JP3956638B2 - グリース潤滑の転がり軸受 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリース潤滑の転がり軸受に関し、より詳しくは複写機やレーザビームプリンタ等の事務機器に使用されるグリース潤滑の転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やレーザビームプリンタ等の事務機器用転がり軸受は、通常、樹脂製のハウジングに装着されて使用され、その潤滑剤にはメンテナンス性等を考慮してグリースを使用するのが一般的である。
【0003】
そして、この種の転がり軸受に使用されるグリース種としては、複写機やレーザビームプリンタの定着ローラ部等、極端に高温に晒される部位についてはシリコーン油やフッ素油を基油としたグリースが使用されるが、それ以外の部位については、価格的に安価で汎用性の高い鉱油、或いはシリコーン油やフッ素油を除く合成油を基油としたグリースが通常使用される。
【0004】
そして、従来より、軸受内部に封入されたグリースの外部への漏出を防止する技術が既に提案されており(特開平2−78069号公報)、またグリースの外部への漏出を防止すると共に軸受内部での潤滑性を向上させた技術も既に提案されている(特開平10−326468号公報)。
【0005】
また、この種の転がり軸受では、軌道輪(内輪及び外輪)の全面に亙って防錆液を塗布し、軸受表面に防錆被膜を形成することにより、上記事務機器に装着されるまでの軸受単体での保管中の防錆性や、事務機器の搬送中における高温多湿環境下での防錆性を確保している。
【0006】
すなわち、従来より、防錆剤を希釈剤で希釈させた防錆液を使用し、該防錆液を転がり軸受の表面全域に亙って塗布し、これにより防錆性を確保している。
【0007】
ところで、ハウジングに使用される樹脂材料には、成型時の残留応力や外部応力による負荷があるため、運転時の雰囲気温度が上昇すると外輪外周面等に付着している前記防錆液が樹脂内部に侵入し、樹脂強度を低下させる虞がある。そして、このような樹脂強度の低下はクラックや割れ(以下、「クラック等」という)の発生を招き、事務機器の動作不良を招来する結果となる。このため、従来より、防錆剤種の選定は樹脂材料への影響を考慮に入れて行われている。
【0008】
すなわち、樹脂強度を低下させる防錆剤としては、従来より極性の高い化合物、具体的にはエステル結合やエーテル結合などの分子構造中にヘテロ元素である酸素を含有した炭化水素系化合物(例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルリン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸又はその塩)が知られている。一方、斯かる防錆剤は、上述したようにエステル系、エーテル系、グリコール系、アルコール系潤滑油や溶剤を配合した希釈剤に0.5wt%〜10wt%含有させて使用される。このため、樹脂強度の低下は防錆剤の種類が影響すると共に、希釈剤の影響も大きい。
【0009】
そこで、従来より、防錆剤としては、極性の高い化合物や溶剤を含有しない有機スルフォネート金属塩が一般的に使用され、また鉱油や合成炭化水素油を希釈剤に使用して濃度調整を行っている。
【0010】
また、近年では、情報電子機器の分野では耐熱性や寸法安定性に優れ、しかも比較的安価に入手することのできる変性ポリフェニレンオキサイド(ノリル(R))が使用されているが、斯かる変性ポリフェニレンオキサイドは曲げ強度が弱いため、僅かな防錆液が付着した場合であっても歪みによってクラック等が生じ、このため変性PPO製のハウジングを使用する場合は、装着前に軸受外部に残存している防錆液を拭き取って使用している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した有機スルフォネート金属塩を含有した防錆液は、汎用グリースに対して親和性を有し、したがって軸受全面に容易に付着させることができるものの、結晶化度の低い樹脂材料に対しては防錆液が樹脂材料中に侵入して樹脂強度を低下させる虞があり、斯かる結晶化度の低い樹脂材料に対しては未だ十分ではないという問題点があった。
【0012】
