JP3961280B2 - 位置決め制御装置及び位置決め制御方法、並びに部品実装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動対象物を予め定められた位置に移動して位置決めをする位置決め制御装置及び位置決め制御方法、並びに、当該位置決め制御装置もしくは位置決め制御方法を使用する部品実装装置、及び部品実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品などの部品を、電子回路基板などの回路形成体の実装位置に連続して実装する部品実装装置においては、回路形成体を装置内に搬入して規正保持し、前記規正保持された回路形成体の実装位置に実装すべき部品を搬送移動して位置決めし、実装を行う。あるいは、部品を実装する位置が特定されており、前記特定された位置にて回路形成体の実装位置に部品が実装されるよう、回路形成体の方を搬送移動して位置決めし、実装を行う。図7は、この内、前者の形式である部品を搬送移動して位置決めする手段を備えた部品実装装置の主要部分を示している。
【0003】
図において、部品実装装置100は、部品実装装置100へ部品を供給する部品供給部50と、移動対象物を図のX、Y方向に平面状に搬送するロボット60と、ロボット60により搬送される実装ヘッド75と、回路形成体を搬入して保持する回路形成体保持装置80と、部品実装装置100の全体動作を制御するコントローラ90とから主に構成されている。
【0004】
ロボット60は更に、装置本体に固定されたモータ62、64によりボールねじ63、65をそれぞれ介して梁70を図のY方向に移動させるY方向駆動部と、前記Y方向駆動部により駆動される梁70に固定されたモータ72によりボールねじ73を介して実装ヘッド75を図のX方向に移動させるX方向駆動部とから構成されている。この内、前記Y方向駆動部は、単一のモータと単一のボールねじとによる駆動方式とすることも可能であるが、昨今の高速、高負荷実装要求に対応し、合わせて高剛性、高精度が実現できる複数軸(図示の例ではボールねじ63、65によるツイン軸)駆動方式とすることが普及している。
【0005】
実装ヘッド75には、実装ノズル76が図示の例では4個装着されている。実装ノズル76は、図のZ方向の上下移動とZ軸を中心とした回転が可能であり、この動作によって部品の取り出しと実装とを行う。回路形成体保持装置80は、図の電子回路基板82などの回路形成体を部品実装装置内に搬入し、部品実装の間、これを所定の位置で規正して保持する。
【0006】
以上のように構成された部品実装装置100の動作時には、各実装ノズル76により部品供給部50から部品を吸着保持した実装ヘッド75が、ロボット60に搬送されて実装位置へ向けて移動する。その間に回路形成体保持装置80は、電子回路基板82を搬入して所定位置で保持する。ロボット60による移動量は、別途認識される実装ノズル76に吸着された部品の保持状態と電子回路基板82の保持状態との情報を元に、コントローラ90が演算して制御する。実装位置で移動して停止した実装ヘッド75は、実装ノズル76を下降させ、先端に吸着保持した部品を電子回路基板82の実装位置に実装する。
【0007】
一般に、部品実装装置は、サーボモータにより回転駆動されるボールねじに沿って、移動対象物(図7に示すX方向駆動部の例では実装ヘッド75)を所定の方向に移動させるとともに、所定位置に位置決め停止させる位置決め制御装置を備えている。この位置決め制御装置における移動対象物の位置検出方式としては、サーボモータ軸と同軸に回転するロータリーエンコーダの回転数を基に検出するロータリーエンコーダ方式と、移動対象物が移動する方向に平行に取り付けられたリニアスケールの位置を移動対象物に取り付けられたリニア位置検出装置で検出するリニアエンコーダ方式とがある。
【0008】
近年、実装される部品の微小化が進み、電子回路基板には高密度実装が行われるため、部品実装装置には正確な位置決めと実装とを行うことが求められている。このような背景から、部品実装装置における位置決め制御装置は、前記2つの検出方式の内、移動対象物の位置をより正確に検出できるリニアエンコーダ方式が主流になりつつある。リニアエンコーダには更に、絶対位置をカウントにより検出するアブソリュート型エンコーダと、相対位置をカウントにより検出するインクリメンタル型エンコーダとが存在する。この内、現在では、信頼性や過去の実績面から、インクリメンタル型エンコーダが主に採用されている。このインクリメンタル型のリニアエンコーダを用いた従来技術による位置決め制御装置につき、図面を参照して説明する。
【0009】
図8は、前記インクリメンタル型リニアエンコーダ(以下、単に「リニアエンコーダ」という。)を用いた従来技術による位置決め制御装置の概略構成を示している。図8は、例えば、図7に示す部品実装装置100のX方向駆動部の主要部を取り出して示したものと想定することができる。図8において、サーボモータ1には、移動対象物4を移動させるためのボールねじ3と、ボールねじ3に螺合した移動体7とからなる移動機構が取り付けられている。移動体7には、移動対象物4(図7におけるX方向駆動部の例では実装ヘッド75)が固定されており、サーボモータ1の正逆回転により、ボールねじ3の回転を介して、移動対象物4が図の矢印R、L方向に往復移動する。移動対象物4にはリニアエンコーダ5が取り付けられ、リニアエンコーダ5は、ボールねじ3に平行に固定されたリニアスケール6を検知して位置検出を行う。サーボモータ1には、同モータ1と共に回転して回転量を検出するロータリエンコーダ2が同軸に取り付けられている。
【0010】
リニアエンコーダ5を位置検出手段に使用したサーボモータ1は、電源投入時には移動対象物4の絶対的な位置を判別することができない。このため、移動対象物4を予め基準位置として設定した原点位置に一旦復帰させ、その後、その原点位置からの相対位置を、リニアエンコーダ5の出力信号をカウントすることにより検出して位置制御している。前記の原点位置への復帰を検出するため、移動対象物4が取り付けられた移動体7には検出片8が設けられている。また、原点センサ11が前記の原点位置を設定する位置に配置され、原点位置に移動した検出片8を検出する。
【0011】
