JP3954387B2 - 内視鏡の洗浄水噴射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は内視鏡の洗浄水噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に内視鏡には、観察窓の表面に水を吹き付けて洗浄するための観察窓洗浄ノズルが設けられている。
【0003】
しかし、大腸検査用の内視鏡等では、被写体である粘膜面に便等の異物が残っていて内視鏡観察に支障が生じる場合がある。また、大腸用内視鏡以外でも、患部からの出血が内視鏡観察の障害になる場合がある。そこで、被写体に対して洗浄水を吹き付けるための洗浄水噴射口が挿入部の先端部分に設けられた内視鏡がある。
【0004】
そのようなものでは、洗浄水噴射口に洗浄水を送るための送水管路が挿入部内に挿通配置されていて、挿入部の基端に連結されている操作部に配置された口金から送水管路に洗浄水を送り込むことができるようになっている。
【0005】
したがって、洗浄水を入れた注射器状の給水具を口金に接続することにより、送水管路を経由して洗浄水噴射口から粘膜面に向かって洗浄水を直接吹き付けることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、洗浄水の噴射を上述のように注射器状の給水具等によって行うと、噴射される洗浄水の量が非常に多くなってしまうので、体内に溜まる洗浄水の吸引排出の操作が煩雑で面倒なものになってしまう。
【0007】
また、洗浄水を連続的に噴射すると、患部からの出血が凝固しかかっているような場合には、洗浄水の水圧により血液が面積的に押し広げられるだけで、血液の除去には至らない場合が少なくない。
【0008】
そこで本発明は、被写体に対して吹き付ける洗浄水の量を少なくすることができ、しかも、高い洗浄効果をあげることができる内視鏡の洗浄水噴射装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の洗浄水噴射装置は、被写体に対して洗浄水を直接吹き付けるための洗浄水噴射口が内視鏡の挿入部の先端部分に設けられ、洗浄水噴射口に洗浄水を送るための送水管路が挿入部内に挿通配置された内視鏡の洗浄水噴射装置において、送水管路に洗浄水を所定の時間間隔で間欠的に送り込むための間欠給水装置を設けたものである。
【0010】
なお、所定の時間間隔が可変であってもよく、送水管路に対してあい異なる種類の洗浄水を送り込むための複数の間欠給水装置が設けられていてもよい。また、洗浄水噴射口が、並列に配置された複数の小孔によって形成されていてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は本発明の第1の実施例の装置の全体構成を示しており、内視鏡の挿入部1の基端には操作部2が連結され、操作部2から延出する連結可撓管3の先端にコネクタ4が取り付けられている。
【0012】
挿入部1内には、全長にわたって処置具挿通路5と送水管路6とが挿通配置されており、それらの出口開口5a,6aは、図示されていない観察窓と並んで挿入部1の先端に観察方向に向けて開口配置されている。
【0013】
そして、処置具挿通路5の入口5bは操作部2に配置され、送水管路6の基端側は連結可撓管3内を通ってコネクタ4に達している。ただし、送水管路6の基端を操作部2等に配置しても差し支えない。
【0014】
10は、洗浄水を入れて密閉された貯水タンク11等を有する間欠給水装置である。間欠給水装置10は内視鏡とは分離して設けられていて、コネクタ4を接続することにより、送水管路6の基端が吐出管13と接続されるようになっている。なお、洗浄水としては、蒸留水、生理食塩水、純水、或いはそれらと消泡剤との混合液等を用いることができる。
【0015】
間欠給水装置10においては、加圧ポンプPによって発生する圧力(気圧)が貯水タンク11内に付与され、その圧力によって貯水タンク11から押し出される洗浄水が、吐出管13を通って送水管路6に供給される。
【0016】
ただし吐出管13の途中に開閉バルブVが介挿接続されているので、開閉バルブVが閉じている状態では送水管路6に洗浄水は供給されず、開閉バルブVを間欠的に開閉動作させることによって、送水管路6に洗浄水が間欠的に送り出される。
【0017】
15は、間欠給水装置10内の各部の動作を制御するための制御部であり、制御部15の入力端に接続された例えばフットスイッチ等のようなスイッチSからの切換信号入力に対応して、加圧ポンプP及び開閉バルブV等の動作が制御されるようになっている。
【0018】
図3は、そのような制御部15の制御動作の一例を示しており、スイッチSがオンになっている期間と同期して加圧ポンプPが運転されて貯水タンク11内を加圧し、開閉バルブVはスイッチSがオンになっている間、所定の時間間隔で開閉を繰り返す。
【0019】
それによって送水管路6に間欠的に洗浄水が送り込まれ、図1に示されるように、挿入部1の先端においては、送水管路6の出口開口6a(洗浄水噴射口)から内視鏡の被写体である患部100に向かって、間欠的に洗浄水が直接吹き付けられ、血液101等が洗い流される。
