JP3970354B2 - 無段変速機用潤滑油組成物 - Google Patents

無段変速機用潤滑油組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無段変速機用潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは、無灰系分散剤を使用し、摩擦特性及び耐焼付性能に優れ、特に金属ベルトタイプの変速機用として好適な無段変速機用潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用の自動変速機としては、トルクコンバータと数種の歯車列をもつ有段変速機が用いられてきたが、このような有段変速機においては、トルクコンバータによるスリップロスや変速時のトルクロスにより、効率が悪いという問題があった。そのため、近年、自動車用の変速機として、スチールベルトを用いた無段変速機が開発され、実用に供されるようになってきた。
【0003】
しかしながら、この無段変速機に用いられる潤滑油として、従来の有段変速機用潤滑油(いわゆるATF)が転用されてきたため、高負荷時に摩擦係数が低下し、大きなトルクの伝達が不可能であったり、急加速時にベルトがスリップしてトルク伝達率が低下するなどの問題があった。したがって、無段変速機を用いた車両は、小排気量(低トルク)のものに限定せざるをえなかった。
【0004】
そこで、実機の機構面から、トルク伝達率の向上が試みられたが、メカニズム上、微小な滑りを伴って、トルク伝達を行うことから、トルク伝達率の向上と耐焼付性を向上を両立させることが困難であった。
一方ATFにおいて、スルホネート,フェネート等の金属系分散剤を用いることがあるが、これらを配合すると自動変速機として使用される過程において、過塩基性成分である炭酸カルシウムが湿式クラッチ表面に付着して早期に湿式クラッチの摩擦特性が悪化し、スムーズな変速ができなくなる場合がある。そこで、金属系分散剤を使用せず、無灰系分散剤を使用したATFに変わりつつあるのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、無灰系分散剤を使用し、摩擦特性及び耐焼付性能に優れ、特に金属ベルトタイプの変速機用として好適な無段変速機用潤滑油組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、無灰系分散剤,硫黄系極圧剤及びリン系極圧剤を必須成分として組み合わせ、潤滑油基油に配合することにより、本発明の目的を効果的に達成しうることを見出し本発明を完成したものである。すなわち、本発明は、(1)潤滑油基油に、(A)アルキルあるいはアルケニルコハク酸イミド類及びそれらのホウ素含有物の中から選ばれた少なくとも一種の無灰系分散剤、(B)硫黄系極圧剤、及び(C)リン系極圧剤を配合してなる金属ベルトタイプの無段変速機用潤滑油組成物を提供するものである。
【0007】
また、好ましい態様は、
)硫黄系極圧剤が、硫化オレフィン及び硫化アルキルの中から選ばれた少なくとも一種である上記(1)記載の金属ベルトタイプの無段変速機用潤滑油組成物、
)リン系極圧剤が、トリクレジルホスフェート又はジラウリルアシッドホスフェートアミン塩である上記(1)又は(2)に記載の金属ベルトタイプの無段変速機用潤滑油組成物、
(4)組成物全量に対し、(A)成分0.1〜10重量%、(B)成分0.05〜5重量%及び(C)成分0.01〜8重量%を配合してなる上記(1)〜()のいずれかに記載の金属ベルトタイプの無段変速機用潤滑油組成物、
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、本発明の潤滑油組成物における基油としては、通常、鉱油や合成油が用いられる。この鉱油や合成油の種類、その他については、特に制限はないが、100℃における動粘度が1〜50mm2 /s、好ましくは2〜15mm2 /sの範囲にあり、かつ%CA (ASTM D3238)が20以下、好ましくは10以下の鉱油やこれと同等以上の性能を有する合成油が用いられる。また、基油としては、流動点が−10℃以下、特に−15℃以下のものが好ましい。
【0009】
ここで、鉱油としては、溶剤精製,水添精製などの通常の精製法により得られるパラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油又は中間基系鉱油などが挙げることができ、中でもパラフィン系鉱油が好ましい。
具体例としては、軽質ニュートラル油,中質ニュートラル油,重質ニュートラル油,ブライトストックなどを挙げることができ、要求性状を満たすように適宜混合することにより基油を調製することができる。
【0010】
