JP3971484B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置、光通信、光計測装置等の光源として利用される半導体レーザ装置に関し、特に誘導放出光が導波するストライプ状の領域の内部の活性層近傍に吸収性回折格子が設けられた利得結合分布帰還型半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導放出光を発生する活性層を備え、誘導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造を備えた半導体レーザ装置において、誘導放出光の導波方向に回折格子を備えており、誘導放出光が回折格子により光分布帰還を受けて単一波長でレーザ発振が生ずるよう構成されたものを分布帰還型半導体レーザ(DFB−LD:Distributed FeedBack Laser Diode)という。DFB−LDは、光計測装置、高速光伝送装置、光記録装置等における単一波長光源として実用上大変有用なものである。
【0003】
DFB−LDにおいて、特に安定して単一波長を発生するよう考案されたものが利得結合DFB−LD(以下、GC−DFB−LDと記す:Gain−Coupled DFB−LD)であり、例えば、Jpn.J.Appl.Phys.1993年,第32巻,825頁(参考文献1)にその一例が示されている。参考文献1に示されたGC−DFB−LDにおいては、回折格子を構成する各格子部の頂上に光吸収層を設けることによって周期的に光を吸収するようにした吸収性回折格子作り込んでいる。誘導放出光の導波方向にて誘導放出光に対する吸収/利得が空間的に周期的に変動した素子構造にすることによって、従来のDFB−LDよりも単一の波長でレーザ発振が安定して生じるとされている。
【0004】
図13に、従来の吸収性回折格子を備えたGC−DFB−LDの構造の一例を示す斜視図を示す。内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて示す。
【0005】
図13において、00は従来のGC−DFB−LDであり、誘導放出光を発生する活性層13を有し、活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期分布を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構造22により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずる素子構造となっている。
【0006】
すなわち、上記レーザ装置00を構成するn型のGaAs基板11には、層厚1μmのn型のAl0.45Ga0.55As下クラッド層12が形成されている。また、下クラッド層12上には、不純物無添加の多重量子井戸の活性層13が形成されており、活性層13上には、層厚0.1μmのp型のAl0.45Ga0.55Asキャリアバリア層14を介して層厚0.1μmのp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15が形成されている。ガイド層15の表面部分は、凹凸形状を誘導放出光の導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列した構造となっている。そして、ガイド層15の凸部上には、厚さ0.05μmのn型のGaAs光吸収層16A,16Bが配置されている。そして、凹凸部分は、厚さ0.1μmのp型のAl0.25Ga0.75Asからなる第2ガイド層25が配置されている。ここで光吸収層16A,16Bを構成するGaAsは、活性層13から誘導放出される光のエネルギーよりも小さな禁制帯幅を有していることから、上記光吸収層16A,16Bは、活性層で発生される誘導放出光を周期的に吸収する吸収性回折格子22を構成する。領域Aには誘導放出光の導波方向に沿って、層厚1μmで幅4μmのストライプ状のp型のAl0.45Ga0.55As上クラッド層18が形成されており、上クラッド層18の表面上には、層厚0.5μmのp型のGaAsコンタクト層19が形成されている。吸収性回折格子22は、領域A,Bに均一に形成されている。上記構造の最表面には、コンタクト層19上部を除いて絶縁膜17が形成されている。絶縁膜17の表面及びコンタクト層19の表面上には電極20が形成されており、基板11の裏面にも電極21が形成されている。
【0007】
このような構成の吸収性回折格子を有するGC−DFB−LDでは、回折格子が形成された光吸収層16A,Bによって、活性層で発生する誘導放出光に対する利得の周期的変化が生ずることとなる。これにより誘導放出光の分布帰還が生じて単一波長でのレーザ発振が生ずる。
【0008】
次に、従来のGC−DFB−LDの構造の製造方法について図14を用いて説明する。図14(a)〜図14(d)は上記半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0009】
まず、有機金属気相成長法などを用いた第1回目の結晶成長を行って、n型のGaAs基板11上に半導体レーザ装置を構成する複数の半導体層を形成する。この第1回目の結晶成長では、上記基板11上にn型Al0.45Ga0.55As下クラッド層12が1μmの厚さに、不純物無添加の多重量子井戸の活性層13が形成され、その上にp型のAl0.45Ga0.55Asキャリアバリア層14が0.1μmの厚さに、さらにp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15が0.1μmの厚さに、n型のGaAs層光吸収層16が0.05μmの厚さに形成される。(図14(a))そして、最表面の光吸収層16の上にホトレジストを塗布し、二光束干渉露光法により、周期約0.35μmの回折格子状のマスクパターンを基板全面に均一に得る。次にウエットエッチングにより光吸収層16,ガイド層15の一部をエッチングし、回折格子22を得る。(図14(b))次に、回折格子22が形成されている第1回目の結晶成長層の表面上に、第2回目の結晶成長を行って複数の半導体層を形成する。この第2回目の結晶成長では、まずp型のAl0.25Ga0.75As第2ガイド層25が0.1μmの厚さに形成され、p型のAl0.45Ga0.55As上クラッド層18が1μmの厚さに形成され、最後にp型のGaAsコンタクト層19が0.5μmに形成される。(図14(c))そして、通常のホトリソグラフィーとウエットエッチングにより回折格子と直交する方向に幅4μmのストライプ状にGaAsコンタクト層19とAl0.45Ga0.55As上クラッド層18とを加工し、リッジ型光導波構造を作製する。光導波構造を作製した後、絶縁膜17をリッジ頂上を除く表面全体に形成し、基板の表面側に電極20を、基板の裏面に電極21を形成する。最後に、リッジ部が素子の中央にくるように200〜600μm程度の素子長のチップに劈開により分割して、レーザ装置を完成する(図14(d))。
【0010】
なお、上記に示した従来の構造においては、活性層の近傍に設けた光吸収層以外には光を吸収する構造を持たない、実屈折率ガイド構造にすることで駆動電流の低減を図っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の吸収性回折格子を備えたGC−DFB−LDの構造では、活性層を挟む2つのクラッド層のうちの一方をストライプ状の凸形状に加工したリッジ型光導波路構造を備えており、リッジ部と活性層との間に吸収性回折格子を設けている。リッジ型導波構造により、誘導放出光が導波するストライプ領域の内部(以下、領域Aともいう)の等価屈折率をその周辺部(以下、領域Bともいう)の等価屈折率よりも高くし、等価屈折率の差により導波光をストライプ領域の内部に閉じ込め、0次水平横モードでのレーザ発振を実現している。
【0012】
ところで、図15(a)にレーザ出射端面方向から見た従来のGC−DFB−LDの断面、及びリッジ構造によりレーザ内部に閉じ込められた光の分布の様子を示す。領域Aに相当するリッジ内部においては、図15(b)にa−a’間の光密度分布を示すように、光は上下方向(半導体層の積層方向)に広がり、かつ光密度が高くなる。一方で領域Bに相当するリッジ周辺部では、図15(c)にb−b’間の光密度分布を示すように、光の上下方向への広がりが小さく、かつ光密度が低い。その為、領域Aに閉じ込められた光(a−a’)の方が領域Bにしみ出た光(b−b’)よりも光吸収層16による光吸収を強く受けることになる。この場合、ストライプ内外の実屈折率差により光をストライプ領域に閉じ込める構造を意図しているにもかかわらず、出力と共に吸収損失の小さな領域Bへ光分布がシフトしたり、基本横モードよりも領域Bへ広がった光分布を示す高次横モードが発生しやすくなる問題点が生じる。光分布の位置が不安定であったり、高次横モードが発生すると光出力電流特性に折れ曲がりが生じてレーザが高出力まで動作しなくなる。通常の吸収性回折格子によるGC−DFB−LDにおいては、十数mW程度の光出力でさえも光出力電流特性に折れ曲がりが生じて、長距離コヒーレント空間光通信の光源等の数十mW以上の光出力を要求する用途に対しては問題が大きい。さらに、単一波長での安定なレーザ発振を要求するDFB−LDの場合には、高次横モードが発生すると発振波長が不連続に変化し単一波長での発振を維持出来なくなる等の致命的な問題が生じる。
