JP3947125B2 - 本体打込み式アンカー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物のコンクリート躯体に各種設備機器等を取り付けるための「あと施工アンカー」に関しており、詳しくは、金属拡張アンカーに属する本体打込み式アンカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本体打込み式アンカーは、図9に示すように、アンカー本体100とコーン200により構成され、アンカー本体は、一端の中空部に軸方向のスリットを設け、他端に雌ネジが設けられているものである。なお、用途によっては、アンカー本体が鉄筋又は丸棒の場合もある。また、コーンは、テーパー形状であって、アンカー本体の中空部に小径部分をセットし、大径部分を中空部先端から突出させている。
【0003】
施工は、コンクリートに穿孔した有底の孔に、コーン200をアンカー本体100にセットして挿入し、コーンが孔底に当った状態でコンクリート面の表面に出ているアンカー本体の頭部を、専用のハンマー治具を用いて打撃を加える。打込み施工の際、アンカー本体の拡開部となる先端は、コーンのテーパー面に沿ってコンクリート壁面を削りながら拡開される。この時、孔壁面の削られた削粉又は粒子は、アンカー本体の拡開部先端に衝撃力で押され、アンカー本体先端の空間と一部がスリットの間に入り込む。この場合、削られた削粉又は粒子の入り込む空間がないと、アンカー本体の拡開部先端は、孔壁面で削粉又は粒子を圧縮することになり必要とするアンカーの拡開が得られず、このため、アンカーの性能であるコンクリートに対する引張力が小さくなるばかりでなく、バラつきのある不安定な引張力となるといった問題があった。
【0004】
本体打込み式アンカーの先行技術は、実公昭63−32971号公報(第1先行例)、特開平3−233043号公報(第2先行例)、特開2000−265570号公報(第3先行例)に記載の発明が知られている。
【0005】
第1先行例におけるアンカーは、特に従来のものと変わるところはなく、楔部材の底部に小径な収縮先端部を設けたことであり、アンカー本体14は、先端向って開口する中空部に複数個の割溝12を設けてそれらの間に分割部13を形成したものであり、楔部材15は、拡開基端部17と最大径部18がテーパー形状となり、最大径部から先端に向って収縮先端部19を設けたものである。第1先行例のアンカーは、コンクリート孔にアンカーを挿入し、アンカー本体の頭部へ打込み打撃を加えると、本体の分割部が楔部材の最大径部を越えて収縮先端部まで達し、分割部がL字形に曲げられることにより、孔壁面との接触支持面積が大きくなるので、コンクリート面に対するアンカーの引張力が高くなり、大きな引張荷重が得られるとされている。しかし、第1先行例記載のアンカーには以下の問題点がある。《1》明細書には、アンカー本体の分割部の先端外径と楔部材の最大径の関係が記載されていないが、図面を参照すると両者は略同径である。一般的には、穿孔されたコンクリート孔径とアンカー本体及び楔部材との隙間は、片側で0.25〜0.5mmである。すなわち、アンカー本体外径が10mmの場合は、10.5mmのコンクリートドリルを使用して穿孔し、アンカー本体外径が25.5mmの場合は、26.5mmのコンクリートドリルを使用して穿孔しているからである。したがって、アンカー本体の分割部先端が、打込みによってコンクリート孔壁面を楔部材のテーパー面に沿って削って行くと、削られた削粉又は粒子によって本体及び楔部材の隙間は直ぐに埋り、同時に本体の分割部先端に削粉又は粒子が詰まるので、打込み抵抗が大きくなりコンクリート孔壁への食込みが悪くなるものであった。《2》打込み作業において、アンカー本体の分割部が楔部材の最大径部を超えると言うことは、本体の拡開が未だ可能であることであり、拡開不足により低い引張力しか得られないという大きな問題がある。また、この状態でアンカーの引張試験を行うと、本体の分割部が楔部材の最大径部を越えた時、コンクリート壁面との間に僅かな隙間が発生し、荷重・変位曲線において、初期変位が大きく表われると言った問題がある。《3》また、打込み施工の際、アンカー本体内径部の全面が楔部材のテーパー面に当っているので、両者の当り面が大きくなり、打込み抵抗が大きくなるという施工上の問題もあった。
【0006】
