JP3968989B2 - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を出力するために必要な処理、特にROP(Raster Operation)処理を行う画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般オフィスや家庭等へのプリンタの普及が進み、またプリントスピードやプリント画質等の性能の向上もめざましく、それにつれてプリントアウトするドキュメントの内容も、文字や図形により多くの色を使用したり、カラー写真をより高解像度で減色処理を行わずに多数使用したり、あるいはより高度な変形処理を導入する、といったように複雑化している。このように複雑化したドキュメントをプリントアウトする際には、描画すべき文字、図形(グラフィック)、ビットマップイメージ(写真等)といった描画要素(描画オブジェクト)を重ね合わせる処理、すなわち描画要素間での論理演算処理の使用が欠かせなくなってきている。具体例を挙げると、例えば写真の上に矩形が重なっている部分において、その矩形を透明であるとみなし、本来は矩形に上書きされてしまう写真が透けて見えるように処理する、といった場合がこれに該当する。
【0003】
このような重ね合わせのための論理演算処理は、一般に、いわゆるROP処理として知られている。ROP処理は、通常、ページ記述言語(Page Description Language;以下「PDL」と略す)で記述されている各描画要素のデータをラスター化した後、そのPDL内にコードの形で指定されている論理演算式に従って実行される。したがって、プリンタドライバを始めとしたデバイスドライバ、すなわちプリンタやディスプレイ等のグラフィックスデバイスをコントロールするためのデバイスドライバでは、これらの論理演算コードを解釈し、そのコードに示されている方法に従ってROP処理を実行する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、ROP処理を行う場合には、その処理内容に拘わらずに、ラスター化された後のラスター画像データの全ての色分解成分を、その処理対象としている。これは、ドキュメントの複雑化に伴い、そのプリントアウトもフルカラー対応が要求されることが殆どだからである。そのため、例えばラスター画像データがY(イエロー),M(マゼンタ),C(サイアン),K(ブラック)の各色分解成分から構成されていると、ROP処理の対象となる描画要素が白黒で描かれている場合であっても、本来ROP処理の必要がないY,M,Cの各色分解成分についてもROP処理を行うことになってしまう。
【0005】
つまり、従来は、ROP処理を行うのにあたって、全ての色分解成分を処理対象としていたことから、その処理の迅速性という点で難がある。特に、上述したような複雑化したドキュメントを処理する場合には、処理すべきデータ量が膨大になるとともに、様々な描画要素間のROP処理を実行する必要があるため、処理の迅速性に難があると、結果としてプリントスピード(画像出力スピード)の低下を招く要因になってしまうことにもなる。
【0006】
そこで、本発明は、複数の色分解成分からなる画像データであっても、迅速なROP処理を可能にする画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために案出された画像処理装置で、複数の色分解成分からなる画像形成データのラスター化にあたって論理演算処理が必要となる場合に、当該論理演算処理が必要となる色分解成分を判断する判断手段と、前記判断手段が必要と判断した色分解成分に対してのみ、前記論理演算処理を実行する論理演算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係る画像処理方法は、複数の色分解成分からなる画像形成データのラスター化にあたって論理演算処理が必要となる場合に、当該論理演算処理が必要となる色分解成分を判断する判断ステップと、前記判断手段が必要と判断した色分解成分に対してのみ、前記論理演算処理を実行する論理演算ステップとを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る画像処理プログラムを記録した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラムを記録した記憶媒体であって、複数の色分解成分からなる画像形成データのラスター化にあたって論理演算処理が必要となる場合に、当該論理演算処理が必要となる色分解成分を判断させ、必要と判断された色分解成分に対してのみ、前記論理演算処理を実行させることを特徴とする。
