JP3969242B2 - 蛍光体前駆体粒子及び蛍光体の製造方法 - Google Patents

蛍光体前駆体粒子及び蛍光体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、陰極線管、蛍光ランプ、プラズマディスプレーパネル(PDP)、及びフィールドエミッションディスプレー(FED)などに用いることが可能な蛍光体及びその前駆体粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
陰極線管、蛍光ランプ、PDP及びFEDなどに用いられる複合酸化物蛍光体は、従来、原料粉末を混合したものを坩堝などの焼成容器に入れた後、高温で長時間加熱することにより固相反応を起こさせ、それをボールミルなどで微粉砕することにより製造されてきた。
【0003】
しかし、この方法で製造された蛍光体は不規則形状粒子が凝集した粉末からなっており、この蛍光体を上記用途に使用した場合には、塗布して得られる蛍光膜が不均質で充填密度の低いものとなるために発光特性が低かった。また、固相反応後のボールミルなどによる微粉砕処理中に蛍光体に物理的及び化学的な衝撃が加えられるために、粒子内や表面に欠陥が発生して発光強度が低下するという不都合があった。さらには、坩堝などの焼成容器に入れて高温で長時間加熱するために、坩堝からの不純物の混入による発光特性の低下が起こることや、原料粉末の粒度によっては固相反応が十分に進行せずに不純物相が混在して発光特性の低下を招くことがあった。また、高温で長時間加熱する際の消費エネルギーが大きいために、蛍光体の製造コストを高くしていた。
【0004】
また、蛍光体前駆体の原料成分を反応させる蛍光体前駆体粒子の製造方法において、反応器内で気相又は液相を含む均一相中又は多相中で原料成分を臨界点以下の温度と圧力の条件下で反応させ、固体状の蛍光体原料を析出させ、これを回分的に取得する蛍光体前駆体粒子の製造方法が従来から知られている。しかし、この方法では蛍光体前駆体粒子を回分的に取得するために、反応初期と後期の液相中の原料成分濃度や固体状蛍光体前駆体粒子の析出有無などの反応条件の相違により、析出する蛍光体前駆体粒子の結晶性や化学組成や粒子径などの特性が反応初期と後期で異なっていて、更には反応槽の攪拌強度・方法の適否によって反応槽中に局所的な反応原料の濃度や温度の分布が生じ、結果として均一な結晶性、化学組成、粒子径の固体状蛍光体前駆体粒子を析出させることが困難だった。
【0005】
一方、蛍光体の原料成分を反応させる蛍光体の製造方法において、管型反応器内を流通させながら原料成分を臨界点以上の温度と圧力の条件下で反応させると共に、固体状の蛍光体を析出させる蛍光体の製造方法が知られている。しかし、この方法は、臨界点以上の温度と圧力を得るために、高温高圧用の特殊容器を必要とし、多大なエネルギーを投入する必要がある等、蛍光体を工業的に安価に製造する上では問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
粒度分布が狭く、球状であるために、陰極線管、蛍光ランプ、プラズマディスプレーパネル及びフィールドエミッションディスプレーなどに用いる際に均質で緻密な高輝度蛍光膜を形成することが可能であり、しかも、高純度で化学組成が均一であるために優れた発光特性を示す蛍光体及びその前駆体粒子を安価に製造する方法を提供することが必要とされていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、蛍光体前駆体粒子を得るに当たって、臨界点以下の条件下、管型反応器で反応原料を均一とした状態で反応生成物を析出させることによって上記目的が達成できることを見出して、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、以下の各手段から構成される。
(1) 蛍光体前駆体の原料成分の化学反応によって蛍光体前駆体粒子を取得する蛍光体前駆体粒子の製造方法において、前記原料成分を気相又は液相を含む均一相中又は多相中で管型反応器内を流通させながら臨界点未満の温度と圧力の条件下で反応させると共に、固体状の蛍光体原料を析出させ、これを連続的に取得することを特徴とする蛍光体前駆体粒子の製造方法。
【0009】
(2) 反応を液相中で行う、上記(1)に記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
(3) 原料成分として少なくとも2種の原料成分を使用する、上記(1)又は(2)に記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
(4) 原料成分(A)と原料成分(B)との少なくとも2種の原料成分を使用し、前記原料成分(A)と前記原料成分(B)とを別個に管型反応器に供給する、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
【0010】
(5) 原料成分の反応条件が−100〜300℃の温度範囲で20MPa以下の圧力範囲である、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
(6) 反応前の原料温度が、原料溶液の凝固点以上であってかつ反応温度よりも20℃以上低い温度である、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
【0011】
(7) 原料成分が金属塩を含む、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
(8) 原料溶液の濃度が100mol/m3以上、飽和溶解度以下である、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
(9) 原料溶液のpHが1.3〜2.5である、上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
【0012】
(10) 原料成分がランタンとリンとを含み、蛍光体前駆体粒子がリン酸ランタンを含む、上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
(11) 原料成分がランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素とセリウムとテルビウムとリンとを含有する、上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
