JP3956223B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基材に液体を吐出する液体吐出装置に関する。
従来のインクジェット記録方式としては、圧電素子の振動によりインク流路を変形させることによりインク液滴を吐出させるピエゾ方式、インク流路内に発熱体を設け、その発熱体を発熱させて気泡を発生させ、気泡によるインク流路内の圧力変化に応じてインク液滴を吐出させるサーマル方式、インク流路内のインクを帯電させてインクの静電吸引力によりインク液滴を吐出させる静電吸引方式が知られている。
特開平8−238774号公報 特開2000−127410号公報
しかしながら、上記従来例には以下の問題がある。
(1)微小液滴形成の限界と安定性
ノズル径が大きいため、ノズルから吐出される液滴の形状が安定せず、液滴の微小化に限界がある。
(2)高印加電圧
微小液滴の吐出のためには、ノズルの吐出口の微細化を図ることが重要因子となってくるが、従来の静電吸引方式の原理では、ノズル径が大きいことにより、ノズル先端部の電界強度が弱く、液滴を吐出するのに必要な電界強度を得るために、高い吐出電圧(例えば2000[V]に近い非常に高い電圧)を印加する必要があった。従って、高い電圧を印加する
ために、電圧の駆動制御が高価になるという問題があった。
そこで、微少液滴を吐出可能な液体吐出装置を提供することを第一の目的とする。また同時に、安定した液滴を吐出することが可能な液体吐出装置を提供することを第二の目的とする。さらに、微小液滴を吐出可能で、且つ着弾精度のより液体吐出装置の提供を第三の目的とする。さらに、印加電圧を低減することを可能とし、安価な液体吐出装置を提供することを第四の目的とする。
また、スリットジェットを代表とする静電吸引型インクジェットアレイにおいて有効なクリーニング機構は、共通開口部(スリット)のインクのメニスカス位置を変える少なくとも1個のインク保持部の容積変化発生手段と、定期的若しくはシーケンス的に共通開口部を弾力のある洗浄部材でスリット方向にワイプする手段とを備え、ワイプ手段によるワイプに先立ち、インク保持部の容積を増加させ、メニスカス位置をスリット位置からスリット幅長以上、好ましくはスリット幅の3倍以上後退させ、インク液と洗浄部材とが接触しない条件でスリット方向にワイプし、スリット表面にある汚れや異物を取り除き、目詰まりを防止するものであるが、微少ノズルを有する若しくは、微少ノズルを有し先端が突出しているタイプの本発明にある静電吸引型インクジェットでは、このような洗浄方式は、洗浄性にムラができ、好ましくないし、さらに微少ノズル内及び流路における洗浄には対応できない。また、ノズル穴タイプの静電吸引型インクジェットアレイにおいては、ノズル外面を洗浄する方式もあるが、微少ノズルを有する若しくは、微少ノズルを有し先端が突出しているタイプは、ただ外面を洗浄するだけでは、同様に洗浄ムラになり好ましくなく、且つ、微少ノズル内及び流路における洗浄には対応できない。よって、微少ノズルを有する若しくは、微少ノズルを有し先端が突出している静電吸引型インクジェットを目詰まり及び液滴の着弾精度に影響のないように、精密洗浄することが課題となる。
さらに、液体吐出装置が長時間使用されなかったり作業の内容によって特定のノズルを長時間使用しなかったりすると、ノズルやこのノズルまで溶液を供給する供給路にて、溶液に含有される微細粒子が凝集することで微細粒子の凝集体が形成される場合がある。例えば、凝集体がノズル内にて形成された場合には、ノズルの溶液吐出口に凝集体が詰まってしまい、ノズルの目詰まりが発生することとなる。また、凝集体が供給路内にて形成された場合には、画像形成時等におけるノズルへの溶液供給に伴って、ノズルの溶液吐出口まで凝集体が運ばれて、ノズル吐出口に凝集体が詰まってしまう。また、凝集体は供給路内面に固着し易いために、供給路内面に固着した凝集体によって、供給路の断面積が小さくなりノズルへの溶液供給が好適に行われなくなる虞もある。従って、ノズルからの溶液吐出を好適に行えなくなるという問題があった。
特に、近年の形成画像の高画質化に伴ってノズルの超微細化が進んでいるため、溶液中の微細粒子の凝集によってノズルの目詰まりが発生し易い状況となっている。
そこで、ノズルの目詰まりを防止することを第五の目的とする。
請求項1に記載の発明は、ノズル径が0.2[μm]より大きく4[μm]以下のノズルと、前記ノズルまで溶液を導く供給路と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、前記吐出電圧印加手段による前記吐出電圧の前記ノズル内の溶液への印加に基づき、前記ノズルの先端部から前記先端部に対向配置された基材に対して、帯電した溶液を液滴として吐出する液体吐出装置であって、
前記ノズル又は前記ノズル及び前記供給路を洗浄液で洗浄する洗浄装置を備え、
前記洗浄装置は、前記ノズル内又は前記ノズル内及び前記供給路内に洗浄液を流通すると共に、前記ノズルの外面及びノズル穴に向けて前記洗浄液を噴射可能な噴射孔を有し、前記ノズルの外面を前記先端部側から覆うキャップ部材を備えることを特徴としている。
ここで、上述の構成において、ノズル径とは、液滴を吐出する先端部におけるノズルの内部直径をいう。なお、ノズル内の液体吐出穴の断面形状は円形に限定されるものではない。例えば、液体吐出穴の断面形状が多角形、星形その他の形状である場合にはその断面形状の外接円が0.2[μm]より大きく4[μm][μm]以下となることを示すものとする。以下、ノズル径或いはノズルの内部直径という場合において、他の数値限定を行っている場合にも同様とする。
また、「基材」とは吐出された溶液の液滴の着弾を受ける対象物をいい、材質的には特に限定されないものとする。従って、例えば、液体吐出装置をインクジェットプリンタに適応した場合には、用紙やシート等の記録媒体が基材に相当し、導電性ペーストを用いて回路の形成を行う場合には、回路が形成されるべきベースが基材に相当することとなる。
さらに、上記構成にあっては、ノズルの先端部に溶液受け面が対向するように、ノズル又は基材が配置される。これら相互の位置関係を実現するための配置作業は、ノズルの移動又は基材の移動のいずれにより行っても良い。
そして、ノズル内の溶液は吐出を行うために帯電した状態にあることが要求される。なお、溶液の帯電は、吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段により吐出されない範囲での帯電専用の電極による電圧印加により行っても良い。
請求項1に記載の発明によれば、ノズル又はノズル及び供給路を洗浄液で洗浄する洗浄装置が備えられる。そして、洗浄装置によって、ノズル内又はノズル内及び供給路内に洗浄液が流通される。例えば、溶液に微細粒子が含有されていると、ノズル内や供給路内にて凝集した前記微細粒子の凝集体がノズルの先端部の溶液が吐出される開口(以下、「吐出口」という。)に詰まることでノズルの目詰まりが発生する虞があるが、ノズル内又はノズル内及び供給路内に洗浄液を流通させることによって、ノズル内や供給路内に存する微細粒子の凝集体を外部に排出して、ノズル内や供給路内を洗浄できる。また、微細粒子の凝集体が供給路内面やノズル内に固着した状態であっても、流通された洗浄液の洗浄効果によって凝集体が供給路内面から取り除かれることで、供給路内面及びノズル内が洗浄されることとなる。さらに、例えば、ノズル内や供給路内にゴミや溶液が固化することで生じる固形分等の不純物が存在する場合であっても、前記不純物は洗浄液によって取り除かれることとなる。
このように、ノズル内や供給路内を洗浄できるので、ノズル径が0.2[μm]より大きく4[μm]以下のノズルであっても、溶液の吐出時におけるノズルの目詰まりが発生しにくくなり、ノズルの目詰まりを防止することができる。
さらに、洗浄装置は、ノズルの外面及びノズル穴に向けて前記洗浄液を噴射可能な噴射孔を有するキャップ部材を備えるので、ヘッド部の噴射孔から洗浄液がノズルの外面に向けて噴射されるので、ノズルの外面が洗浄液により洗浄されることとなる。すなわち、例えばノズルから溶液の吐出を繰り返すことにより、ノズルの外面、特にノズルの先端部側の外面には溶液が付着して固化することで固着物が生じることとなる。そして、前記溶液の付着及び固着が繰り返し行われることで、固着物の固着が先端部の溶液吐出口にまで及んでしまい、ノズルの目詰まりが発生する虞があるが、ノズルの外面に向けて洗浄液を噴射することにより、洗浄液の洗浄効果によって、ノズルの先端部側の外面に存する溶液の固着物、並びに前記溶液吐出口に存する固着物を除去できる。これにより、ノズルの目詰まりを防止できる。
ここで、ノズル外面に噴射される洗浄液は、突出型のノズル形状においては少なくともノズル先端面に、又はフラット型のノズル形状においてはノズル穴及びノズル穴周辺に対して、略垂直に噴射することが重要であり、またその流速も速い方が好ましい。
また、上記構成にあっては、ノズルを従来にないノズル径が0.2[μm]より大きく4[μm][μm]以下のノズルとすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある。ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。かかる場合、ノズルの先端部に対向する対向電極がなくとも液滴の吐出を行うことが可能である。そして、ノズル先端部に誘起される静電力により液滴の飛翔が行われる。
