JP3957293B2 - Oral composition - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯に適用するときに、歯のエナメル質層に光散乱層が形成され、内因性による歯牙着色層を遮蔽し、歯を白く見せることができ、且つ、低温保存時の粘度上昇が少なく、チューブからの押し出し性が良好な口腔用組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
歯牙の着色は、歯石や歯垢、喫煙、又はコーヒー若しくはお茶等の習慣的飲食等により歯面に着色物が付着する外因性着色と、加齢等によって象牙質が着色してくるため透明度の高いエナメル質を通してその色が見える場合や、エナメル質形成期にテトラサイクリン等の薬剤の使用によりエナメル質自体が着色した場合等の内因性着色に依存する。そこで、歯を根本的に白くするためには、外因性着色のみならず内因性着色にも対応する必要がある。
【０００３】
本発明者らの知見によれば、有機酸及び／又は無機酸と、フッ素イオン供給化合物とを含む口腔用組成物を歯に適用すると、歯のエナメル質層において光散乱層が形成され、エナメル質層下の内因性着色を遮蔽し、歯を白く見せることができ、高い美白効果が認められる。さらに、カリウムイオンの配合によって、光散乱層を形成する能力を低下させることなく、口腔用組成物中の無機酸及び／又は有機酸の含有量を低減することができ、味覚にも優れる口腔用組成物を得ることが可能である。また、さらには、アニオン界面活性剤の配合によって、泡立ちも良く使用感の点においても優れる口腔用組成物を得ることが可能である。
【０００４】
前記口腔用組成物には、光散乱層を形成させ、かつ、味覚にも使用感にも優れることを可能にするため、一定量のカリウムイオンとアニオン界面活性剤を配合する必要がある。しかし、これらカリウムイオンとアニオン界面活性剤を併用すると、低温保存時に粘度が著しく上昇し、その結果、チューブからの押し出し性が損なわれる場合がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、歯のエナメル質層において光散乱層が形成され、エナメル質層下の内因性着色を遮蔽し、歯を白く見せることができ、歯の内因性着色に対して高い美白効果が認められ、かつ、低温保存時の粘度上昇が少なく、チューブからの押し出し性も良好な口腔用組成物を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、有機酸及び／又は無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、アニオン界面活性剤と、カリウムイオンとを含む口腔用組成物に、ナトリウムイオンを添加することにより、低温保存時の粘度上昇が少なく、チューブからの押し出し性が良好な口腔用組成物を得ることができた。
【０００７】
すなわち、本発明は、有機酸及び／又は無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、アニオン界面活性剤０．１〜５質量％と、カリウムイオン０．１〜５質量％と、ナトリウムイオン０．１〜５質量％と、水を含む練り歯磨き組成物であって、当該練り歯磨き組成物を水で３０質量％に稀釈したときのｐＨが４〜６であり、
前記練り歯磨き組成物が歯に適用されるときに、歯のエナメル質層において光散乱層が形成される練り歯磨き組成物であることを特徴とする。
【０００８】
ナトリウムイオンを添加することにより、低温保存時の粘度上昇を低減できるのは、組成物中でのアニオン界面活性剤の溶解性を高め、低温保存時に、アニオン界面活性剤が結晶化することを抑制したためと考えられる。ナトリウムイオンを添加しない場合は、低温保存時にアニオン界面活性剤が結晶化し、固いゲルを生成するが、一定量のナトリウムイオンを添加した場合、このような固いゲルは生成しない。これは、アニオン界面活性剤のカリウム塩はそのナトリウム塩に比べて、低温での溶解度が低く、その結果、低温保存時に結晶を析出しやすくなるためと考えられる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
口腔用組成物等に用いる有機酸及び／又は無機酸としては、口腔内で使用可能な物質であれば特に限定されない。無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、炭酸、リン酸等が挙げられ、また、有機酸としては例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の一塩基酸；シュウ酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸等の二塩基酸；乳酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、グリセリン酸等のヒドロキシカルボン酸；グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸；ピルビン酸、アセト酢酸、レブリン酸等のケト酸；安息香酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸；エチレンジアミンテトラ酢酸等のポリカルボン酸類；その他イソクエン酸、マロン酸、グルタル酸、クルクロン酸、コウジ酸、フィチン酸、アコニット酸、グリセロリン酸等が挙げられる。
これらの有機酸及び無機酸の中でも、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、リン酸から選ばれる１種又は２種以上を用いることが口腔用組成物の味・風味の改善、原料の入手しやすさ、コストの低減の点から好ましい。
