JP3953394B2 - 多色性複合構造蓄光繊維 - Google Patents

多色性複合構造蓄光繊維 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暗所では識別可能な充分な明るさの発光が見られ、明るい所では様々な色の選択が可能な、蓄光性能を有し、かつ、極めて多色な色展開が可能な多色性複合構造蓄光繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、明るいところで光を蓄え、暗所でも視認が可能な蓄光繊維はその特徴から釣り糸、ロープなどに用いられており、これらの用途では、特にファッション性を要求されないため、蓄光性顔料自体による色で充分であり、他の色を着ける必要性はなかった。
【0003】
しかし、最近では、ファッション性が要求される分野でも蓄光繊維の利用が広がってきている。ただ、蓄光繊維に用いられる蓄光性顔料はそれ自体が特定の色調を有するため、色の自由度が得られ難い現状がある。
【0004】
色の着いた蓄光繊維として、繊維自身に蓄光性顔料が均一に練り込まれた繊維(例えば、特許文献1参照。)、芯に蓄光性顔料を含有し、鞘に着色顔料を含有する芯鞘構造の繊維(例えば、特許文献2、3参照。)、2種類の互いに異色性を示す糸を混繊するに際して、混繊する糸に蓄光性顔料を入れた繊維(例えば特許文献4参照。)が知られている。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−111075号公報
【特許文献2】
特開2001−214333号公報
【特許文献3】
特開2000−96349号公報
【特許文献4】
特開2001−226843号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の技術には以下に示す問題点がある。
繊維自身に蓄光性顔料が均一に練り込まれた繊維(例えば、特許文献1参照。)の場合には、着色顔料によって蓄光性顔料の蓄光及び発光が阻害されたり、蓄光剤自身が水分などに弱い場合にはあらためて繊維表面を撥水性樹脂で覆わなければならないという問題点がある。
【0007】
さらに、芯に蓄光性顔料を含有し、鞘に着色顔料を含んだ芯鞘構造の繊維(特許文献2、3参照。)では、その構造上以下の問題点がある。
【0008】
すなわち、ある程度の色の選択は可能であるが、蓄光性顔料を含む芯成分を、着色顔料を含んだ鞘成分が覆っているので、鞘部分に含む着色顔料の量を制限しないと、蓄光性顔料の蓄光・発光が不充分になる問題があるため、どうしても淡色に限られる。さらに、鞘成分が芯成分を覆っているため、暗所で発光する際に、鞘成分の着色顔料の色と芯成分の蓄光性顔料による発光が混ざった色が確認される。
【0009】
加えて、淡色の場合、糸が太い場合に限って上記の方法を採ることが可能だが、衣料用、縫い糸、刺繍糸のような繊度が250dT以下の細い糸の場合、着色顔料の粒子によって、蓄光性顔料の粒子が吸光する時には吸光が阻害され、発光する時には発光が遮られる割合が多くなり、蓄光剤の吸光・発光性能を阻害する問題がある。
【0010】
さらに、蓄光性顔料を含む糸と着色顔料を含む糸を混繊した場合(特許文献4参照。)にも、両糸が均一に混在するため、明るいところでは、一般の繊維と変わらない色を持ちながら、暗所では、発光がしっかり見える、多色性複合構造蓄光繊維にはならない。
【0011】