【0013】
(12) 原料成分が、ランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素の硝酸塩と、硝酸セリウムと、硝酸テルビウムと、リン酸又はリン酸二水素アンモニウムを含む、上記(11)に記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
(13) 管型反応器の内壁表面が、蛍光体前駆体粒子の付着しにくい材質である、上記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
【0014】
(14) 上記(1)〜(13)のいずれか1つに記載の方法で得られた蛍光体前駆体粒子をさらに焼成処理することを特徴とする蛍光体の製造方法。
(15) 蛍光体前駆体一次粒子が集合して二次粒子を形成している蛍光体前駆体粒子組成物であって、該粒子組成物の体積平均径の値から±30%の粒径の範囲に全粒子の70%以上を含むことを特徴とする蛍光体前駆体粒子組成物。
【0015】
(16) 蛍光体前駆体二次粒子の最小粒径からの累積体積分率が10%及び50%になる粒径をそれぞれD10及びD50とするとき、D10/D50の値が0.65以上である、上記(15)に記載の蛍光体前駆体粒子組成物。
(17) 全二次粒子の70%以上がアスペクト比0.9以上の二次粒子である、上記(15)又は(16)に記載の蛍光体前駆体粒子組成物。
【0016】
(18) 蛍光体前駆体の柱状結晶が放射線状に集合してなることを特徴とする蛍光体前駆体粒子。
(19) アスペクト比が0.9以上である、上記(18)に記載の蛍光体前駆体粒子。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
蛍光体前駆体の原料成分を反応させる蛍光体前駆体粒子の製造方法において、反応開始前の状態を、気相又は液相を含む均一相か又はこれらが混在する多相の状態とすることが反応系全体において反応を均一に進行させる上で重要である。また、反応を液相中で行うことは、液相中で高濃度の原料成分を反応させることが可能となるために、特に好ましい。
【0018】
管型反応器としては、一端から原料を導入し他端から蛍光体前駆体粒子を取り出せる管状構造であるならば、どの様なものでも使用することができ、例えば、金属製の鋼管の他、多孔性の膜の厚さ方向に延びる空隙を利用することも可能である。反応器の材料としては、一般的には内部をフッ素樹脂などでコーティング又はライニングを施した鋼管が使用されるが、ガラス、シリコーン、炭素材料、有機高分子等からなるチューブ等を使用することもできる。いずれの場合も、原料成分との反応の少ない材質を選ぶことが好ましい。
【0019】
反応管に粒子が付着すると、滞留時間にムラができるため粒径が不均一となり、付着する粒子が多いと、収率が低下するばかりでなく反応管が閉塞し連続運転が不可能となる。この点で、管壁への粒子の付着が少ない、シリコーン製の反応管が好ましい。
反応器の径は、目的とする蛍光体前駆体粒子の粒径以上であれば、特に制限はないが、通常10nm以上であり、好ましくは1μm以上、さらに好ましくは100μm以上である。ただしあまりに径が大きいと管型反応器としてのメリットが低下する傾向にあるので、通常は50mm以下とする。最も好ましくは、原料を所定の温度と圧力に容易に一定時間保持して、蛍光体前駆体粒子の化学組成や結晶性や粒子径や形状を均一にするために、管型反応器として、内径は0.1〜50mmを有する、反応温度以上の耐熱性が有り、反応圧力以上の耐圧管を使用する。管型反応器の長さは、反応の速度に合わせて必要な流通反応時間が取れる長さとする。反応器の長さを長く取る必要が有る場合には、螺旋状の管型反応器とすることが装置全体を小型にできるために好ましい。
【0020】
蛍光体前駆体粒子の析出反応を促進させるために、反応系に少量の蛍光体前駆体粒子を種結晶として連続的もしくは間欠的に供給することが好ましい場合がある。種結晶の存在下で蛍光体前駆体粒子の析出反応を実施すると、種結晶を核として結晶成長が起きるために、粒度分布が極めて狭い蛍光体前駆体粒子を得ることが可能となる。また、種結晶の存在下で蛍光体前駆体粒子の析出反応の完了までの時間を短くできるために、管型反応器の長さを短くできるなどの利点がある。
【0021】
原料成分を管型反応器に供給して蛍光体前駆体粒子の析出反応を行った際に、原料成分の一部が反応せずに未反応のまま蛍光体前駆体粒子と混在した状態で管型反応器を通過し、蛍光体前駆体粒子の収率が低下することがある。この様な場合には、残存した原料を生成した蛍光体前駆体粒子からフィルターなどを使用して分別したのち、必要に応じ組成を再調整した後、反応器入口へ再度供給することが収率を改善するために有効である。
【0022】
原料成分の反応は、管型反応器内を流通させながら前記原料成分を臨界点未満の温度と圧力の条件下で実施する。臨界点を超えるような高温・高圧条件を得るためには、装置をこれに耐えるような構造とするために高価な装置が必要となり、結果として、蛍光体前駆体粒子や蛍光体の製造費用の上昇を招くため、好ましくない。さらに、反応温度が低すぎる場合には、粒子の成長が遅く、得られる粒子径が小さくなるとともに、粒子収率が低下し、反応温度が高すぎる場合には、粒子収率は増大するが、得られる粒子の粒径が小さくなるとともに、粒径が不均一、粒子の形状が不均一となる問題がある。したがって、反応温度は、通常−100〜300℃であるが、好ましくは−20℃以上、さらに好ましくは−10℃以上であり、また好ましくは100℃以下である。
【0023】
また、反応温度を低くすると緻密な粒子が得られるため、上記温度範囲において、緻密な粒子を得るためには40℃以下にすることが好ましく、疎な粒子を得るためには40℃以上にすることが好ましい。ただし、反応温度が低くなると収率が低下するため、収率を確保する上では、30℃以上にするとよい。
また、反応圧力は、絶対圧で0MPaよりも大きければよいが、通常20MPa以下、好ましくは1MPa以下である。
【0024】
原料成分の種類に特に制限はなく、1種又は2種以上の原料成分を用いてこれを化学反応させることができるが、通常は少なくとも2種類の原料成分を使用する。原料成分(A)と原料成分(B)の少なくとも2種の原料成分を用いる場合、これら反応原料を管型反応器に供給する前に予め混合して均一な状態にしてもよく、また、別個に管型反応器に供給してもよい。
【0025】