【0013】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、基本横モードでのレーザ発振を安定して生じさせ、高い光出力まで安定した単一波長でのレーザ発振を生じさせる新規のGC−DFB−LDを得ることを目的とする。特に、上記の目的の為に過剰にレーザの駆動電流を増加させることがなく、かつ構造が非常に簡単で、製造工程や製造コストを大幅に上昇させることなく製造できる構成を提供する。
【0014】
なお、上記では活性層13の上に光吸収層16を設け、その上のクラッド層をリッジ型光導波路に加工した構造に関して図15を参照して問題点を示したが、安定した基本横モードを高い光出力まで得る要求はリッジの有無,形態に限らず他の導波路構造を有するレーザにも共通する要求である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体レーザ装置は、誘導放出光を発生する活性層と、前記誘導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造と、前記誘導放出光の導波方向に誘導放出光に対する吸収が周期的に変動する光吸収の分布を有した吸収性回折格子とを備え、前記吸収性回折格子が前記ストライプ状の導波路構造の内部及びその周辺部に配置され、前記誘導放出光が前記吸収の周期的変動により光分布帰還を受けて単一波長でレーザ発振する分布帰還型の半導体レーザ装置であって、前記吸収性回折格子の一部である光吸収層は、吸収損失が前記ストライプ状の導波路構造の中心部からその周辺部に向かって大きくなるように分布され、上記誘導放出光を透過し、かつ、上記誘導放出光を吸収しない電流狭窄構造を備えていることにより、上記目的を達成する。
【0016】
本発明の半導体レーザ装置は、誘導放出光を発生する活性層と、前記誘導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造と、前記誘導放出光の導波方向に誘導放出光に対する吸収が周期的に変動する光吸収の分布を有した吸収性回折格子とを備え、前記吸収性回折格子が前記ストライプ状の導波路構造の内部及びその周辺部に配置され、前記誘導放出光が前記吸収の周期的変動により光分布帰還を受けて単一波長でレーザ発振する分布帰還型の半導体レーザ装置であって、前記吸収性回折格子によって生じる吸収損失を前記ストライプ状の導波路構造の中心部から周辺部に向かって大きくすることにより、水平横モードを安定化してなり、上記誘導放出光を透過し、かつ、上記誘導放出光を吸収しない電流狭窄構造を備えることにより、上記目的を達成する。
【0017】
また、前記吸収性回折格子が、その凸部の幅が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で大きいことにより、上記目的を達成する。
【0018】
前記吸収性回折格子の光吸収層は、その層厚が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で厚いことにより、上記目的を達成する。
【0019】
更に、前記吸収性回折格子の光吸収層は、量子井戸を用いたものであって、前記量子井戸の井戸数が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で多いことにより、上記目的を達成する。
【0020】
前記吸収性回折格子の光吸収層は、量子井戸を用いたものであって、前記量子井戸の井戸幅が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で広いことにより、上記目的を達成する。
【0021】
また、前記吸収性回折格子は、その前記活性層との距離が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で近いことにより、上記目的を達成する。
【0022】
前記吸収性回折格子は、その禁制帯幅が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で狭いことにより、上記目的を達成する。
【0023】
本発明の半導体装置は、前記ストライプ状の導波路構造の中心部から周辺部に向かっての構造の変化が滑らかであることにより、上記目的を達成する。
【0024】
以下、本発明の作用について説明する。
【0025】
請求項1、2においては、誘導放出光が導波するストライプ状の領域の内部および周辺部に吸収性回折格子が設けられた半導体レーザ装置において、ストライプ状の導波路構造の中心部から周辺部に向かって吸収損失が大きくなるよう分布している為、ストライプ状の導波路の内部における吸収性回折格子は分布帰還を効率よく行わせて安定した単一波長でのレーザ発振を行わせるように作用し、周辺部における吸収性回折格子は分布帰還を行わせるとともに安定した水平横モードでのレーザ発振を行わせる作用をはたす。その為、高出力までの0次水平横モードでのレーザ発振を、駆動電流の大幅な上昇なく、容易かつ製造工程を大幅に追加することなく安価に行わせることの出来る構造が提供されるものである。
【0026】
請求項3から9においては、請求項1又は2における本発明をより具体的に実現する為の好適な手段が示されている。すなわち、吸収性回折格子のデューティ比が、ストライプ状の導波路構造の中心部で小さく、周辺部に向かって大きく分布していることによって請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項3)。また、別の方法では、吸収性回折格子を構成する光吸収層の層厚が、ストライプ状の導波路構造の中心部で薄く、周辺部に向かって厚く分布していることによって請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項4)。また、別の方法では、吸収性回折格子を構成する光吸収層が、量子井戸から成りストライプ状の導波路構造の中心部で量子井戸の井戸数が少なく、周辺部に向かって多く分布していることによって請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項5)。また、別の方法では、吸収性回折格子を構成する光吸収層が量子井戸から成りストライプ状の導波路構造の中心部で量子井戸の井戸幅が狭く、周辺部に向かって広く分布していることによって請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項6)。また、別の方法では、吸収性回折格子と活性層との距離が、ストライプ状の導波路構造の中心部で離れており、周辺部に向かって近く分布していることによって請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項7)。また、別の方法では、吸収性回折格子の禁制帯幅が、ストライプ状の導波路構造の中心部で広く、周辺部に向かって狭く分布していることによって請求項1又は2の構成を好適に実現できる(請求項8)。なお、請求項1から8においては、内外の光吸収層の構造の変化をなめらかにすることによってより光が閉じ込まるようになり、より好適である(請求項9)。
【0027】
次に本発明に対してより好適な構成を示す。すなわち、ストライプ状の領域の周辺部の光吸収層が、量子井戸であり、内部はその量子井戸が無秩序化された時にできる混晶比を有する混晶結晶であることによって請求項1又は2の構成をより好適に実現できる。また、本発明を、活性層を挟む上下2つのクラッド層のうち一方の層側にリッジ構造等のストライプ内外の等価屈折率の差をつける構造と吸収層とがある半導体レーザ装置の様に水平横モードが不安定に成りやすい構造に適用する場合、より効果的である。また、ストライプ状の領域の幅が狭すぎると導波光がストライプ外の吸収層から受ける損失が大きくなり、広すぎると本発明の効果が無くなることから、ストライプ状の領域の幅は1μm以上、5μm以下であることが望ましい。より望ましくは、2μm以上、3.5μm以下であるのがよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。実施の形態1と実施の形態2〜4とでは電流狭窄構造が異なるが、電流狭窄構造と本願発明との相関関係は無く、いずれの電流狭窄構造を用いてもよい。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施形態1による半導体レーザ装置を説明するための斜視図であり、内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて示す。図において、01は本実施形態1の半導体レーザ装置であり、誘導放出光を発生する活性層13を有し、活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期分布を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構造22により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずるGC−DFB−LDとなっている。誘導放出光の導波する方向に沿ったストライプ状の領域Aにおける光吸収層16Aはデューティ比が小さく、領域Bにおける光吸収層16Bはデューティ比が大きい点が従来例と異なる。
【0030】
