JP3971207B2 - 圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気等の気体を圧縮する圧縮機に関し、特に、貯留タンクと圧縮部とが一体的に設けられた圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧縮機は、空気等の気体を圧縮する圧縮部を備え、該圧縮部で圧縮された気体は貯留タンクに供給され、該貯留タンク内に貯えられる。また、昨今では、様々な作業現場で空圧機器が用いられ、例えば建設現場では、作業性を向上するために空圧式の釘打ち機等が用いられている。このため、貯留タンク、圧縮部、駆動モータ等を一体的に組付けることにより、容易に運搬できるようにしたタンク一体型の圧縮機が製造されている。このタンク一体型の圧縮機は、例えば特開平10−246185号公報、特開平11−218080号公報等によって知られている。
【0003】
ここで、貯留タンクは、底部が下側となるように水平方向に配置され、その上部には内周側に雌ねじが刻設された円環状のねじ座が溶接によって固着されている。また、ねじ座には管継手が螺合して取付けられ、この管継手の下側には、当該管継手から貯留タンクの底部近傍まで延びる金属管を溶接して取付けている。
【0004】
そして、管継手の上側にドレンコックを取付けることにより、該ドレンコックを開いたときには、貯留タンク内に貯えられた圧縮空気の圧力を利用し、該タンクの底部側に溜まったドレンを金属管、管継手、ドレンコックを介して外部に排出する。
【0005】
また、圧縮機には、2個の貯留タンクを対をなすように配設したものがあり、この2個の貯留タンクのうち圧縮部に接続される一方の貯留タンクには溶接されたねじ座に金属管が取付けられた管継手を設け、他方の貯留タンクには溶接されたねじ座に金属管が取付けられた管継手と単体の管継手を設ける。そして、一方の貯留タンクで金属管が取付けられた管継手と他方の貯留タンクで単体の管継手とを連通管を用いて接続し、他方の貯留タンクで金属管が取付けられた管継手にはドレンコックを取付ける構成としている。
【0006】
これにより、圧縮部から一方の貯留タンクに供給された圧縮気体は、金属管、連通管を通って他方の貯留タンクにも供給される。また、ドレンを排出する場合には、他方の貯留タンクに設けられたドレンコックを開くことにより、一方の貯留タンク内のドレンを、金属管、連通管を介し圧縮空気と一緒に他方の貯留タンクに流入させ、この他方の貯留タンクに設けられた金属管、ドレンコックを介して外部に排出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による圧縮機は、貯留タンクの上部にねじ座を取付け、このねじ座に管継手を螺合して取付ける。また、管継手には当該管継手から貯留タンクの底部近傍まで延びる金属管が取付けるようにしている。
【0008】
ここで、貯留タンクの上部に固着したねじ座に形成された雌ねじ、管継手に形成された雄ねじは、それぞれ管用テーパねじとして形成されている。そして、ねじ座の雌ねじに管継手の雄ねじを螺着する場合には、該雄ねじにシールテープを巻付けた状態でねじ込むようにしている。
【0009】
従って、管継手に溶接される金属管の長さ寸法を、該管継手の下部から貯留タンクの底部までの距離に合せて正確に形成しても、ねじ座に管継手をねじ込むときの力加減、シールテープの巻数、ねじの加工公差等によりねじ座に対する管継手のねじ込み深さが変わってしまう。このため、金属管は、管継手を最も深くねじ込んだ場合でも、その先端が貯留タンクの底部に接触しないように長さ寸法を短めに設定しなくてはならない。この結果、金属管の先端が貯留タンクの底部から離間してしまい、該貯留タンク内のドレンを全量排出することができないという問題がある。
【0010】
また、貯留タンクは薄肉で直接管継手を螺着することができないため、別個のねじ座を溶接によって固着しているから、製造コストが嵩んでしまう。特に、昨今では、軽量化のために貯留タンク、ねじ座にアルミニウム材料を用いているから、溶接時に溶融した金属が流れ易いため、数回に亘って肉盛り溶接を施さなくてはならず、多大な労力が必要になるという問題がある。