原料成分(A)と原料成分(B)とを予め混合する前者の方法の場合、反応後の組成の均一性をより有効に確保することができる。この場合、通常、管型反応器の温度や圧力の条件とは異なる条件で混合操作を実施する。このようにして十分に混合された原料成分を管型反応器に供給し、反応が起きる温度や圧力などの条件にすることにより、蛍光体前駆体粒子が析出する。
【0026】
一方、原料成分(A)と原料成分(B)とを別個に管型反応器に供給する後者の方法の場合、2種の原料成分が常温・常圧の条件で好ましくない組成や粒子径を有する蛍光体前駆体粒子が析出してしまうのを有効に防止することができる。このようにすることで、制御された温度と圧力などの条件下で、所望の組成、粒子径および粒子形態(形状)を有する蛍光体前駆体粒子を析出することが可能となる。
【0027】
前者の方法と後者の方法とを比較した場合、生産プロセスの制御が容易である点や、析出する粒子の粒度分布をよりシャープにすることができる点で、好ましくは後者の方法を用いる。
反応前の原料温度は、通常−100〜300℃であり、好ましくは−20℃以上、さらに好ましくは−10℃以上であり、また好ましくは100℃以下であるが、前者及び後者のどちらの方法でも、高い粒子収率と均一な粒径分布ならびに均一な球形状を得るためには、管型反応器に供給する前の原料の温度は、反応温度よりも低い方が好ましく、反応前の原料温度が、原料溶液の凝固点以上であって、かつ反応温度よりも20℃以上低い温度、好ましくは反応温度よりも40℃以上低い温度である。
【0028】
特に、原料混合部の温度が高すぎる場合に悪影響が顕著であり、原料温度が高すぎる場合には、原料混合部の温度が高くなり、生成する粒子の粒径と形状が不均一になる。このため、反応温度に比べて原料混合部温度を低くすることが有効である。
原料成分として、少なくとも1種の金属塩を使用し、これを水等の液相中にて反応に供するのが好ましい。この場合、複数の金属塩同士を反応させることもでき、また、金属塩と他の反応原料、例えば有機酸、無機酸、塩類とを反応させることもできる。原料成分に使用される、金属塩をはじめとする塩類としては、各種の有機酸塩及び無機酸塩を使用することができる。
【0029】
原料成分であるランタノイド塩の濃度が100mol/m3以上、飽和溶解度以下、好ましくは200mol/m3以上とすることにより、粒子は緻密になる。蛍光体前駆体粒子が緻密な程、それから得られる蛍光体の強度が高く、蛍光特性が高いため好ましい。また、粒子径の大きな蛍光体前駆体を得るためには、原料濃度は高い方が好ましく、100mol/m3以上にするとよい。
【0030】
球状で、大きな粒子を得るためには、原料溶液のpHは通常1.3以上、好ましくは1.5以上であり、2.5以下、好ましくは2.0以下である。pHが低すぎると、球状の粒子は得られにくく、pHが高すぎると粒子が成長せず、粒子径が小さいものとなる。
原料成分として、各種のものを使用することによって、析出させる粒子の組成を制御することができる。析出させる粒子は、蛍光体の前駆体として使用できるものであれば、特に制限はないが、稀土類元素(イットリウムを含む。以下同じ)の塩、例えばリン酸ランタノイドを挙げることができる。
【0031】
リン酸ランタン系蛍光体の前駆体粒子を製造する場合には、原料成分として少なくともランタンとリンとを含有させるのが好ましい。中でも、硝酸ランタン等のランタンの塩とリン酸又はリン酸塩とを原料成分として使用するのが好ましい。この場合、ランタンとリンとの配合比は、ランタンとリンとの原子比として、通常0.3:1〜2:1、好ましくは0.5:1〜2:1、より好ましくは0.7:1〜1.5:1とする。
【0032】
また、蛍光灯などに使用されている緑色蛍光体の前駆体粒子を製造する場合には、原料成分としてランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素とセリウムとテルビウムとリンとを含有させるのが好ましい。その結果、発光特性の優れた緑色蛍光体を合成することが可能となる。中でも、ランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素の塩とセリウムの塩とテルビウムの塩とリン酸又はリン酸塩とを原料として使用するのが好ましい。この場合、上記稀土類元素、セリウム及びテルビウムの塩としては、各種の無機酸塩や有機酸塩を使用できる。最も好ましくは、ランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素の硝酸塩と硝酸セリウムと硝酸テルビウムとリン酸又はリン酸二水素アンモニウムを用いる。その結果、低い温度と圧力の下で容易に蛍光体原料から蛍光体前駆体粒子を製造することが可能となる。
【0033】
この場合、ランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素とセリウムとテルビウムとリンとの原料成分比を、通常、次の範囲とすることによって、輝度と色度の点で望ましい発光特性を示す蛍光体を製造することができる。
【0034】
【表1】
0.25≦Ml/(Ml+Mc+Mt)≦0.80
0.15≦Mc/(Ml+Mc+Mt)≦0.40
0.05≦Mt/(Ml+Mc+Mt)≦0.35
0.90≦Mp/(Ml+Mc+Mt)≦1.10
(ここで、Ml、Mc、Mt及びMpは、それぞれ順にランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素、セリウム、テルビウム並びにリンのモル数を示す。)
上記原料成分比は、好ましくは次の範囲とする。
【0035】
【表2】
0.30≦Ml/(Ml+Mc+Mt)≦0.70
0.20≦Mc/(Ml+Mc+Mt)≦0.40
0.10≦Mt/(Ml+Mc+Mt)≦0.30
0.95≦Mp/(Ml+Mc+Mt)≦1.05
また、この場合、さらに原料成分にモル比でMpに対して1〜500ppmのアルミニウム(Al)を含有させて蛍光体前駆体粒子を製造すると、これを使用して得られる蛍光体の温度消光が改善されるほか、その蛍光体を用いて蛍光膜化した場合、塗布性が良好となる効果を奏する。
【0036】