すなわち、上記レーザ装置01を構成するn型のGaAs基板11には、層厚1μmのn型のAl0.6Ga0.4As下クラッド層12が形成されている。また、下クラッド層12上には、層厚0.08μmの不純物無添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が形成されており、活性層13上には、層厚0.2μmのp型のAl0.5Ga0.5Asキャリアバリア層14を介して層厚0.05μmのp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15が形成されている。
【0031】
ガイド層15の表面部分は、凹凸形状を誘導放出光の導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列した構造となっている。そして、ガイド層15の凸部上には、ストライプ状の領域Aにおいては厚さ0.03μmのp型のGaAs光吸収層16Aが、デューティ比20%で配置されている。また、その周辺部である領域Bにおいては同一厚さのp型のGaAs光吸収層16Bが、デューティ比80%で配置されている。ここで光吸収層16A,16Bを構成するGaAsは、活性層13を構成するAl0.13Ga0.87Asよりも禁制帯幅が小さいことから、上記光吸収層16A,16Bは、活性層で発生される誘導放出光に対する光吸収体として機能する。従って、上記導波方向における光吸収層の周期的な配列により、吸収性回折格子22が構成される。
【0032】
そして光吸収層の上には、層厚0.8μmのp型のAl0.75Ga0.25As上クラッド層18が形成されており、上クラッド層18の表面上には、層厚0.5μmのp型のGaAsコンタクト層19が形成されている。そして領域Aのコンタクト層19から上クラッド層18にかけて、誘導放出光の導波方向に沿って、幅3μmに渡ってストライプ状に高濃度のZnが拡散されている。
【0033】
コンタクト層19の表面上には、幅3μmのストライプ状の開口を有する厚さ0.3μmのアルミナ絶縁膜17を介してAuZnからなる電極20が形成されている。また基板11の裏面にはAuGeからなる電極21が形成されている。
【0034】
次に、製造方法について図2を用いて説明する。図2(a)〜図2(e)は上記半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0035】
まず、MO−CVDを用いた第1回目の結晶成長を行って、n型のGaAs基板11上に半導体レーザ装置を構成する複数の半導体層を形成する。
【0036】
この第1回目の結晶成長では、上記基板11上にn型Al0.6Ga0.4As下クラッド層12が1μmの厚さに、不純物無添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が0.08μmの厚さに、p型のAl0.5Ga0.5Asキャリアバリア層14が0.2μmの厚さに成長され、さらにp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15が0.05μmの厚さに、p型のGaAs層光吸収層16が0.03μmの厚さに形成される(図2(a))。
【0037】
次に、光吸収層16の上に電子ビーム露光用のレジストを塗布し、電子ビーム描画により、周期0.35μmの回折格子状のマスクパターンを描画する。描画するマスクパターンは図4(a)に上面図を示すステップ状のパターンであり、領域Aの幅は3μmである。この時のマスクパターンの線幅は、領域Aにあたるストライプ状の領域においてデューティ比20%に、領域Bでは80%になるように描画する(図2(b))。
【0038】
次にCl2ガスを用いたドライエッチングにより光吸収層16A,16Bおよびガイド層15の一部をエッチングし、回折格子22のパターンを転写する。その後マスク26を除去する(図2(c))。
【0039】
次に、回折格子22が形成されている、第1回目の結晶成長層の表面上に、第2回目の結晶成長を行って複数の半導体層を形成する。この第2回目の結晶成長では、まずp型のAl0.75Ga0.25As上クラッド層18が0.8μmの厚さに形成され、最後にp型のGaAsコンタクト層19が0.5μmに形成される。アルミナ絶縁膜17を0.3μm堆積し、幅3μmのストライプ状の開口を形成した後、その開口を通して高濃度のZnを拡散する(図2(d))。
【0040】
そして、基板11をその裏面に研磨処理を施して厚さ100μmにまで薄層化し、基板の表面側にAuZnからなる電極20を、基板の裏面にAuGeからなる電極21を真空蒸着により形成する。最後に、基板を、リッジ部が素子の中央にくるように300μm×300μm角のチップ状に劈開により分割して、レーザ装置を完成する(図2(e))。
【0041】
次に、作用効果について説明する。
【0042】
本実施形態による分布帰還型半導体レーザ装置では、光吸収性層16のうち、誘導放出光の導波する方向に沿ったストライプ状の領域Aの内部に回折格子が印刻されている。つまり、ストライプ状の領域Aにおける光吸収層16Aは光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用し、単一波長でのレーザ発振を生じさせる。一方、ストライプ状の領域の周辺部である領域Bの光吸収層16Bにも回折格子が存在し、光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用すると同時に、光吸収層16Bは光吸収層16Aよりもデューティ比が大きいために誘導放出光に対して大きな損失を与える役目も果たし、ストライプ状の領域の外側に染み出た誘導放出光はより大きな損失を受ける。この場合、領域Aの等価吸収係数は約40cm-1,領域Bの等価吸収係数は約250cm-1となり、ストライプ状の領域の周辺部の方が吸収損失が大きい構造である為に誘導放出光は安定してストライプ状の領域に閉じ込められる(図16(c))。また、本構造によって0次水平横モードが受ける共振器損失は約48cm-1であるのに対して1次水平横モードは約81cm-1の損失を受ける為、0次以外の横モードの発生は非常に起こりにくい。比較のために、本実施形態とほぼ同一の構成で、従来の様にストライプ状の領域の内外に均一に吸収性回折格子を備えた点だけが異なる半導体レーザ装置においては、領域Aの等価吸収係数は約40cm-1,領域Bの等価吸収係数は約12cm-1となり、ストライプ状の領域の内部の方が吸収損失が大きい構造であり(図16(a))、また0次水平横モードが受ける共振器損失は約39cm-1であるのに対して1次水平横モードは約35cm-1,2次水平横モードは約18cm-1の損失を受ける為、0次以外の損失の小さな高次横モードが発生しやすい。つまり、従来は光吸収層16に均一に回折格子を印刻する構成であるのに対し、本発明ではストライプ状の領域の周辺部である領域Bにはデューティ比の大きな回折格子を設けることにより、領域Bの光吸収層16Bが、基本横モードよりもストライプ領域の外側へ広がって導波する高次横モードに選択的に損失を与えてその発生を抑え、基本横モードでの安定したレーザ発振を生じさせる効果が生じることが見出された。また、基本横モードでのレーザ発振を生じさせるだけでなく、DFB−LDとして本質的に重要な単一波長でのレーザ発振特性に対しても、不連続な波長の飛びを抑えて安定化させる効果も見られる。
【0043】
本実施形態の半導体レーザ装置における、出力レーザ光量の駆動電流依存性(以下、I−L特性ともいう)、および各点X,Yにおけるレーザ素子に対して水平方向の遠視野像(以下、水平FFPともいう)を図3(a)に示す。比較のために、本実施形態と同一の構成で、従来の様にストライプ状の領域の内外に均一に吸収性回折格子を備えた点だけが異なる半導体レーザ装置におけるI−L特性および各点X’,Y’における水平FFPも図3(b)に示す。本実施例の半導体レーザは、駆動電流40mAでのレーザ発振開始から光出力50mW以上までI−L特性が線形であり、また水平FFPが単峰的であり、安定した基本横モードで発振している(図3(a))。何れの出力レーザ光量でも、DFB−LDに特有の、回折格子の周期から唯一決まる単一波長でのレーザ発振が見られる。一方、従来の様にストライプ状の領域の内外に均一に吸収性回折格子を備えたものでは、光出力15mW付近でI−L特性に折れ曲がり(以下、キンク点ともいう)が見られた。またI−L特性のキンク点以上のレーザ出力では水平FFPが双峰的となり、高次横モードでレーザ発振している(図3(b))。また、キンク点よりも低出力時には回折格子の周期から唯一決まる単一波長でのレーザ発振が見られるものの、キンク点を境にレーザ発振波長の不連続な飛びが見られ、DFB−LDとして重要な単一波長でのレーザ発振特性にも悪影響が生じている。
【0044】
ところで、ストライプ状の領域の周辺部である領域Bに電流狭窄層を兼ねた光吸収層を付加して高次横モードに損失を与えることにより基本横モードでの安定したレーザ発振を生じさせる効果を得る方法が考えられる(損失ガイド構造または複屈折率ガイド構造ともいう)。この構造では、領域Bに設ける光吸収層を電流狭窄層と兼ねるため、光吸収層を非常に厚い層にする必要があり、導波光の損失が大変大きくなる。特に、光吸収層を設けることによって高機能化を図った半導体レーザ構造においては、領域Bにおいては、回折格子が印刻された光吸収層16Bと新たに付加した光吸収体との両方によって損失が生じるために基本横モードに対する損失さえも著しく大きくなり、レーザの駆動電流が大幅に上昇し、レーザ発振の効率が大幅に低下する欠点がある。また、光吸収層を兼ねた電流狭窄層を第3回目の結晶成長により作製する必要があるために製造工程が増え、製造コストが大幅に上昇する。それに対し本発明では、高次横モードを抑えて安定な基本横モードを得るために領域Bに与える損失量が適切であり、基本横モードの安定化とレーザの駆動電流を大幅に上昇させないこととが両立する点でより優れている。また、製造コストの上昇要因となる結晶成長の回数を従来と同じ2回で済ますことができる為、製造コストの上昇を伴わない。