このように、蓄光繊維がファッション性の要求される分野で使用される場合、暗所では、蓄光性顔料による発光がしっかり見えることが求められ、一方、明るいところにおいてはむしろ一般の繊維と変わらないさまざまな色のバリエーションが求められるのに対し、従来は上記の問題点がある。本発明では、以上の問題点を解決した多色性の蓄光繊維を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蓄光性顔料を含有する蓄光繊維と着色糸が、下記(1)乃至(3)を満足する条件で、合撚されていることを特徴とする多色性複合構造蓄光繊維であって、上記蓄光性顔料を蓄光繊維全体に対し2.5〜25重量%含有する多色性複合構造蓄光繊維である。
【0013】
(1)蓄光繊維の鮮度(D)と着色糸の繊度(d)の比率が、2:1〜10:1
(2)(D+d)1/2*tで表される撚り係数Tが、8000〜18000
但し、D=蓄光繊維のトータル繊度(デシテックス)、d=着色糸のトータル繊度(デシテックス)、t=蓄光繊維と着色糸とを撚り合わせる上撚り回数(回/m)
(3)多色性複合構造蓄光繊維の繊度は、100dT以上500dT以下
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の多色性複合構造蓄光繊維は蓄光繊維と着色糸が特定条件下で合撚されているものである。
本発明の蓄光繊維は、蓄光性顔料を含有するものである。
【0015】
蓄光性顔料は、可視光や紫外光等の各種光(励起源)を吸収し、エネルギーとして蓄え、励起源が停止した後、前記エネルギーにより暗所で発光するものをいう。ちなみに、発光は暗所でのみ視認できるものであり、また、光の吸収と発光を繰り返すことができる。
【0016】
蓄光性顔料の成分としては、アルミン酸ストロンチウム(SrAl3O4)、硫化亜鉛,酸化亜鉛等があげられるが、なかでも、ジスプロシウム、ユーロピウムで付活されたアルミン酸ストロンチウム(SrAl3O4:Eu,Dy)を用いることが好適である。すなわち、上記ジスプロシウム、ユーロピウムで付活されたアルミン酸ストロンチウム(SrAl3O4:Eu,Dy)は、発光特性に優れ、しかも紫外線による劣化が少なく、耐久性に優れているとともに、放射性物質を含まないため、人体への影響がないという利点を有するからである。
【0017】
蓄光性顔料の平均粒径は0.1〜10μmであることが好ましい。より好ましくは0.3〜5μm、最も好ましくは0.5〜2μmである。10μmを超える粗大粒子は紡糸、延伸の製糸工程にて断糸を誘起し好ましくない。また、0.1μmより小さい粒子は凝集しやすくポリマー中に粒子を均一分散することが非常に困難となる。また、一般に蓄光性顔料の粒子は粒径が小さくなるほど蓄光性能が著しく低下することが多く、性能の面でも好ましくない。
【0018】
蓄光繊維の断面形状は限定されないが、風合いや光沢性などの必要に応じて丸断面以外の三角断面、四角断面およびそれ以外の異形断面形状とすれば良い。また、単に一本の繊維に所定量の蓄光性顔料を分散させた単独糸でも良いが、製糸工程、その後の加工工程及び製品としての使用時に、蓄光性顔料が脱落したり、水、熱の影響を受けないように、蓄光性顔料を存在させた芯成分ポリマーと熱可塑性の鞘成分ポリマーとが接合された芯鞘構造を有している複合繊維が好ましい。
【0019】
また、芯部の構造は1芯でも多芯でも構わない。ただし、含有する蓄光性顔料の平均粒子径を考慮すると、1芯型が好ましい。
【0020】
芯成分ポリマーはポリオレフィンで構成されるのが好ましい。これは、蓄光材料が熱水によって蓄光性能を失活するため、吸水性が低い芯成分ポリマーによって蓄光材料が水分と触れないようにするためである。
【0021】
鞘成分ポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンの群から選ばれるすくなくとも1種類の熱可塑性ポリマーが好ましい。
【0022】
さらに、これら芯成分ポリマーと鞘成分ポリマーの複合比率は、その断面積の比率で規定され、芯成分ポリマー:鞘成分ポリマー=20〜80:80〜20が好ましい。
