JP3952490B2 - ハイブリッド車両の走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,ハイブリッド車両の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車にはトラクション制御システムやアンチロックブレーキシステム(ABS)等のスリップ抑制制御システムが搭載されている。トラクション制御システムは、加速時に車輪のスリップを検出するとエンジンの出力トルクを低下させ、或いは車輪のブレーキ液圧を上昇させて制動力を強めることで車輪のスリップを抑制するものである。また、ABSは、制動時に車輪のスリップを検出すると車輪のブレーキ液圧を低下させて制動力を弱めることで車輪のスリップを抑制するものである。
【0003】
特に、ハイブリッド自動車においてトルク制御を行なうもの(特開平7−336810号公報)や、回生制動時にスリップを検出したときにはブレーキ回生を低下させてABSに移行するもの(特開平8−98313号公報、特開平8−98314号公報)や、ABS制御中はブレーキ回生を禁止するもの(特開平11−115743号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ハイブリッド自動車では、応答性の高いモータと応答性の低いエンジンやブレーキ液圧制御とが同時にフィードバック制御されるため、応答性の違いによりハンチングを発生する。例えば、スリップ初期の目標スリップ率との偏差が大きいときに応答性の高いモータによるI値を含んだフィードバック制御を行うと、I値が大きくなってオーバーシュートしてしまう。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされ、その目的は、応答性の高いモータと応答性の低いエンジンやブレーキ液圧制御とが同時にフィードバック制御されることによるハンチングを抑制しつつ、応答性の高いモータにより車輪のスリップを抑制できるハイブリッド車両の走行制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明のハイブリッド車両の走行制御装置は、以下の構成を備える。即ち、
モータとエンジンとを併用して走行するハイブリッド車両において、車輪に制動力を作用させる液圧制動手段及び前記エンジンと、前記車輪のスリップに関連するスリップ関連値を検出するスリップ検出手段と、前記スリップ関連値と目標値との偏差に基づいて、該スリップ関連値を目標値に収束させるよう前記モータによる車輪に対する駆動力をフィードバック制御する第1制御手段と、前記スリップ関連値と目標値との偏差に基づいて、前記液圧制御手段又は前記エンジンによる車輪に対する駆動力をフィードバック制御する第2制御手段と、前記第1制御手段による第1スリップ抑制制御と、前記第1及び第2制御手段による第2スリップ抑制制御とを車両の走行状態に応じて選択する制御選択手段とを備え、前記第1制御手段は、前記第1スリップ抑制制御におけるフィードバックゲインを、前記第2スリップ抑制制御におけるフィードバックゲインより大きく設定する。
【0007】
また、好ましくは、前記第1制御手段は、前記偏差の収束度合が大きいときに、フィードバックゲインを大きくする。
【0008】
また、好ましくは、前記第1制御手段は、前記第2スリップ抑制制御中に実行される。
【0009】
また、好ましくは、前記第1制御手段は、前記モータ回転数が大きいときに前記フィードバックゲインを大きく設定する。
【0010】
また、好ましくは、前記スリップが所定値以上となったとき、前記モータ、エンジン、液圧制動手段の少なくとも1つにより車輪のトルクを低下させるようフィードフォワードで初期スリップを抑制制御する初期スリップ抑制手段を更に備え、前記制御選択手段は、前記初期スリップの抑制制御後に実行されると共に、前記初期スリップの抑制制御における制御応答速度を、前記制御選択手段により選択された前記第1又は第2スリップ抑制制御の制御応答速度より大きく設定する。
【0011】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、ハイブリッド車両において、車輪のスリップ関連値と目標値との偏差に基づいて、スリップ関連値を目標値に収束させるようモータによる車輪に対する駆動力をフィードバック制御する第1スリップ抑制制御と、スリップ関連値と目標値との偏差に基づいて、モータ、液圧制御手段又はエンジンによる車輪に対する駆動力をフィードバック制御する第2スリップ抑制制御とを車両の走行状態に応じて選択し、第1スリップ抑制制御におけるフィードバックゲインを、第2スリップ抑制制御におけるフィードバックゲインより大きく設定することにより、モータのみの場合は、モータにより応答性よく制御でき、例えば、ハイブリッド車両でモータのみの走行は低速時である場合は、低速時のスリップに対して精度よく的確な応答性で制御できる。
【0012】
また、モータとエンジン(又は液圧制動)の場合には、応答性の高いモータと応答性の低いエンジンやブレーキ液圧制御とが同時にフィードバック制御されることによるハンチングを抑制しつつ、応答性の高いモータと制動トルクが大きいエンジン又は液圧制動によりスリップの収束性を向上できる。
【0013】
請求項2の発明によれば、第1スリップ抑制制御においては、偏差の収束度合が大きいときに、フィードバックゲインを大きくすることにより、スリップが小さくなったときの収束性を向上できる。
【0014】
請求項3の発明によれば、第1スリップ抑制制御は、第2スリップ抑制制御中に実行されることにより、応答性の高いモータと応答性の低いエンジンやブレーキ液圧制御とが同時にフィードバック制御されることによるハンチングを抑制しつつ、応答性の高いモータと制動トルクが大きいエンジン又は液圧制動によりスリップの収束性を向上できる。また、スリップが小さくなったときの収束性を向上できる。
【0015】