【0045】
なお、本発明においても、ストライプ領域の幅が極端に狭い場合には誘導放出光が領域Bの光吸収層16Bによる損失を多く受けすぎる為、望ましくない。また、極端に広すぎる場合には高次横モードが発生するために望ましくない。図3(c)に本実施形態における発振開始電流とストライプ領域の幅との相関を示す。ストライプ領域の幅として、1μmから5μmが適切であり。特に本実施形態で用いた3μm付近(2μmから3.5μm)がより望ましい。
【0046】
ところで、特開平5−343789号公報には、ストライプ状領域の周辺部である領域Bだけに吸収性回折格子を設け、内部の領域Aには全く光吸収層も回折格子ももたない構成とし、領域Bの吸収性回折格子により光分布帰還を生じさせ、かつその損失によって基本横モードで安定な発振をさせる発明が開示されている。この場合には誘導放出光が導波する領域Aに全く回折格子が存在しない為、光分布帰還の程度が小さく、単一波長でのレーザ発振が生じにくい欠点がある。それに対し本発明では、基本横モードの安定化と単一波長での安定したレーザ発振とが両立する点でより優れている。
【0047】
上記実施形態1では、図4(a)で上面図を示したように、誘導放出光が導波するストライプ状の領域の方向と直交する方向に、ストライプ状の領域の中心部で光吸収層16のデューティ比が小さく、周辺部でデューティ比が大きくなるようにステップ状に分布する場合を示した。変形例として、図4(b)に示すように複数のステップに分布したもの、図4(c)に示すように滑らかに分布したものなどを適用することが可能である。特に図4(c)に示すようなデューティ比が中心から外側へ滑らかに変わる素子においては、階段状に急激に変わるものよりも、導波する誘導放出光をストライプ状の領域の中心部へ集中させる効果が大きく、より高出力まで安定な基本横モードでのレーザ発振がみられた。
【0048】
なお、領域A及び領域Bのそれぞれのデューティ比は、上記の実施形態で示した20%及び80%に限定されるものではない。領域A,Bで均一なデューティ比の場合には図16(a)に示す様に領域Aの等価吸収係数が領域Bよりも高くなるのに対し、図16(b)の様に領域A,Bでおおよそ等しくなるか、或いは図16(c)の様に領域A,Bの等価吸収係数の分布が逆転するように、領域A,Bのそれぞれのデューティ比が選ばれていれば安定な横モードが得られる効果が見られた。
【0049】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施形態2による半導体レーザ装置を説明するための斜視図であり、内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて示す。図において、02は本実施形態2の半導体レーザ装置であり、誘導放出光を発生する活性層13を有し、活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期分布を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構造22により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずるGC−DFB−LDとなっている。誘導放出光の導波する方向に沿ったストライプ状の領域Aにおける光吸収層16Aは層厚が薄く、領域Bにおける光吸収層16Bは層厚が厚い点が従来例と異なる。
【0050】
すなわち、上記レーザ装置02を構成するn型のGaAs基板11には、層厚1μmのn型のAl0.6Ga0.4As下クラッド層12が形成されている。また、下クラッド層12上には、層厚0.08μmの不純物無添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が形成されており、活性層13上には、層厚0.2μmのp型のAl0.5Ga0.5Asキャリアバリア層14を介して層厚0.05μmのp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15が形成されている。
【0051】
ガイド層15の表面部分は、凹凸形状を誘導放出光の導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列した構造となっている。そして、ガイド層15の凸部上には、ストライプ状の領域Aにおいては厚さ0.05μmのp型のGaAs光吸収層16Aが、その周辺部である領域Bにおいては厚さ0.1μmのp型のGaAs光吸収層16Bが配置されている。ここで光吸収層16A,16Bを構成するGaAsは、活性層13を構成するAl0.13Ga0.87Asよりも禁制帯幅が小さいことから、上記光吸収層16A,16Bは、活性層で発生される誘導放出光に対する光吸収体として機能する。従って、上記導波方向における光吸収層の周期的な配列により、吸収性回折格子22が構成される。
【0052】
そして領域Aには誘導放出光の導波方向に沿って、層厚0.8μmのストライプ状のp型のAl0.75Ga0.25As上クラッド層18が形成されており、上クラッド層18の表面上には、層厚0.5μmのp型のGaAsコンタクト層19が形成されている。ここで、ストライプ状の領域Aの幅は4μmとなっている。
【0053】
領域Bには光吸収層16Bの上に0.1μmのAl0.75Ga0.25As層18があり、その上にはポリイミド樹脂からなる電流狭窄層23が形成されている。このポリイミド樹脂からなる電流狭窄層23は活性層から発生する誘導放出光を吸収しない透明な物質であり、過剰な損失を与えない。電流狭窄層23の表面及びコンタクト層19の表面上にはAuZnからなる電極20が形成されている。また基板11の裏面にはAuGeからなる電極21が形成されている。
【0054】
次に、製造方法について図6を用いて説明する。図6(a)〜図6(e)は上記半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0055】
まず、MO−CVDを用いた第1回目の結晶成長を行って、n型のGaAs基板11上に半導体レーザ装置を構成する複数の半導体層を形成する。
【0056】
この第1回目の結晶成長では、上記基板11上にn型Al0.6Ga0.4As下クラッド層12が1μmの厚さに、不純物無添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が0.08μmの厚さに、p型のAl0.5Ga0.5Asキャリアバリア層14が0.2μmの厚さに成長され、さらにp型のAl0.3Ga0.7Asガイド層15が0.05μmの厚さに、p型のGaAs層光吸収層16が0.1μmの厚さに形成される。
【0057】
そして、上記光吸収層16の上に、通常のホトリソグラフィーにより幅(w)4μmのストライプ状の開口を有するホトレジストによるマスク26を設ける。このストライプ状の開口が上記の領域Aに相当する(図6(a))。
【0058】
そして、ストライプ状に開口されたマスク26を用い、露出されている部分の光吸収層16Aの厚さをウエットエッチングにより0.1μmから0.05μmにまで薄層化し、レジストのマスク26を除去する(図6(b))。
【0059】
面内で厚さが異なる光吸収層16A,16Bの上に新たにホトレジストを塗布し、二光束干渉露光法により、ストライプ状の領域の方向と直交する方向に周期0.35μmの回折格子状のマスクパターンを得る。次に塩酸と過酸化水素水と純水との混合液(GaAs,AlGaAsをエッチングし、ホトレジストをエッチングしない)により光吸収層16A,16Bおよびガイド層15をエッチングし、デューティ比15%の吸収性回折格子22を得る(図6(c))。
【0060】
次に、回折格子22が形成されている、第1回目の結晶成長層の表面上に、第2回目の結晶成長を行って複数の半導体層を形成する。この第2回目の結晶成長では、まずp型のAl0.75Ga0.25As上クラッド層18が0.8μmの厚さに形成され、最後にp型のGaAsコンタクト層19が0.5μmに形成される。
【0061】
そして、上記コンタクト層19の上に、通常のホトリソグラフィーにより幅(w)4μmのストライプ状のホトレジストによるマスク26を設ける。このマスクは、ストライプ状に光吸収層の層厚を薄層化した部分に合わせて位置決めを行う(図6(d))。
【0062】
ストライプ状のマスク26を用いてウエットエッチングにより上クラッド層18を選択的にエッチングしてリッジ導波路構造を作製する。そしてリッジ部以外にポリイミド樹脂による電流狭窄層23を形成する。
【0063】
そして、基板11をその裏面に研磨処理を施して厚さ100μmにまで薄層化し、基板の表面側にAuZnからなる電極20を、基板の裏面にAuGeからなる電極21を真空蒸着により形成する。最後に、基板を、リッジ部が素子の中央にくるように300μm×300μm角のチップ状に劈開により分割して、レーザ装置を完成する(図6(e))。