これらの有機酸及び無機酸の中でも、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、リン酸から選ばれる１種又は２種以上を用いることが口腔用組成物の味・風味の改善、原料の入手しやすさ、コストの低減の点から好ましい。
【００１０】
有機酸及び無機酸は、本発明の口腔用組成物中に０．１〜３０質量％、特に０．５〜１５質量％含有するのが好ましい。
口腔用組成物に含有される有機酸及び／又は無機酸は、歯のエナメル質層内部に光散乱層を多量に形成するために、口腔用組成物を適用した口腔内においてｐＨを３〜６に保つ緩衝系を形成できるものを用いることが好ましく、特に、ｐＨ４〜５．５が好ましい。
口腔用組成物のｐＨ測定の濃度は、本発明品の使用の実態によって適宜選択される。例えば、歯磨剤である場合は、実使用濃度を３０質量％水溶液と想定して、また洗口液である場合は、希釈せずに組成物自体のｐＨを測定する。
【００１１】
フッ素イオン供給成分としては、口腔内で使用可能な物質であれば特に限定されず、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化リチウム、モノフルオロホスフェイト（例えばモノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム等）等の無機性フッ化物、アミンフッ化物等の有機性フッ化物が挙げられ、中でも安全性、溶解性及び風味等の点からフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ、フッ化リチウム、フッ化アンモニウムが好ましい。
【００１２】
アニオン界面活性剤としては、アシルグルタミン酸ナトリウム、アシルサルコシンナトリウム等のアシルアミノ酸塩、アルキルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、高級脂肪酸スルホン化モノグリセリド塩、イセチオン酸の脂肪酸エステル塩、Ｎ−メチル長鎖アシルタウリンナトリウム塩、ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩等が挙げられ、疎水基のアルキル基、アシル基は炭素数６〜１８、特に１０〜１４のものが好ましく、また、ナトリウム塩が好ましいが、発泡性が良く、また、安価に入手可能な点からアルキル硫酸エステル塩が特に好ましい。
アニオン界面活性剤は、本発明の口腔用組成物中に０．１〜５質量％、特に０．２〜２質量％含有するのが好ましい。
【００１３】
カリウムイオンの供給成分としては、口腔内で使用可能な物質であれば特に限定されず、様々なカリウム塩を用いることができる。例えば、水酸化カリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、リンゴ酸カリウム、クエン酸カリウム、酒石酸カリウム、メタリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、硝酸カリウム、アスパラギン酸カリウム、アルギン酸カリウム等が挙げられるが、風味や保存安定性の点から、水酸化カリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、リンゴ酸カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウムが好ましい。
【００１４】
カリウムイオンの含有量は、口腔用組成物中の酸濃度を充分に低くしながらも優れた歯の美白効果を得る点から、口腔用組成物中に０．１〜５質量％、０．５〜３質量％の割合で含有することが好ましい。
【００１５】
ナトリウムイオンの供給成分としては、口腔内で使用可能な物質であれば特に限定されず、様々なナトリウム塩を用いることができる。例えば、水酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等が挙げられるが、風味や保存安定性の点から、水酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムが好ましい。
【００１６】
ナトリウムイオンの含有量は、低温保存時の粘度上昇を抑制する点で、口腔用組成物中に０．１〜５質量％、更に０．５〜３質量％の割合で含有することが好ましい。
【００１７】
本発明の口腔用組成物には、前記成分の他、例えば発泡剤、発泡助剤、研磨剤、湿潤剤、粘結剤、増量剤、甘味剤、保存料、殺菌剤、薬効成分、粘着剤、顔料、色素、香料等を適宜含有させることができる。また、従来用いられた美白成分であるポリエチレングリコールなどの併用も制限されない。
【００１８】
本発明の口腔用組成物は、例えば溶液状、ゲル状、ペースト状といった剤形に調製され、歯磨き剤、洗口液等として用いることが出来る。それらどの剤形においてもポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、エリスリトール等を湿潤剤あるいは粘稠剤等の目的で含有させることができる。また、溶液状組成物の粘稠剤あるいはゲル状組成物のゲル化剤として更にはペースト状組成物とする場合の粘結剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等を含有させることができる。特に緩衝液系の為に高塩濃度となる場合は、非イオン性のポリマー即ちヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース等を含有させることも出来る。
【００１９】
【実施例】
＜口腔用組成物の調製＞
表１に示す組成に従って、実施例１〜３及び比較例１、２の練り歯磨きを調製した。また、表２に示す組成に従って、実施例４〜６及び比較例３、４の液状歯磨きを調製した。
【００２０】
【表１】

【００２１】
【表２】

【００２２】
＜評価方法＞
（１）粘度の測定方法
練り歯磨き又は液状歯磨きの粘度を以下の測定条件で測定した。測定データを図２及び図３に示す。

