JP3955082B1 - 記録媒体及びそれを用いた画像形成装置並びに画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

画像形成時以外の通常時は電荷の作用を受け難く、環境の変化や静電気等の影響によって画像が経時的に変化することを確実に防止でき、画像品質の安定性に優れ、幅広い用途に使用することが可能な汎用性に優れた記録媒体の提供。
電荷の作用により書き込みや消去が可能な媒体本体と、前記媒体本体の記録面側に形成された表面抵抗層と、を有し、前記表面抵抗層が、通常時は低抵抗で画像形成時は高抵抗になるように抵抗を変更可能である構成を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録媒体の記録面に抵抗値が可変な表面抵抗層が形成され電荷の作用により画像の書き換えが可能な記録媒体及びそれを用いた画像形成装置並びに画像形成方法に関する。
近年、(特許文献1)に示すように、電子写真方式とは別方式の静電潜像形成方式である、イオン照射方式が開発されてきている。この(特許文献1)に示すイオン照射方式の原理は、量子力学の分野に属する光電効果において、負の電圧を印加した電極に対する紫外線の照射で電極から電子を放出させる手法に変え、負の電圧を印加した電極を加熱することで電極から電子を放出させる手法(放電が生じる)を採用したことである。
電子写真方式が一様帯電+露光という2工程で、一様帯電した感光体上の露光した部分の電荷を逃がすことで、静電潜像担持体としての感光体上に静電潜像を形成するのに対し、イオン照射方式では、イオン生成可能な雰囲気中(大気中等)においては、放電電極からの電子の放出により発生するイオンの照射による選択的帯電(静電潜像形成帯電)のみで静電潜像担持体(絶縁体であれば良いので、必ずしも感光体である必要はない)上に静電潜像の形成を完了できるので、より簡素化された静電潜像形成方式である。
また、(特許文献2)には、水平プリンタ対応型のイオン照射型印字ヘッドの具体的な形状及びそれを備えた画像形成装置が開示されている。
特に、(特許文献1)や(特許文献2)に示す加熱放電方式は、放電電極に印加しただけでは放電が発生せず加熱することにより放電が発生する電圧(放電制御電圧)を印加した状態で、放電電極への加熱の有無を制御することにより、放電の有無を制御してイオンの発生制御を行うものであり、放電電極に印加する電圧の制御が不要である。その結果、発熱抵抗体等による加熱の制御に使用する5V駆動のような低耐電圧対応のドライバICで放電の発生を制御することができ、放電の制御の観点からは最も優れた制御方式であると言える。
因に、現時点におけるデジタルペーパとしては、微小なボールを二色(例えば白黒)に色分けし、各色の電気特性の違いによりボールを回転して任意の一色を表示するツイストボール方式、微小なボール中に二色(例えば白黒)の微粉末を混入し、各色の微粉末が持つ電気特性の違いにより一色のみを浮上させて表示する電気泳動方式、液晶板あるいは微小な液晶ブロックの液晶シャッターを開閉して、シャッターを開けた部分の背景色を表示する液晶方式等がある。
特開2003−326756号公報 WO2005/056297号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)、(特許文献2)の加熱放電型印字ヘッドを備えた画像形成装置は、放電の制御が容易で静電現像方式の記録媒体に非接触で書き込むには最適なものであるが、静電荷により書き換えが可能な従来の静電現像方式の記録媒体は、特に冬場などにおいて、人等の静電気によって画像に乱れが発生してしまい画像を継続的に表示する際の画像品質の信頼性に欠け、短期間で画像の書き換えを行うものに用途が限定され、汎用性に欠けるため、静電現像方式の記録媒体の普及における課題となっていた。
以上のような観点から、環境の変化などの影響を受け難く、長期に渡って表示画像を維持することができ、画像品質の安定性に優れた書き換え可能な記録媒体の開発が強く要望されていた。
本発明は上記要望に応えるもので、画像形成時以外の通常時は電荷の作用を受け難く、環境の変化や静電気等の影響によって画像が経時的に変化することを確実に防止でき、画像品質の安定性に優れ、幅広い用途に使用することが可能な汎用性に優れた記録媒体の提供、及びその記録媒体を用いて繰り返し画像の書き込みと消去を行うことができる省資源性に優れた画像形成装置並びに画像形成方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の記録媒体及びそれを用いた画像形成装置並びに画像形成方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の記録媒体は、電荷の作用により書き込みや消去が可能な媒体本体と、前記媒体本体の記録面側に形成された表面抵抗層と、を有し、前記表面抵抗層が、通常時は低抵抗で画像形成時は高抵抗になるように抵抗を変更可能である構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)媒体本体の記録面側に通常時は低抵抗で画像形成時は高抵抗になるように抵抗を変更可能な表面抵抗層が形成されていることにより、画像形成時のみ電荷の作用によって画像の書き込みや消去を行うことができると共に、画像形成後の通常時は電荷の作用を受け難く、形成された画像に乱れが発生することを防止して長期に渡って表示画像を維持することが可能で画像品質の安定性に優れる。
ここで、この記録媒体の媒体本体は、電荷の作用により画像の書き込みや消去が可能なものであればよい。媒体本体に、透過型のネマティック液晶やスメクティック液晶等のシャッター機能を有する液晶材料を用いた液晶方式或いは白色又は黒色を選択的に表示可能なツイストボール方式,電気泳動方式,粉体移動方式等の画像表示材料が封入されたものが好適に用いられる。
これらの媒体本体に、加法混色法における三原色(R,G,B)を持つカラーフィルタや減法混色法における三原色(Y,M,C)を持つカラー反射層を組み合わせることによりカラー表示を行うことができる。また、カラーフィルタやカラー反射層を組み合わせる代わりに、減法混色法における三原色(Y,M,C)等に着色したツイストボールや微粒子等の画像表示材料を表示原色の色毎に配列してカラー表示を行うこともできる。また、1枚の媒体本体を複数の領域に分割し、領域毎に異なる色を表示するようにしてもよい。