【0064】
次に、作用効果について説明する。
【0065】
本実施形態による分布帰還型半導体レーザ装置では、光吸収性層16のうち、誘導放出光の導波する方向に沿ったストライプ状の領域Aの内部に回折格子が印刻されている。つまり、ストライプ状の領域Aにおける光吸収層16Aは光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用し、単一波長でのレーザ発振を生じさせる。一方、ストライプ状の領域の周辺部である領域Bの光吸収層16Bにも回折格子が存在し、光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用すると同時に、光吸収層16Bは光吸収層16Aよりも誘導放出光に対して大きな損失を与える役目を果たし、ストライプ状の領域の周辺部に染み出た誘導放出光はより大きな損失を受ける。これにより、実施形態1の場合と同様、ストライプ状の領域の周辺部の方が内部よりも吸収損失が大きく、高次水平横モードは0次水平横モードよりも大きい吸収損失を受ける。つまり、従来は光吸収層16に均一に回折格子を印刻する構成であるのに対し、本発明ではストライプ状の領域の周辺部である領域Bには吸収損失の大きな回折格子を配することにより、領域Bの光吸収層16Bが、基本横モードよりもストライプ領域の外側へ広がって導波する高次横モードに選択的に損失を与えてその発生を抑え、基本横モードでの安定したレーザ発振を生じさせる効果が生じることが見出された。また、基本横モードでのレーザ発振を生じさせるだけでなく、DFB−LDとして本質的に重要な単一波長でのレーザ発振特性に対しても、不連続な波長の飛びを抑えて安定化させる効果も見られる。
【0066】
本実施例の半導体レーザ装置は、レーザ発振開始から光出力50mW以上までI−L特性が線形であり、また水平FFPが単峰的であり、安定した基本横モードで発振している。何れの出力レーザ光量でも、DFB−LDに特有の、回折格子の周期から唯一決まる単一波長でのレーザ発振が見られる。
【0067】
本実施形態の構成では、基本横モードの安定化させるために領域Bに与える損失量が適切である為に基本横モードの安定化とレーザの駆動電流を大幅には上昇させないこととが両立する点で、また、基本横モードの安定化と単一波長での安定したレーザ発振とが両立し、製造コストの上昇を伴わない点で、実施形態1の場合と同様に従来の損失ガイド構造よりも格段に優れている。特に、領域Bに電流狭窄層を兼ねた光吸収層を付加して損失ガイド構造を作る場合には1回余分に結晶成長を行わなければならないのに対し、本実施形態では結晶成長の回数を従来と同じ2回で済ませることができる為、製造コストの上昇を伴わない点で優れる。
【0068】
なお、本発明においても、ストライプ領域の幅が極端に狭い場合には誘導放出光が領域Bの光吸収層16Bによる損失を多く受けすぎる為、望ましくない。また、極端に広すぎる場合には高次モードに与える損失が小さくなり、望ましくない。ストライプ領域の幅として、1μmから5μmが適切である。
【0069】
本実施形態による分布帰還型半導体レーザ装置の製造方法は、吸収性回折格子による吸収量が領域Aと領域Bとで異なる回折格子を有する構造を製造するのに特に適した製造方法である。
【0070】
すなわち、二光束干渉露光法で回折格子を露光する直前に、光吸収層16にストライプ状の開口を有するマスクを設け、開口部から露出した光吸収層16Aの層厚を薄層化する工程を加えることで、上記の素子構造を容易に製造することができる。
【0071】
上記実施形態2では、図7(a)にストライプ状の領域と直交する方向の断面における光吸収層の分布を示すように、周期構造を有する光吸収層としてバルク状(光吸収層の層厚が電子のド・ブロイ波長よりも厚い)の結晶を用い、ストライプ状の領域の中心部で層厚を薄く、周辺部で層厚を厚くすることによって吸収量の分布を設ける構造を示した。変形例として、周期構造を有する光吸収層として量子井戸(吸収層の厚さが2nmから20nm程度の範囲)を用いた場合には次の構造により同様の効果が確かめられた。第一の変形例は、図7(b)に示すように周期構造を有する光吸収層として多重量子井戸を用い、ストライプ状の領域の中心部で井戸数を少なく周辺部で井戸数を多くする構造である。吸収量は井戸数に比例するため、実施形態2と同様の効果が得られる。製造方法も実施形態2と同じく、ストライプ状の領域の内部の光吸収層だけ選択的にエッチングで薄層化する方法が適用できる。第二の変形例は、図7(c)に示すようにストライプ状の領域の中心部で量子井戸の井戸厚を薄く周辺部で井戸厚を厚くする構造である。吸収量は井戸の量子準位で決まり、量子準位が低くなるストライプ状の領域の周辺部でより吸収量が大きくなるために実施形態2と同様の効果が得られる。
【0072】
また、上記実施形態2では、誘導放出光が導波するストライプ状の領域の方向と直交する方向に、ストライプ状の領域の中心部で光吸収層の層厚が小さく、周辺部で層厚が大きくなるように階段状に分布する場合を示した。変形例として、図7(d)に示すように複数の階段に分布したもの、図7(e)に示すように滑らかに分布したものなどを適用することが可能である。特に図7(e)に示すような層厚が中心から外側へ滑らかに変わる素子においては、階段状に急激に変わるものよりも、導波する誘導放出光をストライプ状の領域の中心部へ集中させる効果が大きく、より高出力まで安定な基本横モードでのレーザ発振がみられた。
【0073】
なお、領域A及び領域Bのそれぞれの吸収性回折格子の厚さは、上記の実施形態で示した値に限定されるものではない。領域A,Bで均一な厚さの場合には図16(a)に示す様に領域Aの等価吸収係数が領域Bよりも高くなるのに対し、図16(b)の様に領域A,Bでおおよそ等しくなるか、或いは図16(c)の様に領域A,Bの等価吸収係数の分布が逆転するように、領域A,Bのそれぞれの厚さが選ばれていれば安定な横モードが得られる効果が見られた。
【0074】
(実施の形態3)
図8は本発明の実施形態3による半導体レーザ装置を説明するための斜視図であり、内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて示す。図において、03は本実施形態3の半導体レーザ装置であり、誘導放出光を発生する活性層13を有し、活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期分布を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構造22により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずるGC−DFB−LDとなっている。誘導放出光の導波する方向に沿ったストライプ状の領域Aにおける光吸収層16Aは、領域Bにおける光吸収層16Bよりも活性層13からの距離が離れている点が従来例と異なる。
【0075】
すなわち、上記レーザ装置03を構成するn型のInP基板11には、幅3μm,段差0.1μmのストライプ状の段差が設けられ、その上に層厚0.5μmのn型のInPバッファ層24が形成されている。そして、バッファ層24には、凹凸形状を誘導放出光の導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列した構造が形成されている。凹凸形状の凸部上には、厚さ0.05μmのp型のInGaAsP光吸収層16A,Bが配置されている。ここで光吸収層16A,Bを構成するInGaAsPは、活性層13を構成する半導体材料よりも禁制帯幅が小さい組成であり、活性層で発生される誘導放出光に対する光吸収体として機能する。従って、上記導波方向における光吸収層の周期的な配列により、吸収性回折格子22が構成される。
【0076】
回折格子22の上には、n型のInP下クラッド層12が形成されており、その最表面は平坦である。つまり、領域Aでは下クラッド層12の厚さは0.3μm、領域Bでは0.2μmである。下クラッド層12上には、層厚0.1μmの不純物無添加のInGaAsP活性層13が形成されている。領域Aの内部における活性層13上には、層厚0.8μmのp型のInP上クラッド層18が形成されて、上クラッド層18の上には、層厚0.5μmのp型のInGaAsコンタクト層19が形成されている。領域Bの内部における活性層13上には、層厚0.2μmのp型のInP上クラッド層18が形成されている。
【0077】
上記構造の表面には、コンタクト層19の上部を除いて窒化珪素からなる厚さ0.3μmの絶縁膜17が形成されている。この窒化珪素からなる絶縁膜17は活性層から発生する誘導放出光を吸収しない透明な物質であり、過剰な損失を与えない。絶縁膜17の表面及びコンタクト層19の表面上および基板11の裏面にはそれぞれ電極21が形成されている。
【0078】
次に、製造方法について図9を用いて説明する。図9(a)〜図9(e)は上記半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0079】
まず、n型のInP基板11上に、ホトレジストを用いた通常のホトリソグラフィーにより幅(w)3μmのストライプ状の開口を有するマスク26を設け、ウエットエッチングによりストライプ状の開口内を0.1μmだけエッチングする。このストライプ状の開口が上記の領域Aに相当する(図9(a))。