すなわち、転がり軸受が装着される樹脂製ハウジングには、用途等に応じて様々な種類の樹脂材料が使用されているが、結晶化度の低い樹脂材料を使用してハウジングを形成した場合は、防錆液が樹脂材料中に侵入して樹脂強度を低下させ、その結果ハウジングにクラック等の生じる虞があるという問題点があった。
【0013】
一方、上述した特開平2−78069号公報及び特開平10−326468号公報では、グリースの漏出を防止する技術についての開示はあるものの、希釈剤を含む防錆剤の樹脂材料への侵入については何ら対策が施されていない状況にある。
【0014】
また、樹脂材料として変性ポリフェニレンオキサイドを使用した場合は、上述したように軸受外部に付着している防錆剤を、転がり軸受をハウジングに装着する前に除去しているため、軸受外部に錆が発生し易くなって軸受寿命の低下を招来するという問題点があった。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、種々の樹脂材料に対し、その強度低下を招くことなく所望の防錆性を確保することのできるグリース潤滑の転がり軸受を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述したように樹脂材料の強度が低下する原因は、希釈剤中に防錆剤を添加して調製された防錆液が樹脂材料中に侵入するためであると考えられる。
【0017】
そこで、本発明者らは、樹脂材料中への侵入を抑制することのできる防錆液を得るべく鋭意研究をしたところ、フッ素系防錆剤等の撥油性防錆剤を含有した防錆液は樹脂材料に対する親和性が低く、このため防錆液の樹脂材料中への侵入が抑制されて樹脂材料の強度低下を回避することができるという知見を得た。しかも、撥油性防錆剤は水や炭化水素系化合物と相溶性を有さないため、親水性基を含有した樹脂材料に対しても、その強度低下を回避することができるという知見も得た。
【0018】
本発明は斯かる知見に基づいてなされたものであって、本発明に係るグリース潤滑の転がり軸受は、所定のグリースが潤滑剤として軸受内部に封入され、少なくとも一方が樹脂材料で形成された軸及びハウジング間に装着されるグリース潤滑の転がり軸受において、撥油性物質からなる防錆被膜が、少なくとも外輪外周面及び内輪内周面に形成されていることを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、撥油性物質からなる防錆被膜が、少なくとも外輪外周面及び内輪内周面に形成されているので、結晶化度の低い樹脂材料でハウジング又は軸を形成した場合であっても、樹脂強度の低下を招来することなく所望の防錆性を確保することができる。
【0020】
また、防錆剤は、一般に希釈剤に溶解させて使用されるが、該希釈剤は防錆剤と相溶性を有するのが望ましく、斯かる観点からは防錆剤と希釈剤の双方にフッ素系薬剤を使用するのが好ましい。さらに、所望の防錆性と装着性の双方を確保する観点からは、防錆剤は希釈剤中に0.5wt%〜10wt%含有するのが好ましい。
【0021】
すなわち、本発明のグリース潤滑の転がり軸受は、前記防錆被膜は、重量%で0.5%〜10%のフッ素系防錆剤をフッ素系希釈剤に含有させた防錆液が塗布されていることを特徴とするのも好ましい。
【0022】
さらに、前記希釈剤が軸受表面に残留して所謂ベトツキ感が残存するのを回避する観点からは、前記希釈剤は、例えば、分子量が1,700以下の材料を使用するのが好ましい。
【0023】
すなわち、本発明は、前記フッ素系希釈剤は、分子量が1,700以下の材料からなることを特徴とするのも好ましい。
【0024】
また、上記防錆被膜は、樹脂材料に対する親和性が低く、しかも親水性基を含有した樹脂材料に対しても相溶性を有さないことから、樹脂材料として結晶化度の良好なポリカーボネート(以下「PC」という)やポリアセタール(以下、「POM」という)のみならず、結晶化度が低いとされるアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下、「ABS」という)、ポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」という)、ポリスチレン(以下、「PS」という)やポリフェニレンオキサイド(以下、「PPO」という)、或いは変性PPOについても樹脂強度の低下を回避しつつ所望の防錆性を確保することができる。
【0025】
