JP3966855B2 - 多周波共用アンテナ - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野本発明は、複数の周波数帯を共用可能な多周波共用アンテナの技術分野に関し、特に、接地板の上部に平面状導体のパッチを2個以上、所定間隔で対向配置した積層型面状逆F型の多周波共用アンテナに関するものである。
近年、携帯電話機等の携帯端末が広く普及しているが、これらの携帯端末の無線通信には多様な方式が並存し複数の異なる周波数帯が利用される。そのため、1つのアンテナで多数の周波数帯を共用可能な多周波共用アンテナが要請されている。一般に携帯端末に内蔵可能なアンテナとしては、逆Fアンテナが広く利用されている。逆Fアンテナの多周波化の方法の1つに平面パッチを多層化する方法が知られている。
第1の方法は、図13に示すように、2つのパッチ101、102を接地板103上に所定間隔を置いて平行に対向配置するとともに、給電用導体104及び接地用導体105を設けた多層の平面アンテナを構成するものである。図13の構成においては、接地板103の給電素子の出力端に接続される給電用導体104と、接地板103に接続される接地用導体105が、それぞれ近接して下部パッチ102の一端に接続されるとともに、同様の側に設けられた短絡用導体105が、上下2つのパッチ101、102の一端の間に接続されて両者を連結している。
また、第2の方法では、図14に示すように、2つのパッチ201、202と接地板203、給電用導体204、接地用導体205のそれぞれの配置については図13と同様であるが、短絡用導体206の配置が図13と異なる構成となっている(例えば、非特許文献1参照)。具体的には、図14の構成においては、給電用導体204及び接地用導体205に対向する側において、短絡用導体206が上下2つのパッチ201、202の一端の間に接続されて両者を連結している。
IEEE TRANSACTIONS ON ANTENNAS AND PROPAGATION.VOL.47.NO.4.APRIL 1999 Lakhdar Zaid,Georges Kossiavas,Jean-Yves Dauvignac,Josiane Cazajous,and Alber Papiernik "Dual-Frequency and Broad-Band Antennas with Stacked Quarter Wavelength Elements"
しかしながら、上記従来の第1の方法を採用する場合は、給電点から見たときに上下2つのパッチ101、102を含む電流経路を長く確保できないため、2つの共振周波数が接近する。そのため、逆Fアンテナの広帯域化を目的に用いることが主となり、離れた2つの周波数帯での動作には適していない。
一方、上記従来の第2の方法を採用する場合は、給電点から見たときに上下2つのパッチ201、202を含む電流経路は、短絡用導体206の配置によって長く確保できるため、2つの共振周波数は比較的分離する関係に設定することができる。しかし、図14の構成においては、放射導体と接地板との間にかかる電界は、上側の上部パッチ201に比べ下側の下部パッチ202の影響が支配的となり、その電流経路が十分であっても2つの共振周波数を十分に分離することができない。
例えば、携帯電話に適用される方式としては、900MHz/1800MHzのデュアル方式が想定され、あるいは、無線LANに適用される方式としては、2.5GHz/5GHzのデュアル方式が想定される。このように、2倍程度に共振周波数を離すことが望ましいのに対し、上記従来の2つの方法では、いずれも対応することが難しいという問題があった。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、積層型面状逆Fアンテナにより、複数のパッチを積層して多数の周波数帯を共用可能なアンテナを構成する場合、アンテナサイズを大型化することなく複数の共振周波数をそれぞれ分離して設定でき、多様な方式に適用可能な多周波共用アンテナを提供することを目的としている。

上記課題を解決するために、本発明の多周波共用アンテナは、接地板の上部に平面状導体のパッチを2個以上、所定間隔で対向配置した積層型面状逆F型の多周波共用アンテナにおいて、前記パッチは略同一のサイズ及び形状を有し、前記パッチのなかで最上部にある最上部パッチと給電素子の出力端とを給電用導体で接続し、前記最上部パッチと前記接地板とを接地用導体で接続し、前記パッチを順次、短絡用導体で接続して連結し、前記短絡用導体のうち前記最上部パッチとその直下にあるパッチとを接続する短絡用導体を前記接地用導体が設けられるパッチ上の位置とは対向するパッチ上の位置に配置したことを特徴とする多周波共用アンテナである。