請求項4の発明によれば、第1スリップ抑制制御は、モータ回転数が大きいときにフィードバックゲインを大きく設定することにより、モータ回転数が大きいときはモータの出力トルクが小さくなるので、これによる収束性の悪化を抑えることができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、第1又は第2スリップ抑制制御は、初期スリップの抑制制御後に実行されると共に、初期スリップの抑制制御における制御応答速度を、第1又は第2スリップ抑制制御の制御応答速度より大きく設定することにより、スリップ初期段階で応答性よくトルクダウンでき、スリップが小さくなった後の収束性を向上できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。[ハイブリッド自動車の機械的構成]
図1は、本実施形態のハイブリッド自動車の機械的構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のハイブリッド自動車は、駆動力を発生するためのパワーユニットとして、バッテリ3から供給される電力により駆動される走行用モータ2とガソリン等の液体燃料の爆発力により駆動されるエンジン1とを併用して走行し、後述する車両の走行状態に応じて、走行用モータ2のみによる走行、エンジンのみによる走行、或いは走行用モータ2とエンジン1の双方による走行とが実現される。
【0019】
エンジン1はトルクコンバータ5を介してクラッチ6の締結により自動変速機7に駆動力を伝達する。自動変速機7は、エンジン1から入力された駆動力を走行状態に応じて(或いは運転者の操作により)所定のトルク及び回転数に変換して、ギヤトレイン9及び差動機構8を介して駆動輪11、12に伝達する。また、エンジン1はバッテリ3を充電するために発電機4を駆動する。
【0020】
走行用モータ2はバッテリ3から供給される電力により駆動され、ギアトレイン9を介して駆動輪11、12に駆動力を伝達する。
【0021】
エンジン1は直噴型ガソリンエンジン或いは吸気バルブの閉弁タイミングを遅延させる高燃費タイプのものが搭載され、走行用モータ2は例えば最大出力20KWのIPM同期式モータが使用され、発電機4は例えば最大出力10KWのものが使用され、バッテリ3は例えば最大出力30KWのニッケル水素電池が搭載される。
【0022】
統括制御ECU100はCPU、ROM、RAM、インターフェース回路及びインバータ回路等からなり、エンジン1のスロットル弁開度や点火時期や燃料噴射量等をコントロールすると共に、走行用モータ2の出力トルクや回転数等をエンジン1のトルク変動や自動変速機7の変速ショックを吸収するようにコントロールする。また、統括制御ECU100は、エンジン1の作動時に発電機4にて発電された電力を、走行用モータ2に供給したり、バッテリ3に充電させるように制御する。更に、統括制御ECU100は、空調制御ECU200から空調装置50の作動信号及び停止信号を受け取り、後述するようにバッテリ3の電力や走行用モータ2から回収した電力をインバータ15で所定電圧(例えば、100V)に整えた後にコンプレッサ用モータ51や補機類用モータ61に供給する。
【0023】
空調制御ECU200は、乗員により空調スイッチ52がオンされると空調装置50の作動信号を統括制御ECU100に出力すると共に、設定温度を維持するように空調装置50及びコンプレッサ用モータ51を制御する。また、空調制御ECU200は、乗員により空調スイッチ52がオフされると空調装置50の停止信号を統括制御ECU100に出力すると共に、空調装置50及びコンプレッサ用モータ51の制御を停止する。
【0024】
発電機4は、通常の場合はエンジン始動時にバッテリ3から電力が供給されてエンジンをクランキングさせる。
【0025】
図2に示すように、直噴型ガソリンエンジン1において、121はエンジン本体、122はシリンダブロック、123はシリンダヘッド、124はピストン、125は燃焼室、126は吸気ポート、127は排気ポート、128は吸気バルブ、129は排気バルブである。シリンダヘッド123に、燃焼室125の中央部に臨む点火プラグ130が設けられているとともに、燃焼室内に臨み、シリンダヘッド123の燃焼室側壁に燃焼室125の上記点火プラグ130の下側に向かって燃料を側方から噴射する燃料噴射弁131が設けられている。ピストン124の頂部にはキャビティ132が形成されていて、このキャビティ132は燃料噴射弁131から噴射された燃料を点火プラグ130の近傍に反射させる。排気ポート127より延びる排気通路133には排気浄化触媒134が設けられている。
【0026】
上記燃料噴射弁131は、統括制御ECU100によって作動が制御され、吸入空気量とエンジン回転数等によって設定されるエンジン運転状態に応じて、燃料噴射量と点火時期とが設定されて、燃焼によって生成される排気ガスを上記排気浄化触媒134に供給する。そのため、統括制御ECU100には、エンジン回転数、アクセル開度、吸入空気量、エンジン水温等の各センサからの信号が入力される。
【0027】
本実施形態のハイブリッド自動車にはトラクションコントロールシステムが搭載されている。トラクションコントロールシステムは、各車輪11〜14に配設されたホイールシリンダに対してブレーキ液圧を供給することで、液圧ブレーキ動作を行うブレーキ装置21〜24と、各ブレーキ装置21〜24へのブレーキ液圧を制御するブレーキ制御ECU300を備える。ブレーキ制御ECU300は、統括制御ECU100が駆動輪11、12と従動輪13、14の車輪速変化量(率)から駆動輪がスリップ状態か否かを検出し、この状態を検出するとエンジン若しくは走行用モータの出力トルクを低下させ、或いは車輪のブレーキ液圧を上昇させてブレーキ力を強めることで駆動輪の加速時のスリップを抑制する。
【0028】
次に、下記表1及び表2を参照して主要な状態下におけるエンジン、発電機、走行用モータ及びバッテリの制御について説明する。尚、表1において「力行」とは駆動トルクを出力している状態を意味する。また、表2は、表1に関連して車速V及びトルクTに基づくエンジン、発電機、走行用モータ及びクラッチの制御を示している。
【0029】
【表1】
Figure 0003952490
【0030】
【表2】
Figure 0003952490
[停車時]
