JP3962340B2 - 漏電遮断器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主電路の漏電電流が所定値以上になったとき主電路を開放する漏電遮断器、特にその機能を確認するためのテスト回路を有する漏電遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の漏電遮断器の一例の構成を説明するブロック回路図である。この漏電遮断器は、図示されていない開閉機構によって主電路を開閉する開閉接触子1、三相の主電路導体2が貫通し漏電電流を検知する零相変流器3、零相変流器3の二次コイル4に接続され漏電電流が所定の動作設定値を超えたとき出力を発生する電子回路からなる漏電検出回路5及び漏電検出回路5から出力が発せられたとき動作して開閉機構を介して開閉接触子1を開離させる電磁石装置6を有する。
【0003】
漏電検出回路5は、電源回路7及び比較回路8を含んでいる。電源回路7は、主電路の異相間に接続された全波整流素子9、全波整流素子9の出力電圧を分圧して比較回路8に低電位差の電源を供給するとともに比較回路8が確実に作動する電流が流れるように選定された定電流素子10及び定電圧ダイオード11を有する。
比較回路8は、動作設定値に応じた基準電圧を発生する基準電圧発生手段、この基準電圧と二次コイル4の電流に比例して発生する信号電圧とを比較する比較素子、信号電圧が基準電圧を超えたとき導通状態となり電磁石装置6を動作させるスイッチング素子を備える。なお、漏電遮断器には動作設定値を調整できるものがあり、この場合は基準電圧発生手段の電圧を調整できる可調整手段12を備える。図5に示されている漏電遮断器の場合は、切替スイッチ13を▲1▼、▲2▼及び▲3▼と切り替えて抵抗値の異なる抵抗素子14、15及び零抵抗を適宜選択的に接続して、動作設定値を3段階に切り替えることが可能である。
【0004】
漏電遮断器には動作設定値以上の漏電電流が流れたとき確実に動作して主電路が開放されることを確認するために擬似的な漏電電流(以下、「テスト電流」という。)を流すテスト回路を設けることが求められている。従来の漏電遮断器のテスト回路は、互いに直列に接続されたテストボタン16とテスト電流を調整するための抵抗素子17とを有し、この直列回路が零相変流器3を挿通するように主電路の異相間に接続された構成となっている。
【特許文献1】
特開平11−339629号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来の漏電遮断器のテスト回路には次のような問題があった。
第1は、抵抗素子17として大容量のものを使う必要があるという問題である。すなわち、主電路の電源が図5において漏電遮断器の下部端子に接続された逆接続状態においてテストされたとき、主電路が開放されてもテスト回路には主電路電圧の印可状態が継続する。テストボタン16が押し続けられると抵抗素子17にはテスト電流が流れ続けるためジュール熱により損傷する恐れがある。この損傷を防止するため抵抗素子17は大容量のものを選択する必要があり、その結果、従来の漏電遮断器は寸法が大きく高価なものであった。
【0006】
第2は、テスト電流が大きくなりすぎるという問題である。すなわち、テストはできるだけ動作設定値に近い電流で行われた方が信頼性があるが、複数の主電路電圧に共用できる漏電遮断器にあっては、例えば交流100Vの主電路において適切なテスト電流値となるように抵抗素子17を選定した漏電遮断器は、交流400Vの主電路においてテストを行った時は、動作設定値が同じであるにも関わらず、100Vにおけるテスト電流の約4倍のテスト電流が流れることとなる。また、動作設定値を変更できる漏電遮断器にあっては、動作設定値が500ミリアンペアで500ミリアンペア流れるように抵抗素子17を選定した漏電遮断器を、動作設定値が100ミリアンペアになるように切り替えてテストすると設定値の5倍のテスト電流が流れることになる。
【0007】