表面抵抗層としては、通常時は周囲の温度や湿度等の環境(常温、常湿)によって低抵抗を示し、画像形成時は加熱或いは乾燥などを行うことにより高抵抗に変化するものであればよい。このような表面抵抗層としては、PTC(POSITIVE TEMPERATURE COEFFICIENT:正温度係数)抵抗体や吸湿性樹脂などで形成されたものが好適に用いられる。
PTC抵抗体は温度が上昇すると、その抵抗が増大する特性を有する電気抵抗体であるので、画像形成時に加熱を行うことにより書き込みが可能となる。また、吸湿性樹脂は、空気中の湿気を吸収する性質を有し、通常時は吸収した水分によって抵抗値が低下しているので、画像形成時に加熱などにより乾燥させることにより抵抗値が上昇して書き込みが可能となる。
尚、表面抵抗層の抵抗値としては、通常時は10Ω・cmより低く、画像形成時は10Ω・cm〜1013Ω・cmであることが好ましい。表面抵抗層の抵抗値が10Ω・cmより小さくなるにつれ、表面に載せた電荷が面上で移動し易くなり、画像がぼやける傾向があり、1013Ω・cmより大きくなるにつれ、帯電し易くなり、静電気などの影響により画像が乱れる傾向があり、いずれも好ましくない。画像形成時の表面抵抗層の抵抗値を10Ω・cm〜1013Ω・cmとすることにより、電子やイオンにより付与された電荷が速やかに消滅し、画像品質の信頼性に優れる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記録媒体であって、前記表面抵抗層が、PTC抵抗体で形成された構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)表面抵抗層が、PTC抵抗体で形成されているので、画像形成時に加熱するだけでその抵抗値を上昇させることができ、電荷の作用による書き込みや消去を行うことができ、取り扱い性に優れる。
(2)通常時の非加熱状態ではPTC抵抗体で形成された表面抵抗層が低抵抗を有するため、環境の変化や静電気等の影響によって画像の乱れが発生することがなく、取り扱いが容易で画像品質の安定性に優れる。
ここで、記録媒体を外部から加熱する手段として、ヒータを接触させるもの以外に温風を吹き付けるものや、離間した場所からレーザ光や赤外線等を照射するもの等を用いることもできる。特に、ヒータ等のように接触させて加熱する手段を用いる場合は、表面側から表面抵抗層を直接加熱する以外に、裏面側から記録媒体全体を加熱してもよい。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の記録媒体であって、前記表面抵抗層が、吸湿性樹脂で形成された構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)表面抵抗層が、吸湿性樹脂で形成されているので、画像形成時に加熱するだけで表面抵抗層に吸収された水分を蒸発させてその抵抗値を上昇させることができ、電荷の作用による書き込みや消去を行うことができ、取り扱い性に優れる。
(2)通常時は吸湿性樹脂で形成された表面抵抗層が周囲の湿気を吸収して低抵抗となるため、静電気等の影響によって画像の乱れが発生することがなく、画像品質の安定性に優れる。
ここで、吸湿性樹脂は樹脂に乾燥剤を含有させたものである。表面抵抗層は、この樹脂を媒体本体の記録面側に塗布して形成してもよいし、フィルム状やシート状に成形されたものをラミネートや接着等により媒体本体の記録面側に貼着して形成してもよい。
この表面抵抗層は、既存の静電現像方式の媒体本体に後から積層して形成してもよいし、媒体本体の形成時に画像表示材料を封入する表示層の基板として形成してもよい。
尚、記録媒体を外部から加熱する手段は、請求項2で説明したものと同様のものが好適に用いられる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の記録媒体であって、前記記録媒体を加熱する発熱層を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)記録媒体を加熱する発熱層を有するので、画像形成装置に加熱手段などを設ける必要がなく、簡便に表面抵抗層を加熱してその抵抗を上昇させることができ、画像の書き込みや消去を行うことができる。
(2)記録媒体を加熱する発熱層が媒体本体と一体に形成されているので、表面抵抗層を斑なく効率的に加熱することができると共に、表面抵抗層を加熱した状態で画像形成装置の印字ヘッドから電子やイオンを照射して確実に画像の書き込みを行うことができ、画像形成の信頼性に優れる。
ここで、発熱層としては、TaSiO、RuO等で形成された発熱体を備えたものが好適に用いられる。画像形成装置の発熱層駆動部と発熱体を電気的に接続し、発熱体に通電することにより、発熱体を発熱させることができる。この発熱層は媒体本体と表面抵抗層との間に配設して表面抵抗層を直接加熱するようにしてもよいし、媒体本体の裏面側に配設して媒体本体全体を加熱するようにしてもよい。発熱体の形状や配置は適宜、選択することができるが、特に発熱層を媒体本体と表面抵抗層との間に形成する場合は、画像形成の妨げにならない範囲で発熱体の幅や面積、配置などを決定する必要がある。発熱層は表面抵抗層や媒体本体の全面を同時に加熱するようにしてもよいが、印字ヘッドと対向して画像の書き込みが行われる領域のみを部分的に加熱するようにした場合、無駄な加熱を行う必要がなく省エネルギー性に優れる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の記録媒体であって、前記PTC抵抗体に電力を供給する電力供給用電極を備えた構成を有している。
この構成により、請求項2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)PTC抵抗体に電力を供給する電力供給用電極を有するので、電力供給用電極に通電してPTC抵抗体を発熱させることができ、PTC抵抗体で形成された表面抵抗層の抵抗値を上昇させて、簡便に画像の書き込みや消去を行うことができる。
ここで、電力供給用電極のパターンは適宜、選択することができる。画像形成装置の電力供給部と電力供給用電極を電気的に接続し、通電することにより、PTC抵抗体を発熱させることができる。特に、電力供給用電極を櫛形に形成した場合、電力供給用電極が形成された領域を満遍なく発熱させることができ、発熱温度の均一性に優れる。尚、電力供給用電極が画像形成の妨げにならないように、なるべく線幅を細く、ピッチを粗くして形成することが望ましい。
