JP3949566B2 - アンテナコードプラグ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のルーフに取付けられるアンテナに好適なアンテナコードプラグ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のルーフに設置されるルーフアンテナの取付け構造において、アンテナ基台にその真下方向から差し込まれて接続されるアンテナコードプラグは、車体ルーフ内の空隙間で略90°折曲した、所謂L字型構造を有しており、このプラグに接続された同軸ケーブルでなるアンテナコードが、該ルーフ内の空隙を経て車体内のチューナユニットへ結線される。
【0003】
上記L字型のアンテナコードプラグは、車体ルーフ内の空隙が非常に狭いためにその軸長を減らすべく折曲形成されたものであり、これに対応したL字型プラグは一般に多く出回っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したL字型のアンテナコードプラグは、コードと端子部とがモールド成型の樹脂により一体化して形成されたものや、あるいはメタルコネクタにより構成されており、製造にコストを要するものであった。
【0005】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、より簡単で安価な構成としながら、アンテナコードを強固にアンテナ基部に接続することが可能なアンテナコードプラグ構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、アンテナ装置と送受信機器とを接続する同軸ケーブルと、この同軸ケーブルのアンテナ装置側の先端に形成された端子部と、平板状の絶縁部材の一端に形成した、上記端子部を先端に形成した同軸ケーブルを挿通する挿通孔、この挿通孔位置に対応して上記平板状の絶縁部材の一面側に形成され、同軸ケーブルの先端に形成された上記端子部を嵌合する嵌合部、及び上記平板状の絶縁部材の他面側に形成され、上記挿通孔より導出される同軸ケーブルを略90°折曲した状態で圧入することにより上記絶縁部材に係止して固定する係止部を有したプラグボディとを備えたことを特徴とする。
【0007】
このような構成とすれば、簡単な構造の樹脂成型品であるプラグボディを使用することで、組立てが容易で非常に安価な構成としながらも、アンテナコードを強固にアンテナ基部に接続することができることに加え、端子部をプラグボディに対してより強固に取付けることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記係止部は、上記同軸ケーブルを折曲する方向に対して横方向から同軸ケーブルを圧入することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記プラグボディは弾性を有する絶縁体樹脂で構成し、上記係止部は上記同軸ケーブルの直径より小さい幅のすり割り部を形成して、少なくとも該絶縁体樹脂の弾性変形により同軸ケーブルを上記係止部に圧入することを特徴とする。
【0011】
このような構成とすれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、同軸ケーブルをプラグボディに対してより強固に取付けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を車両用ルーフアンテナに接続するアンテナコードプラグに適用した場合の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1(A)は、アンテナコードとして使用される同軸ケーブル11の図示しないアンテナ基部に接続される側の先端部の構成を示すもので、外被11a先端上に編み線でなる外部導体11bが剥き返されており、さらにその内部の絶縁体11cが露出して、その先端から単線でなる中心導体11dが導出された状態となっている。
【0014】
このような状態の同軸ケーブル11に対し、図1(B)に示す如くプラグ端子部12を組付けて形成する。このプラグ端子部12は、途中2箇所に縊れを有した円柱状の外部端子12aと、この外部端子12aと円錐状の絶縁部12bを介して一体に構成された先端の中心端子12cよりなる。
【0015】
外部端子12aは上記同軸ケーブル11の外部導体11bと、中心端子12cは同同軸ケーブル11の中心導体11dとそれぞれ電気的に接続される。
【0016】
図2(A)は、上記プラグ端子部12を先端に形成した同軸ケーブル11を固定するプラグボディ13の構成を示すものである。
【0017】
このプラグボディ13は、例えば絶縁性と弾性を有するABS樹脂でなり、一端が円形状となった平板状部材13dの他方側の方形板上に同軸ケーブル11の係止部13aを一体に形成するもので、該平板状部材13dの円形状部分の中心位置には同軸ケーブル11の直径に合致した挿通孔13bを形成し、且つこの挿通孔13bの下面側には、上記プラグ端子部12の円柱状の外部端子12aの上底面を嵌合するべく凹面状の端子嵌合部13cを形成してなる。
【0018】
係止部13aは、平板状部材13dの長手方向に沿って平板状部材13dとで同軸ケーブル11を挟持固定するべく設けられたものであり、平板状部材13dと係止部13aとですり割り構造としており、且つ図2(B)に示すようにその奥部は同軸ケーブル11の径d1に合わせた径状としながらも、その入り口部分の開口幅d2が同軸ケーブル11の直径d1よりもあえて若干小さめに設定している。