【００２３】
（２）押し出しやすさの評価
練り歯磨き又は液状歯磨きをチューブに詰めて、５℃で２週間保存後、５℃の環境下で被験者１０名（男性５名、女性５名）が、チューブから歯ブラシに適量を絞り出し、以下の基準で評価した。
普通に押し出せる ：◎
固くてやや押し出しにくい ：○
固くて非常に押し出しにくい ：×
なお、表１、表２に示す判定の結果は１０名中最も評価が多かったものを示した。
【００２４】
（３）光散乱層の有無
表１及び表２に示す組成物をイオン交換水で３０質量％に希釈し、この希釈液の中に牛の歯牙（表面は鏡面研磨）を４０時間浸漬した。牛の歯牙を割って、その割断面をマイクロスコープで写真撮影し、エナメル質表層下に光散乱層（図１（ａ））が形成されているか否かを確認した。光散乱層が認められたもの（図１（ａ））を○、光散乱層が認められなかったもの（図１（ｂ））を×とした。
【００２５】
（４）美白効果の有無
表１及び表２に示す組成物をイオン交換水で３０質量％に希釈し、この希釈液の中にあらかじめ写真撮影した牛の歯牙（表面は鏡面研磨）を４０時間浸漬した。牛の歯牙を引き上げた後に当該歯牙の写真撮影を行い、以下の基準で評価した。
【００２６】
処理前後の歯牙を撮影した写真を１５名のパネルに見てもらい、白くなったと判断したものを○、変わらなかったと判断したものを×とした。また、処理によりつやが無くなったと感じたものは、たとえ白くなっていたとしても評価は×とした。全員が白くなったと評価したものは◎とし、半数以上が白くなったと評価したものを○とし、それ以外は×とした。評価の結果は、それぞれ、表１、表２に示した。
【００２７】
＜結果＞
実施例１〜３の練り歯磨きでは、５℃の低温下でも押し出しやすいという結果であった。これは、ナトリウムイオンを配合しているためであり、特に、ナトリウムイオンが多く配合されている実施例２、３では、さらに押し出しやすいという結果であった。これに対し、比較例１、２の練り歯磨きでは、ナトリウムイオンが配合されていないため、固くて非常に押し出しにくい結果であった。また、これら練り歯磨きを調製した後、−５℃、０℃、５℃、１０℃、２５℃、４０℃の温度条件で２週間保存した後の粘度を図２に示したが、実施例１〜３は比較例１、２に比べて、低温での粘度上昇が少ない結果であった。特に、実施例２、３は実施例１よりも、さらに、低温での粘度上昇が低いという結果であった。
【００２８】
また、実施例１〜３及び比較例１の練り歯磨きでは、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成が認められ、美白効果も認められたのに対して、比較例２の練り歯磨きでは、有機酸の配合量が多いため、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成は認められず、美白効果もやや低かった。
【００２９】
実施例４〜６の液状歯磨きでは、５℃の低温下でも押し出しやすいという結果であった。これは、ナトリウムイオンを配合しているためであり、特に、ナトリウムイオンが多く配合されている実施例５、６では、さらに押し出しやすいという結果であった。これに対し、比較例３、４の液状歯磨きでは、ナトリウムイオンが配合されていないため、固くて非常に押し出しにくい結果であった。また、これら液状歯磨きを調製した後、−５℃、０℃、５℃、１０℃、２５℃、４０℃の温度条件で２週間保存した後の粘度を図３に示したが、実施例４〜６は比較例３、４に比べて、低温での粘度上昇が少ない結果であった。特に、実施例５、６は実施例４よりも、さらに、低温での粘度上昇が低いという結果であった。
【００３０】
また、実施例４〜６及び比較例１の液状歯磨きでは、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成が認められ、美白効果も認められたのに対して、比較例２の液状歯磨きでは、有機酸の配合量が多いため、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成は認められず、美白効果もやや低かった。
【００３１】
【発明の効果】
本発明の口腔用組成物を口腔に適用することによって、歯の内因性着色に対して高い美白効果が認められ、かつ、低温保存時の粘度上昇が少なく、チューブからの押し出し性が良好なことから、日常の口腔の手入れを通じて、手軽に歯の美白を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】歯牙の割断面をマイクロスコープで観察した写真である。
（ａ）は本発明の口腔用組成物によって処理された歯牙の割断面である。
（ｂ）は処理されていない歯牙の割断面である。
（ｃ）は歯牙の構造を示した図である。
【図２】異なる温度条件で２週間保存した後の口腔用組成物の粘度測定結果を示した図である。
【図３】異なる温度条件で２週間保存した後の口腔用組成物の粘度測定結果を示した図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
When the present invention is applied to teeth, a light scattering layer is formed in the enamel layer of the teeth, the intrinsic tooth coloring layer is shielded, the teeth can appear white, and the viscosity increases during low temperature storage The present invention relates to a composition for oral cavity having a small amount and good extrudability from a tube.
