JP3965835B2 - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶装置に係り、特に、反射型表示と透過型表示とを切り換えて表示することのできる液晶装置の構造及びこの液晶装置を用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射型液晶装置は消費電力が小さいために携帯機器や装置の表示部などに多用されているが、外光を利用して表示を視認可能にしているため、暗い場所では表示を読みとることができないという問題点があった。このため、明るい場所では通常の反射型液晶装置と同様に外光を利用するが、暗い場所では内部の光源により表示を視認可能にした形式の液晶装置が提案されている。これは、実開昭57−049271号公報などに記載されているように、液晶セルの観察側と反対側の外面に偏光板、半透過反射板、バックライトを順次配置した構成をしている。この液晶装置では、周囲が明るい場合には外光を取り入れて半透過反射板にて反射された光を利用して反射型表示を行い、周囲が暗くなるとバックライトを点灯して半透過反射板を透過させた光により表示を視認可能とした透過型表示を行う。半透過反射板は、特開平9−76393号公報に記載されているようなパール顔料を分散したフィルムを用いるのが一般的である。ところで、パール顔料を分散して作製した半透過反射板は、パール顔料の粒子によるざらつき感が反射表示時に目立ち、高画質な反射型表示が得られない。また、高い反射率の反射型表示を得にくい。
【0003】
そこで、パール顔料を用いた半透過反射板に代えて、金属薄膜上に散乱層を配置した半透過反射板が提案されている。この半透過反射板は、散乱層を用いているのでざらつき感がなく、さらに金属薄膜を用いているので高い反射率特性を実現することができる。金属薄膜に用いられる金属は、Al、Ag、Pt、Cr、Ti、Auなどを主成分とする合金が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、AlやAgなどを主成分とする合金を半透過反射板として用いているため、透過光が青味を呈していた。これは、金属の半透過反射膜を透過する光のうち可視光の短波長側は透過しやすく、長波長側は透過しにくいことによるものである。このように、金属薄膜からなる半透過反射膜を透過した光は青味を帯びているので、不要な色付きのない透過表示を得ることは困難であった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、透過表示の色付きを低減させた半透過反射型液晶装置を提供することにある。また、この液晶装置を用いた電子機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は、以下の通りである。
【0007】
本発明に記載の液晶装置は、第1基板と第2基板との間に挟持した液晶層と、前記第1基板の前記液晶層と異なる側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層と異なる側に順次配置された第2偏光板、散乱層、半透過反射層、照明装置とを備えた液晶装置において、前記半透過反射層は金属薄膜からなり、さらに光の波長が450nm、550nm、650nmのときの透過光の強度をT450、T550、T650とすると、T450<T550<T650を満たす光学構造体は、前記半透過反射層の基材として、前記半透過反射層よりも前記照明装置側の前記半透過反射層が形成された領域に設けられたことを特徴とする。
【0008】
この手段によれば、半透過反射層を透過する光の色付きを光学構造体によって低減させることができる。半透過反射層を透過する光は青味を帯びていて、概ねT450>T550>T650を満たすので、これを光学構造体の分光特性を本発明のように選ぶことによって補正する。
【0009】
なお、薄膜とは、膜厚が50nm以下の金属膜のことである。通常、半透過反射層にはAlが主成分の金属が用いられるが、Pt、CrやAgなどの可視光領域の外光を反射させることのできる金属であれば、その材料は特に限定されるものではない。金属薄膜は、プラスティックフィルム上に蒸着やスパッタなどで形成することができる。
【0010】
光学構造体は、透過型表示のときにのみ、その役割を果たすことが望ましいので、可能な限り半透過反射層と照明装置の間に配置する。
【0011】