得られた蛍光体前駆体粒子をさらに焼成処理すると、発光特性の良好な蛍光体を製造できる。焼成時の雰囲気と温度と時間を適宜調整することによってさらに良好な発光特性を示す蛍光体を製造することができる。雰囲気を形成するガスとしては、空気、酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、水素、少量の水素を含む窒素やアルゴン、硫化水素や二硫化炭素を含有する窒素や水素やアルゴンなどが使用できるが、良好な発光特性を得るためには、蛍光体の化学組成と発光に関与する付活剤イオンの種類により気体を選択することが重要である。例えば、酸化物を主相とする蛍光体を合成する場合には、空気、酸素、窒素、水素、少量の水素を含む窒素やアルゴンからなる雰囲気が好ましい。一方、硫化物や酸硫化物を主相とする蛍光体を合成する場合には、窒素、水素、少量の水素を含む窒素やアルゴン、硫化水素や二硫化炭素を含有する窒素や水素やアルゴンなどが好ましい。また、酸化雰囲気で原子価を保ちやすいEu3+等を付活イオンとする酸化物を主相とする蛍光体を合成する場合には、空気や酸素などを用いた酸化性雰囲気が好ましく、還元雰囲気で原子価を保ちやすいEu2+等を付活イオンとする酸化物を主相とする蛍光体を合成する場合には、水素、少量の水素を含む窒素やアルゴンなどのガスからなる還元性雰囲気が好ましい。
【0037】
焼成温度は、500〜1800℃の範囲内の温度とするのが好ましい。焼成温度が低すぎると、結晶性が低い上に付活剤イオンが結晶内に付活されないために、発光特性が低くなる傾向にある。一方、焼成温度が高すぎると、不要なエネルギーを消費する。
結晶性が高く発光特性の良好な酸化物を主相とする蛍光体を製造するためには、焼成温度を900〜1800℃の範囲内の温度とするのが好ましい。
【0038】
また、結晶性が高く発光特性の良好な硫化物を主相とする蛍光体を製造するためには、焼成温度を500〜1100℃の範囲内の温度とするのが好ましい。
また、結晶性が高く発光特性の良好な酸硫化物を主相とする蛍光体を製造するためには、焼成温度を500〜1300℃の範囲内の温度とするのが好ましい。焼成時間は、15分間以上、24時間以下の範囲内の時間で行うのが好ましい。焼成時間が短すぎると、結晶性が低い上に付活剤イオンが結晶内に付活されないために、発光特性が低くなる傾向にある。一方、焼成時間が長すぎると、不要なエネルギーを消費する。
【0039】
本発明で得られる蛍光体前駆体粒子は、蛍光体前駆体一次粒子が集合して二次粒子を形成している蛍光体前駆体粒子組成物である。また、蛍光体前駆体粒子は、蛍光体前駆体の柱状結晶が放射状に集合した構造をしている。更に、本発明の製造方法によれば、適切な反応場と適切な反応条件を選定することが可能となり、粒子形状や粒子径を最適に制御して極めて球状に近い粒子を得ることができる。その結果、極めて発光特性に優れた蛍光体を得ることが可能となる。具体的には、本発明の製造法によって、得られる球状粒子のアスペクト比を0.9〜1.0、特に0.92〜1.0と、従来にない極めて球形に近い形状とすることができる。ここで、アスペクト比は、球状粒子の最小直径をdminとし、最大直径をdmaxとした場合にdmin/dmaxと定義される。また、本発明の蛍光体前駆体粒子組成物において、全二次粒子の70%以上がアスペクト比0.9以上の二次粒子であるのが好ましい。さらに具体的には、上記の製造方法によって、アスペクト比が0.9〜1.0、特には0.92〜1.0のリン酸ランタン系等の稀土類金属リン酸塩蛍光体を得ることができる。
【0040】
また、本発明の製造方法によって、粒径分布が極めてシャープな粒子を得ることができる。例えば、本発明の製造方法によって、D10/D50の値を0.65以上、D90/D50の値を1.35以下、特には1.3以下とすることができる。ここで、D10、D50及びD90は、最小粒径からの累積体積分率が、それぞれ10%、50%及び90%になる粒径と定義される。具体的には、上記の製造方法によって、D10/D50の値が0.65以上、D90/D50の値が1.35以下、特には1.3以下のリン酸ランタン系等の稀土類金属リン酸塩蛍光体を得ることができる。また、本発明の製造方法によって、体積平均径の値から±30%の粒径の範囲に、全粒子の70%以上、特には75%以上を包含させることができる。さらには、体積平均径の値から±20%の粒径の範囲に、全粒子の70%以上、特には75%以上を包含させることができる。ここで、体積平均径とは、粒径のデータを粒子の体積を重み係数にして平均して得られる平均粒径と定義される。具体的には、上記の製造方法によって、体積平均径の値から±30%の粒径の範囲に全粒子の70%以上、特には75%以上を包含したリン酸ランタン系等の稀土類金属リン酸塩蛍光体、さらには、体積平均径の値から±20%の粒径の範囲に全粒子の70%以上を包含したリン酸ランタン系等の稀土類金属リン酸塩蛍光体を得ることができる。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
硝酸ランタン濃度10mol/m3の水溶液と、リン酸濃度20mol/m3の水溶液をそれぞれ、20℃で調製した。内径2mm、長さ4mのテフロン(R)製流通式管型反応器を40℃温浴内に設置し、2つの原料流体は温浴内の反応器入口部で合流させて、反応器へと連続的に供給した。両原料溶液の流量は、硝酸ランタン水溶液が8.2cm3/min、リン酸水溶液が8.6cm3/minとした。反応液の反応器内滞留時間は43秒である。反応器からの流出液に含まれる粒子を、公称孔径1μmのメンブレンフィルターを用いて濾別して、目的のリン酸ランタン粒子を得た。回収された粒子の原料ランタンに対する収率は47%で、空時収率は0.72kg/(m3・min)であった。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した(図1)。得られた粒子のアスペクト比は0.95で中央粒径(個数平均径に相当)が1.6μmの均一な粒径の球状の粒子であった。また、図2に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に1.5μm、1.7μm及び2.1μmであった(D10/D50=0.88)。体積平均径1.75μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は92%であり、体積平均径1.75μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は84%であった。一方、濾液を高周波誘導結合プラズマ発光分析装置で分析して液中のランタン濃度から反応率を求めたところ、反応率は67%であった。
【0042】
(実施例2)