この発明によれば、積層型面状逆F型の多周波共用アンテナにおいて、パッチとして略同一寸法、略同一形状の平面状導体を2個以上使用し、給電素子の出力端を前記パッチのなかで最上部にあるパッチに接続するとともに、前記接地板を最上部パッチに接続し、前記パッチを順次、短絡用導体で接続して連結し、前記短絡用導体のうち前記最上部パッチとその直下にあるパッチとを接続する短絡用導体を前記接地用導体が設けられるパッチ上の位置とは対向するパッチ上の位置に配置したので、連結されるパッチの組合せに応じて複数の周波数帯で共振させることができ、多周波共用アンテナを小型かつ簡素な構成で実現することができる。そして、一体的に連結された2個以上(複数のパッチは短絡用導体を介して電流経路が長く確保されるとともに、最上部のパッチに給電用導体と接地用導体を接続するように構成したため、最上部のパッチより下層に向って各パッチ間で均衡のとれた電界結合が可能となる。よって、アンテナサイズを大型化することなく、多数の共振周波数をそれぞれ分離して設定し、広い周波数範囲に利用可能な多周波共用アンテナを実現することができる。なお、積層配置された前記複数のパッチの間隔は、全て同じ間隔である必要はない。
好ましくは、前記2個以上パッチは、最上部のパッチから最下部のパッチに向かって順番に接続される。
したがって、各パッチと接地板の間に生じる電界をより一層均等にして、パッチサイズに応じて多数の共振周波数を十分に分離することができる。
好ましくは、前記2個以上のパッチのうち、上側と下側にそれぞれパッチが対向配置される任意のパッチは、上側のパッチに接続される一方の短絡用導体と下側のパッチに接続される他方の短絡用導体が互いに該パッチ平面上で対向する位置に配置される。
これにより、2個以上のパッチを経由する電流経路を十分に長くすることができ、小型のアンテナサイズであっても多数の共振周波数に対応することができる。
一態様において、前記接地用導体及び前記複数の短絡用導体は、それぞれ前記パッチと共通の幅を有する板状の導体で形成される。
したがって、多周波に対応する携帯端末等において内蔵が可能であって製造性に優れた多周波共用アンテナを組み込むことができる。
一態様において、前記2個以上のパッチの個数は2個である。この場合、多周波共用アンテナは2周波アンテナとして使用される。
この構成によれば、積層型面状逆Fアンテナにおいて、アンテナサイズを大型化することなく、十分に離れた2つの周波数帯での動作を実現することができる。例えば、使用する2周波数が略1対2の周波数比を有する2周波共用アンテナを実現できる。
本発明によれば、複数のパッチを順次積層して、各パッチを連結する短絡用導体と、最上部のパッチに接続した給電用導体及び接地用導体とを設け、少なくとも一つの短絡用導体を接地用導体に対しパッチ平面上で対向するように配置したので、多数の周波数帯を共用する際、十分に分離した多数の周波数帯に対応できる。この場合、電流経路を長く確保できること、及び、各層と接地板との電界を均等にできることが相まって、アンテナサイズを大型化することなく、多数の共振周波数を広い周波数範囲にわたって十分に分離し、多様な方式に適用可能な多周波共用アンテナを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、本発明の多周波共用アンテナの一例として、2つの周波数帯を共用可能な2周波共用アンテナに対して本発明を適用する場合を説明する。
まず、本実施形態に係る2周波共用アンテナの構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る2周波共用アンテナ1の構造を示す斜視図である。また、図1の2周波共用アンテナ1に関し、図2に上面図を示すとともに、図3に側面図を示す。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る2周波共用アンテナ1は、上部パッチ11と、下部パッチ12と、接地板13の3つの層が順次積層された構造を有している。上部パッチ11は、下部パッチ12の上部に積層され下部パッチ12と所定の間隔を置いて平行に対向配置されるとともに、下部パッチ12は、接地板13の上部に積層され接地板12と所定の間隔を置いて平行に対向配置される位置関係にある。また、図2からわかるように、上部パッチ11と下部パッチ12は、いずれも略同一サイズの矩形状の導体で形成されている。なお、接地板13は、上部パッチ11及び下部パッチ12よりも十分に広いサイズの接地パターンを有して形成されることを想定している。