一方合成油としては、例えば、ポリブテン,ポリオレフィン〔α−オレフィン単独重合体や共重合体(例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体)など〕,各種のエステル(例えば、ポリオールエステル,二塩基酸エステル,リン酸エステルなど),各種のエーテル(例えば、ポリフェニルエーテルなど),ポリグリコール誘導体(例えば、ポリオキシアルキレングリコール,ポリオキシアルキレングリコールエステル,ポリオキシアルキレングリコールエーテルなど),アルキルベンゼン,アルキルナフタレン,シリコーン油などをあげることができる。これらのうち、特にポリオレフィン,ポリオールエステルが好ましい。
これらの基油は、それぞれ単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができ、鉱油と合成油を組み合わせて使用してもよい。
次に、基油に配合される(A)〜(C)成分について説明する。
【0011】
(A)成分
無灰系分散剤としては、分子内にアルカリ土類金属等の金属を含まないで、潤滑油基油に溶解又は均一に分散して、主としてスラッジ分散性能を発揮しうるものであれば特に制限はない。このようなものとしては、例えばモノイミド,ビスイミドあるいはそれらのホウ素含有物などのイミド化合物を挙げることができる。特に、本発明においては、アルキルあるいはアルケニルコハク酸イミド類またはそれらのホウ素含有物使用する。中でもアルケニルコハク酸イミドが更に好ましい。
【0012】
本発明においては、上記無灰系分散剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、通常組成物全重量に基づき、0.1〜10重量%の範囲が好ましい。この配合量が0.1重量%未満ではスラッジ分散性能が不足する場合があり、また10重量%を超えると耐摩耗性能が悪化する場合がある。これらの点から、この無灰系分散剤の更に好ましい配合量は、組成物全重量に基づき、0.3〜7重量%の範囲である。
【0013】
(B)成分
硫黄系極圧剤としては、分子内に硫黄原子を有し、潤滑油基油に溶解又は均一に分散して、極圧性や優れた摩擦特性を発揮しうるものであればよく、特に制限はない。このようなものとしては、例えば動植物油や合成油の硫化物である硫化油脂,硫化オレフィン,ジヒドロカルビルポリサルファイド,硫化鉱油,チオカーバメート類,チオテルペン類,ジアルキルチオジプロピオネート類などを挙げることができる。
【0014】
ここで、硫化油脂の例としては、硫化ラード,硫化なたね油,硫化ひまし油,硫化大豆油,硫化米ぬか油、さらには硫化オレイン酸などの二硫化脂肪酸,硫化オレイン酸メチルなどの硫化エステルなどを挙げることができる。
硫化オレフィンとしては、例えば、下記の一般式(I)
1 −Sx −R2 ・・・(I)
(式中、R1 は炭素数2〜15のアルケニル基、R2 は炭素数2〜15のアルキル基又はアルケニル基を示し、xは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物などを挙げることができる。この化合物は、炭素数2〜15のオレフィン又はその2〜4量体を、硫黄,塩化硫黄等の硫化剤と反応させることによって得られ、該オレフィンとしては、プロピレン,イソブテン,ジイソブテンなどが好ましい。
【0015】
また、ジヒドロカルビルポリサルファイドは、下記の一般式(II)
3 −Sy −R4 ・・・(II)
(式中、R3 及びR4 は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基又は環状アルキル基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、yは2〜8の整数を示す。)
で表される化合物である。ここで、R3 及びR4 がアルキル基の場合、硫化アルキルと言われる。
【0016】
上記一般式(II)におけるR3 及びR4 の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,各種ドデシル基,シクロヘキシル基,シクロオクチル基,フェニル基,ナフチル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基,フェネチル基などを挙げることができる。
【0017】
このジヒドロカルビルポリサルファイドとしては、例えば、ジベンジルポリサルファイド,ジ−tert−ノニルポリサルファイド,ジドデシルポリサルファイド,ジ−tert−ブチルポリサルファイド,ジオクチルポリサルファイド,ジフェニルポリサルファイド,ジシクロヘキシルポリサルファイドなどを好ましく挙げることができる。
【0018】
さらに、チオカーバメート類としては、例えば、ジンクジチオカーバメートなどを、チオテルペン類としては、例えば、五硫化リンとピネンの反応物を、ジアルキルチオジプロピオネート類としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート,ジステアリルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。