表1及び表2に示すように、停車時では、エンジン1、発電機4、走行用モータ2は停止される。但し、エンジンは冷却水温や触媒温度が低いと判断される冷間時とバッテリ蓄電量が所定値以下の時に運転され、発電機4はエンジン運転中は発電するために駆動されてバッテリ3を充電する。
[緩発進時]
表1でアクセル開度変化が小さい緩発進時、表2で車速Vが所定車速Vrefより小さく且つトルクTも所定トルクTrefより小さい状態(V<Vref、T<Tref)では、エンジン1、発電機4は停止され、走行用モータ2がアクセル開度情報に応じた駆動トルクを出力する。この時、自動変速機7に組み込まれたクラッチ6はニュートラルに設定される。
[急発進時]
表1でアクセル開度変化が大となり、アクセル開度が所定値以上と大きい急発進時、表2でVが所定車速Vref以上で且つトルクTも所定トルクTref以上の状態(V≧Vref、T≧Tref)又はVが所定車速Vrefより小さく且つトルクTが所定トルクTref以上の状態(V<Vref、T≧Tref)では、発電機4と走行用モータ2がアクセル開度情報に応じた駆動トルクを出力し、エンジン1は自動変速機7によるクラッチ6の制御により車輪と締結され、始動後に発電機4と走行用モータ2との合計出力か、要求出力に満たない分を補填するように高出力で運転される。バッテリ3は発電機4と走行用モータ2とに放電する。
[エンジン始動時]
急発進時や、アクセル開度が所定値以上や、バッテリ充電量が少ない時は、エンジンが始動され、エンジン運転が行われる。このとき、表1に示すように、エンジン始動時では、発電機4がエンジン1をクランキングするために駆動トルクを出力し、エンジンではスロットル弁の開弁制御と燃料噴射と点火制御とが行われててエンジン1が起動される。バッテリ3は発電機4に放電する。
[定常低負荷走行時]
表1でアクセル開度が小開度域の定常低負荷走行時、表2でVが所定車速Vrefより小さく且つトルクTが所定トルクTrefより小さい状態(V<Vref、T<Tref)では、エンジン1、発電機4は停止され、走行用モータ2がアクセル開度情報に応じた駆動トルクを出力する。バッテリ3は走行用モータ2に放電する。但し、エンジン1は冷間時とバッテリ蓄電量低下時に自動変速機7によるクラッチ6の制御により車輪と切断されて運転され、発電機4はこのようなエンジン運転中、発電するために駆動されてバッテリ3を充電する。
[定常中負荷走行時]
表1でアクセル開度が中開度域の定常中負荷走行時、表2でVが所定車速Vref以上で且つトルクTが所定トルクTrefより小さい状態(V≧Vref、T<Tref)では、走行用モータ2は無出力とされ、エンジン1は自動変速機7によるクラッチ6の制御により車輪と連結されて高効率領域で運転され、アクセル開度に応じて自動変速機7による変速段が設定されて走行を行う。このとき、バッテリ3は走行用モータ2には放電せず、発電機4はバッテリ3を充電する。
[定常高負荷走行時]
表1でアクセル開度が略全開付近となる高開度域の定常高負荷走行時、表2でVが所定車速Vref以上で且つトルクTも所定トルクTref以上の状態(V≧Vref、T>Tref)又は又はVが所定車速Vrefより小さく且つトルクTが所定トルクTref以上の状態(V<Vref、T≧Tref)では、エンジン1は自動変速機7によるクラッチ6の制御により車輪と連結されて高出力運転され、アクセル開度に応じて自動変速機7による変速段が設定されて走行を行う。このとき、発電機4と走行用モータ2は、エンジンによる出力の不足分を補うように駆動トルクを出力する。バッテリ3は発電機4と走行用モータ2に放電する。但し、発電機4はバッテリ蓄電量低下時はバッテリ3を充電する。
[急加速時]
表1でアクセル開度変化が所定値以上と大きく、アクセル開度も高開度域の急加速時、表2でVが所定車速Vref以上で且つトルクTも所定トルクTref以上の状態(V≧Vref、T>Tref)又は又はVが所定車速Vrefより小さく且つトルクTが所定トルクTref以上の状態(V<Vref、T≧Tref)では、エンジン1は自動変速機7によるクラッチ6の制御により車輪と連結されて高出力運転され、アクセル開度に応じて自動変速機7による変速段が設定されて走行を行う。このとき、発電機4と走行用モータ2はエンジンによる出力の不足分を補うように駆動トルクを出力する。バッテリ3は発電機4と走行用モータ2に放電する。
[減速時(回生制動時)]
表1及び表2に示すように、アクセル開度が零で車速が減少方向に変化している減速時では、発電機4は停止され、エンジンはスロットル弁開度を全閉にして燃料噴射と点火とを中止するよう制御する。このとき、自動変速機7はエンジンと車輪とを切断するようにクラッチ6を制御する。走行用モータ2は発電機として電力を回生してバッテリ3を充電する。
【0031】
次に、図3乃至図8を参照して本実施形態のハイブリッド自動車の走行状態に応じた駆動力の伝達形態について説明する。
[発進&低速走行時]
図3に示すように、エンジン出力を伴わない発進及び低速走行時には、エンジン&モータ制御ECU100は走行用モータ2のみを駆動させ、この走行用モータ2による駆動力をギアトレイン9を介して駆動輪11、12に伝達する。また、発進後の低速走行時も走行用モータ2による走行となる。
[加速時]
図4に示すように、エンジン出力を伴う加速時には、エンジン&モータ制御ECU100はエンジン1と走行用モータ2の双方を駆動させ、エンジン1と走行用モータ2による駆動力を併せて駆動輪11、12に伝達する。
[定常走行時]
図5に示すように、エンジン出力を伴う定常走行時には、エンジン&モータ制御ECU100は、エンジン1のみを駆動させ、エンジン1からギアトレイン9を介して駆動輪11、12に駆動力を伝達する。ここでの定常走行時は、エンジン負荷が大きくエンジン回転数が2000〜3000rpm程度の最も高燃費となる領域で走行される。
[減速時(回生制動時)]
図6に示すように、減速時には、自動変速機7に組み込まれたクラッチ6を解放して、駆動輪11、12の駆動力がギアトレイン9を介して走行用モータ2に回生され、走行用モータ2が駆動源となってバッテリ3が充電される。
[定常走行時&充電時]