第2先行例に記載のアンカーは、アンカー本体12とくさび部材13により構成されたものであり、通常は、くさび部材がコンクリート孔底で打込み反力を受けるのに対し、ここでは、くさび部材に設けられたストッパー22がコンクリート孔入口部でアンカー本体の打込み反力を受ける点が大きく異なっている。この打込み反力をコンクリート孔入り口部で受けることにより、コンクリートへの穿孔深さを所定の深さにしなくても良いと言う利点があるが、ストッパーとアンカー本体を拡開するくさび部材を一体成形したことにより、以下の問題が生じている。《1》ストッパーがアンカー本体の割り溝16の内端縁に当った時、くさび部材のくさび片21がアンカー本体の開脚片17を必ずしも十分に拡開しているとは限らないことがある。《2》コンクリート圧縮強度が高い場合には、ストッパーが割り溝の内端縁に当る前にくさび部材の拡開が終了し、打込み完了の確認が困難であった。《3》コンクリート中の骨材にコンクリート孔入口部でストッパーが当った場合は、ストッパーがコンクリートの表面に突き出て設備機器の底面に当り、当該機器がコンクリート面に平行に設置できないことがある。
【0007】
第3先行例に記載のアンカーは、アンカー本体とコーンのうち、コーン部分に特徴がある。コーン10には、ストッパー壁上に円錐台部12とアンカー本体1のスリット4に圧入する楔形リブ13が設けられている。アンカー本体がコンクリート孔中で治工具を介して打込まれた時、コーンの円錐台部で本体の拡開部が拡開し、楔形リブがアンカー本体のスリットに圧入する。コーンの円錐台部と楔形リブの傾斜角は同一なので、拡開したアンカー本体の拡開部は一体形状となり、長時間の経過に対しても拡開部の変形が少ないとされている。しかし、第3先行例記載のアンカーには以下の問題がある。《1》コーンにストッパー壁が設けられていることは、アンカー本体の拡開が制限されることになり、アンカーを施工するコンクリートによっては、アンカー本体の拡開が不十分な場合が生じ問題となる。《2》アンカーを打込んだ時、アンカー本体の拡開先端部により、拡開のためコンクリート孔壁を削った削粉又は粒子は、コーンのストッパー壁上に溜り、アンカー本体の拡開先端部が溜った削粉又は粒子を圧縮することになって十分な拡開ができず、アンカーのコンクリートに対する引張力が低下し不安定となるものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の問題点を解決するものであって、打込み施工中に生ずる削粉又は粒子が通る道筋を確保すると共に、これら削粉又は粒子を溜める空間を形成すると共に、打込み抵抗が小さく施工が容易でかつコンクリートに対するアンカー引張力を高め得る本体打込み式アンカーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
解決手段の第1は、アンカーが、中実の軸又は鉄筋の先端部から軸方向に沿って平行な十字スリットを設けたアンカー本体と、基端小径部と先端大径部を有するテーパー外周部の軸方向に上記十字スリットの数に対応する数の排出溝を設けたコーン部材とからなり、上記アンカー本体に上記十字スリットによって分割された拡開部を形成し、上記コーン部材の上記排出溝は、溝底が軸方向に凹んだ弓形形状を呈していて上記基端小径部から先端大径部に到るまで連続して形成され、上記先端大径部に上記排出溝の溝底部よりも小径な台座部を設け、上記排出溝の横断面角度を上記拡開部の横断面角度よりも大きな角度に形成し、当該コーン部材の基端小径部を上記アンカー本体の上記十字スリットの開口部に嵌合することを特徴とするものである。
【0010】
請求項1は、コーン部材に形成した排出溝の溝底を軸方向に凹んだ弓形形状を呈していて基端小径部から先端大径部に到るまで連続して形成し、排出溝の横断面角度を拡開部の横断面角度よりも大きな角度に形成したものであるから、施工時に、アンカー本体の拡開部が扇形状に広がる扇形端部とコーン部材の排出溝の溝底のみが当るので、従来のアンカー本体の内径とコーン部材のテーパー面が全面当るものと比べて当る面積が少ないので、施工時の打込み抵抗が下がり、施工の確実性と施工の打撃力が小さくてよいものとなる。また、打込み施工時に生ずるコンクリートの削粉又は粒子が移動する道筋を確保するとともに、削られた削粉又は粒子を溜める空間を形成したものであるから、削粉又は粒子が圧縮されずに移動するので、結果としてアンカーの拡開寸法が大きくとれるようになっている。
【0011】