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の記録媒体を用いた画像形成装置であって、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、前記記録媒体の外部から前記記録媒体を加熱する記録媒体加熱部と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)記録媒体の表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、記録媒体の外部から記録媒体を加熱する記録媒体加熱部と、を有するので、印字ヘッドによる書き込みを行う直前に、記録媒体加熱部によって記録媒体の表面抵抗層を加熱してその抵抗値を上昇させることができ、印字ヘッドから照射される電子やイオンの電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる。
ここで、印字ヘッドは、電子又はイオンを発生させることができるものであればよい。例えば、特開2003−326756号やWO2005/056297等に記載された加熱放電印字ヘッド以外に、ワイヤ電極や針電極等に高電圧を印加してコロナ放電を発生させるもの、電極を加熱して熱電子を放出させるもの等を用いることができる。
記録媒体加熱部は記録媒体を加熱できるものであればよいが、面状やローラ状のヒータ等が好適に用いられる。ヒータを記録媒体の搬送方向に対して印字ヘッドよりも上流側に配置することにより、記録媒体を一方向に搬送するだけで、予め記録媒体加熱部による加熱を行ってから印字ヘッドによる書き込みを行うことができ画像形成に要する時間を短縮することができる。
尚、記録媒体加熱部は、表面抵抗層側を直接加熱してもよいし、記録媒体の裏面側から加熱してもよい。
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項4に記載の記録媒体を用いた画像形成装置であって、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、前記発熱層に通電して前記表面抵抗層を加熱する発熱層駆動部と、を備えたことを特徴とするた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)記録媒体の表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、発熱層に通電して表面抵抗層を加熱する発熱層駆動部と、を有するので、印字ヘッドによる書き込みを行う直前に、発熱層駆動部によって発熱層を発熱させ、記録媒体の表面抵抗層を加熱してその抵抗値を上昇させることができ、印字ヘッドから照射される電子やイオンの電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる。
ここで、印字ヘッドは、請求項6で説明したものと同様である。
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項5に記載の記録媒体を用いた画像形成装置であって、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、前記電力供給用電極に通電して前記PTC抵抗体を発熱させる電力供給部と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)記録媒体の表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、電力供給用電極に通電してPTC抵抗体を発熱させる電力供給部と、を有するので、印字ヘッドによる書き込みを行う直前に、PTC抵抗体を発熱させその抵抗値を上昇させることができ、印字ヘッドから照射される電子やイオンの電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる。
ここで、印字ヘッドは、請求項6で説明したものと同様である。
請求項9に記載の画像形成方法は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の記録媒体を用いた画像形成方法であって、前記記録媒体の前記表面抵抗層の抵抗値を上昇させる抵抗値上昇工程と、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させる帯電工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)抵抗値上昇工程により、通常時は低抵抗で電荷の作用を受け難い記録媒体の表面抵抗層の抵抗値を予め上昇させ、印字ヘッドによる画像の書き込みに備えることができるので、画像形成に要する時間が長期化することを防止できる。
(2)帯電工程により、記録媒体の表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させることができ、任意の静電潜像を形成して画像を表示させることができる。
ここで、抵抗値上昇工程は、表面抵抗層の構成や種類に応じて、記録媒体の内部若しくは外部から表面抵抗層若しくは記録媒体全体を加熱したり、表面抵抗層自身を発熱させたりして行うことができる。
帯電工程においては、請求項6で説明した印字ヘッドによって記録媒体の表面抵抗層側の表面に選択的に電子やイオンを照射することにより、画像の書き込みを行うことができる。
帯電工程による画像の書き込みが終了した後は、自然放置によって表面抵抗層が通常の低抵抗の状態に戻るのを待ってもよいし、強制的に抵抗値を低抵抗に戻す抵抗値下降工程を行ってもよい。表面抵抗層がPTC抵抗体で形成されている場合は、抵抗値下降工程として表面抵抗層を強制冷却すればよい。また、表面抵抗層が吸湿性樹脂で形成されている場合は、抵抗値下降工程として加湿を行えばよい。
請求項10に記載の画像形成方法は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の記録媒体を用いた画像形成方法であって、前記記録媒体を外部から加熱することにより前記表面抵抗層の抵抗値を上昇させる抵抗値上昇工程と、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させる帯電工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項9の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抵抗値上昇工程が、記録媒体を外部から加熱することにより行われるので、記録媒体自体に加熱手段を設ける必要がなく、記録媒体の構造を簡素化することができ、表面抵抗層の任意の位置を簡便に加熱することができ、画像形成の作業性に優れる。