サーボドライバ10は、装置全体の動作を制御するコントローラ9からの指令と、原点センサ11の検出信号、およびロータリーエンコーダ2、リニアエンコーダ5の出力信号とに基づいてサーボモータ1の回転を制御する。通常、サーボドライバ10の内部では、ロータリーエンコーダ2の位置情報を基に速度を検出してサーボループの速度演算に使用し、また、リニアエンコーダ5の位置情報をサーボループの位置演算に使用している。しかしながら、移動対象物4までの移動機構、例えばボールねじ3などの振動要素が入る場合には、リニアエンコーダ5のみの位置情報と速度情報とをサーボルーブの演算に使用する場合もある。
【0012】
次に、図8に示す位置決め制御装置における原点復帰動作について、図9のフローチャートも参照して説明する。原点復帰動作は、ステップS1において、コントローラ9がサーボドライバ10に対し、移動対象物4を所定方向へ移動させるよう指令することにより開始される。それと同時に、ステップS2で、サーボドライバ10は、原点センサ11からの基準位置信号(原点センサがオンとなったら入力される信号)の入力を監視する原点センサ検索処理を開始する。このとき、ステップS2で一度原点センサ11がオン(Yes)になった後に、ステップS5にてリニアエンコーダのZ相が検出できない(No)で移動を続け、ステップS2に戻って原点センサ11がオフ(No)になった時は、ステップS3で、原点センサが一度オンになった後にオフになった(Yes)ことが判断され、その場合には、ステップ4で移動方向を反転する処理を行う。ステップS5において、原点復帰完了条件が成立した場合、すなわち、リニアエンコーダのZ相の検出と、原点センサ・オンとのAND条件が成立した場合、ステップS6でサーボドライバ10は移動動作を停止し、コントローラ9は指令を停止して原点復帰処理を終了する。
【0013】
以上の構成にかかる位置決め制御装置では、前記原点位置は、移動対象物4の位置を正確に検出できるリニアエンコーダ5のZ相の位置とされている。一方、ロータリーエンコーダ2のZ相は、サーボモータ1を駆動する正弦波状の電流指令を作成する基準として使用している。すなわち、リニアエンコーダ5のZ相位置は、空間的な絶対基準原点位置を定めるために使用し、ロ―タリーエンコーダ2のZ相位置は、サーボモータ1の制御に必要な電気原点(サーボモータの動作指令を行う電気波形のタイミングをとるための基準、サーボ制御の同期をとるための基準)を定めるために使用している。
【0014】
次に、サーボモータ1の駆動方法について、図10、図11を参照して説明する。ロータリーエンコーダ2のZ相が検出される前は、サーボモータ1は、モータの誘起電圧の正負に応じて出力されるCS相(コミュテーション・シグナル相)を基に、図10の下半分に示すような矩形波による駆動が行われる。すなわち、移動対象物4の位置が、例えば図10に示す位置Aにある時には、CS信号の1、3がONとなっており、したがってU、Wに電流を流す制御を行う。サーボモータ1が図の位置Bにある時には、CS信号の1、2がONなので、U、Vに電流を流す制御を行う。
【0015】
ここで、上述のCS相はCS1からCS3の総称で、CS1はU−Wの正負に応じた矩形波パルスをいい、同様にCS2はV−Uの正負に応じた、CS3はW−Vの正負に応じたそれぞれ矩形波パルスをいう。また、図11に示すように、サーボモータ1において、U、V、Wはそれぞれ三相駆動の場合のモータパワー線を示し、U−WはWをグランド(G)したときのUの誘起電圧を、同様にV−UはUをグランドしたときのVの誘起電圧を、W−VはVをグランドしたときのWの誘起電圧をそれぞれ示す。この矩形波による駆動は、上記した3つのCS信号の組み合せのみで駆動制御するもので簡易的な駆動となるので、モータを安価に構成する場合や、前記のように電源投入直後の原点復帰前の駆動などに使用されるが、高速・高精度が要求されるようなサーボモータ1の本来の用途には性能上使用することはできない。
【0016】
そこで、サーボモータ1の電気原点を、ロータリーエンコーダ2のZ相を基準に定め、この電気原点からの電気的な距離をロータリーエンコーダ2からのA相とB相で演算し、サーボモータ1の誘起電圧に比例した図10の上半分に示すような正弦波状の電流指令として出力する正弦波駆動を行うことによってサーボモータ1の性能を引き出している。図10において、ロータリーエンコーダ2のZ相位置は、CS1信号の立ち上がりと一致させ、このZ相位置とロータリーエンコーダ2の1回転あたりのA相とB相のカウント値からサーボモータ1の電気的な軸位置を把握することができ、サーボモータ1の正弦波駆動を行うことができる。このような正弦波駆動においては、1回転当たりエンコーダ分解能で得られる電気角が得られるため、高精度の駆動に適し、加速度を上げたり、サーボモータの性能限界まで使用できる。部品実装装置などでは、サーボモータ1の矩形波駆動では位置決め整定時間の短縮や、部品の認識時に必要な等速性を得ることができないため、通常は正弦波駆動が行われている。但し、電源投入直後のようにロータリエンコーダ2のZ相が検出される前は、正弦波の基準が得られないので正弦波駆動はできない。従って、その場合は、ロータリエンコーダ2のZ相が検出されるまで、上述した矩形波駆動を行う。そして、ロータリエンコーダ2のZ相が検出された時点で、正弦波駆動が可能になるので、正弦波駆動に切り換える。
【0017】
なお、通常のサーボモータ1は、回転角度を検出するA相、B相と、原点位置を示すZ相と、モータの誘起電圧の正負に応じたCS1相〜CS3相とを検出できるロータリーエンコーダ2を備えている。前記位置決め制御装置などにサーボモータ1を取り付ける際においては、リニアエンコーダ5はサーボループにおける位置や速度の制御と絶対的な原点位置を検出する用途とに使用されることが多く、電気原点やCS相をリニアエンコーダ5に備えることは、調整の難しさなどがあるためほとんど行われていない。
【0018】