さらに、主電路に動作設定値(Iset)未満の漏電電流(Ig)が流れている状態でテストを行う場合を想定するとテスト電流をより大きく設定しなければならないという問題がある。すなわち、このテストの場合漏電電流(Ig)とテスト電流(It)が干渉しあい、図6を参照して、特に両電流が逆位相になっていることを想定すると、零相変流器3の二次コイル4には(It−Ig)に相当する電流しか誘起されない。開閉接触子1を開離させるためには(It−Ig)が動作設定値(Iset)より大である必要があるため、特に(Ig≒Iset)の場合を想定すると、動作設定値の約2倍以上のテスト電流が流れるように抵抗素子17を選定しておく必要がある。
したがって、本願発明は大容量の抵抗器を必要とすることのない小型・安価で、かつ、信頼性のある漏電遮断器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、請求項1の発明は、主電路導体(2)、主電路を開閉する開閉接触子(1)、主電路に流れる漏電電流を検知する零相変流器(3)、零相変流器(3)の二次コイル(4)が接続され漏電電流が動作設定値を超えたとき出力を発生する漏電検出回路(5)、漏電検出回路(5)の出力によって開閉接触子(1)を開離させる電磁石装置(6)及び主電路導体の相間に互いに直列に接続された接点(20)と零相変流器(3)の一次側に配置された接続線(22)とを有し該接点(20)をONにすることによって擬似的に漏電電流を通電させるテスト回路、を備えた漏電遮断器において、テスト回路は、接点(20)及び接続線(22)と直列に接続された定電流素子(10,21)を有することとしている。このような構成により、テスト回路に流れる電流は、定電流素子によって一定となるため、テスト電流を制限する大容量の抵抗素子が不要となるとともにテスト電流は主電路の電圧によって変動しない。
【0009】
さらに、テスト回路は、主電路導体の相間に接続された全波整流素子(9)を有し、接点(20)と定電流素子(10,21)は全波整流素子(9)の出力側に接続されることとしている。このような構成により、主電路に漏電電流が流れている状態でテストを行って、漏電電流とテスト電流との零相変流器の二次コイルに重畳して誘起される電流は、テスト電流が全波整流波形であるためテスト電流だけが流された場合より小さくならない。
【0010】
さらに、請求項2の発明は、請求項1の発明において、漏電検出回路(5)は、テスト回路の全波整流素子(9)を兼ねる全波整流素子(9)を含む電源回路(7)及び漏電電流と動作設定値とを比較する比較回路(8)を有し、接点(20)、定電流素子(21)及び接続線(22)は比較回路(8)と並列になるように接続されたこととしている。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、漏電検出回路(5)は、テスト回路の全波整流素子(9)を兼ねる全波整流素子(9)及びテスト回路の定電流素子(10)を兼ねる定電流素子(10)を含む電源回路(7)並びに漏電電流と動作設定値とを比較する比較回路(8)を有し、テスト回路は定電流素子(10)と直列に接続された抵抗素子(27)を有し、抵抗素子(27)は接点(20)及び接続線(22)と並列になるように接続されたこととして、漏電検出回路に流れる電流をテスト電流として利用することにしている。
【0012】
さらに、請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、接続線(22)は零相変流器(3)の鉄心にコイル状に巻かれて構成されるとともに、二次コイル(4)との電位差がより小さい部分において漏電検出回路(5)に接続されたこととしているため、零相変流器内部に配置されるコイル状の接続線(22)と二次コイル(4)との絶縁を簡単なものにできる。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、漏電検出回路(5)は動作設定値を切り替える第1切替装置(13)を有し、テスト回路は第1切替装置(13)と連動して切り替わる第2切替装置(23)、定電流素子と常時直列に接続された抵抗素子(24,27)及び第2切替装置(23)によって常時接続抵抗素子(24,27)と選択的に並列に接続される少なくとも1の抵抗素子(25,26,28,29)を有し、第1切換装置(13)を切り替えたとき接続線(22)に流れる電流が切り替えられた動作設定値に対応して切り替わることとしている。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1ないし図5に示されている第1実施例及び第2実施例の漏電遮断器において説明する。なお、従来技術と実質的に同等の部材については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0015】