上方に配置される上部パッチ11の端部においては、給電用端子11a及び接地用端子11bが設けられている。それぞれ、給電点としての給電用端子11aには給電用導体15が接続され、接地用端子11bには接地用導体16が接続されている。給電用導体15は下方に延伸され、給電素子14の出力端と電気的に接続されている。この給電素子14の接地端は、接地板13と電気的に接続されている。また、接地用導体16は、給電用導体15に並行して下方に延伸され、接地板13の接地パターンと電気的に接続されている。
なお、給電用導体15と接地用導体16との間隔は、2周波共用アンテナ1の所望のインピーダンスを調整可能な範囲で適切に設定することが望ましい。
一方、上部パッチ11において、接地用端子11bの位置に対しパッチ11の平面上で対向する位置の端部に設けられた接続部11cには、短絡用導体17が接続されている。短絡用導体17は下方に延伸され、下部パッチ12の端部に設けられた接続部12aと電気的に接続されている。このように、短絡用導体17は、上下に対向配置される上部パッチ11と下部パッチ12を一体的に連結する役割がある。
下部パッチ12には、短絡用導体17のみが接続され、それ以外の導体は接続されていない。すなわち、接地板13の側から見ると、給電用導体15及び接地用導体16を経由して上方にある上部パッチ11が基端側に接続され、上部パッチ11から短絡用導体17を経由して下方にある下部パッチ12が先端側に接続された1つのアンテナパターンが形成されることになる。
なお、図1〜図3の構成においては、給電用導体15及び接地用導体16は互いに近接した配置になっているが、ある程度の距離を離した配置にしてもよい。ただし、給電用導体15及び接地用導体16が、パッチ平面上で短絡用導体17に対向する位置関係を保つような配置にすることが条件になる。例えば、上部パッチ11には、その端部に限らず中央寄りの所定位置に給電点を設けることができ、そこから給電用導体15に接続するようにしてもよい。
また、図1〜図3の構成においては、接地用導体16と短絡用導体17がともに線状の導体で形成される例を示しているが、これらを板状の導体で形成してもよい。例えば、これらの各導体は、上部パッチ11を構成する矩形の一辺の長さを有する板状の導体であってもよい。
ここで、図4は、本実施形態に係る2周波共用アンテナ1の変形例に関して図1に対応する構造を示す斜視図である。この変形例においては、上部パッチ11、下部パッチ12、接地板13の構造は、概ね図1の場合と共通であるが、給電用導体21、接地用導体22、短絡用導体23の構造と配置が異なっている。
図4に示すように、上部パッチ11における中央寄りの位置に給電用端子11aが設けられ、そこに給電用導体21が接続されている。給電用導体21は下方に延伸され、下部パッチ12に設けた貫通穴12bを通って、接地板13に設けた給電素子14の出力端と電気的に接続されている。
一方、図4に示すように、接地用導体22及び短絡用導体23は、図1の場合とは異なり、それぞれ上部パッチ11の一辺と同じ幅に形成された板状の導体からなる。接地用導体22は、上部パッチ11の一辺と接地板13の所定位置との間を電気的に接続する。また、短絡用導体23は、上下で対向する上部パッチ11及び下部パッチ12のそれぞれの一辺の間を電気的に接続する。
なお、接地用導体22を上部パッチ11の一辺から垂直下方に向かうように形成する場合、接地用導体22と下部パッチ12が直接接触することを避ける必要がある。そのためには、下部パッチ12を上部パッチ11のサイズよりも若干小さいサイズで形成すればよい。
以下、上述のように構成される2周波共用アンテナ1の動作について説明する。本実施形態においては、低周波側の共振周波数と高周波側の共振周波数とを共用できるように2周波共用アンテナ1を動作させる。そして、低周波側の共振周波数に対しては、上部パッチ11及び下部パッチ12が一体的に放射素子として動作する一方、高周波側の共振周波数に対しては、主に上部パッチ11が放射素子として動作する。
2周波共用アンテナ1を携帯電話用のアンテナとして採用する場合、多様な方式に適合するためには、できるだけ離れた2つの周波数帯に対して適用できることが望ましい。図1に示すような本実施形態の構成においては、上部パッチ11上で給電用導体15及び接地用導体16が、短絡用導体17から離れた配置となる。これにより、高周波側の共振周波数に対応する電流経路に比べ、低周波側の共振周波数に対応する電流経路については、上部パッチ11から短絡用導体17を経て下部パッチ12に至るまで長い距離を確保できることになる。そのため、電流経路の違いにより2つの周波数帯における波長の違いが大きくなり、2つの周波数帯を分離する場合に有利な構成となる。
