JP3959998B2 - 光拡散体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光散乱特性に異方性(特定範囲の角度で入射する光に対して光散乱を生じ、それ以外の角度で入射する光に対しては光散乱を生じず、単なる透明体として機能する)を有する光散乱体とそれを用いた表示装置に関する。
特に、前記光散乱特性により、観察方向に応じた光散乱状態の変化だけでなく、選択的な透明状態/光散乱状態による文字,絵柄などのパターン表示も可能な光散乱体とそれを用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光散乱特性に異方性を持つ光学フィルムとして、各種の提案が行なわれており、本出願人は、「フィルム内部に、屈折率の異なる部分をランダムな形状・厚さで分布させることにより、屈折率の高低からなる濃淡模様を形成し、その屈折率の異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して、傾斜して層状に分布した構成の光散乱フィルム」について、特開2000-171619号公報にて提案している。
【0003】
上記の光散乱フィルムにより、特定範囲の角度で入射する光については光散乱を生じて透過し、前記以外の角度で入射する光については光散乱を生じずにそのまま透過するような異方性を持つと共に、散乱時の指向性(方向や範囲)も制御可能な光散乱フィルムが提供される。
【0004】
上記提案による光散乱フィルムでは、特定(1種類)の範囲の角度で入射する光についてしか光散乱を生じないことになり、散乱異方性も1種類に限定されることになる。
従って、それを適用した表示装置では、表示光を生成することになる光源が、特定の範囲内に存在しないと光散乱を生じないことになり、観察条件に対する依存度が高いものとなる。
【0005】
また、従来の光散乱フィルムでは、異方性による「光散乱/透明」の切り換えが可能なだけで、光散乱フィルム自身によるパターン表示とそれによる意匠性・視覚効果の向上については考えられていない。
【0006】
さらに、異方性に合致した際の光散乱では、短波長の光の光散乱が大きく、可視波長域では「青色」の光が大きく散乱し、捕色関係にある「黄色」の光は散乱が小さく透過するような現象が確認されている。
このため、光散乱が生じた状態で光散乱フィルムを見ると、黄ばみを感じることになり、表示装置(特に、フルカラー表示を行なう用途では)への適用にあたって、好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特開2000-171619号公報に示される光散乱フィルムの散乱異方性をさらに拡げ、
環境依存性を低く(光散乱が生じる照明光の入射角度を拡げ)し、光散乱状態での「黄ばみ」を伴って視覚される事態を低減すると共に、
観察方向に応じた光散乱性の変化だけでなく、選択的な透明状態/光散乱状態による文字,絵柄などの、表示装置によるパターンとは別のパターン表示も可能とし、意匠性や視覚効果の向上した光散乱体とそれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
なお、本発明において、「散乱」という用語と「拡散」という用語を光に関して使用する場合、これらは同義である。
また、本発明による光散乱体は「フィルムもしくはシート」の形態であるが、それら「フィルム」「シート」は同義語として扱うと共に、「光散乱フィルム」または「光散乱シート」という用語も、混在して同義語として使用する場合もある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では、光散乱フィルムの異方性を決定する要因である「屈折率の異なる部分が、シートもしくはフィルムの厚さ方向で、方向を揃えて層状に分布する傾斜方向」を、単独の方向でなく2以上の方向とすることにより、上記課題の解決を図る。
【0010】
請求項1の発明は、
シートもしくはフィルムの内部で屈折率の差異からなる濃淡が内部に形成されており、屈折率の異なる部分は、シートもしくはフィルムの表面では、長辺および短辺を持つ不定形状であり、その長辺あるいは短辺が一定の方向を揃えて配置されており、シートもしくはフィルムの厚さ方向には、方向を揃えて傾斜して分布しており、その傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては光散乱を生じせしめ、その傾斜方向から外れた角度で入射する光に対しては光散乱を生じず、単に透過するように機能するような異方性を有する光散乱体の製造方法であって、
UV光源から出た紫外光をコリメート光学系により平行光とし、該平行光を開口形状が絵柄を規定するフィルターに通過させ、該フィルターを通過した平行光をUV光源とは反対側に感光材料が配置されてなるマスク原版に照射させ、マスク原版のパターンを感光材料に露光する工程と、
平行光とマスク原版とのなす角度が前記露光工程における平行光とマスク原版のなす角度と異なるようにUV光源を配置し、前記露光工程と同様にして、マスク原版のパターンを感光材料に露光する工程とを備えることを特徴とする、