但し、本発明の構成は、対向電極を不要とすることを可能とするが、対向電極を併用しても構わない。対向電極を併用する場合には、当該対向電極の対向面に沿わせた状態で基材を配置すると共に対向電極の対向面がノズルからの液滴吐出方向に垂直に配置されることが望ましく、これにより、ノズル−対向電極間での電界による静電力を飛翔電極の誘導のために併用することも可能となるし、対向電極を接地すれば、帯電した液滴の電荷を対向電極を介して逃がすことができ、電荷の蓄積を低減する効果も得られるので、むしろ併用することが望ましい構成といえる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記洗浄装置は、前記ノズルへの溶液の供給方向に沿って前記洗浄液を流通することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、洗浄装置によって、ノズルへの溶液の供給方向に沿って洗浄液が流通される。すなわち、洗浄液は、供給路内へと導入されてこの供給路内をノズル側へと流れ、ノズルの先端部から外部に排出される。従って、例えば供給路内に溶液が存する場合には、供給路内の溶液を流通された洗浄液がノズル側へと押し出して、ノズルの先端部から外部に排出することとなる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の液体吐出装置において、
前記洗浄装置は、前記キャップ部材を介して前記ノズル内を吸引する吸引ポンプとを備えることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、洗浄装置には、ノズルの外面をノズルの先端部側から覆うキャップ部材と、キャップ部材を介してノズル内を吸引する吸引ポンプとが備えられる。これにより、吸引ポンプによって、キャップ部材を介してノズル内に存する溶液や洗浄液等が吸引されることになる。すなわち、ノズル内及び供給路内へ洗浄液を流通する場合において、ノズル内や供給路内に溶液が存在すると、吸引ポンプは前記溶液を吸引するとともに、ノズル内又はノズル内及び供給路内へと洗浄液が流通されるように洗浄液を吸引することとなる。
また、吸引ポンプがノズル内への溶液の供給に用いられても良く、この場合には、吸引ポンプによって、例えば溶液が収納されている溶液収納部内の溶液がノズル内に供給されるように溶液が吸引されることとなる。
ここで、ノズル内又はノズル内及び供給路内への洗浄液の流通とノズル内への溶液の供給とが、単一の吸引ポンプによって行われても良い。すなわち、例えば、前記洗浄液の流通と前記溶液の供給とを切り替え可能な切替手段を備える構成とすることにより、単一の吸引ポンプによる前記洗浄液の流通と前記溶液の供給とが実現可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液体吐出装置において、
前記吸引ポンプは、前記噴射孔から前記外面に噴射された前記洗浄液を吸引することを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同等の効果を得ることができるとともに、吸引ポンプによって、キャップ部材に備わる噴射孔からノズルの外面に噴射された洗浄液を吸引することができる。つまり、ノズルの外面への洗浄液の噴射、並びに噴射された洗浄液の吸引ポンプによる吸引を、単一のキャップ部材を介して行うことが可能となる。即ち、目詰まりが発生し易いノズル先端部の固着物を、キャップ部材からノズル穴に向けて噴射された洗浄液によって洗浄除去し、続いて、吸引ポンプによる吸引動作によってノズル内部及び吐出溶液の供給路をスムーズに洗浄することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記洗浄液は、高周波の振動が加えられたものであることを特徴としている。
請求項5に記載の発明にはよれば、請求項1から4に記載の発明と同等の効果を得ることができるとともに、洗浄液は、例えばメガヘルツの高周波の振動が加えられているので、水粒子を加速させることにより、通常の流水洗浄液では除去が困難なサブミクロンの微粒子の洗浄除去も容易に行うことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記供給路を介して前記ノズルに供給される溶液を収納する溶液収納部と、
前記溶液収納部内に収納されている溶液に対し振動を付与することで、溶液に含有される微細粒子を分散させる振動発生装置とを備えることを特徴としている。
ここで、微細粒子とは、溶液中の溶質を構成する成分に含まれている各種の微細な粒子のことであり、溶液がインクである場合には、色剤、添加剤並びに分散剤等の成分を構成する各種粒子に相当し、溶液が導電性ペーストである場合には、Ag(銀)、Au(金)などの各種金属等の粒子に相当する。
請求項6に記載の発明によれば、供給路を介してノズルに供給される溶液を収納する溶液収納部が備えられる。また、溶液収納部内に収納されている溶液に対し振動を付与することで、溶液に含有される微細粒子を分散させる振動発生装置が備えられる。これにより、振動発生装置によって、溶液収納部に収納されている溶液に振動が付与されて溶液中の微細粒子が撹拌され分散させられるので、溶液中における微細粒子の密度は偏りがない状態となる。すなわち、溶液中において微細粒子の密度に偏りがある場合、微細粒子が凝集し易くなって微細粒子の凝集体を形成することとなるが、振動発生装置によって溶液に対し振動が付与されるので、溶液中の微細粒子の凝集体は粉砕されるとともに、溶液中の微細粒子の密度に偏りがなくなるため、微細粒子が凝集して前記凝集体を形成しにくくなる。従い、例えば溶液が溶液収納部からノズルに供給される際において、ノズルに前記凝集体が詰まる確率を低減できるとともに、ノズル又は供給路に微細粒子の凝集体が固着する確率も低減できる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の液体吐出装置において、
前記振動は、超音波であることを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、振動は超音波とされている。すなわち、振動発生装置によって、超音波が照射されることにより溶液に対して振動が付与されるので、超音波の照射に基づき発生する細かい振動を溶媒を介して溶液中の微細粒子に付与でき、微細粒子を効率的に撹拌・分散させて、微細粒子の密度に偏りがない状態とすることができる。
また、溶液収納部の外側から超音波を照射することにより、溶液に接触せずに溶液に対して振動を付与することができ、溶液中における微細粒子の分散を好適に行える。従い、溶液中の微細粒子の分散にかかる作業効率を高めることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7いずれか一項に記載の液体吐出装置において、
前記洗浄装置は、前記ノズルからの溶液の吐出停止時に、前記ノズル内又は前記ノズル内及び前記供給路内に前記洗浄液を充たした状態で、前記洗浄液の流通を停止可能であることを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、洗浄装置によって、ノズルからの溶液の吐出停止時に、ノズル内又はノズル内及び供給路内に洗浄液を充たした状態で、洗浄液の流通が停止されるので、例えば供給路内やノズル内に微細粒子の凝集体や不純物等が固着している場合であっても、前記微細粒子の凝集体や不純物等に対して洗浄液が作用する時間を十分に確保できる。従い、ノズル内や供給路内の洗浄を効果的に行うことができる。
ここで、本発明において、ノズルの内部直径を20[μm]未満とすることにより、電界強度分布が狭くなる。このことにより、電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができると共に、総印加電圧を低減することができる。また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、対向電極に近づくにつれ、静電力により加速される。この空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
さらに、ノズルの内部直径は、10[μm]以下であることが好ましい。この構成により、
さらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さの液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
また、ノズルの内部直径は、8[μm]以下であることが好ましい。ノズルの内部直径を8[μm]以下とすることにより、さらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さの液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。さらに、電界集中の度合いが高まることにより、多ノズル化時のノズルの高密度化で課題となる電界クロストークの影響が軽減し、一層の高密度化が可能となる。
また、ノズルの内部直径を4[μm]以下とすることにより、顕著な電界の集中を図ることができ、最大電界強度を高くすることができ、形状の安定な液滴の超微小化と、液滴の初期吐出速度を大きくすることができる。これにより、飛翔安定性が向上することにより、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。さらに、電界集中の度合いが高まることにより、多ノズル化時のノズルの高密度化で課題となる電界クロストークの影響が受けにくくなり、より一層の高密度化が可能となる。