【0023】
蓄光性顔料の含有量は、繊維状ポリマーの種類によるが蓄光繊維全体に対し2.5〜25重量%である。特に、上述の芯鞘構造の場合の芯成分に対する蓄光性顔料の含有量は、10〜30重量%が好ましい。含有量が少ないと蓄光性能が弱く、目的の性能が得られ無い。また30重量%以上になっても、蓄光性能は大差が無く、多くの異物が混入されることによる繊維形成性が低下する傾向となる。
【0024】
一方、着色糸の種類としては、先染め糸、原着糸もしくはラメ糸が好ましい。先染め糸とは、蓄光繊維に巻きつける前に糸の状態で染料で染色した糸を示す。原着糸とは、繊維状ポリマー製造時あらかじめ着色顔料などを加えて着色・製造された糸を示す。ラメ糸とは、樹脂フィルム層の上に、金属加工層及び、または、着色層を設けた後、スリットカットされた外見上光沢を有する細幅フィルム糸のことである。上記金属加工は、金属蒸着層や金属薄膜層を設けることで、着色層とは、例えば、顔料や染料を含んだ樹脂・接着剤層を設けることである。ラメ糸は、耐摩耗性が必要な場合は金属加工層や着色層が、保護層で覆われているほうが好ましく、金属加工層や着色層が基材樹脂層に挟まれたいわゆるサンドイッチ構造のものが更に好ましい。ラメ糸は金属加工層や着色層と平行軸方向の長さが直交軸方向の長さより長く、長軸/短軸の比率は1/1〜5/1が好ましい。
【0025】
原着糸の着色に使用する着色顔料または、先染め糸の染料としては、着色糸に用いられるポリマーとの相性を考慮する必要があるが、原則としては、着色しようとする色に応じて自由に選択され、一般的なものであれば特に限定されない。着色顔料または染料の量は着色糸に使われるポリマーの性質を考慮する必要があるが、原則としては自由である。また、一色とは限らず、多色でもかまわない。
【0026】
色を濃く見せるために着色糸に濃色を使用することも可能である。その場合蓄光の度合いが低めになるが、暗くしたときには充分発光が見える程度であり特段問題にならない。ただし、蓄光性能を最大限発揮させるには着色糸の濃度は適宜選定する。
【0027】
また、蓄光繊維、着色糸どちらのポリマーにも必要に応じて蛍光剤、艶消し剤、耐候剤、UV吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤、殺菌剤、吸湿剤、吸水剤、撥水剤、防臭剤、消臭剤、芳香剤、などを混入させてもよい。
【0028】
蓄光繊維は細すぎると、充分な発光性が得づらくなり、必要量の蓄光剤を混入させると蓄光剤の粒子が繊維表面から突き出すなど問題となる。そのため、蓄光繊維の単糸繊度は1dT以上250dT以下が好ましい。ただし特にこの範囲に限定されるものではない。
【0029】
さらに、蓄光繊維の繊度(D)と着色糸の繊度(d)の比率は、2:1〜10:1に限定される。一般に着色糸の物性のほうが蓄光繊維に比較すると良く、例えば、引っ張り強度などは着色糸のほうが強い。そのため、あたかも、蓄光糸の周りに着色糸が巻付いているように見える形態のほうが好ましく、また、あまりに蓄光糸の繊度が小さすぎると充分な発光が得づらいこととその強度が保てないためである。
【0030】
加えて、(D+d)1/2*tで表される撚り係数Tは8000〜18000の範囲に限定される。但し、D=蓄光繊維のトータル繊度(デシテックス)、d=着色糸のトータル繊度(デシテックス)を表し、t=蓄光糸と着色糸とを合わせる上撚り回数(回/m)を表す。これは、上述の繊度の比率と併せて、多色性複合構造蓄光繊維の見え方に大きく影響する。撚り係数は、低すぎると明るい場所で色がまばらに見え、いわゆる一見色に見えない。撚り係数が高すぎると蓄光繊維が着色糸に覆われすぎて暗所で充分な発光が得られない。