[0002]
[Prior art]
Tooth coloring is exogenous coloring in which coloring matter adheres to the tooth surface due to tartar, plaque, smoking, or customary eating and drinking such as coffee or tea, etc., and dentin is colored due to aging etc. It depends on intrinsic coloring such as when the color is visible through high enamel, or when the enamel itself is colored by the use of a drug such as tetracycline during the enamel formation stage. Therefore, in order to fundamentally whiten the teeth, it is necessary to deal with not only exogenous coloring but also intrinsic coloring.
[0003]
According to the knowledge of the present inventors, when an oral composition containing an organic acid and / or inorganic acid and a fluorine ion supplying compound is applied to a tooth, a light scattering layer is formed in the enamel layer of the tooth, and the enamel The intrinsic coloring under the stratum corneum is shielded and teeth can appear white, and a high whitening effect is recognized. Furthermore, by mixing potassium ions, the content of inorganic acid and / or organic acid in the oral composition can be reduced without reducing the ability to form a light scattering layer, and the oral cavity is also excellent in taste. It is possible to obtain a composition. Furthermore, by adding an anionic surfactant, it is possible to obtain an oral composition having good foaming and excellent usability.
[0004]
In order to form a light scattering layer and to be excellent in taste and feeling in use, it is necessary to add a certain amount of potassium ions and an anionic surfactant to the oral composition. However, when these potassium ions and an anionic surfactant are used in combination, the viscosity increases remarkably during low-temperature storage, and as a result, the extrudability from the tube may be impaired.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to form a light scattering layer in the enamel layer of the tooth, shield the intrinsic coloring under the enamel layer, make the teeth appear white, and have a high whitening effect on the intrinsic coloring of the tooth It is an object of the present invention to provide a composition for oral cavity in which the viscosity is not increased during storage at low temperature and the extrudability from a tube is good.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors added sodium ions to an oral composition containing an organic acid and / or inorganic acid, a fluorine ion supply compound, an anionic surfactant, and potassium ions, so that they can be stored at low temperatures. It was possible to obtain a composition for oral cavity with little increase in viscosity and good extrudability from the tube.
[0007]
That is, the present invention includes an organic acid and / or inorganic acid, a fluorine ion supply compound, 0.1 to 5% by mass of an anionic surfactant, 0.1 to 5% by mass of potassium ion, and 0.1% of sodium ion. Toothpaste composition containing water and 5% by weight, and the pH when diluted to 30% by weight of the toothpaste composition is 4-6,
When the toothpaste composition is applied to the teeth, characterized in that it is a toothpaste composition light scattering layer is Ru is formed in the enamel layer of the tooth.