【0010】
上記構成の画像処理装置、上記手順の画像処理方法、または上記手順の画像処理プログラムを記録した記憶媒体によれば、画像形成データのラスター化にあたって必要となる論理演算処理、すなわちROP処理を実行する際には、そのROP処理が必要となる色分解成分を判断する。ここで、色分解成分としては、例えばBGR表色系による各成分やYMCK表色系による各成分が挙げられる。そして、必要となる色分解成分を判断した後、必要である色分解成分に対してのみROP処理を実行する。したがって、例えば白黒画像についての画像形成データであれば、その画像形成データを構成する全ての色分解成分に対してROP処理を行うといったことがなくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体について説明する。
【0012】
先ず、本発明に係る画像処理装置が用いられるシステム構成について説明する。図1は本発明に係る画像処理装置の概略構成の一例を示すブロック図であり、図2はその画像処理装置が用いられるシステム構成の一例を示す模式図である。
【0013】
図2に示すように、本実施形態で説明する画像処理装置は、複数のクライアント装置1a,1b…と、プリントサーバ装置2と、プリンタ装置3とが、互いにLAN(Local Area Network)等のネットワーク4を介して接続されたネットワークシステムにおいて用いられる。
【0014】
各クライアント装置1a,1b…は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションからなるもので、文書や画像等のドキュメントを電子的に作成するとともに、そのドキュメントをプリントアウトするための印刷出力ジョブを発行するものである。このとき、各クライアント装置1a,1b…では、プリントアウトすべきドキュメントの内容を、例えばPDL形式のデータ(以下「PDLデータ」という)により表すようになっている。
【0015】
プリントサーバ装置2は、コンピュータ装置としての機能を備えたもので、各クライアント装置1a,1b…からの印刷出力ジョブを受け付けると、その実行順等の管理をしつつ、その印刷出力ジョブを順次プリンタ装置3に実行させるものである。
【0016】
プリンタ装置3は、周知の電子写真技術またはインクジェット方式の印刷技術を利用して、各クライアント装置1a,1b…が発行した印刷出力ジョブを順次実行するものである。
【0017】
本実施形態で説明する画像処理装置は、これらの各装置1a,1b…,2,3のいずれかに搭載されたものである。また、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された画像処理プログラムを、各クライアント装置1a,1b…若しくはプリントサーバ装置2にインストールすることによって実現されるものであってもよい。
【0018】
続いて、以上のようなネットワークシステムにおいて用いられる画像処理装置の概略構成について説明する。ここで説明する画像処理装置は、ドキュメントをプリントアウトするための画像形成データであるPDLデータに対して、所定の画像処理を行うものである。所定の画像処理としては、PDLデータをラスター化する際に必要となる論理演算処理、すなわちPDLデータによって描画が指示される各描画要素を重ね合わせるためのROP処理がある。
【0019】
このようなROP処理を実行するために、画像処理装置では、図1に示すように、処理対象となるPDLデータを受け取る入力インタフェース(以下「入力端」という)Aと、画像処理後の画像データを出力する出力インタフェース(以下「出力端」という)Bとの他に、ラスタライズ部11と、判断部12と、論理演算部13とを備えている。
【0020】
ラスタライズ部11は、入力端AにPDLデータが入力されると、その内容に応じてラスター化を行ってラスター画像データを生成するとともに、論理演算部13にPDLデータの内容に応じた論理演算を指定するものである。ただし、ラスタライズ部11では、描画要素単位でラスター画像データの生成を行うようになっている。
【0021】
判断部12は、入力端Aに入力されたPDLデータ中から論理演算に関連する描画コマンドの内容を調べ、その結果から特定の色分解成分に対してのみ論理演算の実行が可能か判断するものである。ここで、色分解成分としては、例えばBGR表色系による各成分やYMCK表色系による各成分が挙げられる。
【0022】