【0031】
蓄光繊維と着色糸は、引き揃え合撚、カバーリング、蛇腹撚りで合撚されていることが好ましい。
【0032】
蓄光繊維と着色糸が共に丸断面の場合には、引き揃え合撚、カバーリングが好ましい。
【0033】
引き揃え合撚とは、2本もしくは2本以上の糸を引き揃えて撚る方法である。中でも無撚の糸を撚り合わせる片撚りではなく、下撚りのかかった糸を撚り合せる諸撚りが好ましい。さらに好ましくはきれいに巻かれて、巻きのトルクが残らないようにするために、同じ向きに下撚りした糸を逆向きに上撚りする諸撚りがよい。ただ、諸撚り糸の嵩高さ向上など必要に応じて逆向きに下撚りした糸を用いても良い。下撚りに対する上撚りの撚り回数の比率は0.3〜1.0が好ましい。
【0034】
カバーリングとは、芯糸に対し、その糸の外側を、他の糸を回転させながら鞘糸を巻き付ける方法であり、この場合、芯糸、鞘糸のどちらに蓄光糸を用いても良いが、生産性、品質安定性を考え芯糸に蓄光糸を用いるのが好ましい。
【0035】
ラメ糸のように異形度が高い糸を着色糸として用いる場合には、蛇腹撚り、丸撚り、羽衣撚りなどが一般的であるが、合撚糸の品位、生産効率を考えると蛇腹撚りが好ましい。
【0036】
蛇腹撚りとは、異形度の高い偏平の糸を捩れないように巻付け、巻き付けた糸と巻き付けられている糸が一定間隔で交互に現れるように巻き付ける方法である。
【0037】
丸撚りとは、異形度の高い偏平の糸を捩りながら隙間なく巻き付けていく方法である。羽衣撚りとは、異形度の高い偏平の糸を捩りながらあらく巻き付けていく方法である。
【0038】
丸撚りの場合には異形度が高い着色糸が隙間なく巻付いているため、蓄光糸が見えなくて問題がある。羽衣撚りの場合には、蓄光糸に巻きつけられた着色糸の間に隙間はあるが、異形度が高い着色糸が糸の解舒撚りで捩れて蓄光糸に巻かれているため、表面に段差ができ、風合いを損ねたり、例えば、刺繍糸として使用する場合は、針孔やガイドにひっかかり、糸切れや、撚りダマリができやすく問題が発生しやすい。
【0039】
蛇腹撚りに適する異形度の高い糸の形状は偏平、楕円形、田型等四角断面、十文字型断面などが好ましい。
【0040】
また、光沢感や風合いの改良など必要な場合には、蓄光繊維の異形度が高くても良く、その場合、絡み撚り、たすき撚りでも良い。
【0041】
絡み撚りは異形度の高い偏平の糸の周りを異形度の高い糸よりも細い糸を、一本だけ巻き付けていく方法である。
【0042】
たすき撚りは異形度の高い偏平の糸の周りを異形度の高い糸よりも細い糸を、巻き付けの方向が逆になるように2本巻き付ける方法である。
【0043】
好ましい撚り方法を選択した場合にも、巻き付けるピッチがずれていると色が均一に見えないため、巻き付けるピッチを均一にした方が好ましい。
【0044】
蓄光繊維と着色糸とは蓄光・発光性能、ガイド・針孔通過性などの操業性の点で、密着して巻き付いていることが好ましい。種々の条件により蓄光繊維と着色糸の間に間隙が生じる場合でも多色性複合蓄光繊維の見かけ上の直径が密着して巻き付いている場合の20%増し以内、好ましくは10%以内であることが好ましい。
【0045】
例えば、芯糸に鞘糸が巻き付いている場合に(芯糸、鞘糸がそれぞれ蓄光繊維、着色糸のどちらかを示す。)、巻き付けのテンションが緩かったり、巻き付けた状態ではテンションがしっかりかかっていても、鞘糸の収縮率が芯糸の収縮率より小さいために熱セット後に一部鞘糸が芯糸から浮き上がっている状態や、鞘糸がラメ糸の場合にテンションはしっかりかかっているものの、幅方向に浮き上がっている部分がある状態は避けるほうが好ましい。そのため、しっかり巻き付けることは当然であるが、芯糸の沸水収縮率と鞘糸の沸水収縮率の差が10%以下のほうが好ましい。加えて、鞘糸がラメ糸の場合にラメ糸の幅方向に浮き上がっている部分の芯糸との距離は浮き上がっていない部分の多色性複合蓄光繊維の直径の20%以内、好ましくは10%以内であることが好ましい。
