、NO触媒60内に流入する排気ガスの空燃比をリッチに切り替えるために多量の還元剤を必要としない。
【0049】
図6は上述した本発明による弁制御を実行するためのルーチンを示している。このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。
【0050】
図6を参照すると、まず初めにステップ120では排気絞り弁27が閉弁されているか否かが判別される。排気絞り弁27が開弁されているときにはステップ121に進み、排気絞り弁27を閉弁すべきか否か、即ちアクセルペダルの踏み込み量Lがゼロでありかつ機関回転数Nが許容下限値N1よりも高いか否かが判別される。L>0又はN≦N1のときには処理サイクルを終了し、L=0かつN>N1のときには次いでステップ122に進んで排気絞り弁27が閉弁される。
【0051】
排気絞り弁27が閉弁されたときにはステップ120からステップ123に進み、排気絞り弁27を開弁すべきか否か、即ちL>0又はN≦N1になったか否かが判別される。L=0かつN>N1のときには処理サイクルを終了し、L>0又はN≦N1になったときにはステップ124に進み、バイパス制御弁32が開弁される。続くステップ125では、NO触媒60内に流入する排気ガスの空燃比がリッチになるように還元剤供給弁28から還元剤が一定時間だけ供給される。続くステップ126では排気絞り弁27が開弁されると共に、バイパス制御弁32が閉弁される。
【0052】
【発明の効果】
排気絞り弁の開閉弁動作が行われる毎にバイパス制御弁の開閉弁動作が行われるのでバイパス制御弁が閉弁位置に固着するのが阻止され、従ってNO触媒内に蓄えられているイオウ分の量を減少させるために必要な還元剤の量を確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】パティキュレートフィルタを示す図である。
【図3】パティキュレートフィルタの隔壁の部分拡大断面図である。
【図4】NO触媒内の蓄積NO量及び蓄積SO量の減少制御を実行するためのフローチャートである。
【図5】本発明による弁制御を説明するための図である。
【図6】弁制御を実行するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体
22…上流側排気ダクト
23…パティキュレートフィルタ
25…下流側排気ダクト
27…排気絞り弁
28…還元剤供給弁
30…バイパス管
32…バイパス制御弁
60…NO触媒

Claims (4)

  1. リーン空燃比のもとで燃焼が継続される内燃機関の排気通路内に、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときに流入する排気ガス中のNOを蓄え、流入する排気ガスの空燃比が低下したときに排気ガス中に還元剤が含まれていると蓄えているNOを還元して蓄えているNOの量が減少するNO触媒を配置し、NO触媒を迂回してNO触媒上流の排気通路とNO触媒下流の排気通路とを互いに接続するバイパス通路を設け、開弁されると排気ガスがバイパス通路内に流入してNO触媒内に流入する排気ガスの量が減少するバイパス制御弁をバイパス通路内に配置した内燃機関の排気浄化装置において、バイパス制御弁が閉弁状態に保持されており、バイパス通路の流入端が接続されている部分とバイパス通路の流出端が接続されている部分との間の排気通路内に、機関減速運転が行われると一時的に閉弁される排気絞り弁を配置し、一時的に閉弁されている排気絞り弁を開弁すべきときには排気絞り弁を閉弁状態に保持しつつバイパス制御弁を一時的に開弁し、次いで排気絞り弁を開弁するようにした内燃機関の排気浄化装置。
  2. バイパス通路の流入端が接続されている部分とNO触媒との間の排気通路内に、NO触媒に還元剤を供給するための還元剤供給弁を配置し、一時的に閉弁されている排気絞り弁を開弁すべきときにバイパス制御弁が一時的に開弁されているときに還元剤供給弁からNO触媒に還元剤を供給するようにした請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記NO触媒内に蓄えられているイオウ分を還元して蓄えられているイオウ分の量を減少させるべきときに、バイパス制御弁が一時的に開弁される請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記NO触媒が排気ガス中に含まれる微粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタ上に担持されている請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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