【0080】
次に、MO−CVDを用いた結晶成長を行って、ストライプ状の段差を有するn型のInP基板11上に半導体レーザ装置を構成する複数の半導体層を形成する。
【0081】
第1回目の結晶成長では、上記基板11上にn型のInPバッファ層24が0.5μm、p型のInGaAsP光吸収層16A,Bが0.05μmの厚さに形成される。この時、バッファ層24、光吸収層16は、基板のストライプ状の段差を保存するように結晶成長を行う(図9(b))。
【0082】
そして、上記光吸収層16の上にホトレジストを塗布し、二光束干渉露光法により、ストライプ状の開口の方向と直交する方向に周期0.24μmの回折格子状のマスクパターンを得る。次にウエットエッチングにより光吸収層16,ガイド層15をエッチングし、デューティ比40%の吸収性回折格子22を得る(図9(c))。
【0083】
次に、第1回目の結晶成長層の表面上に、第2回目の結晶成長を行って複数の半導体層を形成する。この第2回目の結晶成長では、まずn型のInP下クラッド層12を、領域Aの内部で0.3μmの厚さになり、かつその最表面が平坦になるように結晶成長の条件を選んで作製する。次に連続して不純物無添加のInGaAsP活性層13が0.1μmの厚さに、p型のInP上クラッド層18が0.8μmの厚さに、p型のInGaAsコンタクト層19が0.5μmの厚さに形成される。
【0084】
そして、ホトレジストを用いた通常のホトリソグラフィーにより、予め基板11に設けておいたストライプ状の段差部に一致させるように幅(w)3μmのストライプ状のマスク26を設ける(図9(d))。
【0085】
引き続き、ウエットエッチングにより領域Bのコンタクト層19を除去し、上クラッド層18を活性層13から0.2μmの距離を残して除去することによってリッジ型の光導波路構造を作製する。
【0086】
このように光導波構造を作製した後、表面全体にプラズマCVD法により窒化珪素の絶縁膜17を0.3μmの厚さに形成し、その後、リッジ頂上の絶縁膜だけを除去する。
【0087】
そして、基板11をその裏面に研磨処理を施して厚さ100μmにまで薄層化し、基板の表面側、基板の裏面にそれぞれ電極20,21を真空蒸着により形成する。最後に、基板を、リッジ部が素子の中央にくるように200μm×200μm角のチップ状に劈開により分割して、レーザ装置を完成する(図9(e))。
【0088】
次に、作用効果について説明する。
【0089】
本実施形態による分布帰還型半導体レーザ装置では、ストライプ状の領域Aにおける光吸収層16Aは光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用し、単一波長でのレーザ発振を生じさせる。一方、ストライプ状の領域の周辺部である領域Bの光吸収層16Bにも回折格子が存在し、光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用すると同時に、光吸収層16Bは光吸収層16Aよりも活性層13に近いため、誘導放出光に対して大きな損失を与える役目を果たし、ストライプ状の領域の周辺部に染み出た誘導放出光はより大きな損失を受ける。これにより、実施形態1の場合と同様、ストライプ状の領域の周辺部の方が内部よりも吸収損失が大きく、高次水平横モードは0次水平横モードよりも大きいの吸収損失を受ける。つまり、従来は光吸収層16に均一に回折格子を印刻する構成であるのに対し、本発明ではストライプ状の領域の周辺部である領域Bの回折格子を活性層に近い位置に配置することにより、領域Bの光吸収層16Bが、基本横モードよりもストライプ領域の外側へ広がって導波する高次横モードに選択的に損失を与えてその発生を抑え、基本横モードでの安定したレーザ発振を生じさせる効果が生じることが見出された。また、基本横モードでのレーザ発振を生じさせるだけでなく、DFB−LDとして本質的に重要な単一波長でのレーザ発振特性に対しても、不連続な波長の飛びを抑えて安定化させる効果も見られる。
【0090】
本実施例の半導体レーザ装置は、レーザ発振開始から光出力40mW以上までI−L特性が線形であり、また水平FFPが単峰的であり、安定した基本横モードで発振している。何れの出力レーザ光量でも、DFB−LDに特有の、回折格子の周期から唯一決まる単一波長でのレーザ発振が見られる。
【0091】
本実施形態の構成では、基本横モードを安定化させるための領域Bに与える損失量が適切である為に基本横モードの安定化とレーザの駆動電流を大幅には上昇させないこととが両立する点で、また、基本横モードの安定化と単一波長での安定したレーザ発振とが両立し、実施形態1の場合と同様に従来の損失ガイド構造よりも格段に優れている。特に、領域Bに電流狭窄層を兼ねた光吸収層を付加して損失ガイド構造を作る場合には1回余分に結晶成長を行わなければならないのに対し、本実施形態では結晶成長の回数を従来と同じ2回で済ますことができる為、製造コストの上昇を伴わない点で優れる。
【0092】
なお、本発明においても、ストライプ領域の幅が極端に狭い場合には誘導放出光が領域Bの光吸収層16Bによる損失を多く受けすぎる為、望ましくない。また、極端に広すぎる場合には高次モードに与える損失が小さくなり、望ましくない。ストライプ領域の幅として、1μmから5μmが適切である。特に本実施形態で用いた3μm付近(2μmから3.5μm)がより望ましい。
【0093】
本実施形態による分布帰還型半導体レーザ装置の製造方法は、吸収性回折格子による吸収量が領域Aと領域Bとで異なる回折格子を有する構造を製造するのに特に適した製造方法である。
【0094】
すなわち、光導波路にあたる部分にストライプ状の凹段差を設けておき、その上に光吸収層を設けて回折格子を作製し、次に段差を平坦化するように結晶成長を行ってから平坦な活性層を結晶成長する工程を加えることで、上記の素子構造を容易に製造することができる。
【0095】
また、上記実施形態3では、図10(a)にストライプ状の領域の方向と直交する方向の断面における活性層13と光吸収層16の分布を示すように、ストライプ状の領域の中心部で光吸収層が活性層に近く、周辺部で遠くなるように階段状に分布する場合を示した。変形例として、図10(b)に示すように複数の階段に分布したもの、図10(c)に示すように滑らかに分布したものなどを適用することが可能である。特に図10(c)に示すような層厚が中心から外側へ滑らかに変わる素子においては、階段状に急激に変わるものよりも、導波する誘導放出光をストライプ状の領域の中心部へ集中させる効果が大きく、より高出力まで安定な基本横モードでのレーザ発振がみられた。
【0096】
なお、領域A及び領域Bのそれぞれの吸収性回折格子の活性層からの距離は、上記の実施形態で示した値に限定されるものではない。領域A,Bで均一な距離の場合には図16(a)に示す様に領域Aの等価吸収係数が領域Bよりも高くなるのに対し、図16(b)の様に領域A,Bでおおよそ等しくなるか、或いは図16(c)の様に領域A,Bの等価吸収係数の分布が逆転するように、領域A,Bのそれぞれの距離が選ばれていれば安定な横モードが得られる効果が見られた。
【0097】
(実施の形態4)
図11は本発明の実施形態4による半導体レーザ装置を説明するための斜視図であり、内部の構造を説明するためにその一部を切り欠いて示す。図において、04は本実施形態4の半導体レーザ装置であり、誘導放出光を発生する活性層13を有し、活性層13近傍に、光吸収層16A,16Bの周期分布を有する周期構造22を備え、誘導放出光が周期構造22により光分布帰還を受けてレーザ発振が生ずるGC−DFB−LDとなっている。誘導放出光の導波する方向に沿ったストライプ状の領域Aにおける光吸収層16Aはバルク結晶であり、領域Bにおける光吸収層16Bは量子井戸構造であり、領域A,B間で光吸収層の禁制帯幅が異なる点が従来例との相違点である。
【0098】
すなわち、上記レーザ装置04を構成するn型のGaAs基板11には、層厚1μmのn型のAl0.5Ga0.5Asバッファ層24が形成されている。
【0099】
バッファ層24の表面部分は、凹凸形状を誘導放出光の導波方向に沿って一定周期で繰り返し配列した構造となっている。そして、バッファ層24の凸部上には、厚さ0.05μmの光吸収層16A,16Bが配置されている。ここで光吸収層16Aは活性層13を構成する結晶Al0.13Ga0.87Asよりも禁制帯幅が小さいAlGaAsからなるバルク結晶である。光吸収層16Bは、活性層13および光吸収層16Aを構成するAlGaAsよりも、最低量子準位間の遷移エネルギーが小さい、GaAs/AlGaAsからなる量子井戸構造である。光吸収層16A,Bともに結晶活性層13を構成するAl0.13Ga0.87Asよりも禁制帯幅が小さいことから、上記光吸収層16A,16Bは、活性層で発生される誘導放出光に対する光吸収体として機能する。従って、上記導波方向における光吸収層の周期的な配列により、吸収性回折格子22が構成される。
【0100】
そして、光吸収層16A,16B上には、層厚0.2μmのn型のAl0.5Ga0.5As下クラッド層12が、その上には層厚0.08μmの不純物無添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が形成されている。
【0101】