[0008]
By adding sodium ions, the increase in viscosity during low-temperature storage can be reduced by increasing the solubility of the anionic surfactant in the composition and suppressing crystallization of the anionic surfactant during low-temperature storage. It is thought that it was because. In the case where sodium ions are not added, the anionic surfactant is crystallized during low-temperature storage to produce a hard gel, but when a certain amount of sodium ions is added, such a hard gel is not produced. This is presumably because the potassium salt of an anionic surfactant has lower solubility at low temperatures than its sodium salt, and as a result, crystals are likely to precipitate during low-temperature storage.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The organic acid and / or inorganic acid used in the oral composition is not particularly limited as long as it is a substance that can be used in the oral cavity. Examples of the inorganic acid include hydrochloric acid, sulfuric acid, carbonic acid, and phosphoric acid. Examples of the organic acid include monobasic acids such as formic acid, acetic acid, and propionic acid; oxalic acid, succinic acid, fumaric acid, and adipic acid. Dibasic acids such as maleic acid; hydroxycarboxylic acids such as lactic acid, glycolic acid, tartaric acid, malic acid, citric acid, ascorbic acid, gluconic acid and glyceric acid; acidic amino acids such as glutamic acid and aspartic acid; pyruvic acid and acetoacetic acid Keto acids such as levulinic acid; aromatic carboxylic acids such as benzoic acid and salicylic acid; polycarboxylic acids such as ethylenediaminetetraacetic acid; other isocitrate, malonic acid, glutaric acid, cururonic acid, kojic acid, phytic acid, aconitic acid, Examples include glycerophosphoric acid.
Among these organic acids and inorganic acids, it is possible to use one or more selected from lactic acid, malic acid, tartaric acid, citric acid, glycolic acid, succinic acid, and phosphoric acid to improve the taste and flavor of the oral composition. It is preferable from the viewpoints of improvement, availability of raw materials, and cost reduction.
Among these organic acids and inorganic acids, it is possible to use one or more selected from lactic acid, malic acid, tartaric acid, citric acid, glycolic acid, succinic acid, and phosphoric acid to improve the taste and flavor of the oral composition. It is preferable from the viewpoints of improvement, availability of raw materials, and cost reduction.
[0010]
The organic acid and inorganic acid are preferably contained in the oral composition of the present invention in an amount of 0.1 to 30% by mass, particularly 0.5 to 15% by mass.
The organic acid and / or inorganic acid contained in the oral composition has a pH of 3 to 6 in the oral cavity to which the oral composition is applied in order to form a large amount of a light scattering layer inside the enamel layer of the tooth. It is preferable to use one that can form a buffer system that is maintained at a pH of 4 to 5.5.
The pH measurement concentration of the oral composition is appropriately selected depending on the actual use of the product of the present invention. For example, in the case of a dentifrice, the actual use concentration is assumed to be a 30% by weight aqueous solution, and in the case of a mouthwash, the pH of the composition itself is measured without dilution.
[0011]
The fluorine ion supply component is not particularly limited as long as it can be used in the oral cavity. For example, sodium fluoride, potassium fluoride, ammonium fluoride, lithium fluoride, monofluorophosphate (for example, sodium monofluorophosphate) Inorganic fluorides such as potassium monofluorophosphate and ammonium monofluorophosphate) and organic fluorides such as amine fluorides. Among them, sodium fluoride, mono Sodium fluorophosphate, tin fluoride, lithium fluoride, and ammonium fluoride are preferred.
[0012]
Examples of anionic surfactants include acyl amino acid salts such as sodium acyl glutamate and sodium acyl sarcosine, alkyl phosphates such as sodium alkyl phosphate, alkyl sulfate esters, higher fatty acid sulfonated monoglyceride salts, fatty acid ester salts of isethionic acid, N-methyl long chain acyl taurine sodium salt, polyoxyethylene monoalkyl phosphate, and the like are mentioned, and the hydrophobic alkyl group and acyl group preferably have 6 to 18 carbon atoms, particularly 10 to 14 carbon atoms, and sodium A salt is preferred, but an alkyl sulfate salt is particularly preferred from the viewpoint of good foamability and availability at low cost.
The anionic surfactant is preferably contained in the oral composition of the present invention in an amount of 0.1 to 5% by mass, particularly 0.2 to 2% by mass.
[0013]
The supply component of potassium ions is not particularly limited as long as it can be used in the oral cavity, and various potassium salts can be used. For example, potassium hydroxide, potassium fluoride, potassium chloride, potassium bromide, potassium phosphate, potassium carbonate, potassium malate, potassium citrate, potassium tartrate, potassium metaphosphate, potassium pyrophosphate, potassium sorbate, potassium nitrate, asparagine Potassium acid, potassium alginate and the like can be mentioned, and potassium hydroxide, potassium fluoride, potassium chloride, potassium malate, potassium citrate and potassium phosphate are preferred from the viewpoint of flavor and storage stability.
[0014]
The potassium ion content is 0.1 to 5% by mass, 0.5% in the oral composition from the viewpoint of obtaining an excellent tooth whitening effect while sufficiently reducing the acid concentration in the oral composition. It is preferable to contain in the ratio of -3 mass%.