解決手段の第2は、アンカーが、中実の軸又は鉄筋の先端部から軸方向に沿って平行な十字スリットを設けたアンカー本体と、基端小径部と先端大径部を有するテーパー外周部の軸方向に上記十字スリットの数に対応する数の排出溝を設けたコーン部材とからなり、上記アンカー本体に上記十字スリットによって分割された拡開部を形成し、上記コーン部材の上記排出溝は溝底が上記基端小径部から先端大径部の近傍に到るまで形成され、上記先端大径部は上記アンカー本体の外径よりも小径に形成され、上記先端大径部に上記排出溝の溝底部よりも小径な台座部を設け、上記排出溝の横断面角度が上記拡開部の横断面角度よりも大きな角度でかつ開口角度を異にした2組の角度で形成され、当該コーン部材の基端小径部を上記アンカー本体の上記十字スリットの開口部に嵌合することを特徴とするものである。
【0012】
請求項2は、コーン部材に設けた排出溝の横断面角度を、拡開部の横断面角度よりも大きな角度でかつ開口角度を異にした2組の角度で形成したものであるから、施工時に、アンカー本体の拡開部とコーン部材の排出溝の面が当ることがなく、したがって、施工時の打込み抵抗が下がり、施工の確実性と施工の打撃力が小さくてよいものとなる。
【0013】
削除
【0014】
削除
【0015】
削除
【0016】
削除
【0017】
削除
【0018】
【発明の実施の形態】
図1から図6が第1実施例を示しており、図1はアンカー本体とコーン部材を結合した状態を示す斜視図、図2はアンカー本体とコーン部材を分離した状態を示す斜視図、図3Aは図2Bにおけるa−a断面図、図3Bは図2Bにおけるb−b断面図、図4はアンカー本体の拡開状態を示す断面図、図5Aはアンカーが施工された状態を示す斜視図、図5Bは図5Aの底面図である。また、図6から図8が第2実施例を示しており、図6はアンカー本体とコーン部材を結合した状態を示す斜視図、図7Aはコーン部材の側面図、図7Bは同断面図、図8は図7Aにおけるc−c断面図である。
【0019】
第1実施例
図1から図5を参照して第1実施例を説明する。図1において、アンカー11は、アンカー本体12とコーン部材13とにより構成されており、図は、コンクリート孔に挿入する前の状態であり、アンカー本体12の先端部にコーン部材13が嵌合された状態となっている。また、図2Aにおいて、アンカー本体12には、先端部から軸方向に沿って十字スリット14が設けられ、該十字スリット14によって均等に4分割された拡開部15が形成され、基端部に雌ネジ16が設けられている。拡開部15は、十字スリット14によって4分割された扇形状を呈する部材であるが、アンカーの拡開部として作用するのは、各部材の扇形状端部17から90度に広がるアンカー外周部18である。
【0020】
図2Bにおいて、コーン部材13には、テーパー外周部22と該テーパー外周部22の軸方向に複数の排出溝20が設けられている。また、コーン部材13には、テーパー外周部22の頂部に基端挿入部19を設けると共に、該基端挿入部19と一体成形した基端小径部21及び先端大径部23を有するテーパー形状に形成されている。なお、先端大径部23は、アンカー本体12の外径と同じか若干小径に形成されている。さらに、先端大径部23には、該先端大径部23より小径で、かつ、上記排出溝20の底部よりも小径な台座部25を設けている。台座部25には突起部24が設けられているが、該突起部24はコンクリート孔底に形成されたコンクリートドリルの刃先角度と同じ角度である。
【0021】
図3Aにおいて、コーン部材13を縦断した時の排出溝20の溝底26は、コーン部材13の軸方向に僅かに凹んだ弓形形状を呈しており、コーン部材13のテーパー外周部22とは異なる曲線となっている。また、図3Bにおいて、コーン部材13の排出溝20の横断した時のV字角「Q」は110度である。なお、アンカー本体12の拡開部15の扇形角度は、十字スリット14で形成されたV字角「T」は90度であるから、アンカー施工中にコーン部材13の開口縁部27が、アンカー本体12の拡開部15に当接しない構造となっている。これにより、アンカーの拡開作業は、アンカー本体の拡開部15に形成された各部材の扇形状端部17が、コーン部材13に形成した排出溝20の溝底26に当たりながら進められる。
【0022】
第1実施例のアンカーを施工する時は、アンカー本体よりも0.5〜1.0mm程度大きい径のコンクリートドリルを使用してコンクリートに穿孔する。第1実施例のアンカーは、基端部に雌ネジ16が設けられているので、コンクリート面に機器を取り付ける場合は、アンカー本体12の頭部がコンクリート表面に出ないように穿孔深さを決める。図1に示すように、アンカー11は、アンカー本体12にコーン部材13を嵌合した状態でコンクリート孔に挿入し、コーン部材13がコンクリート孔の底部に当ったことを確認したら、ハンマーと打込み治具を用いて打込む。