また、ノズルの内部直径は0.2[μm]より大きい方が望ましい。ノズルの内部直径を0.2[μm]より大きくすることで、液滴の帯電効率を向上させることができるので、液滴の吐出安定性を向上させることができる。
さらに、上記各請求項の構成において、
(1)ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に吐出電圧印加用の電極を挿入あるいは当該電極として機能するメッキ形成を行うことが好ましい。
(2)上記各請求項の構成又は上記(1)の構成において、ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に電極を挿入或いは電極としてのメッキを形成すると共にノズルの外側にも吐出用の電極を設けることが好ましい。
ノズルの外側の吐出用電極は、例えば、ノズルの先端側端面或いは、ノズルの先端部側の側面の全周若しくは一部に設けられる。
(1)及び(2)により、上記各請求項による作用効果に加え、吐出力を向上させることができるので、ノズル径をさらに微小化しても、低電圧で液滴を吐出することができる。
(3)上記各請求項の構成、上記(1)又は(2)の構成において、基材を導電性材料または絶縁性材料により形成することが好ましい。
(4)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)又は(3)の構成において、ノズルに印加する電圧Vを、
Figure 0003956223
で表される流域において駆動することが好ましい。
ただし、γ:液体の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル直径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
ノズル内の溶液に対して上式(1)の範囲の吐出電圧Vの印加が行われる。上式(1)において、吐出電圧Vの上限の基準となる左側の項は、従来におけるノズル−対向電極間での電界による液滴吐出を行う場合での限界最低吐出電圧を示す。本発明は、前述したように、ノズルの超微細化による電界集中の効果により、微小液滴の吐出を、従来技術では実現されなかった従来の限界最低吐出電圧よりも低い範囲に吐出電圧Vを設定しても、実現することができる。
また、上式(1)における吐出電圧Vの下限の基準となる右側の項は、ノズル先端部における溶液による表面張力に抗して液滴の吐出を行うための本発明の限界最低吐出電圧を示す。つまり、この限界最低吐出電圧よりも低い電圧を印加しても液滴の吐出は実行されないが、例えば、この限界最低吐出電圧を境界とするこれより高い値を吐出電圧とし、これより低い値の電圧と吐出電圧とを切り替えることで、吐出動作のオンオフの制御を行うことができる。即ち、電圧の高低の切替のみにより吐出動作のオンオフの制御が可能となる。なお、この場合、吐出のオフ状態に切り替える低電圧値は、限界最低吐出電圧に近いことが望ましい。これにより、オンオフの切替における電圧変化幅を狭小化し、応答性の向上を図ることが可能となるからである。
(5)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成において、印加する吐出電圧が1000V以下であることが好ましい。
吐出電圧の上限値をこのように設定することにより、吐出制御を容易とすると共に装置の耐久性の向上及び安全対策の実行により確実性の向上を容易に図ることが可能となる。
(6)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の構成において、印加する吐出電圧が500V以下であることが好ましい。
吐出電圧の上限値をこのように設定することにより、吐出制御をより容易とすると共に装置の耐久性のさらなる向上及び安全対策の実行により確実性のさらなる向上を容易に図ることが可能となる。
(7)上記各請求項の構成、上記(1)〜(6)いずれかの構成において、ノズルと基材との距離が500[μm]以下とすることが、ノズル径を微細にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。
(8)上記各請求項の構成、上記(1)〜(7)いずれかの構成において、ノズル内の溶液に圧力を印加するように構成することが好ましい。
(9)上記各請求項の構成、上記(1)〜(8)いずれかの構成において、単一パルスによって吐出する場合、
Figure 0003956223
により決まる時定数τ以上のパルス幅Δtを印加する構成としても良い。ただし、ε:溶液の誘電率(F/m)、σ:溶液の導電率(S/m)とする。
本発明によれば、ノズル内又はノズル内及び供給路内に洗浄液が流通されるので、例えば、ノズル内や供給路内に存する微細粒子の凝集体を外部に排出して、ノズル内や供給路内を洗浄できる。また、微細粒子の凝集体が供給路内面やノズル内に固着した状態であっても、流通された洗浄液の洗浄効果によって凝集体を供給路内面から取り除くことで、供給路内面及びノズル内を洗浄できる。さらに、例えば、ノズル内や供給路内に存在するゴミや溶液が固化することで生じる固形分等の不純物等も、洗浄液によって取り除くことができる。
このように、ノズル内や供給路内を洗浄できるので、ノズル径が0.2[μm]より大きく4[μm]以下のノズルであっても、溶液の吐出時におけるノズルの目詰まりが発生しにくくなり、ノズルの目詰まりを防止できる。
また、本発明によれば、従来のようにノズルと対向電極間に形成される電界により生じる静電力を利用して液滴を飛翔させるものではなく、ノズルを従来にない超微細径(0.2[μm]より大きく4[μm]以下のノズル径)とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めると共にその際に誘導される基材までの間に生じる電界の静電力により液滴の飛翔を行っている。
従って、基材が導電体であっても絶縁体であっても良好に液滴の吐出を行うことが可能となる。また、対向電極の存在を不要とすることが可能となる。さらに、これにより、装置構成における備品点数の低減を図ることが可能となる。よって、本発明を業務用インクジェットシステムに適用した場合、システム全体の生産性の向上に貢献し、コスト低減をも図ることが可能となる。
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
以下の実施形態で説明する液体吐出装置のノズル径は、30[μm]以下であることが好ましく、さらに好ましくは20[μm]未満、さらに好ましくは10[μm]以下、さらに好ましくは8[μm]以下、さらに好ましくは4[μm]以下とすることが好ましい。また、ノズル径は、0.2[μm]より大きいことが好ましい。以下、ノズル径と電界強度との関係について、図1〜図6を参照しながら以下に説明する。図1〜図6に対応して、ノズル径をφ0.2,0.4,1,8,20[μm]及び参考として従来にて使用されているノズル径φ50[μm]の場合の電界強度分布を示す。
ここで、各図において、ノズル中心位置とは、ノズル先端の液体吐出孔の液体吐出面の中心位置を示す。また、各々の図の(a)は、ノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。なお、印加電圧は、各条件とも200[V]と一定にした。図中の分布線は、電荷強度が1×106[V/m]から1×107[V/m]までの範囲を示している。
図7に、各条件下での最大電界強度を示す図表を示す。
図1〜図6から、ノズル径がφ20[μm](図5)以上だと電界強度分布は広い面積に広がっていることが分かった。また、図7の図表から、ノズルと対向電極の距離が電界強度に影響していることも分かった。
これらのことから、ノズル径がφ8[μm](図4)以下であると電界強度は集中すると共に、対向電極の距離の変動が電界強度分布にほとんど影響することがなくなる。従って、ノズル径がφ8[μm]以下であれば、対向電極の位置精度及び基材の材料特性のバラ付きや厚さのバラツキの影響を受けずに安定した吐出が可能となる。
次に、上記ノズルのノズル径とノズルの先端位置に液面があるとした時の最大電界強度と強電界領域の関係を図8に示す。
図8に示すグラフから、ノズル径がφ4[μm]以下になると、電界集中が極端に大きくなり最大電界強度を高くすることができるのが分かった。これによって、溶液の初期吐出速度を大きくすることができるので、液滴の飛翔安定性が増すと共に、ノズルの先端部での電荷の移動速度が増すために吐出応答性が向上する。
続いて、吐出した液滴における帯電可能な最大電荷量について、以下に説明する。液滴に帯電可能な電荷量は、液滴のレイリー***(レイリー限界)を考慮した以下の(3)式で示される。
Figure 0003956223
ここで、qはレイリー限界を与える電荷量(C)、ε0は真空の誘電率(F/m)、γは溶液の表面張力(N/m)、d0は液滴の直径(m)である。
上記(3)式で求められる電荷量qがレイリー限界値に近いほど、同じ電界強度でも静電力が強く、吐出の安定性が向上するが、レイリー限界値に近すぎると、逆にノズルの液体吐出孔で溶液の霧散が発生してしまい、吐出安定性に欠けてしまう。
ここで、ノズルのノズル径とノズルの先端部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示すグラフを図9に示す。
図9に示すグラフから、ノズル径がφ0.2[μm]からφ4[μm]の範囲において、吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比が0.6を超え、液滴の帯電効率が良い結果となっており、該範囲において安定した吐出が行えることが分かった。