【0011】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、管継手をねじ込むときの力加減、加工公差等に影響されることなく、貯留タンク内のドレンを確実に排出できるようにした圧縮機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による圧縮機は、底部が下側となるように水平方向に配置され圧縮気体を貯える2個の貯留タンクと、該2個の貯留タンクに気体を圧縮して供給する圧縮部とを備えている。
【0013】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記2個の貯留タンクのうち前記圧縮部に接続される一方の貯留タンクには、その上部に位置してねじを有するねじ孔を設け、該ねじ孔には、第1の管継手を螺合して取付け、他方の貯留タンクには、その上部に位置してねじを有する2個のねじ孔を設け、これらの2個のねじ孔には、第2,第3の管継手を螺合して取付け、前記第1の管継手と前記第2の管継手との間には、前記2個の貯留タンク間を連通する連通配管を接続して設け、前記第1の管継手には、当該管継手から前記一方の貯留タンクの底部に到達する距離よりも大きな長さ寸法の可撓性の流出用チューブを接続して設け、前記他方の貯留タンクに取付けた前記第3の管継手には、当該管継手から前記他方の貯留タンクの底部に到達する距離よりも大きな長さ寸法の可撓性の流出用チューブを接続して設ける構成としたことにある。
【0014】
このように構成したことにより、第1,第3の管継手を各貯留タンクのねじ孔に螺着すると、このときの力加減、加工公差等に関係なく、各流出用チューブの先端がそれぞれの貯留タンクの底部に当接し、当該流出用チューブの全体が湾曲する。これにより、流出用チューブの先端を貯留タンクの底部に当接した位置で斜めに開口させることができるから、例えば第3の管継手に取付けたドレンコックを開くことにより、各貯留タンク内のほぼ全量のドレンを排出することができる。
即ち、各流出用チューブの先端を貯留タンクの底部に当接した位置で斜めに開口させることにより、一方の貯留タンクに供給された圧縮気体を、流出用チューブ、第1の管継手、連通配管を介して他方の貯留タンクにも供給することができる。また、一方の貯留タンク内のドレンの殆どを、流出用チューブ、第1の管継手、連通配管を介して他方の貯留タンクに移すことができる。
さらに、他方の貯留タンクの第3の管継手に例えばドレンコックを取付け、このドレンコックを開くことにより、流出用チューブ、第3の管継手、ドレンコックを介して他方の貯留タンク内に溜まったドレンと一方の貯留タンクから移されたドレンを外部に排出することができる。
【0015】
請求項2の発明によると、第3の管継手には、他方の貯留タンク内に溜まったドレンを排出するための別部材からなるドレンコックを取付ける構成としている。
【0016】
このように構成したことにより、ドレンコックを開いたときには、流出用チューブ、第3の管継手、ドレンコックを介して貯留タンク内のドレンを外部に排出することができる。
【0017】
請求項3の発明によると、第3の管継手は、他方の貯留タンク内に溜まったドレンを排出するためのドレンコックが一体的に付設されたドレンコック付管継手として構成している。
【0018】
このように構成したことにより、ドレンコック付管継手のドレンコックを開いたときには、流出用チューブ、ドレンコック付管継手を介して貯留タンク内のドレンを外部に排出することができる。また、部品点数が少なくなるから容易に組立てることができる。
【0024】
請求項4の発明によると、2個の貯留タンクは、左,右に並行に配置され前,後方向に延びるタンクであって、該タンクの上部にはタンクの前,後方向に厚肉な継手取付座を設け、各ねじ孔は該継手取付座に形成する構成としている。
【0025】
このように構成したことにより、継手取付座に設けられたねじ孔に管継手を螺着するだけで、該管継手を貯留タンクに簡単に取付けることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による圧縮機をタンク一体型の圧縮機に用いた場合を例に挙げ、添付図面に従って説明する。ここで、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。
【0027】
1はタンク一体型の圧縮機で、該圧縮機1は、図1、図2に示す如く、後述の貯留タンク2,4、圧縮部12、駆動モータ13等によって大略構成されている。
【0028】