【0023】
図4において、コーン部材13に設けた排出溝20の溝底26の深さは、基端挿入部19では一定であるが、基端小径部21から先端大径部23までは軸方向に凹む弓形形状になっているので、アンカー本体12に形成した拡開部15の内側先端部29が基端小径部21を越えると、拡開部15は、コーン部材13の基端挿入部19の外側基端部28と扇形端部17の内側先端部29が当たることになる。これにより、アンカーの施工中は、アンカー本体12とコーン部材13は全周面が当っていないので、打込み抵抗が小さくなり施工が容易となる。
【0024】
アンカー本体12とコーン部材13が生材であると、施工中にアンカー本体とコーン部材の当っている部分が食付くおそれがあるが、コーン部材13を冷間圧造により製作すれば、表面硬度が高くなり両者の食付き現象を回避できる。また、コーン部材13の底部に形成した台座部25に、コンクリートドリルの刃先角度と同じ角度の突起部24を設けているから、アンカーの施工中に当該コーン部材13の軸芯がずれたりすることがない。
【0025】
アンカー11を施工すると、アンカー本体12の拡開部15の扇形端部17は、コーン部材13の溝底26に沿って進み、また、拡開部15の外側先端部30がコンクリート孔壁を削りながら拡開するが、削られた削粉又は粒子は、当該コーン部材13の排出溝20を道筋として台座部25とコンクリート孔壁により形成されている空間へ逃げる。
【0026】
図5において、コンクリートは図示されていないが、Aは第1実施例のアンカー11をコンクリート孔内で拡開した状態を示しており、Bは拡開したアンカー11を底部から見たコーン部材13と拡開部15の拡開した状態を示している。
【0027】
第2実施例
図6から図8を参照して第2実施例を説明する。図6において、第2実施例によるアンカー本体12は、第1実施例の場合と同じ構造である。ただし、コーン部材1313は、第1実施例と異なっている。
【0028】
図6に示すように、コーン部材1313の先端大径部2323は、アンカー本体1212の外径よりも小径に形成されている。第2実施例においては、アンカー本体1212とコーン部材1313の先端大径部2323の間に形成される空隙部から、アンカーの打込み施工時に拡開部1515の外側先端部3030がコンクリート孔壁を削った削粉又は粒子を、台座部2525と当該コンクリート孔壁との間に形成された空間へ逃がすようになっている。
【0029】
図7Aに示すように、コーン部材1313の排出溝2020の長さは、先端大径部2323で切り上がり、先端大径部2323には排出溝がない。上記したように、先端大径部2323の外径は、アンカー本体1212の外径よりも小径に形成されているので、コンクリート孔壁内で拡開部1515の先端とコーン部材1313の先端大径部2323との間に空隙部が形成されるので、第2実施例においては、削られた削粉又は粒子を台座部2525へ逃がす通路が確保されている。
【0030】
図7Bにおいて、コーン部材1313に形成した排出溝2020の溝底2626は、第1実施例と同様に、コーン部材の軸方向に僅かに凹んだ弓形形状を呈するものであるが、横断面形状は第1実施例と異なる構造を有している。
【0031】
図8に示すコーン部材1313の横断面形状が第2実施例の特徴的な構造である。コーン部材1313の排出溝2020を横断した時のV字角「Y」は、途中からV字の角度が「R」に変わり、排出溝の開口縁部2727に達している。因みに、V字角「Y」は130度であり、V字角「R」は70度である。このため、排出溝2020は、V字の角度が130度と70度の2つの平面により形成されている。なお、同図において「T」は、アンカー本体1212の拡開部1515の横断面角度を表しており、V字角「T」は90度である。
【0032】
第2実施例においても、アンカー1111の打込み施工時には、コーン部材1313の排出溝2020の溝底2626に、アンカー本体1212の拡開部1515の扇形端部のみが当り、アンカー本体1212とコーン部材1313は全周面が当たらずに拡開するので、この場合も打込み抵抗が小さくなり施工が容易となる。
【0033】
【発明の効果】