また、本実施形態の構成では、接地板13から給電用導体15及び接地用導体16を経由して、まず上部パッチ11に接続され、次いで下部パッチ12に接続されるように接続順が規定されている。これにより、上部パッチ11は、全体のアンテナパターンの基端側に近い放射素子となり、下部パッチ12は、全体のアンテナパターンの基端側から遠く先端側に近い放射素子となる。そのため、これら2つの放射導体と接地板13の間の電界は、比較的均等にかかることになる。よって、従来のように上下のパッチからの電界が不均等になることを避けることができ、2つの周波数帯をさらに分離することが可能となる。
なお、上述したように、上部パッチ11と下部パッチ12は、略同一サイズである場合に限らず、両者を異なるサイズで構成可能であるが、このように異なるサイズにすることで上下の放射導体の大きさを自在に変化させ、2つの共振周波数の関係を適切に調整可能としてもよい。また、上部パッチ11と下部パッチ12の形状は、矩形状に限ることなく、放射導体として動作し得る限り任意の形状にすることができる。
次に、本実施形態に係る2周波共振アンテナ1に関してシミュレーションによるアンテナ特性の検討結果を説明する。2周波共用アンテナ1のシミュレーションにおいては、1GHz近辺と2GHz近辺の2つの周波数帯で用いることを想定するとともに、図4に示すような基本構造を有する2周波共用アンテナ1を対象とした。図5は、シミュレーションの対象とした2周波共用アンテナ1の具体的な構造を示す図である。それぞれ、図5(a)が上面図であり、図5(b)が側面図である。
表1は、図5に示す2周波共用アンテナ1についての設計条件を示している。かかる設計条件を決める際は、2つの周波数帯についてインピーダンス整合及び放射特性が適正な範囲で確保できるように調整を行うとともに、上部パッチ11と下部パッチ12の間隔及び下部パッチ12と接地板13の間隔をそれぞれ放射特性が適正になるように調整を行った。なお、短絡用導体23から離れた中央寄りに上述の給電用端子11aに相当する給電点を設定した。
Figure 0003966855
一方、図5に示す2周波共用アンテナ1とのアンテナ特性の比較のため、本実施形態の構成を採用しない従来の2周波共用アンテナについて比較のシミュレーションを行った。ここでは、図6、図7にそれぞれ構成を示すような2種のタイプの2周波共用アンテナを想定した。図6に示す第1のタイプにおいては、接地用導体22が下部パッチ12と接地板13とを接続し、この接地用導体22と同じ側に設けた短絡用導体23が上部パッチ11と下部パッチ12を接続する位置関係にある。また、図7に示す第2のタイプにおいては、接地用導体22が下部パッチ12と接地板13とを接続し、この接地用導体22と対向する側に設けた短絡用導体23が上部パッチ11と下部パッチ12を接続する位置関係にある。また、第1のタイプと第2のタイプのいずれも、下部パッチ12の所定位置に給電点12aが設けられ、給電用導体21を介して給電素子14に接続されている。
表2は、図6に示す第1のタイプの2周波共用アンテナ1についての設計条件を示している。また表3は、図7に示す第2のタイプの2周波共用アンテナ1についての設計条件を示している。それぞれの設計条件を決める際は、表1の設計条件と同様、アンテナ特性を適正化できるように調整を行った。

Figure 0003966855
Figure 0003966855
図8は、表1の設計条件に適合する2周波共用アンテナ1のアンテナ特性のうち、周波数とVSWRの関係を示す図であり、周波数0.5〜2.5GHzの範囲におけるVSWRの変化をグラフ化している。このグラフによれば、周波数1GHzの近くにVSWRの第1のピークが現れるとともに、周波数2GHzの近くにVSWRの第2のピークが現れている。このように、低周波側及び高周波側の2つの共振周波数は、本実施形態に係る2周波共用アンテナ1の作用に基づき、2倍程度に分離した特性となっている。
これに対し、図9は、表2の設計条件に適合する図6の構成についての周波数とVSWRの関係を示す図であり、図10は、表3に設計条件に適合する図7の構成についての周波数とVSWRの関係を示すである。いずれも、図8の場合と同様、周波数0.5〜2.5GHzの範囲におけるVSWRの変化をグラフ化している。