2は後述する圧縮部12の下側に位置して前,後方向に延びた一方(左側)の貯留タンクで、該一方の貯留タンク2は、後述の圧縮部12から供給される圧縮空気を貯えるもので、軽量化を図るために例えばアルミニウム材料等を用いてほぼ円筒状の密閉容器として形成されている。そして、貯留タンク2は、水平方向に配置され、下側が底部2Aとなっている。
【0029】
ここで、一方の貯留タンク2の上部には、例えば貯留タンク2よりも厚肉な長方形の板材からなる間座と呼ばれる継手取付座2Bが前,後方向に延びて一体形成されている。そして、この継手取付座2Bの長さ方向中間には、内周に管用テーパねじからなる雌ねじを有するねじ孔としてのねじ孔2Cが設けられ、該ねじ孔2Cには外周が管用テーパねじとなった後述の管継手3が螺着して取付けられている。
【0030】
3は貯留タンク2のねじ孔2Cに螺着して取付けられた第1の管継手で、該第1の管継手3は、外周に管用テーパねじからなる雄ねじを有する継手本体3Aと、該継手本体3Aから下向きに延びた下側の接続管3Bと、後述の連通配管8を継手本体3Aも固定するナット3Cによって構成されている。
【0031】
4は貯留タンク2と並行して前,後方向に延びて配置された他方(右側)の貯留タンクで、該他方の貯留タンク4についても、貯留タンク2とほぼ同様に例えばアルミニウム材料等を用いて円筒状の密閉容器として形成され、下側が底部4Aとなっている。そして、貯留タンク4は連結ステー5,5,…によって貯留タンク2と一体に連結されている。
【0032】
ここで、他方の貯留タンク4の上部には、例えば貯留タンク2よりも厚肉な長方形の板材からなる間座と呼ばれる継手取付座4Bが前,後方向に延びて一体形成されている。そして、この継手取付座4Bの長さ方向中間には内周に管用テーパねじからなる雌ねじを有するねじ孔4Cが設けられ、このねじ孔4Cには管継手6が螺着して取付けられている。また、継手取付座4Bの後部側には、ねじ穴2C,4Cと同様に、内周に管用テーパねじからなる雌ねじを有する他のねじ孔4Dが設けられている。
【0033】
6は貯留タンク4のねじ孔4Cに螺着して取付けられた第2の管継手で、該第2の管継手6は、外側に管用テーパねじからなる雄ねじを有する継手本体6A、ナット6B等によって構成されている。
【0034】
7は管継手3の接続管3Bに設けられた一方の流出用チューブで、該流出用チューブ7は、管継手3から下向きに延び、可撓性を有する樹脂材料等からなる樹脂チューブとして形成されている。そして、流出用チューブ7の全長は管継手3から貯留タンク2の底部2Aに到達する距離L1(図5参照)よりも大きな長さ寸法に設定されている。
【0035】
そして、一方の流出用チューブ7は、上端側が管継手3の接続管3Bに挿嵌され、下端側は滑らかに湾曲して貯留タンク2の底部2Aに当たっている。このため、流出用チューブ7の下端側開口7Aは、貯留タンク2の底部2Aに斜めに開口させることができるから、貯留タンク2内に溜まったドレンを貯留タンク2内に残すことなく、全て流出用チューブ7から後述の連結配管8を介して貯留タンク4側に流出することができる。
【0036】
8は一方の貯留タンク2と他方の貯留タンク4との間を連通する連通配管で、該連通配管8は、ほぼコ字状(台形状)に折曲げられた配管として形成されている。そして、連通配管8は、管継手3と管継手6とに接続され、貯留タンク2内に流入した圧縮空気を貯留タンク4内に導くものである。また、この圧縮空気の流れと一緒に貯留タンク2内に溜まったドレンも貯留タンク4内に導かれる。
【0037】
9は他方の貯留タンク4のねじ孔4Dに取付けられた後部側の第3の管継手で、該第3の管継手9は外周に管用テーパねじからなる雄ねじを有する継手本体9Aと、該継手本体9Aから下向きに延びた下側の接続管9Bと、後述のドレンコック11が螺着される上側の接続口9Cとによって構成されている。
【0038】
10は管継手9の接続管9Bに設けられた他方の流出用チューブで、該流出用チューブ10は、可撓性を有する樹脂材料等からなる樹脂チューブとして形成されている。そして、流出用チューブ10の全長は管継手9から貯留タンク4の底部4Aに到達する距離L2(図7参照)よりも大きな長さ寸法を有している。
【0039】
そして、他方の流出用チューブ10は、上端側が後述する管継手9の接続管9Bに挿嵌され、下端側は滑らかに湾曲して貯留タンク4の底部4Aに当たっている。このため、流出用チューブ10の下端側開口10Aは底部4Aに開口し、貯留タンク4内のドレンは貯留タンク4内の空気圧によって全て流出用チューブ10に導かれて流出用チューブ10から後述のドレンチューブ11Dに流出する。