また、本発明に記載の液晶装置は、第1基板と第2基板との間に挟持した液晶層と、前記第1基板の前記液晶層と異なる側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層と異なる側に順次配置された散乱層、第2偏光板、半透過反射層、照明装置とを備えた液晶装置において、前記半透過反射層は金属薄膜からなり、さらに光の波長が450nm、550nm、650nmのときの透過光の強度をT450、T550、T650とすると、T450<T550<T650を満たす光学構造体は、前記半透過反射層の基材として、前記半透過反射層よりも前記照明装置側の前記半透過反射層が形成された領域に設けられたことを特徴とする。
【0012】
この手段によれば、半透過反射層を透過する光の色付きを光学構造体によって低減させることができる。半透過反射層を透過する光は青味を帯びていて、概ねT450>T550>T650を満たすので、これを光学構造体の分光特性を本発明のように選ぶことによって補正する。
【0013】
なお、薄膜とは、膜厚が50nm以下の金属膜のことである。通常、半透過反射層にはAlが主成分の金属が用いられるが、Pt、CrやAgなどの可視光領域の外光を反射させることのできる金属であれば、その材料は特に限定されるものではない。金属薄膜は、プラスティックフィルム上に蒸着やスパッタなどで形成することができる。
【0014】
光学構造体は、透過型表示のときにのみ、その役割を果たすことが望ましいので、可能な限り半透過反射層と照明装置の間に配置する。
【0015】
また、本発明に記載の液晶装置は、第1基板と第2基板との間に挟持した液晶層と、前記第1基板の前記液晶層と異なる側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層と異なる側に順次配置された第2偏光板、散乱層、半透過反射層、照明装置とを備えた液晶装置において、前記半透過反射層は金属薄膜からなり、さらに透過光の色相b(CIE1976規格 L表示系)が、b>0を満たす光学構造体は、前記半透過反射層の基材として、前記半透過反射層よりも前記照明装置側の前記半透過反射層が形成された領域に設けられたことを特徴とする。
【0016】
この手段によれば、半透過反射層を透過する光の色付きを光学構造体によって低減させることができる。半透過反射層を透過する光は青味を帯びていて、概ねb<0を満たすので、これを光学構造体の色相を本発明のように選ぶことによって低減されることができる。
【0017】
なお、薄膜とは、膜厚が50nm以下の金属膜のことである。通常、半透過反射層にはAlが主成分の金属が用いられるが、Pt、CrやAgなどの可視光領域の外光を反射させることのできる金属であれば、その材料は特に限定されるものではない。金属薄膜は、プラスティックフィルム上に蒸着やスパッタなどで形成することができる。
【0018】
光学構造体は、透過型表示のときにのみ、その役割を果たすことが望ましいので、可能な限り半透過反射層と照明装置の間に配置する。
【0019】
色相b(CIE1976規格 L表示系)は、JIS−Z−8729(JISハンドブック33「色彩−1996」日本規格協会編集)にて規定されている指標である。
【0020】
また、本発明に記載の液晶装置は、第1基板と第2基板との間に挟持した液晶層と、前記第1基板の前記液晶層と異なる側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層と異なる側に順次配置された散乱層、第2偏光板、半透過反射層、照明装置とを備えた液晶装置において、前記半透過反射層は金属薄膜からなり、さらに透過光の色相b(CIE1976規格 L表示系)が、b>0を満たす光学構造体は、前記半透過反射層の基材として、前記半透過反射層よりも前記照明装置側の前記半透過反射層が形成された領域に設けられたことを特徴とする。
【0021】
この手段によれば、半透過反射層を透過する光の色付きを光学構造体によって低減させることができる。半透過反射層を透過する光は青味を帯びていて、概ねb<0を満たすので、これを光学構造体の色相を本発明のように選ぶことによって低減されることができる。
【0022】
なお、薄膜とは、膜厚が50nm以下の金属膜のことである。通常、半透過反射層にはAlが主成分の金属が用いられるが、Pt、CrやAgなどの可視光領域の外光を反射させることのできる金属であれば、その材料は特に限定されるものではない。金属薄膜は、プラスティックフィルム上に蒸着やスパッタなどで形成することができる。
【0023】
光学構造体は、透過型表示のときにのみ、その役割を果たすことが望ましいので、可能な限り半透過反射層と照明装置の間に配置する。
【0024】
色相b(CIE1976規格 L表示系)は、JIS−Z−8729(JISハンドブック33「色彩−1996」日本規格協会編集)にて規定されている指標である。