ここで、記録媒体を外部から加熱する手段として、ヒータを接触させるもの以外に温風を吹き付けるものや、離間した場所からレーザ光や赤外線等を照射するもの等を用いることもできる。特に、ヒータ等のように接触させて加熱する手段を用いる場合は、表面側から表面抵抗層を直接加熱する以外に、裏面側から記録媒体全体を加熱してもよい。
請求項11に記載の画像形成方法は、請求項4に記載の記録媒体を用いた画像形成方法であって、前記記録媒体の前記発熱層に通電して前記記録媒体を加熱することにより前記表面抵抗層の抵抗値を上昇させる抵抗値上昇工程と、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させる帯電工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項9の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抵抗値上昇工程が、記録媒体の発熱層に通電して記録媒体を加熱することにより行われるので、画像形成装置自体に加熱手段を設ける必要がなく、画像形成装置の構造を簡素化することができると共に、発熱層を低電圧で駆動して簡便かつ確実に表面抵抗層を選択的に加熱することができ、画像形成の作業性に優れる。
ここで、画像形成装置の発熱層駆動部と記録媒体の発熱層を電気的に接続し、記録媒体を画像形成装置にセットすることにより、画像形成装置から発熱層駆動部を介して記録媒体の発熱層に通電することができる。例えば記録媒体の発熱層に通電する電力供給用電極の端部に記録媒体から露出させて端子部を形成し、その端子部を発熱層駆動部のコネクタに差し込むなどして、容易に画像形成装置の発熱層駆動部と記録媒体の発熱層を電気的に接続することができる。
請求項12に記載の画像形成方法は、請求項5に記載の記録媒体を用いた画像形成方法であって、前記記録媒体の前記電力供給用電極に通電して前記PTC抵抗体を発熱させることにより前記表面抵抗層の抵抗値を上昇させる抵抗値上昇工程と、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させる帯電工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項9の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)抵抗値上昇工程が、記録媒体の電力供給用電極に通電してPTC抵抗体を発熱させることにより行われるので、画像形成装置自体に加熱手段を設ける必要がなく、画像形成装置の構造を簡素化することができると共に、PTC抵抗体自身を発熱させてその抵抗値を変化させることができるので、抵抗値の制御が容易で画像形成の作業性に優れる。
ここで、画像形成装置の電力供給部と記録媒体の電力供給用電極を電気的に接続し、記録媒体を画像形成装置にセットすることにより、画像形成装置から電力供給部を介して記録媒体の電力供給用電極に通電することができる。例えば記録媒体の電力供給用電極の端部に記録媒体から露出させて端子部を形成し、その端子部を電力供給部のコネクタに差し込むなどして、容易に画像形成装置の電力供給部と記録媒体の電力供給用電極を電気的に接続することができる。
以上のように、本発明の記録媒体及びそれを用いた画像形成装置並びに画像形成方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)媒体本体に抵抗が可変な表面抵抗層が形成されていることにより、画像形成時には抵抗を高くして電荷の作用による画像の書き込みや消去を行うことができると共に、通常時は抵抗を低くして電荷の作用による画像の乱れを防止して長期に渡って表示画像を維持することができる画像品質の安定性に優れた記録媒体を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)PTC抵抗体で形成された表面抵抗層は、画像形成時には加熱によってその抵抗値を上昇させ、電荷の作用による書き込みや消去を行うことができると共に、通常時は低抵抗で電荷の作用を受け難く、画像の乱れを防止して表示画像を維持することができる抵抗制御が容易で画像品質の安定性に優れた記録媒体を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)吸湿性樹脂で形成された表面抵抗層は、画像形成時には加熱によってその抵抗値を上昇させ、電荷の作用による書き込みや消去を行うことができると共に、通常時は低抵抗で電荷の作用を受け難く、画像の乱れを防止して表示画像を維持することができる画像品質の安定性に優れた記録媒体を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)表面抵抗層を加熱する発熱層が媒体本体と一体に形成されているので、画像形成装置に加熱手段などを設ける必要がなく、表面抵抗層を簡便に斑なく効率的に加熱することができ、表面抵抗層の抵抗が上昇した状態で確実に画像の書き込みや消去を行うことができる画像形成の信頼性に優れた記録媒体を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)媒体本体と一体に形成された電力供給用電極に通電するだけでPTC抵抗体を選択的に発熱させることができ、PTC抵抗体で形成された表面抵抗層の抵抗値を上昇させて、簡便に画像の書き込みや消去を行うことができる取り扱い性に優れた記録媒体を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)記録媒体加熱部によって記録媒体の表面抵抗層を加熱してその抵抗値を上昇させた後に、印字ヘッドから電子やイオンを照射してその電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる画像の高品質性に優れた画像形成装置を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)発熱層駆動部によって発熱層を発熱させ、記録媒体の表面抵抗層を加熱してその抵抗値を上昇させた後に、印字ヘッドから電子やイオンを照射してその電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる画像の高品質性に優れた画像形成装置を