論理演算部13は、ラスタライズ部11から出力されるラスター画像データに対して、判断部12における特定の色分解成分に対する論理演算の可否判断の結果に応じてラスタライズ部11から指定された論理演算を実行し、その結果を出力端Bに出力するものである。なお、出力端Bから出力される画像データは、論理演算が必要な領域のみをラスター化した後のPDLデータであっても、あるいはPDLデータを全てラスター化した後のラスター画像データであってもよい。
【0023】
次に、以上のような画像処理装置がROP処理を実行する場合の処理動作例について説明する。図3は画像処理装置が処理するPDLデータの一具体例を示す説明図であり、図4はPDLデータ中に含まれる描画コマンドの意味を示す説明図であり、図5は図2に示したPDLデータ中のDrawRectangleコマンドによる描画結果を示す説明図であり、図6は図2に示したPDLデータ中のDrawCircleコマンドのみによる描画結果およびその部分拡大結果を示す説明図であり、図7は図2に示したPDLデータによる描画結果およびその部分拡大結果を示す説明図である。
【0024】
例えば、画像処理装置の入力端Aに、図3に示すPDLデータが上から順に入力された場合について考える。このとき、ラスタライズ部11は、入力されたPDLデータを入力された順序で順次解釈し、対応するラスター画像データを各色分解成分毎に面順次で生成し出力する。また、当該PDLデータ中に論理演算内容を指定する描画コマンドがあった場合には、その内容を論理演算部13に出力する。
【0025】
PDLデータ中に含まれる描画コマンドとしては、例えば図4に示すようなものがある。これらの各描画コマンドは、その意味がそれぞれ一義的に定められている。
【0026】
なお、図3に示したPDLデータ中の論理演算に関連する描画コマンドは、図中に示した「論理演算関連コマンド」の範囲内の描画コマンドであるため、以下においては当該範囲内にある描画コマンドについてのみ説明する。また、各描画コマンドのうち、描画属性を指定するコマンド、例えば論理演算モードの指定や描画色の指定は、StartPageコマンドの次からEndPageコマンドの前の範囲内、つまり同一ページ内に同一描画コマンドが指定されない限り、そのコマンドの指定内容は有効であるとする。
【0027】
「論理演算関連コマンド」の範囲内においては、先ず、InsertModeコマンドで論理演算モードが指定される。StartLogicalPageコマンドの次のInsertModeコマンドの引数は“Overwrite”であるため、論理演算モードは“上書き”、すなわち以降の描画コマンドによる描画結果がそのまま出力されることになる。
【0028】
このInsertModeコマンドに続くSetPenColorSpace、SetPenColor、SetPaintModeの各コマンドでは、描画色空間がBGR表色系、すなわちB(青),G(緑),R(赤)の各色分解成分からなる色空間であり、描画色がB=255,G=128,R=128(以下「薄青色」という)であり、描画方法が“Fill”、すなわち“塗り潰し”に指定されている。なお、各色成分値は、8bit/pixel(すなわち値の範囲は0〜255)であるものとする。これにより、これらの各コマンドに続く描画コマンドによる描画は、当該各コマンドの指定に従って行われることになる。
【0029】
また、これらの各コマンドに続くSetPointコマンドでは、描画開始位置が(100,100)に指定されている。なお、(100,100)は、座標表現形式であり、括弧内の左側の数値が主走査方向、右側の数値が副走査方向の座標位置を表わしている。座標の単位は、Resolutionコマンドによって指定された解像度によって定まる。また、座標原点は用紙左上隅であり、主走査および副走査方向はそれぞれ用紙の水平・垂直方向となる。つまり、(100,100)は、用紙左上隅から主走査方向に100画素、副走査方向に100画素分移動した座標位置になる。
【0030】
そして、次のDrawRectangleコマンドで矩形が描画される。このとき、描画色空間はBGR、描画色は薄青色、描画方法は塗り潰し、描画開始位置は(100,100)、矩形の主走査・副走査両方向の長さはそれぞれ4760画素・6816画素に設定されているため、(100,100)から(4860,6916)まで内部を薄青色に塗り潰された矩形が描画されることになる。
【0031】
図5(a)、(b)および(c)は、DrawRectangleコマンドにより矩形が描画された後におけるB、GおよびR成分の状態をそれぞれ表わす図である。なお、画素値は図中の凡例を参照されたい。
【0032】