すなわち、本発明は、前記樹脂材料には、少なくともPC、POM、ABS、PS、PPO、及び変性PPOのいずれかが含まれることを特徴とするのも好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳説する。
【0027】
図1は本発明に係るグリース潤滑の転がり軸受の一実施の形態を示す断面図であって、該転がり軸受1は、軸2とハウジング3との間に装着されている。
【0028】
該転がり軸受1は、具体的には、軸2に外嵌される内輪4と、ハウジング3に内嵌される外輪5と、内輪4と外輪5との間に介在される多数の転動体6と、各転動体6を所定の一定間隔に保持する保持器7と、軸受内部に封入された潤滑剤としてのグリースの漏出を防止するシール板8とを備えている。
【0029】
そして、外輪5の外周面及び内輪4の内周面には撥油性物質からなる防錆被膜9a、9bが形成されている。
【0030】
すなわち、ハウジング3の樹脂材料としては、通常、PC、POM、ABS、PBT、PS、PPO等が使用されるが、これらの内、ABS、PS、PBT、PPOは比較的結晶化度の低い樹脂であるため、防錆剤の影響を受けやすく、また防錆剤は希釈剤で希釈されて使用されるため希釈剤の影響も受けやすい。すなわち、結晶化度の低い樹脂材料の場合、防錆剤や希釈剤が樹脂材料に対し親和性を有する場合は、前記防錆剤や希釈剤が樹脂材料中に侵入し、樹脂材料の強度を低下させる。
【0031】
また、近年、この種の樹脂材料として盛んに使用されている変性PPOの場合は、〔従来の技術〕や〔発明が解決しようとする課題〕の項で述べたように、転がり軸受1のハウジング3への装着前に軸受外部に残存している防錆剤を拭き取っているため、軸受外部に錆が発生し易くなって軸受寿命の低下を招来するため好ましくない。
【0032】
しかるに、本発明者らの実験結果により、フッ素系防錆剤等の撥油性防錆剤を含有した防錆液は樹脂材料に対して親和性が低く、しかも撥油性防錆剤は水や炭化水素系化合物と相溶性を有さないため、親水性基を含有した樹脂材料に対しても、その強度低下を回避することができることが判明した。
【0033】
そこで、本実施の形態では、外輪外周面及び内輪内周面に撥油性防錆剤を含有した防錆液を塗布して撥油性の防錆被膜9a、9bを形成し、これにより樹脂材料の強度低下を回避しつつ所望の防錆効果を得るようにした。
【0034】
撥油性を有する防錆剤材料としては、パーフルオロアルキル、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテル等の分子構造中の主鎖がフッ素置換された構造を有し、かつ一方又は両方の末端フッ素原子の少なくとも1つ以上がC、H、又はF以外のヘテロ元素を含有した所定官能基で置換された材料を使用することができる。ここで、所定官能基としては、カルボキシル基(−COOH)、イソシアネート基(−NCO)、アルコール性水酸基(−OH)、エステル基(−COOR)が挙げられるが、防錆効果をより効果的に発揮するためにはカルボキシル基(−COOH)、イソシアネート基(−NCO)が好ましい。またこれら各防錆剤材料は、単独使用してもよく、或いは異なる複数種の防錆剤材料を適宜調合して使用してもよく、このような防錆剤材料として、例えば、アウジモント社製のFOMBLIN DAシリーズ、SV90ARを使用することができる。
【0035】
また、防錆剤を希釈するための希釈剤材料としては、上記防錆剤材料に対し良好な相溶性を有するのが好ましく、例えばパーフルオロアルキル、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテル等の分子構造中の主鎖がフッ素置換された構造を有する潤滑油や溶剤、或いは代替フロンを使用することができる。また、希釈剤材料の分子量が大きくなると希釈剤が軸受表面に残留して所謂ベトツキ感が残存し易くなるため、炭素数が3〜30(C3〜C30)の範囲であって、しかも分子量が最大でも1,600〜1,700程度、好ましくは1,000以下の低分子量材料を使用するのが望ましい。
【0036】
また、防錆剤の希釈剤中の濃度は0.5wt%〜10wt%、好ましくは2wt%〜10wt%であるのが望ましい。
【0037】