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)電力供給部からの電力の供給によりPTC抵抗体を発熱させその抵抗値を上昇させた後に、印字ヘッドから電子やイオンを照射してその電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる画像の高品質性に優れた画像形成装置を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)抵抗値上昇工程により、記録媒体の表面抵抗層の抵抗値を上昇させた後、帯電工程により、記録媒体の表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させ、任意の画像を表示させることができる取り扱い性に優れた画像形成方法を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項9の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)記録媒体を外部から加熱する抵抗値上昇工程により、表面抵抗層の任意の位置を目視で確認しながら選択的に加熱することができる取り扱い性に優れた画像形成方法を提供することができる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項9の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)記録媒体の発熱層に通電して記録媒体を加熱する抵抗値上昇工程により、発熱層を低電圧で駆動して簡便かつ確実に表面抵抗層を選択的に加熱することができる取り扱い性に優れた画像形成方法を提供することができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項9の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)記録媒体の電力供給用電極に通電してPTC抵抗体を発熱させる抵抗値上昇工程により、PTC抵抗体自身を選択的に発熱させることができる抵抗値の制御が容易で取り扱い性に優れた画像形成方法を提供することができる。
実施の形態1における記録媒体を用いた画像形成装置を示す要部模式断面図 (a)実施の形態2における記録媒体を示す要部模式断面図(b)実施の形態2における記録媒体の使用状態を示す模式平面図 (a)実施の形態3における記録媒体を示す要部模式断面図(b)実施の形態3における記録媒体の使用状態を示す模式平面図
符号の説明
1 画像形成装置
2 印字ヘッド
3 記録媒体加熱部
3a 電力供給部
3b 発熱層駆動部
4 媒体側電圧制御部
10,10a,10b 記録媒体
11 基板
12 対向電極
13 媒体本体
14,14a 表面抵抗層
14b 発熱層
15 電力供給用電極
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における記録媒体及びそれを用いた画像形成装置並びに画像形成方法について、以下図面を参照しながら説明する。
図1は実施の形態1における記録媒体を用いた画像形成装置を示す要部模式断面図である。
図1中、1はコンピュータ等からの画像信号に基づいて本発明の実施の形態1における記録媒体10に画像を形成する画像形成装置、2は記録媒体10に電子やイオンを照射して画像を形成する画像形成装置1の印字ヘッド、3はローラ状のヒータで記録媒体10を加熱する画像形成装置1の記録媒体加熱部、4は記録媒体10の対向電極12に電気的に接続され電圧を印加する画像形成装置1の媒体側電圧制御部、11はPET等のフィルム状の合成樹脂やガラス等で形成された記録媒体10の基板、12は後述する媒体本体13の裏面側に印字ヘッド2と対向して配設された記録媒体10の対向電極、13は電荷の作用により書き込みや消去が可能な静電現像方式の記録媒体10の媒体本体、14は吸湿性樹脂で媒体本体13の記録面側に形成され通常時は低抵抗で画像形成時は高抵抗に抵抗が変更可能な記録媒体10の表面抵抗層である。
印字ヘッド2は、電子又はイオンを発生させることができるものであればよい。印字ヘッド2が電極を加熱して熱電子を放出させるものやワイヤ電極や針電極等に高電圧を印加してコロナ放電を発生させるものである場合には、媒体側電圧制御部4により記録媒体10の対向電極12に正電圧を印加することにより、印字ヘッド2から放出された電子やイオンを記録媒体10の裏面側から表面抵抗層14の表面(記録面)に引き寄せて移動させることができる。また、印字ヘッド2が加熱放電印字ヘッド(例えば、特開2003−326756号,WO2005/056297等を参照)である場合には、印字ヘッド2の放電電極と記録媒体10の対向電極12との間で放電を発生させ、放電電極から放出された電子によって、大気中の酸素や窒素をイオン化し、それらを記録媒体10の表面抵抗層14の表面(記録面)に到達させることができる。
記録媒体10の媒体本体13は、電荷の作用により画像の書き込みや消去が可能なものであればよい。媒体本体13に、透過型のネマティック液晶やスメクティック液晶等のシャッター機能を有する液晶材料を用いた液晶方式或いは白色又は黒色を選択的に表示可能なツイストボール方式,電気泳動方式,粉体移動方式等の画像表示材料が封入されたものが好適に用いられる。媒体本体13は白黒表示が可能であるが、これらの表示層に、加法混色法における三原色(R,G,B)を持つカラーフィルタや減法混色法における三原色(Y,M,C)を持つカラー反射層を組み合わせることによりカラー表示を行うことができる。また、カラーフィルタやカラー反射層を組み合わせる代わりに、減法混色法における三原色(Y,M,C)等に着色したツイストボールや微粒子等の画像表示材料を表示原色の色毎に配列してカラー表示を行うこともできる。
表面抵抗層14が、空気中の湿気を吸収する性質を有する吸湿性樹脂で形成されているので、通常時は吸収した水分によって抵抗値が低下しており、画像形成時に記録媒体加熱部3で加熱して乾燥させることにより抵抗値が上昇して書き込みが可能となる。
記録媒体加熱部3は記録媒体10の搬送方向に対して印字ヘッド2よりも上流側に配置した。これにより、記録媒体10を一方向に搬送するだけで、予め記録媒体加熱部3による加熱を行ってから印字ヘッド2による書き込みを行うことができ、画像形成に要する時間を短縮して画像形成の作業性に優れる。