そして領域Aには誘導放出光の導波方向に沿って、層厚0.8μmのストライプ状のp型のAl0.6Ga0.4As上クラッド層18が形成されている。領域Bには、層厚0.2μmのp型のAl0.6Ga0.4As上クラッド層18が形成されており、その上にはn型のAl0.75Ga0.25As電流狭窄層23が設けられている。電流狭窄層23は活性層13から発生する誘導放出光を吸収しない透明な物質であり、過剰な損失を与えない。上クラッド層18および電流狭窄層の表面上には、層厚0.5μmのp型のGaAsコンタクト層19が形成されている。ここで、ストライプ状の領域Aの幅は3.5μmとなっている。電流狭窄層23の表面及びコンタクト層19の表面上にはAuZnからなる電極20が形成されている。また基板11の裏面にはAuGeからなる電極21が形成されている。
【0102】
次に、製造方法について図12を用いて説明する。図12(a)〜図12(e)は上記半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【0103】
まず、MO−CVDを用いた第1回目の結晶成長を行って、n型のGaAs基板11上に半導体レーザ装置を構成する複数の半導体層を形成する。
【0104】
この第1回目の結晶成長では、上記基板11上にn型Al0.5Ga0.5Asバッファ層24が1μmの厚さに、さらにGaAs/AlGaAsの量子井戸からなる光吸収層16が0.05μmの厚さに形成される。量子井戸からなる光吸収層16は、活性層で発生される誘導放出光に対する吸収体として機能する量子準位をもつように、組成,井戸幅等を設定する。
【0105】
そして、上記光吸収層16の上に、スパッタ法により酸化珪素(SiO2)による絶縁膜17を0.3μmの厚さに形成し、通常のホトリソグラフィーと弗化水素酸によるウエットエッチングにより幅(w)3.5μmのストライプ状に加工する。このストライプ状の領域が上記の領域Aに相当する(図12(a))。
【0106】
そして、ストライプ状に加工された酸化珪素(SiO2)膜の付いた基板を約800℃以上の温度で熱処理を行う。すると、ストライプ状のSiO2膜の直下(つまり、領域A)における光吸収層であるGaAs/AlGaAs量子井戸はアロイ化され、AlGaAs混晶結晶となる。この時に生じるAlGaAs混晶結晶は、元のGaAs/AlGaAs量子井戸よりも禁制帯幅が広く、かつ活性層で発生される誘導放出光に対する吸収体として機能する。領域A内の選択的なアロイ化の後、ストライプ状のSiO2膜を除去する。
【0107】
次に、領域A内部だけアロイ化された光吸収層16A,16Bの上にホトレジストを塗布し、二光束干渉露光法により、ストライプ状の領域の方向と直交する方向に周期0.23μmの回折格子状のマスクパターンを得る。次に塩酸と過酸化水素水と純水との混合液(GaAs,AlGaAsをエッチングし、ホトレジストをエッチングしない)により光吸収層16A,16Bおよびバッファ層24をエッチングし、デューティ比25%の吸収性回折格子22を得る(図12(b))。
【0108】
次に、回折格子22が形成されている、第1回目の結晶成長層の表面上に、第2回目の結晶成長を行って複数の半導体層を形成する。この第2回目の結晶成長では、まずn型のAl0.5Ga0.5As下クラッド層12が0.2μmの厚さに形成され、その上に不純物無添加のAl0.13Ga0.87As活性層13が0.08μmの厚さに形成され、その上にp型のAl0.6Ga0.4As上クラッド層18が0.8μmの厚さに形成され、最後にp型のGaAsコンタクト層19が0.5μmに形成される。
【0109】
そして、上記コンタクト層19の上に、通常のホトリソグラフィーにより幅(w)3.5μmのストライプ状のホトレジストによるマスク26を設ける。このマスクは、ストライプ状にアロイ化した光吸収層部分に合わせて位置決めを行う(図12(c))。
【0110】
ストライプ状のマスク26を用いてウエットエッチングにより上クラッド層18を領域Bにおいて0.2μmだけ残して選択的にエッチングしてリッジ導波路構造を作製する(図12(d))。
【0111】
そして、リッジ部以外に第3回目の結晶成長によりn型のAl0.75Ga0.25As電流狭窄層23を形成する。基板11をその裏面に研磨処理を施して厚さ100μmにまで薄層化し、基板の表面側にAuZnからなる電極20を、基板の裏面にAuGeからなる電極21を真空蒸着により形成する。最後に、基板を、リッジ部が素子の中央にくるように300μm×300μm角のチップ状に劈開により分割して、レーザ装置を完成する(図12(e))。
【0112】
次に、作用効果について説明する。
【0113】
本実施形態による分布帰還型半導体レーザ装置では、光吸収性層16のうち、誘導放出光の導波する方向に沿ったストライプ状の領域Aの内部に回折格子が印刻されている。つまり、ストライプ状の領域Aにおけるアロイ結晶からなる光吸収層16Aは光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用し、単一波長でのレーザ発振を生じさせる。一方、ストライプ状の領域の周辺部である領域Bの量子井戸からなる光吸収層16Bにも回折格子が存在し、光分布帰還を施す吸収性回折格子として作用すると同時に、光吸収層16Bは光吸収層16Aよりも誘導放出光に対して大きな損失を与える役目を果たし、ストライプ状の領域の周辺部に染み出た誘導放出光はより大きな損失を受ける。これにより、実施形態1の場合と同様、ストライプ状の領域の周辺部の方が内部よりも吸収損失が大きく、高次水平横モードは0次水平横モードよりも大きいの吸収損失を受ける。つまり、従来は光吸収層16に均一に回折格子を印刻する構成であるのに対し、本発明ではストライプ状の領域の周辺部である領域Bには吸収損失の大きな回折格子を配することにより、領域Bの光吸収層16Bが、基本横モードよりもストライプ領域の外側へ広がって導波する高次横モードに選択的に損失を与えてその発生を抑え、基本横モードでの安定したレーザ発振を生じさせる効果が生じることが見出された。また、基本横モードでのレーザ発振を生じさせるだけでなく、DFB−LDとして本質的に重要な単一波長でのレーザ発振特性に対しても、不連続な波長の飛びを抑えて安定化させる効果も見られる。
【0114】
本実施例の半導体レーザ装置は、レーザ発振開始から光出力50mW以上までI−L特性が線形であり、また水平FFPが単峰的であり、安定した基本横モードで発振している。何れの出力レーザ光量でも、DFB−LDに特有の、回折格子の周期から唯一決まる単一波長でのレーザ発振が見られる。
【0115】
本実施形態の構成では、基本横モードの安定化させるために領域Bに与える損失量が適切である為に基本横モードの安定化とレーザの駆動電流を大幅には上昇させないこととが両立する点で、また、基本横モードの安定化と単一波長での安定したレーザ発振とが両立し、製造コストの上昇を伴わない点で、実施形態1の場合と同様に従来の損失ガイド構造よりも格段に優れている。本実施形態では3回目の結晶成長により電流狭窄層を作製しているが、実施形態1〜3に示すような電流狭窄構造をとることにより結晶成長の回数を2回に減らすことも可能である。結晶成長の回数を従来と同じ2回で済ませる場合、特に製造コストの上昇を伴わない点で優れる。
【0116】
なお、本発明においても、ストライプ領域の幅が極端に狭い場合には誘導放出光が領域Bの光吸収層16Bによる損失を多く受けすぎる為、望ましくない。また、極端に広すぎる場合には高次モードに与える損失が小さくなり、望ましくない。ストライプ領域の幅として、1μmから5μmが適切である。特に本実施形態で用いた3.5μm付近(2μmから3.5μm)がより望ましい。
【0117】
本実施形態による分布帰還型半導体レーザ装置の製造方法は、吸収性回折格子による吸収量が領域Aと領域Bとで異なる回折格子を有する構造を製造するのに特に適した製造方法である。
【0118】
すなわち、二光束干渉露光法で回折格子を露光する直前に、量子井戸からなる光吸収層16の上にストライプ状の誘電体マスクを設けて熱処理を行うことにより、誘電体マスク直下の光吸収層16Aをアロイ化して吸収量を低減させる工程を加えることで、上記の素子構造を容易に製造することができる。
【0119】
なお、量子井戸からなる光吸収層をアロイ化する方法は上記の方法に限定されず、例えばストライプ状の領域Aに選択的にイオン注入、不純物拡散、プロトン照射等を行うことによっても実現される。
【0120】
なお、領域A及び領域Bのそれぞれの吸収性回折格子の禁制帯幅は、上記の実施形態で示した場合に限定されるものではない。領域A,Bで均一な禁制帯幅の場合には図16(a)に示す様に領域Aの等価吸収係数が領域Bよりも高くなるのに対し、図16(b)の様に領域A,Bでおおよそ等しくなるか、或いは図16(c)の様に領域A,Bの等価吸収係数の分布が逆転するように、領域A,Bのそれぞれの吸収性回折格子の禁制帯幅が選ばれていれば安定な横モードが得られる効果が見られた。
【0121】
半導体レーザを構成する材料系は上記実施形態で示したものに限定されるものではなく、III族元素としてAl,Ga,In等を、V族元素としてP,As,N等を含むIII−V族混晶半導体材料、また、II族元素としてZn,Mg,Cd等を、VI族元素としてS,Se,Te等を含むII−VI族混晶半導体材料、その他カルコパイライト系、I−VII族混晶半導体材料等の様々な材料系からなる分布帰還型半導体レーザ装置に対しても本発明を適用することが出来ることは言うまでもない。また結晶成長の方法、特に選択成長の方法に対しても種々の公知技術を適用して実施することが可能である。結晶成長時に、成長層の結晶性を良好なものとするためにバッファ層(緩衝層)を用いることも可能である。