屈折率の差異からなる濃淡の分布が、シートもしくはフィルム内で、シートもしくはフィルムの厚さ方向で、2以上の前記傾斜方向を有し、その傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては、選択的な透明状態/光散乱状態による絵柄のパターン表示を行なうように機能する光散乱体の製造方法である
【0011】
請求項2の発明は、
シートもしくはフィルムの内部で屈折率の差異からなる濃淡が内部に形成されており、屈折率の異なる部分は、シートもしくはフィルムの表面では、長辺および短辺を持つ不定形状であり、その長辺あるいは短辺が一定の方向を揃えて配置されており、シートもしくはフィルムの厚さ方向には、方向を揃えて傾斜して分布しており、その傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては光散乱を生じせしめ、その傾斜方向から外れた角度で入射する光に対しては光散乱を生じず、単に透過するように機能するような異方性を有する光散乱体の製造方法であって
レーザー光源から出たレーザー光を開口形状が絵柄を規定するフィルターに通過させ、該フィルターを通過したレーザー光をレーザー光源とは反対側に所定距離Fをおいて感光材料が配置されてなるすりガラスに照射し、すりガラスで透過散乱したレーザー光が作り出す干渉パターンであるスペックルパターンを感光材料に露光する工程と、
レーザー光とすりガラスとのなす角度が前記露光工程におけるレーザー光とすりガラスのなす角度と異なるようにレーザー光源を配置し、前記露光工程と同様にして、スペックルパターンを感光材料に露光する工程とを備えることを特徴とする、
屈折率の差異からなる濃淡の分布が、シートもしくはフィルム内で、シートもしくはフィルムの厚さ方向で、2以上の前記傾斜方向を有し、その傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては、選択的な透明状態/光散乱状態による絵柄のパターン表示を行なうように機能する光散乱体の製造方法である
【0012】
請求項3の発明は、
請求項1または2に記載の光散乱体を、装置の前面(観察者側)に配置した構成であることを特徴とする表示装置である。
表示装置としては、液晶表示装置やEL表示装置などが代表的であり、画像表示素子の変調によるパターン表示を行なう装置に、本発明の光散乱体が適用される。
【0013】
特に、本発明は、装置に内蔵された照明光源を必要としない反射型の液晶表示装置への適用で有効である。
近年、明るく高コントラストで、且つ、視角依存性や二重像の問題のない方式の液晶表示装置として、液晶パネルの前面(観察者側)に光散乱フィルムを配置する方式が採用されてきている。
さらに、液晶を駆動する電極が反射体を兼ねる方式(以後、このような電極を反射電極と称する)を上記方式に併用することも行なわれている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明による光散乱体(フィルム)が発揮する光学特性を説明する。
【0015】
図1(a)は、従来技術に係る光散乱体(フィルム)を示す断面図である。
図1(a)に示すように、光散乱フィルム20は、その内部で屈折率が変化して、屈折率の差異からなる濃淡が形成されており、屈折率の異なる部分は、光散乱フィルム20の厚さ方向には、方向を揃えて傾斜して分布している。
【0016】
同図で、屈折率の異なる部分の傾斜方向に沿った角度(n:一定)で入射する光に対しては光散乱を生じせしめ、
その傾斜方向から外れた角度(n:変化)で入射する光に対しては光散乱を生じず、単に透過するように機能する。
【0017】
図1(b)は、本実施形態に係る光散乱フィルム20を示す断面図であり、屈折率の異なる部分が方向を揃えて傾斜する方向は、2方向存在する。
同図で、屈折率の異なる部分の傾斜方向に沿った角度(1stおよび2ndの2方向)で入射する光に対しては光散乱を生じることになる。
従って、1stおよび2ndの2方向からの入射光に対しては、光散乱を生じるため、図1(a)に比較して異方性は向上し、光散乱フィルム20に対する入射光が光散乱を生じる状態が多くなり、表示装置に適用した場合に、表示を視覚できる観察条件が広がることになる。
【0018】
図1(b)の場合、2nd方向からの入射光について光散乱を生じる同図左側の領域では、左下がりの方向での入射光(1st方向)については光散乱を生じずに通過し、1st方向方向からの入射光について光散乱を生じる同図右側の領域では、右下がりの方向での入射光(2nd方向)については光散乱を生じずに通過する。同図の下側中央部のように、方向の異なる光散乱領域が重なって記録されている領域では、散乱異方性には影響なく、それに合致する方向からの入射光については、光散乱を生じる。
【0019】
特開2000-171619号公報に示される光散乱フィルムの作製方法では、感光材料に、所定形状の光拡散体を通過した拡散光を所定角度で入射させる/あるいは、所定形状の開口部が配列されてなるマスクパターンを通過した光を所定角度で入射させる、などの手法が採用される。 作製される光散乱フィルムは、上記の「感光材料に入射させる所定角度」に応じて「散乱異方性」が制御され、上記の「光拡散体あるいはマスクパターンが持つ開口部の所定形状」に応じて「散乱指向性」が制御される。