表面抵抗層14の抵抗値としては、通常時は10Ω・cmより低く、画像形成時は10Ω・cm〜1013Ω・cmとなるように形成した。表面抵抗層14の抵抗値が10Ω・cmより小さくなるにつれ、表面に載せた電荷が面上で移動し易くなり、画像がぼやける傾向があり、1013Ω・cmより大きくなるにつれ、帯電し易くなり、静電気などの影響により画像が乱れる傾向があることがわかったためである。画像形成時の表面抵抗層14の抵抗値を10Ω・cm〜1013Ω・cmとすることにより、電子やイオンにより付与された電荷が速やかに消滅し、画像品質の信頼性に優れる。
以上のように構成された記録媒体を用いた画像形成装置の動作に基づいて記録媒体を用いた画像形成方法を説明する。
まず、抵抗値上昇工程として、記録媒体加熱部3により記録媒体10の外部から表面抵抗層14を加熱し、その抵抗値を上昇させる。抵抗値上昇工程が、記録媒体10の外部から表面抵抗層14を加熱することにより行われるので、記録媒体10自体の構造を簡素化することができ、表面抵抗層14の任意の位置を簡便に加熱することができ、取り扱い性に優れる。
続いて、帯電工程において、印字ヘッド2から電子やイオンを照射して記録媒体10の表面抵抗層14側の表面を選択的に帯電させることにより画像を形成する。
この画像形成装置1は、記録媒体10を平板状の記録媒体載置部(図示せず)に載置して印字ヘッド2又は記録媒体載置部を水平移動させて画像を形成するようにしてもよいし、印字ヘッド2を固定し記録媒体10を搬送ローラ(図示せず)で搬送して画像を形成するようにしてもよい。
尚、帯電工程による画像の書き込みが終了した後は、自然放置によって表面抵抗層14が通常の低抵抗の状態に戻るのを待ってもよいし、強制的に抵抗値を低抵抗に戻す抵抗値下降工程を行ってもよい。抵抗値下降工程として、画像形成装置1に設けた加湿器などで表面抵抗層14を加湿することにより、吸湿性樹脂に水分を吸収させ、短時間で確実に表面抵抗層14の抵抗値を下げることができる。
本実施の形態では、表面抵抗層14を外部から加熱する記録媒体加熱部3として、ローラ状のヒータを用いたが、記録媒体加熱部3は面状ヒータでもよい。尚、記録媒体加熱部3は表面抵抗層14を直接加熱する以外に、裏面側から記録媒体10全体を加熱するようにしてもよい。また、ヒータ等の記録媒体加熱部3を表面抵抗層14等に接触させて加熱する以外に、温風を吹き付けたり、レーザ光や赤外線等を照射したりして加熱することもできる。
また、本実施の形態では、表面抵抗層14を吸湿性樹脂で形成したが、これに限定されるものではなく、通常時は周囲の温度や湿度等の環境(常温、常湿)によって低抵抗を示し、画像形成時は加熱或いは乾燥などを行うことにより高抵抗に変化するものであればよい。
尚、表面抵抗層14は、既存の静電現像方式の媒体本体13に後から積層して形成する以外に、画像表示材料を封入する媒体本体14の基板として形成することもできる。
実施の形態1の記録媒体は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)媒体本体13の記録面側に、通常時は低抵抗で画像形成時は高抵抗に抵抗を変更可能な表面抵抗層14が形成されていることにより、画像形成時のみ電荷の作用によって画像の書き込みや消去を行うことができると共に、画像形成後の通常時は電荷の作用を受け難く、形成された画像に乱れが発生することを防止して長期に渡って表示画像を維持することが可能で画像品質の安定性に優れる。
(2)表面抵抗層14が、吸湿性樹脂で形成されているので、画像形成時に加熱するだけで表面抵抗層14に吸収された水分を蒸発させてその抵抗値を上昇させることができ、電荷の作用による書き込みや消去を行うことができ、取り扱い性に優れる。
(3)吸湿性樹脂で形成された表面抵抗層14は、通常時は周囲の湿気を吸収して低抵抗となるため、静電気等の影響によって画像の乱れが発生することがなく、画像品質の安定性に優れる。
実施の形態1の記録媒体を用いた画像形成装置は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)記録媒体10の表面抵抗層14側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッド2と、記録媒体10の外部から表面抵抗層14を加熱する記録媒体加熱部3と、を有するので、印字ヘッド2による書き込みを行う直前に、記録媒体加熱部3によって記録媒体10の表面抵抗層14を加熱してその抵抗値を上昇させることができ、印字ヘッド2から照射される電子やイオンの電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる。
実施の形態1の記録媒体を用いた画像形成方法は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)抵抗値上昇工程により、通常時は低抵抗で電荷の作用を受け難い記録媒体10の表面抵抗層14の抵抗値を上昇させることができ、印字ヘッド2による画像の書き込みに備えることができ、画像形成に要する時間が長期化することを防ぐことができる。
(2)帯電工程により、記録媒体10の表面抵抗層14側の表面を選択的に帯電させることができ、任意の静電潜像を形成して画像を表示させることができる。
(3)抵抗値上昇工程が、記録媒体10の外部から表面抵抗層14を加熱することにより行われるので、記録媒体10自体に加熱手段を設ける必要がなく、記録媒体10の構造を簡素化することができ、表面抵抗層14の任意の位置を簡便に加熱することができ、取り扱い性に優れる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における記録媒体及びそれを用いた画像形成装置並びに画像形成方法について、以下図面を参照しながら説明する。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図2(a)は実施の形態2における記録媒体を示す要部模式断面図であり、図2(b)は実施の形態2における記録媒体使用状態を示す模式平面図である。
図2において、実施の形態2における記録媒体10aが実施の形態1と異なるのは、表面抵抗層14aがPTC抵抗体で形成され、PTC抵抗体に電力を供給する電力供給用電極15を備えている点である。
電力供給用電極15を櫛形に形成し互い違いに対向配置したことにより、電力供給用電極15が形成された領域を満遍なく発熱させることができ、発熱温度の均一性に優れる。
尚、電力供給用電極15のパターンは、本実施の形態に限定されるものではなく、その形状や配置は適宜、選択することができるが、電力供給用電極15が画像形成の妨げにならないように、なるべく線幅を細く、ピッチを粗くして形成することが望ましい。