これに次いで、図3に示すPDLデータの「論理演算関連コマンド」の範囲内においては、2つめのInsertModeコマンドで論理演算モードが“Transparent”、すなわち“透過”に指定されている。この論理演算モードは、重ね合わせる2つのラスター画像の同一座標にある画素の値を比較していずれか一方を選択するものであり、ここではBGR色空間で値が小さい画素値を色成分ごとに選択するものとする。
【0033】
このInsertModeコマンドに続くSetPenColor、SetPaintMode、SetPointの各コマンドでは、描画色がB=255,G=0,R=128(以下「紫色」という)であり、描画方法が“Pattern1”であり、描画開始位置が(2000,3500)に指定されている。なお、“Pattern1”は、SetPenColorコマンドで指定された描画色と白色の画素が画素ごとに千鳥格子状に配置されたパターンを描画する描画手法である。そして、次のDrawCircleコマンドで円形が描画される。このとき、描画色は紫色、描画方法は上述したパターンの描画、描画開始位置は(2000,3500)、円形の半径は1000画素に指定されているため、(2000,3500)を中心とする、半径1000画素の円が上述のパターン描画方法にて描画されることになる。
【0034】
図6(a)、(b)および(c)は、DrawCircleコマンドによる円形のみを描画した場合のB、GおよびR成分の状態をそれぞれ表わす図である。また、図6(d)および(e)は、図6(b)および(c)中に太線枠で囲った部分のそれぞれの拡大図である。なお、画素値は図中の凡例を参照されたい。
【0035】
したがって、図3に示すPDLデータをラスタライズ部11が順次解釈してラスター画像データを生成し、論理演算内容を指定する描画コマンドがあった場合にその内容を論理演算部13に出力し、その論理演算部13でのROP処理を経た後に、これをプリンタ装置3でプリントアウトすると、そのプリンタ装置3からは、図7(a)に示すようなプリントアウトが得られることになる。図中の斜線部分等の内容については図7(a)中の凡例に示す。また、矢印と座標値で指定された図7(a)中の点は、座標原点と図3に示すPDLデータ中のSetPointコマンドで指定された座標位置を示している。なお、図7(b)は、図7(a)中に太線枠で囲った部分の拡大図である。
【0036】
ただし、本実施形態の画像処理装置では、図3に示すPDLデータから図7(a)に示すプリントアウトを得るのに際して、判断部12がそのPDLデータ中から論理演算に関連する描画コマンドの内容を調べ、その結果からBGRの各色分解成分のうちの特定の色分解成分に対してのみ論理演算の実行が可能かを判断している。
【0037】
ここで、BGRの各色分解成分についての論理演算の要否を図5および図6を参照しながら考えてみると、先ず、パターン描画部分のうちの紫色の画素については、重ね合わせる2つのラスター画像の同一座標にある画素の色成分値のうちB成分およびR成分が同値となっており比較する必要がない。つまり、先に描画された薄青色の矩形の画素値をそのまま保存すればよい。G成分については、矩形は画素値“128”であり、円形の画素値“0”と異なるため、両者を比較し小さい画素値“0”が選択されることになる。
【0038】
一方、パターン描画部分のうちの白色の画素については、B成分がともに“255”で同値であるが、G成分は矩形の画素値が“128”であるのに対して円形が“255”、R成分は矩形の画素値が“128”であるのに対して円形が“255”である。したがって、G成分とR成分に画素値の比較の必要があるが、片方の画素値が“255”または“0”である場合には比較する必要はない。これは、パターン描画部分のうちの紫色の画素のG成分についても同様である。
【0039】
つまり、以上のことをまとめると、先に描画された薄青色の矩形内にあり、かつ、後に描画される円形内に存在する、パターン描画部分のうちの紫色の画素については、同一座標の薄青色の矩形内の画素のG成分値を紫色のG成分値“0”に置き換えればよい。これに対して、BおよびRの両成分については、パターン描画部分のどの部分にあっても、先に描画された薄青色の矩形の画素値を書き換える必要はない。つまり、G成分のみ論理演算の対象とすればよい。
【0040】
判断部12では、上述したような論理演算の要否を各色分解成分ごとに判断し、その結果を論理演算部13に出力する。勿論、論理演算の要否の判断においては、さらに描画領域による要否を加えてもよい。つまり、各描画コマンドを解析することで、描画すべき色分解成分およびその領域が分かるので、それを基に論理演算の要否を判断することになる。