本発明では、光散乱フィルムが2以上の散乱異方性を有するため、作製にあたって、2以上の方向で感光材料を照射することになる。
【0020】
また、本発明では、透過/光散乱状態だけではなく、表示装置による表示パターン(画像)とは別なパターン(画像)を、光散乱フィルム10により実現することも可能である。
【0021】
光散乱フィルム20自身によるパターン(画像)の表示にあたっては、散乱異方性に合致した状態で、透過/光散乱状態の差異に基づいて、文字あるいは絵柄を表現できるようにすれば良い。
この場合、感光材料に入射させる光を、上記のような「文字あるいは絵柄」を構成するようにパターニングすることで、上記の表現が可能となる。
【0022】
パターニングの方法としては、「文字あるいは絵柄」の形状に開口(または、反転した開口)を有するマスクを通して、感光材料を露光することが有効であるが、それに限られるものではない。また、前記形状の内部に、微小な開口が多数形成された(または、反転した部分に微小な開口が多数形成された)マスクを用いても良い。
【0023】
図2は、異方性により光散乱が生じる領域の有無により、選択的な透明状態/光散乱状態に応じた文字,絵柄などのパターン表示を行なうようにした光散乱体の一例を示す説明図である。
同図では、屈折率:nの異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して2方向に傾斜して層状に分布している領域を、同図左側は文字「A」,同図右側は文字「B」の形状としている。
【0024】
上記のように、屈折率:nの異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している方向を2方向持たせ、その領域を任意の形状にすることにより、図3に示すように、第1方向の観察者1には「A」,第2方向の観察者2には「B」の文字のみを認識させることができる。
【0025】
また、選択的な「透明状態/光散乱状態」のみならず、領域毎に「光散乱性」を変調し、文字,絵柄などの階調表現をより豊かにすることも可能である。
上記の光散乱性には、光散乱度や光散乱方向・範囲(散乱指向性)を含む。
【0026】
図4は、光散乱フィルム20内で分割した3領域毎に、光散乱度を制御した場合に係る光学特性の一例を示す説明図である。
同図で光散乱フィルム20の右側から入射する平行光は、領域21を通過する際に強く散乱し、領域22,23を通過する際の光散乱度は相対的に弱くなる。
同図の例では、何れの領域でも、光散乱方向は等しい。
【0027】
図5は、光散乱フィルム20内で分割した3領域毎に、光散乱方向について散乱指向性を制御した場合に係る光学特性の一例を示す説明図である。
同図の例では、何れの領域でも、光散乱強度は等しい。
同図で光散乱フィルム20の右側から入射する平行光は、領域21を通過する際に上方に向けて散乱し、領域22,23を通過する際には、正面あるいは下方を中心として散乱する。
【0028】
また、図6に示すように、領域毎の光散乱特性を、図4,5に示すように強度や方向ではなく、範囲について制御することも可能である。
同図で光散乱フィルム20の右側から入射する平行光は、領域24を通過する際に縦(垂直)方向に強く光散乱し、領域25を通過する際に横(水平)方向に強く光散乱するような指向性を持たせることができる。
【0029】
図4の場合は、感光材料内(厚さ方向)で屈折率の異なる部分が層状に傾斜する方向は領域毎に一様であり、光散乱フィルム20の表面における屈折率の異なる部分の形状あるいは層状の密度が変化している。
図5の場合は、感光材料内(厚さ方向)で屈折率の異なる部分が層状に傾斜する方向が領域毎に変化することになる。
図6の場合は、光散乱フィルム20の表面における屈折率の異なる部分の形状が変化することになる。
これら図4,5,6に示すように、光散乱領域毎に拡散方向/指向性を任意に変化させて記録することにより、観察方向による文字,絵柄などの表示に変化を持たせることが可能であり、より豊かな表現方法を持たせることが可能となる。
【0030】
以上のような光散乱フィルムを、装置の前面(観察者側)に配置して表示装置を構成する例について、以下に説明する。
図7,8は、光散乱フィルムを用いて構成されるディスプレイの一例について、要部を概念的に示す断面図である。
【0031】
<透過型ディスプレイ>
図7は、透過/非透過によって表示画像を規定する画像表示素子(液晶パネルなど)2と、その前面(観察者側)に配置された光散乱フィルム1とで構成されるディスプレイの要部を概念的に示す断面図である。
光散乱フィルム1は、領域毎の光散乱特性が異なっており、同図では、領域a,c(着色して示す)の光散乱特性が等しく、領域bの光散乱特性はそれとは異なっている。
【0032】