すなわち、防錆剤の希釈剤中の濃度が0.5wt%未満の場合は防錆剤の含有量が少なすぎるため所望の防錆効果を得ることができない。一方、防錆剤の希釈剤中の濃度が10wt%を超えると防錆被膜9a、9b中の防錆剤成分が過剰となり、斯かる過剰な防錆剤成分が軸受内の軌道面接触部に多量に付着すると、グリースの軌道面接触部への供給が阻害され、グリースの潤滑性能が低下すると共に、転がり軸受1のハウジング3への装着を円滑に行うことができなくなる。
【0038】
そこで、本実施の形態では、防錆剤の希釈剤中の濃度は0.5wt%〜10wt%、好ましくは2wt%〜10wt%に設定した。
【0039】
尚、本実施の形態では、防錆液は外輪5の内周面及び内輪4の外周面には塗布されず、外輪5の外周面及び内輪4の内周面にのみ塗布され、したがって、撥油性の防錆被膜9a、9bは、外輪5の外周面及び内輪4の内周面にのみ形成される。
【0040】
すなわち、上述したように防錆剤は希釈剤に希釈されて使用されるが、撥油性防錆剤を軸受内部にまで多量に付着させた場合、軸受に封入されている潤滑剤の軸受表面への密着性が小さくなって潤滑剤が外部に漏出し、使用している潤滑剤の組成によっては樹脂強度の低下を招来する虞がある。したがって、潤滑剤が封入されている軸受内部への撥油性防錆剤の付着は極力抑制するのが好ましく、斯かる観点から、本実施の形態では、撥油性防錆剤を含有した防錆液は、外輪5の外周面及び内輪4の内周面にのみ塗布している。
【0041】
尚、軸受内部に防錆剤が塗布されていないことから、グリースが軸受内表面に均一に行き渡らなかった場合は、当該行き渡らなかった部位に錆が発生するとも考えられが、後述するように所定量のグリースを軸受内部に封入した後、転がり軸受1を所謂ならし運転することにより、グリースを容易に軸受内表面全域に行き渡らせることができる。
【0042】
次に、上記転がり軸受1の製造方法を説明する。
【0043】
まず、転動体6が保持器7を介して一定間隔となるように内輪4と外輪5との間に介在させ、次いで所定量のグリースを軸受内部、すなわち転動体6間の空隙に均等に入れる。ここで、グリースの充填量は、本実施の形態では、軸受内部の空間容積の10vol%〜50vol%となるように調整している。
【0044】
すなわち、グリースを軸受内部に均一に付着させることにより軸受内部の防錆効果を発揮することができるが、グリースの充填量が軸受内部の空間容積の10vol%未満の場合は、後述する所謂ならし運転を行ってもグリースが軸受内部の全域に付着せず、このため所望の防錆効果を発揮することができない。一方、グリースの充填量が軸受内部の空間容積の50vol%を超えると、グリースが軸受外部に漏出する虞がある。
【0045】
そこで、本実施の形態ではグリースの充填量を軸受内部の空間容積の10vol%〜50vol%に設定した。
【0046】
このように所定量のグリースを軸受内部に充填した後、シール板8を装着し、その後、転がり軸受1のならし運転を行なう。ここで、ならし運転は、3秒〜5分の運転時間に設定して行なわれる。
【0047】
すなわち、運転時間が3秒未満の場合はグリースが軸受内部の全域に付着しないため、所望の防錆効果を発揮することができず、一方、5分を超えて長時間のならし運転を行なうことは生産効率の観点から好ましくない。そこで、本実施の形態では、ならし運転の運転時間を3秒〜5分に設定している。
【0048】
また、ならし運転時の転がり軸受1の回転数は、300min-1〜10,000min-1に設定されている。すなわち、前記回転数が300min-1未満の場合はグリースが軸受内部の全域に付着するのに長時間を要する一方、前記回転数が10,000min-1を超えた場合は、その遠心力によりグリースが軸受外部に漏出する虞がある。そこで、本実施の形態では、ならし運転の回転数を300min-1〜10,000min-1に設定している。
【0049】
尚、グリースが軸受内部の全域に亙って付着しているか否かは、前記ならし運転の後、シール板8を取り外し、該シール板8の内面へのグリースの付着程度でもって視認することができる。
【0050】
このようにならし運転を行った後、希釈剤で希釈された撥油性防錆剤、すなわち撥油性の防錆液を外輪5の外周面及び内輪4の内周面に塗布し、防錆被膜9a、9bを形成する。
【0051】
具体的には、上記防錆液を転がり軸受1にシャワーした後、該転がり軸受1を回転駆動させ、その遠心力で余分な防錆液を除去するか、或いは上記防錆液を転がり軸受1に対し噴霧状に撒布することにより、防錆液を外輪5の外周面及び内輪4の内周面に塗布し、防錆被膜9a、9bを形成する。