以上のように構成された実施の形態2における記録媒体を用いた画像形成装置が実施の形態1と異なるのは、記録媒体10aを外部から加熱する記録媒体加熱部3を備える代わりに、図2(b)に示すように電力供給用電極15に通電して表面抵抗層14a(PTC抵抗体)を発熱させる電力供給部3aを備えている点である。
次に、実施の形態2における記録媒体を用いた画像形成方法について説明する。
まず、画像形成装置の電力供給部3aと記録媒体10aの電力供給用電極15を電気的に接続し、記録媒体10aを画像形成装置にセットする。
次に、抵抗値上昇工程として、電力供給部3aにより電力供給用電極15に通電して表面抵抗層14a(PTC抵抗体)を発熱させ、その抵抗値を上昇させる。
続いて、帯電工程において、実施の形態1と同様に印字ヘッド2から電子やイオンを照射して記録媒体10aの表面抵抗層14a側の表面を選択的に帯電させることにより画像を形成する。
尚、帯電工程による画像の書き込みが終了した後は、自然放置によって表面抵抗層14aが通常の低抵抗の状態に戻るのを待ってもよいし、強制的に抵抗値を低抵抗に戻す抵抗値下降工程を行ってもよい。抵抗値下降工程として、画像形成装置に設けた冷却ファンなどで表面抵抗層14を強制冷却することにより、短時間で確実に抵抗値を下げることができる。
実施の形態2の記録媒体は以上のように構成されているので、実施の形態1の(1)と同様の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)表面抵抗層14aが、PTC抵抗体で形成されているので、画像形成時に加熱するだけでその抵抗値を上昇させることができ、電荷の作用による書き込みや消去を行うことができ、取り扱い性に優れる。
(2)PTC抵抗体で形成された表面抵抗層14aは、通常時の非加熱状態では低抵抗を有するため、環境の変化や静電気等の影響によって画像の乱れが発生することがなく、取り扱いが容易で画像品質の安定性に優れる。
(3)表面抵抗層14a(PTC抵抗体)に電力を供給する電力供給用電極15を有するので、電力供給部3aにより電力供給用電極15に通電して表面抵抗層14a(PTC抵抗体)を発熱させることができ、表面抵抗層14aの抵抗値を上昇させて、簡便に画像の書き込みや消去を行うことができる。
実施の形態2の記録媒体を用いた画像形成装置は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)記録媒体10aの表面抵抗層14a側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッド2と、電力供給用電極15に通電して表面抵抗層14a(PTC抵抗体)を発熱させる電力供給部3aと、を有するので、印字ヘッド2による書き込みを行う直前に、表面抵抗層14a(PTC抵抗体)自身を発熱させて抵抗値を上昇させることができ、印字ヘッド2から照射される電子やイオンの電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる。
実施の形態2の記録媒体を用いた画像形成方法は以上のように構成されているので、実施の形態1の(1)及び(2)と同様の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)抵抗値上昇工程が、記録媒体10aの電力供給用電極15に通電して表面抵抗層14a(PTC抵抗体)を発熱させることにより行われるので、画像形成装置自体に加熱手段を設ける必要がなく、画像形成装置の構造を簡素化することができると共に、表面抵抗層14a(PTC抵抗体)自身を発熱させてその抵抗値を変化させることができるので、抵抗値の制御が容易で取り扱い性に優れる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における記録媒体について、以下図面を参照しながら説明する。尚、実施の形態1又は2と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図3(a)は実施の形態3における記録媒体を示す要部模式断面図であり、図3(b)は実施の形態3における記録媒体の使用状態を示す模式平面図である。
図3において、実施の形態3における記録媒体10bが実施の形態1と異なるのは、記録媒体10bの裏面側にPTC抵抗体で形成された発熱層14bを備えている点である。
発熱層14bには、実施の形態2における表面抵抗層14aと同様に発熱層14b(PTC抵抗体)に電力を供給するための電力供給用電極15が形成されている。
電力供給用電極15のパターンは、本実施の形態に限定されるものではなく、その形状や配置は適宜、選択することができる。尚、発熱層14bが記録媒体10bの裏面側に配設されているので、電力供給用電極15が画像形成の妨げになることはない。
以上のように構成された実施の形態3における記録媒体を用いた画像形成装置が実施の形態1と異なるのは、記録媒体加熱部3を備える代わりに、記録媒体10bと一体に形成された発熱層14bの電力供給用電極15に通電して発熱層(PTC抵抗体)14bを発熱させる発熱層駆動部3bを備えている点である。
次に、実施の形態3における記録媒体を用いた画像形成方法について説明する。
まず、画像形成装置の発熱層駆動部3bと記録媒体10bの電力供給用電極15を電気的に接続し、記録媒体10bを画像形成装置にセットする。
次に、抵抗値上昇工程として、発熱層駆動部3bにより電力供給用電極15に通電して発熱層14bを発熱させる。これにより、記録媒体10b全体が加熱され、表面抵抗層14の温度が上昇する。
吸湿性樹脂で形成した表面抵抗層14は、実施の形態1と同様に温度の上昇に伴って抵抗値が上昇し、書き込みが可能な状態となる。
続いて、帯電工程において、実施の形態1と同様に印字ヘッド2から電子やイオンを照射して記録媒体10bの表面抵抗層14側の表面を選択的に帯電させることにより画像を形成する。
尚、表面抵抗層14は、通常時は周囲の温度や湿度等の環境(常温、常湿)によって低抵抗を示し、画像形成時は加熱或いは乾燥などを行うことにより高抵抗に変化するものであればよく、実施の形態2と同様のPTC抵抗体で形成してもよい。
実施の形態3の記録媒体は以上のように構成されているので、実施の形態1の(1)乃至(3)と同様の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)記録媒体10bを加熱する発熱層14bを有するので、画像形成装置に加熱手段などを設ける必要がなく、簡便に表面抵抗層14を加熱してその抵抗を上昇させることができ、画像の書き込みや消去を行うことができる。