原料成分を混合した場合の金属元素比がLa:Ce:Tb=50:30:20で、ランタン、セリウム、テルビウムの合計のイオン濃度が10mol/m3となるよう調製した硝酸ランタノイド水溶液と濃度20mol/m3のリン酸水溶液を室温で調製し、40℃に予熱した後、硝酸ランタノイド水溶液28cm3/min、リン酸水溶液30cm3/minの流量で、40℃の温浴中に設置したシリコーン製管型反応器の入口部分にそれぞれ連続的に供給した。反応器の内径は5mm、長さは3m、反応液の滞留時間は61秒とした。反応器からの流出液に含まれる粒子を、メンブレンフィルターを用いて濾別して、目的の蛍光体前駆体粒子を得た。回収された粒子の原料ランタノイドに対する収率は75%で、空時収率は0.85kg/(m3・min)であった。この粒子の構成金属元素比をエネルギー分散型X線分光器を用いて測定したところ、混合した原料成分のそれとほぼ一致していた。
【0043】
(実施例3)
原料成分を混合した場合の金属元素比がLa:Ce:Tb=55:30:15で、ランタン、セリウム、テルビウムの合計のイオン濃度が10mol/m3となるよう調製した硝酸ランタノイド水溶液と濃度20mol/m3のリン酸水溶液を室温で調製し、40℃に予熱した後、硝酸ランタノイド水溶液6.8cm3/min、リン酸水溶液9.5cm3/minの流量で、40℃の温浴中に設置したシリコーン製管型反応器の入口部分にそれぞれ連続的に供給した。反応器の内径は5mm、長さは3m、反応液の滞留時間は230秒とした。反応器からの流出液に含まれる粒子を、メンブレンフィルターを用いて濾別して、目的の蛍光体前駆体粒子を得た。回収された粒子の空時収率は0.22kg/(m3・min)であった。この粒子の構成金属元素比をエネルギー分散型X線分光器を用いて測定したところ、混合した原料成分のそれとほぼ一致していた。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた粒子のアスペクト比は0.92で中央粒径(個数平均径に相当)が1.0μmの均一な粒径の球状の粒子であった。また、図3に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に0.75μm、1.1μm及び1.4μmであった(D10/D50=0.68)。体積平均径1.1μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は79%であり、体積平均径1.1μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は56%であった。一方、濾液を高周波誘導結合プラズマ発光分析装置で分析して液中のランタンイオン濃度から反応率を求めたところ、反応率は99%であった。得られた蛍光体前駆体粒子を水素を含有する窒素雰囲気下にて1200℃で1時間焼成して球状の蛍光体を合成した。得られた蛍光体の粒子は、ほぼ球状をしており、そのアスペクト比は0.92であった。また、この蛍光体は良好な緑色発光を示した。
【0044】
(実施例4)
原料成分を混合した場合の金属元素比がLa:Ce:Tb=60:20:20で、ランタン、セリウム、テルビウムの合計のイオン濃度が10mol/m3となるよう調製した硝酸ランタノイド水溶液と濃度20mol/m3のリン酸水溶液とを室温で調製し、40℃に予熱した後、硝酸ランタノイド水溶液28cm3/min、リン酸水溶液30cm3/minの流量で、40℃の温浴中に設置したシリコーン製管型反応器の入口部分にそれぞれ連続的に供給した。反応器の内径は5mm、長さは3m、反応液の滞留時間は62秒とした。反応器からの流出液に含まれる粒子を、メンブレンフィルターを用いて濾別して、目的の蛍光体前駆体粒子を得た。回収された粒子の原料ランタノイドに対する収率は63%で、空時収率は0.693kg/(m3・min)であった。得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。
【0045】
(実施例5)
原料成分を混合した場合の金属元素比がLa:Ce:Tb=60:25:15で、ランタン、セリウム、テルビウムの合計のイオン濃度が10mol/m3となるよう調製した硝酸ランタノイド水溶液と濃度20mol/m3のリン酸水溶液とを室温で調製し、40℃に予熱した後、硝酸ランタノイド水溶液28cm3/min、リン酸水溶液30cm3/minの流量で、40℃の温浴中に設置したシリコーン製管型反応器の入口部分にそれぞれ連続的に供給した。反応器の内径は5mm、長さは3m、反応液の滞留時間は61秒とした。反応器からの流出液に含まれる粒子を、メンブレンフィルターを用いて濾別して、目的の蛍光体前駆体粒子を得た。回収された粒子の原料ランタノイドに対する収率は64%で、空時収率は0.713kg/(m3・min)であった。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した(図5)。得られた粒子のアスペクト比は0.94で中央粒径(個数平均径に相当)が1.7μmの均一な粒径の球状の粒子であった。また、図6に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に1.4μm、1.7μm及び2.1μmであった(D10/D50=0.82)。体積平均径1.7μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は94%であり、体積平均径1.7μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は78%であった。
【0046】
(実施例6)
硝酸ランタン濃度10mol/m3の水溶液と、リン酸濃度20mol/m3の水溶液をそれぞれ、室温で調製した。内径3.5mm、長さ5.3mのガラス製流通式管型反応器を40℃温浴内に設置し、2つの原料流体は40℃に予熱した後、温浴内の反応器入口部で合流させて、反応器へと連続的に供給した。両原料溶液の流量は、硝酸ランタン水溶液が12cm3/min、リン酸水溶液が13cm3/minとした。反応液の反応器内滞留時間は120秒である。反応器からの流出液に含まれる粒子を、公称孔径1μmのメンブレンフィルターを用いて濾別、乾燥後秤量した。回収されたリン酸ランタン粒子の原料ランタンに対する収率は、初期には100%であったが経時的に低下し、50min後には40%以下となった。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた粒子のアスペクト比は0.77で中央粒径(個数平均径に相当)が0.49μmの均一な粒径の球状の粒子であった。図7に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に0.42μm、0.55μm及び0.68μmであった(D10/D50=0.76)。体積平均径0.55μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は94%であり、体積平均径0.55μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は67%であった。