前記位置決め制御装置を部品実装装置に搭載した動作例を、図12に示すフローチャートと先に説明した図7とを参照して説明する。上述のように、近年の部品実装装置では部品の小型化に伴う高速・高精度化の要求に応えるため、特にロボット60のY方向駆動部にはツイン駆動など、複数軸の高度な同期制御を行っている。ここでは、実装ヘッド75を支持する梁70を、Y方向に動作させる前記Y方向動作部のモータ62とモータ64との同期制御について説明する。電源投入時においては、モータ62、64ともに現在位置が分からないため、まず原点復帰動作を行う。この原点復帰方法については、特開平11−145694号公報などに開示された方法で行うが、その概要を図12のフローチャートに示している。図12は、基本的に図9に示す原点位置復帰動作をそれぞれの軸において行うことを示している。すなわち、図12のステップS15とステップS21とにおいて、モータ62、モータ64に対して移動対象物である梁70の原点位置の検出を各個に行い、それぞれの駆動軸(ボールスクリュー63、65)に対応するリニアエンコーダのZ相が検出されたとき、ステップS16とステップS22においてツイン軸の原点復帰が完了する。なお、原点復帰時の加速度や速度は、矩形波駆動を前提に低く抑えられているため、原点復帰時には性能面での課題はほとんど発生しない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまで説明したような従来技術による位置決め制御においては、原点復帰完了条件が「リニアエンコーダのZ相の検出」と「原点センサ・オン」とのAND条件になっているため、原点復帰動作の開始位置や移動方向によっては、ロータリーエンコーダのZ相が検出されるよりも前に原点復帰を完了してしまうことがあり得る。この原点復帰動作における状況を、図13を参照して説明する。電源投入時の移動対象物4の位置が、図に示すP1の位置にあり、原点復帰方向がマイナス(図の向かって左方向)であるとする。このとき、原点復帰動作を開始した移動対象物4は、原点センサ11の原点復帰位置検出領域内に入った後、一度ロータリーエンコーダ2のZ相を横切り(図の×印)、その後、リニアエンコーダ5のZ相で停止し、原点復帰が完了する。この場合には、ロータリエンコーダ2のZ相を一度検出することにより、その時点でサーボモータ1の駆動が図示のように矩形波駆動から正弦波駆動に切替わる。したがって、原点復帰が完了した後に行われる位置決め制御のための高加減速、高速度でのサーボモータ1の駆動は、この切替わった後の正弦波駆動により行われこととなるため、移動対象物4を駆動させる装置の駆動を問題なく行うことができる。
【0020】
しかしながら、電源投入時の移動対象物4の位置が、図13に示すP2の位置にあり、原点復帰方向がプラス(図の向かって右方向)の場合には、ロータリーエンコーダ2のZ相を一度も横切ることなく、リニアエンコーダ5のZ相を検出することで原点復帰が完了してしまう。つまり、原点復帰が完了したにもかかわらず、ロータリーエンコーダ2のZ相を検出していないため、サーボモータ1の駆動は矩形波駆動の状態のままとなっている。この際、原点復帰が完了した後の位置決め動作において、移動方向が図示のようにマイナスになったとすると、ロータリエンコーダ2の回転により最初のZ相が検出されるまでの最大約一回転分は矩形波駆動のままでサーボモータ1が駆動されることとなる。さらに、その後、ロータリエンコーダ2のZ相が検出された時には、回転中のサーボモータ1の駆動がその時点で急に矩形波駆動から正弦波駆動に切り替わることとなる。
【0021】
部品実装装置などの実機においては、電源投入後の最初の原点復帰動作は、矩形波駆動を前提として原点復帰動作における加速度や速度を低く抑えているため、矩形波駆動でも問題なく動作する。しかしながら、一度原点復帰が完了した後の位置決め制御動作においては、通常の高加速度と高速度での動作を行うため、矩形波駆動のままでサーボモータ1を駆動すると異常音が発生したり等速性が失われるなど、本来の位置決め制御性能が果たすことができない。また、サーボモータ1が加速中に矩形波駆動から正弦波駆動に制御方式が切替わると、トルクが急激に変化し、異常音が発生したり速度に脈動が出たりすることになる。
【0022】
また、最近の部品実装装置では、上述のように高速・高精度化の要求に応えるためにロボットにはツイン駆動などによる複数軸の高度な同期制御を行っている。このような用途に、上述したような従来技術によるリニアエンコーダ方式の位置決め制御を用いると、複数軸の原点復帰完了の状態によっては加速時に高度な同期処理が行うことができず、梁のねじれなどを誘発し、X軸の梁70(図7参照)にねじれが加わって、精度上や寿命上の悪影響を及ぼすこととなる。特に、部品実装装置の電源を落とす際には、動作軸の干渉を防ぐために各軸が原点復帰、または原点付近に一旦位置決めをすることが一般である。このため、次の電源投入時には、移動対象物である実装ヘッドが、リニアスケールの原点位置付近に位置決めされていることが多いこととなる。この状態で再度電源投入し、最初の原点復帰を行うと、ロータリーエンコーダのZ相を検出する前にリニアエンコーダのZ相を検出し、原点復帰を完了してしまうことが非常に多くなることになる。したがって、電源投入の度に前記のX軸の梁70に精度上や寿命上の悪影響を与えることになりかねず、大きな課題になっている。このため、以上のような課題を解決することができる、高度な位置決め制御装置が求められていた。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、位置決め制御における原点位置復帰において、事前にロータリエンコーダのZ相を検出することを原点復帰完了の条件とすることにより、前記課題を解決するもので、具体的には以下の内容を含む。
【0024】
すなわち、請求項1に記載の本発明は、サーボモータと、前記サーボモータを駆動制御するサーボドライバと、前記サーボモータの回転量を検出するロータリエンコーダと、前記サーボモータの回転により駆動される移動機構と、前記移動機構の移動量を検出するリニアエンコーダとから構成され、前記サーボドライバが、前記サーボモータの駆動に必要なCS相を前記ロータリエンコーダから検出し、ロータリエンコーダのZ相検出前またはリニアエンコーダのZ相検出前までは、前記ロータリエンコーダのCS相から得られる矩形波状の電流指令を作成し、前記ロータリエンコーダのZ相検出後またはリニアエンコーダのZ相検出後は、当該ロータリエンコーダのZ相を基準とした正弦波状の電流指令を作成して前記サーボモータを駆動するように切り換え、電源投入時に、前記移動機構により移動される移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させ、その後、前記移動対象物を所定位置まで移動させて停止し、位置決めを行う位置決め制御装置であって、前記移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させるに際し、前記リニアエンコーダのZ相を検出する前に前記ロータリエンコーダのZ相を検出するという原点復帰完了の条件が成立しているか否かを判断し、前記原点復帰完了の条件が成立したと判断した場合に、原点復帰を完了させることを特徴とする位置決め制御装置に関する。原点復帰時には予めロータリエンコーダのZ相を検出することを条件とすることによって、位置決めのための移動におけるサーボモータの駆動を事前に正弦波による駆動に切替えておくものである。