図7に示すように、定常走行&充電時には、自動変速機7に組み込まれたクラッチ6を締結して、エンジン1からギアトレイン9を介して駆動輪11、12に駆動力が伝達されると共に、エンジン1は発電機4を駆動してバッテリ3を充電する。
[充電時]
図8に示すように、充電時には、自動変速機7に組み込まれたクラッチ6を解放してエンジン1から車輪に駆動力が伝達されないようにし、エンジン1は発電機4を駆動してバッテリ3を充電する。
[ハイブリッド自動車の電気的構成]
図9は、本実施形態のハイブリッド自動車の電気的構成を示すブロック図である。
【0032】
図9に示すように、統括制御ECU100には、車速を検出する車速センサ101からの信号、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサ102からの信号、エンジン1に供給される電圧センサ103からの信号、エンジン1のスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ104からの信号、ガソリン残量センサ105からの信号、バッテリ3の蓄電残量を検出する蓄電残量センサ106からの信号、セレクトレバーによるシフトレンジを検出するシフトレンジセンサ107からの信号、運転者によるアクセルペダルの踏込量を検出するためのアクセルストロークセンサ108からの信号、スタートスイッチ109からの信号109、その他のセンサとして、自動変速機7の作動油温度を検出する油温センサからの信号等を入力してエンジン1に対してスロットル弁開度や点火時期や燃料噴射量の制御等を行うと共に、走行用モータ2への電力供給量の制御等を行う。また、統括制御ECU100は、上記各種センサ信号から車両の運転状態に関するデータ、車速、エンジン回転数、電圧、ガソリン残量、バッテリの蓄電残量、シフトレンジ、電力供給系統等をLCD等の表示部16を介して表示させる。
【0033】
ブレーキ制御ECU300は統括制御ECU100と双方向で通信可能に接続され、車輪速センサからの車輪速信号を入力して、各車輪速から推定演算される車体速と現在の車輪速から各車輪のスリップ量(率)を演算し、駆動輪11、12と従動輪13、14の車輪速変化量(率)から駆動輪がスリップしそうな状態か否かを検出し、この状態を検出するとエンジン若しくは走行用モータの出力トルクを低下させるか、或いは目標スリップ率に収束するように各チャンネル毎に並行して制動圧を上昇させて駆動輪の加減速時のスリップを抑制する。尚、後述する姿勢制御装置が搭載される場合には、ヨーレートセンサ、横方向加速度センサ、ステアリング舵角センサから各信号が出力される。
[ハイブリッド自動車のトラクション制御]
次に、本実施形態のハイブリッド自動車のトラクション制御ついて説明する。
【0034】
図14〜図17は、本実施形態の統括制御ECU100によるトラクション制御を示すフローチャートである。図18は、エンジンとモータによるトラクション制御を示すタイムチャートである。図19は、モータのみによるトラクション制御を示すタイムチャートである。
<スリップ初期のフィードフォワード制御>
図14に示すように、ステップS2では、括制御ECU100は乗員によりスタートスイッチ109がオンされるのを待ち、スタートスイッチ109がオンされたならば(ステップS2でYES)、ステップS4で図9に示す各センサからデータを入力する。ステップS6では、車速Vやアクセル開度αやバッテリ充電量BC等に基づいて表1及び表2に示す基本運転モードに設定する。ステップS8では、図10に示すマップから走行用モータ2の基本制御トルクMTを演算する。ステップS10では、図10に示すマップからエンジン1の基本制御トルクETを演算する。
【0035】
図10のマップに示すように、要求トルクTが低い領域A1では走行用モータ2の駆動力だけで走行させ、要求トルクTが中程度の領域A2ではエンジン1と走行用モータ2の駆動力で走行させ、要求トルクTが高い領域A3ではエンジン1の駆動力だけで走行させる。
【0036】
また、図11に示すようにエンジン1の基本制御トルクETは車速Vとアクセル開度αから設定され、図12に示すように走行用モータ2の基本制御トルクMTはモータ回転数NMで回転させるための電力量から設定される。更に、図13に示すように、自動変速機7の変速段は車速Vとアクセル開度αから設定される。
【0037】
ステップS12では、自動車が走行中か否かを判定するために、車速Vがゼロより大きいか否か判定する。ステップS12で車速Vがゼロより大きいならば(ステップS12でYES)、走行中なのでステップS14に進み、車速Vがゼロならば(ステップS12でNO)、車両停止中なので表1、2の基本運転モードに基づいてステップS30に進む。
【0038】
ステップS14では、走行用モータ2とエンジン1の両方が運転中か否かを判定する。ステップS14で走行用モータ2とエンジン1の両方が運転中ならば(ステップS14でYES)、ステップS16に進み、そうでないならばステップS15で走行用モータ2だけの運転中か否かを判定する。
【0039】
ステップS15で走行用モータ2だけの運転中ならば(ステップS15でYES)、後述する図16のステップS72に進む。また、ステップS15で走行用モータ2だけの運転中でないならば(ステップS15でNO)、エンジン1だけの運転中なので、ステップS16以降におけるエンジン制御だけを実行する。
【0040】
ステップS16では、各車輪速から推定演算される車体速VBと駆動輪の現在の車輪速から各車輪のスリップ率(量)SLを演算すると共に(スリップ率SL=車輪速/車体速)、スリップ率SLを微分したスリップ率の変化率ΔSLを演算する。ステップS18では、スリップ率SLが所定閾値SL0以上か否かを判定する(図18参照)。ステップS18でスリップ率SLが所定閾値SL0以上ならば(ステップS18でYES)、ステップS22に進み、スリップ率SLが所定閾値SL0以上でないならば(ステップS18でNO)、ステップS32に進む。
【0041】