【0040】
11は右側の貯留タンク4の管継手9に設けられたドレンコックで、該ドレンコック11は、コック本体11Aと、該コック本体11Aの下端側に取付けられ管継手9の接続口9Cに螺着された雄ねじ部11Bと、コック本体11Aの上側に設けられたつまみ11Cと、コック本体11Aに設けられたドレンチューブ11Dとによって大略構成されている。そして、ドレンコック11は、つまみ11Cを動かすことで貯留タンク4内に溜まった貯留タンク4内の圧縮空気によってドレンが排出される。
【0041】
さらに、12は2個の貯留タンク2,4間の後側寄りに取付けられた圧縮部で、該圧縮部12はクランクケース12Aと、該クランクケース12Aの相対位置に配設された低圧側の圧縮機構12B、高圧側の圧縮機構12Cとからなる、所謂水平対向型の2段式空気圧縮機として構成されている。そして、圧縮部12は、駆動モータ13によって駆動され、圧縮機構12B,12Cで順次圧縮された空気は圧縮機構12Cから流入口14を介して貯留タンク2内に供給される。
【0042】
また、15は低圧側の上側急速継手16と低圧側の下側急速継手17が取付けられる取付口を示している。また、18は高圧側の上側急速継手19、高圧側の下側急速継手20が取付けられる取付口を示している。また、21,21,…は貯留タンク2,4の前,後方向両端側に取付けられた脚体、22,22は運搬用の把手である。さらに、23は貯留タンク2,4上に着脱可能に取付けられたカバーである。
【0043】
本実施の形態によるタンク一体側の圧縮機1は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0044】
まず、駆動モータ13に給電して駆動軸(図示せず)を回転駆動させると、圧縮部12が外気を吸込んで圧縮し、この圧縮空気を貯留タンク2,4に貯留する。そして、この圧縮機1には例えば複数の釘打機側のホース(図示せず)等が接続され、作業者は、これらの釘打機を用いて釘を打ち付ける作業を行なう。
【0045】
ところで、2個の貯留タンク2,4内には圧縮空気が貯留されるから、圧縮空気内に含まれるドレンが各貯留タンク2,4内に溜まる。このため、これら各貯留タンク2,4内に溜まったドレンは、外部に排出する必要がある。
【0046】
そこで、本実施の形態では、貯留タンク2,4間を連通配管8によって互いに連通し、連通配管8を貯留タンク2に接続する管継手3には流出用チューブ7を接続し、貯留タンク4に取付けられた管継手9には、流出用チューブ10とドレンコック11を接続する構成としている。
【0047】
このため、ドレンコック11を開けたときには、一方の貯留タンク2内に溜められたドレンは、貯留タンク2内の圧縮空気と共に連通配管8を介して他方の貯留タンク4内に移動し、当該貯留タンク4内に予め溜められたドレンと一緒にドレンコック11からドレンチューブ11Dを介して外部に排出される。
【0048】
ここで、本実施の形態では、流出用チューブ7を可撓性ホースによって形成し、流出用チューブ7は、管継手3から貯留タンク2の底部2Aに到達する距離L1よりも大きな長さ寸法をもって形成している。従って、一方の流出用チューブ7の下端側開口7Aを貯留タンク2の底部2Aに当てることができ、貯留タンク2内に溜まったドレンは貯留タンク2内に残すことなく、全て連結配管8を介して貯留タンク4内に流出することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、他方の流出用チューブ10についても、可撓性ホースによって形成し、流出用チューブ10は管継手9から貯留タンク4の底部4Aに到達する距離L2よりも大きな長さ寸法をもって形成している。従って、流出用チューブ10の下端側開口10Aを貯留タンク4の底部4Aに当てることができ、貯留タンク4内に溜まったドレンは貯留タンク4内に残すことなく、ドレンコック11から外部に排出することができる。
【0050】
かくして、本実施の形態では、2個の貯留タンク2,4内に溜まったドレンを、各貯留タンク2,4内に残存させることなく、流出用チューブ7,10を通じて全て外部に排出することができる。これにより従来技術で述べたように管継手をねじ込むときの力加減、加工公差等に影響されることなく、貯留タンク内のドレンを確実に排出することができる。
【0051】