図9のグラフによれば、VSWRの2つのピークが近接して、周波数1.25〜1.5GHzの範囲にわたって分離していない周波数特性となっている。一方、図10のグラフによれば、周波数1.25GHzの近くにVSWRの第1のピークが現れるとともに、周波数1.65GHzの近くに第2のピークが現れ、2つの共振周波数が分離しているものの、図8の場合と比べると、2つの共振周波数が十分に離れた特性にはなっていない。
このように、本実施形態に係る2周波共用アンテナ1を用いることにより、従来の構成に比べて、2つの共振周波数を十分に分離する特性を実現することができることが確認された。すなわち、従来の図6の構成においては、接地用導体22と短絡用導体23が上部パッチ11及び下部パッチ12に対して同じ側に配置され、電流経路を長く確保できない。さらに、従来の図6及び図7の双方の構成においては、下部パッチ12に給電点が設けられているので、アンテナパターンの基端側に近い下部パッチ12は、上部パッチ11よりも接地板13との間の電界が強くなって均等な電界分布が得られない。本実施形態に係る2周波共用アンテナ1では、これらの要因を回避し得る構成を採用しているので、図6と図7のいずれの構成と比べても、2つの共振周波数を広く離すことが可能となる。
次に、3つ以上の周波数帯を共用可能な多周波共用アンテナに対して本発明を適用する場合を説明する。上記の2周波共用アンテナ1は、2つのパッチと接地板13を積層された3層構造を有しているが、本発明をN周波共用アンテナに適用する場合は、N個のパッチと接地板が積層されたN+1層構造とする必要がある。
図11は、多周波共用アンテナの適用例として3つの周波数帯を共用可能な3周波共用アンテナ2の構造を示す斜視図である。また、図12は、図11の3周波共用アンテナについての側面図である。図11及び図12に示す3周波共用アンテナ2は、上部パッチ51と、中央パッチ52と、下部パッチ53と、接地板54の4つの層が順次積層された構造を有している。そして、これら4層は所定の間隔を置いて平行に対向配置されるとともに、各層のサイズ及び形状は概ね図1の場合と同様になっている。
図11においては、図1の場合と同様に、給電用導体56が上部パッチ51の給電用端子51aと給電素子55の出力端とを電気的に接続するとともに(給電素子55の接地端は接地板54と電気的に接続されている)、接地用導体57が上部パッチ51の接地用端子51bと接地板54とを電気的に接続する。また、第1の短絡用導体58が、図1と同様の配置で上部パッチ51の接続部51cと中央パッチ52の接続部52aとを電気的に接続する。
これに加えて、図11の構成では、中央パッチ52において接続部52aの位置に対向する位置の端部に設けられた接続部52bに第2の短絡用導体59が接続され、下方に延伸されて下部パッチ53の端部に設けられた接続部53aに接続されている。この第2の短絡用導体59は、上下に対向配置される中央パッチ52と下部パッチ53を一体的に連結する役割がある。
このように構成したことにより、接地板13の側から見ると、給電用導体56及び接地用導体57を経由して最上部の上部パッチ51が基端側に接続され、上部パッチ51から第1の短絡用導体58を経由して中央パッチ52に接続され。さらに中央パッチ52から第2の短絡用導体59を経由して下部パッチ53が先端側に接続された1つのアンテナパターンが形成されることになる。
なお、図11に示す3周波共用アンテナ2の場合も、図4の構成と同様に、上部パッチ51における中央寄りの所定位置に給電点を設けることができる。また、図8では、接地用導体57、第1の短絡用導体58、第2の短絡用導体59を線状の導体で形成する例を示しているが、図4の構成と同様、これらを板状の導体で形成してもよい。
上述のように構成される多周波共用アンテナ1は、3つの共振周波数を共用できるように動作する。低周波側の共振周波数に対しては、上部パッチ51、中央パッチ52、下部パッチ53が一体的に放射素子として動作し、中間の共振周波数に対しては、主に上部パッチ51と中央パッチ52が一体的に放射素子として動作し、高周波側の共振周波数に対しては、主に上部パッチ51が放射素子として動作する。