例えば、図10に示すノズル径とノズルの先端部の強電界(1×106[V/m]以上)の領域の関係で表されるグラフでは、ノズル径がφ0.2[μm]以下になると電界集中の領域が極端に狭くなることが示されている。このことから、吐出する液滴は、加速するためのエネルギーを十分に受けることができず飛翔安定性が低下することを示す。よって、ノズル径はφ0.2[μm]より大きく設定することが好ましい。
[液体吐出装置]
(液体吐出装置の全体構成)
以下、液体吐出装置について図11〜図13に基づいて説明する。図11は、本発明が適用された一実施の形態として例示する液体吐出装置100のノズル51に沿った断面を示した図であり、図12は溶液の吐出動作に直接関わりある構成のみを図示したノズル51に沿った液体吐出装置100の断面図である。また、図13は溶液に印加される電圧との関係を示す説明図であって、図13(A)は吐出を行わない状態であり、図13(B)は吐出状態を示す。
図11及び図12に示すように、液体吐出装置100は、帯電可能な溶液の液滴をその先端部から吐出する超微細径のノズル51と、ノズル51の先端部に対向する対向面を有すると共にその対向面で液滴の着弾を受ける基材Kを支持する対向電極23と、ノズル51内に溶液を供給する溶液供給部53と、ノズル51内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段35と、ノズル51及び供給路60を洗浄液で洗浄する洗浄装置200と、溶液中の微細粒子に対して振動を付与する振動発生装置300とを備えている。なお、上記ノズル51と溶液供給部40の一部の構成と吐出電圧印加手段35の一部の構成はノズルプレート56により一体的に形成されている。
また、説明の便宜上、図1ではノズル51の先端部が側方を向き、図12ではノズル51の先端部が上方を向いた状態で図示されているが、実際上は、ノズル51が水平方向か或いはそれよりも下方、より望ましくは垂直下方に向けた状態で使用される。
ここで、液体吐出装置100の液滴の吐出に直接関わりある構成について(洗浄装置200、振動発生装置300を除く構成)、図12及び図13に基づいて先に説明することとする。
(溶液)
上記液体吐出装置100による吐出を行う溶液の例としては、無機液体としては、水、COCl2、HBr、HNO3、H3PO4、H2SO4、SOCl2、SO2Cl2、FSO3Hなどが挙げられる。有機液体としては、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、tert−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルコール類;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、などのフェノール類;ジオキサン、フルフラール、エチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エピクロロヒドリンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−4−ペンタノン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの脂肪酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、セロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセト酢酸エチル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、プロピレンジアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,N',N'−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類;ベンゼン、p−シメン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセンなどの炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン(cis−)、テトラクロロエチレン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、ブロモメタン、トリブロモメタン、1−ブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素類、などが挙げられる。また、上記各液体を二種以上混合して溶液として用いても良い。
さらに、高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストを溶液として使用し、吐出を行う場合には、上述した液体に溶解又は分散させる目的物質としては、ノズルで目詰まりを発生するような粗大粒子を除けば、特に制限されない。PDP、CRT、FEDなどの蛍光体としては、従来より知られているものを特に制限なく用いることができる。例えば、赤色蛍光体として、(Y,Gd)BO3:Eu、YO3:Euなど、緑色蛍光体として、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・α−Al23:Mnなど、青色蛍光体として、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1017:Euなどが挙げられる。上記の目的物質を記録媒体上に強固に接着させるために、各種バインダーを添加するのが好ましい。用いられるバインダーとしては、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースおよびその誘導体;アルキッド樹脂;ポリメタクリタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート・メタクリル酸共重合体、ラウリルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などの(メタ)アクリル樹脂およびその金属塩;ポリN−イソプロピルアクリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドなどのポリ(メタ)アクリルアミド樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・イソプレン共重合体などのスチレン系樹脂;スチレン・n−ブチルメタクリレート共重合体などのスチレン・アクリル樹脂;飽和、不飽和の各種ポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エポキシ系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のポリアセタール樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合樹脂などのポリエチレン系樹脂;ベンゾグアナミン等のアミド樹脂;尿素樹脂;メラミン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂及びそのアニオンカチオン変性;ポリビニルピロリドンおよびその共重合体;ポリエチレンオキサイド、カルボキシル化ポリエチレンオキサイド等のアルキレンオキシド単独重合体、共重合体及び架橋体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;ポリエーテルポリオール;SBR、NBRラテックス;デキストリン;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン及びその誘導体、カゼイン、トロロアオイ、トラガントガム、プルラン、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、カラギニン、にかわ、アルブミン、各種澱粉類、コーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、大豆蛋白等の天然或いは半合成樹脂;テルペン樹脂;ケトン樹脂;ロジン及びロジンエステル;ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルフォン酸、ポリビニルスルフォン酸などを用いることができる。これらの樹脂は、ホモポリマーとしてだけでなく、相溶する範囲でブレンドして用いても良い。
液体吐出装置100をパターンニング方法として使用する場合には、代表的なものとしてはディスプレイ用途に使用することができる。具体的には、プラズマディスプレイの蛍光体の形成、プラズマディスプレイのリブの形成、プラズマディスプレイの電極の形成、CRTの蛍光体の形成、FED(フィールドエミッション型ディスプレイ)の蛍光体の形成、FEDのリブの形成、液晶ディスプレイ用カラーフィルター(RGB着色層、ブラックマトリクス層)、液晶ディスプレイ用スペーサー(ブラックマトリクスに対応したパターン、ドットパターン等)などが挙げることができる。ここでいうリブとは一般的に障壁を意味し、プラズマディスプレイを例に取ると各色のプラズマ領域を分離するために用いられる。その他の用途としては、マイクロレンズ、半導体用途として磁性体、強誘電体、導電性ペースト(配線、アンテナ)などのパターンニング塗布、グラフィック用途としては、通常印刷、特殊媒体(フィルム、布、鋼板など)への印刷、曲面印刷、各種印刷版の刷版、加工用途としては粘着材、封止材などの本発明を用いた塗布、バイオ、医療用途としては医薬品(微量の成分を複数混合するような)、遺伝子診断用試料等の塗布等に応用することができる。