【0046】
さらに、蓄光繊維、着色糸はそれぞれ1本づつである必要はなく、どちらか、もしくは両方が1本以上でもよい。
多色性複合構造繊維の繊度としては、100dT以上500dT以下好ましくは200dT以上500dT以下である。
【0047】
以下、製造方法の一例について説明する。ただし、製造方法に関しては、以下の方法に限定されるものではない。
蓄光繊維は、例えば、芯鞘構造を有している場合には以下の方法で製造する。まず、充分に乾燥された蓄光性顔料を芯成分となるポリマーと混合してマスターバッチを作る。できたマスターバッチと鞘成分の熱可塑性ポリマーとを所定の割合で口金に導入し、溶融紡糸を行ない、芯鞘構造の蓄光繊維を得る。
【0048】
着色糸は、例えば、原着糸の場合には以下の方法で製造する。まず、着色顔料を原着糸となるポリマーと混合してマスターバッチを作る。できたマスターバッチと着色糸となるポリマーとから、溶融紡糸を行ない、着色糸を得る。
【0049】
次に、以上の方法で製造された蓄光繊維と着色糸を、引き揃え合撚、カバーリング、蛇腹撚り、絡みより、たすき撚りなど、それぞれの方法で巻き付ける。
【0050】
本発明により得られた多色性複合構造蓄光繊維は、衣料用、生活雑品に使用可能である。例えば、カーテン、ロールスクリーン、壁掛け、壁クロス、ランプのシェード、蛍光燈の傘、ベッドカバー、布団カバー、カーペット、トイレカバー、マット、帽子、造花、各種紐類、細幅テープ、標識、作業用ロープ、テント用ロープ、非常通路用カーペット、スリッパ、一般衣料、スポーツウェア、レインコート、夜間作業衣、人形用衣装、ブライダル衣装などに使用できる。なかでも染色工程を省略できる刺繍糸、レース糸用に好適である。
【0051】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。まず、評価方法について説明する。
(多色性評価)
複合繊維の多色性に関しては、試作した「多色性複合構造蓄光繊維」をアルミの板に糸が3重に重なるように巻き付け、蓄光糸と着色糸が縞模様に見えない、所謂一見色に見えるか否かを10人の人間が目視で判断し、5段階評価で表した。
<評価>
5:10人全員が一見色に見えると判断
4: 8〜9人が一見色に見えると判断
3: 6〜8人が一見色に見えると判断
2: 4〜6人が一見色に見えると判断
1: 2〜4人が一見色に見えると判断
【0052】
(発光性評価)
発光性は、試作した「多色性複合構造蓄光繊維」をアルミの板に糸が3重に重なるように巻き付け、24時間以上遮光保存した後、常用光源蛍光ランプD65を用いて、約1000ルクスの照度で30分間照射して励起させ、照射停止後、真っ暗闇の状態で、サンプルが光っているか否かを10人の人間が目視で判断し、5段階評価で表した。
<評価>
5:10人全員が発光を確認できる(サンプルの位置を特定出来る)と回答
4: 8〜9人が発光を確認できる(サンプルの位置を特定出来る)と回答
3: 6〜8人が発光を確認できる(サンプルの位置を特定出来る)と回答
2: 4〜6人が発光を確認できる(サンプルの位置を特定出来る)と回答
1: 2〜4人が発光を確認できる(サンプルの位置を特定出来る)と回答
【0053】
(操業性評価)
試作した「多色性複合構造蓄光繊維」をポリエステル布帛に刺しゅうをした時の、糸の解舒性・ガイド通過性・刺繍針孔の通過性・糸切れ性を3段階(○、△、×)で評価した。
【0054】