また、流出用チューブ7,10は従来技術で述べた金属性の配管の替わりに可撓性を有する樹脂製のチューブを用いる構成としたので、流出用チューブ7,10のコスト等を金属性の配管に比較して低減することができる。
【0052】
次に、図8は本発明の第2の実施の形態で、本実施の形態の特徴は、貯留タンクの上部に管継手を取付け、この管継手はドレンコックが一体的に付設されたドレンコック付管継手として構成したことにある。なお、本実施例では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0053】
31は本実施の形態に係るドレンコック付管継手で、該ドレンコック付管継手31は、外周に管用テーパねじからなる雄ねじを有する継手本体32と、流出用チューブ10が挿嵌して取付けられた接続口33と、ドレンコック34とによって構成されている。
【0054】
ここで、ドレンコック34は、第1の実施の形態で述べたドレンコック11とほぼ同様に、コック本体34Aと、該コック本体34Aの上側に設けられたつまみ34Bとによって大略構成されている。
【0055】
かくして、このように構成される本実施の形態でも第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、管継手をドレンコック34が付設されたドレンコック付管継手31としているから、部品点数を少なくして組立作業を容易に行なうことができる。
【0057】
また、実施の形態では、圧縮部として水平対向型の二段式空気圧縮機をなす圧縮部12を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、1段または3段以上の空気圧縮機を圧縮部として用いてもよくまた、シリンダの配置形態もV型等の他の形態としてもよい。
【0058】
一方、本発明は空気圧縮機に限るものではなく、例えば窒素ガス、冷媒ガス等の各種気体を圧縮するのに用いてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、2個の貯留タンクのうち圧縮部に接続される一方の貯留タンクには、その上部に位置して内周に雌ねじを有し第1の管継手が螺合して取付けられるねじ孔を設け、他方の貯留タンクには、その上部に位置して内周に雌ねじを有し第2,第3の管継手が螺合して取付けられる2個のねじ孔を設け、前記一方の貯留タンクに取付けた前記第1の管継手と前記他方の貯留タンクに取付けた前記第2の管継手との間には、前記2個の貯留タンク間を連通する連通配管を接続して設け、前記第1の管継手には、当該管継手から前記一方の貯留タンクの底部に到達する距離よりも大きな長さ寸法の可撓性の流出用チューブを接続して設け、前記他方の貯留タンクに取付けた前記第3の管継手には、当該管継手から前記他方の貯留タンクの底部に到達する距離よりも大きな長さ寸法の可撓性の流出用チューブを接続して設ける構成としているので、第1,第3の管継手を各貯留タンクのねじ孔に螺着すると、このときの力加減、加工公差等に関係なく、各流出用チューブの先端をそれぞれの貯留タンクの底部に当接させ、当該流出用チューブの全体を湾曲させることができる。
【0060】
これにより、各流出用チューブの先端を、それぞれの貯留タンクの底部に当接した位置で斜めに開口させることができるから、例えば第3の管継手に取付けたドレンコックを開くことにより、各貯留タンク内の底部に溜まったほぼ全量のドレンを排出することができる。また、従来技術のように溶接作業を用いることなく、管継手、流出用チューブを取付けることができ、組立性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
即ち、各流出用チューブの先端は、それぞれの貯留タンクの底部に当接した位置で斜めに開口しているので、一方の貯留タンクに供給された圧縮気体を、流出用チューブ、第1の管継手、連通配管を介して他方の貯留タンクにも供給することができる。
また、一方の貯留タンク内のドレンの大部分を、流出用チューブ、第1の管継手、連通配管を介して他方の貯留タンクに移すことができる。さらに、他方の貯留タンクの第3の管継手には、例えばドレンコックを取付け、このドレンコックを開くことにより、流出用チューブ、第3の管継手、ドレンコックを介して他方の貯留タンク内に溜まったドレンと一方の貯留タンクから移されたドレンを外部に排出することができる。
【0061】