【0025】
請求項2に記載の本発明に係る位置決め制御装置は、前記移動機構により移動される前記移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させるに際し、まず前記移動対象物が原点復帰位置検出領域内にあることが原点センサによって検出され、前記原点復帰位置検出領域内において、前記ロータリエンコーダのZ相が検出され、次に前記リニアエンコーダのZ相が検出された時に、前記原点復帰完了の条件が成立したと判断し、原点復帰を完了させることを特徴としている。
【0026】
請求項3に記載の本発明に係る位置決め制御装置は、前記移動機構により移動される前記移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させるに際し、まず前記移動対象物が原点復帰位置検出領域内にあることが原点センサによって検出され、前記原点復帰位置検出領域内において、前記ロータリエンコーダのZ相が検出される前に前記リニアエンコーダのZ相が検出された場合は、前記原点復帰完了の条件が成立してないと判断して前記移動対象物の移動を継続し、前記原点復帰位置検出領域を外れた時に移動方向を反転させ、前記原点復帰位置検出領域内において、前記ロータリエンコーダのZ相が検出され、次に前記リニアエンコーダのZ相が検出された時に、前記原点復帰完了の条件が成立したと判断し、原点復帰を完了させることを特徴としている。
【0027】
請求項4に記載の本発明に係る位置決め制御装置は、前記ロータリエンコーダのZ相、次にリニアエンコーダのZ相の順に検出されるような移動方向に前記移動対象物を移動させて原点復帰をさせることを特徴としている。
【0031】
請求項5に記載の本発明に係る位置決め制御装置は、ロータリエンコーダのZ相の検出位置からリニアエンコーダのZ相の検出位置に至るオフセット量とオフセット方向とを予め設定し、前記移動対象物が前記オフセット方向へ移動して前記ロータリエンコーダのZ相を検出した位置から更に前記設定したオフセット量を移動対象物が移動した位置に達したときに、サーボドライバが、矩形波状の電流指令による駆動から正弦波状の電流指令による駆動に切り換えることを特徴としている。ロータリエンコーダのZ相を検出しても直ちに電流指令を矩形波から正弦波へ切り換えることなく、リニアエンコーダのZ相の検出によって切り換えを行うものである。
【0032】
請求項6に記載の本発明は、回路形成体を搬入して保持する回路形成体保持装置と、部品を供給する部品供給部と、前記部品供給部からの部品の取り出しと前記回路形成体への部品の実装が可能な実装ヘッドと、前記実装ヘッドを搬送するロボットと、前記回路形成体保持装置、部品供給装置、実装ヘッド、ロボットを制御するコントローラとから構成され、前記実装ヘッドにより前記部品供給部から取り出した部品を前記回路形成体の実装位置に実装する部品実装装置であって、前記部品を前記回路形成体の予め定められた実装位置に正確に位置合わせするため、前記ロボット、もしくは前記回路形成体保持装置のいずれか一方もしくは双方が、上述したいずれかの位置決め制御装置を使用することを特徴とする部品実装装置に関する。
【0034】
請求項7に記載の本発明は、移動対象物を移動するための駆動源であるサーボモータを、前記サーボモータの回転量を検出するロータリエンコーダのZ相検出前またはリニアエンコーダのZ相検出前までは前記ロータリエンコーダのCS相から得られる矩形波状の電流により駆動し、前記ロータリエンコーダのZ相検出後またはリニアエンコーダのZ相検出後は当該Z相を基準とした正弦波状の電流により駆動するように切り換え、前記移動対象物を当該移動対象物の移動量を検出するリニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に一旦復帰させ、その後、予め定められた位置まで移動させて前記移動対象物の位置決めを行う位置決め制御方法であって、前記移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させるに際し、前記リニアエンコーダのZ相を検出する前に前記ロータリエンコーダのZ相を検出するという原点復帰完了の条件が成立しているか否かを判断し、前記原点復帰完了の条件が成立したと判断した場合に、原点復帰を完了させることを特徴とする位置決め制御方法に関する。原点復帰時には予めロータリエンコーダのZ相を検出することを条件とすることによって、位置決めのための移動におけるサーボモータの駆動を事前に正弦波による駆動に切替えておくものである。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる第1の実施の形態の位置決め制御につき、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかる位置決め制御における原点復帰動作のフローチャートを示している。なお、以下の説明において、従来技術で説明したものと同一の構成要素については同一符号を使用するものとし、したがって、これら従来技術と同一の構成要素については、これまで説明した各該当図面が参照されるものとする。つまり、本実施の形態における位置決め制御装置の構成は従来技術と同じであり、図8で示される。但し、コントローラ9が制御する位置決め制御における原点復帰動作は、図1のフローに基づいて行われる。
【0038】
図1に示す本実施の形態にかかる位置決め制御の原点復帰動作は、ステップS30において、コントローラ9がサーボドライバ10に対し、移動対象物4を所定方向へ移動させるよう指令することにより開始される。それと同時に、ステップS31においてサーボドライバ10は、原点センサ11からの基準位置信号(原点センサがオンとなったら入力される信号)の入力を監視する原点センサ検索処理を開始する。このとき、ステップS31で一度原点センサ11がオン(Yes)になった後に、ステップS34でロータリエンコーダ2のZ相、ステップS35でリニアエンコーダ5のZ相が検出できない(No)で移動を続け、ステップ31に戻って原点センサ11がオフ(No)になった時は、ステップS32で、原点センサ11が一度オンになった後にオフになったこと(Yes)が判断され、その場合は、ステップS33で移動方向を反転する処理を行う。これは、移動対象物4を原点センサ11に近づける方向に移動させるようにするためである。
【0039】