これらの中で、極圧性,摩擦特性などの点から、硫化オレフィン、硫化アルキルが好適で、特に硫化オレフィンが好適である。
【0019】
本発明においては、上記硫黄系極圧剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、通常組成物全重量に基づき、0.05〜5重量%の範囲が好ましい。この配合量が0.05重量%未満では極圧性や耐摩耗性が不足するおそれがあり、また5重量%を超えると酸化安定性が低下する傾向がみられる。極圧性,摩擦特性,酸化安定性などの面から、この硫黄系極圧剤の更に好ましい配合量は、組成物全重量に基づき、0.1〜3重量%の範囲である。
【0020】
(C)成分
リン系極圧剤としては、分子内にリン原子を有し、潤滑油基油に溶解又は均一に分散して極圧性や優れた摩擦特性を発揮しうるものであればよく、特に制限はない。このようなものとしては、例えばリン酸エステル,酸性リン酸エステル,亜リン酸エステル,酸性亜リン酸エステル,チオリン酸エステル,チオ酸性リン酸エステル及びこれらのアミン塩、さらには上記の五硫化リンとピネンの反応物などのリン硫化テルペン類などを挙げることができる。ここで、リン酸エステル,酸性リン酸エステル,亜リン酸エステル,及び酸性亜リン酸エステルは、下記の一般式(III)〜(VII)で表されるものを包含する。
【0021】
【化1】
Figure 0003970354
【0022】
【化2】
Figure 0003970354
【0023】
【化3】
Figure 0003970354
【0024】
【化4】
Figure 0003970354
【0025】
【化5】
Figure 0003970354
【0026】
上記一般式(III)〜(VII)において、R5 〜R7 は炭素数4〜30のアルキル基,アルケニル基,アルキルアリール基及びアリールアルキル基を示し、R5 〜R7 は同一でも異なっていてもよい。
リン酸エステルとしては、トリアリールホスフェート,トリアルキルホスフェート,トリアルキルアリールホスフェート,トリアリールアルキルホスフェート,トリアルケニルホスフェートなどがあり、具体的には、例えばトリフェニルホスフェート,トリクレジルホスフェート,ベンジルジフェニルホスフェート,エチルジフェニルホスフェート,トリブチルホスフェート,エチルジブチルホスフェート,クレジルジフェニルホスフェート,ジクレジルフェニルホスフェート,エチルフェニルジフェニルホスフェート,ジエチルフェニルフェニルホスフェート,プロピルフェニルジフェニルホスフェート,ジプロピルフェニルフェニルホスフェート,トリエチルフェニルホスフェート,トリプロピルフェニルホスフェート,ブチルフェニルジフェニルホスフェート,ジブチルフェニルフェニルホスフェート,トリブチルフェニルホスフェート,トリヘキシルホスフェート,トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート,トリデシルホスフェート,トリラウリルホスフェート,トリミリスチルホスフェート,トリパルミチルホスフェート,トリステアリルホスフェート,トリオレイルホスフェートなどを挙げることができる。
【0027】
酸性リン酸エステルとしては、具体的には、例えば2−エチルヘキシルアシッドホスフェート,エチルアシッドホスフェート,ブチルアシッドホスフェート,オレイルアシッドホスフェート,テトラコシルアシッドホスフェート,イソデシルアシッドホスフェート,ラウリルアシッドホスフェート,トリデシルアシッドホスフェート,ステアリルアシッドホスフェート,イソステアリルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。
【0028】
亜リン酸エステルとしては、具体的には、例えばトリエチルホスファイト,トリブチルホスファイト,トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイト,トリ(ノニルフェニル)ホスファイト,トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト,トリデシルホスファイト,トリラウリルホスファイト,トリイソオクチルホスファイト,ジフェニルイソデシルホスファイト,トリステアリルホスファイト,トリオレイルホスファイトなどを挙げることができる。
【0029】
酸性亜リン酸エステルとしては、具体的には、例えばジブチルハイドロゲンホスファイト,ジラウリルハイドロゲンホスファイト,ジオレイルハイドゲンホスファイト,ジステアリルハイドロゲンホスファイト,ジフェニルハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。
また、チオリン酸エステル及びチオ酸性リン酸エステルとしては、それぞれ上記に例示のリン酸エステル及び酸性リン酸エステルに対応するものを挙げることができる。
【0030】