ステップS20では、スリップ率SLの変化率ΔSLが所定閾値ΔSL0以上か否かを判定する(図18参照)。ステップS20で変化率ΔSLが所定閾値ΔSL0以上ならば(ステップS20でYES)、ステップS22に進む。スリップ率SLの変化率ΔSLは、図18に示すように、スリップ率が所定閾値SL0を超えた初期段階におけるスリップ率SLの増加度合(傾き)を表わし、変化率ΔSLが所定閾値ΔSL0以上ならばスリップ率SLが急増していると判定される。ステップS20で変化率ΔSLが所定閾値ΔSL0以上でないならば(ステップS20でNO)、スリップ率SLの偏差が小さくなっているのでステップS36に進む。
【0042】
ステップS22では、スリップ率SLと所定閾値SL0との偏差が大きいスリップ初期と判定して、トルクダウンしてスリップを抑えるために、エンジンの制御トルクETをトルクダウン後の要求トルクET1(トルクダウン量ではない)に設定する。要求トルクET1はスリップ発生前の制御トルクETより小さく、スリップ率SLが大きい程小さな値に設定される。
【0043】
ステップS24では、エンジン1と同様にトルクダウンしてスリップを抑えるために、走行用モータ2の制御トルクMTをトルクダウン後の要求トルクMT1(トルクダウン量ではない)に設定する。要求トルクMT1は負値(MT0<MT1≦0)で回転数NMがゼロに近づくように逆トルクが付与され、スリップ発生前の制御トルクMTより小さく、スリップ率SLが大きい程小さな値、つまり逆トルクが大きい値に設定される。
【0044】
ステップS26では、走行用モータ2の制御トルクMTのなまし処理を行う。このなまし処理は、下記式1に示すように、係数aMS1を用いて制御トルクMTの現在値MT(n)と前回値MT(n-1)の平均値を演算する。また、なまし度合は、後述する通常時の係数aMS0によるなまし度合より大きくする。
【0045】
MT=1/2{aMS1・MT(n)+(1−aMS1)・MT(n-1)}…(1)
但し、0<aMS0<aMS1<1
ステップS28では、カウンタT1をインクリメントして、トラクション制御開始時点からの時間を計時する。
【0046】
ステップS30では、エンジン1の制御トルクETを実現するために、スロットル開度を調整すると共に、検出された吸入空気量に対して空燃比A/F14.7(理論空燃比)となるような燃料噴射量を設定して、吸気工程から圧縮工程において各気筒に供給し、圧縮上死点付近で点火プラグにより点火させる。また、走行用モータの制御トルクMTを実現するために、インバータから走行用モータに供給する電流値及び周波数を調整する。
【0047】
一方、ステップS36では、スリップ率SLの偏差は小さくなっているのでエンジン1の制御トルクETをそのまま維持してトルクダウンを図る。
【0048】
ステップS38では、トルクダウンしてスリップを抑えるために、走行用モータの制御トルクMTをトルクダウン後の要求トルクMT2(トルクダウン量ではない)に設定する。要求トルクMT2は正値(MT2>0)で回転数NMが低減され、スリップ率SLが大きい程小さな値、つまり正トルクが小さい値に設定される。
【0049】
また、ステップS18でスリップ率SLが所定閾値SL0以上でないならば(ステップS18でNO)、スリップは発生していないので、ステップS32に進み、カウンタT1がカウントされているか否か(T1>0)、つまり上記ステップS20〜S30までの処理を実行中か否かを判定する。
【0050】
ステップS32でカウンタT1がカウントされているならば(ステップS32でYES)、後述する図15のステップS42に進み、カウンタT1がカウントされていないならば(ステップS32でNO)、ステップS34に進む。
【0051】
ステップS34では、走行用モータ2の制御トルクMTのなまし処理を行った後、ステップS30に進む。このなまし処理は、下記式2に示すように、係数aMS0を用いて通常のなまし度合で、制御トルクMTの現在値MT(n)と前回値MT(n-1)の平均値を演算する。
【0052】
MT=1/2{aMS0・MT(n)+(1−aMS0)・MT(n-1)}…(2)
但し、0<aMS0<aMS1<1とする。
<スリップ後期のフィードバック制御(モータ&エンジン)>
図15に示すステップS42では、カウンタT1が所定値T0を超えたか否かを判定する。ステップS42でカウンタT1が所定値T0を超えたならば(ステップS42でYES)、トラクション制御を終了してステップS43に進む。
【0053】
また、カウンタT1が所定値T0を超えてないならば(ステップS42でNO)、トラクション制御中なので、ステップS44に進み、アクセル開度αがゼロか否かを判定する。
【0054】
ステップS44でアクセル開度αがゼロならば(ステップS44でYES)、ステップS43に進み、ゼロでないならば(ステップS44でNO)、ステップS46に進む。
【0055】
ステップS43では、カウンタT1が所定値T0を経過したか、或いはアクセル開度αがゼロなので、トラクション制御を終了して、カウンタT1をゼロにリセットして、図14のステップS34に進む。
【0056】
ステップS46では、スリップ率SLを収束させるための目標スリップ率SLAを設定する。
【0057】
ステップS48ではスリップ率SLと目標値SLAとの差SLDを演算する(SLD=SL−SLA)。
【0058】
ステップS50では、スリップ率SLと目標値SLAとの差SLDに応じてスリップ率SLを目標値SLAに収束させるためのPIDフィードバック制御に用いるエンジン1のフィードバック制御値(トルク)ETを演算する。このフィードバック制御値ETは、比例ゲインPE、積分ゲインIE、微分ゲインDEを設定して下記式3により演算される。
【0059】
ET=PE・SLD+IE・∫SLD+DE・d/dt・SLD…(3)
ステップS52では、極大スリップ値SLmaxであるか否かを判定する。ステップS52で極大スリップ値SLmaxならば(ステップS52でYES)、ステップS54に進み、最新の極大スリップ値SLmaxを記憶する。また、ステップS52で極大スリップ値SLmaxでないならば(ステップS52でNO)、ステップS56に進み、極小スリップ値SLminであるか否かを判定する。
【0060】
ステップS56で極小スリップ値SLminならば(ステップS56でYES)、ステップS58に進み、最新の極小スリップ値SLminを記憶する。また、ステップS56で極小スリップ値SLminでないならば(ステップS56でNO)、ステップS60に進み、走行用モータ2のフィードバック制御値(トルク)MTを演算するための、比例ゲインPM1、積分ゲインIM1、微分ゲインDM1を設定する。