【0019】
図3(A)は、上記図1(B)に示したプラグ端子部12を形成した同軸ケーブル11をプラグボディ13の上記挿通孔13bに挿通し、プラグ端子部12の外部端子12aの上底面を上記平板状部材13d下面に形成した端子嵌合部13cに嵌合させた状態を示すものである。
【0020】
このようにプラグボディ13の挿通孔13bから同軸ケーブル11を導出した状態で、図3(B)に示すように挿通孔13b近傍の同軸ケーブル11を略90°折曲してこの同軸ケーブル11を上記係止部13aと平板状部材13dの間に圧入する。
【0021】
この場合、同軸ケーブル11の直径d1は、上記図2(B)で示した如く係止部13aと平板状部材13dとで形成されるすり割り構造の入り口部の開口幅d2より若干大きいため、同軸ケーブル11の圧入に際してはある程度の抗力が発生するものの、少なくともプラグボディ13の弾性変形と同軸ケーブル11に生じる変形とにより機械的に最奥部まで同軸ケーブル11を押し込むことにより、逆に同軸ケーブル11が強固に挟持、係止されて固定されることとなる。
【0022】
図3(C)はこうして同軸ケーブル11をプラグボディ13の係止部13aにより固定している状態を他の方向から示すものであり、プラグボディ13を持って図示しないアンテナ基台のジャックに差し込むことにより、該アンテナと同軸ケーブル11とを接続できる。
【0023】
このような構成とすれば、同軸ケーブル11をプラグボディ13に取付けるために面倒なモールド工程等を行なう必要がなく、プラグボディ13自体は簡単な構造の樹脂成型品であるので、組立てが容易で非常に安価な構成としながらも、アンテナコードを強固にアンテナ基部に接続することができる。
【0024】
加えて、プラグボディ13の挿通孔13bの下面側にはプラグ端子部12の上底面を嵌合する端子嵌合部13cを形成するものとしたため、プラグ端子部12をプラグボディ13に対してより強固に取付固定することができる。
【0025】
さらに、プラグボディ13を弾性を有する例えばABS樹脂などの絶縁体樹脂で構成し、係止部13aは平板状部材13dとで同軸ケーブル11の直径より小さい開口幅のすり割り構造を形成して、少なくとも該絶縁体樹脂の弾性変形により同軸ケーブル11を上記係止部13a内に圧入し、挟持固定させるものとしたため、同軸ケーブル11をプラグボディ13に対してより強固に取付けて固定することができる。
【0026】
なお、本実施形態は、車両用ルーフアンテナに接続する同軸ケーブルでなるアンテナコード用のプラグに適用した場合について例示したものであるが、その高さを制限するべくL字型のプラグ構造とするものであれば、取付け場所等を限定するものではない。
【0027】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0028】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、簡単な構造の樹脂成型品であるプラグボディを使用することで、組立てが容易で非常に安価な構成としながらも、アンテナコードを強固にアンテナ基部に接続することができることに加え、端子部をプラグボディに対してより強固に取付けることができる。
【0031】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、同軸ケーブルをプラグボディに対してより強固に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るアンテナコードプラグの組立工程を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係るプラグボディの構成を示す図。
【図3】同実施形態に係るアンテナコードプラグの組立工程を示す斜視図。
【符号の説明】
11…同軸ケーブル
11a…外被
11b…外部導体
11c…絶縁体
11d…中心導体
12…プラグ端子部
12a…外部端子
12b…絶縁部
12c…中心端子
13…プラグボディ
13a…係止部
13b…挿通孔
13c…端子嵌合部
13d…平板状部材
Claims (3)
- アンテナ装置と送受信機器とを接続する同軸ケーブルと、
この同軸ケーブルのアンテナ装置側の先端に形成された端子部と、
平板状の絶縁部材の一端に形成した、上記端子部を先端に形成した同軸ケーブルを挿通する挿通孔、この挿通孔位置に対応して上記平板状の絶縁部材の一面側に形成され、同軸ケーブルの先端に形成された上記端子部を嵌合する嵌合部、及び上記平板状の絶縁部材の他面側に形成され、上記挿通孔より導出される同軸ケーブルを略90°折曲した状態で圧入することにより上記絶縁部材に係止して固定する係止部を有したプラグボディと
を備えたことを特徴とするアンテナコードプラグ構造。 - 上記係止部は、上記同軸ケーブルを折曲する方向に対して横方向から同軸ケーブルを圧入することを特徴とする請求項1記載のアンテナコードプラグ構造。
- 上記プラグボディは弾性を有する絶縁体樹脂で構成し、上記係止部は上記同軸ケーブルの直径より小さい幅のすり割り部を形成して、少なくとも該絶縁体樹脂の弾性変形により同軸ケーブルを上記係止部に圧入することを特徴とする請求項1記載のアンテナコードプラグ構造。
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