[0015]
The sodium ion supply component is not particularly limited as long as it is a substance that can be used in the oral cavity, and various sodium salts can be used. For example, sodium hydroxide, sodium fluoride, sodium chloride, sodium bromide, sodium phosphate, sodium carbonate, sodium malate, sodium citrate, sodium tartrate, sodium ascorbate, sodium metaphosphate, sodium pyrophosphate, sodium sorbate Sodium nitrate, sodium aspartate, sodium alginate, and the like, and sodium hydroxide, sodium fluoride, sodium chloride, sodium malate, sodium citrate, and sodium phosphate are preferred from the viewpoint of flavor and storage stability.
[0016]
The content of sodium ions is preferably 0.1 to 5% by mass, and more preferably 0.5 to 3% by mass in the oral composition in terms of suppressing an increase in viscosity during low-temperature storage.
[0017]
In addition to the above-mentioned components, the oral composition of the present invention includes, for example, foaming agents, foaming aids, abrasives, wetting agents, binders, bulking agents, sweeteners, preservatives, bactericides, medicinal ingredients, and adhesives. , Pigments, dyes, fragrances and the like can be appropriately contained. Moreover, combined use, such as polyethyleneglycol which is a whitening component used conventionally, is not restrict | limited.
[0018]
The composition for oral cavity of the present invention is prepared into a dosage form such as a solution, a gel, or a paste, and can be used as a dentifrice, a mouthwash, or the like. In any of these dosage forms, polyethylene glycol, propylene glycol, glycerin, sorbitol, maltitol, xylitol, lactitol, erythritol and the like can be contained for the purpose of a wetting agent or a thickening agent. Further, as a thickening agent for a solution-like composition or as a gelling agent for a gel-like composition, as a binder for a paste-like composition, carboxymethylcellulose sodium, hydroxyethylcellulose, carboxyvinyl polymer, xanthan gum, carrageenan, alginic acid Sodium, hydroxypropyl cellulose, guar gum, sodium chondroitin sulfate and the like can be contained. In particular, in the case of a high salt concentration due to the buffer solution system, a nonionic polymer, that is, hydroxyethyl cellulose, guar gum, hydroxypropyl cellulose, or the like can be contained.
[0019]
【Example】
<Preparation of oral composition>
According to the composition shown in Table 1, toothpastes of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 and 2 were prepared. Moreover, according to the composition shown in Table 2, the liquid toothpaste of Examples 4-6 and Comparative Examples 3 and 4 was prepared.
[0020]
[Table 1]

[0021]
[Table 2]

[0022]
<Evaluation method>
(1) Measuring method of viscosity The viscosity of toothpaste or liquid toothpaste was measured under the following measurement conditions. The measurement data is shown in FIGS.

[0023]
(2) Evaluation of ease of extrusion After toothpaste or liquid toothpaste is packed in a tube and stored at 5 ° C for 2 weeks, 10 subjects (5 men, 5 women) in the environment at 5 ° C will use the toothbrush from the tube. Appropriate amount was extracted and evaluated according to the following criteria.
Can be extruded normally: ◎
Hard and somewhat difficult to extrude: ○
Hard and very difficult to extrude: ×
In addition, the result of determination shown in Table 1 and Table 2 showed the highest evaluation among 10 people.
[0024]
(3) Presence / absence of light scattering layer The compositions shown in Tables 1 and 2 were diluted to 30% by mass with ion-exchanged water, and bovine teeth (the surface was mirror-polished) were immersed in this diluted solution for 40 hours. The cow's teeth were broken, and the fractured section was photographed with a microscope, and it was confirmed whether or not a light scattering layer (FIG. 1 (a)) was formed under the enamel surface layer. The case where the light scattering layer was recognized (FIG. 1A) was marked with ◯, and the case where the light scattering layer was not recognized (FIG. 1B) was marked with ×.
[0025]
(4) Existence of whitening effect The compositions shown in Tables 1 and 2 were diluted to 30% by mass with ion-exchanged water, and cattle teeth (the surface was mirror-polished) photographed beforehand in this diluted solution for 40 hours Soaked. After raising the cow's teeth, the teeth were photographed and evaluated according to the following criteria.