(ノズル)
上記ノズル51は、後述するノズルプレート56の上面層56cと共に一体的に形成されており、当該ノズルプレート56の平板面上から垂直に立設されている。さらに、ノズル51にはその先端部からノズルの中心に沿って貫通するノズル内流路52が形成されている。
ノズル51についてさらに詳説する。ノズル51は、その先端部における開口径とノズル内流路52とが均一であって、前述の通り、これらが超微細径で形成されている。具体的な各部の寸法の一例を挙げると、ノズル内流路52の内部直径は、30[μm]以下、さらに20[μm]未満、さらに10[μm]以下、さらに8[μm]以下、さらに4[μm]以下が好ましく、本実施の形態では、ノズル内流路52の内部直径が1[μm]に設定されている。そして、ノズル51の先端部における外部直径は2[μm]、ノズル51の根元の直径は5[μm]、ノズル51の高さは100[μm]に設定されており、その形状は限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。また、ノズル51の内部直径は0.2[μm]より大きい方が好ましい。なお、ノズル51の高さは、0[μm]でも構わない。
なお、ノズル内流路52の形状は、図12に示すような、内径一定の直線状に形成しなくとも良い。例えば、図14(A)に示すように、ノズル内流路52の後述する溶液室54側の端部における断面形状が丸みを帯びて形成されていても良い。また、図14(B)に示すように、ノズル内流路52の後述する溶液室54側の端部における内径が吐出側端部における内径と比して大きく設定され、ノズル内流路52の内面がテーパ周面形状に形成されていても良い。さらに、図14(C)に示すように、ノズル内流路52の後述する溶液室54側の端部のみがテーパ周面形状に形成されると共に当該テーパ周面よりも吐出端部側は内径一定の直線状に形成されていても良い。
(溶液供給部)
溶液供給部53は、溶液収納部61と、供給管62とを備えるとともに、ノズルプレート56の内部に、溶液室54と、接続路57とを備えている。
ここで、供給管62と接続路57と溶液室54とによって、供給路60が構成されている。
溶液収納部61は、ノズル51に供給される溶液を収納する。また、溶液収納部61は、自重により緩やかな圧力で溶液室54への溶液の供給を行うが、単独では、超微細径による低コンダクタンス性によりノズル内流路52内まで溶液を供給することはできない。図示とは異なり、通常は自重による流動圧力付与のために、溶液収納部61はノズルプレート56よりも高位置に配置される。なお、溶液収納部61からノズル51への溶液の供給は、後述する吸引ポンプ208により行うことも可能となっている。
供給管62は、その一端部が溶液収納部61に接続され、他端部が接続路57と接続されており、溶液収納部61内の溶液を接続路57まで供給する。また、供給管62の途中には、洗浄装置200を構成する三方切替弁209(後述)が設けられている。
接続路57は、供給管62に連通しており、溶液を溶液室54まで供給する。
溶液室54は、ノズル51の根元となる位置に設けられるとともに、接続路57及びノズル内流路52に連通しており、接続路57に供給された溶液をノズル内流路52に供給する。
(吐出電圧印加手段)
吐出電圧印加手段35は、ノズルプレート56の内部であって溶液室54とノズル内流路52との境界位置に設けられた吐出電圧印加用の吐出電極58と、この吐出電極58に常時,直流のバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、吐出電極58にバイアス電圧に重畳して吐出に要する電位とする吐出パルス電圧を印加する吐出電圧電源31とを備えている。
上記吐出電極58は、溶液室54内部において溶液に直接接触し、溶液を帯電させると共に吐出電圧を印加する。
バイアス電源30によるバイアス電圧は、溶液の吐出が行われない範囲で常時電圧印加を行うことにより、吐出時に印加すべき電圧の幅を予め低減し、これによる吐出時の反応性の向上を図っている。
吐出電圧電源31は、溶液の吐出を行う際にのみパルス電圧をバイアス電圧に重畳させて印加する。このときの重畳電圧Vは次式(1)の条件を満たすようにパルス電圧の値が設定されている。
Figure 0003956223
ただし、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル直径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
一例を挙げると、バイアス電圧はDC300[V]で印加され、パルス電圧は100[V]で印される。従って、吐出の際の重畳電圧は400[V]となる。
(ノズルプレート)
ノズルプレート56は、図12において最も下層に位置するベース層56aと、その上に位置する溶液の供給路を形成する流路層56bと、この流路層56bのさらに上に形成される上面層56cとを備え、流路層56bと上面層56cとの間には前述した吐出電極58が介挿されている。
上記ベース層56aは、シリコン基板或いは絶縁性の高い樹脂又はセラミックにより形成され、その上に溶解可能な樹脂層を形成すると共に接続路57及び溶液室54を形成するための所定のパターンに従う部分のみを残して除去し、除去された部分に絶縁樹脂層を形成する。この絶縁樹脂層が流路層56bとなる。そして、この絶縁樹脂層の上面に導電素材(例えばNiP)のメッキにより吐出電極58を形成し、さらにその上から絶縁性のレジスト樹脂層を形成する。このレジスト樹脂層が上面層56cとなるので、この樹脂層はノズル51の高さを考慮した厚みで形成される。そして、この絶縁性のレジスト樹脂層を電子ビーム法やフェムト秒レーザにより露光し、ノズル形状を形成する。ノズル内流路52も露光・現像により形成される。そして、ノズル内供給路57及び溶液室54のパターンに従う溶解可能な樹脂層を除去し、これらノズル内供給路57及び溶液室54が開通してノズルプレート56が完成する。
なお、ノズルプレート56及びノズル51の素材は、具体的には、エポキシ、PMMA、フェノール、ソーダガラス、石英ガラス等の絶縁材の他、Siのような半導体、Ni、SUS等のような導体であっても良い。但し、導体によりノズルプレート56及びノズル51を形成した場合には、少なくともノズル51の先端部における先端部端面、より望ましくは先端部における周面については、絶縁材による被膜を設けることが望ましい。ノズル51を絶縁材から形成し又はその先端部表面に絶縁材被膜を形成することにより、溶液に対する吐出電圧印加時において、ノズル先端部から対向電極23への電流のリークを効果的に抑制することが可能となるからである。
(対向電極)
対向電極23は、ノズル51の突出方向に垂直な対向面を備えており、かかる対向面に沿うように基材Kの支持を行う。ノズル51の先端部から対向電極23の対向面までの距離は、一例としては100[μm]に設定される。
また、この対向電極23は接地されているため、常時,接地電位を維持している。従って、パルス電圧の印加時にはノズル51の先端部と対向面との間に生じる電界による静電力により吐出された液滴を対向電極23側に誘導する。
なお、液体吐出装置100は、ノズル51の超微細化による当該ノズル51の先端部での電界集中により電界強度を高めることで液滴の吐出を行うことから、対向電極23による誘導がなくとも液滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル51と対向電極23との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。また、帯電した液滴の電荷を対向電極23の接地により逃がすことも可能である。
(液体吐出装置による微小液滴の吐出動作)
図12及び図13により液体吐出装置100の吐出動作の説明を行う。
吸引ポンプ208よりノズル内流路52には溶液が供給された状態にあり、かかる状態でバイアス電源30により吐出電極58を介してバイアス電圧が溶液に印加されている。かかる状態で、溶液は帯電すると共に、ノズル51の先端部において溶液による凹状に窪んだメニスカスが形成される(図13(A))。
そして、吐出電圧電源31により吐出パルス電圧が印加されると、ノズル51の先端部では集中された電界の電界強度による静電力により溶液がノズル51の先端側に誘導され、外部に突出した凸状メニスカスが形成されると共に、かかる凸状メニスカスの頂点により電界が集中し、ついには溶液の表面張力に抗して微小液滴が対向電極側に吐出される(図13(B))。
上記液体吐出装置100は、従来にない微小径のノズル51により液滴の吐出を行うので、ノズル内流路52内で帯電した状態の溶液により電界が集中され、電界強度が高められる。このため、従来のように電界の集中化が行われない構造のノズル(例えば内径100[μm])では吐出に要する電圧が高くなり過ぎて事実上吐出不可能とされていた微細径でのノズルによる溶液の吐出を従来よりも低電圧で行うことを可能としている。
そして、微細径であるがために、ノズルコンダクタンスの低さによりその単位時間あたりの吐出流量を低減する制御を容易に行うことができると共に、パルス幅を狭めることなく十分に小さな液滴径(上記各条件によれば0.8[μm])による溶液の吐出を実現している。