そして、図11に示す構成を採用し、給電用導体56及び接地用導体57が第1の短絡用導体58から離れた配置となるとともに、第2の短絡用導体59が第1の短絡用導体58から離れた配置となるので、周波数が低くなる場合の電流経路を十分長く確保できる。また、接地板53から給電用導体56及び接地用導体57を経由して、上部パッチ51、中央パッチ52、下部パッチ53の順で上部から下部に順次接続されるように構成されているので、2周波共用アンテナ1の場合と同様の作用で、各々の放射導体と接地板54の間の電界が比較的均等にかかることになる。これらの要因により、図11に示す多周波共用アンテナ2では、それぞれ3つの共振周波数を十分に分離することが可能となる。
以上説明した実施形態では、各パッチの接続順は上方から下方に向かって順番に接続されるような構成を説明したが、最上部のパッチに給電用導体及び接地用導体を接続すれば、途中のパッチの接続順は部分的に変更してもよい。また、複数のパッチのうち少なくとも1つのパッチにおいて短絡用導体が給電用導体及び接地用導体に対しパッチ平面上で対向する位置に配置されていれば本発明の効果を得ることができる。
本実施形態に係る2周波共用アンテナの構造を示す斜視図である。 図1の2周波共用アンテナの上面図である。 図1の2周波共用アンテナの側面図である。 本実施形態に係る2周波共用アンテナの変形例に関して図1に対応する構造を示す斜視図である。 シミュレーションの対象とした2周波共用アンテナの具体的な構造を示す図であり、図5(a)が上面図、図5(b)が側面図である。 比較のシミュレーションの対象とした従来の構成の2周波共用アンテナのうち、第1のタイプの具体的な構造を示す図であり、図5(a)が上面図、図5(b)が側面図である。 比較のシミュレーションの対象とした従来の構成の2周波共用アンテナのうち、第2のタイプの具体的な構造を示す図であり、図5(a)が上面図、図5(b)が側面図である。 表1の設計条件に適合する2周波共用アンテナについての周波数とVSWRの関係を示す図である。 表2の設計条件に適合する図6の構成についての周波数とVSWRの関係を示す図である。 表3の設計条件に適合する図7の構成についての周波数とVSWRの関係を示す図である。 本実施形態に係る多周波共用アンテナの適用例としての3周波共用アンテナの構造を示す斜視図である。 図11の3周波共用アンテナの側面図である。 従来の逆Fアンテナを多層化する第1の方法における構成を示す図である。 従来の逆Fアンテナを多層化する第2の方法における構成を示す図である。
符号の説明
1…2周波共用アンテナ
2…3周波共用アンテナ
11…上部パッチ
12…下部パッチ
13…接地板
14…給電素子
15…給電用導体
16…接地用導体
17…短絡用導体
11…上部パッチ
12…下部パッチ
13…接地板
14…給電素子
15、21…給電用導体
16、22…接地用導体
17、23…短絡用導体
51…上部パッチ
52…中央パッチ
53…下部パッチ
54…接地板
55…給電素子
56…給電用導体
57…接地用導体
58…第1の短絡用導体
59…第2の短絡用導体

Claims (6)

  1. 接地板の上部に平面状導体のパッチを2個以上、所定間隔で対向配置した積層型面状逆F型の多周波共用アンテナにおいて、
    前記パッチは略同一のサイズ及び形状を有し、
    前記パッチのなかで最上部にある最上部パッチと給電素子の出力端とを給電用導体で接続し、
    前記最上部パッチと前記接地板とを接地用導体で接続し、
    前記パッチを順次、短絡用導体で接続して連結し、
    前記短絡用導体のうち前記最上部パッチとその直下にあるパッチとを接続する短絡用導体を前記接地用導体が設けられるパッチ上の位置とは対向するパッチ上の位置に配置したことを特徴とする多周波共用アンテナ。
  2. 前記短絡用導体により、前記2個以上のパッチは、最上部のパッチから最下部のパッチに向かって順番に接続されることを特徴とする請求項1に記載の多周波共用アンテナ。
  3. 前記パッチのうち、上側と下側にそれぞれパッチが対向配置される任意のパッチは、上側のパッチに接続される一方の短絡用導体と下側のパッチに接続される他方の短絡用導体が互いに該パッチ平面上で対向する位置に配置されることを特徴とする請求項に記載の多周波共用アンテナ。
  4. 前記接地用導体及び前記複数の短絡用導体は、それぞれ前記パッチと共通の幅を有する板状の導体で形成されることを特徴とする請求項1に記載の多周波共用アンテナ。
  5. 前記2個以上のパッチの個数は2個であり、2周波共用アンテナとして使用されることを特徴とする請求項1記載の多周波共用アンテナ。
  6. 前記2周波共用アンテナの使用する2周波は略1対2の周波数比を有することを特徴とする請求項5記載の多周波共用アンテナ。
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