次に、ステップS31で、原点センサ11がオン(Yes)となり、ステップS34で、ロータリーエンコーダ2のZ相を一回検出(Yes)したならば、ステップS35において、本来の原点位置であるリニアエンコーダ5のZ相を検出したかどうかを判断する。リニアエンコーダのZ相が検出された(Yes)と判断されれば、原点復帰の条件が成立したこととなり、ステップS36にてサーボドライバ10は移動を停止させ、コントローラ9が指令を停止して原点復帰処理を完了する。ステップS34で、ロータリーエンコーダ2のZ相がまだ検出されていなければ、ステップS31に戻り、これをロータリエンコーダ2のZ相が検出されるまで繰り返す。すなわち、図1に示すフローチャートにおいては、本来の原点位置であるリニアエンコーダ5のZ相を検出する前に、ロータリエンコーダ2のZ相を検出することを原点復帰完了の条件としている。
【0040】
図2に、上述の原点復帰におけるロータリーエンコーダ2のZ相、リニアエンコーダ5のZ相、原点センサ11の相互位置と、電源投入時の移動対象物4の位置の違いによる原点復帰動作の相違例を示す。電源投入時の移動対象物4が図に示すP3の位置にあり、移動方向がマイナス(図に向かって左方向)である場合、移動対象物4の原点復帰動作における移動により、原点センサ11、ロータリーエンコーダ2のZ相、リニアエンコーダ5のZ相の順番に検出され、リニアエンコーダ5のZ相の位置で原点復帰が完了する。ここで原点センサ11の検出とは、図8に示す原点センサ11が移動体7(もしくは移動対象物4)に取り付けられた検出片8を検出すること(このとき、原点センサ11がオンとなり、移動対象物4は図2の太帯で示す原点復帰位置検出領域内にある)、また、ロータリエンコーダ2のZ相の検出とは、ロータリエンコーダ2がサーボモータ1の原点位置を示すZ相を検出すること、そしてリニアエンコーダ5のZ相の検出とは、リニアエンコーダ5がリニアスケール6の原点位置を示すZ相を検出することをそれぞれ意味している。この場合、上述のように原点復帰前にロータリーエンコーダ2のZ相が一度検出されているため(図2の×印)、図1のフローチャートでは、ステップS34の条件が成立(Yes)した後にステップS35のリニアエンコーダ5のZ相を検出(Yes)したこととなり、ステップS36にて通常通りの原点復帰が可能である。
【0041】
これに対して、電源投入時の移動対象物4の位置が、図2に示すP4の位置にある場合、移動方向がプラス(図に向かって右方向)であるとすると、原点復帰動作における移動対象物4の移動により、まず原点センサ11の検出により、原点復帰位置検出領域内であることを検出し、次にリニアエンコーダ5のZ相を横切ることとなる。しかしながら、このときの移動は、ロータリーエンコーダ2のZ相検出前であるため、図1のフローチャートにおけるステップS34の条件が不成立(No)であり、したがって、このときのリニアエンコーダ5のZ相検出は無視される。次に、更なるサーボモータ1の回転によるプラス方向の移動でロータリーエンコーダ2のZ相が検出される(×印位置)。この検出によって、図1に示すフローチャートのステップS34の条件が成立(Yes)する。このときのロータリーエンコーダ2のZ相の検出により、サーボモータ1の駆動が矩形波駆動から正弦波駆動へ移行する。その後、更なるプラス方向の移動で原点センサ11の検出領域外となったことを検出すると、今度はステップS33で移動方向を反転させ、マイナス方向(図に向かって左方向、即ち原点センサ11検出領域内へ戻る方向)への移動となる。この移動により、再度ロータリーエンコーダ2のZ相を横切った後に、ステップS35でリニアエンコーダ5のZ相位置を検出する(Yes)ことから、これによってステップS36で原点復帰が完了して停止する。
【0042】
電源投入時の位置が図示のP3、P4以外にある場合においては、その原点復帰開始時の位置や移動方向により様々なパターンが存在するが、本発明のように原点復帰の完了条件を、「事前にロータリーエンコーダ2のZ相が検出されること」という条件を追加するだけで、全ての動作について対応することができる。
【0043】
本実施の形態にかかる原点復帰動作によれば、事前にロータリエンコーダ2のZ相が検出されることを条件とすることから、この時点でサーボモータ1の駆動が矩形波駆動から正弦波駆動に切替ることとなり、したがって原点復帰後の位置決め制御における高加減速、高速での駆動においても、駆動機構に問題を生ずることがなく、従来技術にあった課題を解消することが可能となる。
【0044】
次に、本発明にかかる第2の実施の形態の位置決め制御装置、及び位置決め制御方法につき、図面を参照して説明する。本実施の形態における位置決め制御装置の構成は、従来技術と同じで図8で示される。但し、コントローラ9が制御する位置決め制御における原点復帰動作は図4に示すフローに基づいて行われる。先の実施の形態においては、サーボドライバ10側における原点復帰の完了条件を、「事前にロータリーエンコーダ2のZ相が検出されること」としている。この条件を付加することの代替として、予め特定した原点復帰の移動方向に基づき、原点センサ11の検出位置と、ロータリーエンコーダ2のZ相の位置と、リニアエンコーダ5のZ相の位置とを調整することにより、その特定した原点復帰の移動方向に移動すると、原点センサ11の原点復帰位置検出領域内において、まずロータリーエンコーダ2のZ相を検出してからリニアエンコーダ5のZ相が検出できるようにし、このリニアエンコーダ5のZ相を検出した時点で原点復帰が完了するように構成してもよい。このような構成につき、図3と図4とを参照して説明する。
【0045】
図3において、原点センサ11の原点復帰位置検出領域内に、リニアエンコーダ5のZ相とロータリーエンコーダ2のZ相を図の左から順番に並ぶように調整する。更に、原点復帰の移動方向を常にマイナス方向(図に向かって左方向)となるように設定する。本実施の形態が適用できるものとしては、図3に示すように、移動対象物4の移動可能範囲の一端が、原点センサ11の検出領域の一端(図示の例では左側端末)と一致していること、すなわち、原点位置が移動対象物4の移動範囲の端末部に設置される、という制約条件が追加されるものとなる。図示の例でいえば、原点センサ11が左側端末に設置されていない場合には、原点復帰開始時の上述の初期移動方向がマイナスと設定されているため、対象移動物4が原点センサから離れる方向である左側へ移動してしまうからである。
【0046】