【0061】
比例ゲインPM1と積分ゲインIM1は、モータ回転数NMが大きい程、或いは極大スリップ値SLmaxと極小スリップ値SLminとの差が小さい程、早期にスリップを抑制するために大きな値に設定される。特に、モータ回転数NMが大きいときにはモータの出力トルクが小さいので、これによる収束性悪化を抑えることができる。
【0062】
ステップS62では、スリップ率SLと目標値SLAとの差SLDに応じてスリップ率SLを目標値SLAに収束させるためのPIDフィードバック制御に用いる走行用モータ2のフィードバック制御値(トルク)MTを演算する。このフィードバック制御値MTは、ステップS60で設定された比例ゲインPM1、積分ゲインIM1、微分ゲインDM1を設定して下記式4により演算される。
【0063】
MT=PM1・SLD+IM1・∫SLD・dt+DM1・d/dt・SLD…(4)
ステップS64では、ステップS62で演算された走行用モータの制御トルクMTのなまし処理を行った後、図14のステップS28に進む。このなまし処理は、上記式2から演算される。
【0064】
図18に示すように、スリップ率の偏差が大きいスリップ初期では、フィードフォワード制御によりエンジン1と走行用モータ2の制御トルクET,MTが大きくなるように設定すると共に、モータ制御トルクMTのなまし度合を大きくして、大きくトルクダウンさせ、その後のフィードバック制御における収束性を高めることができる。また、スリップ発生から期間T1が経過するまでのフォードバック制御中において、モータ回転数NMが大きい程、或いは極大スリップ値SLmaxと極小スリップ値SLminとの差が小さい程、比例ゲインPM1、積分ゲインIM1を大きく設定する。これにより、応答性の高いモータ(10〜30ms)と応答性の低いエンジン(50〜100ms)とが同時にフィードバック制御されることによるハンチングを抑制しつつ、応答性の高いモータと制動トルクが大きいエンジンにより早期にスリップを抑制できる。
<スリップ初期のフィードフォワード制御(モータ)>
図14のステップS15で走行用モータ2だけでの運転中ならば(ステップS15でYES)、図16のステップS72に進む。
【0065】
ステップS72では、図14のステップS16と同様に、各車輪速から推定演算される車体速と駆動輪の現在の車輪速VBから各車輪のスリップ率(量)SLを演算すると共に、スリップ率SLを微分したスリップ率の変化率ΔSLを演算する。ステップS74では、スリップ率SLが所定閾値SL0以上か否かを判定する(図19参照)。ステップS74でスリップ率SLが所定閾値SL0以上ならば(ステップS74でYES)、ステップS76に進み、スリップ率SLが所定閾値SL0以上でないならば(ステップS74でNO)、ステップS75に進む。
【0066】
ステップS76では、スリップ率SLの変化率ΔSLが所定閾値ΔSL0以上か否かを判定する(図19参照)。ステップS76で変化率ΔSLが所定閾値ΔSL0以上ならば(ステップS76でYES)、ステップS78に進む。ステップS76で変化率ΔSLが所定閾値ΔSL0以上でないならば(ステップS76でNO)、ステップS77に進む。
【0067】
ステップS78では、スリップ率SLと所定閾値SL0との偏差が大きいスリップ初期と判定して、トルクダウンしてスリップを抑えるために、走行用モータの制御トルクMTをトルクダウン後の要求トルクMT3(トルクダウン量ではない)に設定する。要求トルクMT3は負値(MT0<MT3≦0)で回転数Nがゼロに近づくように逆トルクが付与され、スリップ発生前の制御トルクMTより小さく、スリップ率SLが大きい程小さな値、つまり逆トルクが大きい値に設定される。
【0068】
ステップS77では、スリップ率SLの偏差が小さくなっているので、走行用モータの制御トルクMTをトルクダウン後の要求トルクMT4(トルクダウン量ではない)に設定する。要求トルクMT4は正値(MT4>0)で回転数Nが低減され、スリップ率SLが大きい程小さな値、つまり正トルクが小さい値に設定される。
【0069】
ステップS80では、走行用モータ2の制御トルクMTのなまし処理を行う。このなまし処理は、上記式1から演算される。
【0070】
ステップS82では、カウンタT2をインクリメントして、モータのみによるトラクション制御開始時点からの時間を計時する。ステップS84では、図14のステップS10でエンジンの基本制御トルクETが設定されていても、それをキャンセルするようにエンジンの制御トルクETをゼロに設定して、図14のステップS30に進む。
<スリップ後期のフィードバック制御(モータ)>
図17に示すステップS92では、カウンタT2が所定値T0を超えたか否かを判定する。ステップS92でカウンタT2が所定値T0を超えたならば(ステップS92でYES)、トラクション制御を終了してステップS93に進む。
【0071】
また、カウンタT2が所定値T0を超えてないならば(ステップS92でNO)、ステップS94に進み、アクセル開度αがゼロか否かを判定する。
【0072】
ステップS94でアクセル開度αがゼロならば(ステップS94でYES)、ステップS93に進み、ゼロでないならば(ステップS94でNO)、ステップS96に進む。
【0073】
ステップS93では、カウンタT2が所定値T0を経過したか、或いはアクセル開度αがゼロなので、トラクション制御を終了して、カウンタT2をゼロにリセットして、図14のステップS34に進む。
【0074】
ステップS96では、スリップ率SLを収束させるための目標スリップ率SLAを設定する。
【0075】
ステップS98ではスリップ率SLと目標値SLAとの差SLDを演算する(SLD=SL−SLA)。
【0076】
ステップS100では、極大スリップ値SLmaxであるか否かを判定する。ステップS100で極大スリップ値SLmaxならば(ステップS100でYES)、ステップS102に進み、最新の極大スリップ値SLmaxを記憶する。また、ステップS100で極大スリップ値SLmaxでないならば(ステップS100でNO)、ステップS104に進み、極小スリップ値SLminであるか否かを判定する。