以下実施例、比較例において蓄光性顔料には、ジスプロシウム、ユーロピウムで付活されたアルミン酸ストロンチウム(SrAl34:Eu,Dy、平均粒子直径1.0μm)を使用した。
【0055】
蓄光繊維のトータル繊度(D、デシテックス)、着色糸のトータル繊度(d、デシテックス)、互いの繊度比率、蓄光繊維と着色糸とを合わせる上撚り回数(t、回/m)は一般的な方法で測定を行ない、撚り係数(T)は(D+d)1/2*tの式にて計算した。
【0056】
<実施例1>
蓄光性顔料を20重量%添加したポリプロピレンポリマーを芯成分、6−ナイロンを鞘成分とし、溶融紡糸で、芯鞘型の複合繊維(コンジュゲート繊維)を紡糸した。得られた蓄光繊維は、芯:鞘比率が1:3の100T(デシテックス)/12f(フィラメント)極淡黄色の糸(沸水収縮率8%)であった。
【0057】
着色糸は、市販の44T/14fマリンブルー色、6−ナイロンを成分とする先染め糸(沸水収縮率2%)を用いた。
【0058】
まず、100T/12fの蓄光繊維に S650t/mの下撚りを入れ、この糸を2本と44T/24f着色糸を合撚機で Z650t/mの上撚りを入れ、65℃*20分の熱セットを実施し、244Tの複合繊維を得た(表1)。
【表1】
Figure 0003953394
【0059】
<実施例2>
蓄光性顔料を20重量%添加したポリプロピレンポリマーを単独で溶融紡糸した。得られた蓄光繊維は、100T(デシテックス)/12f(フィラメント)極淡黄色の糸であった。
【0060】
着色糸は、市販の44T/14fマリンブルー色、6−ナイロンを成分とする先染め糸を用いた。
【0061】
まず、100T/12fの蓄光繊維に S650t/mの下撚りを入れ、この糸を2本と44T/14f着色糸を合撚機で Z650t/mの上撚りを入れ、65℃*20分の熱セットを実施し、244Tの複合繊維を得た(表2)。
【表2】
Figure 0003953394
【0062】
<実施例3〜4>
蓄光糸の鞘成分ポリマーをポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンとした以外その他の条件は全て実施例1と同条件で、244Tの複合繊維を作成した(表3)。
【表3】
Figure 0003953394
【0063】
<実施例5>
実施例1で、着色糸に市販の78T/24fの6−ナイロンを成分とした原着糸を用いて、撚り回数Z600t/mで引き揃え合撚し、278Tの複合繊維を得た(表4)。
【表4】
Figure 0003953394
【0064】
<実施例6>
実施例1で用いた100T/12fの蓄光繊維に S650t/mの下撚りを入れ、この糸2本をZ400t/mで引き揃え合撚し、200T/24f蓄光繊維を作成した。これを芯糸とし、市販の78T/24fの6−ナイロンを成分とした原着糸をZ600t/mでカバーリングし、278Tの複合繊維を得た(表5)。
【表5】
Figure 0003953394
【0065】
<実施例7〜8、比較例1>
実施例6の200T/24f蓄光繊維2本と、市販の78T/24f原着糸1本を引き揃えて、以下の上撚り数で引き揃え合撚し、478Tの複合繊維を得た。
Z1000t/m (比較例1)、Z800t/m (実施例7) 、Z400t/m (実施例8)、(表6)。
【表6】
Figure 0003953394
【0066】
<実施例9〜10、比較例2〜3>
実施例7〜8で、着色糸に市販の44T/24f先染め糸を使用し、以下の上撚り数で引き揃え合撚し、444Tの複合糸を得た。
【0067】
Z1000t/m(比較例2)、Z800t/m(実施例9)、Z400t/m(実施例10)、Z300t/m(比較例3)、(表7)。
【表7】
Figure 0003953394
【0068】
<実施例11〜12、比較例4〜5>