【0042】
また、本発明に記載の液晶装置は、前記光学構造体が半透過反射層の基材であり、当該基材を前記照明装置に向けて配置されることを特徴とする。
【0043】
この手段によれば、半透過反射層を透過する光の色付きを半透過反射層を形成した基材自体によって低減させることができる。半透過反射層を透過する光は青味を帯びているので、これを基材の色相を本発明のように選ぶことによって補正する。また、基材は液晶装置の観察者から見て半透過反射層の下側に位置するので、基材の色相は反射型表示に影響を与えないという利点がある。
【0048】
さらに、本発明に記載の電子機器は、前記のいずれかに記載の液晶装置を搭載し、バッテリー駆動を主として使用される携帯機器であることを特徴とする。
【0049】
この手段によれば、反射型表示と透過型表示とを切り換えて表示することのできる半透過反射型液晶装置を用いた携帯型電子機器を実現することができる。このような電子機器は、明るい場所でも暗い場所でも、周囲の外光に関係なく高画質で不要な色付きのない表示を実現でき、視認性に優れている。明るい場所では照明装置を点灯させる必要がないので、長時間のバッテリー駆動が可能となる。暗い場所では透過型表示に不要な色付きがないので、非常に視認性が高いという利点がある。
【0050】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0051】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る液晶装置の第1実施形態の構造を示す概略縦断面図である。この実施形態は基本的に単純マトリクス型の液晶表示装置に関するものであるが、同様の構成によりアクティブマトリクス型の装置や他のセグメント型の装置、その他の液晶装置にも適用することは可能である。
【0052】
この実施形態では、2枚の透明基板103,106の間に液晶層105が枠状のシール材104によって封止されて、液晶セルが形成されている。液晶層105は、240度のツイスト角を持つネマチック液晶で構成されている。上側の透明基板103の内面上には複数のストライプ状の透明電極113がITOなどにより形成されている。透明電極113の表面上には配向膜114が形成され、所定方向にラビング処理が施されている。
【0053】
一方、下側の透明基板106の内面上には、ITOからなる透明電極116、配向膜115が順次形成されている。
【0054】
上側の透明基板103の外面上に偏光板101が配置され、偏光板101と透明基板103との間に位相差板102が配置されている。また、液晶セルの下側には、透明基板106の背後に偏光板107が配置され、この偏光板107の背後に散乱層108、膜厚が約20nmの薄膜Al109、薄膜Al109の基材110が順次配置されている。そして、基材110の下側には、白色光を発する蛍光管111と、この蛍光管111に沿った入射端面を備えた導光板112とを有するバックライトが配置されている。導光板112は裏面全体に散乱用の粗面が形成され、或いは散乱用の印刷層が形成されたアクリル樹脂板などの透明体であり、光源である蛍光管111の光を端面にて受けて、液晶セル側にほぼ均一な光を放出するようになっている。その他のバックライトとしては、LED(発光ダイオード)やEL(エレクトロルミネセンス)などを用いることもできる。
【0055】
まず、反射型表示について説明する。外光は図1における偏光板101、位相差板102、上側透明基板103をそれぞれ透過し、液晶層105、下側透明基板106、偏光板107、散乱層108を通過後、薄膜Al109によって一部が反射され、再び偏光板101から出射される。このとき、透明電極113と透明電極116によって液晶層105へ電圧を印加する。この印加電圧によって明状態と暗状態、及びその中間の明るさを制御することができる。散乱層108は広視野角で明るい表示を実現するために用いられる。
【0056】
次に、透過型表示について説明する。バックライトからの光は薄膜Al109からその一部が散乱層108、偏光板107、下側透明基板106を透過後、液晶層105に導入される。ここで、液晶層105に導入された光は、液晶層105への印加電圧に応じて、偏光板101を透過(明状態)する状態と吸収(暗状態)する状態、及びその中間の状態を制御することができる。
【0057】