図1に示されている第1実施例の漏電遮断器は、図5の従来の技術の漏電遮断器の構成からテストボタン16と抵抗素子17を取り去り、テストボタン20、定電流素子21、零相変流器3の鉄心に巻かれたテストコイル22、切替スイッチ13と連動して切り替わる切替スイッチ23及び切替スイッチ23によって選択的に接続される抵抗素子25,26を全波整流素子9の出力側に直列に接続するとともに、抵抗素子24をテストコイル22、切替スイッチ23及び抵抗素子25,26の直列回路と並列に接続したテスト回路を含んだ構成となっている。テストコイル22はテスト電流が小さくとも二次コイル4の誘起電流を大きくするために設けられたものであって、例えば巻数が10回のものは零相変流器3を1回挿通する場合のテスト電流の1/10のテスト電流によって二次コイル4には略等しい出力電流が誘起される。
【0016】
切替スイッチ13を▲1▼、▲2▼及び▲3▼に切り替えたとき動作設定値(Iset)がそれぞれ(Iset1)>(Iset2)>(Iset3)に切り替わるこの第1実施例の漏電遮断器の動作を以下に説明する。
図1の状態においてテストボタン20をONにすると、テスト回路の電流は、全波整流素子9の一端から定電流素子21を経て、テストコイル22と接点▲4▼に切り替えられている切替スイッチ23を流れる経路と抵抗素子24を流れる経路とに分流し、全波整流素子9の他端に至る経路で流れる。このとき、(抵抗素子24に流れる電流):(テストコイル22に流れる電流)=(テストコイル22の抵抗値):(抵抗素子24の抵抗値)の関係がある。したがって、定電流素子21、抵抗素子24及びテストコイル22は、動作設定値が最大値(Iset1)に設定されているときの最適のテスト電流(It1)がテストコイル22に流れるようなものが選択されている。
【0017】
次に、切替スイッチ13を接点▲2▼に切り替えると切替スイッチ23が接点▲5▼に切り替わり、電流は、抵抗素子25とテストコイル22との直列回路及び抵抗素子24とに分流する。このとき、(抵抗素子24に流れる電流):(テストコイル22に流れる電流)=(抵抗素子25とテストコイル22の合成抵抗値):(抵抗素子24の抵抗値)の関係があり、抵抗素子25は、動作設定値が(Iset2)に設定されているときの最適のテスト電流(It2)がテストコイル22に流れるようなものが選択されている。
同様に、切替スイッチ13を接点▲3▼に切り替えると切替スイッチ23が接点▲6▼に切り替わり、電流は、抵抗素子26とテストコイル22との直列回路及び抵抗素子24とに分流する。このとき、(抵抗素子24に流れる電流):(テストコイル22に流れる電流)=(抵抗素子26とテストコイル22の合成抵抗値):(抵抗素子24の抵抗値)の関係があり、抵抗素子26は、動作設定値が(Iset3)に設定されているときの最適のテスト電流(It3)がテストコイル22に流れるようなものが選択されている。
なお、図1から明らかなように比較回路8とテストコイル22は並列に接続された関係にあり、比較回路8の消費電流となる定電流素子10の電流とテスト電流を制御する定電流素子21の電流は独立した関係にある。また、本実施例ではテストコイル22が切替スイッチ23と直列に接続されているが、この実施例の変形例1としてテストコイル22を抵抗素子24と直列に接続してもよく、この場合はテストコイル22の内部抵抗と抵抗素子24が常時接続抵抗素子として作用する。さらに、変形例2として変形例1から抵抗素子24を省略してもよく、この場合はテストコイル22の内部抵抗が常時接続抵抗素子として作用する。いずれの変形例の場合も、接点▲4▼に抵抗素子を接続するとともに、切替スイッチ23が接点▲4▼、▲5▼及び▲6▼に切り替えられたときテストコイル22にそれぞれテスト電流(It1)、(It2)及び(It3)が流れるような抵抗値を有する抵抗素子24、25,26及び接点▲4▼に接続する抵抗素子を選択すればよい。
【0018】
図2に示されている第2実施例の漏電遮断器は、図5に示されている従来の漏電遮断器からテストボタン16と抵抗素子17を省略し、定電流素子10と直列に抵抗素子27を接続し、抵抗素子27と並列にテストボタン20、テストコイル22及び切替スイッチ23が直列に接続されたテスト回路を含んだ構成となっている。