同図に示すように、バックライトなどの照明光3が、表示パターン(画像)を規定する画像表示素子2を透過して、光散乱フィルム1に入射する際に、領域a,cに入射した光は、光散乱フィルム1の持つ異方性に合致して光散乱を生じて、散乱光4として出射する。領域bに入射した光は、異方性に合致せず光散乱を生じずに、散乱せずに、そのまま透過光5として出射する。
また、照明光3の方向を変えると、領域bに入射した光が光散乱を生じて散乱光4として出射することもある。散乱光4としては、光散乱パターンによる文字や絵柄であっても良い。
【0033】
尚、同図の説明では、照明光3を要するタイプのディスプレイに係る場合であったが、画像表示素子2としては、照明光3を要さず自己発光タイプであっても良い。このような画像表示素子2として、EL素子,プラズマディスプレイパネルなどが例示され、本発明の光散乱フィルムを適用することも可能である。
【0034】
<反射型ディスプレイ>
図8は、反射/非反射によって表示画像を規定する画像表示素子(反射体を備える液晶パネルなど)6と、その前面(観察者側)に配置された光散乱フィルム1とで構成されるディスプレイの要部を概念的に示す断面図である。
光散乱フィルム1は、領域毎の光散乱特性が異なっており、同図では、領域a,c(着色して示す)の光散乱特性が等しく、領域bの光散乱特性はそれとは異なっている。
【0035】
同図に示すように、外光や室内照明などの照明光(周辺光)3が、光散乱フィルム1,画像表示素子2を透過した後、表示画像に応じたパターン光として反射して、再度光散乱フィルム1に入射する際に、領域a,cに入射した光は、光散乱フィルム1の持つ異方性に合致して光散乱を生じて、散乱光4として出射する。領域bに入射した光は、異方性に合致せず光散乱を生じずに、散乱せずに、そのまま透過光5として出射する。
また、照明光3(周辺光)の方向を変えると、領域bに入射した光が光散乱を生じて散乱光4として出射することもある。散乱光4としては、光散乱パターンによる文字や絵柄であっても良い。
何れの形態のディスプレイであっても、画面全体が等しい光散乱状態でなければ、全面が同時に黄ばみを伴って視覚されることはなく、また、黄ばみを打ち消すような作用も期待されるため、光散乱フィルムの光散乱状態での黄ばみの問題は低減する。
【0036】
本発明の光散乱フィルムは、以下のように作製される。
<作製手段1>
図9は、光散乱フィルムを、ランダムマスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。
2つのUV光源7から出た紫外光をコリメート光学系8により平行光9とし、それら平行光9は、開口の形状が絵柄を規定するフィルター10を通過し、マスク原版11を照射する。マスク原版11は、ガラス基板13とランダムパターンであるクロムパターン14とからなる。
【0037】
マスク原版11のUV照射側とは反対側には、感光材料12が密着して配置されており、マスク原版11のパターンが感光材料12に露光照射される。
この際、一方のUV平行光9(同図左側)は、マスク原版11と所定角度αだけ傾いて入射されるため、パターン露光は感光材料12中で、所定角度傾いてなされることになる。この角度が、光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾斜角度に相当することになるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選択される。
また、角度αと異なる角度(同図右側における角度β)で同様の露光照射を行なうことにより、屈折率の異なる部分が層状に傾斜している方向については、複数の方向とすることが可能となる。
【0038】
<作製手段2>
図10は、光散乱フィルムを、スペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。
レーザー光源15から出たレーザー光16は、開口の形状が絵柄を規定するフィルター10を通過した後、すりガラス17を照射する。すりガラス17のフィルター10側の反対側には、所定距離Fをおいて感光材料12が配置され、すりガラス17で透過散乱したレーザー光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペックルパターンが感光材料12に露光照射される。
この際、一方のレーザー光16(同図下側)は、すりガラス17と所定角度αだけ傾いて入射されるため、パターン露光は感光材料12中で、所定角度傾いてなされることになる。この角度が、光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾斜角度に相当することになるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選択される。
また、角度αと異なる角度(同図上側における角度β)で同様の露光照射を行なうことにより、屈折率の異なる部分が層状に傾斜している方向については、複数の方向とすることが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
光散乱フィルムの散乱異方性が拡がることにより、光散乱が生じる照明光の入射角度が拡がり、光散乱状態での「黄ばみ」を伴って視覚される事態が低減すると共に、