このように、透過表示時は薄膜Al109を透過する光を用いて表示を行うので、薄膜Al109による着色が問題となる。図3は、本実施形態に用いた薄膜Alを透過した光の分光特性を表す図である。AlやAgなどの金属薄膜をスパッタ法や蒸着法で形成すると、通常、短波長側の透過率が長波長側の透過率よりも高くなる傾向がある。図3においては、Ttr450=18.0%、Ttr550=16.8%、Ttr650=15.1%である。この傾向を補正するために、図5のような分光特性を持つ偏光板を本実施形態に採用した。図5においては、T450=41.0%、T550=42.5%、T650=43.7%である。図5に示すような偏光板を用いることによって、無彩色な白表示が可能となり、視認性の高い透過型表示を実現することができた。
【0058】
(第2実施形態)
第1実施形態と同様な構成の液晶装置において、薄膜Alの色相bを算出した。そのときの色相bは、−5.0であった。日東電工株式会社の偏光板カタログから抜粋した偏光板の色相を表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0003965835
【0060】
表1のNo.1〜4の偏光板はbが負であり、薄膜Alの色付きを助長してしまうので、本発明では採用することができない。No.5〜9の偏光板はbが正であり、薄膜Alの色付きを低減させることが可能であるので、これらを採用した。特に、薄膜Alのbが−5.0であるので、液晶装置の上側と下側の偏光板には商品名:EG1225DUを選択した。上側偏光板と下側偏光板は、同じ特性の偏光板でなくとも構わない。
【0061】
以上のように、偏光板を薄膜Alの色相を低減するように選択することで、無彩色な白表示が可能となり、視認性の高い透過型表示を実現することができた。
【0062】
(第3実施形態)
図2は本発明に係る液晶装置の第3実施形態の構造を示す概略縦断面図である。この実施形態は基本的に単純マトリクス型の液晶表示装置に関するものであるが、同様の構成によりアクティブマトリクス型の装置や他のセグメント型の装置、その他の液晶装置にも適用することは可能である。
【0063】
この実施形態では、2枚の透明基板203,206の間に液晶層205が枠状のシール材204によって封止されて、液晶セルが形成されている。液晶層205は、255度のツイスト角を持つネマチック液晶で構成されている。上側の透明基板203の内面上には複数のストライプ状の透明電極213がITOなどにより形成されている。透明電極213の表面上には配向膜214が形成され、所定方向にラビング処理が施されている。
【0064】
一方、下側の透明基板206の内面上には、ITOからなる透明電極216、配向膜215が順次形成されている。
【0065】
上側の透明基板203の外面上に偏光板201が配置され、偏光板201と透明基板203との間に位相差板202が配置されている。また、液晶セルの下側には、透明基板206の背後に散乱層208が配置され、この散乱層208の背後に偏光板207、膜厚が約20nmの薄膜Al209、薄膜Al209の基材210が順次配置されている。そして、基材210の下側には、白色光を発する蛍光管211と、この蛍光管211に沿った入射端面を備えた導光板212とを有するバックライトが配置されている。導光板212は裏面全体に散乱用の粗面が形成され、或いは散乱用の印刷層が形成されたアクリル樹脂板などの透明体であり、光源である蛍光管211の光を端面にて受けて、液晶セル側にほぼ均一な光を放出するようになっている。その他のバックライトとしては、LED(発光ダイオード)やEL(エレクトロルミネセンス)などを用いることもできる。
【0066】
まず、反射型表示について説明する。外光は図2における偏光板201、位相差板202、上側透明基板203をそれぞれ透過し、液晶層205、下側透明基板206、散乱層208、偏光板207を通過後、薄膜Al209によって一部が反射され、再び偏光板201から出射される。このとき、透明電極213と透明電極216によって液晶層205へ電圧を印加する。この印加電圧によって明状態と暗状態、及びその中間の明るさを制御することができる。散乱層208は広視野角で明るい表示を実現するために用いられる。なお、散乱層208は粘着剤を兼ねていても良い。
【0067】
次に、透過型表示について説明する。バックライトからの光は薄膜Al209からその一部が偏光板207、散乱層208、下側透明基板206を透過後、液晶層205に導入される。ここで、液晶層205に導入された光は、液晶層205への印加電圧に応じて、偏光板201を透過(明状態)する状態と吸収(暗状態)する状態、及びその中間の状態を制御することができる。
【0068】