【0019】
この漏電遮断器の動作について説明する。図2の状態において、常時は電源回路の電流は全波整流素子9→定電流素子10→比較回路8→抵抗素子27→全波整流素子9の経路で流れる。テストボタン20をONにすると、電流は抵抗素子27の部分でテストボタン20、テストコイル22及び切替スイッチ23から構成されている直列回路と抵抗素子27とに分流する。このとき、(抵抗素子27に流れる電流):(テストコイル22に流れる電流)=(テストコイル22の内部抵抗値):(抵抗素子27の抵抗値)の関係がある。したがって、定電流素子21、抵抗素子27及びテストコイル22は、動作設定値が最大値(Iset1)に設定されているときの最適のテスト電流(It1)がテストコイル22に流れるものが選択されている。
【0020】
次に、切替スイッチ13を接点▲2▼に切り替えると切替スイッチ23が接点▲8▼に切り替わり、電流は、テストボタン20、テストコイル22、切替スイッチ23及び抵抗素子28とから構成される直列回路と抵抗素子27とに分流する。このとき、(抵抗素子27に流れる電流):(テストコイル22に流れる電流)=(抵抗素子28とテストコイル22の合成抵抗値):(抵抗素子27の抵抗値)の関係があり、抵抗素子28は動作設定値が(Iset2)に設定されているときの最適のテスト電流(It2)がテストコイル22に流れるものが選択されている。
同様に、切替スイッチ13を接点▲3▼に切り替えると切替スイッチ23が接点▲9▼に切り替わり、電流は、テストボタン20、テストコイル22、切替スイッチ23及び抵抗素子29とから構成される直列回路と抵抗素子29と抵抗素子27とに分流する。このとき、(抵抗素子27に流れる電流):(テストコイル22に流れる電流)=(抵抗素子29とテストコイル22の合成抵抗値):(抵抗素子27の抵抗値)の関係があり、抵抗素子29は動作設定値が(Iset3)に設定されているときの最適のテスト電流(It3)がテストコイル22に流れるものが選択されている。
すなわち、前述した第1実施例とは異なり、第2実施例の漏電遮断器は、比較回路8とテストコイル22が直列に接続された関係にあり、比較回路8の消費電流となる定電流素子10の電流の一部がテストコイル22に流れる電流となる。
【0021】
以上のような構成の第1実施例及び第2実施例の漏電遮断器は、次のような特徴を有する。
第1に、第1実施例においては定電流素子21、第2実施例においては定電流素子10が電圧に関わりなく所定値以上の電流が流れないような機能を備えているため主電路の電圧によってテスト電流が変動することはない。
第2に、テストコイル22に流れるテスト電流は、定電流素子21、10や抵抗素子24,25,26,27,28、29などの素子を選択することにより自由に設定できる。
第3に、切替スイッチ13、23や抵抗素子14,15、24、25、26、28,29などを省略して動作設定値切替型でない漏電遮断器を構成できる。
【0022】
第4に、零相変流器3を小形に構成できる。図1を参照して、第1実施例の漏電遮断器の切替スイッチ23は、二次コイル4が漏電検出回路5に接続されている接続点Aとほとんど電位差のない接続点Bにおいて漏電検出回路5に接続されている。また、抵抗素子24、25、26及びテストコイル22は、全波整流素子9の出力側の電位差の大部分が定電流素子21によって分担されるような抵抗値のものが選択されている。このため、二次コイル4とテストコイル22との電位差が小さい構成となっている。このような構成は、安価で小形の零相変流器3を実現することに寄与している。すなわち図3を参照して、零相変流器3は製作及び構成の容易性などから、鉄心3aに絶縁物30を介して二次コイル4を巻き、さらに絶縁物31を介してテストコイル22を巻いた2段積みの構成で、その外側を絶縁物33で覆った構成となっている。二次コイル4に誘起される電流はわずかであるため、両コイルの間に漏れ電流があると誤動作する結果となることから、両コイル間は確実に絶縁する必要がある。しかし、本実施例の零相変流器3は両コイルの電位差が低いため両コイル間に介在させる絶縁部材31は簡単なものでよい。この特徴は、第2実施例の漏電遮断器も同様である。