例えば、移動対象物4が、図に示す原点センサ11の原点復帰位置検出領域外であるP5の位置にあるとした場合、移動方向が予め設定した原点復帰の移動方向であるマイナス方向であるため、移動対象物4の移動にしたがって原点センサ11の検出、ロータリエンコーダ2のZ相の検出、リニアエンコーダ5のZ相の検出が、この順番にされることとなる。原点位置であるリニアエンコーダ5のZ相を検出する前に、事前にロータリエンコーダ2のZ相を検出することという条件が満たされることから、これで所望の原点復帰を完了することができる。
【0047】
原点位置復帰動作の開始時において、移動対象物4が図のP6に示すような原点センサ11の検出領域内の位置にある場合には、まず、移動方向を予め設定した原点復帰の移動方向とは逆転させてプラス方向(図に向かって右方向)とし、この移動により始めに検出するリニアエンコーダ5のZ相は、事前にロータリエンコーダ2のZ相を検出するという条件が満たされていないため(原点復帰の移動方向に移動してないため)無視され、一旦原点センサ11の検出領域外へ出る。その後、再度移動方向を逆転させて移動方向をマイナス方向(原点復帰の移動方向)とし、先のP5の位置からの検出と同様に、原点センサ11の検出、ロータリエンコーダ2のZ相の検出、リニアエンコーダ5のZ相の検出をこの順番で行い、所望の原点復帰を完了させる。
【0048】
上述の動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。原点復帰開始時に、ステップS40で、原点センサ11の原点復帰位置検出領域内であるか否かを判断し、検出領域外(No)であれば(例えば、図示のP5の位置)通常の原点復帰を行う。すなわち、移動方向を予め設定した原点復帰の移動方向であるマイナスとして(ステップS41)、ステップS44で原点センサ11を、ステップS47でロータリーエンコーダのZ相を、ステップS48でリニアエンコーダのZ相を、それぞれこの順番で検出し、ステップS49で原点復帰を完了する。ステップS40で、原点復帰開始時に移動対象物4の位置が原点センサ11の原点復帰位置検出領域内(Yes)であるなら(例えば、図3のP6の位置)、ステップS42で移動方向を予め設定した原点復帰の移動方向とは逆転させ(すなわちプラス方向とし)、ステップS44で、一旦原点センサを外れる(No)まで移動し、ステップS46で移動方向を再度反転させ(すなわちマイナス方向とし)、その後ステップS44からステップS48において、原点センサ11、ロータリーエンコーダ2のZ相、リニアエンコーダ5のZ相を、それぞれこの順番に検出して、ステップ49で原点復帰が完了する。
【0049】
以上に述べた本実施の形態にかかる位置決め制御においては、原点復帰開始時の初期移動方向が固定(図示の例ではマイナス方向)されるという制約条件が付加されるものとなる。但し、ロータリエンコーダ2のZ相、リニアエンコーダ5のZ相の検出位置の関係が上記とは逆の方向で、原点復帰の移動方向をプラス方向とするものであっても、もちろん構わない。
【0050】
次に、本発明に係る第3の実施の形態につき、図面を参照して説明する。本実施の形態における位置決め制御装置の構成は図8で示され、コントローラ9が制御する位置決め制御における原点復帰動作は、図6のフローに基づいて行われる。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態では原点復帰動作時にロータリエンコーダ2のZ相を検出した時に矩形波駆動から正弦波駆動に切り換えていたのに対して、本実施の形態ではロータリエンコーダ2のZ相を検出した後に更にリニアエンコーダ5のZ相を検出した時、矩形波駆動から正弦波駆動に切り換えるようにした点である。
【0051】
この相違点について、図5、図6を参照しながら説明する。図5に示すように、ロータリエンコーダ2のZ相の検出位置からリニアエンコーダ5のZ相の検出位置に至るまでの移動対象物4の移動量であるオフセット量と、その際の移動対象物4の特定の移動方向であるオフセット方向とが予めコントローラ9に記憶されている。
【0052】
例えば、移動対象物4が、図5に示すP7の位置からマイナス方向(図の向かって左方向)に移動する時、ロータリエンコーダ2のZ相の検出位置において(図5の×印、図6のフローのステップS54)、正弦波駆動に切り換えずに矩形波駆動のままマイナス方向への移動を続ける。次に、この時の移動方向が図示のオフセット方向(図の向かって左方向)と一致している場合には(図6のステップS55)、リニアエンコーダ5のZ相検出位置において(図6のステップS56)矩形波駆動から正弦波駆動に切り換えて移動を停止し、原点復帰を完了する。その際、ロータリエンコーダ2のZ相が検出された位置から予め記憶したオフセット量分移動した時またはその直前で、ロータリエンコーダ2のZ相を検出した位置を正弦波の立上がりとする正弦波駆動に切り換える。
【0053】
次に、移動対象物4が、図5に示すP8の位置からプラス方向(図に向かって右方向)に移動する場合、まず原点センサ11の検出の後、リニアエンコーダ5のZ相を横切るが、第1の実施の形態で説明したように、これはロータリーエンコーダ2のZ相検出前であるため無視される。次に、更なるプラス方向の移動でロータリーエンコーダ2のZ相が検出されるが、この時の移動方向は図示のオフセット方向とは逆方向であることから(図6のステップS55)、この検出も無視される。その後、更なるプラス方向の移動で原点センサ11の原点復帰位置検出領域外となった後に反転してマイナス方向(図に向かって左方向)への移動となり、この移動方向が図示のオフセット方向と一致する。以下は上述したP7に示す位置からの移動と同様に、ロータリエンコーダ2のZ相を検出し(図5の×印)、但し、正弦波駆動に切り換えずに矩形波駆動のままマイナス方向への移動を続け、リニアエンコーダ5のZ相検出位置において(図6のステップS56)矩形波駆動から正弦波駆動に切り換えて移動を停止する。
【0054】
以上の原点復帰動作を図6のフローで見ると、第1の実施の形態に示す図1のフローに対して、ステップS55が追加になっている。すなわち、ステップS55で移動対象物4の移動が予めコントローラ9に入力されている前記オフセット方向と逆方向(No)の場合には、ステップS54でロータリエンコーダのZ相が検出(Yes)されてもこれが無視され、更に移動を継続する。そしてステップS53で移動方向が反転し、前記オフセット方向と同じ方向の移動になった場合に、まずステップS54でロータリエンコーダのZ相が検出(Yes)され、その後、予め入力されたオフセット量を移動して、ステップS56でリニアエンコーダのZ相が検出(Yes)されて、ステップS57で原点復帰動作を完了する。矩形波駆動から正弦波駆動への切り換えはこのステップS56におけるリニアエンコーダのZ相の検出に合せて行われる。