【0077】
ステップS104で極小スリップ値SLminならば(ステップS104でYES)、ステップS106に進み、最新の極小スリップ値SLminを記憶する。また、ステップS104で極小スリップ値SLminでないならば(ステップS104でNO)、ステップS108に進み、走行用モータ2の目標スリップ率SLAへのPIDフィードバック制御に用いるフィードバック制御値(トルク)MTを演算するための、比例ゲインPM2、積分ゲインIM2、微分ゲインDM2を設定する。
【0078】
比例ゲインPM2と積分ゲインIM2は、モータ回転数が大きい程、或いは極大スリップ値SLmaxと極小スリップ値SLminとの差が小さい程、スリップを早期に抑制するために大きな値に設定される。また、少なくとも積分ゲインをIM1<IM2に設定すれば、応答性の良い走行用モータ2の制御なのでスリップの収束性が向上すると共に、比例ゲインをPM1<PM2とすればモータの応答性を一層向上できる。
【0079】
ステップS110では、スリップ率SLと目標値SLAとの差SLDに応じてスリップ率SLを目標値SLAに収束させるためのPIDフィードバック制御に用いる走行用モータ2のフィードバック制御値(トルク)MTを演算する。このフィードバック制御値MTは、ステップS108で設定された比例ゲインPM2、積分ゲインIM2、微分ゲインDM2を設定して下記5により演算される。
【0080】
MT=PM2・SLD+IM2・∫SLD・dt+DM2・d/dt・SLD…(5)
ステップS112では、ステップS110で演算された走行用モータの制御トルクMTのなまし処理を行った後、図16のステップS82に進む。このなまし処理は、上記式2から演算される。
【0081】
図19に示すように、スリップ率の偏差が大きいスリップ初期では、フィードフォワード制御により走行用モータ2の制御トルクMTが大きくなるように設定すると共に、モータ制御トルクMTのなまし度合を大きくして、応答性のよいモータによりトルクダウンを精度よく的確に実行でき、特にハイブリッド自動車においてモータのみでの走行は低速時であり、低速時のスリップを収束性を高めることができる。また、スリップ発生から期間T2が経過するまでのフォードバック制御中において、モータ回転数NMが大きい程、或いは極大スリップ値SLmaxと極小スリップ値SLminとの差が小さい程、比例ゲインPM2、積分ゲインIM2を大きく設定する。これにより、応答性の高いモータにより早期にスリップを抑制できる。
[ハイブリッド自動車のABS制御]
次に、本実施形態のハイブリッド自動車のABS制御ついて説明する。
【0082】
図20は、ABS制御時におけるブレーキ踏力圧に応じた要求制動トルクの液圧制動トルクFTと回生制動トルクMTの配分を示す図である。図21は、液圧ブレーキと走行用モータによるABS制御を示すタイムチャートである。図22は、走行用モータのみによるABS制御を示すタイムチャートである。
【0083】
本実施形態のハイブリッド自動車は、図20に示すように、制動時にブレーキ踏力圧Pが所定値P0を超えるまでは走行用モータ2によるエネルギー回生制動を行い、所定値P0以上において液圧制動を加えてスリップを抑制する。
<液圧ブレーキと走行用モータによるABS制御>
ブレーキ踏力圧Pが所定値P0を超えるような高速走行中や摩擦係数の高い路面走行中におけるABS制御では、図21に示すように、スリップ率SLの偏差が大きいスリップ初期に、フィードフォワード制御により走行用モータ2の制御トルクETと液圧制動トルクFTが大きくなるように設定して初期スリップを抑えることで、その後のフィードバック制御における収束性を高めることができる。また、スリップ発生から所定期間が経過するまでのフォードバック制御中において、モータ回転数NMが大きい程、或いは極大スリップ値SLmaxと極小スリップ値SLminとの差が小さい程、走行用モータ2の比例ゲインPM3、積分ゲインIM3、微分ゲインDM3と液圧制動における比例ゲインPF1、積分ゲインIF1、微分ゲインDF1を小さく設定する。これにより、応答性の高いモータと応答性の低い液圧制動とが同時にフィードバック制御されることによるハンチングを抑制しつつ、応答性の高いモータと大きな液圧制動トルクにより早期にスリップを抑制できる。
<走行用モータによるABS制御>
ブレーキ踏力圧Pが所定値P0を超えないような低速走行中や摩擦係数の低い路面走行中におけるABS制御では、図22に示すように、スリップ率の偏差が大きいスリップ初期では、フィードフォワード制御により走行用モータ2の制御トルクMTが大きくなるように設定して、応答性のよいモータによりスリップ抑制を精度よく的確に実行でき、特にハイブリッド自動車においてモータのみでの走行は低速時であり、低速時のスリップを収束性を高めることができる。また、スリップ発生から所定期間が経過するまでのフォードバック制御中において、走行用モータ2の比例ゲインPM4、積分ゲインIM4、微分ゲインDM4を大きく設定する。これにより、応答性の高いモータにより早期にスリップを抑制できる。
【0084】
尚、上記ABS制御では、フィードバック制御中に時間が経過するにつれて走行用モータ2の制御トルクMTを小さくしていき、その分エンジン又はブレーキ液圧による制動力が大きくなるように制御してもよい。
[他の実施形態]
他の実施形態として、本実施形態のハイブリッド自動車に姿勢制御装置を搭載してもよい。姿勢制御装置は、各車輪をトルクダウン又は制動制御することで車体に旋回モーメントと減速力を加えて前輪或いは後輪の横滑りを抑制するものである。例えば、車両が旋回走行中に後輪が横滑りしそうな時(スピン)には主に前外輪にブレーキを付加し外向きモーメントを加えて旋回内側への巻き込み挙動を抑制する。また、前輪が横滑りして旋回外側に横滑りしそうな時(ドリフトアウト)には各車輪に適量のブレーキを付加し内向きモーメントを加えると共に、エンジン出力を抑制し減速力を付加することにより旋回半径の増大を抑制する。
【0085】