【0052】
このように本実施の形態によれば、希釈剤で希釈された撥油性防錆剤を外輪5の外周面及び内輪4の内周面に塗布して撥油性の防錆被膜9a、9bを形成しているので、外輪外周面の防錆被膜9bが樹脂製ハウジング3の内部に侵入することもなく、したがってハウジングにクラック等が発生するの回避することができる。しかも、グリースを軸受内部に封入した後、所定のならし運転を行なって軸受内部全域に亙ってグリースを塗布することにより、軸受内部での錆発生も防止することができる。
【0053】
尚、本転がり軸受が、HDD等の電子情報機器などに取り付けられて使用されるまでの間、グリースが軸受内部に封入された状態で錆の発生を防止することができる環境下では上記ならし運転を省略することができる。
【0054】
また、上記実施の形態ではハウジング3が樹脂材料で形成される場合について詳述したが、軸1が樹脂材料で形成される場合についても同様に適用することができる。
【0055】
【実施例】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0056】
[第1の実施例]
本発明者らは、防錆剤材料としてパーフルオロポリエーテルの末端フッ素原子の1つがカルボキシル基で置換された一般式(3)で示されるフッ素誘導体(以下、「フッ素誘導体A」という)を使用し、また希釈剤として一般式(2)で示される低分子量パーフルオロポリエーテル(分子量400)を使用し、低分子量パーフルオロポリエーテルにフッ素誘導体Aを3wt%添加して実施例1の防錆液を作製した。
【0057】
【化1】
【0058】
【化2】
【0059】
さらに、本発明者らは、防錆剤材料としてパーフルオロポリエーテルの末端フッ素原子の1つがイソシアネート基で置換された一般式(1)で示されるフッ素誘導体(以下、「フッ素誘導体B」という)を使用し、実施例1と同一の低分子量パーフルオロポリエーテルからなる希釈剤に前記フッ素誘導体Bを3wt%添加して実施例2の防錆液を作製した。
【0060】
【化3】
【0061】
さらに、本発明者らは、比較例防錆液として上記低低分子量パーフルオロポリエーテル(比較例1)、フッ素油としてのフルオロポリエーテル油(比較例2)、合成油としてのポリ−α−オレフィン油(比較例3)、鉱油としての無添加タービン油(比較例4)、及びエステル系油としての芳香族エステル油(比較例5)を用意した。
【0062】
表1は実施例及び比較例の各防錆液の成分組成を示している。
【0063】
【表1】
【0064】
次いで、図2に示すような定歪治具10を使用し、該定歪治具10上に配された断面T字状の一対の試験片固定部材11a、11bに所定の樹脂材料からなる試験片12を係止させ、歪みを有する状態で試験片12を定歪治具10上に固定した。次いで、試験片12の頂部近傍の所定領域に前記撥油性防精剤を塗布して塗布膜(防錆被膜)13を形成し、温度23℃、相対湿度50%〜60%の環境下で48時間放置し、試験片12の表面を観察して樹脂強度を評価した。
【0065】
すなわち、実施例1、2、比較例1〜5の各防錆液について、試験片12として、POM、PC、ABS、PBT、PS、及び変性PPOの各樹脂材料を使用し、試験片固定部材11a、11bを移動させて歪み率ηを変更し、試験片12にクレーズやクラックが発生していないか否かを肉眼で観察し、樹脂強度を評価した。
【0066】
表2は樹脂強度の評価結果を示している。
【0067】
【表2】
【0068】
表2中、◎は歪み率ηが1.6%以上、○は歪み率ηが1.2%以上且つ1.6%未満、△は歪み率ηが0.4%以上且つ1.2%未満、×は歪み率ηが0.4%未満を示している。
【0069】
尚、歪み率ηは数式(4)で定義される。
【0070】
η={(l0−l)/l}×100 …(4)
ここで、l0は試験片に歪みを付与しなかった場合の試験片の水平方向全長を示し、lは試験片に歪みを付与した場合の試験片の水平方向全長を示している。
【0071】
実施例1及び比較例1、2では歪み率ηが1.6%を超えた場合であっても、いずれの試験片についてもクラック等が発生せず、また実施例2の場合も歪み率ηが1.2%以上でクラック等が発生せず、これら実施例1、2、及び比較例1、2の防錆液を樹脂材料に塗布しても樹脂強度の低下を回避することができることが分かった。これは、実施例1、2及び比較例1、2で使用しているフッ素系防錆液は樹脂材料に対して親和性が低く、防錆液の樹脂材料中への侵入が抑制されるためと考えられる。