【0122】
また、ストライプ状の導波路の構造や作製方法、回折格子の構造や作製方法に関しても上記実施形態で示したものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0123】
また、レーザ素子の光出射端面の処理方法、コーティング材料とその形成方法に関して上記実施形態では言及していないが、様々な公知の技術を適用してレーザ素子の構成を変形させることは容易に可能である。
【0124】
さらに、分布帰還型半導体レーザ装置は光出射端面が必ずしも劈開で形成されていなくてもレーザ発振が可能であることから光集積回路等におけるモノリシック光源として有望視されており、本発明は上記実施形態で示した単体素子に対してのみならず、集積化素子のレーザ光源部分に適用することが可能である。
【0125】
なお、本発明は、類似の構成を有する吸収性回折格子を有する波長フィルタ等にも適用可能であることはいうまでもない。
【0126】
【発明の効果】
請求項1又は2に係わる半導体レーザ装置によれば、吸収性回折格子を有するGC−DFB−LDにおいて、0次横モードの安定発振とレーザの駆動電流を大幅に上昇させないこととが両立する構造を製造工程の複雑化や製造コストの上昇を伴わないで実現できる。また、単一波長でのレーザ発振特性に対しても不連続な波長の飛びを抑えて縦モードを安定化させる効果も生じる。
【0127】
請求項3から9に係わる半導体レーザ装置によれば、ストライプ状の領域の内外で吸収性回折格子の凸部の幅を変えて内部の方が小さくする(請求項3)、または内部の方が層厚が薄くする(請求項4)、または吸収層が量子井戸の場合には井戸数が少ないかもしくは井戸幅が狭くなるようにする(請求項5,6)、または内部の方が活性層から遠くなるようにする(請求項7)、または内部の方が吸収層の禁制帯幅が広くなるようにする(請求項8)、または内外の光吸収層の変化をなめらかにすること(請求項9)といった非常に簡便な方法で、0次横モードの安定発振とレーザの駆動電流を大幅に上昇させないこととが両立する構造を容易に実現することができる。特に、GC−DFB−LDにおいては、単一波長でのレーザ発振特性に対しても不連続な波長の飛びを抑えて縦モードを安定化させる効果も見られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による半導体レーザ装置の構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示している。
【図2】本発明の実施形態1による半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図3】(a),(b)本発明の実施形態1および従来の半導体レーザ装置の光出力と駆動電流との関係、水平遠視野像(水平FFP)を示す図である。(c)実施形態1のストライプ領域の幅と発振開始電流との関係を示す図である。
【図4】 本発明の実施形態1による半導体レーザ装置の変形例の主要部の断面図である。光吸収層の分布のみ示している。
【図5】本発明の実施形態2による半導体レーザ装置の構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示している。
【図6】本発明の実施形態2による半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態2による半導体レーザ装置の変形例の主要部の断面図である。吸収層の分布のみ示している。
【図8】本発明の実施形態3による半導体レーザ装置の構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示している。
【図9】本発明の実施形態3による半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態3による半導体レーザ装置の変形例の主要部の断面図である。吸収層と活性層の分布のみ示している。
【図11】本発明の実施形態4による半導体レーザ装置の構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示している。
【図12】本発明の実施形態4による半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図13】従来の半導体レーザ装置の構造を示す斜視図であり、一部を切り欠いて示している。
【図14】従来の半導体レーザ装置の製造方法を主要工程順に示す斜視図である。
【図15】(a)従来の半導体レーザ装置のストライプ状の領域の長手方向に直交する断面図、及び内部の光分布を示す図である。(b)a−a’間の光密度分布、(c)b−b’間の光密度分布を示す図である。
【図16】(a)従来の半導体レーザ装置の等価吸収係数の分布を説明する図である。(b),(c)本発明の等価吸収係数の分布を説明する図である。
【符号の説明】
00〜04 GC−DFB−LD装置
11 基板
12 下クラッド層
13 活性層
14 キャリアバリア層
15 ガイド層
16,16A,16B 光吸収層
17 絶縁膜
18 上クラッド層
19 コンタクト層
20 p型用電極
21 n型用電極
22,22A,22B 周期構造もしくは回折格子もしくは吸収性回折格子
23 電流狭窄層
24 バッファ層
25 第2ガイド層
26 マスク

Claims (9)

  1. 誘導放出光を発生する活性層と、
    前記誘導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造と、
    前記誘導放出光の導波方向に誘導放出光に対する吸収が周期的に変動する光吸収の分布を有した吸収性回折格子と
    を備え、
    前記吸収性回折格子が前記ストライプ状の導波路構造の内部及びその周辺部に配置され、前記誘導放出光が前記吸収の周期的変動により光分布帰還を受けて単一波長でレーザ発振する分布帰還型の半導体レーザ装置であって、
    前記吸収性回折格子の一部である光吸収層は、吸収損失が前記ストライプ状の導波路構造の中心部からその周辺部に向かって大きくなるように分布され
    上記誘導放出光を透過し、かつ、上記誘導放出光を吸収しない電流狭窄構造を備えていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 誘導放出光を発生する活性層と、
    前記誘導放出光が導波されるストライプ状の導波路構造と、
    前記誘導放出光の導波方向に誘導放出光に対する吸収が周期的に変動する光吸収の分布を有した吸収性回折格子と
    を備え、
    前記吸収性回折格子が前記ストライプ状の導波路構造の内部及びその周辺部に配置され、前記誘導放出光が前記吸収の周期的変動により光分布帰還を受けて単一波長でレーザ発振する分布帰還型の半導体レーザ装置であって、
    前記吸収性回折格子によって生じる吸収損失を前記ストライプ状の導波路構造の中心部から周辺部に向かって大きくすることにより、水平横モードを安定化してなり、
    上記誘導放出光を透過し、かつ、上記誘導放出光を吸収しない電流狭窄構造を備えることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 前記吸収性回折格子の凸部の幅が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記吸収性回折格子の光吸収層の層厚が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で厚いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記吸収性回折格子の光吸収層は、量子井戸を用いたものであって、前記量子井戸の井戸数が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で多いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記吸収性回折格子の光吸収層は、量子井戸を用いたものであって、前記量子井戸の井戸幅が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で広いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記吸収性回折格子は、その前記活性層との距離が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で近いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記吸収性回折格子は、その禁制帯幅が、前記ストライプ状の導波路構造の中心部でよりも、前記中心部の周辺部で狭いことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかの半導体レーザ装置において、前記ストライプ状の導波路構造の中心部から周辺部に向かっての構造の変化が滑らかであることを特徴とする半導体レーザ装置。
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