姿勢制御について概説すると、ブレーキ制御ECU300は、車速センサ、ヨーレートセンサ、横方向加速度センサの検出信号から車両に発生している実際の横滑り角(以下、実横滑り角という)及び実際のヨーレート(以下、実ヨーレートという)を演算すると共に、実横滑り角から姿勢制御に実際に利用される推定横滑り角の演算において参照される参照値を演算する。また、ブレーキ制御ECU300は、ステアリング舵角センサ等の検出信号から車両の目標とすべき姿勢として目標横滑り角及び目標ヨーレートを演算し、推定横滑り角と目標横滑り角の差或いは実ヨーレートと目標ヨーレートの差が所定閾値を越えた時に姿勢制御を開始し、推定実横滑り角或いは実ヨーレートが目標横滑り角或いは目標ヨーレートに収束するよう制御する。
【0086】
この姿勢制御では各車輪ごとに目標スリップ率SLAが設定されるので、本実施形態のスリップ抑制制御をこの姿勢制御にも同様に適用できる。
【0087】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のハイブリッド自動車の機械的構成を示すブロック図である。
【図2】ハイブリッド自動車に搭載されるエンジンを示す図である。
【図3】本実施形態のハイブリッド自動車の発進&低速走行時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図4】本実施形態のハイブリッド自動車の加速時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図5】本実施形態のハイブリッド自動車の定常走行時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図6】本実施形態のハイブリッド自動車の減速時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図7】本実施形態のハイブリッド自動車の定常走行&充電時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図8】本実施形態のハイブリッド自動車の充電時の駆動力の伝達形態を説明する図である。
【図9】本実施形態のハイブリッド自動車の電気的構成を示すブロック図である。
【図10】基本運転時の要求トルクに対するエンジン負荷とモータ負荷の関係を示す図である。
【図11】車速とアクセル開度に応じたエンジンの基本制御トルクを示す図である。
【図12】モータ回転数と走行用モータの基本制御トルクとの関係を示す図である。
【図13】車速とアクセル開度に応じたエンジンの変速段を示す図である。
【図14】本実施形態の統括制御ECU100によるトラクション制御を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態の統括制御ECU100によるトラクション制御を示すフローチャートである。
【図16】本実施形態の統括制御ECU100によるトラクション制御を示すフローチャートである。
【図17】本実施形態の統括制御ECU100によるトラクション制御を示すフローチャートである。
【図18】エンジンとモータによるトラクション制御を示すタイムチャートである。
【図19】モータのみによるトラクション制御を示すタイムチャートである。
【図20】ABS制御時におけるブレーキ踏力圧に応じた要求制動トルクの液圧制動トルクFTと回生制動トルクMTの配分を示す図である。
【図21】液圧ブレーキと走行用モータによるABS制御を示すタイムチャートである。
【図22】走行用モータのみによるABS制御を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 走行用モータ
3 バッテリ
4 発電機

Claims (5)

  1. モータとエンジンとを併用して走行するハイブリッド車両において、
    車輪に制動力を作用させる液圧制動手段及び前記エンジンと、
    前記車輪のスリップに関連するスリップ関連値を検出するスリップ検出手段と、
    前記スリップ関連値と目標値との偏差に基づいて、該スリップ関連値を目標値に収束させるよう前記モータによる車輪に対する駆動力をフィードバック制御する第1制御手段と、
    前記スリップ関連値と目標値との偏差に基づいて、前記液圧制御手段又は前記エンジンによる車輪に対する駆動力をフィードバック制御する第2制御手段と、
    前記第1制御手段による第1スリップ抑制制御と、前記第1及び第2制御手段による第2スリップ抑制制御とを車両の走行状態に応じて選択する制御選択手段とを備え、
    前記第1制御手段は、前記第1スリップ抑制制御におけるフィードバックゲインを、前記第2スリップ抑制制御におけるフィードバックゲインより大きく設定することを特徴とするハイブリッド車両の走行制御装置。
  2. 前記第1制御手段は、前記偏差の収束度合が大きいときに、フィードバックゲインを大きくすることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の走行制御装置。
  3. 前記第1制御手段は、前記第2スリップ抑制制御中に実行されることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の走行制御装置。
  4. 前記第1制御手段は、前記モータ回転数が大きいときに前記フィードバックゲインを大きく設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の走行制御装置。
  5. 前記スリップが所定値以上となったとき、前記モータ、エンジン、液圧制動手段の少なくとも1つにより車輪のトルクを低下させるようフィードフォワードで初期スリップを抑制制御する初期スリップ抑制手段を更に備え、
    前記制御選択手段は、前記初期スリップの抑制制御後に実行されると共に、前記初期スリップの抑制制御における制御応答速度を、前記制御選択手段により選択された前記第1又は第2スリップ抑制制御の制御応答速度より大きく設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の走行制御装置。
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