【0041】
これにより、論理演算部13では、ラスタライズ部11から出力されるラスター画像データに対して、判断部12における判断結果に応じて、論理演算が必要な色分解成分に対してのみ論理演算を行う。上述した例の場合であれば、論理演算部13は、G成分に対してのみ論理演算を行うことになる。なお、論理演算が不要な色分解成分あるいは領域については、論理演算部13は、ラスタライズ部11から出力されるラスター画像データに何ら変更を加えない。
【0042】
以上のように、本実施形態の画像処理装置では、入力端Aに入力されたPDLデータの内容に応じてラスタライズ部11で生成されたラスター画像データに対して、判断部12により論理演算が必要と判断された色分解成分に対してのみ、論理演算部13により論理演算が実施され、その結果であるラスター画像データ、すなわち入力されたPDLデータから生成され、必要なROP処理が施されたラスター画像データが、出力端Bから出力されるようになっている。そして、出力端Bから出力されるラスター画像データは、そのままあるいは必要な色変換処理が施された後に、プリンタ装置3でのプリントアウトに用いられる。
【0043】
したがって、本実施形態の画像処理装置またはその画像処理装置で実施される画像処理方法を用いれば、PDLデータのラスター化にあたって必要となる論理演算処理、すなわちROP処理を実行する際には、そのROP処理が必要となる色分解成分を判断し、必要である色分解成分に対してのみROP処理を実行することになるので、必要がないにも拘わらずそのPDLデータを構成する全ての色分解成分に対してROP処理を行うといったことがなくなる。そのため、従来に比べて、論理演算の実行時間の短縮化、CPU(Central Processing Unit)等の演算手段の演算負荷の低減、CPUが用いるメモリ等へのアクセス量の低減を実現でき、結果としてROP処理の迅速化が図れるようになる。
【0044】
このことは、特に、複雑化したドキュメントを処理する場合、すなわち処理すべきデータ量が膨大であり、かつ、様々な描画要素間のROP処理を実行する必要がある場合に好適なものとなる。すなわち、ROP処理の迅速化によって、複雑化したドキュメントであっても、そのドキュメントに係るPDLデータのプリントアウトを従来よりも高速に行うことが可能となる。
【0045】
しかも、ROP処理が迅速化しても、不要な色分解成分についての処理を省いただけなので、処理後の画像、すなわちプリントアウトの結果は、従来の場合と何ら変わらず、画質劣化等が生じてしまうこともない。
【0046】
なお、本実施形態では、BGR表色系による各色分解成分に対する処理を例に挙げて説明したが、同様の処理はYMCK表色系やCIE(国際照明委員会)で規定されたL*a*b*表色系等といった他の色空間にも適用可能であることはいうまでもない。他の色空間に適用する場合は、上述したSetPenColorSpaceおよびSetPenColorの両コマンドで指定される描画色空間と、出力端Bからのラスター画像データの出力時の色空間とから判断基準を変更すればよく、特に両色空間が異なる場合であれば、論理演算の実行が色空間変換を行う前か、あるいは行った後かに応じて判断基準を変更すればよい。
【0047】
例えば、出力端Bからのラスター画像データの出力時の色空間がYMCKであり、色空間変換は論理演算の実行前に行われる場合について簡単に説明すると、薄青色で描画される矩形はY=127,M=127,C=0,K=0で描画され、円形のうちパターン描画で紫色が描画される画素はY=127,M=255,C=0,K=0で、白色が描画される画素はY=M=C=K=0で描画される。ここで、BGR空間では画素値は通常輝度値を表わすが、YMCK空間では濃度値を表わすことに注意すると、「同一座標にある画素の色成分値のうち値が小さい方を採る」という判断基準が、「同一座標にある画素の色成分値のうち値が大きい方を採る」という判断基準に置き換えられる。この判断基準にしたがって、YMCK各色成分に対する論理演算の要否を見てみると、論理演算が必要なのはM成分の、円形部分の画素のみであり、さらに矩形のM成分値“127”と比較すべき円形のM成分値は“255”または“0”であり、比較を行わずに円形のM成分値が“255”の画素と同一座標にある矩形の画素のM成分値を“255”に置き換えればよいことになる。つまり、上述した実施形態ではG成分のみを論理演算の対象としたのが、ここで説明した例ではM成分のみが対象となる。
【0048】