さらに、吐出される液滴は帯電されているので、微小の液滴であっても蒸気圧が低減され、蒸発を抑制することから液滴の質量の損失を低減し、飛翔の安定化を図り、液滴の着弾精度の低下を防止する。
(洗浄装置)
次に、洗浄装置200について説明する。
洗浄装置200は、洗浄液収納部201と、第1及び第2供給路202、203と、上流側ポンプ204と、開閉弁205と、キャップ部材206と、連結管
207と、吸引ポンプ208と、三方切替弁209とを備えて構成されている。
洗浄液収納部201は、ノズル51及び供給路60を洗浄する洗浄液を収納する。
第1供給路202は、一端部が洗浄液収納部201に連通され他端部がキャップ部材206に接続されており、キャップ部材206まで洗浄液収納部201内の洗浄液を供給する流路を構成している。また、第1供給路202の途中には、上流側ポンプ204と開閉弁205とが設けられている。
上流側ポンプ204は、第1供給路202の洗浄液の供給方向に沿って開閉弁205よりも上流側となる位置に設けられており、洗浄液をキャップ部材206に供給するための吸引力を発生する。
開閉弁205は、洗浄液収納部201とキャップ部材206との間の開通と不通とを切り替え可能となっている。
キャップ部材206は、ノズル51の外形形状に応じて形成された凹部42bと、凹部42bの周囲に形成されたパッキング42aとを備えている。
凹部42bは、そのノズル51の外面51aに対向する面に噴射孔(図示略)を所定数備えている。これら噴射孔は、第1供給路202と連通しており、第1供給路202を介して供給される洗浄液をノズル51の外面51aに対して噴射可能となっている。すなわち、キャップ部材206は、ノズル外面51aに向けて洗浄液を噴射可能な噴射孔を有するヘッド部を構成している。
また、凹部42bの最深部には、連結管207に連なる吸引孔42cが形成されている。
従って、凹部42bにノズル51を挿入させた状態でノズルプレート56にキャップ部材206を装着すると、外部に対しては高い気密性を発揮し、ノズル51内の空気を効果的に吸引することが可能である。さらに、ノズル外面51aへの洗浄液の噴射、並びに噴射された洗浄液の吸引ポンプ208による吸引(後述)を単一のキャップ部材206を介して行える。
吸引ポンプ208は、連通管207の途中に設けられており、溶液及び洗浄液を吸引するための吸引力を発生する。すなわち、吸引ポンプ208は、ノズル51内及び供給路60内の洗浄時に吸引動作を行うことより、洗浄液収納部201から洗浄液を吸引して洗浄液をノズル51内及び供給路60内に流通させる洗浄液流通手段として機能するとともに、ノズル51への溶液の供給時に吸引動作を行うことより、溶液収納部61から溶液を吸引して溶液を供給方向Aに沿ってノズル51へと供給する溶液供給手段としても機能する。
なお、吸引ポンプ208により吸引された溶液又は洗浄液は、連結管207の吸引孔42cと反対側となる端部より矢印B方向に沿って外部に排出される。
第2供給路203は、一端部が洗浄液収納部201に連通され他端部が三方切替弁209に接続され、三方切替弁209まで洗浄液収納部201内の洗浄液を供給する流路を構成している。
三方切替弁209は、洗浄液収納部201とノズル51との間の開通と不通とを切り替え可能で、且つ溶液収納部61とノズル51との間の開通と不通とを切り替え可能となっている。すなわち、三方切替弁209は、供給路60内及びノズル51内への洗浄液の流通時には、洗浄液収納部201とノズル51との間を開通状態とし、ノズル51への溶液の供給時には、溶液収納部61とノズル51との間を開通状態とする。これにより、単一の吸引ポンプ208によるノズル51への溶液の供給とノズル51内及び供給路60内への洗浄液の流通との切り替えを簡便に行える。
(振動発生装置)
次に、振動発生装置300について説明する。
振動発生装置300は、溶液収納部61に近接して設けられており、例えば図11に示すように溶液収納部61の下側に配設されている。そして、振動発生装置300は、超音波を溶液収納部61内の溶液に対して照射することにより、溶液に対し振動を付与して溶液に含有される微細粒子を分散させた状態とする。
(液体吐出装置のメンテナンス)
次に、洗浄装置200及び振動発生装置300による液体吐出装置100のメンテナンスについて説明する。
ここで、液体吐出装置100のメンテナンスは、ノズル51からの溶液の吐出停止時、特に溶液の吐出を長時間行わない時に実行されることで溶液の吐出状態を改善するようになっている。また、上記メンテナンスは、ノズル51に目詰まりが生じて溶液の吐出が好適に行われなくなった際に実行されても良いし、液体吐出装置100が製造されて未だ使用開始前の状態にある際に実行されても良い。
液体吐出装置100のメンテナンスとして、具体的には、ノズル51内及び供給路60内の洗浄と、ノズル外面51aの洗浄と、溶液中の微細粒子の振動の3つが挙げられる。
(ノズル内及び供給路内の洗浄)
以下、ノズル51内及び供給路60内の洗浄について説明する。
ノズル51内及び供給路60内の洗浄を行う場合には、先ず三方切替弁209によって洗浄液収納部201とノズル51との間を開通状態とする。さらに、キャップ部材206をノズル51に装着することでノズル51の外面51aをキャップ部材206で覆った状態とする。
次に、吸引ポンプ208を作動させることで、キャップ部材206を介しノズル51内を吸引することによって、供給路60内及びノズル51内に存する溶液を吸引するとともに、洗浄液収納部201内の洗浄液を吸引して供給路60内及びノズル51内に溶液の供給方向Aと同方向となるように洗浄液を流通させる。これにより、供給路60内又はノズル51内に存する溶液中の微細粒子の凝集体並びにゴミや溶液中の固形分などの不純物等は溶液とともに連通管207から外部に排出されるとともに、供給路60内及びノズル51内は溶液に替わって洗浄液で充たされることとなる。このとき、供給路60内又はノズル51内にて溶液が固化することで供給路60の内面又はノズル51内に固着物が生じていても、前記固着物は洗浄液による洗浄効果によって取り除かれることとなる。
ここで、供給路60内及びノズル51内への洗浄液の流通を、吸引ポンプ208を常時作動させることで連続的に行うようにしても良い(この状態を、以下「流通状態」という。)し、所定のタイミングで吸引ポンプ208の作動を停止させることで供給路60内及びノズル51内に洗浄液が充填された状態(以下、「充填状態」という。)としても良い。例えば、充填状態とすることによって、供給路60内及びノズル51内に洗浄液を滞留させた状態とすることができ、微細粒子の凝集体や不純物等に対して洗浄液が作用する時間を十分に確保できる。これにより、供給路60の内面又はノズル51内に存する固着物に対しても、洗浄液を常時流通させた場合に比べて大量に使用することなく、洗浄液を効果的に作用させることができる。
なお、充填状態は、液体吐出装置100による溶液の吐出が再開されるまで所定の期間続行しても良いし、所定のタイミングで流通状態に切り替えられることにより、流通状態と充填状態とを交互に繰り返すようにしても良い。これにより、流通状態における洗浄液の流れによる固着物の外部への押し出しと、充填状態における洗浄液の滞留による固着物に対しての洗浄作用とを繰り返し実行できるので、供給路60内及びノズル51内の洗浄を効果的に行うことが可能となる。
このように、ノズル51内及び供給路60内を洗浄できるので、ノズル51が超微細径のノズル51であっても、溶液の吐出時におけるノズル51の目詰まりが発生しにくくなり、ノズル51の目詰まりを防止できる。
なお、供給路60内の洗浄を目的とする場合には、三方切替弁209は供給管62のできる限り溶液収納部61側となる位置に設けられることが好ましい。すなわち、三方切替弁209を供給管62のノズル51側となる位置に備える場合に比べて、供給管62内のより広い領域に洗浄液を流通させて洗浄することが可能となるためである。
(ノズル外面の洗浄)
以下、ノズル外面51aの洗浄について説明する。
ノズル51の外面51aの洗浄は、上記したノズル51内及び供給路60内の洗浄の後に行われる。すなわち、キャップ部材206がノズル51に装着された状態で、三方切替弁209によって洗浄液収納部201とノズル51との間を不通状態とするとともに、開閉弁205によってキャップ部材206と洗浄液収納部201との間を開通状態とする。
次に、上流側ポンプ204を作動させることにより、第1供給路202を介して洗浄液収納部201内の洗浄液を吸引し、キャップ部材206の噴射孔からノズル51の外面51aに向けて洗浄液を噴射するとともに、吸引ポンプ208を作動させることにより、噴射孔から噴射されることで凹部42b内に貯留される洗浄液を吸引孔42cを介して吸引する。これによって、ノズル51の外面51a、特にノズル51から溶液の吐出を繰り返すことによりノズル51の溶液吐出口51b(図2参照)にて固着した状態となっている固着物に対して洗浄液を作用させることができるので、洗浄液の洗浄効果によって前記固着物を除去して、ノズル51の外面51aを洗浄することができる。
このように、目詰まりが発生し易いノズル51の先端部の固着物を、キャップ部材206からノズル穴に向けて噴射された洗浄液によって洗浄除去し、続いて、吸引ポンプ208による吸引動作によってノズル51内部及び吐出溶液の供給路をスムーズに洗浄することができる。
ここで、ノズル51の外面51aの洗浄は、ノズル51内及び供給路60内への洗浄液の流通による洗浄とともに行われても良く、これによって、ノズル51の目詰まりを防止する上でのメンテナンス時の作業効率を高めることが可能となる。