《1》施工時に、アンカー本体の拡開部が扇形状に広がる扇形端部とコーン部材の排出溝の溝底のみが当るので、従来のようにアンカー本体の内径とコーン部材のテーパー面が全面当るものと比べて当る面積が少ないので、施工時の打込み抵抗が下がり、施工の確実性と施工の打撃力が小さくてよいものとなる。
《2》打込み施工時に生ずるコンクリートの削粉又は粒子が移動する道筋を確保し、削られた削粉又は粒子を溜める空間を形成したものであるから、従来のように、削粉又は粒子が圧縮されずに移動するので、結果としてアンカーの拡開寸法が大きくとれるようになっている。
《3》アンカー本体の拡開部が、十字スリットにより形成される均等4分割の扇形状であるが、拡開寸法が扇形端部から外周部までの区域となり、従来のアンカー本体の拡開部であるアンカー本体の外径と内径の差による肉厚に比べて拡開寸法が大きくとれるので、古くなって圧縮強度が低下したコンクリートにも対応できるものとなる。
《4》アンカー本体は、十字スリットの扇形端部がコーン部材の排出溝の溝底に沿って移動し、また、コーン部材の底部に、コンクリート孔底の形状と一致する突起部を設けたものであるから、施工中にアンカー本体とコーン部材の芯ずれがなく、アンカー本体の拡開部が均一に拡開し、これによりアンカー強度が安定するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例によるアンカー本体とコーン部材を結合した斜視図。
【図2】 Aは第1実施例のアンカー本体の斜視図、Bは第1実施例のコーン部材の斜視図。
【図3】 Aは図2Bにおけるa−a断面図、Bは図2Bにおけるb−b断面図。
【図4】 第1実施例におけるアンカー本体の拡開状態を示す断面図。
【図5】 Aは第1実施例によるアンカーが施工された状態を示す斜視図、Bは図5Aの底面図。
【図6】 第2実施例によるアンカー本体とコーン部材を結合した斜視図。
【図7】 Aは第2実施例におけるコーン部材の側面図、Bは同断面図。
【図8】 図7Aにおけるc−c断面図。
【図9】 従来技術によるアンカーの斜視図。
【符号の説明】
11,1111 アンカー
12,1212 アンカー本体
13,1313 コーン部材
14,1414 十字スリット
15,1515 拡開部
16,1616 雌ネジ
17,1717 扇形端部
18 アンカー外周部
19 基端挿入部
20,2020 排出溝
21 基端小径部
22 テーパー外周部
23,2323 先端大径部
24,2424 突起部
25,2525 台座部
26,2626 溝底
27 開口縁部
28 外側基端部
29 内側先端部
30 外側先端部

Claims (2)

  1. アンカーが、中実の軸又は鉄筋の先端部から軸方向に沿って平行な十字スリット(14)を設けたアンカー本体(12)と、基端小径部(21)と先端大径部(23)を有するテーパー外周部(22)の軸方向に上記十字スリットの数に対応する数の排出溝(20)を設けたコーン部材(13)とからなり、上記アンカー本体に上記十字スリットによって分割された拡開部(15)を形成し、上記コーン部材の上記排出溝は、溝底(26)が軸方向に凹んだ弓形形状を呈していて上記基端小径部から先端大径部に到るまで連続して形成され、上記先端大径部に上記排出溝の溝底部よりも小径な台座部(25)を設け、上記排出溝の横断面角度を上記拡開部の横断面角度よりも大きな角度に形成し、当該コーン部材の基端小径部を上記アンカー本体の上記十字スリットの開口部に嵌合することを特徴とする本体打込み式アンカー。
  2. アンカーが、中実の軸又は鉄筋の先端部から軸方向に沿って平行な十字スリット(1414)を設けたアンカー本体(1212)と、基端小径部(2121)と先端大径部(2323)を有するテーパー外周部(2222)の軸方向に上記十字スリットの数に対応する数の排出溝(2020)を設けたコーン部材(1313)とからなり、上記アンカー本体に上記十字スリットによって分割された拡開部(1515)を形成し、上記コーン部材の上記排出溝は溝底(2626)が上記基端小径部から先端大径部の近傍に到るまで形成され、上記先端大径部は上記アンカー本体の外径よりも小径に形成され、上記先端大径部に上記排出溝の溝底部よりも小径な台座部(2525)を設け、上記排出溝の横断面角度が上記拡開部の横断面角度よりも大きな角度でかつ開口角度を異にした2組の角度で形成され、当該コーン部材の基端小径部を上記アンカー本体の上記十字スリットの開口部に嵌合することを特徴とする本体打込み式アンカー。
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