また、本実施形態では、出力端Bから出力されるラスター画像データをプリンタ装置3でのプリントアウトに用いる場合を例に挙げて説明したが、プリントアウトの他にも、例えば、ディスプレイ等への画面表示、公衆回線、無線通信やインターネット等での遠隔地への伝送、半導体メモリやハードディスク等の記憶媒体への記憶に用いることも考えられる。このことは、本発明が、本実施形態で説明したドキュメントのプリントアウトを行うネットワークシステムのみならず、ディスプレイ等のグラフィックスデバイスをコントロールするためのデバイスドライバにも適用可能であることを意味する。
【0049】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録した記憶媒体によれば、複数の色分解成分からなる画像形成データのラスター化にあたってROP処理を行う場合であっても、必要とする色分解成分に対してのみ論理演算を実行するため、処理実行時間の短縮や演算負荷の低減等を通じてROP処理の迅速化が図れるようになる。したがって、特に、複雑化したドキュメントを処理する場合、すなわち処理すべきデータ量が膨大であり、かつ、様々な描画要素間のROP処理を実行する必要がある場合に用いて好適となる。しかも、これにより処理後の画質劣化等を招いてしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】 画像処理装置が用いられるシステム構成の一例を示す模式図である。
【図3】 PDLデータの一具体例を示す説明図である。
【図4】 PDLデータ中に含まれる描画コマンドの意味を示す説明図である。
【図5】 図3に示したPDLデータ中のDrawRectangleコマンドによる描画結果を示す説明図であり、(a)は描画後におけるB成分の状態を表わす図、(b)は描画後におけるG成分の状態を表わす図、(c)は描画後におけるR成分の状態を表わす図である。
【図6】 図3に示したPDLデータ中のDrawCircleコマンドのみによる描画結果およびその部分拡大結果を示す説明図であり、(a)は描画後におけるB成分の状態を表わす図、(b)は描画後におけるG成分の状態を表わす図、(c)は描画後におけるR成分の状態を表わす図、(d)はG成分の部分拡大結果を表わす図、(e)はR成分の部分拡大結果を表わす図である。
【図7】 図2に示したPDLデータによる描画結果およびその部分拡大結果を示す説明図であり、(a)は描画結果を表わす図、(b)はその部分拡大結果を表わす図である。
【符号の説明】
11…ラスタライズ部、12…判断部、13…論理演算部
Claims (6)
- 複数の色分解成分からなる画像形成データのラスター化にあたって論理演算処理が必要となる場合に、当該論理演算処理が必要となる色分解成分を判断する判断手段と、
前記判断手段が必要と判断した色分解成分に対してのみ、前記論理演算処理を実行する論理演算手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像形成データを面順次のラスター画像データに変換する変換手段を備えるとともに、
前記論理演算手段は、前記変換手段により変換された後のラスター画像データに対して論理演算処理を実行するものである
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 複数の色分解成分からなる画像形成データのラスター化にあたって論理演算処理が必要となる場合に、当該論理演算処理が必要となる色分解成分を判断する判断ステップと、
前記判断手段が必要と判断した色分解成分に対してのみ、前記論理演算処理を実行する論理演算ステップと
を備えたことを特徴とする画像処理方法。 - 前記画像形成データを面順次のラスター画像データに変換する変換ステップを備えるとともに、
前記論理演算ステップでは、前記変換ステップにて変換された後のラスター画像データに対して論理演算処理を実行する
ことを特徴とする請求項3記載の画像処理方法。 - コンピュータ読み取り可能な画像処理プログラムを記録した記憶媒体であって、
複数の色分解成分からなる画像形成データのラスター化にあたって論理演算処理が必要となる場合に、当該論理演算処理が必要となる色分解成分を判断させ、
必要と判断された色分解成分に対してのみ、前記論理演算処理を実行させる
ことを特徴とする画像処理プログラムを記録した記憶媒体。 - 前記画像形成データを面順次のラスター画像データに変換させ、変換後のラスター画像データに対して論理演算処理を実行させる
ことを特徴とする請求項5記載の画像処理プログラムを記録した記憶媒体。
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