観察方向に応じた光散乱性の変化だけでなく、選択的な透明状態/光散乱状態による文字,絵柄などの、表示装置によるパターンとは別のパターン表示も可能となり、意匠性や視覚効果が向上する。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】光散乱フィルムの光学特性(異方性)を示す説明図であり、図1(a)は従来技術,図1(b)は本発明に係る光散乱フィルムを示す説明図。
【図2】異方性により光散乱が生じる領域の有無により、選択的な透明状態/光散乱状態に応じた文字,絵柄などのパターン表示を行なうようにした光散乱体の一例を示す説明図。
【図3】図2の光散乱フィルムを観察する状態を示す説明図。
【図4】光散乱フィルムの光学特性の一例を示す説明図。
【図5】光散乱フィルムの光学特性の一例を示す説明図。
【図6】光散乱フィルムの光学特性の一例を示す説明図。
【図7】光散乱フィルムを用いて構成されるディスプレイの一例を示す断面図。
【図8】光散乱フィルムを用いて構成されるディスプレイの一例を示す断面図。
【図9】光散乱フィルムを、ランダムマスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図。
【図10】光散乱フィルムを、スペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1…光散乱フィルム
2…画像表示素子
3…照明光
7…UV光源
8…コリメート光学系
9…平行光
10…フィルター
11…マスク原版
13…ガラス基板
14…クロムパターン
20…光散乱フィルム
21,22,23,24,25…光散乱領域

Claims (2)

  1. シートもしくはフィルムの内部で屈折率の差異からなる濃淡が内部に形成されており、屈折率の異なる部分は、シートもしくはフィルムの表面では、長辺および短辺を持つ不定形状であり、その長辺あるいは短辺が一定の方向を揃えて配置されており、シートもしくはフィルムの厚さ方向には、方向を揃えて傾斜して分布しており、その傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては光散乱を生じせしめ、その傾斜方向から外れた角度で入射する光に対しては光散乱を生じず、単に透過するように機能するような異方性を有する光散乱体の製造方法であって、
    UV光源から出た紫外光をコリメート光学系により平行光とし、該平行光を開口形状が絵柄を規定するフィルターに通過させ、該フィルターを通過した平行光をUV光源とは反対側に感光材料が配置されてなるマスク原版に照射させ、マスク原版のパターンを感光材料に露光する工程と、
    平行光とマスク原版とのなす角度が前記露光工程における平行光とマスク原版のなす角度と異なるようにUV光源を配置し、前記露光工程と同様にして、マスク原版のパターンを感光材料に露光する工程とを備えることを特徴とする、
    屈折率の差異からなる濃淡の分布が、シートもしくはフィルム内で、シートもしくはフィルムの厚さ方向で、2以上の前記傾斜方向を有し、その傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては、選択的な透明状態/光散乱状態による絵柄のパターン表示を行なうように機能する光散乱体の製造方法。
  2. シートもしくはフィルムの内部で屈折率の差異からなる濃淡が内部に形成されており、屈折率の異なる部分は、シートもしくはフィルムの表面では、長辺および短辺を持つ不定形状であり、その長辺あるいは短辺が一定の方向を揃えて配置されており、シートもしくはフィルムの厚さ方向には、方向を揃えて傾斜して分布しており、その傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては光散乱を生じせしめ、その傾斜方向から外れた角度で入射する光に対しては光散乱を生じず、単に透過するように機能するような異方性を有する光散乱体の製造方法であって
    レーザー光源から出たレーザー光を開口形状が絵柄を規定するフィルターに通過させ、該フィルターを通過したレーザー光をレーザー光源とは反対側に所定距離Fをおいて感光材料が配置されてなるすりガラスに照射し、すりガラスで透過散乱したレーザー光が作り出す干渉パターンであるスペックルパターンを感光材料に露光する工程と、
    レーザー光とすりガラスとのなす角度が前記露光工程におけるレーザー光とすりガラスのなす角度と異なるようにレーザー光源を配置し、前記露光工程と同様にして、スペックルパターンを感光材料に露光する工程とを備えることを特徴とする、
    屈折率の差異からなる濃淡の分布が、シートもしくはフィルム内で、シートもしくはフィルムの厚さ方向で、2以上の前記傾斜方向を有し、その傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては、選択的な透明状態/光散乱状態による絵柄のパターン表示を行なうように機能する光散乱体の製造方法。
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