さらに、これらとアミン塩を形成するアミン類としては、例えば一般式(VIII)、
n NH3-n ・・・(VIII)
(式中、Rは炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基,炭素数6〜30のアリール基もしくはアラルキル基又は炭素数2〜30のヒドロキシアルキル基を示し、nは1,2又は3を示す。また、Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
で表されるモノ置換アミン,ジ置換アミン又はトリ置換アミンが挙げられる。上記一般式(VIII)におけるRのうちの炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよい。
【0031】
ここで、モノ置換アミンの例としては、ブチルアミン,ペンチルアミン,ヘキシルアミン,シクロヘキシルアミン,オクチルアミン,ラウリルアミン,ステアリルアミン,オレイルアミン,ベンジルアミンなどを挙げることができ、ジ置換アミンの例としては、ジブチルアミン,ジペンチルアミン,ジヘキシルアミン,ジシクロヘキシルアミン,ジオクチルアミン,ジラウリルアミン,ジステアリルアミン,ジオレイルアミン,ジベンジルアミン,ステアリル・モノエタノールアミン,デシル・モノエタノールアミン,ヘキシル・モノプロパノールアミン,ベンジル・モノエタノールアミン,フェニル・モノエタノールアミン,トリル・モノプロパノールなどを挙げることができる。また、トリ置換アミンの例としては、トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘキシルアミン,トリシクロヘキシルアミン,トリオクチルアミン,トリラウリルアミン,トリステアリルアミン,トリオレイルアミン,トリベンジルアミン,ジオレイル・モノエタノールアミン,ジラウリル・モノプロパノールアミン,ジオクチル・モノエタノールアミン,ジヘキシル・モノプロパノールアミン,ジブチル・モノプロパノールアミン,オレイル・ジエタノールアミン,ステアリル・ジプロパノールアミン,ラウリル・ジエタノールアミン,オクチル・ジプロパノールアミン,ブチル・ジエタノールアミン,ベンジル・ジエタノールアミン,フェニル・ジエタノールアミン,トリル・ジプロパノールアミン,キシリル・ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トリプロパノールアミンなどを挙げることができる。
【0032】
これらのリン系極圧剤の中で、極圧性,摩擦特性などの点から、トリクレジルホスフェート,ジラウリルアシッドホスフェートアミン塩が好適である。
本発明においては、上記リン系極圧剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、通常組成物全重量に基づき、0.01〜8重量%の範囲が好ましい。この量が0.01重量%未満では極圧性や摩擦特性が不足するおそれがあり、また8重量%を超えるとスラッジや錆が発生するおそれがある。極圧性,摩擦特性及びスラッジや錆発生の抑制などの面から、このリン系極圧剤の更に好ましい配合量は、組成物全重量に基づき0.05〜5重量%の範囲である。
【0033】
本発明の潤滑油組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、その他の添加剤、例えば酸化防止剤,摩擦係数調整剤,粘度指数向上剤,消泡剤などを適宜添加することができる。
ここで、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系,アミン系,あるいはアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)などを好ましく使用することができる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール);2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール;2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフイド;n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;2,2’−チオ〔ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などを挙げることができる。これらの中で、特にビスフェノール及びエステル基フェノール系のものが好適である。
【0034】