【0023】
第5に、主電路の漏電電流の有無に関わらずテスト電流を一定にできる。すなわち、図4は、主電路に動作設定値(Iset)未満の漏電電流(Ig)が流れている状態で、テスト電流(It)を流した場合の両電流の波形を示している。図4に示されているテスト電流(It)は、漏電電流(Ig)と逆位相又は同一位相の交流電流が全波整流されたものであって定電流素子の作用によっていびつな波形となっているが、その値は漏電電流が流れていない状態でテストを行うときの最適の電流値となっている。なお、図4におけるテスト電流(It)は、テストコイル22の巻数をNとすると、上述したテストコイル22に流すテスト電流(It1)、(It2)又は(It3)をN倍した電流で表されている。
【0024】
このテスト電流(It)は一次側では正値のみであるが、二次コイル4に誘起される電流(It sec)は一次側の電流の半サイクルの時間中に正値及び負値を有する1サイクルが形成される交番電流となる。このテスト電流による誘起電流(It sec)の正値や負値及び波形は零相変流器の構成やテスト回路の構成などによって定まる。したがって、上述した第1及び第2の実施例では、動作設定値にできるだけ近いテスト電流を通電するため、テスト電流による誘起電流(It sec)の正のピーク値及び負のピーク値の絶対値のいずれか大きいほうの値が、動作設定値を二次コイル4の出力電流に換算した二次動作設定電流値(Iset sec)より大きく且つできるだけ小さいテスト電流(It)が流れるような回路構成となっている。なお、比較回路8は、二次コイル4に誘起される電流のピーク値を検知して基準値と比較して出力を発生するように構成されている。
【0025】
このような電流値を有するテスト電流(It)を通電することによって、動作設定値未満の漏電電流が流れている状態でも漏電検出回路を動作させることができる。例えばテスト電流(It)による誘起電流(It sec)の正のピーク値を基準として決定されたテスト電流を通電した場合について検証する。整流されていない漏電電流(Ig)によって二次コイル4には一次側と同一サイクルで交番電流が誘起される。この状態でテスト電流が通電されると、漏電電流による誘起電流(Ig sec)にテスト電流の誘起電流(It sec)が重畳される。テスト電流による誘起電流(It sec)が重畳されたときの漏電電流による誘起電流(Ig sec)の最初の半波が負値であるとき、両電流の合成電流の正のピーク値はテスト電流による誘起電流(It sec)の正のピーク値より小さくなるため漏電検出回路は動作しないことがある。しかし、漏電電流による誘起電流(Ig sec)の次の半波は正値であるため合成電流の正のピーク値はテスト電流による誘起電流(It sec)の正のピーク値より大きくなるため漏電検出回路は動作する。テスト電流による誘起電流(It sec)の正のピーク値と漏電電流による誘起電流(Ig sec)の瞬時値が零値が同時に発生する場合も、当然漏電検出回路は動作する。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した形態で実施され、定電流素子によってテスト電流が制御されるように構成されており、大容量の抵抗素子が不要な小形で安価な漏電遮断器を提供できるとともに、テスト回路電圧によってテスト電流が左右されない信頼性の高い電圧共用形の漏電遮断器を提供できるという効果を奏する。
【0027】
また、テスト電流が全波整流波形になるよう構成されていることにより、漏電電流が流れている状態でテストが行われても零相変流器の二次コイルに誘起される出力はテスト電流だけが流された場合より小さくならない。このため、漏電電流の有無並びにその位相を考慮してテスト電流を大きくする必要がないため、信頼性の高い漏電遮断器を提供できるという効果も奏する。
さらに、テスト回路は、漏電検出回路の整流素子などを兼用するためより小形で安価な漏電遮断器を提供できるという効果も奏する。
【0028】
さらに、テスト電流を零相変流器に設けたテストコイルに流すように構成されていることによりテスト電流を小さくできるため、定電流素子や整流素子としてより小容量のものを選定できるほか、テストコイルと二次コイルが互いに電位差が小さくなる部分で漏電検出回路に接続されるように構成されているため零相変流器において両コイルの絶縁を簡単なものにできることによって、小形で安価な漏電遮断器を提供できるという効果も奏する。