【0072】
一方、比較例3ではPOMやPCの場合は歪み率ηが1.6%を超えてもクラック等が発生せず、またPBTでも歪み率ηが1.2%以上ではクラック等は発生せず、したがってこれらPOM、PC及びPBT等の結晶化度の比較的高い樹脂材料に対しては樹脂強度の低下を回避することができるものの、結晶化度の低いABS、PSでは歪み率ηが1.0%以下でクラック等の発生し、また、変性PPOでは歪み率ηが0.4%未満でクラック等の発生が認められた。
【0073】
また、比較例4ではPOMやPCの場合は歪み率ηが1.6%を超えてもクラック等が発生しなかったが、比較例3と同様の理由からABS、PBT、PSでは歪み率ηが0.4%未満でクラック等の発生が認められた。
【0074】
また、比較例5ではPOMのみが歪み率ηが1.6%を超えてもクラック等が発生しなかったが、POM以外の樹脂材料では樹脂強度の低下が顕著であった。
【0075】
これは、POMやPCは結晶化度が比較的良好であるため歪みに対してクラック等が発生し難いが、ABS、PBT、PS、変性PPOは結晶化度が低く、曲げ強度も弱いため、クラック等が容易に発生するものと思われる。
【0076】
次に、本発明者らは、各樹脂材料に対して良好な特性を示した実施例1、2、比較例1、2の各防錆液、及び合成油を使用した比較例3の防錆液について、φ19×φ8×6の波形鋼板プレス保持器を装着した鋼板性非接触式シール機構付きの転がり軸受を使用し、防錆性を評価した。
【0077】
すなわち、上記転がり軸受を石油ベンジンで十分に脱脂し乾燥した後、増稠剤としてのリチウム石鹸を含有した鉱油タイプの市販グリースを軸受内部の空間容積の25vol%となるように転動体間の空隙に均等に封入し、次いで、実施例1、2及び比較例1〜3の各防錆液を外輪外周面及び内輪内周面に噴霧状に均一に撒布して試験片を作製し、温度30℃、相対湿度95%の環境下で50時間後、100時間後、及び150時間後に錆発生状況を観察した。
【0078】
尚、試験片は総計で5個作製し、所謂小錆以上の錆の発生有無を確認し、錆発生の軸受個数で防錆性を評価した。
【0079】
表3は防錆性の評価結果を示している。
【0080】
【表3】
【0081】
この表3から明らかなように、比較例1〜3は揮発性のフッ素系オイル又は合成油を塗布しており、撥油性の防錆被膜が形成されていないため50時間経過時には既に錆の発生が認められる試験片が出現し、さらに150時間経過時には80%以上の高い確率で錆の発生する試験片の存在が認められた。これに対し、実施例1、2は撥油性物質からなる防錆被膜が形成されているので150時間経過時においても錆の発生は認められず、防錆性に優れていることが分かった。
【0082】
[第2の実施例]
本発明者らは、撥油性防錆剤としてフッ素誘導体A及びフッ素誘導体Bを使用し、希釈剤としての低分子量パーフルオロポリエーテルへのフッ素誘導体Aの添加量を変化させてゆき、添加量と錆発生の有無を測定した。
【0083】
すなわち、一方、フッ素誘導体Aの低分子量パーフルオロポリエーテルへの添加量が0.5wt%、1wt%、2wt%、3wt%、5wt%及び10wt%の計6種類のフッ素誘導体A含有防錆液を作製し、同様にフッ素誘導体Bの低分子量パーフルオロポリエーテルへの添加量が0.5wt%、1wt%、2wt%、3wt%、5wt%及び10wt%の計6種類のフッ素誘導体B含有防錆液を作製した。
【0084】
次いで、第1の実施例と同様、上記転がり軸受を石油ベンジンで十分に脱脂し乾燥した後、増稠剤としてのリチウム石鹸を含有した鉱油タイプの市販グリースを軸受内部の空間容積の25vol%となるように転動体間の空隙に均等に封入した。
【0085】
そして、上記作製された各防錆液、及びフッ素誘導体A、Bが含有されていない低分子量パーフルオロポリエーテルを外輪外周面及び内輪内周面に噴霧状に均一に夫々撒布して試験片を作製し、温度30℃、相対湿度95%の環境下で100時間後、及び200時間後の錆発生状況を観察した。尚、各試験片は1個の防錆液当り各々5個ずつ作製し、小錆以上の錆の発生有無を確認し、錆発生の軸受個数で防錆性を評価した。
【0086】