【0047】
(実施例7)
反応器を内径3mm、長さ5.3mのシリコーン製流通式管型反応器とし、2つの原料溶液の流量を、硝酸ランタン水溶液が9.2cm3/min、リン酸水溶液が8.6cm3/minとしたこと以外は実施例6と同じ条件と方法で、リン酸ランタン粒子を合成した。回収されたリン酸ランタン粒子の原料ランタンに対する収率は、100%であり、80min以上にわたって定常的に粒子が得られた。また、得られた粒子のアスペクト比は0.86で中央粒径(個数平均径に相当)が0.86μmの均一な粒径の球状の粒子であった。図8に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に0.70μm、0.83μm及び0.96μmであった(D10/D50=0.84)。体積平均径0.83μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は100%であり、体積平均径0.83μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は95%であった。実施例6よりも粒径が均一な粒子が安定的に得られた。
【0048】
(実施例8)
反応器を内径3mm、長さ5.3mのテフロン(R)製流通式管型反応器とし、2つの原料溶液の流量を、硝酸ランタン水溶液が9.3cm3/min、リン酸水溶液が9.3cm3/minとしたこと以外は実施例6と同じ条件と方法で、リン酸ランタン粒子を合成した。回収されたリン酸ランタン粒子の原料ランタンに対する収率は、84%であった。また、得られた粒子のアスペクト比は0.85で中央粒径(個数平均径に相当)が1.10μmの均一な粒径の球状の粒子であった。図9に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に0.95μm、1.30μm及び1.75μmであった(D10/D50=0.73)。体積平均径1.30μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は81%であり、体積平均径1.30μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は56%であった。実施例7に比べて、粒径が不均一であった。
【0049】
(実施例9)
硝酸を添加しpHを2.11に調節した硝酸ランタン濃度100mol/m3の水溶液と、硝酸を添加しpHを0.91に調節したリン酸濃度200mol/m3の水溶液をそれぞれ室温で調製した。内径3mm、長さ5.3mのシリコーン製流通式管型反応器を40℃温浴内に設置し、2つの原料流体は40℃に予熱した後、温浴内の反応器入口部で合流させて、反応器へと連続的に供給した。両原料溶液の流量は、硝酸ランタン水溶液が9.8cm3/min、リン酸水溶液が9.7cm3/minとした。両原料溶液の混合後のpHの推算値は1.19、反応液の反応器内滞留時間は120秒である。反応器からの流出液に含まれる粒子を、公称孔径1μmのメンブレンフィルターを用いて濾別、回収した。回収されたリン酸ランタン粒子の粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた粒子は図14に示すように非球形で、アスペクト比は0.5で中央粒径(個数平均径に相当)が0.78μmの均一な粒径の球状の粒子であった。累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に0.66μm、0.88μm及び1.11μmであった(D10/D50=0.75)。体積平均径0.88μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は88%であり、体積平均径0.88μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は63%であった。
【0050】
(実施例10)
硝酸ランタン濃度100mol/m3の水溶液と、リン酸濃度200mol/m3の水溶液をそれぞれ室温で調製した。内径3mm、長さ5.3mのシリコーン製流通式管型反応器を40℃温浴内に設置し、2つの原料流体は40℃に予熱した後、温浴内の反応器入口部で合流させて、反応器へと連続的に供給した。両原料溶液の流量は、硝酸ランタン水溶液が8.8cm3/min、リン酸水溶液が9.1cm3/minとした。反応液の反応器内滞留時間は130秒である。硝酸ランタン水溶液のpHは2.61、リン酸水溶液のpHは1.22で、両原料溶液の混合後のpHの推算値は1.50である。反応器からの流出液に含まれる粒子を、公称孔径1μmのメンブレンフィルターを用いて濾別、乾燥後秤量した。回収されたリン酸ランタン粒子の原料ランタンに対する収率は53%で、空時収率は2.9kg/(m3・min)であった。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた粒子は図15に示すように球形で、アスペクト比は0.9で中央粒径(個数平均径に相当)が0.84μmの均一な粒径の球状の粒子であった。図10に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に0.74μm、0.89μm及び1.11μmであった(D10/D50=0.83)。体積平均径0.89μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は96%であり、体積平均径0.89μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は78%であった。
【0051】
(実施例11)