実施例6の200T/24f蓄光繊維を芯糸とし、着色糸として市販の44T銀ラメ糸(120切り、ベースフィルム:ポリエステル、蒸着金属:銀、保護層として樹脂コーティング)を使用し、蛇腹撚り手法で、芯糸に以下の上撚り数で巻き付け、244Tの複合糸を得た。
【0069】
Z1400t/m(比較例4)、Z1000t/m(実施例11)、Z800t/m(実施例12)、Z400t/m(比較例5)、(表8)。
【表8】
Figure 0003953394
【0070】
<実施例13〜16>
200T/24f蓄光繊維に、着色糸として、有色の44Tラメ糸(120切り、基材フィルム層に染料又は顔料を混ぜた接着剤層と樹脂コーティング又はフィルムラミネートの保護層を有する)で、黄色(実施例13)、黄緑(実施例14)、ベージュ(実施例15)、ピンク色(実施例16)を有するラメ糸を使用し、蛇腹撚り手法で、芯糸に上撚りZ800t/mで巻き付け、244Tの複合糸を得た(表9)。
【表9】
Figure 0003953394
【0071】
<実施例17〜18>
実施例1で、芯成分ポリプロピレンポリマーへの蓄光剤添加量を10重量%、とした以外は同条件で244Tの複合繊維(実施例17)を得た。又、添加量を30重量%とした複合繊維を実施例18とする(表10)。
【表10】
Figure 0003953394
【0072】
それぞれの性能評価を表11に示す。
【表11】
Figure 0003953394
【0073】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の多色性複合構造蓄光繊維は、着色糸と蓄光繊維を一定条件で重ね合わせることによって、明るい場所では巻き付いた着色糸の色と同系色に見え、暗くなると蓄光性顔料の色に発光しているように見える。さらに、巻き付いた着色糸の色を選択する事で、極めて多色の色展開が可能となる。

Claims (6)

  1. 蓄光性顔料を含有する蓄光繊維と着色糸が、下記(1)乃至(3)を満足する条件で合撚されている多色性複合構造蓄光繊維であって、上記蓄光性顔料を蓄光繊維全体に対し2.5〜25重量%含有する多色性複合構造蓄光繊維
    (1)蓄光繊維の鮮度(D)と着色糸の繊度(d)の比率が、2:1〜10:1
    (2)(D+d)1/2*tで表される撚り係数Tが、8000〜18000
    但し、D=蓄光繊維のトータル繊度(デシテックス)、d=着色糸のトータル繊度(デシテックス)、t=蓄光繊維と着色糸とを撚り合わせる上撚り回数(回/m)
    (3)多色性複合構造蓄光繊維の繊度は、100dT以上500dT以下
  2. 蓄光繊維が、蓄光性顔料を含有する芯成分ポリマーと熱可塑性の鞘成分ポリマーとが接合された芯鞘構造複合繊維であり、上記芯成分に対して蓄光性顔料が10〜30重量%含まれている請求項1記載の多色性複合構造蓄光繊維。
  3. 芯成分ポリマーがポリオレフィンである蓄光繊維である請求項2記載の多色性複合構造蓄光繊維。
  4. 鞘成分ポリマーが、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンの群から選ばれるすくなくとも1種類の熱可塑性ポリマーである請求項2または3のいずれか1に記載の多色性複合構造蓄光繊維。
  5. 着色糸が、先染め糸、原着糸またはラメ糸である請求項1、2、3及び4のいずれか1に記載の多色性複合構造蓄光繊維。
  6. 着色糸と蓄光繊維が引き揃え合撚、カバーリング、蛇腹撚りのいずれか1の形態で合撚されている請求項1、2、3、4及び5のいずれか1に記載の多色性複合構造蓄光繊維。
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