【0055】
本実施の形態に係る原点復帰動作によれば、最終的な原点であるリニアエンコーダ5のZ相を検出するまでモータの回転が矩形波駆動によるため、簡易的な駆動制御を原点復帰による停止まで行うことができる。
【0056】
なお、上記では、予めロータリエンコーダ2のZ相の検出位置とリニアエンコーダ5のZ相の検出位置のオフセット量を設定するものとしたが、このオフセット量が所定量(例えば0)になるようにロータリエンコーダ2のZ相の位置又はリニアエンコーダ5のZ相の位置を調整しておくものでも構わない。
【0057】
次に、本発明に係る第4の実施の形態につき、説明する。本実施の形態は、先の第1、第2及び第3の実施の形態に示す位置決め制御方法および位置決め制御装置を、それぞれ部品実装方法および部品実装装置に適用するものである。部品実装装置においては、図7を参照して説明したように、部品供給部50から実装ヘッド75により取り出した部品をロボット60により搬送し、回路形成体保持装置80により所定位置に規正保持された回路形成体82の実装位置に部品を実装する。この際、実装ヘッド75に保持された部品は、ロボット60により、前記実装位置に正確に位置決めされる必要がある。本実施の形態は、ロボット60を構成する上述のX方向駆動部、もしくはY方向駆動部のいずれか、もしくは双方に、先の各実施の形態で示す位置決め制御方法、及び位置決め制御装置を適用することにより、信頼性の高い、安定した部品の位置決めすることが可能となる部品実装方法、及び部品実装装置を提供するものである。
【0058】
なお、部品実装装置には他に、前記ロボット60に、複数の部品吸着ノズルを円周状に配して間欠回転運動を行うインデックスを使用し、連続して高速で部品実装を行うインデックス形式のものがある。このインデックス形式の部品実装装置では、部品を保持する部品吸着ノズルの実装する位置が特定位置に決まってしまうため、回路形成体82を保持する回路形成体保持装置80の側をX、Y方向に搬送し、回路形成体の実装位置を前記部品の側の特定の実装位置に合わせて位置決めする手段が採られている。この際には、前記回路形成体保持装置を搬送する機構の側に、先の各実施の形態に示す位置決め制御装置、及び位置決め制御機構を適用することにより、同様に信頼性の高い、安定した部品実装方法、及び部品実装装置を提供することができる。さらに他の部品実装装置として、例えば部品は図5に示すX方向のみに移動し、回路形成体は同じくY方向のみに移動することによって両者の位置決めをするなど、各種組み合わせにかかる搬送手段を利用して位置決めをする形式のものがある。これら各種形式の搬送手段に対しても、先の各実施の形態に示す位置決め制御方法、並びに位置決め制御装置の適用が同様に可能である。
【0059】
以上、本発明にかかる各実施の形態の位置決め制御につき、説明してきたが、以上の説明では、ロータリーエンコーダ2のZ相位置を電気原点としている。しかしながら、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、例えば、特開昭61−39885号公報に開示されているような、CS信号のみで電気原点を検出する方法にも適用可能であることはいうまでもない。すなわち、原点復帰に際しては、事前にロータリーエンコーダ2から得られるCS信号の電気原点(例えば図10においては、CS1のパルスの立上がりのタイミングを原点とする)を検出した後であることを条件とすること(第1の実施の形態の代替の場合)、もしくは、原点復帰の際の移動方向を固定し、この方向に沿ってまずロータリーエンコーダ2から得られるCS信号の電気原点を検出し、その後にリニアエンコーダ5のZ相位置で原点復帰が完了するよう構成すること(第2、第3の実施の形態の代替の場合)とすれば、本発明にかかるロータリーエンコーダ2のZ相を電気原点とする各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、本発明にかかる位置決め制御について、以上の説明においては部品実装装置における位置決め制御を対象例としているが、本発明の適用がこの部品実装装置に限定されるものではない。例えば、被加工物を順次搬送して所定位置に位置決めして加工を行うトランスファーマシンにおける前記被加工物の位置決めや、精密機械の自動組立機における被組立て要素の位置決めにおける制御など、一般に移動対象物を所定位置に搬送して位置決め制御する際に広く適用することができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明にかかる位置決め制御装置、並びに位置決め制御方法によれば、原点復帰の完了はロータリーエンコーダのZ相検出後となるため、サーボモータを必ず正弦波駆動できる状態で原点復帰を完了させることができる。よって、原点復帰後の高加速度、高速度での位置決め動作においても、最初から正弦波駆動を行うことができ、従来の位置決め制御装置のように、矩形波駆動から正弦波駆動への切替に伴う不連続なトルク変化が原因の異常音や速度脈動を回避することができる。
【0062】
また、部品実装装置などの高度な複数軸の同期制御が要求される軸においても、前記不連続なトルク変化がないため、同期制御されるフレームにねじれを生じさせることがなく、精度上や寿命上の悪影響を装置に与えることがない。
【0063】
本発明に係る位置決め制御方法もしくは位置決め制御装置を、部品実装方法もしくは部品実装装置に適用することによれば、部品もしくは回路形成体の位置決めを高い信頼度で安定して行うことができ、位置決め精度の高い安定した電子回路基板の製造を可能とする部品実装方法、もしくは部品実装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる実施の形態の位置決め制御における原点復帰動作を示すフローチャートである。
【図2】 図1に示す原点復帰動作における各構成要素の相互関係を示す概略図である。
【図3】 本発明にかかる他の実施の形態の位置決め制御における原点復帰動作の各構成要素の相互関係を示す概略図である。
【図4】 図3に示す位置決め制御における原点復帰動作を示すフローチャートである。
【図5】 本発明にかかるさらに他の実施の形態の位置決め制御における原点復帰動作の各構成要素の相互関係を示す概略図である。