このように、透過表示時は薄膜Al209を透過する光を用いて表示を行うので、薄膜Al209による着色が問題となる。図3は、本実施形態に用いた薄膜Alを透過した光の分光特性を表す図である。AlやAgなどの金属薄膜をスパッタ法や蒸着法で形成すると、通常、短波長側の透過率が長波長側の透過率よりも高くなる傾向がある。図3においては、Ttr450=18.0%、Ttr550=16.8%、Ttr650=15.1%である。この傾向を補正するために、図4のような分光特性を持つ絶縁膜を本実施形態に採用した。絶縁膜は透明電極216と配向膜215の間に形成した。図4においては、T450=83.5%、T550=88.1%、T650=92.7%である。図4に示すような絶縁膜を用いることによって、無彩色な白表示が可能となり、視認性の高い透過型表示を実現することができた。
【0069】
本実施形態では、絶縁膜を透明電極216と配向膜215の間に形成することによって、金属薄膜(Al)の透過光の色付きを補正したが、絶縁膜の位置は特に規定されるものではない。透過光が通過しさえすれば、どこにあっても構わない。また、絶縁膜の代わりに透明基板203、206、透明電極213、216、配向膜214、215を用いても良い。また、この内2つ以上を組み合わせて補正を行っても構わない。さらに、色素を添加するなどした液晶材料の色相、液晶の複屈折性を利用した色相、色素などによって着色した位相差板の色相、位相差板の複屈折性を利用した色相などによって金属薄膜の色相を補正しても良い。
【0070】
(第4実施形態)
第1実施形態と同様な構成の液晶装置(図1)において、散乱層108に注目した。薄膜Al109を透過する光の分光特性は図3であり、散乱層によって前方散乱される光の散乱強度特性は図6に示す通りである。
【0071】
これまで説明してきたように、青味を帯びた金属薄膜の透過光を黄味を帯びた散乱層の散乱特性で補正し、半透過反射型液晶装置の透過光を白色表示に近づけることができた。
【0072】
(第5実施形態)
第1実施形態と同様な構成の液晶装置(図1)において、薄膜Al109を形成した基材110に注目した。薄膜Al109を透過する光の分光特性は図3であるので、基材110を透過する光の分光特性を図4のように設計することで、半透過反射型液晶装置の透過光を白色表示に近づけることができた。なお、基材110にはPETフィルムやポリカーボネートフィルムなどを用いることができ、その素材は本発明の条件を満たすものであれば、特に規定されない。
【0073】
(第6実施形態)
第1実施形態と同様な構成の液晶装置(図1)において、薄膜Al109の基材110と照明装置の導光板112との間に図4のような特性を持つ光学フィルムを配置し、照明光の色相bを+6.2とした。薄膜Al109を透過する光の色相bは−4.8であるので、照明光によって半透過反射型液晶装置の透過光を白色表示に近づけることができた。
【0074】
なお、照明装置の発光特性自体の色相が本発明の条件を満たしていても構わない。また、導光板や導光板上に用いられる散乱フィルムが本発明の条件を満たしていても構わない。
【0075】
(第7実施形態)
本発明の請求項16記載の電子機器の例を3つ示す。
【0076】
本発明の液晶装置は、様々な環境下で用いられ、しかも低消費電力が必要とされる携帯機器に適している。
【0077】
図7(a)は携帯電話であり、本体の前面上方部に表示部が設けられる。携帯電話は、屋内屋外を問わずあらゆる環境で利用される。特に自動車内で利用されることが多いが、夜間の車内は大変暗い。従って携帯電話に利用される表示装置は、消費電力が低い反射型表示をメインに、必要に応じて補助光を利用した透過型表示ができる半透過反射型液晶装置が望ましい。本発明の液晶装置は、反射型表示でも透過型表示でも従来の液晶装置より不要な色付きがなく、視認性が高い。
【0078】
図7(b)はウォッチであり、本体の中央に表示部が設けられる。ウォッチ用途における重要な観点は、高級感である。本発明の液晶装置は、視認性が高いことはもちろん、光の波長による特性変化が少ないために色づきも小さい。従って、従来の液晶装置と比較して、大変に高級感ある表示が得られる。
【0079】
図7(c)は携帯情報機器であり、本体の上側に表示部、下側に入力部が設けられる。また表示部の前面にはタッチ・キーを設けることが多い。通常のタッチ・キーは表面反射が多いため、表示が見づらい。従って、従来は携帯型と言えども透過型液晶装置を利用することが多かった。ところが透過型液晶装置は、常時バックライトを利用するため消費電力が大きく、電池寿命が短かかった。このような場合にも本発明の液晶装置は、反射型でも半透過反射型でも、透過型でも表示が不要な色付きがなく鮮やかであるため、携帯情報機器に利用することが出来る。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、金属薄膜による透過表示の色付きを低減させ、視認性が高い半透過反射型液晶装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶装置の第1実施形態の構造を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明に係る液晶装置の第3実施形態の構造を示す概略縦断面図である。