(2)記録媒体10bを加熱する発熱層14bが媒体本体13と一体に形成されているので、表面抵抗層14を斑なく効率的に加熱することができると共に、表面抵抗層14を加熱した状態で画像形成装置の印字ヘッド2から電子やイオンを照射して確実に画像の書き込みを行うことができ、画像形成の信頼性に優れる。
実施の形態3の記録媒体を用いた画像形成装置は以上のように構成されているので以下の作用を有する。
(1)記録媒体10bの表面抵抗層14側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッド2と、発熱層14bに通電して表面抵抗層14を加熱する発熱層駆動部3bと、を有するので、印字ヘッド2による書き込みを行う直前に、発熱層駆動部3bによって発熱層14bを発熱させ、記録媒体10bの表面抵抗層14を加熱してその抵抗値を上昇させることができ、印字ヘッド2から照射される電子やイオンの電荷の作用により画像の書き込みを行うことができる。
実施の形態3の記録媒体を用いた画像形成方法は以上のように構成されているので、実施の形態1の(1)及び(2)と同様の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)抵抗値上昇工程が、記録媒体10bの発熱層14bに通電して記録媒体10bを加熱することにより行われるので、画像形成装置自体に加熱手段を設ける必要がなく、画像形成装置の構造を簡素化することができると共に、発熱層14bを低電圧で駆動して簡便かつ確実に表面抵抗層14を選択的に加熱することができ、取り扱い性に優れる。
本発明は、画像形成時以外の通常時は電荷の作用を受け難く、環境の変化や静電気等の影響によって画像が経時的に変化することを確実に防止でき、画像品質の安定性に優れ、幅広い用途に使用することが可能な汎用性に優れた記録媒体の提供、及びその記録媒体を用いて繰り返し画像の書き込みと消去を行うことができる省資源性に優れた画像形成装置並びに画像形成方法の提供を行って、静電現像方式の記録媒体の普及を図ることができる。

Claims (12)

  1. 電荷の作用により書き込みや消去が可能な媒体本体と、前記媒体本体の記録面側に形成された表面抵抗層と、を有し、前記表面抵抗層が、通常時は低抵抗で画像形成時は高抵抗になるように抵抗を変更可能であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記表面抵抗層が、PTC抵抗体で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記表面抵抗層が、吸湿性樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  4. 前記記録媒体を加熱する発熱層を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載に記載の記録媒体。
  5. 前記PTC抵抗体に電力を供給する電力供給用電極を備えたことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体。
  6. 請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の記録媒体を用いた画像形成装置であって、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、前記記録媒体を加熱する記録媒体加熱部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項4に記載の記録媒体を用いた画像形成装置であって、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、前記発熱層に通電して前記表面抵抗層を加熱する発熱層駆動部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項5に記載の記録媒体を用いた画像形成装置であって、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面に電子やイオンを照射する印字ヘッドと、前記電力供給用電極に通電して前記PTC抵抗体を発熱させる電力供給部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の記録媒体を用いた画像形成方法であって、前記記録媒体の前記表面抵抗層の抵抗値を上昇させる抵抗値上昇工程と、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させる帯電工程と、を備えたことを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の記録媒体を用いた画像形成方法であって、前記記録媒体を外部から加熱することにより前記表面抵抗層の抵抗値を上昇させる抵抗値上昇工程と、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させる帯電工程と、を備えたことを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項4に記載の記録媒体を用いた画像形成方法であって、前記記録媒体の前記発熱層に通電して前記記録媒体を加熱することにより前記表面抵抗層の抵抗値を上昇させる抵抗値上昇工程と、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させる帯電工程と、を備えたことを特徴とする画像形成方法。
  12. 請求項5に記載の記録媒体を用いた画像形成方法であって、前記記録媒体の前記電力供給用電極に通電して前記PTC抵抗体を発熱させることにより前記表面抵抗層の抵抗値を上昇させる抵抗値上昇工程と、前記記録媒体の前記表面抵抗層側の表面を選択的に帯電させる帯電工程と、を備えたことを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101440444B1 (ko) * 2013-01-31 2014-09-17 부경대학교 산학협력단 생체 신호를 측정하기 위한 전극 구조체 및 이를 이용한 심전도 측정 장치

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