請求項2の発明によれば、第3の管継手には、他方の貯留タンク内に溜まったドレンを排出するための別部材からなるドレンコックを取付ける構成としているので、ドレンコックを開いたときには、流出用チューブ、第3の管継手、ドレンコックを介して他方の貯留タンク内のドレンを外部に排出することができる。また、メンテナンス作業等においてドレンコックを容易に交換することができる。
【0062】
請求項3の発明によれば、第3の管継手は、他方の貯留タンク内に溜まったドレンを排出するためのドレンコックが一体的に付設されたドレンコック付管継手として構成している。従って、ドレンコック付管継手のドレンコックを開いたときには、流出用チューブ、ドレンコック付管継手を介して貯留タンク内のドレンを外部に排出することができる。また、ドレンコック付管継手としたことにより、部品点数を少なくして組立作業を容易に行なうことができる。
【0066】
請求項4の発明によれば、2個の貯留タンクは、左,右に並行に配置され前,後方向に延びるタンクであって、該タンクの上部にはタンクの前,後方向に厚肉な継手取付座を設け、各ねじ孔は該継手取付座に形成する構成としているので、継手取付座に設けられたねじ孔に管継手を螺着するだけで、該管継手を貯留タンクに簡単に取付けることができ、組立性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるタンク一体型圧縮機を示す外観斜視図である。
【図2】タンク一体型圧縮機をカバーを取外した状態で示す外観斜視図である。
【図3】タンク一体型圧縮機をカバーを取外した状態で示す正面図である。
【図4】貯留タンク、管継手、連通管、ドレンコックを拡大して示す外観斜視図である。
【図5】貯留タンク、管継手、流出用チューブ、連通管を図3中の矢示V−V方向から拡大して示す横断面図である。
【図6】一方の貯留タンク、管継手、流出用チューブを図5中の矢示VI−VI方向から拡大して示す要部拡大縦断面図である。
【図7】他方の貯留タンク、管継手、流出用チューブ、ドレンコックを拡大して示す要部拡大縦断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態によるドレンコック付管継手を他方の貯留タンク、流出用チューブと一緒に示す図7と同様位置からみた要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2,4 貯留タンク
2A,4A 底部
2B,4B 継手取付座
2C,4C,4D ねじ孔
7,10 流出用チューブ
7A,10A 下端側開口
11,34 ドレンコック
11D ドレンチューブ
12 圧縮部
13 駆動モータ
31 ドレンコック付管継手
Claims (4)
- 底部が下側となるように水平方向に配置され圧縮気体を貯える2個の貯留タンクと、該2個の貯留タンクに気体を圧縮して供給する圧縮部とを備えてなる圧縮機において、
前記2個の貯留タンクのうち前記圧縮部に接続される一方の貯留タンクには、その上部に位置してねじを有するねじ孔を設け、
該ねじ孔には、第1の管継手を螺合して取付け、
他方の貯留タンクには、その上部に位置してねじを有する2個のねじ孔を設け、
これらの2個のねじ孔には、第2,第3の管継手を螺合して取付け、
前記第1の管継手と前記第2の管継手との間には、前記2個の貯留タンク間を連通する連通配管を接続して設け、
前記第1の管継手には、当該管継手から前記一方の貯留タンクの底部に到達する距離よりも大きな長さ寸法の可撓性の流出用チューブを接続して設け、
前記他方の貯留タンクに取付けた前記第3の管継手には、当該管継手から前記他方の貯留タンクの底部に到達する距離よりも大きな長さ寸法の可撓性の流出用チューブを接続して設ける構成としたことを特徴とする圧縮機。 - 前記第3の管継手には、前記他方の貯留タンク内に溜まったドレンを排出するための別部材からなるドレンコックを取付ける構成としてなる請求項1に記載の圧縮機。
- 前記第3の管継手は、前記他方の貯留タンク内に溜まったドレンを排出するためのドレンコックが一体的に付設されたドレンコック付管継手として構成してなる請求項1に記載の圧縮機。
- 前記2個の貯留タンクは、左,右に並行に配置され前,後方向に延びるタンクであって、該タンクの上部にはタンクの前,後方向に厚肉な継手取付座を設け、前記各ねじ孔は該継手取付座に形成する構成としてなる請求項1,2または3に記載の圧縮機。
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