図3はフッ素誘導体Aの添加量(wt%)と錆発生の軸受個数の関係を示し、図4はフッ素誘導体Bの添加量(wt%)と錆発生の軸受個数の関係を示している。図中、横軸はフッ素誘導体A、フッ素誘導体Bの夫々の添加量を示し、縦軸錆発生の軸受個数であり、▲は100時間後の錆発生個数、●は200時間後の錆発生個数を示している。
【0087】
この図3及び図4から明らかなように、フッ素誘導体A、Bが全く含まれていない場合は200時間経過後には5個の試験片の全てに錆が発生しているのに対し、0.5wt%又は1.0wt%のフッ素誘導体A、Bを含有した防錆液では100時間経過時には錆の発生した試験片は出現せず、また、200時間経過時でも錆の発生した試験片は2個と少なく、さらに、フッ素誘導体A、Bを2wt%以上含有した防錆液では200時間経過時であっても錆は全く発生しないことが分かった。
【0088】
一方、フッ素誘導体A、Bを10wt%以上添加した場合は防錆被膜の膜厚が厚くなってハウジングへの軸受の装着を円滑に行うことができないため、フッ素誘導体A、Bの含有率としては、0.5wt%〜10wt%、好ましくは2wt%〜10wt%に設定するのが望ましいことが確認された。
【0089】
[第3の実施例]
本発明者らは、φ19×φ8×6の波形鋼板プレス保持器が装着された鋼板性非接触式シール機構付きの転がり軸受を使用し、ならし運転の有無について防錆性を評価した。
【0090】
すなわち、第1及び第2の実施例と同様、上記転がり軸受を石油ベンジンで十分に脱脂し乾燥した後、増稠剤としてのリチウム石鹸を含有した鉱油タイプの市販グリースを軸受内部の空間容積の25vol%となるように転動体間の空隙に均等に封入した。
【0091】
そしてこの後、鋼板製非接触シールを所定位置に装着し、軸受内輪を300min-1の回転数で3秒間回転駆動させ、ならし運転を行った。
【0092】
次に、実施例1の防錆液を外輪外周面及び内輪内周面に噴霧状に均一に撒布し、撥油性の防錆被膜が形成された試験片を作製し、温度30℃、相対湿度80%を基準として5℃〜60℃の範囲で所定サイクルで温度変化させ、斯かる環境下で1週間放置し、外輪外周面及び内輪内周面の錆発生状況を観察した(実施例11)。
【0093】
また、本発明者らは、比較例として、実施例11と同様の転がり軸受及びグリース種を使用し、上述と同様、グリースを軸受内部に封入した後、鋼板製非接触シールを所定位置に装着し、転がり軸受を回転させることなく、直ちに上述と同様、実施例1の防***を外輪外周面及び内輪内周面に噴霧状に均一に撒布し、撥油性の防錆被膜が形成された試験片を作製し、実施例11と同様、温度30℃、相対湿度80%を基準として5℃〜60℃の範囲で所定サイクルで温度変化させ、斯かる環境下で1週間放置し、外輪外周面及び内輪内周面の錆発生状況を観察した(比較例11)。
【0094】
尚、実施例11及び比較例11共、総計で5個ずつ作製し、小錆以上の錆の発生有無を確認し、錆発生の軸受個数で防錆性を評価した。
【0095】
表4は防錆性の評価結果を示している。
【0096】
【表4】
【0097】
この表4から明らかなように、比較例11では防錆剤が塗布されている内輪内周面及び外輪外周面には錆発生は認められなかったが、内輪外周面及び外輪内周面には5個の試験片中、夫々4個又は5個の試験片で錆発生が認められた。これは、比較例11ではグリース封入後にならし運転を行なわない場合は、グリースを封入したのみでは内輪外周面及び外輪内周面の防錆効果に「むら」が生じ、温度変化を厳しくすると部分的に錆が発生することがあるものと考えられる。
【0098】
これに対して、実施例11は、グリース封入後にならし運転を行なうことにより、グリースが内輪外周面及び外輪内周面の全域により均一に行き渡り、したがって内輪内周面や外輪外周面のみならず、内輪外周面や外輪内周面においても錆発生は認められず、より優れた防錆効果が得られることが確認された。
【0099】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るグリース潤滑の転がり軸受は、所定のグリースが潤滑剤として軸受内部に封入され、少なくとも一方が樹脂材料で形成された軸及びハウジング間に装着されるグリース潤滑の転がり軸受において、撥油性物質からなる防錆被膜が、少なくとも外輪外周面及び内輪内周面に形成されているので、防錆被膜が樹脂材料中に侵入することもなく、したがって結晶化度の低い樹脂材料でハウジングや軸を形成した場合であっても、樹脂強度の低下を招くことなく所望の防錆性を確保することができる。