【0029】
また、テスト電流を切り替える抵抗素子が接続された第2切替装置(23)を動作設定値を切り替える第1切替装置と連動して切り替わるように設けて各設定値に応じたテスト電流を流すことができるように構成したため、より信頼性の高い動作電流値可調整形の漏電遮断器を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の漏電遮断器を説明するブロック回路図である。
【図2】本発明の第2実施例の漏電遮断器を説明するブロック回路図である。
【図3】第1実施例及び第2実施例の漏電遮断器の零相変流器3を説明する断面図である。
【図4】第1実施例及び第2実施例の漏電遮断器の零相変流器の一次側の電流波形を説明する図である。
【図5】従来の漏電遮断器を説明するブロック回路図である。
【図6】図5の漏電遮断器の電流波形を説明する図である。
【符号の説明】
1 開閉接触子
2 主電路導体
3 零相変流器
4 二次コイル
5 漏電検出回路
6 電磁石装置
7 電源回路
8 比較回路
9 全波整流素子
10、21 定電流素子
12 可調整手段
13、23 切替スイッチ
14,15、24,25,26,27,28,29 抵抗素子
20 テストボタン
22 テストコイル
31 絶縁部材

Claims (5)

  1. 主電路導体(2)、主電路を開閉する開閉接触子(1)、前記主電路に流れる漏電電流を検知する零相変流器(3)、前記零相変流器(3)の二次コイル(4)が接続され前記漏電電流が動作設定値を超えたとき出力を発生する漏電検出回路(5)、前記漏電検出回路(5)の出力によって前記開閉接触子(1)を開離させる電磁石装置(6)及び前記主電路導体の相間に互いに直列に接続された接点(20)と前記零相変流器(3)の一次側に配置された接続線(22)とを有し該接点(20)をONにすることによって擬似的に漏電電流を通電させるテスト回路、を備えた漏電遮断器において、
    前記テスト回路は、前記主電路導体の相間に接続された全波整流素子(9)と該全波整流素子(9)の出力側に前記接点(20)及び前記接続線(22)に直列に接続された定電流素子(10,21)とを有することを特徴とする漏電遮断器。
  2. 前記漏電検出回路(5)は、前記テスト回路の全波整流素子(9)を兼ねる全波整流素子(9)を含む電源回路(7)及び前記漏電電流と動作設定値とを比較する比較回路(8)を有し、
    前記接点(20)、前記定電流素子(21)及び前記接続線(22)は前記比較回路(8)と並列になるように接続されたことを特徴とする請求項1の漏電遮断器。
  3. 前記漏電検出回路(5)は、前記テスト回路の全波整流素子(9)を兼ねる全波整流素子(9)及び前記テスト回路の定電流素子(10)を兼ねる定電流素子(10)を含む電源回路(7)並びに前記漏電電流と動作設定値とを比較する比較回路(8)を有し、
    前記テスト回路は前記定電流素子(10)と直列に接続された抵抗素子(27)を有し、前記抵抗素子(27)は前記接点(20)及び前記接続線(22)と並列になるように接続されたことを特徴とする請求項1の漏電遮断器。
  4. 前記接続線(22)は前記零相変流器(3)の鉄心にコイル状に巻かれて構成されるとともに、前記二次コイル(4)との電位差がより小さい部分において前記漏電検出回路(5)に接続されたことを特徴とする請求項2又は3の漏電遮断器。
  5. 前記漏電検出回路(5)は前記動作設定値を切り替える第1切替装置(13)を有し、前記テスト回路は前記第1切替装置(13)と連動して切り替わる第2切替装置(23)、前記定電流素子と常時直列に接続された抵抗素子(24,27)及び前記第2切替装置(23)によって前記常時接続抵抗素子(24,27)と選択的に並列に接続される少なくとも1の抵抗素子(25,26,28,29)を有し、
    前記第1切換装置(13)を切り替えたとき前記接続線(22)に流れる電流が前記切り替えられた動作設定値に対応して切り替わることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの漏電遮断器。
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