また、アミン系酸化防止剤としては、例えばモノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジペンチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、及びナフチルアミン系のもの、具体的にはα−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン;さらにはブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミンなどを挙げることができる。これらの中でジアルキルジフェニルアミン系及びナフチルアミン系のものが好適である。
【0035】
摩擦係数調整剤としては、例えばオレイン酸,ステアリン酸,パルミチン酸などの高級脂肪酸類、ラウリルアルコール,オレイルアルコール,セチルアルコールなどの高級アルコール類、オレイン酸エチル,ソルビタンモノステアレート,オレイン酸モノグリセリドなどのエステル類、セチルアミン,オクタデシルアミンなどのアミン類の化合物を挙げることができる。
【0036】
粘度指数向上剤としては、例えばポリメタクリレート、エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィン系共重合体、スチレン−ブタジエン水素化共重合体などのスチレン系共重合体などを挙げることができる。
消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキサン,フェニルメチルシロキサン,環状オルガノシロキサンなどのシリコーン系化合物、ソルビタンモノラウレート,アルケニルコハク酸誘導体などのエステル系化合物を挙げることができる。
これらのその他の各添加剤は、その種類にもよるが、通常は組成物中に0.01〜10重量%程度配合される。ただし、粘度指数向上剤については、3〜20重量%である。
【0037】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜3及び比較例1〜4
基油としてパラフィン系鉱油を用い、第1表に示す種類と配合割合(重量%)で潤滑油組成物を調製した。得られた各組成物について、以下に示すように、ファレックス試験機により、初期摩擦係数及び焼付荷重を測定した。結果を第1表に示す。
【0038】
ファレックス試験機による試験
〔実験条件〕
材質:ピン AISI−3135,ブロック AISI−C−1137
モーター回転数:500rpm
油温:25℃でスタート
馴らし荷重:150Lbs
馴らし時間:1分
荷重のかけ方:50Lbs/分のステップ法
以上の実験条件において、以下の通り初期摩擦係数及び焼付荷重を評価した。
初期摩擦係数(μ):馴らし後200Lbsにした時の摩擦係数
焼付荷重:ステップ法で荷重を上げて焼き付いた時の荷重(Lbs)
【0039】
【表1】
Figure 0003970354
【0040】
【表2】
Figure 0003970354
【0041】
*1 基油:動粘度(100℃)5.0mm2 /s,%CA 1以下
流動点−17.5℃
*2 コハク酸イミド:ポリブテニルコハク酸イミド
*3 ビスイミド:ポリブテニルコハク酸ビスイミド
*4 リン酸エステルアミン:ジラウリルアシッドホスフェートアミン塩
*5 シリコン:ジメチルポリシロキサン
*6 ポリメタクリレート(重量平均分子量4万)
比較例より、次のことが分かる。▲1▼比較例1おいて、(A)成分がないと、μが上がらない。▲2▼比較例2において、(B)成分がないと、焼付荷重が不足している。▲3▼比較例3において、(C)成分がないと、焼付荷重が不足している。▲4▼比較例4において、市販油では焼付荷重が不足し、μも低い。
【0042】
【発明の効果】
本発明の無段変速機用潤滑油組成物は、無灰系分散剤を使用し、摩擦特性及び耐焼付性能に優れ、特に金属ベルトタイプの変速機用として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 潤滑油基油に、(A)アルキルあるいはアルケニルコハク酸イミド類及びそれらのホウ素含有物の中から選ばれた少なくとも一種の無灰系分散剤、(B)硫黄系極圧剤、及び(C)リン系極圧剤を配合してなる金属ベルトタイプの無段変速機用潤滑油組成物。
  2. 硫黄系極圧剤が、硫化オレフィン及び硫化アルキルの中から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の金属ベルトタイプの無段変速機用潤滑油組成物。
  3. リン系極圧剤が、トリクレジルホスフェート又はジラウリルアシッドホスフェートアミン塩である請求項1又は2に記載の金属ベルトタイプの無段変速機用潤滑油組成物。
  4. 組成物全重量に対し、(A)成分0.1〜10重量%、(B)成分0.05〜5重量%及び(C)成分0.01〜8重量%を配合してなる請求項1〜のいずれかに記載の金属ベルトタイプの無段変速機用潤滑油組成物。
JP16432096A 1996-06-25 1996-06-25 無段変速機用潤滑油組成物 Expired - Fee Related JP3970354B2 (ja)

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