アンモニア水を添加しpHを3.68に調節した硝酸ランタン濃度100mol/m3の水溶液と、アンモニア水を添加しpHを1.86に調節したリン酸濃度200mol/m3の水溶液をそれぞれ室温で調製した。内径3mm、長さ5.3mのシリコーン製流通式管型反応器を40℃温浴内に設置し、2つの原料流体は40℃に予熱した後、温浴内の反応器入口部で合流させて、反応器へと連続的に供給した。両原料溶液の流量は、硝酸ランタン水溶液が9.9cm3/min、リン酸水溶液が9.2cm3/minとした。両原料溶液の混合後のpHの推算値は2.17、反応液の反応器内滞留時間は120秒である。反応器からの流出液に含まれる粒子を、公称孔径1μmのメンブレンフィルターを用いて濾別、乾燥後秤量した。回収されたリン酸ランタン粒子の原料ランタンに対する収率は96%で、空時収率は5.9kg/(m3・min)であった。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた粒子は図16に示すように球形であったが、平均径は0.3μmであった。
【0052】
(実施例12)
硝酸ランタン濃度200mol/m3の水溶液と、リン酸濃度400mol/m3の水溶液をそれぞれ室温で調製した。両原料溶液の流量を、硝酸ランタン水溶液が10cm3/min、リン酸水溶液が11cm3/minとした。原料濃度と原料溶液流量以外の条件と方法は実施例10と同じである。回収されたリン酸ランタン粒子の原料ランタンに対する収率は39%で、空時収率は4.9kg/(m3・min)であった。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた粒子は、図17に示すように球形であり、アスペクト比は0.85で中央粒径(個数平均径に相当)が1.08μmの均一な粒径の球状の粒子であった。図10に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に0.96μm、1.22μm及び1.55μmであった(D10/D50=0.79)。体積平均径1.22μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は93%であり、体積平均径1.22μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は70%であった。
【0053】
(実施例13)
硝酸ランタン濃度100mol/m3の水溶液と、リン酸濃度200mol/m3の水溶液をそれぞれ室温で調製した。内径3mm、長さ5.3mのシリコーン製流通式管型反応器を40℃温浴内に設置し、反応器の入り口、即ち、2つの原料水溶液が合流し混合する部分を冷却し、反応器へと連続的に供給した。両原料溶液の流量を、硝酸ランタン水溶液、リン酸水溶液ともに9.7cm3/minとした。2つの原料水溶液が合流し混合する部分の混合溶液の温度は15℃であった。反応液の反応器内滞留時間は120秒である。反応器からの流出液に含まれる粒子を、実施例10と同様に回収した。回収されたリン酸ランタン粒子の原料ランタンに対する収率は、24%で、空時収率は1.5kg/(m3・min)であった。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた粒子は、図18に示すように球形であり、アスペクト比は0.92で中央粒径(個数平均径に相当)が0.92μmの均一な粒径の球状の粒子であった。図11に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に0.93μm、1.11μm及び1.28μmであった(D10/D50=0.84)。体積平均径1.11μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は95%であり、体積平均径1.11μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は85%であった。
【0054】
(実施例14)
シリコーン製流通式管型反応器を60℃温浴内に設置したこと以外は実施例13と同様にして、リン酸ランタン粒子を回収した。回収されたリン酸ランタン粒子の原料ランタンに対する収率は、40%で、空時収率は2.3kg/(m3・min)であった。また、粒子径と粒子形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。得られた粒子は、図19に示すように球形であり、アスペクト比は0.91で中央粒径(個数平均径に相当)が1.15μmの均一な粒径の球状の粒子であった。図12に示す累積分布曲線から求めたD10、D50及びD90は、それぞれ順に1.15μm、1.27μm及び1.43μmであった(D10/D50=0.91)。体積平均径1.27μmから±30%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は99%であり、体積平均径1.27μmから±20%の粒径の範囲の粒子の全粒子に対する割合は97%であった。
上記実施例において、実施例6,7及び8は、反応管内壁表面の材質に関連する例であり、反応管をシリコーンにすることにより(実施例7)、均一な粒径の粒子(体積平均径±30%、±20%の割合が高くなっている)が安定的に得られており、ガラス(実施例6)では、反応管に粒子が付着し、時間が経つにつれて収率が低下しており、テフロン(R)管(実施例8)では、収率は安定しているが、粒径が不均一になっている。不均一になる理由は解明出来ていないが、管への付着と剥離が継続的に起こり、粒子の滞留時間が不均一になっているものと推定される。
【0055】
実施例9、13及び14は、反応前の原料温度の設定に関連する例であり、混合部温度を下げることにより(実施例13及び14)、球状粒子が得られ(アスペクト比が1に近づき)、均一な粒径の粒子が得られている。また、反応温度を上げることにより(実施例14)、収率が高くなっている。
実施例7、10及び12は、原料溶液の濃度に関連する例であり、原料の濃度を高くすることにより、粒径(体積平均径)の大きな粒子が得られており、また、濃度が高くなることによって緻密な粒子が得られていることが写真より判断される。
【0056】
実施例9、10及び11は、原料溶液のpHに関連する例であり、適正な範囲である実施例10に比べ、pHの低い実施例9はアスペクト比が小さく、また、pHが高い実施例11は粒径が小さくなっていることが写真より判断される。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、粒度分布が狭く、球状であるために、陰極線管、蛍光ランプ、プラズマディスプレーパネル、及び、フィールドエミッションディスプレーなどに用いる際に均質で緻密な高輝度蛍光膜を形成することが可能であり、しかも、高純度で化学組成が均一であるために優れた発光特性を示す蛍光体及びその前駆体粒子を安価に製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図2】 実施例1で得られた粒子の累積分布曲線