【0020】
このように、洗浄水を間欠的に吹き付けると、洗浄対象に対して圧力と衝撃が加わるので洗浄能力が向上し、患部からの出血が凝固しかかっているような場合でも、少ない洗浄水で血液を確実に洗い流すことができる。
【0021】
なお、図4に示されるように、スイッチSのスイッチング動作が複数段階に切り替わるようにして、それに対応して開閉バルブVの間欠動作の時間間隔が変わるようにしてもよい。また、間欠動作の時間間隔が自動的に順次変化するようにしてもよい。
【0022】
図5は、本発明の第2の実施例の装置の全体構成を示しており、第1の実施例と同様の貯水タンク11A,11B、加圧ポンプP1,P2、開閉バルブV1,V2が各々二組配置されて、二つの開閉バルブV1,V2が吐出管13に直列に介挿接続されている。
【0023】
図6は、その第2の実施例の制御動作を例示しており、二組の装置のうちの下流側の加圧ポンプP1と開閉バルブV1は第1の実施例と全く同様の動作をするように制御され、上流側の加圧ポンプP2と開閉バルブV2は、スイッチSがオンになった後の一定の間だけ連続的に開いてそれ以後は停止又は閉じるようになっている。
【0024】
したがって、例えば下流側の貯水タンク11Aに水を入れ、上流側の貯水タンク11Bに消泡剤を入れておくことにより、スイッチSがオンになってから一定の間だけ水と消泡剤の混合液の間欠噴射が行われ、途中から水のみの間欠噴射に切り換わるような使い方をすることができる。
【0025】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図7に示されるように、間欠給水装置10の吐出管13を内視鏡の処置具挿通路5に接続して、処置具挿通路5を送水管路として用いてもよい。
【0026】
また、図8に示されるように、洗浄水噴射口である送水管路6の出口開口6aを並列に配置された複数の小孔によって形成すれば、洗浄水をシャワー状にして患部100に対して間欠的に吹き付けることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、送水管路に洗浄水を所定の時間間隔で間欠的に送り込むための間欠給水装置を設けたことにより、被写体に対して吹き付ける洗浄水の量を少なくすることができるので無用な吸引操作に手間が取られず、しかも、患部からの出血等に対して高い洗浄効果をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の内視鏡の洗浄水噴射装置による被写体への洗浄水の吹き付け状態を示す略示図である。
【図2】本発明の第1の実施例の装置の全体構成を示す略示図である。
【図3】本発明の第1の実施例の内視鏡の洗浄水噴射装置の制御動作を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例の内視鏡の洗浄水噴射装置の制御動作の変形例を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例の装置の全体構成を示す略示図である。
【図6】本発明の第2の実施例の内視鏡の洗浄水噴射装置の制御動作を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の第3の実施例の装置の全体構成を示す略示図である。
【図8】本発明の第4の実施例の内視鏡の洗浄水噴射装置による被写体への洗浄水の吹き付け状態を示す略示図である。
【符号の説明】
1 挿入部
5 処置具挿通路
6 送水管路
6a 出口開口(被写体洗浄水噴射口)
10 間欠給水装置
11 貯水タンク
13 吐出管
15 制御部
100 患部(被写体)
P 加圧ポンプ
V 開閉バルブ
S スイッチ
Claims (4)
- 被写体に対して洗浄水を直接吹き付けるための洗浄水噴射口が内視鏡の挿入部の先端部分に設けられ、上記洗浄水噴射口に洗浄水を送るための送水管路が上記挿入部内に挿通配置された内視鏡の洗浄水噴射装置において、
上記送水管路に洗浄水を所定の時間間隔で間欠的に送り込むための間欠給水装置と、その間欠給水装置と上記送水管路とを接続する吐出管を途中で開閉するための開閉バルブとが複数組設けられ、上記複数の開閉バルブが上記吐出管に直列に介挿接続されていることを特徴とする内視鏡の洗浄水噴射装置。 - 上記複数組の間欠給水装置と開閉バルブの動作を組別に制御する制御手段が設けられている請求項1記載の内視鏡の洗浄水噴射装置。
- 上記間欠給水装置と上記開閉バルブとが二組設けられていて、下流側の間欠給水装置は上記送水管路に水を送り込み、上流側の間欠給水装置は上記送水管路に消泡剤を送り込む請求項2記載の内視鏡の洗浄水噴射装置。
- 上記上流側の間欠給水装置と開閉バルブのみを一定時間経過後に停止又は閉じるように制御する制御手段が設けられている請求項3記載の内視鏡の洗浄水噴射装置。
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