[0026]
A photograph of the teeth taken before and after the treatment was viewed by 15 panelists, and those judged to be white were marked with ◯, and those judged not changed were marked with ×. Moreover, even if it became white, what was felt that it became glossy by processing was evaluated as x. The case where all members evaluated that it became white was marked with ◎, the case where more than half of them were evaluated as white, was marked with ○, and the others were marked with ×. The evaluation results are shown in Table 1 and Table 2, respectively.
[0027]
<Result>
In the toothpaste of Examples 1-3, it was a result that it was easy to extrude even at a low temperature of 5 ° C. This is because sodium ions are blended, and in Examples 2 and 3 in which a large amount of sodium ions is blended, the extrusion is easier. On the other hand, the toothpastes of Comparative Examples 1 and 2 were hard and very difficult to extrude because they did not contain sodium ions. Moreover, after preparing these toothpastes, the viscosities after storage for 2 weeks under the temperature conditions of −5 ° C., 0 ° C., 5 ° C., 10 ° C., 25 ° C. and 40 ° C. are shown in FIG. -3 were the results of less increase in viscosity at low temperatures than in Comparative Examples 1 and 2. In particular, Examples 2 and 3 resulted in a lower viscosity increase at a lower temperature than Example 1.
[0028]
In the toothpastes of Examples 1 to 3 and Comparative Example 1, formation of a light scattering layer was recognized inside the tooth enamel layer, and a whitening effect was also observed, whereas in the toothpaste of Comparative Example 2, Because of the large amount of organic acid, no light scattering layer was observed inside the tooth enamel layer, and the whitening effect was slightly low.
[0029]
In the liquid toothpaste of Examples 4-6, it was the result that it was easy to extrude even at the low temperature of 5 degreeC. This is because sodium ions are blended. In particular, in Examples 5 and 6 in which a large amount of sodium ions is blended, the result is that extrusion is easier. In contrast, the liquid toothpastes of Comparative Examples 3 and 4 were hard and very difficult to extrude because they did not contain sodium ions. Moreover, after preparing these liquid toothpaste, the viscosity after preserve | saving for 2 weeks on the temperature conditions of -5 degreeC, 0 degreeC, 5 degreeC, 10 degreeC, 25 degreeC, and 40 degreeC was shown in FIG. ˜6 was a result of less increase in viscosity at low temperature than Comparative Examples 3 and 4. In particular, Examples 5 and 6 had a lower viscosity increase at a lower temperature than Example 4.
[0030]
In addition, in the liquid toothpaste of Examples 4 to 6 and Comparative Example 1, formation of a light scattering layer was recognized inside the enamel layer of the tooth, and a whitening effect was also observed, whereas in the liquid toothpaste of Comparative Example 2, Because of the large amount of organic acid, no light scattering layer was observed inside the tooth enamel layer, and the whitening effect was slightly low.
[0031]
【The invention's effect】
By applying the composition for oral cavity of the present invention to the oral cavity, a high whitening effect on the intrinsic coloring of the teeth is recognized, and there is little increase in viscosity during low-temperature storage and good extrudability from the tube. Therefore, it is possible to easily perform whitening of teeth through daily oral care.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a photograph of a fractured section of a tooth observed with a microscope.
(A) is a fractured surface of a tooth treated with the composition for oral cavity of the present invention.
(B) is a fractured section of an untreated tooth.
(C) is the figure which showed the structure of the tooth.
FIG. 2 is a graph showing the results of measuring the viscosity of a composition for oral cavity after being stored for two weeks under different temperature conditions.
FIG. 3 is a diagram showing the results of measuring the viscosity of an oral composition after being stored for two weeks under different temperature conditions.

Claims (1)

有機酸及び／又は無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、アニオン界面活性剤０．１〜５質量％と、カリウムイオン０．１〜５質量％と、ナトリウムイオン０．１〜５質量％と、水を含む練り歯磨き組成物であって、当該練り歯磨き組成物を水で３０質量％に稀釈したときのｐＨが４〜６であり、
前記練り歯磨き組成物が歯に適用されるときに、歯のエナメル質層において光散乱層が形成される練り歯磨き組成物。An organic acid and / or an inorganic acid, a fluorine ion supply compound, an anionic surfactant 0.1 to 5% by mass, a potassium ion 0.1 to 5% by mass, a sodium ion 0.1 to 5% by mass, A toothpaste composition containing water, the pH of the toothpaste composition being 4 to 6 when diluted to 30% by weight with water;
A toothpaste composition in which when the toothpaste composition is applied to a tooth, a light scattering layer is formed in the enamel layer of the tooth.

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