【図3】 実施例3で得られた粒子の累積分布曲線
【図4】 実施例4で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図5】 実施例5で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図6】 実施例5で得られた粒子の累積分布曲線
【図7】 実施例6で得られた粒子の累積分布曲線
【図8】 実施例7で得られた粒子の累積分布曲線
【図9】 実施例8で得られた粒子の累積分布曲線
【図10】 実施例10及び実施例12で得られた粒子の累積分布曲線
【図11】 実施例13で得られた粒子の累積分布曲線
【図12】 実施例14で得られた粒子の累積分布曲線
【図13】 実施例7で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図14】 実施例9で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図15】 実施例10で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図16】 実施例11で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図17】 実施例12で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図18】 実施例13で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真
【図19】 実施例14で得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真

Claims (19)

  1. 蛍光体前駆体の原料成分の化学反応によって蛍光体前駆体粒子を取得する蛍光体前駆体粒子の製造方法において、前記原料成分を気相又は液相を含む均一相中又は多相中で管型反応器内を流通させながら臨界点未満の温度と圧力の条件下で反応させると共に、固体状の蛍光体原料を析出させ、これを連続的に取得することを特徴とする蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  2. 反応を液相中で行う、請求項1に記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  3. 原料成分として少なくとも2種の原料成分を使用する、請求項1又は2に記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  4. 原料成分(A)と原料成分(B)との少なくとも2種の原料成分を使用し、前記原料成分(A)と前記原料成分(B)とを別個に管型反応器に供給する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  5. 原料成分の反応条件が−100〜300℃の温度範囲で20MPa以下の圧力範囲である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  6. 反応前の原料温度が、原料溶液の凝固点以上であってかつ反応温度よりも20℃以上低い温度である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  7. 原料成分が金属塩を含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  8. 原料溶液の濃度が100mol/m3以上、飽和溶解度以下である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  9. 原料溶液のpHが1.3〜2.5である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  10. 原料成分がランタンとリンとを含み、蛍光体前駆体粒子がリン酸ランタンを含む、請求項1〜9のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  11. 原料成分がランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素とセリウムとテルビウムとリンとを含有する、請求項1〜10のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  12. 原料成分が、ランタン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる少なくとも1種類の稀土類元素の硝酸塩と、硝酸セリウムと、硝酸テルビウムと、リン酸又はリン酸二水素アンモニウムを含む、請求項11に記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  13. 管型反応器の内壁表面が、蛍光体前駆体粒子の付着しにくい材質である、請求項1〜12のいずれか1つに記載の蛍光体前駆体粒子の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法で得られた蛍光体前駆体粒子をさらに焼成処理することを特徴とする蛍光体の製造方法。
  15. 蛍光体前駆体一次粒子が集合して二次粒子を形成している蛍光体前駆体粒子組成物であって、該粒子組成物の体積平均径の値から±30%の粒径の範囲に全粒子の70%以上を含むことを特徴とする蛍光体前駆体粒子組成物。
  16. 蛍光体前駆体二次粒子の最小粒径からの累積体積分率が10%及び50%になる粒径をそれぞれD10及びD50とするとき、D10/D50の値が0.65以上である、請求項15に記載の蛍光体前駆体粒子組成物。
  17. 全二次粒子の70%以上がアスペクト比0.9以上の二次粒子である、請求項15又は16に記載の蛍光体前駆体粒子組成物。
  18. 蛍光体前駆体の柱状結晶が放射線状に集合してなることを特徴とする蛍光体前駆体粒子。
  19. アスペクト比が0.9以上である、請求項18に記載の蛍光体前駆体粒子。
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