【0100】
また、前記防錆被膜は、0.5wt%〜10wt%のフッ素系防錆剤をフッ素系希釈剤に含有させた防錆液が塗布されているので、防錆剤と希釈剤との間の相溶性にも優れ、錆の発生を効果的に防止することができる。
【0101】
前記フッ素系希釈剤として分子量が1,700以下の材料を使用することにより、前記希釈剤が軸受表面に残留して所謂ベトツキ感が残存するのを回避することができる。
【0102】
このように本発明によれば、グリース潤滑の転がり軸受の装着されるハウジング又は軸を、用途等に応じてPC、POM、ABS、PS、PPO、又は変性PPO等の樹脂材料を適宜使用しても、樹脂強度の低下を招来することなく転がり軸受の錆発生を効果的に防止することができる。
また、前記グリースの前記軸受内部への充填量が前記軸受内部の空間容積の10 vol %〜50 vol %であると、グリースが外部に漏出することなく防錆効果を発揮することができる。
前記グリースを前記軸受内部へ充填した後にならし運転を行なうことにより、前記グリースが前記軸受内部の全域に亙って付着して、グリースが外部に漏出することなく防錆効果を発揮することができる。
また、本発明に係るグリース潤滑の転がり軸受がシール部材を備えるので、前記軸受内部に充填されたグリースの漏出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るグリース潤滑の転がり軸受の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】樹脂強度評価テストに使用される実験装置を模式的に示した図である。
【図3】フッ素誘導体Aの添加量(wt%)と錆発生の軸受個数の関係を示した図である。
【図4】フッ素誘導体Bの添加量(wt%)と錆発生の軸受個数の関係を示した図である。
【符号の説明】
4 内輪
5 外輪
9a、9b 防錆被膜
Claims (9)
- 所定のグリースが潤滑剤として軸受内部に封入され、少なくとも一方が樹脂材料で形成された軸及びハウジング間に装着されるグリース潤滑の転がり軸受において、
撥油性物質からなる防錆被膜が、少なくとも外輪外周面及び内輪内周面に形成されていることを特徴とするグリース潤滑の転がり軸受。 - 前記グリースの前記軸受内部への充填量は、前記軸受内部の空間容積の10vol%〜50vol%であることを特徴とする請求項1記載のグリース潤滑の転がり軸受。
- 前記グリースを前記軸受内部へ充填した後に、回転数が300min-1〜10,000min-1に且つ運転時間が3秒〜5分に設定されたならし運転が行なわれていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のグリース潤滑の転がり軸受。
- 前記ならし運転により、前記グリースが前記軸受内部の全域に亙って付着していることを特徴とする請求項3記載のグリース潤滑の転がり軸受。
- 前記軸受内部に充填されたグリースの漏出を防止するシール部材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のグリース潤滑の転がり軸受。
- 前記防錆被膜は、重量%で0.5%〜10%のフッ素系防錆剤をフッ素系希釈剤に含有させた防錆液が塗布されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のグリース潤滑の転がり軸受。
- 前記フッ素系希釈剤は、分子量が1,700以下の材料からなることを特徴とする請求項6記載のグリース潤滑の転がり軸受。
- 前記樹脂材料には、少なくともポリカーボネート、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド、及び変性ポリフェニレンオキサイドのいずれかが含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のグリース潤滑の転がり軸受。
- 前記グリースを前記軸受内部へ充填した後に、前記防錆被膜の形成が行われたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のグリース潤滑の転がり軸受。
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