【図6】 図5に示す位置決め制御における原点復帰動作を示すフローチャートである。
【図7】 従来技術における部品実装装置を示す概略図である。
【図8】 従来技術における位置決め制御装置の概略図である。
【図9】 従来技術における位置決め制御の原点復帰動作を示すフローチャートである。
【図10】 従来技術におけるサーボモータの駆動方法を示す概賂図である。
【図11】 三相駆動のサーボモータの構成を示す概略図である。
【図12】 図7に示す部品実装装置におけるツイン駆動原点復帰動作を示すフローチャートである。
【図13】 図12に示す原点復帰動作における各構成要素の相互関係を示す概略図である。
【符号の説明】
1.サーボモータ、 2.ロータリーエンコーダ、 3.ボールねじ、 4.移動対象物、 5.リニアエンコーダ、 6.リニアスケール、 7.移動体、 8.検出片、 9.コントローラ、 10.サーボドライバ、 11.原点センサ。
Claims (7)
- サーボモータと、前記サーボモータを駆動制御するサーボドライバと、前記サーボモータの回転量を検出するロータリエンコーダと、前記サーボモータの回転により駆動される移動機構と、前記移動機構の移動量を検出するリニアエンコーダとから構成され、
前記サーボドライバが、前記サーボモータの駆動に必要なCS相を前記ロータリエンコーダから検出し、ロータリエンコーダのZ相検出前またはリニアエンコーダのZ相検出前までは、前記ロータリエンコーダのCS相から得られる矩形波状の電流指令を作成し、前記ロータリエンコーダのZ相検出後またはリニアエンコーダのZ相検出後は、当該ロータリエンコーダのZ相を基準とした正弦波状の電流指令を作成して前記サーボモータを駆動するように切り換え、電源投入時に、前記移動機構により移動される移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させ、その後、前記移動対象物を所定位置まで移動させて停止し、位置決めを行う位置決め制御装置において、
前記移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させるに際し、
前記リニアエンコーダのZ相を検出する前に前記ロータリエンコーダのZ相を検出するという原点復帰完了の条件が成立しているか否かを判断し、
前記原点復帰完了の条件が成立したと判断した場合に、原点復帰を完了させることを特徴とする位置決め制御装置。 - 前記移動機構により移動される前記移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させるに際し、まず前記移動対象物が原点復帰位置検出領域内にあることが原点センサによって検出され、前記原点復帰位置検出領域内において、前記ロータリエンコーダのZ相が検出され、次に前記リニアエンコーダのZ相が検出された時に、前記原点復帰完了の条件が成立したと判断し、原点復帰を完了させることを特徴とする、請求項1に記載の位置決め制御装置。
- 前記移動機構により移動される前記移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させるに際し、まず前記移動対象物が原点復帰位置検出領域内にあることが原点センサによって検出され、前記原点復帰位置検出領域内において、前記ロータリエンコーダのZ相が検出される前に前記リニアエンコーダのZ相が検出された場合は、前記原点復帰完了の条件が成立してないと判断して前記移動対象物の移動を継続し、前記原点復帰位置検出領域を外れた時に移動方向を反転させ、前記原点復帰位置検出領域内において、前記ロータリエンコーダのZ相が検出され、次に前記リニアエンコーダのZ相が検出された時に、前記原点復帰完了の条件が成立したと判断し、原点復帰を完了させることを特徴とする、請求項1に記載の位置決め制御装置。
- 前記ロータリエンコーダのZ相、次にリニアエンコーダのZ相の順に検出されるような移動方向に前記移動対象物を移動させて原点復帰をさせることを特徴とする、請求項1に記載の位置決め制御装置。
- ロータリエンコーダのZ相の検出位置からリニアエンコーダのZ相の検出位置に至るオフセット量とオフセット方向とを予め設定し、前記移動対象物が前記オフセット方向へ移動して前記ロータリエンコーダのZ相を検出した位置から更に前記設定したオフセット量を移動対象物が移動した位置に達したときに、サーボドライバが、矩形波状の電流指令による駆動から正弦波状の電流指令による駆動に切り換えることを特徴とする、請求項1に記載の位置決め制御装置。
- 回路形成体を搬入して保持する回路形成体保持装置と、
部品を供給する部品供給部と、
前記部品供給部からの部品の取り出しと前記回路形成体への部品の実装が可能な実装ヘッドと、
前記実装ヘッドを搬送するロボットと、
前記回路形成体保持装置、部品供給装置、実装ヘッド、ロボットを制御するコントローラとから構成され、前記実装ヘッドにより前記部品供給部から取り出した部品を前記回路 形成体の実装位置に実装する部品実装装置において、
前記部品を前記回路形成体の予め定められた実装位置に正確に位置合わせするため、前記ロボット、もしくは前記回路形成体保持装置のいずれか一方もしくは双方が、請求項1から請求項5のいずれか一に記載の位置決め制御装置を使用することを特徴とする部品実装装置。 - 移動対象物を移動するための駆動源であるサーボモータを、前記サーボモータの回転量を検出するロータリエンコーダのZ相検出前またはリニアエンコーダのZ相検出前までは前記ロータリエンコーダのCS相から得られる矩形波状の電流により駆動し、前記ロータリエンコーダのZ相検出後またはリニアエンコーダのZ相検出後は当該Z相を基準とした正弦波状の電流により駆動するように切り換え、前記移動対象物を当該移動対象物の移動量を検出するリニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に一旦復帰させ、その後、予め定められた位置まで移動させて前記移動対象物の位置決めを行う位置決め制御方法において、
前記移動対象物を前記リニアエンコーダのZ相の位置である原点位置に復帰させるに際し、
前記リニアエンコーダのZ相を検出する前に前記ロータリエンコーダのZ相を検出するという原点復帰完了の条件が成立しているか否かを判断し、
前記原点復帰完了の条件が成立したと判断した場合に、原点復帰を完了させることを特徴とする位置決め制御方法。
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