また、ノズル51の外面に噴射される洗浄液は、突出型のノズル形状においては少なくともノズル先端面に対して、略垂直に噴射することが重要であり、またその流速も速い方が好ましい。
(溶液中の微細粒子の振動)
以下、溶液中の微細粒子の振動について説明する。
溶液中の微細粒子の振動を行う場合には、振動発生装置300を作動させることで、超音波を溶液収納部61内の溶液に対して照射する。これにより、溶液に対し振動を付与して溶液に含有される微細粒子を分散させて、溶液中における微細粒子の密度は偏りがない状態とされる。すなわち、例えば溶液中に微細粒子の凝集体が形成されていても、超音波の照射により前記凝集体は粉砕されるので、溶液中の微細粒子の密度に偏りがなくなる。
このように、溶液中の微細粒子が凝集することで形成される微細粒子の凝集体を生じにくくなり、溶液が溶液収納部61からノズル51に供給される際において、ノズル51に前記凝集体が詰まる確率を低減できるとともに、ノズル51又は供給路60に微細粒子の凝集体が固着する確率を低減できる。
また、溶液収納部61の外側から超音波を照射することにより、溶液に接触せずに溶液に対して振動を付与することができ、溶液中における微細粒子の分散を好適に行える。従い、溶液中の微細粒子の分散にかかる作業効率を高めることができる。
なお、溶液中の微細粒子の振動は、所定のタイミングで行われても良いし、ノズル51への溶液の供給時に常時行われても良い。さらに、ノズル51への溶液の供給が行われてない状態、特にノズル51内及び供給路60内の洗浄又はノズル外面51aの洗浄が行われている際に、溶液中の微細粒子の振動を行うようにしても良い。すなわち、ノズル51内及び供給路60内の洗浄又はノズル外面51aの洗浄の終了後、即座に溶液の吐出が行われる場合において、溶液中の微細粒子の振動を予め行っておくことにより、微細粒子の凝集体が存在していない溶液をノズル51まで効率的に供給できる。
また、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、第一供給路202や供給管62内の洗浄液に対して所定の振動発生手段によりメガヘルツの高周波の振動を加えてから、ノズル51の外面又は供給路60及びノズル51内に洗浄液を供給するような構成とすることにより、加速させられた水粒子によって、通常の流水洗浄液では除去が困難なサブミクロンの微粒子の洗浄除去も容易に行うことができる。
加えて、上記実施の形態では、ノズル51内及び供給路60内を洗浄液で洗浄するようにしたが、これに限られるものではなく、少なくともノズル51内に洗浄液を流通させて洗浄を行うことによりノズル51の目詰まりを防止することができる。すなわち、洗浄液収納部201内に収納されている洗浄液を、供給路60を介在させずに直接ノズル51内に導入して流通させるようにしても良い。
さらに、ノズル外面51aの洗浄時に、上流側ポンプ204の作動により洗浄液をキャップ部材206まで供給するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、上流側ポンプ204を備えずに、吸引ポンプ208のみによってノズル外面51aへの洗浄液の噴射と、噴射された洗浄液の吸引とを行うようにしても良い。これにより、洗浄装置200の構成を簡略化できるので、洗浄装置200による洗浄にかかる動作を簡便に行うことが可能となる。
[液体吐出装置の理論説明]
以下に、上記液体吐出装置による液体吐出の理論説明及びこれに基づく基本例の説明を行う。なお、以下に説明する理論及び基本例におけるノズルの構造、各部の素材及び吐出液体の特性、ノズル周囲に付加する構成、吐出動作に関する制御条件等全ての内容は、可能な限り上述した実施形態中に適用しても良いことはいうまでもない。
(印加電圧低下および微少液滴量の安定吐出実現の方策)
従前は以下の条件式により定まる範囲を超えて液滴の吐出は不可能と考えられていた。
Figure 0003956223
λCは静電吸引力によりノズル先端部からの液滴の吐出を可能とするための溶液液面における成長波長(m)であり、λC=2πγh20V2で求められる。
Figure 0003956223
Figure 0003956223
本発明では、静電吸引型インクジェット方式において果たすノズルの役割を再考察し、従来吐出不可能として試みられていなかった領域において、マクスウェル力などを利用することで、微少液滴を形成することができる。
このような駆動電圧低下および微少量吐出実現の方策のための吐出条件等を近似的に表す式を導出したので以下に述べる。
以下の説明は、上記各本発明の実施形態で説明した液体吐出装置に適用可能である。
いま、直径dのノズルに導電性溶液を注入し、基材としての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定する。この様子を図15に示す。このとき、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定し、以下の式で近似的に表される。
Figure 0003956223
ここで、Q:ノズル先端部に誘起される電荷(C)、ε0:真空の誘電率、ε:基材の誘電率(F/m)、h:ノズル−基材間距離(m)、d:ノズル内部の直径(m)、V:ノズルに印加する総電圧(V)である。α:ノズル形状などに依存する比例定数で、1〜1.5程度の値を取り、特にd<<hのときほぼ1程度となる。
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q'が仮想的に誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q'が仮想的に誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける凸状メニスカスの先端部の電界強度Eloc.[V/m]は、凸状メニスカスの先端部の曲率半径をR[m]と仮定すると、
Figure 0003956223
で与えられる。ここでk:比例定数で、ノズル形状などにより異なるが、1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる。(P. J. Birdseye and D.A. Smith, Surface Science, 23 (1970) 198-210)。
今簡単のため、d/2=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で導電性溶液がノズルの半径と同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。
ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をS[m2]とすると、
Figure 0003956223
(7)、(8)、(9)式よりα=1とおいて、
Figure 0003956223
と表される。
一方、ノズル先端部に於ける液体の表面張力をPsとすると、
Figure 0003956223
ここで、γ:表面張力(N/m)、である。
静電的な力により流体の吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
Figure 0003956223
となる。十分に小さいノズル直径dをもちいることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせる事が可能である。
この関係式より、Vとdの関係を求めると、
Figure 0003956223
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、式(6)および式(13)より、
Figure 0003956223
が、本発明の動作電圧となる。
ある直径dのノズルに対し、吐出限界電圧Vcの依存性を前述した図9に示す。この図より、微細ノズルによる電界の集中効果を考慮すると、吐出開始電圧は、ノズル径の減少に伴い低下する事が明らかになった。
従来の電界に対する考え方、すなわちノズルに印加する電圧と対向電極間の距離によって定義される電界のみを考慮した場合では、微小ノズルになるに従い、吐出に必要な電圧は増加する。一方、局所電界強度に注目すれば、微細ノズル化により吐出電圧の低下が可能となる。
静電吸引による吐出は、ノズル端部における液体(溶液)の帯電が基本である。帯電の速度は誘電緩和によって決まる時定数程度と考えられる。
Figure 0003956223
ここで、ε:溶液の誘電率(F/m)、σ:溶液の導電率(S/m)である。溶液の比誘電率を10、導電率を10-6 S/m を仮定すると、τ=1.854×10-5secとなる。あるいは、臨界周波数をfc[Hz]とすると、
Figure 0003956223
となる。このfcよりも早い周波数の電界の変化に対しては、応答できず吐出は不可能になると考えられる。上記の例について見積もると、周波数としては10 kHz程度となる。このとき、ノズル半径2μm、電圧500V弱の場合、ノズル内流量Gは10-13m3/sと見積もることができるが、上記の例の液体の場合、10kHzでの吐出が可能なので、1周期での最小吐出量は10fl(フェムトリットル、1fl:10-15 l)程度を達成できる。
なお、各上記本実施の形態においては、図15に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される静電力の作用を特徴とする。このため、先行技術のように基板または基板支持体を導電性にすることや、これら基板または基板支持体への電圧の印加は必ずしも必要はない。すなわち、基材として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。