【図3】薄膜Alの分光特性を示す図である。
【図4】本発明に係る光学構造体の分光特性を示す図である。
【図5】本発明に係る偏光板の分光特性を示す図である。
【図6】本発明に係る散乱層の散乱特性を示す図である。
【図7】本発明に係る液晶装置を搭載した電子機器の概略図である。
【符号の説明】
101、107、201、207…偏光板
102、202…位相差板
103、203…上側透明基板
104、204…シール剤
105、205…液晶層
106、206…下側透明基板
112、212…導光板
111、211…蛍光管
113、116、213、216…透明電極
114、115、214、215…配向膜
109、209…薄膜Al(半透過反射層)
108、208…散乱層
110、210…基材
tr450…450nmにおける薄膜Alの透過率
tr550…550nmにおける薄膜Alの透過率
tr650…650nmにおける薄膜Alの透過率
450…450nmにおける光学構造体の透過率
550…550nmにおける光学構造体の透過率
650…650nmにおける光学構造体の透過率

Claims (5)

  1. 第1基板と第2基板との間に挟持した液晶層と、前記第1基板の前記液晶層と異なる側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層と異なる側に順次配置された第2偏光板、散乱層、半透過反射層、照明装置とを備えた液晶装置において、前記半透過反射層は金属薄膜からなり、さらに光の波長が450nm、550nm、650nmのときの透過光の強度をT450、T550、T650とすると、
    450<T550<T650
    を満たす光学構造体は、前記半透過反射層の基材として、前記半透過反射層よりも前記照明装置側の前記半透過反射層が形成された領域に設けられたことを特徴とする液晶装置。
  2. 第1基板と第2基板との間に挟持した液晶層と、前記第1基板の前記液晶層と異なる側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層と異なる側に順次配置された散乱層、第2偏光板、半透過反射層、照明装置とを備えた液晶装置において、前記半透過反射層は金属薄膜からなり、さらに光の波長が450nm、550nm、650nmのときの透過光の強度をT450、T550、T650とすると、
    450<T550<T650
    を満たす光学構造体は、前記半透過反射層の基材として、前記半透過反射層よりも前記照明装置側の前記半透過反射層が形成された領域に設けられたことを特徴とする液晶装置。
  3. 第1基板と第2基板との間に挟持した液晶層と、前記第1基板の前記液晶層と異なる側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層と異なる側に順次配置された第2偏光板、散乱層、半透過反射層、照明装置とを備えた液晶装置において、前記半透過反射層は金属薄膜からなり、さらに透過光の色相b(CIE1976規格 L表示系)が、
    >0
    を満たす光学構造体は、前記半透過反射層の基材として、前記半透過反射層よりも前記照明装置側の前記半透過反射層が形成された領域に設けられたことを特徴とする液晶装置。
  4. 第1基板と第2基板との間に挟持した液晶層と、前記第1基板の前記液晶層と異なる側に配置された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶層と異なる側に順次配置された散乱層、第2偏光板、半透過反射層、照明装置とを備えた液晶装置において、前記半透過反射層は金属薄膜からなり、さらに透過光の色相b(CIE1976規格 L表示系)が、
    >0
    を満たす光学構造体は、前記半透過反射層の基材として、前記半透過反射層よりも前記照明装置側の前記半透過反射層が形成された領域に設けられたことを特徴とする液晶装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の液晶装置を搭載し、バッテリー駆動を主として使用される電子機器。
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