また、上記各実施形態において電極への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでも良い。
さらに、ノズルと基材との距離は、500[μm]以下に保つことにより、溶液の吐出を容易にすることができる。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズルを基材に対し一定に保つようにすることが望ましい。
また、基材を、導電性または絶縁性の基材ホルダーに載置して保持するようにしても良い。
図16は、本発明の他の基本例の一例としての液体吐出装置のノズル部分の側面断面図を示したものである。ノズル1の側面部には電極15が設けられており、ノズル内溶液3との間に制御された電圧が印加される。この電極15の目的は、Electrowetting 効果を制御するための電極である。十分な電場がノズルを構成する絶縁体にかかる場合この電極がなくともElectrowetting効果は起こると期待される。しかし、本基本例では、より積極的にこの電極を用いて制御することで、吐出制御の役割も果たすようにしたものである。ノズル1を絶縁体で構成し、先端部におけるノズルの管厚が1μm、ノズル内径が2μm、印加電圧が300Vの場合、約30気圧のElectrowetting効果になる。この圧力は、吐出のためには、不十分であるが溶液のノズル先端部への供給の点からは意味があり、この制御電極により吐出の制御が可能と考えられる。
前述した図9は、本発明における吐出開始電圧のノズル径依存性を示したものである。液体吐出装置として、図12に示すものを用いた。微細ノズルになるに従い吐出開始電圧が低下し、従来より低電圧で吐出可能なことが明らかになった。
上記各実施形態において、溶液吐出の条件は、ノズル−基材間距離(h)、吐出電圧の振幅(V)、印加電圧振動数(f)のそれぞれの関数になり、それぞれにある一定の条件を満たすことが吐出条件として必要になる。逆にどれか一つの条件を満たさない場合他のパラメーターを変更する必要がある。
この様子を図17を用いて説明する。
まず吐出のためには、それ以上の電界でないと吐出しないというある一定の臨界電界Ecが存在する。この臨界電界は、ノズル径、溶液の表面張力、粘性などによって変わってくる値で、Ec以下での吐出は困難である。臨界電界Ec以上すなわち吐出可能電界強度において、ノズル−基材間距離(h)と吐出電圧の振幅(V)の間には、おおむね比例の関係が生じ、ノズル−基材間距離を縮めた場合、臨界印加電圧Vを小さくする事が出来る。
逆に、ノズル−基材間距離(h)を極端に離し、印加電圧Vを大きくした場合、仮に同じ電界強度を保ったとしても、コロナ放電による作用などによって、流体液滴の破裂すなわちバーストが生じてしまう。
ノズル径をφ0.2 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図1(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図1(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ0.4 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図2(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図2(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ1 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図3(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図3(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ8 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図4(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図4(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ20 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図5(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図5(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ50 [μm]とした場合の電界強度分布を示し、図6(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図6(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 図1〜図6の各条件下での最大電界強度を示す図表を示す。 ノズルのノズル径のメニスカス部の最大電界強度と強電界領域の関係を示す線図である。 ノズルのノズル径とメニスカス部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示す線図である。 ノズル径とメニスカス部の強電界の領域の関係で表されるグラフである。 本発明が適用された一実施の形態として例示する液体吐出装置のノズルに沿った断面を示した図である。 溶液の吐出動作に直接関わりある構成のみを図示したノズルに沿った液体吐出装置の断面図である。 溶液に印加される電圧との関係を示す説明図であって、図13(A)は吐出を行わない状態であり、図13(B)は吐出状態を示す。 ノズル内流路の他の形状の例を示す一部切り欠いた斜視図であり、図14(A)は溶液室側に丸みを設けた例であり、図14(B)は流路内壁面をテーパ周面とした例であり、図14(C)はテーパ周面と直線状の流路とを組み合わせた例を示す。 本発明の実施の形態として、ノズルの電界強度の計算を説明するために示したものである。 本発明の一例としての液体吐出機構の側面断面図を示したものである。 本発明の実施の形態の液体吐出装置における距離−電圧の関係による吐出条件を説明した図である。
符号の説明
100 液体吐出装置
35 吐出電圧印加手段
51 ノズル
51a ノズルの外面
60 供給路
61 溶液収納部
200 洗浄装置
204 上流側ポンプ
206 キャップ部材(ヘッド部)
208 吸引ポンプ
300 振動発生装置
A 溶液の供給方向
K 基材

Claims (8)

  1. ノズル径が0.2[μm]より大きく4[μm]以下のノズルと、
    前記ノズルまで溶液を導く供給路と、
    前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、
    前記吐出電圧印加手段による前記吐出電圧の前記ノズル内の溶液への印加に基づき、前記ノズルの先端部から前記先端部に対向配置された基材に対して、帯電した溶液を液滴として吐出する液体吐出装置であって、
    前記ノズル又は前記ノズル及び前記供給路を洗浄液で洗浄する洗浄装置を備え、
    前記洗浄装置は、前記ノズル内又は前記ノズル内及び前記供給路内に洗浄液を流通すると共に、前記ノズルの外面及びノズル穴に向けて前記洗浄液を噴射可能な噴射孔を有し、前記ノズルの外面を前記先端部側から覆うキャップ部材を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置において、
    前記洗浄装置は、前記ノズルへの溶液の供給方向に沿って前記洗浄液を流通することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置において、
    前記洗浄装置は、前記キャップ部材を介して前記ノズル内を吸引する吸引ポンプとを備えることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置において、
    前記吸引ポンプは、前記噴射孔から前記外面に噴射された前記洗浄液を吸引することを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
    前記洗浄液は、高周波の振動が加えられたものであることを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
    前記供給路を介して前記ノズルに供給される溶液を収納する溶液収納部と、
    前記溶液収納部内に収納されている溶液に対し振動を付与することで、溶液に含有される微細粒子を分散させる振動発生装置とを備えることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 請求項6に記載の液体吐出装置において、
    前記振動は、超音波であることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の液体吐出装置において、
    前記洗浄装置は、前記ノズルからの溶液の吐出停止時に、前記ノズル内又は前記ノズル内及び前記供給路内に前記洗浄液を充たした状態で、前記洗浄液の流通を停止可能であることを特徴とする液体吐出装置。
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